JP2001155681A - 傾斜機能材料製ランプ用電気導入体およびランプ - Google Patents

傾斜機能材料製ランプ用電気導入体およびランプ

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JP2001155681A
JP2001155681A JP33935399A JP33935399A JP2001155681A JP 2001155681 A JP2001155681 A JP 2001155681A JP 33935399 A JP33935399 A JP 33935399A JP 33935399 A JP33935399 A JP 33935399A JP 2001155681 A JP2001155681 A JP 2001155681A
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lamp
sealing member
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electrode core
hole
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Toyohiko Kumada
豊彦 熊田
Koji Tagawa
幸治 田川
Katsuya Saito
勝也 斉藤
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極芯棒が固着された傾斜機能材料よりな
り、クラックの発生を防止することができると共に、機
械的強度の大きい傾斜機能材料製ランプ用電気導入体お
よび傾斜機能材料製ランプ用電気導入体により気密封止
構造が形成されてなり、長い使用寿命を有する信頼性の
高いランプの提供。 【解決手段】 本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導
入体は、傾斜機能材料よりなる封止部材と、この封止部
材に貫通して固着されて保持された金属よりなる電極芯
棒とよりなり、封止部材には、積層方向に伸びて絶縁性
無機物質層の端面に開口するテーパー状の孔がプレス成
形により形成されると共に、この穴が形成されている領
域以外の保持領域で電極芯棒が保持されており、当該テ
ーパー状の孔は、電極芯棒を構成する金属との熱膨張率
の差が±1×10-6/K以内である領域における個所か
ら絶縁性無機物質層の端面に向かうに従って内径が大き
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜機能材料製ラ
ンプ用電気導入体およびランプに関する。
【0002】
【従来の技術】傾斜機能材料は、例えば金属よりなる導
電性無機物質成分と金属酸化物よりなる絶縁性無機物質
成分との混合焼結体により構成され、特定の一方向に向
かうに従って導電性無機物質成分濃度が段階的または連
続的に変化することにより、導電性無機物質成分濃度が
高い導電性部分と、導電性無機物質成分濃度が零または
当該濃度が低い絶縁性部分とが、異なる個所に位置され
た一体の固体材料であり、例えばランプのシール部の構
成において、電流供給路を形成する電気導入体として好
適に用いられる。
【0003】従来、このような傾斜機能材料を製造する
方法としては、乾式法が有利に利用されている。この乾
式法においては、例えばモリブデンよりなる導電性無機
物質粉末と、例えばシリカよりなる絶縁性無機物質粉末
とを異なる割合で混合することにより、導電性無機物質
粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末を調製してお
き、通常、成形型内に、先ず導電性無機物質粉末を含有
しない絶縁性無機物質粉末のみを重力を利用して充填し
て絶縁性無機物質粉末層を形成し、その上に、導電性無
機物質粉末濃度が最も低い混合粉末から順に層状に充填
して混合粉末層の複数を形成して粉末積層体を形成し、
これをプレス成形することにより、積層成形体を形成す
る。そして、このようにして得られる積層成形体を加熱
焼成して一体の焼結体とすることにより、各々において
は均一な導電性無機物質成分濃度を有する構成層の複数
が、下から上に向かうに従って導電性無機物質成分濃度
が順次に段階的に高くなるよう積層された傾斜機能材料
が製造される。
【0004】而して、このような傾斜機能材料を実際に
ランプ用電気導入体として用いる場合には、当該傾斜機
能材料にリード棒を固着して保持することが必要であ
る。これを達成するために、その底部材から上方に突出
するよう棒状の孔形成用部材が立設されている成形型を
用いて、端面から積層方向に伸びるリード棒挿入用孔を
有する積層成形体を仮焼結して仮焼結体を得、当該リー
ド棒挿入用孔内に、その内径に適合する外径のリード棒
を挿通し、この状態で仮焼結体を加熱焼成して本焼結処
理することにより、当該リード棒を傾斜機能材料に一体
に固着させてランプ用電気導入体を製造する方法が利用
されている。このランプ用電気導入体においては、傾斜
機能材料における導電性無機物質成分濃度の高い領域
で、当該傾斜機能材料にリード棒が密着し、電気的に接
続された状態とされている。
【0005】しかしながら、上記の方法において、リー
ド棒としては、タングステンやモリブデンなどの金属よ
りなるものを用いるため、加熱焼成するときにリード棒
が絶縁性無機物質成分濃度の高い領域の何れかの部分に
固着した状態とされると、リード棒を構成する金属と絶
縁性無機物質成分との熱膨張率の差が大きいために、当
該リード棒が接触した部分にクラックが発生し、従っ
て、このようなランプ用電気導入体によっては、所要の
ランプの気密封止構造を形成することができない。
【0006】このため、図6に示すように、リード棒の
外径に適合する内径の孔51Aが形成された仮焼結体5
0に対し、絶縁性無機物質成分濃度の高い領域にリード
棒が固着することを防ぐため、当該領域に大径の孔51
Bを、例えば超硬ドリルを用いて切削加工し、孔51A
と孔51Bとよりなるリード棒挿入用孔51を形成する
ことが行われる。この孔51Bは、その内端がリード棒
が固着される導電性無機物質成分濃度が高い領域(例え
ば、導電性無機物質成分濃度が55体積%である領域)
の層に隣接する層まで達するよう形成される。
【0007】しかしながら、仮焼結体50は、構成粒子
間の結合力が小さい軟らかいものであるため、切削加工
によって形成されたリード棒挿入用孔51は、その内周
面のいたるところで欠陥が生じたものとなり、本焼結後
に得られる傾斜機能材料製電気導入体は十分な機械強度
を有するものとならない、という問題がある。その上、
超硬ドリルによる切削加工では、形成された孔51Bは
その孔の底面が大きな角度で拡開した状態となり、この
領域では本焼結後にも導電性無機物質の焼結によって得
られる十分な構成粒子間の結合力が得られず、しかも孔
51Bと孔51Aとの境界における内径の変化が大きい
ため、得られる傾斜機能材料製ランプ用電気導入体に十
分な機械的強度が得られない、という問題がある。更
に、切削加工それ自体も長時間の労力を要し、工業的な
量産に適していない、という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な知見に基づいてなされたものであって、その目的は、
電極芯棒が固着された傾斜機能材料よりなり、クラック
の発生を防止することができると共に、機械的強度の大
きい傾斜機能材料製ランプ用電気導入体を提供すること
にある。本発明の他の目的は、上記のような傾斜機能材
料製ランプ用電気導入体により気密封止構造が形成され
てなり、長い使用寿命を有する信頼性の高いランプを提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の傾斜機能材料製
ランプ用電気導入体は、傾斜機能材料よりなる封止部材
と、この封止部材に貫通して固着されて保持された金属
よりなる電極芯棒とよりなり、前記封止部材は、絶縁性
無機物質層と、各々導電性無機物質成分と絶縁性無機物
質成分との混合物からなる複数の混合物層とが積層され
てなり、混合物層の各々は、前記絶縁性無機物質層に隣
接するものから順に導電性無機物質成分の割合が段階的
または連続的に増大する積層体よりなる、傾斜機能材料
により構成され、当該封止部材には、積層方向に伸びて
絶縁性無機物質層の端面に開口するテーパー状の孔がプ
レス成形により形成されると共に、この穴が形成されて
いる領域以外の保持領域で電極芯棒が保持されており、
当該テーパー状の孔は、電極芯棒を構成する金属との熱
膨張率の差が±1×10-6/K以内である領域における
個所から絶縁性無機物質層の端面に向かうに従って内径
が大きくなることを特徴とする。
【0010】また、テーパー状の孔の立体角が0度より
大きくて35度以下の範囲であることが好ましい。封止
部材を構成する保持領域は、シリカよりなる絶縁性無機
物質成分とモリブデンよりなる導電性無機物質成分とに
より構成されて、モリブデンの濃度が55体積%の領域
を有し、電極芯棒がタングステンよりなることが好まし
い。
【0011】本発明のランプは、上記の傾斜機能材料製
ランプ用電気導入体により、気密封止構造が形成されて
なることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体に
おいては、封止部材が、絶縁性無機物質成分濃度が高い
領域にプレス成形により形成されたテーパー状の孔を有
するため、電極芯棒を構成する金属との熱膨張率の差が
大きな領域では電極芯棒が接触することを防ぐことがで
きると共に、当該テーパー状の孔の内周面が良好な状態
とされ、その結果、クラックの発生を防止することがで
きる共に、傾斜機能材料製ランプ用電気導入体に十分な
機械的強度が得られる。また、封止部材における保持領
域においては、電極芯棒を構成する金属との熱膨張率の
差が小さいため、この領域にクラックが発生することが
ない。
【0013】そして、テーパー状の孔の立体角が特定の
範囲にあることにより、封止部材の厚みが絶縁性無機物
質層の端面に向かうに従って減少する割合が小さいた
め、テーパー状の孔の内周面の表面状態が極めて良好と
なることも加わって、確実に大きな機械的強度が得られ
る。
【0014】本発明のランプでは、上記の傾斜機能材料
製ランプ用電気導入体により、機械的強度が大きく安定
した気密封止構造が形成され、従って安定な動作特性が
得られることにより、高い信頼性が得られると共に、長
い使用寿命を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。図1は、本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導
入体の構成の一例を示す説明用断面図である。この傾斜
機能材料製ランプ用電気導入体10は、傾斜機能材料よ
りなり、テーパー状の孔(以下「テーパー孔」とい
う。)13Bを有する封止部材11と、この封止部材1
1を積層方向に貫通する電極芯棒12とにより構成され
ている。
【0016】封止部材11を構成する傾斜機能材料は、
一端(図で左端)に位置する絶縁性無機物質層と、この
絶縁性無機物質層上に積層された、絶縁性無機物質成分
と導電性無機物質成分との均一な混合物からなる複数の
混合物層とから構成され、特定の一方向(図では右方)
に向かうに従って導電性無機物質成分濃度が、例えば段
階的に増大する状態に積層されている。
【0017】ここに、絶縁性無機物質成分として好適に
用いられる材質の具体例としては、例えばシリカガラ
ス、石英(SiO2 )、アルミナ(Al2 3 )、ジル
コニア(ZrO2 )、マグネシア(MgO)、炭化けい
素(SiC)、炭化チタン(TiC)、窒化けい素(S
3 4 )、酸窒化アルミニウム(AlON)などが挙
げられる。また、導電性無機物質成分として好適に用い
られる材質の具体例としては、例えばモリブデン、ニッ
ケル、タングステン、タンタル、クロム、白金、亜鉛な
どが挙げられる。以上の導電性無機物質粉末および絶縁
性無機物質粉末は、いずれも高純度であることが必要で
あり、例えば99.9%以上のものが好ましく用いられ
る。
【0018】また、導電性無機物質粉末の平均粒径は、
1〜5μm、特に1μmであることが好ましく、絶縁性
無機物質粉末の平均粒径は、3〜8μm、特に5μmで
あることが好ましい。ここで、導電性無機物質粉末およ
び絶縁性無機物質粉末の平均粒径が上記の範囲以外とさ
れると、プレス成形においてテーパー孔13Bの内周面
の表面状態を十分に良好なものとすることができない場
合がある。
【0019】また、電極芯棒12は、タングステンなど
の金属よりなるものとされ、電極芯棒12の外径は、各
々ランプに必要な電流容量を考慮して定められる。そし
て、電極芯棒12には、絶縁性無機物質層の端面から突
出する先端部分に金属コイルが巻かれることにより放電
電極(図示せず)が形成される。
【0020】そして、封止部材11には、電極芯棒12
を挿通して固着するために設けられた、当該封止部材1
1をその積層方向に貫通する電極芯棒用孔13が形成さ
れている。この電極芯棒用孔13は、封止部材11にお
いて導電性無機物質成分濃度が最も高い混合物層の端面
(図で右端)から封止部材11の積層方向に伸びる、均
一な内径を有する保持用孔13Aと、この保持用孔13
Aに続いて形成された、絶縁性無機物質層の端面に向か
うに従って内径が大きくなるテーパー孔13Bとにより
構成されている。
【0021】この保持用孔13Aは、その内径が、挿通
される電極芯棒12の外径に適合する大きさとされる。
そして、導電性無機物質成分濃度が最も高い混合物層の
端面から伸びる保持用孔13Aの内端は、封止部材11
における電極芯棒12を構成する金属との熱膨張率の差
が±1×10-6/K以内である領域に達していると共
に、当該保持用孔13Aの長さは、例えば封止部材11
の全長が20mm程度であれば5mm以上であることが
好ましい。
【0022】一方、テーパー孔13Bは、封止部材11
における電極芯棒12を構成する金属との熱膨張率の差
が±1×10-6/K以内である領域における個所から、
絶縁性無機物質層の端面に向かうに従って次第にその内
径が、立体角θの割合で大きくなっている。なお、この
図の例においては、テーパー孔13Bの外端には、テー
パー状の開口縁14が形成されおり、この開口縁14の
立体角は、傾斜機能材料製ランプ用電気導入体10がラ
ンプに用いられた場合に、封止部材11の熱容量を下げ
るため、立体角θよりも大きい角度とされる。
【0023】ここで、立体角θは、電極芯棒12を中心
軸とする立体角であって、その大きさは、0度より大き
くて35度以下の範囲とされる。
【0024】立体角θが過大である場合には、テーパー
孔13Bの内周面の表面状態が十分に良好にならず、傾
斜機能材料製ランプ用電気導入体10に十分に大きな機
械強度を得ることができない。
【0025】そして、保持用孔13Aにおいては、封止
部材11における保持領域が形成されており、この保持
領域においては、電極芯棒12が封止部材11に固着さ
れて保持され、電極芯棒12と封止部材11とは電気的
に接続された状態とされる。一方、テーパー孔13Bに
おいては、電極芯棒12が当該テーパー孔13Bの内周
面と接触しない非接触領域が形成されている。
【0026】以上の構成の傾斜機能材料製ランプ用電気
導入体10は、次の様な方法によって製造することがで
きる。図2は、傾斜機能材料製ランプ用電気導入体を製
造するための成形型の一例を示す説明用断面図である。
この図において、円柱状の成形空間を有する金属製の成
形型20の底部材21の中央には、基端部23Cが大き
く拡開する円錐形状、これに続く中間部23Bが当該基
端部23Cに比して小さく拡開する円錐形状であって、
先端部23Aが棒状である孔形成用部材23が、成形型
20の成形空間内において鉛直方向上向きに伸びるよう
立設されている。一方、底部材21の上方に設けられた
加圧用部材22には、孔形成用部材23に対応する位置
に、当該孔形成用部材23の外径に適合する内径を有
し、その軸方向に伸びる貫通孔22Aが設けられてい
る。
【0027】孔形成用部材23の材料としては、成形型
20を構成するための金属材料、その他を用いることが
できる。そして、孔形成用部材23の外径は、製造され
る傾斜機能材料製ランプ用電気導入体10においてそれ
らに対応した形状の電極芯棒用孔13を形成するため、
目的とする電極芯棒用孔13に求められる形状によって
決定される。この図の例においては、孔形成用部材23
の形状は、その長さが成形型20の成形空間の長さと同
等とされ、基端部23Cおよび中間部23Bにテーパー
を有するものとされている。
【0028】以上のような孔形成用部材23が底部材2
1に設けられた成形型20内に絶縁性無機物質粉末を充
填し、絶縁性無機物質層を形成し、その上に導電性無機
物質粉末と絶縁性無機物質粉末とが、異なる割合で混合
された、導電性無機物質粉末の含有割合が異なる複数の
混合粉末を、導電性無機物質粉末の含有割合が最も低い
混合粉末から順に成形型20内に層状に充填し、粉末積
層体を形成する。その後、図3に示すように、粉末積層
体は、孔形成用部材23の外径に適合する内径の貫通孔
22Aを有する加圧用部材22が降下されることにより
120kg/cm2 で加圧されてプレス成形され、これ
により、積層成形体30が形成される。
【0029】ここで、積層成形体30の長さ、外径、各
々の構成層の厚みおよび構成層の数は特に限定されるも
のではなく、実際の用途によって適宜選定される。
【0030】そして、成形型20から積層成形体30を
取り出し、当該積層成形体30に対して、水素雰囲気中
において例えば1000〜1200℃を最高加熱温度と
して、30〜60分間加熱することにより、図4に示す
ように、一端に位置するテーパー状の孔と、他端に位置
する棒状の孔とよりなる貫通孔31を有する仮焼結体3
2が得られる。
【0031】この仮焼結体32の貫通孔31内に、先端
部分に放電電極が形成された電極芯棒12がテーパー状
の孔の開口縁の側から当該放電電極が突出するよう挿通
され、この状態で、真空中において例えば1700〜2
000℃を最高加熱温度として、10〜30分間焼結処
理することにより、仮焼結体32が最終的に焼結体より
なる傾斜機能材料とされると同時に、当該傾斜機能材料
よりなる封止部材11に、電極芯棒12がいわゆる焼き
嵌めによって一体的に固着されて結合されてなる、図1
に示された傾斜機能材料製ランプ用電気導入体10が製
造される。
【0032】本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導入
体によれば、封止部材11が、絶縁性無機物質成分濃度
が高い領域にプレス成形により形成された、電極芯棒1
2を構成する金属との熱膨張率の差が±1×10-6/K
以内である領域における個所から絶縁性無機物質層の端
面に向かうに従って内径が大きくなるテーパー孔13B
を有するため、封止部材11における電極芯棒12を構
成する金属との熱膨張率の差が大きな領域では、電極芯
棒12が接触することを防ぐことができると共に、当該
テーパー孔13Bの内周面の表面が良好な状態とされ、
その結果、クラックの発生を防止することができる共
に、傾斜機能材料製ランプ用電気導入体10に十分な機
械的強度が得られる。また、封止部材11における保持
領域においては、電極芯棒12を構成する金属との熱膨
張率の差が±1×10-6/K未満と小さいため、この領
域にクラックが発生することがない。
【0033】そして、テーパー孔13Bの立体角θが0
度より大きくて35度以下の範囲にあることにより、封
止部材11の厚みが絶縁性無機物質層の端面に向かうに
従って減少する割合が小さいため、テーパー孔13Bの
内周面の表面状態が良好となることも加わって、確実に
大きな機械的強度が得られる。
【0034】図5は、本発明の傾斜機能材料製ランプ用
電気導入体を用いたランプの一例を示す説明用断面図で
ある。この図において、40はシリカガラスよりなる発
光管部、41は封止体、46は放電電極、43は電極芯
棒である。この封止体41は、その一端側に絶縁性部分
44を有すると共に他端側に導電性部分45を有してお
り、従って当該封止体41の一端側部分が発光管部40
の封止管部42内に挿入された上で、当該封止管部42
が当該絶縁性部分44の外周面に溶着されて気密シール
が形成されている。
【0035】このような構成によれば、大きな機械的強
度が得られると共に、良好な特性を有する上記の傾斜機
能材料製ランプ用電気導入体によって気密封止構造が構
成され、高い信頼性を得ることができると共に、長い使
用寿命を得ることができる。
【0036】以上、本発明の実施の形態について具体的
に説明したが、本発明は上記の例の限定されるものでは
なく、種々の変更を加えることが可能である。例えば、
封止部材11を構成する傾斜機能材料は、導電性無機物
質成分濃度が連続的に変化するものであってもよい。ま
た、発光管部40の封止管部42との接合は、突き合わ
せ接合によって気密シールを形成してもよい。また、封
止体41と発光管部40の封止管部42との接合は、突
き合わせ接合によって気密シールを形成してもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0038】<実施例1> (サンプル1の作製)図2に示す構成の成形型を用い、
この成形型内に純度99.99%、平均粒子径5μmの
シリカ粉末を充填し、シリカよりなる絶縁性無機物質粉
末層を形成し、その上に、純度99.99%、平均粒子
径1μmのモリブデン粉末と、純度99.99%、平均
粒子径5μmのシリカ粉末とを混合して得られたモリブ
デン粉末の含有割合の異なる複数種類の混合粉末を、モ
リブデン濃度の低い順に成形型内に充填して全8層より
なる粉末積層体を得、その後、加圧用部材により120
kg/cm2 で加圧してプレス成形することにより、積
層成形体を得、これを水素雰囲気中において、2時間3
0分かけて昇温させ、1200℃で30分間加熱した
後、冷却することにより、積層方向に貫通する電極芯棒
用孔を有する仮焼結体を得た。そして、電極芯棒用孔
に、その先端にタングステン線を巻き付けた放電電極を
有するタングステンよりなる電極芯棒を挿通させた状態
とし、真空中において、1時間かけて昇温させ、120
0℃で30分間加熱した後、更に10分間かけて昇温さ
せて約1720℃で加熱する焼結処理を行い、表1に示
すような構成層を有する、外径7mm、全長20mmの
傾斜機能材料に電極芯棒が一体に固着保持され、テーパ
ー孔の立体角が15度である傾斜機能材料製ランプ用電
気導入体である、「サンプル1」を作製した。
【0039】
【表1】
【0040】得られた傾斜機能材料製ランプ用電気導入
体は、保持領域と非接触領域とからなる封止部材におけ
る当該保持領域において電極芯棒12が固着されて保持
されたものであって、この保持領域には、モリブデン濃
度が55体積%である領域が含まれており、当該保持領
域の先端は、封止部材における電極芯棒を構成する金属
との熱膨張率の差が1×10-6K/である領域に達して
おり、そこを基点として立体角15度の割合で内径が大
きくなるテーパー状の孔が形成されたものである。ま
た、保持領域の長さは、約7mmであった。
【0041】(サンプル2〜8の作製)サンプル1と同
様の方法によりテーパー状の孔の立体角が表2に示す傾
斜機能材料製ランプ用電気導入体を作製して、サンプル
2〜8を得た。
【0042】このようにして得られた傾斜機能材料製ラ
ンプ用電気導入体の各々を観察して、クラックの発生の
有無を調べた。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】また、以上のようにして得られた各傾斜機
能材料製ランプ用電気導入体を用い、図5の構成に従
い、発光管部における発光空間の直径が11.0mm、
管軸方向距離が11.0mm、封止管部の内径が7m
m、電極管距離が1.5mmであり、定格電圧が20
V、定格電流が7.5A、定格ランプ電力が150Wの
テスト用のキセノンランプを各サンプルについて5本製
造した。このキセノンランプの動作圧は、12MPaで
ある。
【0045】このようにして作製された各テスト用ラン
プについて、定格点灯条件で連続点灯テストを行ったと
ころ、立体角が15〜35度の範囲の傾斜機能材料製ラ
ンプ用電気導入体を用いたランプは、95%以上がクラ
ックの全く存在していない良品であり、一方、立体角が
60度の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体を用いたラ
ンプでは、良品が60%以下であった。更に、立体角が
90度以上の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体を用い
たランプでは、クラックが発生して100%が不良品と
なった。
【0046】これらの結果より、特にテーパー状の孔の
立体角が35度以下の範囲にある場合には、確実に大き
な機械的強度が得られることが確認できる。
【0047】以上、本発明をキセノンランプに具現化す
る実施例について具体的に説明したが、本発明の傾斜機
能材料製ランプ用電気導入体は、キセノンランプなどの
放電ランプに限られず、白熱ランプにおける封止構造の
形成に適用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導
入体においては、封止部材が、絶縁性無機物質成分濃度
が高い領域にプレス成形により形成されたテーパー状の
孔を有するため、電極芯棒を構成する金属との熱膨張率
の差が大きな領域では、電極芯棒が接触することを防ぐ
ことができると共に、当該テーパー状の孔の内周面が良
好な状態とされ、その結果、クラックの発生を防止する
ことができる共に、傾斜機能材料製ランプ用電気導入体
に十分な機械的強度が得られる。また、封止部材におけ
る保持領域においては、電極芯棒を構成する金属との熱
膨張率の差が小さいため、この領域にクラックが発生す
ることがない。
【0049】本発明のランプにおいては、上記の傾斜機
能材料製ランプ用電気導入体により、機械的強度が大き
く安定した気密封止構造が形成され、従って安定な動作
特性が得られることにより、高い信頼性が得られると共
に、長い使用寿命を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体の
構成の一例を示す説明用断面図である。
【図2】本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体を
製造するための成形型の一例を示す説明用断面図であ
る。
【図3】成形型内に積層成形体が形成されている状態を
示す説明用断面図である。
【図4】本発明に係る仮焼結体を示す説明用断面図であ
る。
【図5】本発明の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体を
用いた放電ランプの構成の一例を示す説明用断面図であ
る。
【図6】従来の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体に係
る仮焼結体の構成の一例を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 傾斜機能材料製ランプ用電気導入体 11 封止部材 12 電極芯棒 13 電極芯棒用孔 13A 保持用孔 13B テーパー孔 14 開口縁 20 成形型 21 底部材 22 加圧用部材 22A 貫通孔 23 孔形成用部材 23A 先端部 23B 中間部 23C 基端部 30 積層成形体 31 貫通孔 32 仮焼結体 40 発光管部 41 封止体 42 封止管部 43 電極芯棒 44 絶縁性部分 45 導電性部分 46 放電電極 50 仮焼結体 51 リード棒挿入用孔 51A 孔 51B 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 勝也 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 Fターム(参考) 5C043 AA07 AA13 AA14 AA17 CC12 CD01 DD13 DD17 EA01 EA09 EB14 EB15 EB18 EC06 EC10 EC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜機能材料よりなる封止部材と、この
    封止部材に貫通して固着されて保持された金属よりなる
    電極芯棒とよりなり、 前記封止部材は、絶縁性無機物質層と、各々導電性無機
    物質成分と絶縁性無機物質成分との混合物からなる複数
    の混合物層とが積層されてなり、混合物層の各々は、前
    記絶縁性無機物質層に隣接するものから順に導電性無機
    物質成分の割合が段階的または連続的に増大する積層体
    よりなる、傾斜機能材料により構成され、 当該封止部材には、積層方向に伸びて絶縁性無機物質層
    の端面に開口するテーパー状の孔がプレス成形により形
    成されると共に、この穴が形成されている領域以外の保
    持領域で電極芯棒が保持されており、 当該テーパー状の孔は、電極芯棒を構成する金属との熱
    膨張率の差が±1×10-6/K以内である領域における
    個所から絶縁性無機物質層の端面に向かうに従って内径
    が大きくなることを特徴とする傾斜機能材料製ランプ用
    電気導入体。
  2. 【請求項2】 テーパー状の孔の立体角が0度より大き
    くて35度以下の範囲であることを特徴とする請求項1
    に記載の傾斜機能材料製ランプ用電気導入体。
  3. 【請求項3】 封止部材を構成する保持領域は、シリカ
    よりなる絶縁性無機物質成分とモリブデンよりなる導電
    性無機物質成分とにより構成されて、モリブデンの濃度
    が55体積%の領域を有し、 電極芯棒がタングステンよりなることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の傾斜機能材料製ランプ用電
    気導入体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れかに記載の傾
    斜機能材料製ランプ用電気導入体により、気密封止構造
    が形成されてなることを特徴とするランプ。
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