JP2001153852A - 溶媒リサイクル装置を備える液体クロマトグラフ及びこれを用いた使用済み溶媒の回収方法 - Google Patents

溶媒リサイクル装置を備える液体クロマトグラフ及びこれを用いた使用済み溶媒の回収方法

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JP2001153852A
JP2001153852A JP33369599A JP33369599A JP2001153852A JP 2001153852 A JP2001153852 A JP 2001153852A JP 33369599 A JP33369599 A JP 33369599A JP 33369599 A JP33369599 A JP 33369599A JP 2001153852 A JP2001153852 A JP 2001153852A
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storage tank
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pressure
liquid
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JP33369599A
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English (en)
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Tomokichi Onoda
友吉 小野田
Takao Kimura
隆夫 木村
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SHIMAMURATEKKU KK
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲルパーミエーションクロマトグラフィーなど
で生ずる廃液から再生溶媒を回収する溶媒リサイクル装
置を備える液体クロマトグラフとその回収法の提供。 【解決手段】循環系を形成する液体クロマトグラフ11
と溶媒リサイクル装置31とを有し、液体クロマトグラ
フ11が備える検出器19と溶媒S1 を貯留させた溶媒
第1貯槽12及び/又は溶媒第2貯槽13との間には、
検出器19を経て廃液Wとして導入される移動相を不活
性ガス中で蒸留すべく含有成分である溶媒の沸点との関
係で定まる適温での加熱制御を自在に形成された耐圧蒸
留部32と、該耐圧蒸留部32内にて発生させた蒸気を
不活性ガスとともに導入して冷却・液化し再生溶媒S2
として溶媒貯槽内への還流を自在に形成された冷却部4
5とを少なくとも具備させ、廃液W中から再生溶媒S2
を回収する。また、液体クロマトグラフと溶媒リサイク
ル装置とを非循環系とすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、示差屈折率検出計
等の検出器を経て廃液となった使用済み溶媒を再生溶媒
として回収して再利用できるようにした溶媒リサイクル
装置を備える液体クロマトグラフ、特にゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(以下、「G.P.C」と略
称する。)において廃液を再利用するのに好適な溶媒リ
サイクル装置を備える液体クロマトグラフ及びこれを用
いた使用済み溶媒の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来からある液体クロマトグラ
フ1により形成される流路系を模式的に例示したもので
あり、最上流に位置する溶媒貯槽2内には、移動相を形
成するための溶媒3が貯留されており、該溶媒3内に没
しているフイルターFにその一端が接続され、他端が外
部へと取り出された送出用チューブL1 を有して形成さ
れている。
【0003】また、送出用チューブL1 の他端は、ポン
プ4の側に接続されており、該ポンプ4を介することで
溶媒貯槽2内の溶媒3を下流側へと圧送することができ
るようになっている。
【0004】一方、ポンプ4の下流側には、分離カラム
6がカラム温度の制御を可能にして配置されており、こ
れらポンプ4と分離カラム6との間に流路を形成する連
結チューブL2 には、試料を溶媒中に注入するための試
料注入器5などが介在配置され、試料注入後の移動相が
分離カラム6へと流下できるようになっている。
【0005】また、分離カラム6の下流には、チューブ
3 を介して連結された検出器7と、該検出器7により
検出され、かつ、分析された結果を記録するための記録
計(図示せず)が設置されており、分析後に不要となっ
た溶媒を含む移動相は、チューブL4 を介して流路系の
最下流に位置させた廃液貯槽8内に廃液9として貯留さ
れ、その全量が廃棄処分されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の液体ク
ロマトグラフ1によるときは、高価な有機溶媒や試薬を
多量に使用した後、その全量を廃液9として廃棄する結
果、ランニングコストの上昇を招くばかりではなく、環
境汚染防止対策を講じた廃液処理の必要があるほか、有
機溶媒に作業者が曝される危険性があるなどの問題があ
った。
【0007】特に、分子量分布測定法であるG.P.C
は、主に高分子化学工業において広く利用されており、
使用される化学溶媒(例えばクロロホルム,テトラヒド
ロフラン等)も物質の溶解力が強いために環境的な汚染
問題を引き起こしやすい。そのため、使用後の回収・再
利用が強く求められていたが、真に実効性のある回収シ
ステムの開発が遅れ、不法投棄による土壌や大気の汚染
を生じさせる問題があった。
【0008】本発明は従来技術にみられた上記課題に鑑
み、検出器を経て廃液となった使用済み溶媒を再生溶媒
として回収して再利用できるようにした溶媒リサイクル
装置を備える液体クロマトグラフ、特にG.P.Cにお
いて廃液を再利用するのに好適な溶媒リサイクル装置を
備える液体クロマトグラフ及びこれを用いた使用済み溶
媒の回収方法を提供することにその目的がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべくなされたものであり、そのうち、第1の発明の構
成上の特徴は、全体で循環系を形成して組み合わされた
液体クロマトグラフと溶媒リサイクル装置とで構成さ
れ、前記液体クロマトグラフは、溶媒を貯留させた溶媒
貯槽と、該溶媒貯槽から溶媒を下流へと圧送すべく配置
されたポンプと、該ポンプを介して圧送される溶媒中に
試料を注入する試料注入器と、溶媒に試料を注入した後
の移動相が流入する分離カラムと、該分離カラムを経た
移動相中の試料成分を検出する検出器と、該検出器によ
る検出結果を記録する記録計とを少なくとも備え、前記
検出器と溶媒貯槽との間に配設される溶媒リサイクル装
置は、検出器を経て廃液として導入される移動相を不活
性ガス中で蒸留すべく含有成分である溶媒の沸点との関
係で定まる適温での加熱制御を自在に形成された耐圧蒸
留部と、該耐圧蒸留部内にて発生させた蒸気を不活性ガ
スとともに導入して冷却・液化し再生溶媒として前記溶
媒貯槽内への還流を自在に形成された冷却部とを少なく
とも備えることにある。
【0010】上記第1の発明における前記溶媒貯槽は、
流路切替えバルブを介して流路の切替えが自在に配置さ
れた溶媒第1貯槽と溶媒第2貯槽とで構成され、これら
溶媒第1貯槽と溶媒第2貯槽とは、粉末活性炭入りの脱
臭容器と水液が入ったエアー逆止容器とに連結管を介し
て通気自在に順次連結させておくのが好ましい。
【0011】また、第2の発明の構成上の特徴は、全体
で非循環系を形成して組み合わされた液体クロマトグラ
フと溶媒リサイクル装置とで構成され、液体クロマトグ
ラフは、溶媒が貯留される溶媒貯槽と、該溶媒貯槽から
溶媒を下流へと圧送すべく配置されたポンプと、該ポン
プを介して圧送される溶媒に試料を注入する試料注入器
と、溶媒に試料を注入した後の移動相が流入する分離カ
ラムと、該分離カラムを経た移動相中の試料成分を検出
する検出器と、該検出器による検出結果を記録する記録
計と、流路切替えバルブと一方の流路とを介して検出器
からの廃液が導入される分取コレクターとを少なくとも
備え、前記流路切替えバルブにより切り替え制御される
他方の流路を介して検出器からの廃液が導入される廃液
容器と前記溶媒貯槽との間に配設される溶媒リサイクル
装置は、前記廃液容器から廃液として強制的に導入され
る移動相を不活性ガス中で蒸留すべく含有成分である溶
媒の沸点との関係で定まる適温での加熱制御を自在に形
成された耐圧蒸留部と、該耐圧蒸留部内にて発生させた
蒸気を不活性ガスとともに導入して冷却・液化し再生溶
媒として前記溶媒貯槽内への還流を自在に形成された冷
却部とを少なくとも備えることにある。
【0012】上記第2の発明における前記溶媒貯槽は、
粉末活性炭入りの脱臭容器と水液が入ったエアー逆止容
器とに連結管を介して通気自在に順次連結させるのが好
ましい。
【0013】さらに、上記した第1の発明と第2の発明
とにあって、溶媒回収装置における前記耐圧蒸留部は、
検出器を経て導入される廃液が流下するように傾斜配置
された筒状の耐圧容器と、該耐圧容器の内部空間に設置
された温度センサと、該温度センサの検出温度との関係
でオン・オフ制御されて耐圧容器の液溜り部を含む周辺
部位を加熱自在としたヒータと、耐圧容器内への不活性
ガスの供給制御を自在とした不活性ガス供給部とを少な
くとも備え、前記冷却部は、所定の冷却温度を維持し得
る恒温ブロックと、前記耐圧容器から導出された流路に
接続されて前記恒温ブロック内へと導入され、かつ、少
なくともその上流側が下側に位置し、下流側が上側に位
置するようにして螺旋状に配置させて溶媒貯槽内へと導
出される導管とを少なくとも具備させて形成するのが望
ましい。
【0014】一方、第3の発明の構成上の特徴は、上記
した第1の発明と第2の発明とのいずれかに係る溶媒リ
サイクル装置を備える液体クロマトグラフを用ることに
より、使用後の廃液中から再生溶媒を回収することにあ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のうち、分析用と
して好適な第1の発明についての一例を示す概略説明図
であり、G.P.Cなどに適用される液体クロマトグラ
フ11は、テトロヒドロフラン(THF)などからなる
溶媒S1 が各別に貯留される溶媒第1貯槽12と溶媒第
2貯槽13と、これら溶媒第1貯槽12と溶媒第2貯槽
13とからフイルターFと流路切替えバルブ14とを経
て流入する溶媒S1 を下流へと圧送すべく配置されたポ
ンプ15と、該ポンプ15を介して圧送される溶媒S1
中に試料を注入する試料注入器16と、溶媒S1 に試料
を注入した後の移動相が流入する分離カラム17と、該
分離カラム17を経た移動相中の試料成分を検出する示
差屈折率検出計などからなる検出器18と、該検出器1
8による検出結果を記録する記録計19とを少なくとも
備えて構成されている。なお、図中の符号20は、溶媒
第1貯槽12と溶媒第2貯槽13とから検出器18へと
至る管路を示す。また、溶媒S1 が例えばクロロホルム
などである場合には、溶媒第1貯槽12と溶媒第2貯槽
13とのいずれかひとつを溶媒貯槽とし、流路切替えバ
ルブ14を介することなく溶媒S1 を下流へと圧送すべ
くポンプ15に直結させることもできる。
【0016】また、溶媒第1貯槽12と溶媒第2貯槽1
3とのそれぞれの上部空間12a,13aは、導管47
から液化後の再生溶媒S2 を還流させる際に同時に導入
される不活性ガスを脱臭する粉末活性炭C入りの脱臭容
器21と蒸留水などの水液が入った図示しないエアー逆
止容器とが順次配設されており、これらは相互に連結管
22を介して通気自在に連結されている。
【0017】しかも、検出器18と流路切替えバルブ1
4との間には、試料成分の検出処理を終えた移動相とし
ての廃液W中から再生溶媒S2 を取り込んで溶媒第1貯
槽12もしくは溶媒第2貯槽13内へと還流させるべ
く、耐圧蒸留部32と冷却部45とで構成される溶媒リ
サイクル装置31が介在配置されており、該溶媒リサイ
クル装置31と液体クロマトグラフ11との全体でオン
ライン化された循環系を形成している。なお、溶媒第1
貯槽12と溶媒第2貯槽13とのいずれかひとつを溶媒
貯槽としている場合には、流路切替えバルブ14を介す
ることなく再生溶媒S2 を該溶媒貯槽に還流させること
でオンライン化された循環系を形成することもできる。
【0018】この場合、溶媒リサイクル装置31におけ
る耐圧蒸留部32は、検出器18を経て毎分1ミリリッ
トル前後の流量で流入する廃液Wを不活性ガス中で蒸留
すべく含有成分である溶媒S1 の沸点との関係で定まる
適温、例えば溶媒S1 の沸点より15〜25℃程度高い
温度での加熱制御を自在に形成されている。また、冷却
部45は、耐圧蒸留部32内にて発生させた蒸気を不活
性ガスとともに導入して冷却・液化し再生溶媒S2 とし
て流路切替えバルブ14を経て溶媒第1貯槽12もしく
は溶媒第2貯槽13への還流を自在に形成されている。
【0019】これを図1に即してより具体的に説明すれ
ば、耐圧蒸留部32は、検出器18の側から導管43を
介して導入される廃液Wが円滑に流下するように例えば
水平線に対し30〜90度、好適には45〜80度の範
囲内の適宜角度のもとで傾斜配置された筒状の耐圧容器
33と、該耐圧容器33の上側開口部を封止する上部栓
34を介して内部空間33a内に導入配置された温度セ
ンサ35と、耐圧容器33の液溜り部33bを含む周辺
部位の外周面33cに例えばニクロム線を巻き付けるな
どして温度センサ35の検出温度との関係でオン・オフ
制御が自在となった温度コントローラ36を介すること
により加熱制御が自在に配設されるヒータ37と、耐圧
容器33内への不活性ガスの供給制御を自在に配設され
た不活性ガス供給部38と、液溜り部33bに溜った分
析済みの残存試料を含む残滓が所定量に達し次第、強制
的に吸引して外部に排出するために配設される吸引排出
具42とを少なくとも備えて形成されている。
【0020】この場合、50気圧前後の圧力に耐え得る
ように設計された耐圧容器33は、摂氏200度程度の
耐熱性と耐有機溶媒性とに富む耐圧ガラス材のほか、ス
テンレス材やフッ素樹脂材などにより形成されているも
のを好適に用いることができる。また、耐圧容器33
は、高圧に耐えて気密性にも富む例えば分取用カラムに
採用されている気密構造などを備えているものを好適に
用いることができる。
【0021】温度センサ35については、ステンレスカ
バーなどの耐食性に富むカバー材内に熱電対を気密状に
内蔵させて形成したものを好適に用いることができる。
なお、ヒータ37は、耐圧容器33の液溜り部33bを
含む周辺部位の例えば外周面33cなどに設置されたセ
ラミックヒータや赤外線ヒータなどからなる電熱構造に
より形成することもできる。また、ヒータ37による加
熱温度は、流入する廃液Wの種類に応じて定まる沸点と
の関係で、該沸点より10〜25℃度程度高くなる温度
に設定できるように温度制御するのが望ましい。
【0022】不活性ガス供給部38は、窒素ガスやヘリ
ウムガスなどの不活性ガスが充填されているガスボンベ
39と、該ガスボンベ39から上部栓34を介して耐圧
容器33内へと導入されるガス管40と、該ガス管40
の流路中に介在させて供給ガスの流量を制御自在とした
バルブ41とを少なくとも具備させて形成されている。
【0023】一方、冷却部45は、室温(摂氏25度)
以下、例えば摂氏5〜15度程度の冷却温度を維持し得
るように形成された恒温ブロック46と、耐圧容器33
から導出され恒温ブロック46内を経て流路切替えバル
ブ14へと至る導管47とを少なくとも具備させて形成
されている。
【0024】このうち、恒温ブロック46は、例えば
銅,アルミニウム,ステンレス,真鍮,ハンダなどのよ
うな熱伝導性に優れた適宜体積の金属材により形成され
ており、省エネルギーの観点からは、液体冷媒を用いた
液冷式ではなく、図示しない放熱フィンを外周面に付設
し、近傍に配設した冷却用ファン(図示せず)の風を受
けて所定の冷却温度に容易に冷却できる空冷式を採用す
るのが望ましい。
【0025】また、導管47は、耐圧容器33から蒸気
を恒温ブロック46内へと導入するために用意される流
入部48と、恒温ブロック46内にてその上流側を下側
に位置させ、下流側を上側に位置させた配置関係のもと
で螺旋状に配設された熱交換部49と、該熱交換部49
の側から流路切替えバルブ14内へと液化させた再生溶
媒S2 を還流させるための流出部50とからなる連通流
路によりその全体が形成されている。この場合、導管4
7は、特に有機溶媒に対し優れた耐食性を発揮するステ
ンレスチューブにより形成するのが望ましい。また、導
管47における熱交換部49は、恒温ブロック46内に
上記した配置関係のもとで螺旋状の通孔を設け、その上
流側を流入部48に、下流側を流出部50に接続するこ
とにより形成することもできる。
【0026】一方、図2は、本発明のうち、分取用とし
て好適な第2の発明についての一例を示す概略説明図で
あり、G.P.Cなどに適用される液体クロマトグラフ
111は、適宜の溶媒S1 が貯留される溶媒貯槽112
と、該溶媒貯槽112からフイルターFを介して溶媒S
1 を下流へと圧送すべく配置されたポンプ115と、該
ポンプ115を介して圧送される溶媒S1 中に試料を注
入する試料注入器116と、溶媒S1 に試料を注入した
後の移動相が流入する分離カラム117と、該分離カラ
ム117を経た移動相中の試料成分を検出する示差屈折
率検出計などからなる検出器118と、該検出器118
による検出結果を記録する記録計119と、流路切替え
バルブ125を介して検出器119からの廃液が導入さ
れる分取コレクター126とを少なくとも備えて構成さ
れている。なお、図中の符号120は溶媒貯槽112か
ら検出器118へと至る管路を、121は溶媒貯槽11
2と管路122を介して連通させた粉末活性炭C入りの
脱臭容器を、123は該脱臭容器121と管路124を
介して連通させてある蒸留水などの水液L入りのエアー
逆止容器をそれぞれ示す。
【0027】しかも、検出器118と流路切替えバルブ
125を介して切り替え制御される他方の流路130に
配設された廃液容器127と溶媒貯槽112との間に
は、試料成分の検出処理を終えて廃液容器127内に貯
留されている移動相としての廃液Wをポンプ128と管
路129を介して強制的に吸引し、該廃液W中から再生
溶媒S2 を取り込んで溶媒貯槽112へと還流させるべ
く、耐圧蒸留部132と冷却部145とで構成される溶
媒リサイクル装置131が介在配置されており、該溶媒
リサイクル装置131と液体クロマトグラフ111と
は、オフライン化された非循環系を形成している。
【0028】なお、第2の発明において溶媒リサイクル
装置131を構成している耐圧蒸留部132と冷却部1
45とは、図1に示す耐圧蒸留部32と冷却部45と同
一の構造を備えているので、各構成部材には同一の符号
を付すことによりその詳しい説明は省略する。
【0029】次に、本発明のうちの第3の発明(使用済
み溶媒の回収方法)につき、第1の発明の作用との関係
で説明する。
【0030】すなわち、G.P.Cなどに適用される液
体クロマトグラフ11を用いることにより、流路切替え
バルブ14を介して溶媒第1貯槽12と溶媒第2貯槽1
3とのいずれかから溶媒S1 がポンプ15を介して下流
側へと圧送され、試料注入器16により試料が溶媒S1
中に注入した後の移動相を分離カラム17へと流入させ
ることができる。分離カラム17を経た移動相中の試料
成分は、示差屈折率検出計などからなる検出器18によ
り検出され、その検出結果を記録計19により記録させ
ることができる。
【0031】また、検出器18側から導管43を介して
導入される廃液Wは、空気に代え不活性ガス供給部38
により供給量を制御自在にして供給される不活性ガスに
より内部空間33aが充満されて外気との接触を絶った
耐圧容器33内へと自然流下させることにより液溜り部
33bの側へと円滑に流し込むことができる。
【0032】しかも、50気圧前後の圧力に耐えるよう
に設計されている耐圧容器33は、廃液W中の使用済み
の溶媒の沸点よりも摂氏10〜25度程度高くなる温度
に設定できるように温度制御されたヒータ37を例えば
その外周面33cに備えているので、その内側面を流下
する廃液Wや液溜り部33b中に流入した廃液Wに含ま
れている溶媒成分は温度上昇に伴い沸点に達する結果、
ほぼその全量が蒸気となってその体積を急速に膨張させ
つつも、安全裡に内部空間33a内の圧力を上昇させる
に至る。この場合、耐圧容器33は、流路切替えバルブ
14と導管47とを介して溶媒第1貯槽12もしくは溶
媒第2貯槽13と連通し、これら溶媒第1貯槽12と溶
媒第2貯槽13とは管路22を介して脱臭容器21と連
通しているので、内圧が上昇するに伴い、耐圧容器33
→冷却部45→溶媒第1貯槽12もしくは溶媒第2貯槽
13→脱臭容器21→図示しないエアー逆止容器を経て
脱臭された不活性ガスを外部に放出できる陽圧となった
連通流路が形成されることになる。
【0033】かくして、外気成分を含まない溶媒成分か
らなる蒸気は、耐圧容器33の内部空間33a内の圧力
が上昇するに従い、不活性ガスとともに流入部48から
熱交換部49へと圧送され、しかも、該熱交換部49
は、恒温ブロック46内にてその上流側が下側に位置さ
せ、下流側が上側に位置させた配置関係のもとで螺旋状
に配設されているので、その通過時に空気成分の不存在
下で円滑に冷却・液化されて再生溶媒S2 となり、流出
部50を経て溶媒第1貯槽12もしくは溶媒第2貯槽1
3内へと還流させて回収し、溶媒S1 とともに再使用さ
れるに至る。
【0034】つまり、液体クロマトグラフ11と溶媒リ
サイクル装置31とをオンライン化して組み合わせた循
環系として形成したことにより、溶媒S1 に試料を注入
してなる移動相は、検出器18を経て廃液Wとなって
も、該廃液Wは溶媒リサイクル装置31を経ることによ
り、分析済みの試料成分が除去された再生溶媒S2 とし
て溶媒第1貯槽12もしくは溶媒第2貯槽13内に還流
させて回収することにより再使用できるので、高価な溶
媒S1 の消費量を少なくして時代の要請である省資源に
寄与させることができるほか、ランニングコストの低減
にも有効に寄与させることができることになる。再生溶
媒S2 は、外気成分を混入させることなく還流させるこ
とができるので、外気成分の混入に由来する各種のトラ
ブルの発生を少なくして分析精度を向上させることもで
きる。
【0035】しかも、廃液W中に含まれる溶媒成分は、
廃棄されることなくほぼその全量を再生溶媒S2 として
回収することができるので、その多くが危険物とされる
使用済み溶媒により引き起こされがちな環境汚染を効果
的に防止することができることになる。なお、溶媒S1
がテトロヒドロフラン(THF)である場合には、過酸
化物を生成しやすいので酸化防止剤(BHT)をあらか
じめ混入しておく必要があるが、再生溶媒S2 中には酸
化防止剤(BHT)が含まれないので、流路切替えバル
ブ14を介して溶媒第1貯槽12もしくは溶媒第2貯槽
13へと回収した後に酸化防止剤(BHT)が追加混入
されることになる。
【0036】一方、本発明のうちの第3の発明(使用済
み溶媒の回収方法)につき、第2の発明の作用との関係
で説明すれば、G.P.Cなどに適用される液体クロマ
トグラフ111を用いることにより、溶媒貯槽112か
ら溶媒S1 がポンプ115を介して下流側へと圧送さ
れ、試料注入器116により試料が溶媒S1 中に注入し
た後の移動相を分離カラム117へと流入させることが
できる。分離カラム117を経た移動相中の試料成分
は、示差屈折率検出計などからなる検出器118により
検出され、その検出結果を記録計119により記録させ
ることができる。
【0037】また、液体クロマトグラフ111は、流路
切替えバルブ125を介することにより検出器119か
ら分取コレクター126へと廃液Wを流入させて物質を
分取することもできる。
【0038】さらに、検出器119から流出する廃液W
は、流路切替えバルブ125と流路130とを介して廃
液容器127内に一時的に貯留することもできる。この
場合、廃液容器127内の廃液Wは、ポンプ128を介
して強制的に吸引して図2に示すように図1の溶媒リサ
イクル装置31と同様に構成されている溶媒リサイクル
装置131の側に送出し、該溶媒リサイクル装置131
を経ることにより、分析済みの試料成分が除去された再
生溶媒S2 として溶媒貯槽112内に還流させて回収し
再使用できるので、高価な溶媒S1 の消費量を少なくし
て時代の要請である省資源に寄与させることができるほ
か、ランニングコストの低減にも有効に寄与させること
ができることになる。また、再生溶媒S2 は、外気成分
を混入させることなく還流させて回収できるので、空気
成分の混入に由来する各種のトラブルの発生を少なくし
て分析精度を向上させることもできる。
【0039】特に、高分子化学工業において広く利用さ
れている分子量分布測定法としてのG.P.Cに本発明
を適用することにより、例えば環境的な汚染問題を引き
起こしやすいクロロホルムやテトラヒドロフランなどの
化学溶媒であっても、使用後に回収して再利用ができる
ので、不法投棄等による土壌や大気の汚染を生じさせる
こともなくすることができる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、溶媒
に試料を注入してなる移動相を検出器により高い精度の
もとで分析することができるばかりでなく、検出器の側
から流下する廃液は、耐圧蒸留部の不活性ガス中で使用
済みの溶媒の沸点よりも高い温度のもとで加熱され、溶
媒成分のほぼ全量を外気成分を含まない蒸気とし、不活
性ガスとともに冷却部に導入して冷却・液化することに
より、再生溶媒として還流させて回収し再使用できるの
で、高価な溶媒の消費量を少なくして省資源に寄与させ
ることができるほか、ランニングコストの低減にも有効
に寄与させることができる。また、再生溶媒は、外気成
分を混入させることなく還流させることができるので、
外気成分の混入に由来する各種のトラブルの発生を少な
くして分析精度を向上させることもできる。
【0041】しかも、廃液中に含まれる溶媒成分は、廃
棄されることなくほぼその全量を再生溶媒として回収す
ることができるので、その多くが危険物とされる使用済
み溶媒により引き起こされがちな環境汚染を効果的に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の発明の一例を示す概略説
明図。
【図2】本発明における第2の発明の一例を示す概略説
明図。
【図3】従来からある液体クロマトグラフの構成例を示
す概略説明図。
【符号の説明】
11,111 液体クロマトグラフ 12 溶媒第1貯槽 12a 上部空間 13 溶媒第2貯槽 13a 上部空間 14 流路切替えバルブ 15,115 ポンプ 16,116 試料注入器 17,117 分離カラム 18,118 検出器 19,119 記録計 20 管路 21 脱臭容器 22 管路 31 溶媒リサイクル装置 32 耐圧蒸留部 33 耐圧容器 33a 内部空間 33b 液溜り部 33c 外周面 34 上部栓 35 温度センサ 36 温度コントローラ 37 ヒータ 38 不活性ガス供給部 39 ガスボンベ 40 ガス管 41 バルブ 42 排出具 43 導管 45 冷却部 46 恒温ブロック 47 導管 48 流入部 49 熱交換部 50 流出部 112 溶媒貯槽 120 管路 121 脱臭容器 122 管路 123 エアー逆止容器 124 管路 125 流路切替えバルブ 126 分取コレクター 127 廃液容器 128 ポンプ 129 管路 130 流路 F フィルタ S1 溶媒 S2 再生溶媒 W 廃液 C 粉末活性炭 L 水液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/54 G01N 30/54 G (72)発明者 木村 隆夫 栃木県宇都宮市清原台6丁目21−1 Fターム(参考) 4D017 DA03 EB10 4D076 AA12 BC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体で循環系を形成して組み合わされた
    液体クロマトグラフと溶媒リサイクル装置とで構成さ
    れ、 前記液体クロマトグラフは、溶媒を貯留させた溶媒貯槽
    と、該溶媒貯槽から溶媒を下流へと圧送すべく配置され
    たポンプと、該ポンプを介して圧送される溶媒中に試料
    を注入する試料注入器と、溶媒に試料を注入した後の移
    動相が流入する分離カラムと、該分離カラムを経た移動
    相中の試料成分を検出する検出器と、該検出器による検
    出結果を記録する記録計とを少なくとも備え、 前記検出器と溶媒貯槽との間に配設される溶媒リサイク
    ル装置は、検出器を経て廃液として導入される移動相を
    不活性ガス中で蒸留すべく含有成分である溶媒の沸点と
    の関係で定まる適温での加熱制御を自在に形成された耐
    圧蒸留部と、該耐圧蒸留部内にて発生させた蒸気を不活
    性ガスとともに導入して冷却・液化し再生溶媒として前
    記溶媒貯槽内への還流を自在に形成された冷却部とを少
    なくとも備えることを特徴とする溶媒リサイクル装置を
    備える液体クロマトグラフ。
  2. 【請求項2】 前記溶媒貯槽は、流路切替えバルブを介
    して流路の切替えが自在に配置された溶媒第1貯槽と溶
    媒第2貯槽とで構成され、これら溶媒第1貯槽と溶媒第
    2貯槽とは、粉末活性炭入りの脱臭容器と水液が入った
    エアー逆止容器とに連結管を介して通気自在に順次連結
    させたことを特徴とする請求項1記載の溶媒リサイクル
    装置を備える液体クロマトグラフ。
  3. 【請求項3】 全体で非循環系を形成して組み合わされ
    た液体クロマトグラフと溶媒リサイクル装置とで構成さ
    れ、 液体クロマトグラフは、溶媒が貯留される溶媒貯槽と、
    該溶媒貯槽から溶媒を下流へと圧送すべく配置されたポ
    ンプと、該ポンプを介して圧送される溶媒に試料を注入
    する試料注入器と、溶媒に試料を注入した後の移動相が
    流入する分離カラムと、該分離カラムを経た移動相中の
    試料成分を検出する検出器と、該検出器による検出結果
    を記録する記録計と、流路切替えバルブと一方の流路と
    を介して検出器からの廃液が導入される分取コレクター
    とを少なくとも備え、 前記流路切替えバルブにより切り替え制御される他方の
    流路を介して検出器からの廃液が導入される廃液容器と
    前記溶媒貯槽との間に配設される溶媒リサイクル装置
    は、前記廃液容器から廃液として強制的に導入される移
    動相を不活性ガス中で蒸留すべく含有成分である溶媒の
    沸点との関係で定まる適温での加熱制御を自在に形成さ
    れた耐圧蒸留部と、該耐圧蒸留部内にて発生させた蒸気
    を不活性ガスとともに導入して冷却・液化し再生溶媒と
    して前記溶媒貯槽内への還流を自在に形成された冷却部
    とを少なくとも備えることを特徴とする溶媒リサイクル
    装置を備える液体クロマトグラフ。
  4. 【請求項4】 前記溶媒貯槽は、粉末活性炭入りの脱臭
    容器と水液が入ったエアー逆止容器とに連結管を介して
    通気自在に順次連結させたことを特徴とする請求項3記
    載の溶媒リサイクル装置を備える液体クロマトグラフ。
  5. 【請求項5】 溶媒回収装置における前記耐圧蒸留部
    は、検出器を経て導入される廃液が流下するように傾斜
    配置された筒状の耐圧容器と、該耐圧容器の内部空間に
    設置された温度センサと、該温度センサの検出温度との
    関係でオン・オフ制御されて耐圧容器の液溜り部を含む
    周辺部位を加熱自在としたヒータと、耐圧容器内への不
    活性ガスの供給制御を自在とした不活性ガス供給部とを
    少なくとも備え、前記冷却部は、所定の冷却温度を維持
    し得る恒温ブロックと、前記耐圧容器から導出された流
    路に接続されて前記恒温ブロック内へと導入され、か
    つ、少なくともその上流側が下側に位置し、下流側が上
    側に位置するようにして螺旋状に配置させて溶媒貯槽内
    へと導出される導管とを少なくとも備えることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の溶媒リサイク
    ル装置を備える液体クロマトグラフ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の溶
    媒リサイクル装置を備える液体クロマトグラフを用るこ
    とにより、使用後の廃液中から再生溶媒を回収すること
    を特徴とする使用済み溶媒の回収方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109646982A (zh) * 2018-12-03 2019-04-19 安徽华塑股份有限公司 精馏尾气回收方法
CN112645523A (zh) * 2020-12-22 2021-04-13 宿州市胜龙新材料科技有限公司 一种生产废料无害化处理设备及处理方法

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