JP2001153588A - 排ガス用熱交換器のスートブロー方法 - Google Patents

排ガス用熱交換器のスートブロー方法

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JP2001153588A
JP2001153588A JP33087099A JP33087099A JP2001153588A JP 2001153588 A JP2001153588 A JP 2001153588A JP 33087099 A JP33087099 A JP 33087099A JP 33087099 A JP33087099 A JP 33087099A JP 2001153588 A JP2001153588 A JP 2001153588A
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Akinori Kawakami
昭典 川上
Osamu Tanaka
収 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス用熱交換器において、スートブローを
確実に行う。 【解決手段】 複数本の伝熱管6を多段に配置した第一
熱交換部7および第二熱交換部8を備え、前記第一熱交
換部7を上昇流ダクト1内に設けるとともに、前記第二
熱交換部8を下降流ダクト2内に設け、前記両熱交換部
7,8の上方にスートブロー手段15を設けた排ガス用
熱交換器において、排ガス流通時は前記第二熱交換部8
のみスートブローを行い、排ガス非流通時は前記両熱交
換部7,8のスートブローを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ボイラ等の熱機
器の排ガスから熱回収を行う排ガス用熱交換器における
スートブロー方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボイラ等の熱機器に付設され、この熱機
器の排ガスから熱回収を行う排ガス用熱交換器には、顕
熱を回収する顕熱回収熱交換部と潜熱を回収する潜熱回
収熱交換部とを備えたものがある。この潜熱回収熱交換
部は、排ガス中の水蒸気の凝縮を伴い、水蒸気が凝縮し
て水になる際の凝縮熱を主に回収している。
【0003】前記排ガス用熱交換器の構造としては、通
常、複数本の伝熱管を多段に配置した第一熱交換部およ
び第二熱交換部を備え、前記第一熱交換部を上昇流ダク
ト内に設けるとともに、前記第二熱交換部を下降流ダク
ト内に設け、前記熱機器からの排ガスを前記上昇流ダク
ト,前記下降流ダクトの順に流通させるとともに、被加
熱流体を前記第二熱交換部,前記第一熱交換部の順に流
通させる構成となっている。そして、主として、前記第
一熱交換部が前記顕熱回収熱交換部となり、前記第二熱
交換部が前記潜熱回収熱交換部となっている。
【0004】また、前記排ガス用熱交換器にはスートブ
ロー手段が設けられ、水あるいは蒸気等の洗浄流体を前
記両熱交換部へ噴霧して、前記各伝熱管に付着した煤等
を除去するようになっている。ところで、前記排ガス用
熱交換器には、一日24時間稼動しているものもあり、
排ガスが流通中にスートブローを行わざるを得ないもの
がある。この場合、前記第一熱交換部へ向かって噴霧さ
れた洗浄流体は、排ガスの流通方向と対向する方向へ噴
霧されるため、噴霧状態が乱され、充分なスートブロー
を行うことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、排ガス用熱交換器において、スートブロ
ーを確実に行うことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、複数本の伝熱管を多段に配置した第一熱交換部およ
び第二熱交換部を備え、前記第一熱交換部を上昇流ダク
ト内に設けるとともに、前記第二熱交換部を下降流ダク
ト内に設け、前記両熱交換部の上方にスートブロー手段
を設けた排ガス用熱交換器において、排ガス流通時は前
記第二熱交換部のみスートブローを行い、排ガス非流通
時は前記両熱交換部のスートブローを行うことを特徴と
している。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて説明する。この発明に係る排ガス用熱交換器は、
複数本の伝熱管を多段に配置した第一熱交換部および第
二熱交換部を備え、前記第一熱交換部を上昇流ダクト内
に設けるとともに、前記第二熱交換部を下降流ダクト内
に設けた構成になっている。そして、ボイラ等の熱機器
からの排ガスを前記上昇流ダクト,前記下降流ダクトの
順に流通させるとともに、被加熱流体を前記第二熱交換
部,前記第一熱交換部の順に流通させる構成としてい
る。したがって、前記第一熱交換部が顕熱回収熱交換部
となり、前記第二熱交換部が潜熱回収熱交換部となって
おり、両者が確実に区分された構成となっている。
【0008】また、前記両熱交換部の上方には、スート
ブロー手段が設けられている。このスートブロー手段
は、水や蒸気等の洗浄流体を前記両熱交換部へ噴霧する
構成になっており、前記熱機器の運転時,すなわち排ガ
ス流通時は前記第二熱交換部のみスートブローを行い、
前記熱機器の停止時,すなわち排ガス非流通時は前記両
熱交換部のスートブローを行うようになっている。これ
により、排ガスが流通している前記熱機器の運転時は、
前記洗浄流体の噴霧状態が乱されてスートブローの効果
が充分でない前記第一熱交換部のスートブローは行わな
いようにしている。一方、前記第二熱交換部において
は、前記熱機器の運転時、前記洗浄流体が排ガスの流通
方向と同じ方向へ噴霧されるため、噴霧状態があまり乱
されず充分に煤等の付着物を除去することができる。
【0009】ところで、排ガス中の水蒸気が凝縮して凝
縮水となり、この凝縮水へ排ガス中の硫酸成分等の腐食
成分が混入すると、腐食が発生しやすくなるが、この出
願の発明者らは、前記伝熱管の腐食について、つぎのよ
うな知見を得た。すなわち、前記伝熱管は、排ガス流通
中において、その管壁温度が、排ガス中の水蒸気が凝縮
する露点温度を基準にして所定の温度範囲内,具体的に
は露点温度±10℃になる位置に配置された場合に腐食
が発生しやすいということである。これは、管壁温度が
露点温度近傍にある伝熱管では、まだ凝縮水の量が少な
いため、相対的に腐食成分の濃度が高くなって腐食しや
すくなり、それより下流側では、上方から落下してきた
凝縮水が集まって凝縮水の量が多くなり、腐食成分の濃
度が希釈されて腐食しにくくなるためであると考えられ
る。
【0010】そこで、この発明においては、少なくとも
前記両熱交換部の最上段に位置する伝熱管を、その管壁
温度が前記温度範囲内になる位置に配置している。そう
することにより、腐食が発生しやすい前記伝熱管に対し
て集中的にスートブローを行うことができ、腐食の進行
を抑えることができる。ここにおいて、管壁温度が前記
温度範囲内になる位置に配置される伝熱管は、前記両熱
交換部における最上段の伝熱管を含めて、この最上段の
伝熱管から所定数下段の伝熱管までとすることもでき
る。
【0011】前記構成によれば、排ガスの流通に応じ
て、適切なスートブローを確実に行うことができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は、この発明の一実施例にお
ける縦断面説明図であり、また図2は、図1のII−II線
に沿う縦断面説明図である。
【0013】この発明に係る排ガス用熱交換器は、上昇
流ダクト1および下降流ダクト2を備え、これらのダク
ト1,2の上端開口部同士が、連結ダクト3で連結され
ている。また、前記上昇流ダクト1の下端側方部には、
排ガス流入口4が設けられており、一方前記下降流ダク
ト2の下端側方部には、排ガス流出口5が設けられてい
る。前記上昇流ダクト1内には、複数本の伝熱管6,
6,…を多段に配置した第一熱交換部7が設けられてい
る。同様にして、前記下降流ダクト2内にも、複数本の
伝熱管6,6,…を多段に配置した第二熱交換部8が設
けられている。前記各伝熱管6は、ほぼ水平に配置され
ているとともに、排ガスの流れ方向に沿って千鳥状に配
置されている。また、前記各伝熱管6には、多数の伝熱
フィン9,9,…が設けられている。
【0014】図2に示すように、前記第二熱交換部8に
おいて、前記各伝熱管6の両端は前記下降流ダクト2の
側壁を貫通して設けられ、第一ヘッダ10および第二ヘ
ッダ11にそれぞれ連通している。これらの両ヘッダ1
0,11内には、複数の仕切部材12,12,…が設け
られ、これらの各仕切部材12で仕切られた小室(符号
省略)には、上下方向に隣接する2段分の前記各伝熱管
6がそれぞれ連通している。ただし、前記第一ヘッダ1
0の最下方に位置する小室には、最下段の前記各伝熱管
6のみが連通しているとともに、被加熱流体の流入管1
3が接続されている。また、前記第二ヘッダ11の最上
方に位置する小室には、最上段の前記各伝熱管6のみが
連通しているとともに、前記第一熱交換部7と前記第二
熱交換部8とを連結する連結管14が接続されている。
【0015】したがって、前記流入管13から流入した
被加熱流体としての水は、前記第二熱交換部8におい
て、最下段の前記各伝熱管6から順番に次段の前記各伝
熱管6へ流れ、方向を転換しながら上昇し、前記連結管
14から前記第一熱交換部7へ流れるようになってい
る。一方、前記第一熱交換部7も前記第二熱交換部8と
同様の構成になっており(図示省略)、前記連結管14
から流入した被加熱流体は、最上段の前記各伝熱管6か
ら順番に次段の前記各伝熱管6へ流れ、方向を転換しな
がら下降し、最下段の流出管(図示省略)から外部へ流
出するようになっている。
【0016】このようにして、被加熱流体は、前記第二
熱交換部8,前記第一熱交換部7の順に流通し、一方ボ
イラ等の熱機器(図示省略)からの排ガスは、前記排ガ
ス流入口4から前記上昇流ダクト1内へ流入し、前記上
昇流ダクト1,連結ダクト3,下降流ダクト2の順に流
通して、前記排ガス流出口5から外部へ流出する。これ
らの流通過程において、排ガスと被加熱流体との熱交換
が行われる。
【0017】また、前記両熱交換部7,8の上方には、
スートブロー手段15として、複数のスートブロー管1
6,16,…がそれぞれ設けられている。これらの各ス
ートブロー管16の下面には、複数の洗浄流体噴出口
(図示省略)が設けられている。前記スートブロー手段
15は、前記熱機器の運転時,すなわち排ガス流通時は
前記第二熱交換部8のみスートブローを行い、前記熱機
器の停止時,すなわち排ガス非流通時は前記両熱交換部
7,8のスートブローを行うように制御される。一方、
前記両ダクト1,2の底部には、落下してきた洗浄流体
を排出する排出管17がそれぞれ設けられている。
【0018】ここで、図3に基づいて、前記スートブロ
ー手段15の制御手順について説明する。まず、ステッ
プS1で、スートブロー信号の有無を判定する。このス
ートブロー信号は、スートブローの操作ボタンを操作す
ることにより出力されたり、前記各伝熱管6の煤の付着
状況を前記排ガス流出口5の排ガス温度によって検出し
て自動的に出力されたりする。スートブロー信号がある
場合は、ステップS2へ移行し、排ガス流通時か否かを
判定する。そして、排ガス流通時は、ステップS3へ移
行し、前記第二熱交換部8のみスートブローを行う。ま
た、排ガス非流通時は、ステップS4へ移行し、前記両
熱交換部7,8の両方のスートブローを行う。ここで、
前記排ガス流通の判定においては、排ガスが流通してい
るか否かを流量センサや温度センサ等により直接検出し
て判定することもできるし、前記熱機器が運転中か否か
により判定することもできる。
【0019】以上のように、前記構成によれば、排ガス
流通時にスートブローを行う場合は、前記第二熱交換部
8に対してのみスートブローが行われ、排ガスの流通方
向と同方向へ洗浄流体が噴霧される。したがって、洗浄
流体の噴霧状態が乱されることがなく、確実なスートブ
ローを行うことができる。一方、排ガス非流通時は、洗
浄流体の噴霧状態が排ガスの流れの影響を受けないの
で、前記両熱交換部7,8に対してスートブローが行わ
れ、全体的に煤が除去される。
【0020】ところで、前記構成において、前記両熱交
換部7,8の最上段に位置する前記各伝熱管6は、排ガ
ス流通中において、その管壁温度が、排ガス中の水蒸気
が凝縮する露点温度を基準にして±10℃の温度範囲内
になる位置に配置されている。これは、前記第一熱交換
部7で凝縮水の落下が生じないようにするためである。
管壁温度が前記温度範囲内にあると凝縮水の発生は少な
く、落下するほど多量の凝縮水は発生しない。ここで、
前記両熱交換部7,8の最上段および次段に位置する前
記各伝熱管6を、その管壁温度が前記温度範囲になる位
置に配置することもできる。
【0021】ここにおいて、前記露点温度は、前記熱機
器において使用される燃料の種類や、排ガス中の酸素濃
度等により変化する。たとえば、ガス燃料では約50
℃,油燃料では約45℃である。
【0022】そして、前記構成によれば、前記第一熱交
換部7は顕熱を回収するための顕熱回収熱交換部とな
り、また前記第二熱交換部8は潜熱を回収するための潜
熱回収熱交換部となって、両者が確実に区分される。し
たがって、凝縮水の落下は、前記第二熱交換部8でのみ
発生し、前記第一熱交換部7では発生せず、凝縮水の落
下に伴う圧力損失の増大や熱回収効率の低下を防止する
ことができる。すなわち、前記上昇流ダクト1内で凝縮
水が落下すると、上昇方向へ流れる排ガスの流れを乱
し、圧力損失の増大や熱回収効率の低下を引き起こす
が、凝縮水が落下しないので、これらの問題が生じるこ
とはない。また、下段の前記各伝熱管6に落下した凝縮
水が高温の排ガスと接触して再蒸発すると、排ガス中か
ら凝縮水中へ混入している硫酸成分等の腐食成分の濃度
が高くなって腐食が発生しやすくなるが、これも防止す
ることができる。
【0023】また、管壁温度が前記温度範囲内にある前
記各伝熱管6では、腐食が発生しやすい。よって、前記
構成によれば、腐食が発生しやすい前記各伝熱管6に対
して集中的にスートブローを行うことができ、腐食の進
行を抑えることができる。そして、管壁温度が前記温度
範囲内にある前記各伝熱管6,すなわち前記両熱交換部
7,8の最上段(あるいは最上段および次段)に位置す
る前記各伝熱管6は、高耐食性の材料,たとえばニッケ
ル系合金鋼によって形成しており、他の前記各伝熱管6
は、SUS304やSUS310等の通常のステンレス
鋼で形成している。そうすることにより、腐食の発生を
確実に防止することができるとともに、経済性にも優れ
ている。
【0024】
【発明の効果】この発明によれば、排ガスの流通に応じ
て、適切なスートブローを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における一実施例の縦断面説明図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う縦断面説明図である。
【図3】この発明の一実施例におけるスートブローの制
御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 上昇流ダクト 2 下降流ダクト 6 伝熱管 7 第一熱交換部 8 第二熱交換部 15 スートブロー手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K061 QB12 QB13 QC06 QC08 3L103 AA12 AA23 AA31 BB05 CC02 CC27 DD08 DD33 DD82

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の伝熱管6を多段に配置した第一
    熱交換部7および第二熱交換部8を備え、前記第一熱交
    換部7を上昇流ダクト1内に設けるとともに、前記第二
    熱交換部8を下降流ダクト2内に設け、前記両熱交換部
    7,8の上方にスートブロー手段15を設けた排ガス用
    熱交換器において、排ガス流通時は前記第二熱交換部8
    のみスートブローを行い、排ガス非流通時は前記両熱交
    換部7,8のスートブローを行うことを特徴とする排ガ
    ス用熱交換器のスートブロー方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7814742B2 (en) 2006-12-13 2010-10-19 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Integrated coal gasification combined cycle plant
CN103185469A (zh) * 2012-01-03 2013-07-03 杭州爱士德环保设备有限公司 一种板管式热交换器
CN105588457A (zh) * 2015-12-04 2016-05-18 周永伟 全自动清洁热能回收装置
KR101994903B1 (ko) * 2018-07-16 2019-07-01 지이큐솔루션 주식회사 편마모 억제가 가능한 수평형 테일 앤드 보일러용 부착 분진 제거장치 및 이를 이용한 수평형 테일 앤드 보일러

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