JP2001155377A - 光学ヘッド - Google Patents

光学ヘッド

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JP2001155377A
JP2001155377A JP33483899A JP33483899A JP2001155377A JP 2001155377 A JP2001155377 A JP 2001155377A JP 33483899 A JP33483899 A JP 33483899A JP 33483899 A JP33483899 A JP 33483899A JP 2001155377 A JP2001155377 A JP 2001155377A
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JP
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lens
lenses
coil bobbin
objective lens
adhesive
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JP33483899A
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Takashi Yoshizawa
隆 吉澤
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数枚のレンズからなる対物レンズのそれぞれ
のレンズの位置精度を高めた光学ヘッドを提供する。 【解決手段】この発明の光学ヘッドは、複数のレンズ8
a,8bにより構成される対物レンズ8と、対物レンズ
が固定されるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構によ
りコイルボビンが記録媒体Dの記録面と直交する方向お
よび記録面に形成されている記録情報列または案内溝の
接線と直交する方向に変化されることで対物レンズを記
録媒体に対して所定の位置関係に位置可能なもので、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスク装置
に用いられる光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク装置やDVDタイプ
ディスク向けの再生装置に代表される光ディスク装置
は、市場に多種多数供給されており、今日広く利用され
ている。
【0003】これらの技術的内容は、例えば、文献「光
ディスク技術」(村山登ら著,1989年ラジオ技術
社)あるいは文献「光ディスクストレージの基礎と応
用」(尾島正啓ら,1995年南子情報通信学会)等に
詳しく説明されている。
【0004】光ディスク装置において、光学ヘッドは、
一般に、再生あるいは記録・再生の対象となる光ディス
クに対して所定の波長のレーザ光を供給し、光ディスク
から反射して戻ってきた光ビームを電気信号に変換して
情報を再生し、記録に際しては、光ディスクの所定の位
置に、記録すべき情報に応じて強度変調されたレーザ光
を照射して光ディスクの記録面に層変化や磁化方向変化
あるいは記録面の組成の変性を誘発させるという基本機
能を有している。
【0005】なお、光学ヘッドは、光ディスクの記録面
にレーザ光を集光させる対物レンズを有するアクチュエ
ータを含み、電磁駆動力によって対物レンズの位置を、
光ディスクの記録面と直交する方向および記録面に形成
されている記録情報列または案内溝の接線と直交する方
向に変化させて、光ディスクに情報を記録し、また光デ
ィスクから情報を再生するために利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、さらに記録密度
の向上をめざした高密度記録型の光ディスクシステムの
提案がなされ、研究や商品開発が活発化している。この
一例として、特開平10−123410号公報に示され
る光ヘッド装置がある。これは、対物レンズで得られる
集光スポットの径が、対物レンズのNA(開口数)に比
例して小さくなるという光学上の原理を応用して、高密
度化を実現しようとするものである。
【0007】より具体的には、特開平10−12341
0号公報には、2群2枚のレンズを用いて、NAの高い
対物レンズを構成することが開示されている。なお、特
開平10−123410号によれば、レンズ系のNAは
0.85前後であり、CD用の対物レンズの約0.4
5、およびDVDディスク向け対物レンズの約0.60
に比較して、格段に高められている。
【0008】しかしながら、特開平10−123410
号公報に開示されている方式では、2枚のレンズ間の偏
芯、間隔および相対的な傾きの精度を厳しくしなければ
ならないという問題があり、NAを高くすることは達成
されたが、実用上、コマ収差等の影響により、高密度記
録を達成できない問題がある。
【0009】この発明の目的は、複数枚のレンズからな
る対物レンズのそれぞれのレンズの位置精度を高め、開
口数を向上させて高密度記録の可能な光学ヘッドを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問
題点に基づきなされたもので、複数のレンズにより構成
される対物レンズと、この対物レンズが固定されるコイ
ルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コイルボビ
ンが記録媒体の記録面と直交する方向および記録面に形
成されている記録情報列または案内溝の接線と直交する
方向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体に対
して所定の位置関係に位置される光学ヘッドであって、
前記コイルボビンの前記複数のレンズが当接される位置
は、同一方向を向いていて、かつ前記複数のレンズが前
記コイルホビンに対して同一方向から組み付け可能であ
ることを特徴とする光学ヘッドを提供するものである。
【0011】また、この発明は、複数のレンズにより構
成される対物レンズと、この対物レンズが固定されるコ
イルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コイルボ
ビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記録面に
形成されている記録情報列または案内溝の接線と直交す
る方向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体に
対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドであっ
て、前記複数のレンズの少なくとも1つと前記コイルボ
ビンの対応するレンズ保持面とは、互いに直接接してい
ることを特徴とする光学ヘッドを提供するものである。
【0012】さらに、この発明は、複数のレンズにより
構成される対物レンズと、この対物レンズが固定される
コイルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コイル
ボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記録面
に形成されている記録情報列または案内溝の接線と直交
する方向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体
に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドであっ
て、前記コイルボビンの前記複数のレンズのうちの少な
くとも1つが装着されるレンズ保持面またはレンズ保持
面と直交する壁面部には、前記対物レンズの光軸と直交
する2方向に対して前記複数のレンズのそれぞれを位置
決めをするための位置決め機構が設けられていることを
特徴とする光学ヘッドを提供するものである。
【0013】またさらに、この発明は、複数のレンズに
より構成される対物レンズと、この対物レンズが固定さ
れるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コ
イルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記
録面に形成されている記録情報列または案内溝の接線と
直交する方向に変化されることで前記対物レンズを記録
媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドで
あって、前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズ
は、前記コイルボビンのレンズ保持部との間に位置され
るレンズ保持体により一旦保持され、前記コイルボビン
と前記レンズ保持体との間に設けられる球状の補助部材
により、前記コイルボビンに対して固定されることを特
徴とする光学ヘッドを提供するものである。
【0014】さらにまた、この発明は、複数のレンズに
より構成される対物レンズと、この対物レンズが固定さ
れるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コ
イルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記
録面に形成されている記録情報列または案内溝の接線と
直交する方向に変化されることで前記対物レンズを記録
媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドで
あって、前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズ
は、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接
着剤と硬化剤を伴って硬化する接着剤とにより前記コイ
ルボビンの所定の位置に固定されることを特徴とする光
学ヘッドを提供するものである。
【0015】またさらに、この発明は、複数のレンズに
より構成される対物レンズと、この対物レンズが固定さ
れるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コ
イルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記
録面に形成されている記録情報列または案内溝の接線と
直交する方向に変化されることで前記対物レンズを記録
媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドで
あって、前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズ
は、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接
着剤と大気との接触が遮断されることで硬化する接着剤
とにより前記コイルボビンの所定の位置に固定されるこ
とを特徴とする光学ヘッドを提供するものである。
【0016】さらにまた、この発明は、複数のレンズに
より構成される対物レンズと、この対物レンズが固定さ
れるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構により前記コ
イルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記
録面に形成されている記録情報列または案内溝の接線と
直交する方向に変化されることで前記対物レンズを記録
媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドで
あって、前記コイルボビンの前記複数のレンズが当接さ
れる位置は、同一方向を向いていて、かつ前記複数のレ
ンズが前記コイルホビンに対して同一方向から組み付け
可能に定義され、前記複数のレンズの少なくとも1つと
前記コイルボビンの対応するレンズ保持面とは、互いに
直接接触可能で、前記複数のレンズの少なくとも1つ
は、前記コイルボビンの前記複数のレンズがそれぞれ装
着されるレンズ保持面またはレンズ保持面と直交する壁
面部に設けられ前記対物レンズの光軸と直交する2方向
に対して前記複数のレンズのそれぞれを位置決めをする
ための位置決め機構により位置決めされ、前記複数のレ
ンズの少なくとも1つのレンズは、前記コイルボビンの
レンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体により一
旦保持され、前記コイルボビンと前記レンズ保持体との
間に設けられる球状の補助部材により、前記コイルボビ
ンに対して固定されることを特徴とする光学ヘッドを提
供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0018】図1は、この発明の実施の形態が適用され
る高開口率のレンズが搭載された光ディスク装置を説明
する概略図である。
【0019】図1に示されるように、光ディスク装置1
は、モータシャーシ2に固定され、光ディスク(記録媒
体)Dを所定の速度で回転させるスピンドルモータ3
と、光ディスクDの記録面の所定の位置に、図示しない
半導体レーザ素子からのレーザビーム(光ビーム)を照
射するとともに記録面で反射されたレーザビームを取り
出すピックアップ4と、ピックアップ4を光ディスクD
の記録面と平行な方向に移動させる駆動機構5を有して
いる。なお、駆動機構5は、互いに平行に設けられた一
対のガイドレール6により、光ディスクDの記録面に沿
って、かつ光ディスクDの半径方向に往復動される。ま
た、モータシャーシ2は、図示しないフレームの所定の
位置に固定されている。
【0020】ピックアップ4の所定の位置には、光ディ
スクDの半径方向と光ディスクDの記録面と直交する方
向のそれぞれの方向に移動可能に形成されたレンズホル
ダ7が設けられている。なお、レンズホルダ7の所定の
位置(図7を用いて後段に説明する)には、対物レンズ
(レンズユニット)8が設けられている。
【0021】レンズホルダ7の内部には、対物レンズ8
に加えて、図示しない半導体レーザ素子、半導体レーザ
素子からのレーザビームを対物レンズ8に導く光学要
素、光ディスクDの記録面で反射され、対物レンズ8よ
り取り込まれた光ディスクDの記録面からの反射レーザ
ビームを受光して(受光したレーザビームの)光強度に
対応する電気信号を出力するフォトディテクタ等が設け
られている。
【0022】図2は、図1に示した光ディスク装置1の
レンズホルダ7の所定の位置に保持されている対物レン
ズ8の例を説明する概略図である。
【0023】図2に示されるように、対物レンズ8は、
2群2枚構成で、開口数(NA)が0.85程度、好ま
しくは0.71以上で光ディスクDの記録面と接触する
ことがなく、製造可能な0.95程度までが利用可能で
ある。なお、表1および表2に、対物レンズ8の各レン
ズ面の形状(曲率半径)、厚さ、屈折率、非球面係数な
らびに非球面係数Zを定義できる定義式を説明する。ま
た、表1および表2により定義される対物レンズ8の焦
点距離は、この例では、2.237mmである。なお、
表1における面番号5,6の面は、光ディスクDの透明
層を示し、厚みすなわちディスク表面から情報記録面ま
での厚みは、0.1mmである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1に示されるように、レンズ8bの入射
面S1(光ディスクから離れている方の面)、出射面S
2(光ディスクに近い方の面)およびレンズ8aの入射
面S3(光ディスクから離れている方の面)は、いずれ
も非球面構成であり、出射面S4(光ディスクに近い方
の面)は球面である。
【0027】なお、対物レンズ8のそれぞれの単レンズ
8a,8bにおいて、所定位置からの各種のズレすなわ
ちレンズ偏芯量、レンズ間隔誤差、レンズ8a(先玉)
のチルト量およびレンズ8b(元玉)のチルト量により
発生する集光スポットの波面収差(RMS値)の変化を
光学シミュレーションによって求めた結果を、図3ない
し図6に示す。
【0028】図3ないし図6から明らかなように、それ
ぞれの誤差量の増加とともに、波面収差が増加していく
ことが見てとれるが、よく知られているように、光学系
全体の波面収差がRMS値で0.07λ(λは、波長)
を、システム成立の上限値とするマレーシャルのクライ
テリオンを適用すると、この例では、グラフからは、偏
芯量誤差(図3)でいえば、その上限値は約6.5μ
m、レンズ間隔誤差(図4)でいえばその上限値は約7
μm、先玉レンズチルト(図5)および元玉レンズチル
ト(図6)でいえばその上限値は、それぞれ約0.15
°と見ることができる。
【0029】しかしながら、マレーシャルのクライテリ
オンによれば、光ディスクドライブ装置の場合、通常、
おおまかには、装置に起因して発生する波面収差量と光
ディスクに起因して発生する波面収差量とがほぼ2分さ
れると考えられるので、上述した4つの項目であるレン
ズ偏芯量、レンズ間隔誤差、レンズ8aチルトおよびレ
ンズ8bチルトのそれぞれの許容量は、さらに少ないも
のとなる。
【0030】これらの値は、光学ヘッドの組立て・調整
方法、および信頼性を確保する具体的手段のことを考え
ると、きわめて厳しいものがあるといえる。
【0031】このような、許容誤差の少なさの原因で最
大のものは、開口数が大きいことであるが、記録密度の
向上をめざすためには、開口数をできるだけ高く保った
まま上述した課題を解決していくことが必要であり、こ
の点での妥協は、あまり望むべきでない。
【0032】なお、対物レンズの更なる最適設計、シミ
ュレーション精度の向上などにより多少この許容誤差範
囲は広がる可能性はあろうが、大きくは変化するもので
はなく、これは本件出願の方式における不可避的欠点の
1つといわざるをえない。したがって、この許容範囲内
に2つのレンズの偏芯誤差、間隔誤差およびレンズ相互
の相対傾き誤差を確実に保つ手段の確立が必要となる。
【0033】なお、上記の許容誤差に関する見積もり
は、開口数が0.85の場合であり、開口数が低くなれ
ば誤差範囲が広がることは当然である。
【0034】したがって、構築したい光ディスクドライ
ブの仕様と関連づけて開口数を設定し、これに応じた誤
差範囲を確保するように工夫すればよい。
【0035】図2において、8a,8bは、いずれも単
レンズであり、2枚のレンズでNA=0.85を達成し
ている。このNA値は、現在利用されているDVDタイ
プのディスク向けのレンズのNA=0.60に比較し
て、非常に高く、対物レンズ8と光ディスクDとの間の
距離を低減することを可能としている。
【0036】なお、利用波長は、400nmを想定して
いるが、提案の趣旨はこれに限るものではない。
【0037】このような対物レンズ8を用いる場合、レ
ンズ8bのレンズ8aと反対の側の面から入射される平
行レーザビームLは、レンズ8bで所定の割合で収束さ
れ、レンズ8aでさらに収束されて、光ディスクDの記
録層で一点に収束される。
【0038】図7は、図1に示した光ディスク装置1の
アクチュエータ(レンズホルダ)7の全体構成を大まか
に示すものである。
【0039】アクチュエータ7は、基台すなわちベース
11を有し、べース11には、軸12が架設されてい
る。
【0040】軸12には、コイルボビン13が挿通され
ていて、コイルボビン13に、2つのレンズ8a,8b
が装着されている。
【0041】コイルボビン13の所定の位置には、図示
しないフォーカシングコイルおよびトラッキングコイル
が設けられていて、図示しない配線構造により、それぞ
れ、図示しないフォーカス制御回路およびトラッキング
制御回路に接続されている。
【0042】コイルボビン13の内周の所定の位置に
は、ヨーク14a,14bが、コイルボビン13の外周
の所定の位置には、ヨーク15a,15bが、それぞれ
設けられている。なお、ヨーク15a,15bのさらに
外側には、永久磁石16a,16bが設けられている。
すなわち、コイルボビン13は、永久磁石16a,16
bからの磁力とヨーク15a,15bおよび14a,1
4bにより定義される磁気回路と、図示しないフォーカ
シングコイルおよびトラッキングコイルから提供される
磁界により、軸12を回転中心として回転および任意方
向に移動される。なお、コイルボビン13の軸12から
遠い2点には、一対のダンパー部材17a,17bが設
けられており、軸12を中心として対物レンズ8が固定
される位置に回転対称となる位置またはその近傍にに、
コイルボビン13のバランスをとるためのカウンタウェ
イト18が設けられている。
【0043】なお、図7に示したアクチュエータの構成
は、軸摺動回転型と呼ばれるものであるが、アクチュエ
ータは、このような構成に限るものではなく、他の周知
の種々の方式のものを用いうることは、いうまでもな
い。
【0044】図8には、図7に示したアクチュエータの
コイルボビンにレンズを取り付た後のレンズ取り付け部
周辺の周知の基本構成を示す概略図である。
【0045】コイルボビン113には、同軸状で径の異
なる2つの穴部121a,121bが設けられている。
なお、穴部121a,121bには、2枚組の対物レン
ズ8を構成するレンズ108aおよび108bを支持す
る受け面122a,122bが形成されている。なお、
それぞれの受け面122a,122bは、レンズが挿入
される方向が、互いに反対方向となるよう定義されてい
る。
【0046】従って、2つのレンズ108a,108b
のうちのレンズ108aを受ける受け面122aは、光
ディスクDの表面と対向する向きになっていて、レンズ
108bを受ける受け面122bは、逆に光ディスクD
の表面と同じ側に向いている。
【0047】レンズ108aおよびレンズ108bは、
たとえば紫外線硬化型接着剤123,123により、コ
イルボビン13のそれぞれに対応する受け面122a,
122bに固定されている。
【0048】詳細には、コイルボビン113の受け面1
22aに、紫外線硬化型接着剤123を塗布する。
【0049】次に、レンズ108aのフランジ部108
aと受け面122aとが、接着剤123により接するよ
うに、レンズ108aをコイルボビン113の穴部12
1aへ落とし込む。
【0050】次に、レンズ108aの一部を、図示しな
い先端が清浄な押し当てバーで押圧し、多点塗布された
接着剤を押し延ばして、接着剤層をできるかぎり均一に
する。
【0051】この状態で、図示しない紫外線照射装置に
より、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤123を硬化
させる。
【0052】以下、接着剤123硬化後に、押し当てバ
ーをはずし、コイルボビン113全体を上下反転させ、
同様のことを繰り返す。
【0053】すなわち、コイルボビン113の受け面1
22bに、紫外線硬化型接着剤123を塗布し、レンズ
108bのフランジ部108bと受け面122bとが、
接着剤123を介して接するように、レンズ108bを
コイルボビン113の穴部1121bへ落とし込む。
【0054】次に、レンズ108bの一部を押し当てバ
ーで押圧し、図示しない紫外線照射装置により、所定箇
所に紫外線を照射し、接着剤を硬化させる。
【0055】上記のような方法には、以下に述べるよう
な種々の問題点がある。
【0056】第一に、2つのレンズ108a,108b
の間の偏芯が多くなる。
【0057】コイルボビン113の穴部121a,12
1bの穴径は、レンズ108a,108bを、コイルボ
ビン113の穴部121a,121bに落とし込む際
に、安定的に作業を進めるために、レンズ108a,1
08bの外径の加工精度、穴径の加工精度を考慮して、
たとえば20〜40μmほど大きめに形成されている。
【0058】すなわち、何らのガイドもなしに、レンズ
108a,108bを、穴部121a,121bに落と
し込むと、最悪の場合には、2つのレンズ108a,1
08bの間の偏芯量は、上述したクリアランスと同じ2
0〜40μmにも達してしまう。
【0059】この大きさは、図3を用いて先に説明した
偏芯誤差の最大許容値であるおよそ6.5μmの半分以
下、という要求から大きくはずれる。
【0060】第二に、上述したレンズの接着方法では、
接着剤硬化後に、2つのレンズ108a,108bの間
隔精度を十分に確保できないことがしられている。
【0061】この理由の1つは、硬化後の接着剤の厚み
が所定値からずれるためであり、これを引き起こす具体
的な原因は、接着剤の塗布量のバラツキ、接着剤をレン
ズと受け面の両方になじませる際の押圧条件のバラツ
キ、接着剤塗布後の接着剤の引き延ばし方のバラツキ、
紫外線照射条件のバラツキなどが考えられる。
【0062】もう1つの原因は、コイルボビン113の
加工精度の悪さである。
【0063】第三に、上記のレンズ接着方法には、硬化
後に2つのレンズの相対的な傾きが大きくなるという問
題点がある。
【0064】この理由の1つは、硬化後の接着剤の厚み
が場所により異なるためであり、これを引き起こす具体
的な原因は、上述した第にの要因と概ね一致する。な
お、この場合も、コイルボビン113の加工精度が影響
する。
【0065】第四に、上記のレンズ接着方法ではコイル
ボビン113を一度反転させる必要があり、これに伴な
い工数が増加するという問題点がある。
【0066】実際には、単に反転させるだけでなく、レ
ンズの接合作業を安定的に進めるために、コイルボビン
113を組立て治具の所定位置にしっかりと固定させる
必要があるために、治具へのセッティングの工数も含ま
れる。
【0067】図9および図10には、上述したさまざま
な問題点を解決できる第一の実施の形態である対物レン
ズ周辺の構成を示す概略図である。なお、図9および図
10に示す例は、前記問題点のうち、主に工数の増加に
対する改善に関するものである。
【0068】図9および図10に示されるように、レン
ズ8a,8bのフランジ面20a,20bは、コイルボ
ビン13の2つの穴部21a,21bの受け面22a,
22bと当接するが、受け面22a,22bは、ともに
光ディスクDの表面と対向する向きになっている。
【0069】レンズ8a,8bは、フランジ面20a,
20bと受け面22a,22bとの間に塗布された紫外
線硬化型接着剤23により、コイルボビン13に接合さ
れる。
【0070】なお、図9に示す実施例は、先玉レンズ8
aの直径が元玉レンズ8bの直径に比較して小さい場合
のレンズ固定方法である。また、図10に示す例は、レ
ンズ8bの直径がレンズ8aの直径に比較して小さい場
合のレンズ固定方法である。
【0071】図9および図10に示されるように、レン
ズ8aには、図2を用いて先に説明したレンズとは異な
る形状のフランジ面20aが設けられている。しかしな
がら、現在、光ディスク装置に用いられる対物レンズの
多くは、レンズ性能を確保し、小型・軽量化を図る目的
から、レンズ面が非球面に形成され、これらのレンズ
は、ガラスモールド成形ないしは樹脂材料の射出成形に
より実現されている。従って、これらの成形方法におい
て、フランジ部(面)の形状変更は、レンズ性能に影響
を与えることなく、レンズ成形用金型の改造のみで比較
的容易に実現できる。
【0072】次に、具体的な接着工程について説明す
る。
【0073】図9に示す構成の場合には、コイルボビン
13を上下反転させた状態で、図示しない組立て治具の
所定位置に固定する。
【0074】次に、コイルボビン13の受け面22aに
紫外線硬化型接着剤23、たとえばロックタイト社製紫
外線硬化型接着剤LI−298を塗布する。
【0075】レンズ8aをコイルボビン13の受け面2
2a落とし込む。
【0076】次に、レンズ8aの一部を図示しない先端
が清浄な押し当てバーで押圧し、多点塗布された接着剤
を押し延ばして、接着剤層をできるかぎり均一にする。
【0077】この状態で図示しない紫外線照射装置によ
り、所定の位置に紫外線を照射し、接着剤23を硬化さ
せる。
【0078】硬化後に、押し当てバーをはずす。
【0079】次に、組立て治具におけるコイルボビン1
3の設定はそのままにして、同様にレンズ8bをコイル
ボビン13に接合する。
【0080】すなわち、コイルボビン13の受け面22
bに紫外線硬化型接着剤23、たとえばロックタイト社
製紫外線硬化型接着剤LI−298を塗布する。
【0081】レンズ8bをコイルボビン13の受け面2
2b落とし込む。
【0082】次に、先に説明したと同様に、レンズ8b
一部を、図示しない先端が清浄な押し当てバで押圧して
接着剤を均一に押し広げ、この状態で図示しない紫外線
照射装置により、所定の位置に紫外線を照射し、接着剤
23を硬化させる。
【0083】硬化後に押し当てバーをはずす。
【0084】一方、図10に示す構成の場合には、コイ
ルボビン13を反転させずに同図の上下関係で、図示し
ない組立て治具の所定位置に固定する。
【0085】次に、コイルボビン13の受け面22bに
紫外線硬化型接着剤23、たとえばロックタイト社製紫
外線硬化型接着剤Ll−298を塗布する。
【0086】レンズ8bをコイルボビン13の受け面2
2bに、落とし込む。
【0087】以下、図示しない押し当てバーでレンズ8
bの一部を押圧して接着剤層を均一化し、この状態で、
所定の箇所に紫外線を照射して接着剤23を硬化させ
る。
【0088】硬化後に押し当てバーをはずす。
【0089】次に、調整治具におけるコイルボビン13
の設定はそのままにして、同様にレンズ8aをコイルボ
ビン13に接合する。すなわち、コイルボビン13の受
け面22aに紫外線硬化型接着剤23、たとえばロック
タイト社製紫外線硬化型接着剤Ll−298を塗布す
る。
【0090】レンズ8aをコイルボビン13の受け面2
2aに落とし込む。
【0091】次に、レンズ8a一部を、図示しない先端
が清浄な押し当てバーで押圧し、接着剤23を均一化し
た後、図示しない紫外線照射装置により、所定箇所に紫
外線を照射し、接着剤23を硬化させる。
【0092】硬化後に押し当てバーをはずす。
【0093】このように、図9および図10に示したそ
れぞれの構成であっても、コイルボビン13を組立て治
具からはずすことなく、2つのレンズ8a,8bを同一
方向からコイルボビン13に接合することができるの
で、工数を削減することができる。
【0094】以上説明したように、レンズ8aを受ける
受け面22aとレンズ8bを受ける受け面22bとを、
同じ方向に向けることにより、作業性が向上され、組立
工数が低減される。すなわち、コイルボビン13のレン
ズ8a,8bが当接される位置(受け面)22a,22
bを、同一方向に向け、それぞれのレンズ8a,8bを
コイルホビン14に対して同一方向から組み付け可能と
したことで、組立作業性が大幅に改善されている。
【0095】なお、上記説明ではレンズ8a,8bを接
着剤により接着するという方式をとるものとしたが、レ
ンズの固定方法はこれに限るものではなく、ネジ等によ
る機械的固定など、他の方法であってもかまわない。
【0096】次に、図11を用いて、図9に示したレン
ズの固定方法とは異なる組立方法について説明する。な
お、以下の説明においては、接着工程のみを説明する。
【0097】図11に示すレンズ構成では、コイルホビ
ン13全体を上下反転させた状態で組立て治具の所定位
置に固定する。
【0098】次に、コイルボビン13の受け面22aに
紫外線硬化型接着剤(ロックタイト社製紫外線硬化型接
着剤LI−298)23を塗布し、レンズ8aをコイル
ボビン13の受け面22aに落とし込む。
【0099】続いて、図示しない先端が清浄な押し当て
バーにより、レンズ8aの一部を、押圧して接着剤23
を均一化し、この状態で図示しない紫外線照射装置によ
り、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤23を硬化させ
る。
【0100】硬化後に押し当てバーをはずす。
【0101】この後、レンズ8aの上方に、顕微鏡シス
テム90を設定する。
【0102】顕微鏡システム90は、互いに直交する3
軸方向に顕微鏡の対物レンズ91を移動させることがで
きるメカニズムを有するとともに被測定物に対して座標
設定でき、たとえば円形形状の物体の周縁部の3ヶ所に
順次、焦点を合わせ、3ヶ所の情報を記憶させること
で、円形物体の中心位置を算出することができる。より
具体的には、顕微鏡システム90の例として、トプコン
社製TUM−300EHなどがあげられる。
【0103】以下、レンズ8aの周縁部の3点に顕微鏡
91の焦点を合わせ、レンズ8aの中心座標を算出す
る。
【0104】次に、受け面22bに紫外線硬化型接着剤
(L1−298)23を塗布し、レンズ8bを落とし込
み、レンズ8bにその先端が清浄な調整用アーム92を
押し当てる。調整用アーム92は、調整用アーム92
を、レンズ8a,8bの光軸と直交する2方向に移動可
能に構成された2軸ステージ93に固定されており、2
軸ステージ93を調整することにより、調整用アーム9
2を介してレンズ8bをこれらの方向に微動させること
ができる。
【0105】以下、レンズ8bの周縁部の3点に顕微鏡
の焦点を合わせ、レンズ8bの中心座標を算出する。
【0106】ここで求められたレンズ8bの座標と先に
求めたレンズ8aの中心座標との差(ズレ)が、おおむ
ね2つのレンズ間の偏芯に相当するため、ズレ(差)が
所定値以下であれば、図示しない紫外線照射装置により
紫外線を照射し、接着剤23を硬化させる。
【0107】レンズ8bのレンズ8aに対するズレ
(差)が所定値を超える場合には、ズレの方向と量を勘
案して、2軸ステージ93の調整によりレンズ8bを移
動させ、この後、再度、中心座標を求める。このことを
繰り返して、偏芯が所定の許容値以下になったならば、
紫外線を照射して接着剤23を硬化させる。
【0108】次に、図12を用いて、図11に示したと
同様に図10に示したレンズ構成のレンズを固定する方
法を説明する。なお、以下の説明においては、接着工程
のみを説明する。
【0109】図12に示すように、図示しない組立て治
具の所定位置に、コイルボビン13を反転させずに同図
の上下関係で、固定する。
【0110】次に、コイルボビン13の受け面22bに
紫外線硬化型接着剤(ロックタイト社製紫外線硬化型接
着剤Ll−298)23を塗布し、レンズ8bを受け面
22bに落とし込む。
【0111】続いて、図示しない押し当てバーによりレ
ンズ8bの一部を押圧して接着剤を均一化し、この状態
で紫外線照射装置により、所定箇所に紫外線を照射し、
接着剤23を硬化させる。硬化後に押し当てバーをはず
す。
【0112】以下、図11を用いて説明したと同様に、
レンズ8bの上方に顕微鏡システム90を設定し、レン
ズ8bの周縁部の3点に顕微鏡91の焦点を合わせ、レ
ンズ8bの中心座標を算出する。
【0113】次に、受け面22aに紫外線硬化型接着剤
(LI−298)23を塗布し、レンズ8aを落とし込
み、調整用アーム92により、レンズ8aの位置を調整
する。すなわち、2軸ステージ93を調整することによ
り、調整用アーム92を介してレンズ8aを微動させる
ことができる。
【0114】以下、レンズ8aの周縁部の3点に顕微鏡
の焦点を合わせ、レンズ8aの中心座標を算出する。
【0115】この座標と、先に求めたレンズ8bの中心
座標とのズレが、おおむね2つのレンズ間の偏芯に相当
するので、このズレが所定値以下であれば、紫外線照射
装置により紫外線を照射し、接着剤23を硬化させれば
よい。
【0116】ズレが所定値を超える場合には、ズレの方
向とを勘案して、2軸ステージ93の調整によりレンズ
8aを移動させる。
【0117】この後、再度、中心座標を求める。
【0118】このことを繰り返して、偏芯の大きさが許
容値以下になったならば、紫外線を照射して接着剤23
を硬化させる。
【0119】一般に、レンズの加工精度の理由から、レ
ンズの物理的な中心位置と、光軸とは必ずしも完全に一
致するものではないが、それらはかなりの精度で一致し
ている。
【0120】したがって、図11および図12に示した
方法を用いれば、簡便にしかも比較的精度良くレンズ光
軸合わせることができる。しかも、図11および図12
に示したレンズ調整用の治具は、周知の組み立て工程で
用いるレンズ押圧用の治具と構成上、大差がないので、
レンズ押圧用の治具と兼用することができ、治具のセッ
ティングにかかる工数は、実質的に増加しない。
【0121】なお、これまでにも、顕微鏡システムを用
いてレンズの中心位置を求めて光軸合わせをする方法が
提案されているが、2つめのレンズをコイルボビンに落
とし込む際に、コイルボビンを上下反転させ、もう一度
治具に固定する必要があり、このときに誤差が生じてし
まうという不都合が伴う。すなわち、周知の組み立て方
法では、組立て治具内にあるコイルボビンが押し当てら
れる基準面に対して、先にセットされるレンズの中心座
標は規定されるわけであるが、コイルボビンを上下反転
させた後には、コイルボビンを組立て治具から一度はず
し再度固定するということに伴う、機械的位置精度の再
現性の限界により、中心座標は、レンズが実際に有して
いる中心座標と若干の差が生じる問題がある。これによ
り、現実には誤差が存在しながら、工程としてはこれが
ないものとして、先に求められたレンズの中心位置を目
指して2つめのレンズの位置調整をすることになるた
め、コイルボビンを一旦治具から外す必要のある周知の
組み立て方法では、高い精度で2つのレンズの光軸を合
わせることは、困難である。
【0122】これに対して、図11および図12に示し
た調整方法では、図9および図10に示したと同様に、
レンズ8aを受ける受け面22aとレンズ8bを受ける
受け面22bとを同じ方向に向けることにより、作業性
が向上され、組立工数が低減される。
【0123】図13および図14は、図9および図1
0、図11および図12に示した組立方法とは異なる別
の組立方法を説明する概略図である。なお、以下の説明
においては、接着工程のみを説明する。
【0124】図13および図14に示す組立方法は、レ
ンズ8a,8bのフランジ面20a,20bがコイルボ
ビン13の受け面22a,22bと接着剤等の部材を介
さずに、じかに接していることを特徴としている。
【0125】図13および図14は、それぞれ、図9お
よび図10に示した例と実質的に同等のレンズ配置であ
るが、2つのレンズ8a,8bは、それぞれ、フランジ
面20a,20bとは反対の側で、コイルボビン13と
接着剤23によりコイルボビン13の穴部21a,21
bの壁面と固定されている。
【0126】詳細には、図13に示す例では、コイルボ
ビン13全体を上下反転させた状態で、レンズ8aをコ
イルボビン13の受け面22aに落とみ、図示しない押
し当てバーでレンズ8aの一部を押し圧してレンズ8a
のフランジ面20aを受け面22aに密着させ、フラン
ジ面20aとは反対の側の所定箇所に、紫外線硬化型接
着剤(LI−298)23を塗布し、紫外線照射装置に
より、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤23を硬化さ
せ、硬化後に押し当てバーをはずす。
【0127】次に、組立て治具におけるコイルボビン1
3の状態はそのままにして、同様にレンズ8bをコイル
ボビン13の受け面22bに落とし込み、図示しない押
し当てバーによりレンズ8bの一部を押圧してフランジ
面20bを受け面22bに密着させ、フランジ面20b
とは反対の側の所定箇所に接着剤23を塗布し、図示し
ない紫外線照射装置により、所定箇所に紫外線を照射
し、接着剤23を硬化させる。
【0128】図14に示す例では、コイルボビン13を
同図の上下関係で置き、レンズ8bをコイルボビン13
の受け面22bに落とし込む。
【0129】次に、レンズ8bの一部を、図示しない先
端が清浄な押し当てバーで押圧してフランジ面20bを
受け面22bに密着させ、フランジ面20bとは反対の
側の所定箇所に紫外線硬化型接着剤(LI−298)2
3を塗布し、図示しない紫外線照射装置により、所定箇
所に紫外線を照射し、接着剤23を硬化させて、硬化後
に押し当てバーをはずす。
【0130】以下、組立て治具におけるコイルボビン1
3の状態はそのままにして、同様にレンズ8aをコイル
ボビン13の受け面22aに落とし込み、図示しない押
し当てバーでレンズ8aの一部を押圧して、フランジ面
20aと受け面22aを密着させ、フランジ両20aと
は反対の側の所定箇所に接着剤(LI−298)23を
塗布し、図示しない紫外線照射装置により、所定箇所に
紫外線を照射し、接着剤を硬化させる。硬化後に押し当
てバーをはずす。
【0131】このように、図9および図10に示した組
立方法と同様に、レンズ接合工程でコイルボビンを反転
させる必要はないので、工数の削減を図ることができる
とともに、位置精度に関する誤差要因となりうる接着剤
層を、レンズのフランジ面とコイルボビンの受け面との
間に設けないので、レンズ8a,8bは、それぞれ、フ
ランジ面20a,20bに確実に密着され、結果として
2つのレンズ相互の間隔は、コイルボビン13の受け面
22a,22bの間隔精度のみで定められる。
【0132】コイルボビン13が、たとえば高剛性樹脂
の射出成形によりできていることを考え合わせると、こ
の精度は、図4を用いて説明した間隔精度の上限値であ
る7μmの半分以下に収めることは十分可能である。
【0133】また、同様の理由からレンズ間の相対的な
傾き誤差(図5および図6に示したチルト)を低減する
ことができる。
【0134】なお、ここでは説明を省くが、この図13
および図14の例と先に説明した図11および図12で
説明したレンズの光軸合わせの方法を併用することによ
り、さらに高い精度でレンズの位置を調整できることは
言うまでもなく、要求されるレンズ性能に合わせて最適
な調整方法を採用すればよい。
【0135】図17(a),(b)は、図9および図1
0、図11および図12、図13および図14を用いて
説明した組立方法に適用可能なレンズ固定方法を説明す
る概略図である。
【0136】図17において、コイルボビン13の受け
面22a,22bが同じ方向に向けられていて、レンズ
8a,8bのフランジ面20a,20bは、それぞれ、
対応する受け面22a,22bに所定の圧力で押圧され
ている点は、先に説明した他の例と同様である。
【0137】図17に示されるように、個々の受け面2
2a,22bを定義する穴部21a,21bの円周上の
一部、例えば円周を等分した4ヶ所には、レンズ8a,
8bのフランジ部(面)20a,20bの側面が接触さ
れる突き当て部31a,31bと突き当て部32a,3
2bが、それぞれの穴部に設けられている。
【0138】ここで、図18に示すように、レンズ8
a,8bは、穴部21a,21b内で突き当て部により
偏芯の程度が抑制されるため、これまでに説明した方法
に比較して、さらに高い精度で偏芯なく固定される。
【0139】詳細には、突き当て部31a,31bおよ
び32a,32bは、穴部21a,21bの円周上を互
いに直交する線分で区分したときに、隣り合う2ヶ所
に、設計値に基づいて高い精度で位置関係が与えられて
いる。
【0140】より詳細には、たとえば、レンズ8aの半
径が2mm、レンズ8bの半径が3mmとすれば、レン
ズ8aを支持する穴部21aに設けられる突き当て部3
1a,31bは、光軸に対して2mmの位置に、レンズ
8bを支持する穴部21bに設けられる突き当て部32
a,32bは、光軸に対して3mmの位置に、それぞれ
設けられることで、各レンズ8a,8bの光軸を、コイ
ルボビン13の穴部の光軸に一致させることができる。
【0141】なお、コイルボビン13は、たとえば高剛
性樹脂の射出成形により形成されているので、偏芯精度
を図3に示した6.5μmの半分以下に収めることは可
能がある。
【0142】ところで、ここで注意すべきことは、それ
ぞれの突き当て部31a,31bおよび32a,32b
が上記したような仮想的な光軸から、ともにきわめて高
い精度で位置していることが第一義的に重要なのではな
く、互いの相対的な位置精度が、ある一定の範囲で確保
されていることが最も重要である点である。
【0143】これに対して、図14および図15に示す
ように、受け面22a,22bを有する穴部21a,2
1bに突き当て部が設けられていない場合、接着剤の硬
化とともに接着剤の厚みが変化して、僅かではあるが偏
芯が生じる虞があるため、先に説明した押し当てバーま
たは調整アーム92を、接着剤が完全に硬化するまでの
間、レンズに接触させた状態を維持することが好まし
い。
【0144】次に、図18を参照して、図17に示した
突き当て部を有するコイルボビンにレンズを固定する方
法を、図9に示した光ディスクD側のレンズ8aの直径
がレンズ8bの直径よりも小さいレンズユニットを例
に、詳細に説明する。
【0145】第1に、コイルボビン13全体を上下反転
させた状態で、コイルボビン13の穴部21aの外周面
の突き当て部31a,31bを含む円周方向の4ヶ所に
接着剤を塗布する。
【0146】次に、レンズ8aを穴部21aの受け面2
2aに落とし込み、レンズ8aの側面が突き当て部31
a,31bのそれぞれに確実に当たるよう、レンズ8a
を突き当て部31a,31bに押し当てるとともにレン
ズ8aの一部を、先端が清浄な押し当てバーで押圧す
る。この状態で図示しない紫外線照射装置により、所定
箇所に紫外線を照射し、接着剤を硬化させる。硬化後に
押し当てバーをはずす。
【0147】以下、組立て治具におけるコイルボビン1
3の状態はそのままにして、コイルボビン13の穴部2
1bのうち、突き当て部32a,32bを含む円周方向
の4ヶ所に接着剤を塗布する。
【0148】続いて、レンズ8bをコイルボビン13の
受け面22bに落とし込み、レンズ8bの側面が突き当
て部32a,32bの両方に確実に当たるよう、レンズ
8bを突き当て部32a,32bに押し当てるととも
に、レンズ8aの一部を、先端が清浄な押し当てバーで
押圧する。
【0149】この状態で紫外線照射装置により、所定箇
所に紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、硬化後、押し
当てバーをはずす。
【0150】上記のように、2種の突き当て部31a,
31bおよび32a,32bをガイドにして、レンズ8
aおよびレンズ8bを位置決めするので、高い精度でレ
ンズ8aおよびレンズ8bの光軸合わせをすることがで
き、偏芯を極力低減することができる。
【0151】なお、突き当て部31a,31bおよび3
2a,32bは、図17に示した形状および構成にのみ
限定されるわけではなく、2つのレンズ8a,8bの光
軸合わせを可能ならしめるものであれば、他の方法をと
ってもかまわない。
【0152】図19は、図18に示したレンズ固定方法
のさらに別の実施の形態を説明する概略図である。な
お、以下の説明においては、接着工程のみを説明する。
【0153】図19に示すレンズ構成では、レンズ8
a,8bは、それぞれ、接着剤23を介することなく、
じかに突き当て部31a,31bおよび32a,32b
と接した状態で、レンズ8a,8bの円周方向の4ヶ所
に塗布された接着剤23により、コイルボビン13に固
定されている。
【0154】このように、接着剤23がレンズ8a(8
b)と受け面22a(22b)との間に介在しないよ
う、接着剤23を塗布する量および位置を最適に制御す
ることで、突き当て部31a,31bおよび32a,3
2bを新たに設けたことによる前記の効果がより一層確
実なものとなる。
【0155】すなわち、接着剤(23)は、一般に、塗
布時の量的バラツキ、塗布位置のバラツキなどにより、
硬化後に接着剤層の厚みの差(バラツキ)を生じさせる
要因であり、また、図9ないし図12を用いて既に説明
したように、被着体(レンズと受け面)の中間部に、接
着剤の薄い層が介在する構成では、一方の被着体を他方
の被着材に押し当てる際の押し当て力などの条件によっ
ても、硬化後に接着剤の層の厚みにバラツキが生じるた
め、図19に示すように、接着剤の層の影響を受けない
接着方法を用いることにより、一層、光軸合わせの精度
を高めることができる。
【0156】より詳細には、(図9に示す構成のレンズ
において)コイルボビン13全体を上下反転させた状態
で、レンズ8aをコイルボビン13の受け面22aに落
とし込み、レンズ8aの側面が突き当て部31a,31
bの両方に確実に当たるよう、レンズ8aを突き当て部
31a,31bに押し当てる。
【0157】この状態で、コイルボビン13の穴部21
aのうち、突き当て部31a,31bの周辺を含む円周
方向の4ヶ所に接着剤23を塗布し、レンズ8aの一部
を、図示しない押し当てバーで押圧しながら、図示しな
い紫外線照射装置により、所定箇所に紫外線を照射し、
接着剤23を硬化させ、硬化後に押し当てバーをはず
す。
【0158】次に、組立て治具におけるコイルボビン1
3の状態はそのままにして、レンズ8bをコイルボビン
13の受け面22bに落とし込み、レンズ8bの側面が
突き当て部32a,32bの両方に確実に当たるよう、
レンズ8bを突き当て部32a,32bに押し当て、コ
イルボビン13の穴部21bのうち、突き当て部32
a,32bの周辺を含む円周方向の4ヶ所に接着剤を塗
布し、レンズ8bの一部を、先端が清浄な押し当てバー
で押圧しながら、図示しない紫外線照射装置により、所
定箇所に紫外線を照射し、接着剤を硬化させる。
【0159】上記のように、2種の突き当て部31a,
31bおよび32a,32bをガイドにしてレンズ8a
およびレンズ8bを位置決めし、接着剤23を、穴部2
1a,21bの端面とレンズ8a,8bのフランジ部の
端面とに選択的に塗布することで、接着剤の硬化にとも
なう位置変動の影響を受けない高い精度でレンズ8aお
よびレンズ8bの光軸合わせをすることができ、偏芯を
最小に低減することができる。
【0160】なお、突き当て部31a,31bおよび3
2a,32bの構成は上記のようなものにのみ限定され
るわけではなく、2つのレンズ8a,8bの光軸合わせ
を可能ならしめるものであれば他の方法をとってもかま
わない。
【0161】図20および図21は、上述した実施の形
態のさらに別の形態を説明する概略図である。
【0162】レンズ8a,8bは、それぞれ、フランジ
面20a,20bを介して中空円筒状のスペーサ19の
受け面19a,19bに接していて、紫外線硬化型接着
剤23を介してスペーサ19に固定されている。
【0163】スペーサ19は、コイルボビン13の受け
面22aに落とし込まれ、紫外線硬化型接着剤23によ
ってコイルボビン13と接合されている。
【0164】より詳細には、図9に示したような先玉レ
ンズ8aの直径が、元玉レンズ8bの直径よりも小さい
場合には、スペーサ19を、図20に示す状態から上下
反転させて設置し、スペーサ19の受け面19aに紫外
線硬化型接着剤23(LI−298)を塗布し、レンズ
8aをのせ、レンズ8aの一部を、図示しない押し当て
バーで押圧しながら、図示しない紫外線照射装置によ
り、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、硬
化後に押し当てバーをはずすことで固定される。
【0165】続いて、組立て治具におけるコイルボビン
13の状態はそのままにして、スペーサ19の受け面1
9bに紫外線硬化型接着剤(L1−298)23を塗布
し、レンズ8bをのせ、レンズ8bの一部を、先端が清
浄な押し当てバーで押圧しながら、図示しない紫外線照
射装置により、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤を硬
化させることで、2つのレンズが所定の位置に高い精度
で固定される。
【0166】以下、スペーサ19を治具から取り外し、
スペーサ19のレンズ8aを接着した側が上側(ディス
ク側)となるように、スペーサ19をコイルボビン13
の受け面22aに挿入する。
【0167】最後に、紫外線硬化型接着剤(Ll−29
8)を用いて、スペーサ19をコイルボビン13に接合
する。
【0168】次に、図21を用いて、図10に示すよう
にレンズ8aの直径がレンズ8bの直径よりも大きい場
合について説明する。
【0169】スペーサ19を、図21に示す上下関係で
図示しない組立て治具に設置し、スペーサ19の受け面
19bに紫外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗
布し、レンズ8bをのせる。
【0170】レンズ8bの一部を、先端が清浄な押し当
てバーで押圧しながら、図示しない紫外線照射装置によ
り、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、硬
化後に押し当てバーをはずす。
【0171】次に、組立て治具におけるコイルボビン1
3の状態はそのままにして、スペーサ19の受け面19
aに紫外線硬化型接着剤(Ll−298)23を塗布
し、レンズ8aをのせる。
【0172】以下、レンズ8aの一部を、先端が清浄な
押し当てバーで押圧しながら、図示しない紫外線照射装
置により、所定箇所に紫外線を照射し、接着剤を硬化さ
せ、硬化後に押し当てバーをはずす。
【0173】次に、スペーサ19のレンズ8aを接着し
た側が上側(ディスクD側)となるように、スペーサ1
9をコイルボビン13の受け面22aに挿入する。
【0174】最後に、紫外線硬化型接着剤(LI−29
8)23を用いて、スペーサ19をコイルボビン13に
接合する。
【0175】図20および図21に示した例は、図9お
よび図10等に示した例と比較してスペーサ19にレン
ズ8a,8bを接合する工程が増えるが、この作業自体
は光学ヘッド全体を組み立てる主工程からはずれた工
程、いわゆるバッチ処理として取り扱うことができ、作
り貯めがきくとか、主工程に影響を与えない、といった
利点がある。
【0176】また、コイルボビン13は、形状の複雑さ
から、通常は樹脂の射出成形による加工が一般的である
が、射出成形の加工精度には限界があり、多くの場合、
加工品に対して二次的な加工が要求される場合もある
が、工数がかかるのみならず、加工精度に、限度がある
ため、加工精度の高い切削加工が可能なスペーサ19を
用いて高い加工精度をえることにより、より精度を高め
ることができる。なお、スペーサ19には、たとえば、
硬質アルミニウムが利用される。
【0177】なお、図20および図21に示した例で
は、レンズ8a,8bともに、スペーサ19に接合する
という構成をとっているが、これに限ることなく、たと
えば、どちらか一方のみをスペーサ19に接合するとい
う方式であってもよく、要求されるレンズ性能に応じ
て、最適な工法を採用すればよい。また、この方法は、
先に説明した全ての方法に適用できることはいうまでも
ない。
【0178】次に、図22ないし図24を用いて、さら
に別の実施の形態を説明する。なお、ここでは、2つの
対物レンズのうちの一方を例に、レンズの位置を適切な
位置に調整する方法を説明する。
【0179】図22に示されるようにレンズ8bは、光
ディスクDから遠い側に位置するレンズであるが、フラ
ンジ面20bを介して、中空円筒状のスペーサ19に固
定されている。
【0180】一方、レンズ8aは、図23に示されるよ
うに、フランジ面20aを介して、コイルボビン13の
受け面22aに接していて、先に説明した実施の形態と
同様に、紫外線硬化型接着剤23によりコイルボビン1
3に予め固定されている。
【0181】このような、スペーサ19をコイルボビン
13の穴部22aに挿入し、後述する調整治具を装着す
る。
【0182】以下、後述する調整方法により調整した
後、図24(図23の構造を調整装置にセットした状
態)に示すように、紫外線硬化型接着剤23をスペーサ
19の側面に塗布し、紫外線照射によりスペーサ19を
コイルボビン13に固定する。
【0183】次に、具体的な調整方法および接着方法に
ついて説明する。
【0184】図24に示されるように、コイルボビン1
3を組立治具の所定の位置に固定し、コイルボビン13
の受け面22aに光硬化性(紫外線硬化型)の接着剤2
3、例えばロックタイト社製の紫外線硬化型接着剤(L
I−298)23を塗布し、受け面22aに、レンズ8
aを落とし込む。このとき、フランジ面20aと受け面
22aとの間に不所望な隙間が生じないようにしなが
ら、図示しない紫外線照射装置により、所定箇所に紫外
線を照射して(接着剤)を硬化させる。
【0185】次に、スペーサ19の受け面19bに、紫
外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗布し、レン
ズ8bをセットする。このとき、フランジ面20bと受
け面22bとの間に不所望な隙間が生じないようにしな
がら、紫外線照射装置により所定位置に紫外線を照射し
て接着剤を硬化させる。
【0186】以下、スペーサ19のレンズ8bを接着し
た側が光ディスクDの側になるように、スペーサ19を
コイルボビン13の穴部22aに挿入する。
【0187】次に、図24に示すように、スペーサ19
に調整治具のアーム80を装着する。この調整治具は、
スペーサ19を介して、対物レンズ8bを、光軸方向お
よび光軸と直交する2方向に微動させるとともに、ラジ
アル(光ディスクDの半径)方向へのチルトおよびタン
ジェンシャル(光ディスクDの記録面の記録情報(ピッ
ト)列または案内溝(グルーブ))方向へのチルトを与
えるような機構であり、先に説明した5つの自由度の方
向に微動する微動ステージ82を有し、ステージ82の
動きがアーム80によりスペーサ19に伝達される。
【0188】次に、レンズ8bの上部に、集光スポット
検出装置(90)の対物レンズ部91を配置する。集光
スポット検出装置は、対物レンズ部91で捕らえた画像
情報を、例えばCCDカメラ等で電気信号に変換し、得
られた電気信号を解析して収差情報等を取り出すもので
ある。なお、検査装置(90)としては、例えばオプト
デバイス社製のスポット自動検査装置ALC−8等が利
用可能である。
【0189】続いて、光学ヘッドの光源である半導体レ
ーザ素子を発光させ、対物レンズから出射された光を観
測する。
【0190】このとき、対物レンズ部91を光軸方向に
調整することにより対物レンズ8bから出射される収束
光ビームの焦点位置をとらえることができる。
【0191】なお、調整治具のアーム80を5軸方向に
調整することで、レンズ8bが任意方向に移動され、2
つのレンズ8a,8bの間隔、偏芯量および相対的なチ
ルト角が変化して、検査装置の対物レンズ部91により
とらえられた画像である集光スポットの品位(形状およ
び収差成分の影響等)が変化される。
【0192】従って、間隔誤差、偏芯あるいはチルトが
存在しなければ、集光スポットの波面収差は、ごく僅か
なレベルとなり、逆に誤差が生じている場合には、レン
ズ8a、8bの間隔、偏芯およびチルトの種類と量に応
じて、さまざまな収差が発生して品位が低下する。
【0193】詳細には、間隔誤差が生じている場合に
は、球面収差が顕著に発生し、偏芯やチルトが生じてい
る場合には、コマ収差が顕著に発生する。このため、検
査装置の出力である電気信号を解析した結果である収差
成分出力をモニタしながら、最も大きく発生している収
差に対応した調整ステージを微動する工程を繰り返し
て、収差成分出力の全体のレベルが小さくなるよう、対
物レンズ8b(調整ステージのアーム80)の位置を調
整することで、対物レンズ8a,8bの間隔誤差、偏芯
ならびにチルトを最小に設定できる。
【0194】以下、スペーサ19の最良の位置が求めら
れたならば、スペーサ19の側面に紫外線硬化型接着剤
24、例えば住友3M社製の紫外線硬化型接着剤MUL
TI−CURE−991をスペーサ19の側面の等分配
のたとえば4ヶ所に、ディスペンサ等で所定量を塗布
し、紫外線照射装置により、所定箇所に所定条件で紫外
線を照射して、接着剤を硬化させる。なお、アーム80
は、接着剤が硬化した後の所定のタイミングで取り外さ
れることはいうまでもない。
【0195】このようにして最適な位置に調整されて接
合された対物レンズ8bは、検出装置により、集光スポ
ットの品位が最良になるレンズ位置条件を満足するよう
固定されることから、結果として、収差レベルの低い光
学特性に優れた対物レンズを提供できる。しかも、対物
レンズを固定する際に用いる接着剤は、紫外線硬化型で
あるから、接着剤が硬化する際に位置ずれが生じたり、
調整工程の途中で接着剤が硬化する等が防止でき、組立
容易性が向上される。
【0196】なお、ここでは、光ディスクDから遠い側
に位置されるレンズ8bの位置、傾きおよび偏芯を調整
する例を説明したが、光ディスクDに近い側のレンズ8
aについても同様に調整可能であることは、いうまでも
ない。この場合、光ディスクDと対物レンズ8aの最も
ディスクDに近い部分とディスク表面との間の距離は、
1mm以下で、例えば0.3mm程度となるため、アー
ム80を装着する際に、作業性が低下する恐れがある。
【0197】これに対して、2つの対物レンズ8a,8
bのうちの光ディスクDから遠い側に位置する対物レン
ズ8bの位置、偏芯およびチルトを調整して、2つの対
物レンズ8a、8bにより提供される光学特性を確保す
ることで、作業性が向上される。なお、対物レンズを固
定するために用いる紫外線硬化型接着剤(MULTI−
CURE−991)24は、フィラーを含み、線膨張係
数が小さなタイプの接着剤であるが、接着剤塗布量の精
度の確保、紫外線照射条件の均一性の確保等の条件を、
所定の条件内とすることで、容易に入手可能な一般的な
紫外線硬化型の接着剤を用いることもできる。
【0198】また、上述した実施の形態では、対物レン
ズ8bをスペーサ19に予め接着し、スペーサ19の位
置(間隔、偏芯あるいはチルト)をレンズ8aに対して
変化させる例を説明したが、レンズ8bにフランジを設
けたり、コイルボビンのレンズ保持部の形状を最適化す
ることで、レンズ8bの位置がレンズ単体で調整可能で
固定可能である場合には、必ずしもスペーサ19を用い
る必要がないことはいうまでもない。
【0199】次に、上述した多くの実施の形態とは異な
るさらに別の実施の形態を説明する。
【0200】図25に示すように、レンズ8aは、フラ
ンジ面20aを介して、中空円筒状のスペーサ25aの
受け面19aと接触されていて、紫外線硬化型接着剤2
3によりスペーサ25aの所定の位置に予め固定されて
いる。
【0201】図26に示すように、レンズ8bは、フラ
ンジ面20bを介して、中空円筒状のスペーサ25bの
受け面19bに接触されていて、紫外線硬化型接着剤2
3により、スペーサ25bの所定の位置に固定されてい
る。
【0202】次に、図27に示すように、スペーサ25
aをスペーサ25bに落とし込み、図28を用いて以下
に説明する調整治具を装着する。
【0203】以下、図28に示すように、後述する調整
方法によりスペーサ25bに対するスペーサ25aの位
置を調整し、スペーサ25aの側面に予め塗布した紫外
線硬化型接着剤を所定位置への紫外線の照射により硬化
させて、スペーサ25aを、スペーサ25bに対して所
定の位置関係となるよう固定する。
【0204】このようにして作成されたレンズユニット
25(スペーサ25a+スペーサ25b)を、コイルボ
ビン13の所定の位置に、紫外線硬化型接着剤23によ
り固定する。
【0205】より詳細には、第1に、スペーサ25aの
受け面19aに紫外線硬化型接着剤23(LI−29
8)を塗布し、レンズ8aを載せる。
【0206】次に、フランジ面20aと受け面22aと
の間に不要な隙間が生じないように維持しながら、図示
しない紫外線照射装置により所定位置に紫外線を照射し
て、紫外線硬化型接着剤を硬化させる(図25参照)。
【0207】同様にして、スペーサ25bの受け面19
bに紫外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗布
し、レンズ8bをセットする。
【0208】次に、フランジ面20bと受け面22bと
の間に不要な隙間が生じないように維持しながら紫外線
照射装置により所定箇所に紫外線を照射して、紫外線硬
化型接着剤23を硬化させる(図26参照)。
【0209】この後、スペーサ25aを上下反転させ、
図示しない組立治具の押さえ部93に固定する。押さえ
部93は、スペーサ25aの側面の一部と接しながらス
ペーサ25aを強固に固定するものであり、スペーサ2
5aの側面には、押さえ部93とは接していない部分が
多く残されるように配置されている。
【0210】続いて、スペーサ25bを上下反転させ
て、スペーサ25aの穴部19aに挿入し、その後、ス
ペーサ25bに調整治具のアーム80を装着する。
【0211】以下、スペーサ25bの上部の所定位置
に、図示しない標準光源治具をセットし、レンズ8aの
下部に図示しない集光スポット検査装置の対物レンズ部
91を位置させる。なお、標準光源治具は、実際の光学
ヘッドと同一の光学系を有し、実際の光学ヘッドのアク
チュエータに供給される直前の光ビームを提供可能なユ
ニットであり、特に収差の少ない光学系が用いられてい
る。
【0212】続いて、先に説明したと同様に、アーム8
0を移動させて、スペーサ25bの最良位置を特定し、
スペーサ25bの側面の、例えば4ヶ所に、図示しない
ディスペンサーにより、紫外線硬化型接着剤(MULT
I−CURE−991)24を、所定量塗布し、紫外線
照射装置により紫外線を照射して、硬化する。
【0213】以下、アーム80を解除して、レンズユニ
ット25を調整治具から取り外し、コイルボビン13の
穴部22aへ挿入して、紫外線硬化型接着剤(MULT
I−CURE−991)25で固定して、組立工程が終
了する(図29参照)。
【0214】この方法によれば、図22ないし図24に
示した実施の形態に比較して、レンズユニット25を一
旦作製する工程が生じるが、この工程は、光学ヘッド全
体を組み立てる主工程からバッチ処理として分離できる
ため、主工程から影響を受けないメリットがある。
【0215】また、先に説明した実施の形態と同様に、
光ディスクDから離れているレンズ8bを調整してレン
ズ8aとの間の間隔、偏芯およびチルトを調整できるの
でレンズ8aの周辺に、レンズ8aを調整するための機
構を設ける必要がなく、作業性が向上される。
【0216】図30は、図25ないし図29に示した実
施の形態のさらに別の実施の形態を説明するもので、レ
ンズ8bを、レンズ8bの位置(レンズ8aとの間隔、
偏芯およびチルト)を調整して最良の位置を求めた後、
先に説明した紫外線硬化型接着剤とは異なる性質を呈す
る接着剤によりスペーサ19に固定する例を示してい
る。
【0217】詳細には、先に説明したと同様にしてレン
ズ8a,8b相互間の最良位置を決定し、所定量の紫外
線硬化型接着剤23を所定箇所に塗布した後、紫外線を
照射して接着剤23を硬化させて、スペーサ19または
レンズ8bを固定する。
【0218】この後、調整治具からコイルボビン13が
取り外され、紫外線硬化型接着剤23とは異なる性質を
呈する第2の接着剤26が、スペーサ19またはレンズ
8bの側面を概ね等分した例えば4ヶ所に、ディスペン
サー等により所定量塗布される。なお、第2の接着剤2
6は、硬化剤を伴って硬化するエポキシ系接着剤であ
り、例えばセメダイン社製のEP−399を用いた場
合、硬化条件は、室温下で概ね105分である。
【0219】エポキシ系接着剤26は、紫外線硬化型接
着剤に比較して硬化時の体積収縮率が小さく、弾性が高
い特徴がある。
【0220】このように、レンズホルダとレンズの初期
固定に紫外線硬化型接着剤を用い、第2の接着剤として
エポキシ系接着剤26を用いることで、紫外線硬化型接
着剤のみを用いる場合に比較して外部から接着剤(2
3)を歪ませる力が加えられた場合の歪み量は少ない。
【0221】すなわち、紫外線硬化型接着剤23は、ア
クリル系を主成分とするため、使用環境条件、特に温度
の変化に対する線膨張係数が大きく、使用環境が変化す
る場合に生じる位置ずれ(レンズ相互間距離、偏芯およ
びチルト)の程度が許容値を越える場合がある。
【0222】これに対して、エポキシ系接着剤26を用
いることにより、紫外線硬化型接着剤23により比較的
大きな膨張や収縮が生じたとしても、エポキシ系接着剤
26の弾性率により、紫外線硬化型接着剤の膨張あるい
は収縮の程度を抑制できる。
【0223】従って、アクリル系である紫外線硬化型接
着剤のみを用いる方法に比較して、高いレンズの位置精
度と安定性を得ることができる。これに伴って、広い範
囲の環境温度下においても信頼性の高いレンズユニット
を提供できる。
【0224】なお、エポキシ系接着剤の硬化時の体積収
縮率は、2.5〜5%であり、紫外線硬化型接着剤の硬
化時の体積収縮率である7〜10%に比較して小さく、
第2の接着剤としてエポキシ系接着剤を用いることで、
紫外線硬化型接着剤の体積収縮が接着剤内部に応力とし
て蓄えられて、時間の経過とともに発現するクリープ現
象の影響を抑制することもできる。すなわち、紫外線硬
化型接着剤による初期固定の直後に、紫外線硬化型接着
剤の体積収縮率よりも体積収縮率の小さなエポキシ系接
着剤により二次固定することで、アクリル系(紫外線硬
化型)接着剤のクリープ現象の影響を受けにくいレンズ
ユニット(光学ヘッド)を提供できる。
【0225】またさらに、紫外線硬化型接着剤による初
期固定に加えてエポキシ系接着剤により二次固定するこ
とで、より強固にレンズどうしおよびレンズホルダとレ
ンズを固定でき、振動や衝撃に対する耐性が増大し、外
部からドライブ装置に振動や衝撃が加えられたとして
も、レンズ性能の低下を最小限に留めることができる。
【0226】なお、図30を用いて説明したこの実施の
形態においては、エポキシ系接着剤を塗布する前に調整
治具からレンズとスペーサを取り外す例を説明したが、
調整治具にセットしたままであっても、何ら問題は生じ
ない。
【0227】次に、図31ないし図34を用いて、図2
2ないし図24および図25ないし図29および図30
を用いて説明した上述の実施の形態と関連のある高NA
の対物レンズ(レンズユニット)を得るためのさらに別
の実施の形態を説明する。なお、ここでは、2つの対物
レンズのうちの一方を例に、レンズの位置を適切な位置
に調整する方法を説明する。
【0228】図31に示されるようにレンズ8bは、光
ディスクDから遠い側に位置するレンズであるが、フラ
ンジ面20bを介して、中空円筒状のスペーサ19の受
け面19bに接した状態で、紫外線硬化型接着剤23に
よりスペーサ19に固定されている。
【0229】レンズ8aは、フランジ面20aを介し
て、コイルボビン13の受け面22aに接していて、先
に説明した実施の形態と同様に、紫外線硬化型接着剤2
3によりコイルボビン13に予め固定されている。
【0230】このような、スペーサ19をコイルボビン
13の穴部22aに挿入し、後述する調整治具を装着す
る。以下、後述する調整方法により調整した後、図32
に示すように概ね球形の補助部材41を、紫外線硬化型
接着剤23によって、スペーサ19とコイルボビン13
との間に固定する。
【0231】次に、具体的な調整方法および接着方法に
ついて説明する。
【0232】まず、コイルボビン13を図示しない組立
治具の所定の位置に固定し、コイルボビン13の受け面
22aに紫外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗
布し、受け面22aに、レンズ8aを落とし込む。この
とき、フランジ面20aと受け面22aとの間に不所望
な隙間が生じないようにしながら、図示しない紫外線照
射装置により、所定箇所に紫外線を照射して、接着剤2
3を硬化させる(図31参照)。
【0233】次に、スペーサ19の受け面19bに、紫
外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗布し、レン
ズ8bをセットし、フランジ面20bと受け面22bと
の間に不所望な隙間が生じないように維持しながら、図
示しない紫外線照射装置により、所定位置に紫外線を照
射して接着剤を硬化させる(図32参照)。
【0234】以下、コイルボビン13を上下反転させた
状態で図示しない組立治具にセットし、スペーサ19の
レンズ8bを接着した側が光ディスクの側になるよう
に、スペーサ19をコイルボビン13の穴部22aに挿
入する(図33参照)。
【0235】続いて、スペーサ19に、先に説明したよ
うに、微動ステージ82とアーム80からなる調整治具
のアーム80を装着し、レンズ8bの上部に、図示しな
い集光スポット検出装置の対物レンズ部91を配置し
て、光学ヘッドの光源である半導体レーザ素子を発光さ
せ、対物レンズから出射された光を観測する(図33参
照)。
【0236】以下、検査装置の対物レンズ91部を光軸
方向に調整することで、対物レンズ8bから出射される
収束光ビームの焦点位置をとらえることができる。な
お、アーム80を5軸方向に調整すると、レンズ8bが
移動されることで、2つのレンズ8a,8bの間隔、偏
芯量および相対的なチルト角が変化し、これに伴って、
検査装置の対物レンズ部91によりとらえられた画像す
なわち集光スポットの品位(形状および収差成分の影響
等)が変化される。
【0237】このような調整により、スペーサ19(対
物レンズ8b)の最良の位置が求められたならば、ボビ
ン13の穴部22aの所定の位置に設けられているテー
パとスペーサ19に設けられているV状溝との間に定義
される空間に、概ね球形の補助部材41を、紫外線硬化
型接着剤(LI−298)23により、固着する。な
お、補助部材41は、図34に示されるように、スペー
サ19の側面の等分配の例えば4ヶ所に、ディスペンサ
等で所定量の紫外線硬化型接着剤が塗布され、図示しな
い紫外線照射装置により、所定条件で紫外線が照射され
ることで固定される。
【0238】なお、補助部材41は、例えばBK7等の
ガラスを、直径約0.5mmの球体としたもので、真球
度や面精度あるいは屈折率の均一性等に代表される特性
を特に管理する必要がなく、入手可能な任意の材質によ
り提供される。なお、補助部材41は、特にガラス材料
に限らず、高合成の樹脂やベアリングボールのような金
属製であってもよい。
【0239】このようにして最適な位置に調整されて接
合された対物レンズ8bは、検出装置により、集光スポ
ットの品位が最良になるレンズ位置条件を満足するよう
固定されることから、結果として、収差レベルの低い光
学特性に優れた対物レンズを提供できる。しかも、対物
レンズを固定する際に用いる接着剤は、紫外線硬化型で
あるから、接着剤が硬化する際に位置ずれが生じたり、
調整工程の途中で接着剤が硬化する等が防止でき、組立
容易性が向上される。
【0240】なお、ここでは、光ディスクDから遠い側
に位置されるレンズ8bの位置、傾きおよび偏芯を調整
する例を説明したが、光ディスクDに近い側のレンズ8
aについても同様に調整可能であることは、いうまでも
ない。この場合、光ディスクDと対物レンズ8aの最も
ディスクDに近い部分とディスク表面との間の距離は、
1mm以下で、例えば0.3mm程度となるため、アー
ム80を装着する際に、作業性が低下する恐れがある。
【0241】これに対して、2つの対物レンズ8a,8
bのうちの光ディスクDから遠い側に位置する対物レン
ズ8bの位置、偏芯およびチルトを調整して、2つの対
物レンズ8a、8bにより提供される光学特性を確保す
ることで、作業性が向上される。
【0242】また、上述した実施の形態では、対物レン
ズ8bをスペーサ19に予め接着し、スペーサ19の位
置(間隔、偏芯あるいはチルト)をレンズ8aに対して
変化させる例を説明したが、レンズ8bにフランジを設
けたり、コイルボビン13のレンズ保持部の形状を最適
化することで、レンズ8bの位置がレンズ単体で調整可
能で固定可能である場合には、必ずしもスペーサ19を
用いる必要がないことはいうまでもない。
【0243】図35ないし図37は、それぞれ、図34
で説明した補助部材と位置調整後のスペーサ19の固定
状態を模式的に示す概略図である。
【0244】図35は、偏芯を、図36は、レンズ間隔
を、図37は、チルトを、それぞれ補正した状態を示
し、補助部材41の大きさと形状を最適に設定すること
により、一定の許容範囲において、2つのレンズ8a,
8b相互間の偏芯、レンズ間隔およびチルトを調整した
後、補助部材41により固定可能であることが認められ
る。
【0245】以上説明したように、集光スポットの品位
が最良となる2つのレンズ相互の位置(偏芯および傾
き)を見いだした後、概ね球状の補助部材を用いて各レ
ンズを固定することで、最良の光学特性を提供可能な対
物レンズ(レンズユニット)を提供できる。なお、主と
して、2つのレンズのうちの光ディスクから遠い側のレ
ンズを、調整治具により調整することにより、作動距離
が短く開口数が大きな対物レンズに対しても、安定な組
立および調整が可能となる。また、補助部材に、剛性の
高い部材を用いることで、レンズホルダとコイルボビン
とを接着した際の耐振動力および耐衝撃性が向上され
る。
【0246】なお、上述した構成(2つのレンズのうち
の一方をレンズホルダに予め固定し、レンズホルダの位
置を調整する)に加えて、レンズ単体を調整してもよい
ことはいうまでもない。その場合には、レンズホルダの
ために要求されるコストや、レンズホルダにレンズを固
定するための組立コストを低減できる。
【0247】また、レンズホルダを用いる場合には、レ
ンズに、調整アームが直接接触されないことから、レン
ズに、傷や汚れを生じさせる可能性が低減されるととも
に、被調整物であるレンズホルダを保持することによ
り、安定性が向上する。なお、レンズ単体で調整するか
レンズホルダを用いるかは、実際のレンズ形状や大きさ
あるいはコイルボビンの形状等に基づいて、任意に選択
される。
【0248】次に、図38ないし図42を用いて、さら
にまた別の実施の形態を説明する。
【0249】既に説明した他の実施の形態と同様に、レ
ンズ8aは、フランジ面20aを介して、中空円筒状の
スペーサ25aの受け面19aと接触されていて、紫外
線硬化型接着剤23によりスペーサ25aの所定の位置
に予め固定されている(図38)。
【0250】また、図39に示すように、レンズ8b
は、フランジ面20bを介して、中空円筒状のスペーサ
25bの受け面19bに接触されていて、紫外線硬化型
接着剤23により、スペーサ25bの所定の位置に固定
されている。
【0251】次に、図40に示すように、スペーサ25
aをスペーサ25bに落とし込み、後述する調整治具を
装着する。
【0252】以下、図42に示すように、スペーサ25
bに対するスペーサ25aの位置を調整し、補助部材4
1を紫外線硬化型接着剤23によって、スペーサ25a
とスペーサ25bとの間に接合する(図41は、接合後
の状態を示している)。
【0253】より詳細には、スペーサ25aの受け面1
9aに紫外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗布
し、レンズ8aを載せ、フランジ面20aと受け面22
aとの間に不要な隙間が生じないように維持しながら、
図示しない紫外線照射装置により所定位置に紫外線を照
射して、紫外線硬化型接着剤を硬化させる(図38参
照)。
【0254】同様にして、スペーサ25bの受け面19
bに紫外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗布
し、レンズ8bをセットし、フランジ面20bと受け面
22bとの間に不要な隙間が生じないように維持しなが
ら紫外線照射装置により所定箇所に紫外線を照射して、
紫外線硬化型接着剤23を硬化させる(図39参照)。
この後、スペーサ25aを上下反転させ、図示しない組
立治具の押さえ部93に固定する。なお、押さえ部93
は、スペーサ25aの側面の一部と接しながらスペーサ
25aを強固に固定するものであり、スペーサ25aの
側面には、押さえ部93とは接していない部分が多く残
されるように配置されている(図42参照)。
【0255】続いて、スペーサ25bを反転させて、ス
ペーサ25aの穴部19aに挿入し、その後、スペーサ
25bに調整治具のアーム80を装着する(図42参
照)。
【0256】以下、スペーサ25bの上部の所定位置
に、図示しない標準光源治具をセットし、レンズ8aの
下部に図示しない集光スポット検査装置の対物レンズ部
91を位置させる。なお、標準光源治具は、実際の光学
ヘッドと同一の光学系を有し、実際の光学ヘッドのアク
チュエータに供給される直前の光ビームを提供可能なユ
ニットであり、特に収差の少ない光学系が用いられてい
る。
【0257】続いて、先に説明したと同様に、アーム8
0を移動させて、スペーサ25bの最良位置を特定し、
この状態(最良位置)を維持しながら、ボビン13の穴
部22aの所定の位置に設けられているテーパとスペー
サ19に設けられているV状溝とを用い、紫外線硬化型
接着剤(LI−298)23を用いて、補助部材41を
スペーサ25aとスペーサ25bとの間に接合する。
【0258】このようにして、図40に示したレンズユ
ニットが完成する。
【0259】以上説明したように、図38ないし図42
に示した組立方法によれば、図33ないし図34に示し
た組立方法に比較して、レンズユニット25を一旦作製
する工程が生じるが、この工程は、光学ヘッド全体を組
み立てる主工程からバッチ処理として分離できるため、
主工程から影響を受けないメリットがある。なお、スペ
ーサの形状は、コイルボビンの形状よりも加工上の自由
度が大きく、補助部材をより安定的に接合する構成を取
りやすいことを特筆できる。
【0260】また、図38ないし図42を用いて説明し
た実施の形態において、レンズ8bをスペーサ25bの
所定の位置(最良位置)に、一旦、紫外線硬化型接着剤
23により固定(初期固定)し、その後補助部材41
を、紫外線硬化型接着剤23により、スペーサ19のV
溝とボビン13のテーパとを接着してもよい。
【0261】この実施の形態では、レンズ8bを調整し
た直後には、補助部材を用いずに紫外線硬化型接着剤の
みで接着しているので、レンズやコイルボビンの形状・
大きさ等の理由で、調整用アームをセットした状態で補
助部材41を接合することが困難な場合に有効な固定方
法であり、紫外線硬化型接着剤により初期固定し、コイ
ルボビンを調整治具から外した後に補助部材41を接合
する工程としたことで、作業性が改善される。
【0262】なお、この実施の形態によれば、初期固定
時の7〜10%にも及ぶ紫外線硬化型接着剤23の体積
収縮の影響であり、クリープ現象として接着剤内部に蓄
えられた応力が時間の経過とともに発現する現象に対し
ても、補助部材41により強固に固定(接合)すること
により、被接着物に、各種のズレを生じさせることがな
い。
【0263】また、補助部材41は、高剛性であるか
ら、外部からの振動や衝撃に対しても、レンズの位置ず
れによる光学的性能の低下を最小に抑えることができ
る。
【0264】図43は、図38ないし図42に示した実
施の形態のさらに別の実施の形態を説明するもので、2
つのレンズ8a,8b相互間の最良位置が決定されたな
らば、スペーサ25aの側面を概ね4等分した位置に、
紫外線硬化型接着剤(LI−298)23を塗布し、第
1にスペーサ25aとスペーサ25bを接合し、次に調
整治具からスペーサ25bを取り外して紫外線硬化型接
着剤(LI−298)23を用いて、補助部材41をス
ペーサ25aとスペーサ25bとの間に接合するもので
ある。
【0265】図44は、図38ないし図42および図4
3に示した実施の形態のさらに別の実施の形態を説明す
るもので、2つのレンズ8a,8b相互間の最良位置が
決定されたならば、スペーサ25aの側面を概ね4等分
した位置に、紫外線硬化型接着剤(LI−298)23
を塗布し、第1にスペーサ25aとスペーサ25bを接
合し、次に調整治具からスペーサ25bを取り外して紫
外線硬化型接着剤(LI−298)23を用いて、補助
部材41をスペーサ25aとスペーサ25bとの間に接
合するものである。
【0266】この方法によれば、先に説明したと同様
に、レンズ8bを調整した直後には、補助部材を用いず
に紫外線硬化型接着剤のみで接着しているので、レンズ
やコイルボビンの形状・大きさ等の理由で、調整用アー
ムをセットした状態で補助部材41を接合することが困
難な場合に有効な固定方法であり、紫外線硬化型接着剤
により初期固定し、コイルボビンを調整治具から外した
後に補助部材41を接合する工程としたことで、作業性
が改善される。
【0267】また、この方法によれば、紫外線硬化型接
着剤のクリープ現象の影響により、被接着物に、各種の
ズレを生じることを抑止でき、高剛性の補助部材を用い
ることにより、外部からの振動や衝撃に対しても、レン
ズの位置ずれによる光学的性能の低下を最小に抑えるこ
とができる。
【0268】なお、上述した構成(2つのレンズのうち
の一方をレンズホルダに予め固定し、レンズホルダの位
置を調整する)に加えて、レンズ単体を調整してもよい
ことはいうまでもない。その場合には、レンズホルダの
ために要求されるコストや、レンズホルダにレンズを固
定するための組立コストを低減できる。
【0269】また、レンズホルダを用いる場合には、レ
ンズに、調整アームが直接接触されないことから、レン
ズに、傷や汚れを生じさせる可能性が低減されるととも
に、被調整物であるレンズホルダを保持することによ
り、安定性が向上する。なお、レンズ単体で調整するか
レンズホルダを用いるかは、実際のレンズ形状や大きさ
あるいはコイルボビンの形状等に基づいて、任意に選択
される。
【0270】次に、またさらに、この発明の別の実施の
形態を説明する。
【0271】図45に示す対物レンズ8は、コイルボビ
ン13の穴部21a,21bに設けられた2枚組の対物
レンズ8を構成するレンズ8aおよび8bを有してい
る。
【0272】光ディスクDに近い側のレンズ8aは、先
に説明した多くの実施の形態と同様に、光ディスクDの
表面と対向する側に向けられて、紫外線硬化型接着剤2
3によりコイルボビン13の穴部21aの受け面22a
に固定されている。
【0273】レンズ8bは、嫌気性硬化型接着剤51に
より、コイルボビン13の穴部21bに、レンズ8aと
逆の方向から固定されている。
【0274】なお、図45に示されるように、レンズ8
bを保持するコイルボビン13の穴部21bの受け面2
2bは、これまでに説明した多くの実施の形態に比較し
て、レンズ8bのフランジ面20bと接する接着面積が
広く形成されている。これにより、嫌気性硬化型接着剤
接着剤51の接着力が確保される。
【0275】図46ないし図48に示すように、2つの
レンズ8a,8bからなる対物レンズ(レンズユニッ
ト)の光ディスクDから遠い側に位置するレンズ8b
を、(レンズ8bの)フランジ面20bを中空円筒条の
スペーサ19の受け面19bに接した状態で、紫外線硬
化型接着剤23でスペーサ19に固定し、レンズ8a
を、フランジ面20aを介して、金属製のコイルボビン
13の受け面22aに接しさせた状態で、紫外線硬化型
接着剤23によりコイルボビン13に固定し、コイルボ
ビン13とスペーサ19を、スペーサ19の端面80に
嫌気性硬化型接着剤51を塗布した後コイルボビン13
の穴部22aに挿入し、図48に示す調整治具を用い
て、スペーサ19の位置を調整した後、約30秒保持し
て、大気との接触が遮断されることで硬化する嫌気性硬
化型接着剤51を硬化させて、固定されている。
【0276】より詳細には、コイルボビン13を図示し
ない組立治具の所定の位置にセットし、コイルボビン1
3の受け面22aに、紫外線硬化型接着剤23を所定量
塗布し、その後、受け面22aに、レンズ8aを落とし
込む(図46)。
【0277】次に、フランジ面20aと受け面22aと
の間に不所望な隙間が生じないように維持しながら、図
示しない紫外線照射装置により所定箇所に紫外線を照射
して紫外線硬化型接着剤を硬化させる(図46)。
【0278】また、スペーサ25bの受け面19bに紫
外線硬化型接着剤23を塗布し、レンズ8bをセットす
る(図47)。
【0279】続いて、フランジ面20bと受け面22b
との間に不所望な隙間が生じないように維持しながら、
図示しない紫外線照射装置により所定箇所に紫外線を照
射して紫外線硬化型接着剤を硬化させる(図47)。
【0280】より詳細には、図48に示すように、コイ
ルボビン13を組立治具の所定の位置にセットして、端
面80に嫌気性硬化型接着剤51を予め塗布したスペー
サ19を、コイルボビン13の穴部22aに挿入する。
【0281】この後、スペーサ19に調整治具のアーム
80を装着する。
【0282】次に、レンズ8aの上部に、図示しない集
光スポット検査装置の対物レンズ部91をセットし、光
学ヘッドの光源と概ね同等に構成された検査用光源から
のレーザ光をレンズ8aに入射させて、対物レンズ部9
1に入射された光を観測する。
【0283】このとき、対物レンズ部91を光軸方向に
調整することで、レンズ8aに入射され、レンズ8aに
より収束された光の焦点をとらえることができる。ま
た、アーム82を光軸と直交する2軸方向に調整する
と、2つのレンズ8a,8bの偏芯量が変化して、対物
レンズ部91によりモニタされる光の集光スポットの品
位が変化する。なお、検査装置としては、先に説明した
と同様に、例えばオプトデバイス社製のスポット自動検
査装置ALC−8等が利用可能である。
【0284】このとき、間隔誤差、偏芯あるいはチルト
が存在しなければ、集光スポットの波面収差はごく僅か
なレベルとなり、逆に誤差が生じている場合には、レン
ズ8a、8bの間隔、偏芯およびチルトの種類と量に応
じて、さまざまな収差が発生して品位が低下する。
【0285】以下、レンズ8bの最良の位置が求められ
たならば、嫌気性硬化型接着剤51を硬化させる。な
お、アーム80は、接着剤が硬化した後の所定のタイミ
ングで取り外される。
【0286】ところで、嫌気性硬化型接着剤51は、そ
の組成から、約3分で硬化するように、調整されてい
る。従って、調整工程は、2分程度で終了することが好
ましい。なお、通常の工程では、2分間で、レンズ8b
の調整が可能である。
【0287】以上説明したように、各レンズの光軸を合
わせ、集光スポットの品位が最良となる位置を見いだ
し、この状態でレンズを固定するので、最良性能の対物
レンズ(レンズユニット)を得ることができる。
【0288】これを実現する方法の1つが、これまでに
説明したような、レンズをスペーサ(ホルダ)に予め接
合して、レンズホルダを調整治具のアームでチャッキン
グして調整する構成である。
【0289】この場合、調整工程において、ディスクか
ら遠い側にあるレンズを所定の調整治具により調整する
ので、作動距離が短く開口数の大きな対物レンズについ
ても、安定に、かつ容易に組み立て・調整が可能とな
る。
【0290】なお、レンズホルダの材質については、環
境温度の変化による悪影響すなわち温度変化を原因とす
るレンズの位置ズレと、この位置ズレにともなって生じ
る対物レンズ性能の低下を抑制するために、線膨張係数
の大きな樹脂材料よりも金属材料もしくはセラミック系
材料が好ましい。その一方で、セラミック系材料は、高
い加工精度を要求した場合に、加工コストが増大する問
題がある。このため、レンズホルダの材料としては、金
属材料が最も適している。
【0291】また、組立時間を短縮するという観点から
は、調整後のレンズホルダの固定に、紫外線硬化型接着
剤を用いることが有利であるが、金属材料でレンズホル
ダを構成した場合、紫外線はレンズホルダを透過できな
いため、紫外線硬化型接着剤を用いる場合には、レンズ
ホルダ表面へのポッティング接着となる。
【0292】しかしながら、紫外線硬化型接着剤による
ポッティング接着では、2つの被接着物の接着面の間に
接着剤の薄い層を設ける面接着に比較して、環境温度の
変化が生じた場合に、被接着物の位置ズレが大きくなる
問題がある。
【0293】これに対して、嫌気性硬化型接着剤は、被
接着物が互いに金属であり、接着面が平坦で比較的大き
な面積を有する場合に有益であるため、レンズを保持し
ているレンズホルダ(スペーサ)の一端面の面積をでき
るだけ大きくする必要がある(図46参照)。
【0294】このことから、レンズホルダは、図46に
示すように、一端面の面積(レンズと接する部分の面
積)が大きな形状(レンズの外径よりもレンズホルダの
レンズ接触面が小さい瞳状)に形成されている。これに
より、嫌気性硬化型接着剤による接合の条件が満足され
る。
【0295】この場合、レンズホルダのレンズ接触面の
開口径の最小値は、当然のことながら、レンズを透過す
る光の光量に影響を与えないように、レンズの開口絞り
の口径あるいは瞳径よりも大きく定義される。
【0296】これにより、嫌気性硬化型接着剤のための
最大の接着面積を確保することができる。なお、レンズ
と接触する部分は、高い平面性が与えられることはいう
までもない。また、これに伴って、レンズの外周部分
は、概ね平面のフランジ(鍔)状に形成される。
【0297】以上説明したように、環境温度の変化にと
もなうレンズの位置ズレを低減し、対物レンズの性能を
維持する点で、レンズホルダの材質を金属とし、接着剤
を嫌気性硬化型接着剤とすることで、組立作業性が向上
でき、組立後にレンズの位置ズレが生じにくい安定なレ
ンズユニット(対物レンズ)が得られる。
【0298】なお、よく知られているように、被接着物
の一方に、予めプライマー(表面活性剤)を塗布してお
くことにより、接合強度をさらに高めることができる。
但し、プライマーを用いることによりレンズ位置精度を
低下させることのないよう、注意が必要である。
【0299】図49ないし図52は、嫌気性硬化型接着
剤を用いる別の実施の形態を説明する概略図である。
【0300】図49に示すように、レンズ8aは、フラ
ンジ面20aを介して、中空円筒状のスペーサ25aの
受け面19aと接触されていて、紫外線硬化型接着剤2
3によりスペーサ25aの所定の位置に予め固定されて
いる。
【0301】図50に示すように、レンズ8bは、フラ
ンジ面20bを介して、中空円筒状のスペーサ25bの
受け面19bに接触されていて、紫外線硬化型接着剤2
3により、スペーサ25bの所定の位置に固定されてい
る。
【0302】上述したスペーサ25aの端面80に嫌気
性硬化型接着剤51を塗布し、スペーサ25bに落とし
込み、調整治具にセットする。
【0303】以下、先に説明したと同様の調整によりレ
ンズの最良位置を求め、嫌気性硬化型接着剤51の塗布
から合計で3分に達するまで、そのままの状態を維持し
て、嫌気性硬化型接着剤51を硬化させる。
【0304】このようにして、すぺーさ19aが固定さ
れたスペーサ25b(レンズユニット25)を、コイル
ボビン13の穴部22aへ落とし込み、紫外線硬化型接
着剤23によりコイルボビン13の所定の位置に固定す
る(図52)。
【0305】より詳細には、図49に示すように、スペ
ーサ25aの受け面19aに紫外線硬化型接着剤(LI
−298)23を塗布し、レンズ8aをセットする。
【0306】次に、フランジ面20aと受け面22aと
の間に、不要な隙間が生じないように維持しながら、図
示しない紫外線照射装置により所定位置に紫外線を照射
して、紫外線硬化型接着剤を硬化させる(図49参
照)。
【0307】同様にして、スペーサ25bの受け面19
bに紫外線硬化型接着剤23(LI−298)を塗布
し、レンズ8bをセットする。
【0308】次に、フランジ面20bと受け面22bと
の間に不要な隙間が生じないように維持しながら紫外線
照射装置により所定箇所に紫外線を照射して、紫外線硬
化型接着剤23を硬化させる(図50参照)。
【0309】なお、スペー19aおよびスペーサ25b
は、ともに硬質アルミニウム製である。
【0310】次に、図52に示すように、スペーサ25
aを上下反転させ、スペーサ25aの端面80に嫌気性
硬化型接着剤51を所定量塗布し、図示しない組立治具
の押さえ部93に固定する。
【0311】押さえ部93は、スペーサ25aの側面の
一部と接するもので、スペーサ25aを強固に押さえつ
けるもので、スペーサ25aの側面には、押さえ部93
とは接しない多くの領域が確保される。
【0312】続いて、スペーサ25bを上下反転させ
て、スペーサ25aの穴部19aに挿入し、その後、ス
ペーサ25bに調整治具のアーム80を装着する。
【0313】以下、スペーサ25bの上部の所定位置
に、図示しない標準光源治具をセットし、レンズ8aの
下部に図示しない集光スポット検査装置の対物レンズ部
91を位置させる。
【0314】続いて、先に説明したと同様に、アーム8
0を移動させて、スペーサ25bの最良位置を特定し、
最良状態を、嫌気性硬化型接着剤51が塗布されてから
概ね3分が経過するまで保持し、嫌気性硬化型接着剤5
1を硬化させる。
【0315】このようにして作製されたレンズユニット
25をコイルボビン13の穴部22aに落とし込み、紫
外線硬化型接着剤23にてコイルボビン13に固定す
る。この状態で、図53のレンズユニットが完成する。
【0316】なお、図48ないし図53に示したレンズ
ホルダ(スペーサ25aとスペーサ25bを接合したも
の)においては、先に説明したと同様に、嫌気性硬化型
接着剤による接合に適するように、一端面の面積(レン
ズと接する部分の面積)が大きな形状(レンズの外径よ
りもレンズホルダのレンズ接触面が小さい形状)に形成
されている。
【0317】また、この組立方法によれば、レンズユニ
ット25を一旦作製する工程が生じるが、この工程は、
光学ヘッド全体を組み立てる主工程からバッチ処理とし
て分離できるため、主工程から影響を受けないメリット
がある。
【0318】なお、先に説明した実施の形態と同様に、
光ディスクDから離れているレンズ8bを調整してレン
ズ8aとの間の間隔、偏芯およびチルトを調整できるの
でレンズ8aの周辺に、レンズ8aを調整するための機
構を設ける必要がなく、作業性が向上される。
【0319】このように、図48ないし図53に示した
組立方法によっても、レンズの偏芯による性能の低下を
最小に抑えることができる。
【0320】次に、図48ないし図53に示した組立方
法に関連する組立方法について説明する。
【0321】図示しないが、以下の組立方法によれば、
レンズ8aをスペーサ25aに接合する際の位置精度、
レンズ8bをスペーサ25bに接合する際の位置精度を
向上できる。
【0322】詳細には、レンズ8aが接合されたスペー
サ25aおよびレンズ8bが接合されたスペーサ25b
のそれぞれを、以下の検査により選別することで、位置
精度を大幅に向上できる。
【0323】検査方法としては、計算機能を有する図示
しない三次元寸法測定器の触針を図示しない検査治具の
基準面の任意の(互いに異なる)3点にあて、入力され
た情報に基づいて、基準面を水平な面として設定し、ス
ペーサ25a(19b)の端面80が基準面と接するよ
うに、スペーサ25a(19b)を基準面上に配置し、
レンズ8a(8b)のフランジ部の異なる3点に触針を
当てて、3ヶ所の座標情報を入力し、入力された3点の
情報に基づいて、基準面に対するレンズ8aのフランジ
部の平行度、および基準面とフランジ部との間隔を求め
るものである。
【0324】ここで求められたフランジ部の平行度およ
び基準面とフランジ部との間隔が、それぞれ設計許容範
囲内であれば、スペーサ25a(19b)は、レンズの
位置精度が満足されていることになる。
【0325】当然のことながら、いずれか一方または両
方の数値(平行度および間隔)が、許容範囲内に収まら
ない場合、組み立てたレンズとスペーサ(レンズユニッ
ト)は、「不合格」として利用しない(排除する)。
【0326】このような、選別(検査)により、レンズ
とフランジの平行度および基準面とフランジとの間隔が
所定の範囲に収まらないレンズを排除することで、開口
数の高い2つのレンズを組み合わせるレンズ系における
レンズ相互間の光軸合わせ、レンズ相互間隔およびレン
ズの相対的な間隔を、所定の精度に収さえることができ
る。すなわち、上述の三次元寸法測定器によりレンズ8
aとスペーサ25a、レンズ8bとスペーサ25bのそ
れぞれを接着固定した状態での位置ズレや偏芯を予め除
去したレンズを用いて、レンズユニットを組み立てるこ
とにより、対物レンズ全体の光軸精度、間隔精度および
相対的な傾き精度を高めることができる。
【0327】なお、三次元寸法測定器を用いる方法に加
えて、オートコリメータを用いることもできる。また、
間隔測定については、レーザビームを用いた測長器を用
いてもよい。
【0328】この方法によれば、図48ないし図53に
示した方法に比較して、レンズ間隔および相対的な傾き
(チルト)の影響をより低減できる。
【0329】なお、上述した検査は、同じようにして作
製された全てのスペーサ25a(19b)を無条件に検
査するものではなく、所定の精度でスペーサ25a,1
9bを高い歩留まりで製造するための最良条件を見いだ
すための手法の1つである。
【0330】すなわち、誤差を発生させる要因が、各部
材に固有の加工精度の低さであるか、紫外線硬化型接着
剤の厚み誤差あるいは厚みむらであるか等のチェックに
有益である。なお、各部材に固有の加工精度の低さにつ
いては、個々の部材の加工精度を高めることで解消され
るが、接着剤に関連するものについては、接着条件を一
定に保つ必要があるため、接着時のさまざまな条件と、
接合されたレンズ位置の関係を関連づけて、把握する必
要がある。
【0331】また、上述した検査は、組立工程の監視機
能を有する。
【0332】すなわち、上述したように、接着時のさま
ざまな条件と、接合されたレンズ位置の関係は、時とし
て不良の発生につながる。ところが、はじめに定められ
た最適条件を長期間継続すると、あるとき以降、不良が
多発する可能性を完全に除去できない。このことから、
例えば100個に1つの割合で検査することで、万一工
程異常や何らかの不具合が生じたとしても、早期に、か
つ簡便に、異常を発見できる。
【0333】なお、上述した検査工程は、先に説明した
他の組立方法のいずれにも適用可能である。
【0334】以上説明したように、この発明の光学ヘッ
ドは、複数のレンズにより構成される対物レンズと、対
物レンズが固定されるコイルボビンとを含み、電磁駆動
機構によりコイルボビンが記録媒体の記録面と直交する
方向および記録面に形成されている記録情報列または案
内溝の接線と直交する方向に変化されることで対物レン
ズを記録媒体に対して所定の位置関係に位置される光学
ヘッドであって、コイルボビンの複数のレンズが当接さ
れる位置は、同一方向を向いていて、かつ複数のレンズ
がコイルホビンに対して同一方向から組み付け可能であ
ることを特徴とする。
【0335】また、この発明の光学ヘッドは、複数のレ
ンズにより構成される対物レンズと、対物レンズが固定
されるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構によりコイ
ルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記録
面に形成されている記録情報列または案内溝の接線と直
交する方向に変化されることで対物レンズを記録媒体に
対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドであっ
て、複数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対
応するレンズ保持面とは、互いに直接接していることを
特徴とする。
【0336】さらに、この発明の光学ヘッドは、複数の
レンズにより構成される対物レンズと、対物レンズが固
定されるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構によりコ
イルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向および記
録面に形成されている記録情報列または案内溝の接線と
直交する方向に変化されることで対物レンズを記録媒体
に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドであっ
て、コイルボビンの複数のレンズのうちの少なくとも1
つが装着されるレンズ保持面またはレンズ保持面と直交
する壁面部には、対物レンズの光軸と直交する2方向に
対して複数のレンズのそれぞれを位置決めをするための
位置決め機構が設けられていることを特徴とする。
【0337】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズにより構成される対物レンズと、この対物レ
ンズが固定されるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構
によりコイルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向
および記録面に形成されている記録情報列または案内溝
の接線と直交する方向に変化されることで対物レンズを
記録媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッ
ドであって、複数のレンズの少なくとも1つのレンズ
は、コイルボビンのレンズ保持部との間に位置されるレ
ンズ保持体により一旦保持され、コイルボビンとレンズ
保持体との間に設けられる球状の補助部材により、コイ
ルボビンに対して固定されることを特徴とする。
【0338】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズにより構成される対物レンズと、対物レンズ
が固定されるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構によ
りコイルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向およ
び記録面に形成されている記録情報列または案内溝の接
線と直交する方向に変化されることで対物レンズを記録
媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドで
あって、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、紫
外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤と
硬化剤を伴って硬化する接着剤とによりコイルボビンの
所定の位置に固定されることを特徴とする。
【0339】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズにより構成される対物レンズと、対物レンズ
が固定されるコイルボビンとを含み、電磁駆動機構によ
りコイルボビンが記録媒体の記録面と直交する方向およ
び記録面に形成されている記録情報列または案内溝の接
線と直交する方向に変化されることで対物レンズを記録
媒体に対して所定の位置関係に位置される光学ヘッドで
あって、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、紫
外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤と
大気との接触が遮断されることで硬化する接着剤とによ
りコイルボビンの所定の位置に固定されることを特徴と
する。
【0340】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ前記複数のレンズがコイルホビン
に対して同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの
少なくとも1つとコイルボビンの対応するレンズ保持面
とは、互いに直接接していることを特徴とする。
【0341】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの少な
くとも1つとコイルボビンの対応するレンズ保持面と
は、互いに直接接し、コイルボビンの複数のレンズのう
ちの少なくとも1つが装着されるレンズ保持面またはレ
ンズ保持面と直交する壁面部には、対物レンズの光軸と
直交する2方向に対して複数のレンズのそれぞれを位置
決めをするための位置決め機構が設けられていることを
特徴とするさらにまた、この発明の光学ヘッドは、コイ
ルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方向
を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対し
て同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの少なく
とも1つとコイルボビンの対応するレンズ保持面とは、
互いに直接接し、コイルボビンの複数のレンズのうちの
少なくとも1つが装着されるレンズ保持面またはレンズ
保持面と直交する壁面部には、対物レンズの光軸と直交
する2方向に対して複数のレンズのそれぞれを位置決め
をするための位置決め機構が設けられて、複数のレンズ
の少なくとも1つのレンズは、コイルボビンのレンズ保
持部との間に位置されるレンズ保持体により一旦保持さ
れ、コイルボビンとレンズ保持体との間に設けられる球
状の補助部材により、コイルボビンに対して固定される
ことを特徴とする。
【0342】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの少な
くとも1つとコイルボビンの対応するレンズ保持面と
は、互いに直接接し、コイルボビンの複数のレンズのう
ちの少なくとも1つが装着されるレンズ保持面またはレ
ンズ保持面と直交する壁面部には、対物レンズの光軸と
直交する2方向に対して複数のレンズのそれぞれを位置
決めをするための位置決め機構が設けられて、複数のレ
ンズの少なくとも1つのレンズは、紫外線が照射される
ことで硬化する紫外線硬化型接着剤と硬化剤を伴って硬
化する接着剤とによりコイルボビンの所定の位置に固定
されることを特徴とする。
【0343】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの少な
くとも1つとコイルボビンの対応するレンズ保持面と
は、互いに直接接し、コイルボビンの複数のレンズのう
ちの少なくとも1つが装着されるレンズ保持面またはレ
ンズ保持面と直交する壁面部には、対物レンズの光軸と
直交する2方向に対して複数のレンズのそれぞれを位置
決めをするための位置決め機構が設けられて、複数のレ
ンズの少なくとも1つのレンズは、紫外線が照射される
ことで硬化する紫外線硬化型接着剤と大気との接触が遮
断されることで硬化する接着剤とによりコイルボビンの
所定の位置に固定されることを特徴とする。
【0344】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、コイルボビンの複数
のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ保
持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物レ
ンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズのそ
れぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けられ
ていることを特徴とする。
【0345】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、コイルボビンの複数
のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ保
持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物レ
ンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズのそ
れぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けられ
て、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイル
ボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体
により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体との
間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビンに
対して固定されることを特徴とする。
【0346】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、コイルボビンの複数
のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ保
持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物レ
ンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズのそ
れぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けられ
て、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイル
ボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体
により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体との
間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビンに
対して固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレン
ズは、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型
接着剤と硬化剤を伴って硬化する接着剤とによりコイル
ボビンの所定の位置に固定されることを特徴とする。
【0347】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、コイルボビンの複数
のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ保
持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物レ
ンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズのそ
れぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けられ
て、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイル
ボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体
により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体との
間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビンに
対して固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレン
ズは、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型
接着剤と大気との接触が遮断されることで硬化する接着
剤とによりコイルボビンの所定の位置に固定されること
を特徴とする。
【0348】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの少な
くとも1つのレンズは、コイルボビンのレンズ保持部と
の間に位置されるレンズ保持体により一旦保持され、コ
イルボビンとレンズ保持体との間に設けられる球状の補
助部材により、コイルボビンに対して固定され、を特徴
とする。
【0349】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、複数のレンズの少な
くとも1つのレンズは、コイルボビンのレンズ保持部と
の間に位置されるレンズ保持体により一旦保持され、コ
イルボビンとレンズ保持体との間に設けられる球状の補
助部材により、コイルボビンに対して固定され、複数の
レンズの少なくとも1つのレンズは、紫外線が照射され
ることで硬化する紫外線硬化型接着剤と硬化剤を伴って
硬化する接着剤とによりコイルボビンの所定の位置に固
定されることを特徴とする。
【0350】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズが当接される位置は、同一方
向を向いていて、かつ複数のレンズがコイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、コイルボビンの複数
のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ保
持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物レ
ンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズのそ
れぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けられ
て、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイル
ボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体
により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体との
間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビンに
対して固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレン
ズは、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型
接着剤と大気との接触が遮断されることで硬化する接着
剤とによりコイルボビンの所定の位置に固定されること
を特徴とする。
【0351】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対応する
レンズ保持面とは、互いに直接接し、コイルボビンの複
数のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ
保持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物
レンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズの
それぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けら
れることを特徴とする。
【0352】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対応する
レンズ保持面とは、互いに直接接し、コイルボビンの複
数のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ
保持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物
レンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズの
それぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けら
れて、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイ
ルボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持
体により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体と
の間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビン
に対して固定されることを特徴とする。
【0353】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対応する
レンズ保持面とは、互いに直接接し、コイルボビンの複
数のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ
保持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物
レンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズの
それぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けら
れて、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイ
ルボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持
体により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体と
の間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビン
に対して固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレ
ンズは、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化
型接着剤と硬化剤を伴って硬化する接着剤とによりコイ
ルボビンの所定の位置に固定されることを特徴とする。
【0354】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対応する
レンズ保持面とは、互いに直接接し、コイルボビンの複
数のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ
保持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物
レンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズの
それぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けら
れて、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイ
ルボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持
体により一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体と
の間に設けられる球状の補助部材により、コイルボビン
に対して固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレ
ンズは、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化
型接着剤と大気との接触が遮断されることで硬化する接
着剤とによりコイルボビンの所定の位置に固定されるこ
とを特徴とする。
【0355】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対応する
レンズ保持面とは、互いに直接接し、コイルボビンの複
数のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ
保持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物
レンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズの
それぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けら
れて、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、紫外
線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤と硬
化剤を伴って硬化する接着剤とによりコイルボビンの所
定の位置に固定されることをを特徴とする。
【0356】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つとコイルボビンの対応する
レンズ保持面とは、互いに直接接し、コイルボビンの複
数のレンズのうちの少なくとも1つが装着されるレンズ
保持面またはレンズ保持面と直交する壁面部には、対物
レンズの光軸と直交する2方向に対して複数のレンズの
それぞれを位置決めをするための位置決め機構が設けら
れて、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、紫外
線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤と大
気との接触が遮断されることで硬化する接着剤とにより
コイルボビンの所定の位置に固定されることを特徴とす
る。
【0357】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズのうちの少なくとも1つが装
着されるレンズ保持面またはレンズ保持面と直交する壁
面部には、対物レンズの光軸と直交する2方向に対して
複数のレンズのそれぞれを位置決めをするための位置決
め機構が設けられて、複数のレンズの少なくとも1つの
レンズは、コイルボビンのレンズ保持部との間に位置さ
れるレンズ保持体により一旦保持され、コイルボビンと
レンズ保持体との間に設けられる球状の補助部材によ
り、コイルボビンに対して固定されることを特徴とす
る。
【0358】またさらに、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズのうちの少なくとも1つが装
着されるレンズ保持面またはレンズ保持面と直交する壁
面部には、対物レンズの光軸と直交する2方向に対して
複数のレンズのそれぞれを位置決めをするための位置決
め機構が設けられて、複数のレンズの少なくとも1つの
レンズは、コイルボビンのレンズ保持部との間に位置さ
れるレンズ保持体により一旦保持され、コイルボビンと
レンズ保持体との間に設けられる球状の補助部材によ
り、コイルボビンに対して固定され、複数のレンズの少
なくとも1つのレンズは、紫外線が照射されることで硬
化する紫外線硬化型接着剤と硬化剤を伴って硬化する接
着剤とによりコイルボビンの所定の位置に固定されるこ
とを特徴とする。
【0359】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、コ
イルボビンの複数のレンズのうちの少なくとも1つが装
着されるレンズ保持面またはレンズ保持面と直交する壁
面部には、対物レンズの光軸と直交する2方向に対して
複数のレンズのそれぞれを位置決めをするための位置決
め機構が設けられて、複数のレンズの少なくとも1つの
レンズは、コイルボビンのレンズ保持部との間に位置さ
れるレンズ保持体により一旦保持され、コイルボビンと
レンズ保持体との間に設けられる球状の補助部材によ
り、コイルボビンに対して固定され、複数のレンズの少
なくとも1つのレンズは、紫外線が照射されることで硬
化する紫外線硬化型接着剤と大気との接触が遮断される
ことで硬化する接着剤とによりコイルボビンの所定の位
置に固定されることを特徴とする。
【0360】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイルボビン
のレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体により
一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体との間に設
けられる球状の補助部材により、コイルボビンに対して
固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、
紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤
と硬化剤を伴って硬化する接着剤とによりコイルボビン
の所定の位置に固定されることを特徴とする。
【0361】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズの少なくとも1つのレンズは、コイルボビン
のレンズ保持部との間に位置されるレンズ保持体により
一旦保持され、コイルボビンとレンズ保持体との間に設
けられる球状の補助部材により、コイルボビンに対して
固定され、複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、
紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤
と大気との接触が遮断されることで硬化する接着剤とに
よりコイルボビンの所定の位置に固定されることを特徴
とする。
【0362】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズにより構成される対物レンズと、この対物レ
ンズが固定される中空円筒状のコイルボビンとを含み、
電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録
面と直交する方向および記録面に形成されている記録情
報列または案内溝の接線と直交する方向に変化されるこ
とで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係
に位置される光学ヘッドであって、前記コイルボビンの
前記複数のレンズが当接される位置は、同一方向を向い
ていて、かつ前記複数のレンズが前記コイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、前記複数のレンズと
それぞれのレンズに対応するレンズ保持部との間には、
介在物が存在しないことを特徴とする。
【0363】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズにより構成される対物レンズと、この対物レ
ンズが固定される中空円筒状のコイルボビンとを含み、
電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録
面と直交する方向および記録面に形成されている記録情
報列または案内溝の接線と直交する方向に変化されるこ
とで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係
に位置される光学ヘッドであって、前記コイルボビンの
前記複数のレンズが当接される位置は、同一方向を向い
ていて、かつ前記複数のレンズが前記コイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、前記コイルボビンの
前記複数のレンズのそれぞれに対応するレンズ保持部と
の間には、前記それぞれのレンズの光軸と直交する2方
向に対して、前記複数のレンズを個々に位置決めするた
めの位置決め部が設けられていることを特徴とする。
【0364】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズにより構成される対物レンズと、この対物レ
ンズが固定される中空円筒状のコイルボビンとを含み、
電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録
面と直交する方向および記録面に形成されている記録情
報列または案内溝の接線と直交する方向に変化されるこ
とで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係
に位置される光学ヘッドであって、前記コイルボビンの
前記複数のレンズが当接される位置は、同一方向を向い
ていて、かつ前記複数のレンズが前記コイルホビンに対
して同一方向から組み付け可能で、前記コイルボビンの
前記複数のレンズのそれぞれに対応するレンズ保持部と
の間には、前記それぞれのレンズの光軸と直交する2方
向に対して、前記複数のレンズを個々に位置決めするた
めの位置決め部が設けられていて、前記複数のレンズと
それぞれのレンズに対応するレンズ保持部との間には、
介在物が存在しないことを特徴とする。
【0365】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、少
なくとも1つのレンズは、中空円筒状のレンズホルダに
固定された複数のレンズにより構成される対物レンズ
と、この対物レンズを保持するコイルボビンを含み、電
磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録面
と直交する方向および記録面に形成されている記録情報
列または案内溝の接線と直交する方向に変化されること
で前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係に
位置される光学ヘッドであって、前記レンズホルダによ
り保持されている前記複数のレンズのうちの記録媒体に
最も近接しているレンズ以外のレンズは、前記コイルボ
ビンとの間に接着剤のみを介在させて固定されることを
特徴とする。
【0366】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズからなり少なくとも2つのレンズは、中空円
筒状のレンズホルダに固定された複数のレンズにより構
成される対物レンズと、この対物レンズを保持するコイ
ルボビンを含み、電磁駆動機構により前記コイルボビン
が記録媒体の記録面と直交する方向および記録面に形成
されている記録情報列または案内溝の接線と直交する方
向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体に対し
て所定の位置関係に位置される光学ヘッドであって、前
記レンズホルダにより保持されている前記複数のレンズ
のうちの記録媒体に最も近接しているレンズ以外のレン
ズは、前記コイルボビンとの間に接着剤のみを介在させ
て固定されることを特徴とする。
【0367】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、少
なくとも1つのレンズは、中空円筒状のレンズホルダに
固定された複数のレンズにより構成される対物レンズ
と、この対物レンズを保持するコイルボビンを含み、電
磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録面
と直交する方向および記録面に形成されている記録情報
列または案内溝の接線と直交する方向に変化されること
で前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係に
位置される光学ヘッドであって、前記レンズホルダによ
り保持されている前記複数のレンズのうちの記録媒体に
最も近接しているレンズ以外のレンズは、前記コイルボ
ビンとの間に、第1の接着剤と第1の接着剤とは特性の
異なる第2の接着剤のみを介在させて固定されることを
特徴とする。
【0368】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズからなり少なくとも2つのレンズは、中空円
筒状のレンズホルダに固定された複数のレンズにより構
成される対物レンズと、この対物レンズを保持するコイ
ルボビンを含み、電磁駆動機構により前記コイルボビン
が記録媒体の記録面と直交する方向および記録面に形成
されている記録情報列または案内溝の接線と直交する方
向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体に対し
て所定の位置関係に位置される光学ヘッドであって、前
記レンズホルダにより保持されている前記複数のレンズ
のうちの記録媒体に最も近接しているレンズ以外のレン
ズは、前記コイルボビンとの間に、第1の接着剤と第1
の接着剤とは特性の異なる第2の接着剤のみを介在させ
て固定されることを特徴とする。
【0369】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、少
なくとも1つのレンズは、中空円筒状のレンズホルダに
固定された複数のレンズにより構成される対物レンズ
と、この対物レンズを保持するコイルボビンを含み、電
磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録面
と直交する方向および記録面に形成されている記録情報
列または案内溝の接線と直交する方向に変化されること
で前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係に
位置される光学ヘッドであって、前記レンズホルダによ
り保持されている前記複数のレンズのうちの記録媒体に
最も近接しているレンズ以外のレンズは、前記コイルボ
ビンとの間に補助部材と接着剤のみを介在させて固定さ
れることを特徴とする。
【0370】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズからなり少なくとも2つのレンズは、中空円
筒状のレンズホルダに固定された複数のレンズにより構
成される対物レンズと、この対物レンズを保持するコイ
ルボビンを含み、電磁駆動機構により前記コイルボビン
が記録媒体の記録面と直交する方向および記録面に形成
されている記録情報列または案内溝の接線と直交する方
向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体に対し
て所定の位置関係に位置される光学ヘッドであって、前
記レンズホルダにより保持されている前記複数のレンズ
のうちの記録媒体に最も近接しているレンズ以外のレン
ズは、前記コイルボビンとの間に、補助部材と接着剤の
みを介在させて固定されることを特徴とする。
【0371】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、少
なくとも1つのレンズは、中空円筒状のレンズホルダに
固定された複数のレンズにより構成される対物レンズ
と、この対物レンズを保持するコイルボビンを含み、電
磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録面
と直交する方向および記録面に形成されている記録情報
列または案内溝の接線と直交する方向に変化されること
で前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係に
位置される光学ヘッドであって、前記レンズホルダによ
り保持されている前記複数のレンズのうちの記録媒体に
最も近接しているレンズ以外のレンズは、前記コイルボ
ビンとの間に、補助部材と接着剤とのみを介在させて固
定されることを特徴とする。
【0372】またさらに、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズからなり少なくとも2つのレンズは、少なく
とも2つの中空円筒状のレンズホルダに固定されている
複数のレンズにより構成される対物レンズと、この対物
レンズを保持するコイルボビンを含み、電磁駆動機構に
より前記コイルボビンが記録媒体の記録面と直交する方
向および記録面に形成されている記録情報列または案内
溝の接線と直交する方向に変化されることで前記対物レ
ンズを記録媒体に対して所定の位置関係に位置される光
学ヘッドであって、前記複数のレンズのうちの記録媒体
に最も近接しているレンズを一方のレンズホルダに接着
材により固定し、他のレンズを保持した他の一方のレン
ズホルダは、前記コイルボビンとの間に、補助部材と接
着剤のみを介在させて固定されることを特徴とする。
【0373】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズからなり少なくとも2つのレンズは、少なく
とも2つの中空円筒状のレンズホルダに固定されている
複数のレンズにより構成される対物レンズと、この対物
レンズを保持するコイルボビンを含み、電磁駆動機構に
より前記コイルボビンが記録媒体の記録面と直交する方
向および記録面に形成されている記録情報列または案内
溝の接線と直交する方向に変化されることで前記対物レ
ンズを記録媒体に対して所定の位置関係に位置される光
学ヘッドであって、前記複数のレンズのうちの記録媒体
に最も近接しているレンズを一方のレンズホルダに第1
の接着材により固定し、他のレンズを保持した他の一方
のレンズホルダは、前記コイルボビンとの間に、補助部
材と前記第1の接着剤とは特性の異なる第2の接着剤の
みを介在させて固定されることを特徴とする。
【0374】またさらに、この発明の光学ヘッドは、少
なくとも1つのレンズは、中空円筒状のレンズホルダに
固定された複数のレンズにより構成される対物レンズ
と、この対物レンズを保持するコイルボビンを含み、電
磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の記録面
と直交する方向および記録面に形成されている記録情報
列または案内溝の接線と直交する方向に変化されること
で前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置関係に
位置される光学ヘッドであって、前記レンズホルダによ
り保持されている前記複数のレンズのうちの記録媒体に
最も近接しているレンズ以外のレンズは、前記コイルボ
ビンとの間に大気が遮断されることで効果する接着剤の
みを介在させて固定されることを特徴とする。
【0375】さらにまた、この発明の光学ヘッドは、複
数のレンズからなり少なくとも2つのレンズは、中空円
筒状のレンズホルダに固定された複数のレンズにより構
成される対物レンズと、この対物レンズを保持するコイ
ルボビンを含み、電磁駆動機構により前記コイルボビン
が記録媒体の記録面と直交する方向および記録面に形成
されている記録情報列または案内溝の接線と直交する方
向に変化されることで前記対物レンズを記録媒体に対し
て所定の位置関係に位置される光学ヘッドであって、前
記レンズホルダにより保持されている前記複数のレンズ
のうちの記録媒体に最も近接しているレンズ以外のレン
ズは、前記コイルボビンとの間に、大気が遮断されるこ
とで硬化する接着剤のみを介在させて固定されることを
特徴とする。
【0376】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の高開口
数の対物レンズ(レンズユニット)は、対物レンズを構
成する各レンズを保持する受け面がすべて同じ方向を向
いているので、各レンズを同一方向からコイルボビンに
組み付けることができ、これにより工数が削減される。
【0377】また、対物レンズ(レンズユニット)を構
成する各レンズ相互の偏芯、レンズ間隔およびチルト
(レンズ間の相対的な傾き)等の調整を、レンズまたは
レンズを保持したスペーサの位置調整により調整した
後、接着剤により固定するため、光学特性に優れ、開口
数の高い対物レンズ(レンズユニット)を得ることがで
きる。
【0378】さらに、接着剤として嫌気性硬化型接着剤
を用いることで、光学性能の高い対物レンズを得ること
ができる。
【0379】またさらに、接着剤としてエポキシ系接着
剤を用いることで、衝撃や振動に対して耐性のある対物
レンズを得ることができる。
【0380】さらにまた、レンズとスペーサまたはスペ
ーサ同士もしくはスペーサとコイルボビンの固定に、剛
性の高い材質からなる球状の補助部材を用いることで、
振動や衝撃に耐性の高いレンズユニットを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態である2枚組対物レンズ
の構成を示す概略側面図。
【図2】図1に示した対物レンズを構成している2枚の
レンズ間の偏芯と、偏芯により生じる波面収差との関係
を示すグラフ。
【図3】図1に示した対物レンズを構成している2枚の
レンズの間隔と、間隔によって生じる波面収差との関係
を示すグラフ。
【図4】図1に示した対物レンズを構成しているレンズ
のチルトと、チルトによって生じる波面収差との関係を
示すグラフ。
【図5】図1に示した対物レンズを構成しているレンズ
のチルトと、チルトによって生じる波面収差との関係を
示すグラフ。
【図6】図1に示した対物レンズを構成しているレンズ
のチルトと、チルトによって生じる波面収差との関係を
示すグラフ。
【図7】従来例のアクチュエータの構成を示す概略平面
図。
【図8】従来例のレンズ固定方法を示す概略断面図。
【図9】図1に示した2枚組対物レンズの第1の実施の
形態を説明する概略断面図。
【図10】図9に示した対物レンズの構成を示す概略断
面図。
【図11】図1に示した2枚組対物レンズの第2の実施
の形態を説明する概略断面図。
【図12】図11に示した対物レンズの調整方法を示す
概略断面図。
【図13】図1に示した2枚組対物レンズの第3の実施
の形態を説明する概略断面図。
【図14】図13に示した対物レンズの構成を示す概略
断面図。
【図15】従来例のレンズ取り付け部周辺を示す平面図
および断面図。
【図16】従来例のレンズ取り付け状態を示す平面図お
よび断面図。
【図17】図1に示した2枚組対物レンズの第4の実施
の形態を説明する平面図および断面図。
【図18】図17に示したレンズ取り付け状態を示す平
面図および断面図。
【図19】図1に示した2枚組対物レンズの第5の実施
の形態を説明する平面図および断面図。
【図20】図1に示した2枚組対物レンズの第6の実施
の形態を説明する概略断面図。
【図21】図20に示した対物レンズの構成を示す概略
断面図。
【図22】図1に示した2枚組対物レンズの第7の実施
の形態を説明する概略断面図。
【図23】図22に示した対物レンズの構成を説明する
概略断面図。
【図24】図23に示した対物レンズの調整方法を説明
する概略断面図。
【図25】図1に示した2枚組対物レンズの第8の実施
の形態であって、第1のスペーサを説明する概略断面
図。
【図26】図25に示した対物レンズの第2のスペーサ
を説明する概略断面図。
【図27】図25に示した対物レンズの構成を説明する
概略断面図。
【図28】図25に示した対物レンズの調整方法を説明
する概略断面図。
【図29】図25に示した対物レンズの構成を説明する
概略図。
【図30】図1に示した2枚組対物レンズの第9の実施
の形態であって、対物レンズの周辺を説明する概略断面
図。
【図31】図1に示した2枚組対物レンズの第10の実
施の形態であって、スペーサの第1の例を説明する概略
断面図。
【図32】図31に示した対物レンズの構成を説明する
概略図。
【図33】図31に示した対物レンズの調整方法を説明
する概略図。
【図34】図31に示した対物レンズの固定方法を説明
する概略図。
【図35】図31に示した対物レンズを固定する際に利
用される第1の補助部材の接合状態を説明する概略図。
【図36】図35に示した補助部材の接合状態を説明す
る概略図。
【図37】図35に示した補助部材の接合状態を説明す
る概略図。
【図38】図1に示した2枚組対物レンズの第11の実
施の形態であって、スペーサの第2の例を説明する概略
断面図。
【図39】図38に示したスペーサの別の例を説明する
概略図。
【図40】図38に示した対物レンズの別の実施の形態
を説明する概略図。
【図41】図38に示した対物レンズの構成を説明する
概略図。
【図42】図38に示した対物レンズの調整方法を説明
する概略図。
【図43】図38に示した対物レンズの固定状態を説明
する概略図。
【図44】図38ないし図42および図43に示した実
施の形態のさらに別の実施の形態を説明する概略図。
【図45】図1に示した2枚組対物レンズの第12の実
施の形態であって、スペーサの第1の構成を説明する概
略断面図。
【図46】図45に示した対物レンズの構成を説明する
概略図。
【図47】図45に示した対物レンズの調整方法を説明
する概略図。
【図48】図45に示した対物レンズのさらに別の実施
の形態であって、スペーサの第1の例を説明する概略
図。
【図49】図45に示した対物レンズのさらに別の実施
の形態であって、スペーサの第2の例を説明する概略
図。
【図50】図45に示した対物レンズのさらに別の実施
の形態を説明する概略図。
【図51】図49および図50に示した対物レンズを組
み立てた状態を説明する概略図。
【図52】図51に示した対物レンズユニットの調整方
法を説明する概略図。
【図53】図51に示した対物レンズの構成を説明する
概略図。
【符号の説明】
1 ・・・光ディスク装置、 4 ・・・アクチュエータ、 7 ・・・レンズホルダ、 8 ・・・対物レンズ、 8a・・・レンズ、 8b・・・レンズ、 11 ・・・ベース、 12 ・・・軸、 13 ・・・コイルボビン、 18 ・・・カウンタウエイト、 19 ・・・スペーサ、 19a・・・受け面(スペーサ)、 19b・・・受け面(スペーサ)、 20a・・・フランジ面(コイルボビンの穴部)、 20b・・・フランジ面(コイルボビンの穴部)、 21a・・・穴部(コイルボビン)、 21b・・・穴部(コイルボビン)、 22a・・・受け面(コイルボビンの穴部)、 22b・・・受け面(コイルボビンの穴部)、 23 ・・・紫外線硬化型接着剤、 24 ・・・紫外線硬化型接着剤、 25 ・・・レンズユニット、 26 ・・・エポキシ系接着剤、 31a・・・突き当て部、 31b・・・突き当て部、 32a・・・突き当て部、 32b・・・突き当て部、 41 ・・・補助部材(球状体)、 51 ・・・嫌気性硬化型接着剤、 D ・・・光ディスク(記録媒体)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記コイルボビンの前記複数のレンズが当接される位置
    は、同一方向を向いていて、かつ前記複数のレンズが前
    記コイルホビンに対して同一方向から組み付け可能であ
    ることを特徴とする光学ヘッド。
  2. 【請求項2】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記複数のレンズの少なくとも1つと前記コイルボビン
    の対応するレンズ保持面とは、互いに直接接しているこ
    とを特徴とする光学ヘッド。
  3. 【請求項3】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記コイルボビンの前記複数のレンズのうちの少なくと
    も1つが装着されるレンズ保持面またはレンズ保持面と
    直交する壁面部には、前記対物レンズの光軸と直交する
    2方向に対して前記複数のレンズのそれぞれを位置決め
    をするための位置決め機構が設けられていることを特徴
    とする光学ヘッド。
  4. 【請求項4】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、前記コ
    イルボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保
    持体により一旦保持され、前記コイルボビンと前記レン
    ズ保持体との間に設けられる球状の補助部材により、前
    記コイルボビンに対して固定されることを特徴とする光
    学ヘッド。
  5. 【請求項5】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、紫外線
    が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤と硬化
    剤を伴って硬化する接着剤とにより前記コイルボビンの
    所定の位置に固定されることを特徴とする光学ヘッド。
  6. 【請求項6】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、紫外線
    が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤と大気
    との接触が遮断されることで硬化する接着剤とにより前
    記コイルボビンの所定の位置に固定されることを特徴と
    する光学ヘッド。
  7. 【請求項7】複数のレンズにより構成される対物レンズ
    と、この対物レンズが固定されるコイルボビンとを含
    み、電磁駆動機構により前記コイルボビンが記録媒体の
    記録面と直交する方向および記録面に形成されている記
    録情報列または案内溝の接線と直交する方向に変化され
    ることで前記対物レンズを記録媒体に対して所定の位置
    関係に位置される光学ヘッドであって、 前記コイルボビンの前記複数のレンズが当接される位置
    は、同一方向を向いていて、かつ前記複数のレンズが前
    記コイルホビンに対して同一方向から組み付け可能に定
    義され、 前記複数のレンズの少なくとも1つと前記コイルボビン
    の対応するレンズ保持面とは、互いに直接接触可能で、 前記複数のレンズの少なくとも1つは、前記コイルボビ
    ンの前記複数のレンズがそれぞれ装着されるレンズ保持
    面またはレンズ保持面と直交する壁面部に設けられ前記
    対物レンズの光軸と直交する2方向に対して前記複数の
    レンズのそれぞれを位置決めをするための位置決め機構
    により位置決めされ、 前記複数のレンズの少なくとも1つのレンズは、前記コ
    イルボビンのレンズ保持部との間に位置されるレンズ保
    持体により一旦保持され、前記コイルボビンと前記レン
    ズ保持体との間に設けられる球状の補助部材により、前
    記コイルボビンに対して固定されることを特徴とする光
    学ヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010080045A (ja) * 2008-08-28 2010-04-08 Panasonic Corp 光ピックアップおよびその製造方法
JP2011248998A (ja) * 2011-07-11 2011-12-08 Konica Minolta Holdings Inc 光学成形品の組付方法

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