JP2001158201A - 静止板装置および静止板付き回転体装置 - Google Patents

静止板装置および静止板付き回転体装置

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JP2001158201A JP34543299A JP34543299A JP2001158201A JP 2001158201 A JP2001158201 A JP 2001158201A JP 34543299 A JP34543299 A JP 34543299A JP 34543299 A JP34543299 A JP 34543299A JP 2001158201 A JP2001158201 A JP 2001158201A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止板を安定して静止状態に置くことができ
る静止板装置および静止板付き回転体装置を提供する。 【解決手段】 固定部材18の円筒部30の内側にころ
がり軸受け54を組付け、ころがり軸受け54に、予め
ウエイト50が取付けられた中間部材20の突起部34
を組付ける。中間部材20の凹部32cにころがり軸受
け56を組付け、ころがり軸受け56に、予めウエイト
52が取付けられた静止板22の円筒部42を組付け
る。固定部材18にカバー24を取付ける。このように
して構成される静止板装置10の固定部材18をホイー
ル部材16に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静止板装置および
静止板付き回転体装置に関し、一層詳細には、ウエイト
を備え、回転体に取付けられ、回転体の運動と同調する
ことなく静止状態を維持する静止板を有する静止板装置
および静止板付き回転体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のホイール部材に表示板
を取り付けることが提案されている。この表示板に表示
される文字等は自動車の走行中においても視認すること
ができる構成とされており、したがって、表示板を広告
宣伝等の情報伝達媒体として利用し、あるいは、ホイー
ル部材の装飾品として用いることができる。
【0003】このような自動車の走行中に視認可能な表
示板としては、例えば、ヒトの眼の残像現象を利用した
ものがあり、表示板を特殊な曲面形状に設けて、車輪の
特定の回転角度の位置においてのみ擬似的に静止状態に
ある文字等を視認可能とした簡易な構造のものや、表示
板の対向する部分にストロボ装置を設けて車輪の回転と
ストロボ装置との発光とを同調させ、静止状態で視認可
能とした特殊な構造のもの等が提案されている。
【0004】これに対して、自動車の走行中にホイール
部材の回転と同調することなく表示板を実質的に静止状
態に置いて視認可能にするものとして、ホイール部材に
取付けられた固定部材と表示板とが1つの軸受け機構に
よって摺動可能に接合され、さらに、静止姿勢を安定化
するために表示板にウエイトが設けられた構成のものが
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の装置は、残像現象を利用したものの場合、表示
板に表示された文字等を明瞭に、また、鮮明に視認でき
ないことがあり、情報伝達媒体や装飾品としては必ずし
も十分な効果を発揮することができない。一方、表示板
を実質的に静止状態に置いたものの場合においても、例
えば、自動車の加減速時には表示板が回転したり、振れ
る等することがあり、このときも上記と同様の不具合を
避けることができない。また、特に雨天時において泥水
等が表示板とホイール部材の間の隙間に浸入して固まる
と、表示板がホイール部材と一体化され、ホイール部材
と同調して表示板が回転する不具合もある。
【0006】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、静止板を安定して静止状態に置くことができる
静止板装置および静止板付き回転体装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る静止板装置
は、回転体装置の回転体に取付けられ、該回転体の回転
運動と同調することなく静止状態を維持する静止板を有
する静止板装置であって、該静止板とともに固定部材と
中間部材とをさらに有し、該固定部材は該回転体に固定
され、該中間部材は軸受け部材を介して該固定部材に支
持され、該静止板は軸受け部材を介して該中間部材に支
持され、該静止板はウエイトを備えてなることを特徴と
する。
【0008】これにより、固定部材に伝達される回転体
の回転運動は、中間部材および軸受け部材が介在するこ
とによって、静止板への伝達が阻止されるため、静止板
を安定して静止状態におくことができる。したがって、
静止板を広告宣伝等の情報伝達媒体や装飾品として利用
するときの視認性に優れて、好適である。このような静
止板装置は、回転体としてホイール部材を備えた自動車
を始めとして、さらに、扇風機、時計、換気扇等々の回
転体を有する装置に広く適用することが可能であり、こ
の場合、静止板には、文字、絵画、写真等の各種表現手
段を用いて表示を行うことができる。
【0009】この場合、前記中間部材は2以上設けら
れ、各中間部材は相互に軸受け部材を介して支持されて
なると、回転体の回転運動が静止板に伝達する現象をよ
り確実に阻止することができ、一層好適に本発明の効果
を奏することができる。また、この場合、前記中間部材
はウエイトを備えてなると、中間部材自体がより静止状
態を維持しやすいため、静止板の回転をより確実に防止
でき、また、静止板に振れを生じた場合であっても急速
に減衰することができて、好適である。
【0010】また、前記軸受け部材の少なくともいずれ
か1つはころがり軸受けであると、起動摩擦および動摩
擦が特に小さいため、回転体の回転運動が静止板に伝達
する現象をより確実に阻止することができ、一層好適に
本発明の効果を奏することができる。また、本発明に係
る静止板付き回転体装置は、回転体装置の回転体に取付
けられ、該回転体の回転運動と同調することなく静止状
態を維持する静止板を有する静止板付き回転体装置であ
って、該回転体に固定される固定部材と、該固定部材に
軸受け部材を介して支持される中間部材と、該中間部材
に軸受け部材を介して支持され、ウエイトを備えた該静
止板とが設けられてなることを特徴とする。
【0011】これにより、静止板付き回転体装置におい
て本発明の静止板装置の効果を好適にすることができ
る。また、本発明に係る静止板装置または静止板付き回
転体装置において、前記固定部材、前記中間部材および
前記静止板の各部材間の隙間ならびに前記軸受け部材を
外部と遮断するカバー部材がさらに設けられると、外部
から埃や泥水等が各部材間の隙間や軸受け部材に浸入す
ることが防止されるため、固定部材、中間部材および静
止板が一体的に固着されて静止板が固定部材等と同調し
て回転する不具合を生じることがなく、また、軸受け部
材の円滑な動作が維持される。このとき、固定部材、中
間部材および静止板の各部材全体を、例えば、透明のケ
ース(カバー部材)で覆う構成とすると、外部の埃等が
表示板に付着することによって表示板が直接に汚損され
ることがない。
【0012】また、本発明に係る静止板装置または静止
板付き回転体装置において、前記回転体装置は自動車で
あり、前記回転体はホイール部材であると、好適に本発
明の効果を奏することができる。ここで、自動車とは、
四輪車および二輪車の双方を含む。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る静止板装置および静
止板付き回転体装置の好適な実施の形態(以下、本実施
の形態例という。)について、回転体装置の回転体とし
て四輪自動車のホイール部材を例にとって、図を参照し
て、以下に説明する。本実施の形態の第1の例に係る静
止板付装置について、図1を参照して説明する。
【0014】図1(a)の静止板装置の側面断面図に示
すように、静止板装置10は、車軸12および車軸12
に取付けられたホイール14からなるホイール部材(回
転体)16に固定して使用するものであり、ホイール部
材16に固定される固定部材18と、固定部材18に取
付けられる中間部材(回転遮断カラー)20と、中間部
材20に取付けられる静止板22と、静止板22を覆う
ケース(カバー部材)24とから略構成される。
【0015】静止板装置10をホイール部材16へ固定
する方法については後述するものとし、以下、静止板装
置10の構成およびその組立構造について説明する。ま
ず、静止板装置10の構成について説明する。固定部材
18は、円柱部26と、円柱部26から同軸に延出し
た、円柱部26よりも径の大きい円筒部28および円柱
部26よりも径の小さい円筒部30とから構成される。
円筒部28の先端部外周には切り欠き部29が形成され
ている。
【0016】中間部材20は、断面が略W字形状の凹凸
のある薄板円盤状であり、上半体部20aの径R1は下
半体部20bの径R2よりも小さく形成されており、
(図1(b)参照)。したがって、外周が段差状に形成
されている。中間部材20は、中央の凸部19の裏面に
形成される凹部32aに突起部34が立設されている。
また、中間部材20の外周に周回縁辺部35が形成さ
れ、これにより、周回縁辺部35と凸部19との間に凹
部32bが形成されている。下半体部20bについて
は、縁辺部35の外周にさらに1 条の周回突起部36が
形成され、これにより、縁辺部35と突起部36との間
に周回凹部32cが形成されている。
【0017】静止板22は、略薄板円盤状であり、外周
に周回側壁部40が立設され、また、中央には円筒部4
2が立設され、さらに、下半体部22bには側壁部40
と円筒部42との間に周回突起部44が形成されてい
る。これにより、上半体部22aには側壁部40と円筒
部42との間に周回凹部43が形成され、一方、下半体
部22bには幅寸法の異なる2条の幅広な周回凹部46
a、46bが形成されている。なお、静止板22の表側
の面23には、例えば、宣伝広告用等のための文字等が
表示される。
【0018】ケース24は、略薄板円盤状であり、外周
に短尺な周回側壁部48が立設されている。これら固定
部材18、中間部材20、静止板22およびケース24
の各部材は、好適には、樹脂材料を用い、特にケース2
4については透明材料を用いて形成されるが、これに限
らず、ケース24を除く各部材については、軽金属材料
あるいは軽合金材料を用いることもできる。
【0019】図1(b)の静止板装置10の図1(a)
中(b)−(b)線上断面図に示すように、中間部材2
0の下半体部20bの凹部32cには半割り薄肉円筒状
のウエイト50が嵌合され、また、静止板22の下半体
部22bの凹部46aにも半割り薄肉円筒状のウエイト
52が嵌合されている。なお、図1(b)では後述する
ころがり軸受け(軸受け部材)54、56については図
示していない。
【0020】つぎに、上記のように構成される静止板装
置10の組立構造について説明する。固定部材18の円
筒部30の内側にころがり軸受け(軸受け部材)54を
組付け、ころがり軸受け54に、予めウエイト50が取
付けられた中間部材20の突起部34を圧入等して組付
ける。これにより、固定部材18に中間部材20が支持
される。
【0021】ついで、中間部材20の凹部32cにころ
がり軸受け(軸受け部材)56を組付け、ころがり軸受
け56に、予めウエイト52が取付けられた静止板22
の円筒部42を圧入等して組付ける。これにより、中間
部材20に静止板22が支持される。ついで、固定部材
18の切り欠き部29にカバー24の側壁部48の先端
が外嵌するようにして、固定部材18にカバー24を取
付ける。これにより、固定部材18、中間部材20およ
び静止板22がそれぞれころがり軸受け54、56を介
して一体化されるとともに、これらの各部材および各部
材間の間隙はカバー24によって被覆、密閉される。
【0022】上記のころがり軸受け54、56の材質
は、耐熱・耐候性樹脂、アルミニウム、アルミニウム合
金、チタン、チタン合金、ガラス繊維入り樹脂、薄肉S
S(普通鋼)鉄板、薄肉SUS(ステンレス鋼)鉄板等
から適宜選択して用いることができる。つぎに、本実施
の形態の第2の例に係る静止板付装置10aについて、
図2を参照して説明する。なお、本実施例を含む以下の
実施例において、固定部材18、中間部材20、静止板
22およびケース24からなる静止板付装置の各構成要
素の組み合わせは基本的に同一であり、本実施の形態の
第1の例と同一の構成要素については同一の参照符号を
付し、説明を省略することがある。
【0023】本実施の形態の第2の例に係る静止板付装
置10aにおいて第1の例と相違するのは以下の点であ
る。固定部材18には第1の例の円筒部30に代えて突
起部58が円柱部26に立設されている。中間部材20
はW字状の凹凸形状に代えて略薄板円盤状に形成され、
その外形形状は第1の例と同様に上半体部20aの径よ
りも下半体部20bの径の方が大きく、外周が段差状に
形成されている。中間部材20は外周に周回側壁部65
が立設され、一方、中央には円筒部69が立設されてい
る。これにより、側壁部65と円筒部69との間に周回
凹部67が形成されている。下半体部20bは側壁部6
5の外周にさらに周回突起部71が設けられ、これによ
り、突起部71と側壁部65との間に周回凹部73が形
成されている。凹部73にウエイト50が取付けられて
いる。
【0024】静止板22の短尺な側壁部40に中空円筒
部材62がその外周壁64の端部を固定されて、静止板
22と一体的に設けられている。中空円筒部材62は、
内周壁63と外周壁64とが形成され、これにより、幅
広の周回凹部60が形成されている。下半体部62aの
凹部60にはさらに1条の周回突起部66が形成され、
凹部60が周回凹部55a、55bに分割されている。
凹部55bにウエイト52が設けられている。この場
合、ウエイト52はウエイト50よりも著しく大きな重
量とされているが、これに限らず、ウエイト50の方を
ウエイト52より大きな重量としてもよい。
【0025】上記のように構成される本実施の形態の第
2の例に係る静止板付装置10aでは、ころがり軸受け
54を介して固定部材18の突起部58と中間部材20
の円筒部69とが係合し、ころがり軸受け56を介して
中空円筒部材62の内周壁63と中間部材20の側壁部
65とが係合している。なお、この場合、各部材の組付
けに際し、予め中空円筒部材62を固定部材18の円筒
部28の内側に配設した状態で、円筒部28のにころが
り軸受け56を取付ける。そして、中間部材20を固定
部材18および中空円筒部材62に同時に組付けた後、
中空円筒部材62と静止板22とを接合する。
【0026】つぎに、本実施の形態の第3の例に係る静
止板付装置10bについて、図3を参照して説明する。
静止板付装置10bにおいて、固定部材18には円柱部
26に延出して円筒部28のみが設けられている。中間
部材20は略薄板円盤状であり、外周に周回突起部68
が立設されることにより、凹部70が形成されている。
凹部70の中央には突起部72が立設されている。下半
体部20bの凹部70に1条の周回突起部74が設けら
れて、これにより、周回凹部76が形成され、その凹部
76にウエイト50が取付けられている。
【0027】静止板22は略薄板円盤状であり、中央に
円筒部78が立設されるとともに、下半体部22bには
1条の周回突起部80が形成され、円筒部78と突起部
80との間に形成される周回凹部81にウエイト52が
取付けられている。上記のように構成される本実施の形
態の第3の例に係る静止板付装置10bでは、固定部材
18に取付けられたころがり軸受け54に内嵌して中間
部材20が組付けられ、中間部材20の突起部72を外
嵌するころがり軸受け56を外嵌して静止板22が組付
けられている。したがって、動力源によって付勢される
ホイール部材に固定されて回転する回転軸としての固定
部材18の円筒部28が最外周に配置され、その内側に
ころがり軸受け54、56を介して中間部材20および
静止板22が配置されている。
【0028】つぎに、本実施の形態の第4の例に係る静
止板付装置10cについて、図4を参照して説明する。
静止板付装置10cは、いわば、上記本実施の形態の第
2の例のものを基本形とし、第2の例における中空円筒
部材62を静止板22とは分離させて2つめの中間部材
とし、ころがり軸受けを介して静止板を取付けた構成と
されている。
【0029】すなわち、ころがり軸受け54aを介して
固定部材18に中間部材21aが組付けられ、さらに、
ころがり軸受け54bを介して中間部材21aに中間部
材21bが組付けられ、この中間部材21bにころがり
軸受け56を介して静止板22が組付けられている。な
お、中間部材21aおよび静止板22にウエイト50
a、52が取付けられるとともに、さらに、中間部材2
1bにもウエイト50bが取付けられている。
【0030】つぎに、図5を参照して、上記のように種
々の形態に構成される本発明に係る静止板付装置10、
10a〜10cをホイール部材16へ固定する方法につ
いて、以下説明する。この場合の静止板付装置10dの
各構成要素は、図1、2の第1、2の例と類似するもの
であるが、中間部材20が中空円筒状に形成されてお
り、その内側にころがり軸受け54が取り付けられると
ともに、その外側にころがり軸受け56が取付けられる
構成とされている点が第1、2の例とは異なる。したが
って、固定部材18、中間部材20および静止板22を
順次外嵌して組付けされるため、第2の例に係る静止板
付装置10aよりは、組付けを容易に行うことができ
る。なお、静止板22には着脱自在に表示板25が取付
けられ、また、中間部材20のウエイトは省かれて、静
止板22にウエイト52のみが設けられている。
【0031】固定部材18は本実施の形態の第1の例等
の他の実施例の円柱部26に代えて、可撓性材料を用い
た円筒部材に複数のスリットが形成された複数条の周回
突起部82が設けられている。突起部82の先端には外
周に突起82aが形成されている。上記のように静止板
装置10dは、固定部材18、中間部材20、静止板2
2およびケース24が予め一体的に形成されているた
め、このような静止板装置10dを準備しておくと、ホ
イール部材16に簡易かつ迅速に取付けることができ
る。
【0032】なお、図5の静止板付装置10dおよび図
2の静止板付装置10aのようにホイール部材16と同
調して回転する固定部材18の小さな径の軸(図2の場
合の突起部58)を中心部に配置し、中間部材20、静
止板22を順次その外周に組付ける構成のものの方が、
図3の静止板付装置10bのように固定部材18の大き
な径の軸(図3の場合の円筒部28)を最外周に配置
し、その内側に中間部材20、静止板22を組付ける構
成のものよりも好ましい。
【0033】一方、ホイール部材16は、車軸12に固
定されたホイール14の中央に段差状の貫通孔部84が
形成され、貫通孔部84の径の小さい側の部位にはテー
パ状の開口壁を有する周回凹部86が形成されている。
静止板装置10dをホイール部材16に固定するには、
静止板装置10dの突起部82を内側に向けて撓ませた
状態でホイール部材16の貫通孔部84に挿入する。そ
して、挿入後、撓みを解消することにより、突起部82
が原形状に復帰して、突起82aが凹部86に係止さ
れ、静止板装置10dがホイール部材16に固定され
る。この場合、静止板22は通常設けられるいわゆるセ
ンターキャップと同程度あるいはそれよりもやや大きな
径とされている。なお、本実施の形態の第1の例等の他
の実施例のように固定部材18に円柱部26が形成され
ているときは、ネジ止め等の適宜の係合手段を用いて、
この円柱部26をホイール14等に取付けることができ
る。
【0034】上記のように構成される静止板装置10、
10a〜10dを備えた四輪自動車(回転体装置)90
の外観を図6に示す。この場合、図5の例とは異なり、
表示板25はホイール14のタイヤ装着部の内側近傍ま
で展開する大きな径に形成されている。以上説明した本
発明に係る静止板装置10、10a〜10dおよび四輪
自動車90によれば、固定部材18に伝達される車軸1
2の回転運動は、ころがり軸受け54を介して中間部材
20に伝わることはほとんどなく、また、中間部材20
がわずかに摺動したとしてもころがり軸受け56を介し
て静止板22に伝わることはほとんどないため、静止板
22への伝達が阻止され、静止板22を安定して静止状
態におくことができる。したがって、静止板22を広告
宣伝等の情報伝達媒体や装飾品として利用するときの視
認性に優れる。この場合、第4の例のように中間部材2
1a、21bを複数設け、中間部材21a、21b間に
ころがり軸受け54bを設けると、一層確実に静止板2
2を静止状態におくことができる。なお、この場合、起
動摩擦および動摩擦をより小さくするためには全ての軸
受け部材をころがり軸受けとすることが最も好ましい
が、これに限ることなく、ころがり軸受けの一部又は全
部をすべり軸受けに代え、すべり軸受けの摺接面に潤滑
性の高い表面処理加工等を施した形態としてもよい。
【0035】また、静止板22にウエイト52を取付
け、さらに中間部材20にも1または2以上のウエイト
50、50a、50bを適宜取付けているため、静止板
22の回転をより確実に防止でき、また、静止板22に
振れを生じた場合であっても急速に減衰することができ
る。また、固定部材18、中間部材20および静止板2
2の各部材全体を、透明のケース24で覆っているた
め、外部の埃等が表示板25に付着することによって表
示板25が直接に汚損されることがなく、また、軸封部
や、各部材間の間隙に埃等が浸入することもない。
【0036】上記の本実施の形態例に限ることなく、静
止板装置をホイール部材に固定する方法としてネジ止め
等の他の種々の係合手段を用いることができる。また、
固定部材、中間部材、静止板およびケースが一体的に形
成されて静止板装置とされる上記の形態に代えて、これ
らの各部材をホイール部材に順次組付けた形態とするこ
とを排除するものではない。また、各部材および軸受け
部材全体をケースで覆う上記の形態に代えて、各部材間
の隙間および軸受け部材を個別に局部的にシールする形
態とすることを排除するものではない。また、この場
合、中間部材および静止板それぞれに互いに反対の磁極
をもつ磁石を近接した位置に取付けておくと、磁石の反
発力によって、本発明の効果を一層奏することができ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る静止板付装置によれば、静
止板とともに固定部材と中間部材とをさらに有し、固定
部材は回転体に固定され、中間部材は軸受け部材を介し
て固定部材に支持され、静止板は軸受け部材を介して中
間部材に支持され、静止板はウエイトを備えてなるた
め、固定部材に伝達される回転体の回転運動は、中間部
材および軸受け部材が介在することによって、静止板へ
の伝達が阻止され、静止板を安定して静止状態におくこ
とができる。したがって、静止板を広告宣伝等の情報伝
達媒体や装飾品として利用するときの視認性に優れて、
好適である。
【0038】また、本発明に係る静止板装置によれば、
中間部材は2以上設けられ、各中間部材は相互に軸受け
部材を介して支持されてなるため、回転体の回転運動が
静止板に伝達する現象をより確実に阻止することがで
き、一層好適に本発明の効果を奏することができる。ま
た、本発明に係る静止板付装置によれば、中間部材はウ
エイトを備えてなるため、中間部材自体がより静止状態
を維持しやすく、静止板の回転をより確実に防止でき、
また、静止板に振れを生じた場合であっても急速に減衰
することができて、好適である。
【0039】また、本発明に係る静止板装置によれば、
軸受け部材の少なくともいずれか1つはころがり軸受け
であるため、起動摩擦および動摩擦が特に小さく、回転
体の回転運動が静止板に伝達する現象をより確実に阻止
することができ、一層好適に本発明の効果を奏すること
ができる。また、本発明に係る静止板付き回転体装置に
よれば、回転体に固定される固定部材と、固定部材に軸
受け部材を介して支持される中間部材と、中間部材に軸
受け部材を介して支持され、ウエイトを備えた静止板と
が設けられるため、本発明の効果を奏することができ
る。
【0040】また、本発明に係る静止板装置または静止
板付き回転体装置によれば、カバー部材がさらに設けら
れるため、外部から埃や泥水等が各部材間の隙間や軸受
け部材に浸入することが防止され、固定部材、中間部材
および静止板が一体的に固着されて静止板が固定部材等
と同調して回転する不具合を生じることがなく、また、
軸受け部材の円滑な動作が維持される。。
【0041】また、本発明に係る静止板装置または静止
板付き回転体装置によれば、回転体装置は自動車であ
り、回転体はホイール部材であるため、好適に本発明の
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の第1の例に係る静止板装置を説
明するためのものであり、(a)は静止板装置の部分側
面断面図であり、(b)は(a)の(b)−(b)線上
断面図である。
【図2】本実施の形態の第2の例に係る静止板装置の部
分側面断面図である。
【図3】本実施の形態の第3の例に係る静止板装置の部
分側面断面図である。
【図4】本実施の形態の第4の例に係る静止板装置の部
分側面断面図である。
【図5】本発明の静止板装置をホイール部材に固定する
方法を説明するための図である。
【図6】本発明の静止板装置を備えた四輪自動車の部分
側面図である。
【符号の説明】
10、10a〜10d 静止板装置 12 車軸 14 ホイール 16 ホイール部材 18 固定部材 20、21a、21b 中間部材 22 静止板 24 ケース 25 表示板 50、50a、50b、52 ウエイト 54、54a、54b、56 ころがり軸受け 90 四輪自動車
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月12日(2000.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体に取付けられ、該回転体の回転運
    動と同調することなく静止状態を維持する静止板を有す
    る静止板装置であって、 該静止板とともに固定部材と中間部材とをさらに有し、 該固定部材は該回転体に固定され、該中間部材は軸受け
    部材を介して該固定部材に支持され、該静止板は軸受け
    部材を介して該中間部材に支持され、 該静止板はウエイトを備えてなることを特徴とする静止
    板装置。
  2. 【請求項2】 前記中間部材はウエイトを備えてなるこ
    とを特徴とする請求項1 記載の静止板装置。
  3. 【請求項3】 前記中間部材は2以上設けられ、各中間
    部材は相互に軸受け部材を介して支持されてなることを
    特徴とする請求項1 記載の静止板装置。
  4. 【請求項4】 前記中間部材の少なくともいずれか1つ
    はウエイトを備えてなることを特徴とする請求項3記載
    の静止板装置。
  5. 【請求項5】 前記軸受け部材の少なくともいずれか1
    つはころがり軸受けであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1 項に記載の静止板装置。
  6. 【請求項6】 前記固定部材、前記中間部材および前記
    静止板の各部材間の隙間ならびに前記軸受け部材を外部
    と遮断するカバー部材がさらに設けられてなることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1 項に記載の静止板装
    置。
  7. 【請求項7】 前記回転体は自動車のホイール部材であ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1 項に記載
    の静止板装置。
  8. 【請求項8】 回転体装置の回転体に取付けられ、該回
    転体の回転運動と同調することなく静止状態を維持する
    静止板を有する静止板付き回転体装置であって、 該回転体に固定される固定部材と、該固定部材に軸受け
    部材を介して支持される中間部材と、該中間部材に軸受
    け部材を介して支持され、ウエイトを備えた該静止板と
    が設けられてなることを特徴とする静止板付き回転体装
    置。
  9. 【請求項9】 前記固定部材、前記中間部材および前記
    静止板の各部材間の隙間ならびに前記軸受け部材を外部
    と遮断するカバー部材がさらに設けられてなることを特
    徴とする請求項8記載の静止板装置。
  10. 【請求項10】 前記回転体装置は自動車であり、前記
    回転体はホイール部材であることを特徴とする請求項8
    または9記載の静止板付き回転体装置。
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