JP2001154168A - 液晶複合体の評価方法 - Google Patents

液晶複合体の評価方法

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理恵 上野
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淳史 大山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶及び非液晶性材料からなる液晶複合体を
非破壊で完全な状態で評価する方法を提供する。 【解決手段】 液晶及び非液晶性材料からなる液晶複合
体を観察して該液晶及び非液晶性材料の形態を評価する
方法において、前記液晶複合体の液晶の除去をすること
なく、または液晶を除去して非液晶性材料の部分に金属
膜を蒸着することなく、液晶複合体の液晶及び非液晶性
材料を非環境制御型の走査型電子顕微鏡により観察する
液晶複合体の形態の評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶複合体の形態の
評価方法に関し、特に液晶及び非液晶性材料からなる液
晶複合体における形態の評価の一手段として、2次電子
像によって観察するための走査型電子顕微鏡像の観察に
より液晶複合体の形態を評価する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶及び非液晶性材料からなる液
晶複合体の形態を走査型の電子顕微鏡を用いて行なう方
法として通常以下のような方法が用いられていた。 (1)非液晶性材料を溶解しない溶剤で該非液晶性材料
と液晶の複合体を洗浄することによって液晶のみを除去
し、残存した非液晶性材料の表面に導電性の金属膜を蒸
着し、該表面を走査型電子顕微鏡で観察し、その液晶が
分散していた部分の状態や形態を調べる方法。
【0003】(2)環境制御型の走査型電子顕微鏡とよ
ばれる充填ガスのチャンバー内に導入しながら観察する
走査型電子顕微鏡で非液晶性材料と液晶の液晶複合体を
観察する方法。(「電子顕微鏡によるポリマー分散型液
晶の直接観察」第20回液晶討論会No.3g401,
334〜335頁(1994年)、「ポリマー分散液晶
の光重合相分離過程の直接観察」電子情報通信学会論文
誌C−II、Vol.J80−C−II、No.3、1
25−127頁(1997年3月))
【0004】上記の(2)で述べた、環境制御型の走査
型電子顕微鏡の観察チャンバー内は、充填ガスにより約
2700Pa程の低真空に維持されている。該走査電子
顕微鏡によって該試料を観察すると非液晶性材料と液晶
の複合体試料から放出される2次電子により電離した充
填ガスのプラスイオンが、マイナスにチャージした高抵
抗の試料を電気的に中和させるため、チャージアップの
問題は低減され、該複合体試料の観察が可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では以下のような問題点が生じていた。例えば上記
(1)の従来例では、非液晶性材料を溶解しない溶剤で
非液晶性材料と液晶の混合分散膜を洗浄することによっ
て液晶を除去し、残存した非液晶性材料の膜の表面に導
電性の金属膜を蒸着し、該表面を走査型電子顕微鏡で観
察し、その分散状態や液晶や非液晶性材料の形態を調べ
る方法では、通常、エタノール等が非液晶性材料を溶解
しない溶剤として用いられるが、該非液晶性材料が該洗
浄前後で形態的な変化を生じないよう洗浄工程の条件最
適化(溶剤の種類、洗浄時間、温度等)を事前に行なう
必要が生じていた。しかしながら、非液晶性材料の溶解
が全くないか否かは不明であり、液晶のみが除去されて
いるという保証はなく、非液晶性材料の形態、構造が変
化してしまっているという懸念が常にあった。
【0006】また、上述したように、非液晶性材料のみ
では電気導電性はないため、走査型の電子顕微鏡で観察
する際には、非液晶性材料膜の表面に導電性の金層膜を
蒸着する必要があった。このことにより、蒸着粒子の影
響で高分解能の観察は望めなくなってしまった。このよ
うな液晶の除去工程や導電性の金属膜の蒸着工程などは
煩雑であり、観察実施上の効率もよくないという欠点が
生じていた。
【0007】また、他の従来例であるところの上記
(2)に挙げた環境制御型の走査型電子顕微鏡とよばれ
る低真空の走査型電子顕微鏡で非液晶性材料と液晶の分
散膜を観察する方法については、上述したように、該走
査電子顕微鏡の分解能は50Åほどであり、高分解能の
観察をおこなうことは困難であり、液晶や非液晶性材料
の詳細な形態や微細な表面状態等を知ることはできなか
った。また、該走査電子顕微鏡は、一般的に普及してい
る走査電子顕微鏡ではないため、一般的な手法とは言い
難かった。
【0008】本発明の目的とするところは、液晶及び非
液晶性材料からなる液晶複合体における形態の評価の一
手段として、2次電子像によって観察するための走査型
電子顕微鏡像の観察により液晶複合体の形態を評価する
方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の特徴とす
るところは、液晶及び非液晶性材料からなる液晶複合体
を観察して該液晶及び非液晶性材料の形態を評価する方
法において、前記液晶複合体の液晶及び非液晶性材料を
非環境制御型の走査型電子顕微鏡により観察することを
特徴とする液晶複合体の評価方法にある。
【0010】また、前記液晶複合体の液晶の除去をする
ことなく、または液晶を除去して非液晶性材料の部分に
金属膜を蒸着することなく、液晶複合体の液晶及び非液
晶性材料を観察することにある。また、前記液晶複合体
に電子線を照射し、該液晶複合体の2次電子像を観察す
る液晶複合体の形態の評価方法である。
【0011】また、走査型電子顕微鏡用の観察試料を導
電性物質上に形成することを特徴とする。また、走査型
電子顕微鏡で観察する際、同一観察部分を電子線の加速
電圧を5kV以下にした場合と5kV超とした場合の2
つの条件で観察することを特徴とする。
【0012】また、上述した充填ガスのイオンにより表
面の帯電を中和することにより表面の電子チャージが除
去され非液晶性材料や液晶などの非導電性の物質の観察
により、高分解能で観察することが可能となることを特
徴とする観察方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の技術的作用は以下の通り
である。図1は、本発明を説明するための2次電子発生
メカニズムを示す概略図である。同図1に入射電子線と
発生する2次電子線の関係をしめす。
【0014】図1に示すように、試料の表面2に入射す
る電子線の加速電圧をさげることにより入射電子線1の
進入深さが浅くなり、試料のごく表面の情報のみを得る
ことが知られている。本発明の方法によると、5kV以
下の加速電圧で観察することにより、本発明で用いられ
る非液晶性材料と液晶のような絶縁部であっても低加速
(5kV以下)と呼ばれている領域において入射電子に
よる表面の帯電なく2次電子を検出することができるよ
うになり、観察が可能となった。
【0015】また、該加速電圧が高い場合は、後述のよ
うに、試料深部からの2次電子を検出することが知られ
ているが、本発明の非液晶性材料と液晶の混合膜を導電
性の膜の上に成膜することにより、電子顕微鏡の加速電
圧が高くとも入射電子が混合膜を通過して下地の導電性
膜まで達してグランドにながれていくために、混合膜表
面でのチャージアップを防ぐことができる。このために
高加速(5kV超)と呼ばれている領域においても良好
な観察が可能となった。
【0016】一般に加速電圧が異なると、像質において
は図2に示すような関係が知られている。すなわち、図
2は加速電圧と像質の関係を示す図であり、低加速領域
(1〜5kV)では、絶縁物のチャージアップは抑えら
れるが分解能が低くなってしまう。これに比べて高加速
領域(20kV付近)ではチャージアップの問題はある
が、分解能が高いのが特徴である。また、図3の加速電
圧と2次電子の拡散領域を示す図に示すように、入射電
子の拡散領域にも差があり、観察物質がどんなものであ
っても(原子番号の違いによらない)、低加速電圧では
主に表面付近の情報が、また高加速領域では、更に深い
領域の情報が得られる。
【0017】以上のような、図2と図3に示した加速電
圧効果により、得られる2次電子像が異なることを利用
して多くの情報を得ることが可能となる。本発明では、
上記のように低加速領域および高加速領域での良好な観
察が可能になったため、観察中に加速電圧を切り替える
のみという簡易な操作により、前記液晶複合体試料の表
面付近および深部の像を比較評価することによって3次
元の情報を得ることが可能となり、液晶及び非液晶性材
料からなる液晶複合体の形態評価がより高分解能で行な
えることになった。
【0018】本発明で用いる液晶及び非液晶性材料から
なる液晶複合体は、非液晶性材料からなる部分に液晶性
部分が相分離してなる複合体が好適に用いられ、例えば
高分子層の中に液晶からなるドロップレット(液晶滴)
が相分離分散してなる高分子分散型液晶、網目状の高分
子層の中に液晶が分散してなる高分子ネットワーク型液
晶等を挙げることができ、さらに好ましくは高分子分散
型液晶を用いる。該高分子分散型液晶は通常、透明電極
がその表面に形成され、かつ適宜空隙が設けられた一対
の対向基板間に形成される。該液晶はas grown
(作成直後)状態では高分子層中に分散する液晶滴がそ
れぞれのダイレクターがランダムとなっているため、入
射光が散乱され白色となっている。該基板のITO電極
間に電圧を印加すると、前記液晶滴のダイレクターが電
界と平行に配列して光学的に透明状態となる。この性質
を利用して表示素子等への応用が検討されている。本発
明においてはその構成材料・作成方法等は特に限定され
るものではない。
【0019】また、本発明で用いる液晶及び非液晶性材
料からなる液晶複合体の層厚は、上述した如く本発明に
記載の方法及び装置により、液晶複合体の形態がチャー
ジアップ等の障害を最小限に抑えて高分解能で観察評価
可能な範囲になるように形成するものであり、例えば5
0μm厚以下、更に好適には20μm以下程度が好まし
い。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例をいくつか示すが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】実施例1 まず本実施例で用いる高分子分散型液晶の作製方法を以
下に記述する。厚さ1.1mmのガラス板に10mm×
10mmの矩形に電極としてITOをパターニングし
た。次に、核ITO以外の部分に、印刷法により加熱硬
化樹脂(三井化学製「ストラクトボンドXN−5A」)
を若干の開口部を残して印刷塗布し、70℃にて30分
静置して溶媒を蒸発させた。次に該基板と同様にITO
をパターニングした他の基板に直径7μmのシリカビー
ズ(宇部日東化成製「ハイプレシカ」)をスペーサーと
してスピンコートにより塗布した。次に、両基板を、そ
れらの電極形状が一致するよう重ねあわせて固定加圧し
ながら150℃の雰囲気中で90分間静置して接着し、
空隙7μmを有する一対の基板を作製した。
【0022】次に、重合性高分子前駆体の2−ヒドロキ
シメチルメタクリレート70重量部とネマチック混合液
晶E7(メルク社製)30重量部を混和した。その際、
光重合開始剤としてイルガキュア184(チバガイギー
社製)を0.5重量部加えた。次に上記で作製した一対
の基板間に、上記で調製した重合性高分子前駆体/液晶
混和試料を封入した。その際、該基板全体を70℃以上
に保持したホットプレート上に置いた。同時に紫外線を
10mW/cm2 の強度で10分間照射した。引き続き
30分間、紫外線を照射せずに静置し、その後に室温ま
で徐冷した。
【0023】図4に本実施例で作製した高分子分散型液
晶素子の断面図を示す。同図中41、46はがガラス基
板、42、45はITO電極、43が液晶からなる液晶
滴、44は高分子層であり、該液晶滴は該高分子層中に
均一分散している。
【0024】以上のようにして作成した素子を走査型電
子顕微鏡で観察する為の試料サンプリング法を図5
(a)〜(e)に示す。尚、本実施例の試料作成を説明
するための図5中には、ガラス基板およびITO電極は
省いて記した。
【0025】図中51は液晶からなる液晶滴、52は高
分子層である。 (a)まず、ダイヤモンドナイフで高分子分散型液晶を
形成してある一対の対向した上下のガラス基板にキズA
A’、BB’をつける。このキズは走査型電子顕微鏡の
試料台に装着するのに好ましい大きさになるような範囲
でガラス基板に凹部のキズとなっている。 (b)次にこれらのキズからガラス基板を割る。 (c)本実施例の場合A−A′とB−B′で割れること
となる。 (d)上記操作により図(d)のように切られた試料の
上下を、ある程度の均一な力53、54を矢印の方向に
加え、引っ張る。 (e)次に、図(e)に示すように、該基板を厚さ方向
に約1/2程の部位で割ると、簡単に2分割され、該液
晶層の表面が試料となってサンプリングされる。
【0026】以上のように作成した試料を走査型電子顕
微鏡の試料ホルダーに装着した。走査型電子顕微鏡は、
HITACHI(株)製、S−570を用いて上記試料
の観察評価をおこなった。
【0027】この場合の加速電圧は5.0kVから1.
0kVまで、0.1kV刻みに加速電圧を下げていき、
入射電子と2次電子の発生量のつりあいがとれ、表面で
電子のチャージが発生しない適確な条件を探していった
結果、1.0kVでもっとも良好な2次電子像を得るこ
とができた。
【0028】上述したように、従来、高分子分散型液晶
のような液晶及び非液晶性材料からなる液晶複合体にお
いて形態等を評価する際には、液晶をエタノール等の溶
剤で除去し、表面に導電性の金属等を蒸着して観察し、
該液晶が除去された残りの非液晶性材料のみの像より、
液晶の分散状態を推測するしかなかった。しかしなが
ら、本実施例の方法では、液晶の分散状態をダイレクト
に知ることが可能となり、また、洗浄工程による非液晶
性材料の形態的ダメージの懸念もなくなった。
【0029】また、従来の環境制御型の走査型電子顕微
鏡を用いての評価に比べると一般的であり、また高分解
能に評価することが可能となった。
【0030】実施例2 本実施例で用いる高分子分散型液晶素子は実施例1に記
載の処方及び工程で作製した。
【0031】図6に実施例2で観察する試料の断面図を
示す。61、66はガラス基板、62、65はITO電
極、63は液晶からなる液晶滴、64は高分子層であ
る。
【0032】また、本実施例の走査型の電子顕微鏡で観
察するためのサンプリングの方法は実施例1と同様な操
作にておこない、図7に示したような断面を得た。
【0033】走査型電子顕微鏡は電解放射型の走査電子
顕微鏡 HITACHI S−900を用いて、観察評
価をおこなった。加速電圧は上記走査電子顕微鏡で設定
できるもっとも高い加速電圧30kVでの観察をした。
この際、通常、絶縁物に類する物質での30kVという
高加速電圧条件の観察では、表面にチャージアップがお
こり、2次電子像を得ることができない。しかしなが
ら、図6および図7に示すように、下地にITO電極6
5のような導電性の物質が存在すれば、走査型電子顕微
鏡のサンプルを試料台にセットする際には試料との電気
的な接地を行なう必要があるのでこれを利用して、本発
明で用いた高分子分散型液晶ほどの薄膜、(例えば、実
施例1の一対の対向基板間の空隙7μmに相当)であれ
ば、入射電子が高分子分散型液晶層を透過し、下地の導
電性膜からチャージが逃げていく効果により鮮明な2次
電子像を得ることが可能となった。
【0034】図7に本実施例での電子の動きを示した。
この効果は一般的に電子透過法とよばれているが、本発
明で用いた高分子分散型液晶素子には透明電極としてI
TOを使用しているので、このITO電極65のような
導電性膜の上に成膜された混合膜は30kVという高加
速電圧での観察が可能となった。高加速電圧では、低加
速電圧にくらべて高分解能な2次電子像を得ることがで
き、より詳細な分析が可能となった。
【0035】実施例3 本実施例で用いる高分子分散型液晶素子は実施例1に記
載の処方及び工程で作製した。また、本実施例において
走査型電子顕微鏡で観察するための高分子分散型液晶の
サンプリングの方法は実施例1、2と同様な操作にて行
った。
【0036】走査型電子顕微鏡は、電解放射型の走査電
子顕微鏡 HITACHI S−5000Hを用いて、
観察評価を行った。
【0037】観察は低加速領域として1.0kVで観察
し、高加速領域としては25.0kVを選択した。その
観察結果(写真)を図8および図9に示す。なお、図8
は、実施例3における高分子分散型液晶の薄膜を示す走
査電子顕微鏡写真(低加速領域、倍率1000倍)であ
る。図9は、実施例3における高分子分散型液晶の薄膜
を示す走査電子顕微鏡写真(高加速領域、倍率1000
倍)である。
【0038】2つの写真を比較しても明らかなように、
同一サンプルの同じ場所でも得られる像が異なってい
る。
【0039】図に示したように、1.0kVと25.0
kVでの像はかなり異なっており、図8中71は液晶
滴、72は高分子層、また、図9中の81は液晶滴、8
2は高分子層と思われ、これらの2つの像を比較、考察
することにより、液晶、高分子の分散状態はもちろんの
こと、各物質の形状、形態等を、単一の像より判明する
よりはるかに多くの情報、例えば、本素子の断面構造が
容易に想像しうること等、高分子分散型液晶の形態を非
破壊で容易にかつ正確に知りうることができた。
【0040】
【発明の効果】本発明により、高分子分散型液晶の液晶
滴の分散状態や液晶や形状を走査型の電子顕微鏡で観察
評価する際に、従来の様に液晶を除去する必要がなくな
ったことにより、液晶及び非液晶性材料からなる液晶複
合体を非破壊で完全な状態で評価することが可能となっ
ただけでなく、該液晶除去工程が省けたことにより迅速
に評価を行なえることができるようになった。また、表
面に金属を蒸着する工程が省けたことにより、蒸着粒子
の影響や、蒸着時試料温度上昇の影響やダメージが一切
なくなった。また、上述したような工程が減ったことに
より迅速な観察が行えるようになった。
【0041】また、低加速(5kV以下)と呼ばれてい
る領域と、高加速(5kV超)と呼ばれている2つの領
域での像観察が可能となったことにより、2つの像を比
較評価し、3次元の情報を得ることが可能となり、試料
の断面を作成することなく、液晶滴の分散状態や形態評
価が正確にかつ迅速に行なえるようになった。
【0042】また、特別に環境制御型の走査電子頭微鏡
を用いなくても、通常簡易型の走査電子顕微鏡はもちろ
んのこと、電解放射型の走査電子顕微鏡でも同様な評価
法を用いることができ、より、迅速に、正確で、高分解
能な像を得ることが可能となり、高分子分散型液晶の液
晶滴の分散状態や形態などの詳細な情報を得ることがで
き、液晶及び非液晶性材料からなる液晶複合体の評価に
対して絶大な進歩につながった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための2次電子発生メカニズ
ムを示す概略図である。
【図2】加速電圧と像質の関係を示す図である。
【図3】加速電圧と2次電子の拡散領域を示す図であ
る。
【図4】実施例1で用いた高分子分散型液晶素子の断面
図である。
【図5】実施例1で用いた高分子分散型液晶素子の走査
型電子顕微鏡用サンプリング法の概略図である。
【図6】実施例2で用いた高分子分散型液晶素子の断面
図である。
【図7】実施例2での電子の動きを示す図である。
【図8】実施例3における高分子分散型液晶の薄膜を示
す走査電子顕微鏡写真(低加速領域、倍率1000倍)
である。
【図9】実施例3における高分子分散型液晶の薄膜を示
す走査電子顕微鏡写真(高加速領域、倍率1000倍)
である。
【符号の説明】
1 入射電子線 2 試料の表面 3 2次電子発生領域 4、5、6 2次電子 7 電子線の広がり領域 41 ガラス基板 42 ITO電極 43 液晶滴 44 高分子層 45 ITO電極 46 ガラス基板 51 液晶滴 52 高分子層 53、54 力 61 ガラス基板 62 ITO電極 63 液晶滴 64 高分子層 65 ITO電極 66 ガラス基板
フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA03 BA07 CA03 GA06 GA08 GA09 JA01 JA20 LA11 MA05 RA01 2H088 FA11 FA21 GA10 MA20 2H089 HA04 KA07 LA07 MA01X NA05 QA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶及び非液晶性材料からなる液晶複合
    体を観察して該液晶及び非液晶性材料の形態を評価する
    方法において、前記液晶複合体の液晶及び非液晶性材料
    を非環境制御型の走査型電子顕微鏡により観察すること
    を特徴とする液晶複合体の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記液晶複合体の液晶を除去することな
    く、または液晶を除去して非液晶性材料の部分に金属膜
    を蒸着することなく、液晶複合体の液晶及び非液晶性材
    料を観察する請求項1に記載の液晶複合体の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記液晶複合体に電子線を照射し、該液
    晶複合体の2次電子像を観察する請求項1または2に記
    載の液晶複合体の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記液晶複合体が導電性物質上に形成さ
    れている請求項1乃至3のいずれかの項に記載の液晶複
    合体の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記走査型電子顕微鏡で観察する際、同
    一観察部分を電子線の加速電圧を5kV以下にした場合
    と5kV超とした場合の2つの条件で観察する請求項1
    乃至4のいずれかの項に記載の液晶複合体の評価方法。
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