JP2001152837A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置

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JP2001152837A
JP2001152837A JP33108999A JP33108999A JP2001152837A JP 2001152837 A JP2001152837 A JP 2001152837A JP 33108999 A JP33108999 A JP 33108999A JP 33108999 A JP33108999 A JP 33108999A JP 2001152837 A JP2001152837 A JP 2001152837A
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sulfur
amount
exhaust gas
nox
sulfur component
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Junichi Taga
淳一 田賀
Michihiro Imada
道宏 今田
Tatsuo Yamauchi
健生 山内
Kiyotaka Mamiya
清孝 間宮
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/08Exhaust gas treatment apparatus parameters
    • F02D2200/0818SOx storage amount, e.g. for SOx trap or NOx trap
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気通路のNOx吸収材から付着したイオウ
成分を放出する際に、NOx吸収材へのイオウ成分の付
着量を正確に推定することを課題とする。 【解決手段】 NOx吸収材へのイオウ成分の付着量
を、連続リーン運転時間を考慮に入れて推定する。特
に、連続リーン運転時間が短いときほど、イオウ成分の
付着速度が小さくなり、また、連続リーン運転時間が長
いときほど、同じくイオウ成分の付着速度が小さくなる
特性を用いてイオウ成分の付着量を推定する。NOx吸
収材へのイオウ成分の付着量の推定精度が向上し、イオ
ウ放出処理を無駄なく効率よく遂行することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンの排気浄化
装置、特に排気通路にNOx吸収材が配設されたエンジ
ンの排気浄化装置に関し、排気ガス浄化の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用等のエンジンにおいて
は、排気ガス中に含まれるCO(一酸化炭素)、HC
(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)等の有害成分を除
去する装置として三元触媒が用いられる。しかし、近年
における燃費性能の向上を目的とした直噴成層燃焼方式
等を採用するエンジンの場合、排気ガス中の酸素濃度が
高くなるため、ウィンドウが理論空燃比近傍の狭い範囲
にある従来の三元触媒ではNOxを充分に除去できない
という問題が発生する。
【0003】これに対処するものとして、排気通路に、
空燃比がリーン(酸素過剰状態)のときには排気ガス中
のNOxを吸収し、空燃比がリッチ(酸素不足状態)に
なれば吸収していたNOxを放出するNOx吸収材を用
いた触媒装置(NOx触媒装置)を配置することが知ら
れている。これによれば、空燃比を適切に制御すること
により、リーン状態では、NOxが上記NOx吸収材に
吸収されて、外部への排出が抑制され、またリッチ状態
では、NOxが上記NOx吸収材から放出されて、多量
に存在するCO,HCと反応し、やはり外部への排出が
抑制される。その結果、成層燃焼方式を採用するエンジ
ンのNOx排出量を効果的に低減させることが可能とな
る。
【0004】しかし、上記のNOx吸収材は、例えば燃
料中に含まれるイオウ成分等の他の物質とも結びつきや
すく、その付着量の増大によりNOx吸収能力が低下す
るという問題がある。特に、この種のNOx吸収材とし
て効果の高いバリウムを用いたものはSOx(イオウ酸
化物)と結びつきやすく、その付着量の増加によりSO
x被毒状態となってNOx浄化能力が著しく低下するの
である。
【0005】このようなNOx吸収材のSOx被毒を解
消する方法としては、NOx吸収材を、例えば600〜
650℃以上の高温に加熱することが有効であると知ら
れている。すなわち、一般に、NOx吸収材に付着した
イオウ成分の付着量を推定していき、その推定量が所定
の付着量以上となれば、排気ガスの温度を上昇させるこ
とによりNOx吸収材を上記のイオウ放出可能温度にま
で昇温して、イオウ成分をNOx吸収材から放出させる
のである。そして、そのイオウ成分の放出処理によりN
Ox吸収材から放出されたイオウ成分の放出量を推定し
ていき(あるいは、NOx吸収材に残存しているイオウ
成分の残存量を推定していき)、その推定量が所定の放
出量以上となれば(同じく、所定の残存量以下となれ
ば)、該イオウ成分の放出を終了するのである。
【0006】その場合に、排気ガス温度を上昇させる方
法としては、点火時期を遅角(リタード)させること
や、燃料を分割噴射することが有効であると知られてい
る。これらの点火時期のリタードや燃料の分割噴射は、
いずれも、燃料の未燃成分を増やし、該未燃成分をNO
x吸収材に近い排気通路内でいわゆる「後燃え」させる
ことにより、NOx吸収材に流れ込む排気ガスの温度を
上昇させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオウ放出
処理を実行するかどうかの判断基準となるNOx触媒へ
のイオウ付着量は直接測定することができず、一般に、
推定により定められる。そして、その推定精度が低下
し、推定量に誤差があると、実際よりも多い量のイオウ
付着量が推定されたときは、すでにイオウが完全に除去
されているのに、無駄にイオウ放出処理が続けられるこ
とになり、一方、実際よりも少ない量のイオウ付着量が
推定されたときには、まだイオウが完全には除去されて
いないのに、早々とイオウ放出処理が終了してしまうこ
とになる。
【0008】そこで、特開平9−317447号公報に
は、イオウ成分がNOx吸収材に吸着されずに通過して
しまう量を推定値から除去することにより、イオウ成分
の付着量の推定の正確化を図ることが提案されている。
その場合に、イオウ推定付着量は、まず、イオウ成分の
発生源である燃料の供給量を基本として、該燃料供給量
が多いほどイオウ付着量が多くなるように推定される。
【0009】そして、推定されたイオウ付着量は、排気
ガス温度や、すでに触媒に付着しているイオウ付着量
(既イオウ付着量)に基いて補正される。排気ガス温度
に基く補正は、予め実験的に求められた特性を用いて行
なわれる。また、すでに付着しているイオウ付着量に基
く補正は、すでに付着しているイオウ付着量が多いほど
新規のイオウ付着量が少なくなるような特性を用いて行
なわれる。
【0010】一方、空燃比がリーンの状態での運転中に
NOx吸収材に吸収されたNOx成分を放出させるため
に(NOxパージ)、例えば、所定の時間間隔で、空燃
比がリーンの状態での運転と、空燃比が該リーン状態に
比べてリッチ側にシフトした状態での運転とを切り換え
る場合がある(リッチスパイク運転)。また、本来的
に、運転者の運転操作に応じても、エンジンの運転状態
の変化に伴い、目標とする空燃比が変わって、空燃比が
リーンの状態での運転と、空燃比が該リーン状態に比べ
てリッチ側にシフトした状態での運転との切換えが行な
われる。ここで、SOx被毒もまた、リーン状態におい
て促進され、CO濃度の増加により抑制される傾向にあ
る。
【0011】したがって、この場合、排ガス中のNOx
濃度の高いリーン状態での運転時間が短ければそれだけ
イオウの付着量も少なく、逆に、長ければそれだけイオ
ウの付着量も多いと考えられる。しかし、本発明者ら
が、リーン状態での運転時間とイオウ付着量との関係を
鋭意詳細に検討研究を重ねたところ、もちろん、リーン
時間が長くなるほど累積のイオウ付着量は増加するので
はあるが、イオウの付着速度がリーン時間によって変わ
り、そして、その変わり方が必ずしも予想したような単
純なものではなかったのである。
【0012】すなわち、本発明者らは、リーン状態での
運転時間、それも連続運転時間が、イオウ被毒量に大き
く影響を及ぼすことを見出して本発明を完成したもので
ある。本発明者らは、燃料供給量、排気ガス温度等の因
子をいろいろに変えて、エンジンをリーン状態で連続運
転した結果、その他の種々の因子が同じでも、連続リー
ン時間が異なれば、イオウの付着速度がある種の傾向で
変化することを見出した。つまり、リーン運転連続時間
が短くなればなるほど、イオウ成分の付着速度が小さく
なり、また、リーン運転連続時間が長くなっても、同じ
くイオウ成分の付着速度が小さくなるのである。つま
り、イオウ付着速度が最大となるリーン運転連続時間
(被毒速度ピーク時間)が存在するのである。
【0013】このことは、例えば、イオウ付着速度が最
大となるリーン運転連続時間を5分間とすると、同じ5
分のリーン運転であっても、1分のリーン運転を5回行
ったときに比べて、5分のリーン運転を1回行ったとき
の方が、累積のイオウ付着量が多くなることを意味す
る。また、例えば、同じ20分のリーン運転であって
も、20分のリーン運転を1回行ったときに比べて、5
分のリーン運転を4回行ったときの方が、これまた累積
のイオウ付着量が多くなることを意味する。
【0014】このような現象については、連続リーン運
転時間が被毒速度ピーク時間より短いときは、イオウ成
分とNOx吸収材の構成成分(例えばバリウム)との接
触時間が短く、イオウ成分とバリウム等の触媒構成成分
とが安定した化合物に反応する時間が足らず、結合が弱
くて、次にリッチ雰囲気になったときに、イオウ成分は
そのまま触媒表面から離脱するから、付着率が低下し
て、リーン運転連続時間が短くなればなるほど、イオウ
成分の付着速度が小さくなるものと思われる。
【0015】また、連続リーン運転時間がピーク時間よ
り長くなると、多量のNOxがすでに触媒に吸収されて
いるから、イオウ成分が付着することのできるスペース
がNOx吸収材において極端に減少し、イオウ成分の付
着率が低下して、やはり同様に、リーン運転連続時間が
長くなればなるほど、イオウ成分の付着速度が小さくな
るものと考えられる。
【0016】そこで、本発明は、以上の知見に基づき、
NOx吸収材へのイオウ成分の付着量を連続リーン運転
時間を考慮に入れてより正確に推定することを課題とす
る。以下、その他の課題を含め、本発明を詳細に説明す
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するため、本願の特許請求の範囲における請求項1に
記載の発明は、酸素過剰雰囲気で排気ガス中のNOx成
分を吸収し、酸素濃度の低下によりNOx成分を放出す
るNOx吸収材を排気通路に備えると共に、該NOx吸
収材に付着したイオウ成分の量を推定するイオウ成分付
着量推定手段と、該推定手段で推定されたイオウ成分の
付着量が所定の付着量以上となったときにイオウ成分を
NOx吸収材から放出させるイオウ成分放出手段とを有
するエンジンの排気浄化装置であって、空燃比がリーン
の状態での運転が連続している時間を計測するリーン運
転連続時間計測手段と、該計測手段で計測された時間に
基いて、上記推定手段で推定されたイオウ成分の付着量
を補正するイオウ成分付着量補正手段とが設けられてい
ることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、例えば燃料供給量を基
本として、これに排ガス温度や、既イオウ付着量等に基
く補正を施したイオウ成分の付着量を、さらに、空燃比
がリーンの状態での運転が連続している時間に基いて補
正するように構成したから、より正確なイオウ付着量の
推定が実現する。
【0019】次に、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、燃料供給量に関連する値を
検出する燃料供給量検出手段が設けられ、イオウ成分付
着量推定手段は、この検出手段で検出された燃料供給量
関連値に基いてイオウ成分の付着量を推定することを特
徴とする。
【0020】この発明によれば、特に、イオウ成分の発
生源である燃料の供給量を基本として、イオウ成分の付
着量を推定するから、適正なイオウ付着量の推定が実現
する。
【0021】次に、請求項3に記載の発明は、上記請求
項1又は2に記載の発明において、イオウ成分付着量補
正手段は、リーン運転連続時間計測手段で計測された時
間が短いときほど、イオウ成分の付着速度が小さくな
り、また、リーン運転連続時間計測手段で計測された時
間が長いときほど、同じくイオウ成分の付着速度が小さ
くなる特性を用いてイオウ成分の付着量を補正すること
を特徴とする。
【0022】この発明によれば、特に、前述したような
本発明者らの知見に基く特性でイオウ成分の付着量が推
定される。つまり、例えば、リーン運転が1分間連続し
たときの推定イオウ付着量は、リーン運転が5分間連続
したときの推定イオウ付着量の5分の1ではなく、それ
以下の量のイオウが付着したと推定される。また、リー
ン運転が20分間連続したときの推定イオウ付着量は、
リーン運転が5分間連続したときの推定イオウ付着量の
4倍ではなく、それ以下の量のイオウが付着したと推定
される。ただし、リーン運転連続時間が長くなればなる
ほど推定量自体の累積値が大きくなっていくことはいう
までもない。
【0023】次に、請求項4に記載の発明は、上記請求
項3に記載の発明において、イオウ成分付着量補正手段
は、排気ガス温度、又はすでにNOx吸収材に付着して
いるイオウ成分の量の少なくともいずれかに応じてイオ
ウ成分の付着量を補正することを特徴とする。
【0024】この発明によれば、特に、従来知られるよ
うに、排ガス温度や、既イオウ付着量等に基く補正も施
すので、イオウ成分の付着量の推定がより精度よく行な
われる。
【0025】次に、請求項5に記載の発明は、上記請求
項1ないし4のいずれかに記載の発明において、空燃比
がリーンの状態での運転中にNOx吸収材に吸収された
NOx成分を放出させるために、所定の時間間隔で、空
燃比がリーンの状態での運転と、空燃比が該リーン状態
に比べてリッチ側にシフトした状態での運転とを切り換
えると共に、運転者の運転操作に応じても、空燃比がリ
ーンの状態での運転と、空燃比が該リーン状態に比べて
リッチ側にシフトした状態での運転とを切り換えるエン
ジン運転手段が設けられていることを特徴とする。
【0026】この発明によれば、例えば、飽和したNO
x成分をNOx吸収材から放出させるために、運転者の
運転操作とは無関係に、定期的に、所定の周期で、一定
時間、リーン運転(λ>1)から理論空燃比(λ=1)
運転やリッチ運転(λ<1)に切り換えたり(リッチス
パイク運転)、あるいは、運転者の運転操作に応じて、
例えば、加速要求時や全負荷時には、同じく、リーン運
転から理論空燃比運転やリッチ運転に切り換えたりする
場合に、イオウ成分の付着推定量が、連続リーン運転時
間に基いて補正される。
【0027】その結果、例えば、リッチスパイク運転に
より、運転者の運転操作とは無関係に、定期的に、リー
ン運転からリッチ側の運転に切り換えられた場合であれ
ば、その周期が分かっているから、イオウ付着の推定量
がバラつくことは少ないが、運転者の運転操作に応じて
リーン運転からリッチ側の運転に切り換えられた場合に
は、そのとき毎に連続リーン運転時間が異なり、イオウ
付着量の推定がより大きな重みをもつようになる。した
がって、その場合に、本発明を適用することにより、精
度のよいイオウ推定量が得られ、本発明の効果が顕著化
する。
【0028】また、NOx放出のために行うリッチスパ
イク運転の周期を、イオウ付着速度が小さいリーン運転
時間に設定すると、時間の経過の割にNOx吸収材のイ
オウ付着量、つまりイオウ被毒状態が低減され、NOx
触媒装置のNOx吸蔵能力ないし触媒機能の低下が抑制
される。以下、発明の実施の形態を通して本発明をさら
に詳しく説明する。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、直噴成層燃焼式エンジン
の制御システムを示すもので、エンジン1の本体2には
ピストン3によって画成された複数の燃焼室4が設けら
れ、該燃焼室4の上部中央に点火プラグ5が配設されて
いると共に、側部には燃焼室4内に直接燃料を噴射する
インジェクタ6が設置されている。
【0030】また、このエンジン1には、吸気弁7及び
排気弁8を介して上記燃焼室4にそれぞれ通じる吸気通
路9及び排気通路10が設けられており、吸気通路9に
は、上流側からエアクリーナ11、エアフローセンサ1
2、スロットルバルブ13及びサージタンク14が設け
られている。
【0031】そして、このサージタンク14の下流側は
各気筒ごとに分岐した独立吸気通路9aとされていると
共に、各独立吸気通路9aの燃焼室4を臨む下流端部が
第1通路9bと第2通路9cとに分割され、第2通路9
cに備えられたスワール生成弁15を閉じたときに、第
1通路9bから燃焼室4に導入される吸気により該燃焼
室4内にスワールが生成されるようになっている。
【0032】一方、排気通路10には、理論空燃比(λ
=1)近傍で排気ガス中のCO,HC及びNOxを同時
に除去する三元触媒装置16が配置されていると共に、
この三元触媒装置16の下流側には、特に排気ガス中の
NOxを除去するNOx触媒装置17が配置されてい
る。このNOx触媒装置17は、空燃比がリーン状態
(λ>1)での運転時に三元触媒装置16で浄化されず
に流れ込んでくるNOxを吸収してその外部への排出を
抑制すると共に、空燃比が理論空燃比近傍ないしリッチ
状態(λ≦1)になったときに、吸収していたNOxを
放出してリッチ状態で排気ガス中に多量に存在するC
O,HCと反応させることにより、同じくNOxの外部
への排出を抑制するもので、バリウムを主成分とし、カ
リウム、マグネシウム、ストロンチウム及びランタン等
を含むNOx吸収材を内装する。
【0033】また、この排気通路10における上記三元
触媒装置16の上流側所定位置と、吸気通路9における
サージタンク14の上流側所定位置との間には、排気通
路10内を流れる排気ガスの一部を吸気通路9に還流す
る排気還流通路18が設けられていると共に、この通路
18の吸気通路9との合流部近傍には排気ガスの還流量
を調節する排気還流制御弁19が設置されている。
【0034】さらに、このエンジン1には、コントロー
ルユニット(以下、「ECU」と記す)20が備えら
れ、このECU20に、上記エアフローセンサ12から
の吸入空気量を示す信号、スロットルバルブ13の開度
を検出するスロットル開度センサ21からの信号、排気
還流制御弁19の開度を検出する還流量センサ22から
の信号、サージタンク14内の吸気負圧を検出するブー
ストセンサ23からの信号、インジェクタ6に供給され
る燃料の圧力を検出する燃圧センサ24からの信号、エ
ンジン本体2内における冷却水の温度を検出する水温セ
ンサ25からの信号、燃焼室4に近い側に設けられ、排
気ガス中の残存酸素濃度から燃焼室4に供給されている
混合気の空燃比が理論空燃比よりリッチかリーンかを検
出する第1O2センサ26からの信号、排気ガスの温
度、より詳しくはNOx触媒装置17に流入する直前の
排気ガス温度を検出する排気温センサ27からの信号、
例えばNOx触媒装置17のイオウ被毒状態を所定の時
期に検出するための第2O2センサ28からの信号、エ
ンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ29か
らの信号、当該車両の運転者の操作によるアクセルペダ
ルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ30から
の信号、吸気の温度を検出する吸気温センサ31からの
信号、大気圧を検出する大気圧センサ32からの信号等
が入力されるようになっている。
【0035】そして、ECU20は、これらの信号が示
すエンジン1の運転状態等に応じて、上記スロットルバ
ルブ13を駆動するアクチュエータ33、排気還流制御
弁19、インジェクタ6、スワール生成弁15を駆動す
るアクチュエータ34、及び点火プラグ5を点火させる
点火回路35等にそれぞれ制御信号を出力し、スロット
ルバルブ13の開度の制御、排気ガスの還流制御、燃料
噴射量及び噴射時期の制御、スワールの生成制御、及び
点火時期の制御等を総合的に行うようになっており、特
に、これらの制御の一環として、上記NOx触媒装置1
7によるNOx浄化制御及び該触媒装置17のイオウ被
毒解消制御を行うようになっている。以下、これらのN
Ox浄化制御及びイオウ被毒解消制御について説明す
る。
【0036】まず、NOx浄化制御を概説する。図2
は、このエンジン1の目標空燃比マップである。同図に
示すように、このマップにおいては、エンジン回転数と
エンジン負荷とをパラメータとするエンジンの運転領域
が、低中回転低中負荷の第1の領域Aと、高回転高負荷
の第2の領域Bと、これらの領域A,Bの間に設けられ
た第3の領域Cと、所定エンジン回転数以上の低負荷領
域に設けられ、燃焼室4内への燃料の噴射が停止される
燃料カット領域Dとに分割されている。
【0037】最も運転頻度の高い第1の領域Aは、空燃
比(A/F)を大きくするリーン運転領域である。この
リーン運転領域Aにおけるリーン運転時は、燃料を圧縮
行程中に噴射し(後期噴射)、燃料を点火プラグ5の近
傍に偏在させて成層燃焼させる。このリーン運転時は、
排ガス中のCOやHCの排出量が少なくなる一方、酸素
濃度及びNOx濃度が高くなる。しかし、NOxはNO
x触媒装置17に吸収されるから、燃費性能と排気性能
とが共に向上することになる。
【0038】また、高速運転時や加速時等の運転領域で
ある第2の領域Bは、空燃比を小さくするリッチ運転領
域である。このリッチ運転領域Bにおけるリッチ運転時
は、燃料を吸気行程中に噴射し(前期噴射)、燃料を燃
焼室4内で充分に気化霧化させる。このリッチ運転時
は、排ガス中のCOやHCの排出量が多くなる一方、酸
素濃度及びNOx濃度が低くなる。しかし、NOx触媒
装置17に吸蔵されていたNOxと、CO,HCとが酸
化還元反応するから、良好なトルクが得られると共に排
気性能が向上することになる。
【0039】さらに、第3の領域Cは、空燃比を理論空
燃比(A/F=14.7)にする理論空燃比運転領域
(λ1運転領域)である。この理論空燃比運転領域Cに
おける理論空燃比運転時は、上記リッチ運転時と同様、
燃料を吸気行程中に噴射し(前記噴射)、燃料を燃焼室
4内で充分に気化霧化させる。この理論空燃比運転時
は、排ガス中のCO,HC,NOxが三元触媒装置16
によって同時に浄化される。
【0040】図3のタイムチャートに示すように、リー
ン運転が継続するに伴い、NOx触媒装置17に吸収さ
れるNOxの量が増加していく。これをそのまま放置す
ると、そのうち飽和状態となり、NOx触媒装置17の
触媒機能が低下するから、吸収したNOxを放出するた
めに、図中符号アで示す所定の周期で、符号イで示す所
定時間だけ、空燃比を理論空燃比(λ=1)とする。明
らかに、上記所定周期アは、NOx触媒装置17がNO
x飽和状態になるより短い周期に設定されている。これ
により、NOx触媒装置17のNOx吸蔵能力が回復
し、再びNOxを安定的に吸収できるようになる。
【0041】NOx触媒装置17に吸収されたNOx
は、このように定期的且つ意図的に放出処理されるほ
か、運転者の運転操作に応じて、例えば、図中符号ウで
示すように運転領域がリーン運転領域Aからリッチ運転
領域Bに切り換わったときや、理論空燃比運転領域Cに
切り換わったときにも、該触媒装置17から放出され、
NOx触媒装置17のNOx吸蔵能力が回復することに
なる。
【0042】次に、本発明の特徴部分を構成するNOx
触媒装置17のイオウ被毒解消制御を図4のフローチャ
ートに従って説明する。ただし、図4に示したフローチ
ャートは、このイオウ被毒解消制御の具体的動作の一例
を示すものであると共に、主としてリーン運転が継続し
ている場合の動作を代表してよく示すものである。ま
た、図5に示したタイムチャートも、走行中の一時期に
おけるNOx浄化制御及びイオウ被毒解消制御の動作の
一例を示すものであり、特に、NOx吸収量とイオウ付
着量との比率を正確に示すものではなく、その増減して
推移する方向性の一例を示すためのものである。
【0043】最初に、この制御の基本的なおよその流れ
を説明する。このイオウ被毒解消制御は、イグニッショ
ンスイッチがオンである期間中繰り返し実行される。ま
た、このイオウ被毒解消制御は、燃料噴射量、燃料噴射
時期、および点火時期の各制御と無関係なサイクルで実
行される。そして、燃料の供給に伴ってNOx触媒装置
17、より詳しくは該触媒装置17のNOx吸収材に付
着するイオウ成分量Saの推定を行なう(ステップS
3)。
【0044】そして、そのイオウ付着量Saが所定量S
01以上となり(ステップS5で肯定的判定)、且つ、
所定のイオウ放出実行許可条件が満足されている(ステ
ップS9で肯定的判定)ときに、イオウ放出処理を実行
する(ステップS10)。このイオウ放出処理は、燃料
の分割噴射や点火時期のリタードによって排気ガス温度
Tmpを上昇させ、もってNOx触媒装置17をイオウ
放出可能温度にまで昇温させることにより行う。
【0045】そして、このイオウ放出処理によって、N
Ox吸収材から放出されたイオウ成分量を推定すること
により、NOx吸収材におけるイオウ成分の残存量Sr
を推定する(ステップS11)。その結果、NOx吸収
材におけるイオウ残存量Srがゼロとなったとき(ステ
ップS12で肯定的判定)に、フラグFやタイマ類をリ
セットして、今回のイオウ放出処理を終了する(ステッ
プS17)。
【0046】以上は、イオウ放出実行許可条件が継続し
て満足され、イオウ放出処理がイオウ残存量Srがゼロ
となるまで円満に遂行された場合である。これに対し、
実行許可条件が運転者の運転操作により満足されず、そ
の結果、NOx触媒装置17のイオウ付着量Saが所定
量S01以上となってイオウを除去する必要が生じてい
ても、イオウ放出処理を実質的に開始できない状況(ス
テップS9で否定的判定)や、いったん開始したイオウ
放出処理を途中で中断しなければならない状況(ステッ
プS13で否定的判定)が生じ得る。そのようなとき
は、イオウ放出処理が円満に終了したときとは別の処置
が講じられる(ステップS18〜S20)。以下、順に
ステップを追って説明する。
【0047】まず、ステップS1で、イオウ被毒時間T
sを計測する。このイオウ被毒時間Tsは、イオウがN
Ox触媒装置17に付着し始めてからの経過時間であ
る。このイオウ被毒時間Tsは、イオウ放出処理が円満
に終了したときにのみ、ステップS17でリセットされ
るが、ステップS9で否定的判定がなされてイオウ放出
処理が開始できないときや、ステップS13およびステ
ップS16で否定的判定がなされてイオウ放出処理が途
中で強制的に中断されたときには、リセットされず、計
測が続けられる。
【0048】次に、ステップS2で、リーン運転の連続
継続時間Tlnを計測する。このリーン継続時間Tln
の計測は、具体的には、図5のフローチャートに従って
行われ、ステップS31でリーン運転か否かを判定し、
リーン運転のときは、ステップS32でリーン時間Tl
nを計測していく。一方、リーン運転でないときは、ス
テップS33でリーン時間Tlnをリセットする。ただ
し、それまでにステップS32で計測したリーン時間T
lnの最後の値はメモリに格納しておく。これにより、
リーン運転がNOx浄化制御によって定期的に中断した
り、あるいは運転者の運転操作に応じてランダムに中断
する度に、それまで行われていたリーン運転の連続継続
時間Tlnがメモリに残存する。
【0049】メインフローに戻り、次に、ステップS3
で、NOx触媒装置17のイオウ被毒状態、すなわちイ
オウ付着量Saを推定する。このイオウ付着量Saの推
定は、具体的には、図6のフローチャートに従って行わ
れ、ステップS41で、図1に示す各センサからのデー
タを読み込んだうえで、前回イオウ付着量Saを推定し
てから今回イオウ付着量Saを推定するまでの間にイン
ジェクタ6から噴射された燃料の量(燃料供給量)Tp
を算出する。
【0050】次に、ステップS42で、上記燃料供給量
Tpに基づいて、前回イオウ付着量Saを推定してから
今回イオウ付着量Saを推定するまでの間に増加したイ
オウ付着量(すなわち、単位時間当たりにNOx触媒装
置17に付着したイオウ付着瞬時量)の基本値Svを設
定する。ここで、この基本イオウ増加量Svは、図7に
示すように、イオウの発生源である燃料の上記供給量T
pに略比例する。
【0051】次に、ステップS43〜S45で、上記基
本イオウ増加量Svに対する補正係数K1,K2,K3
をそれぞれ設定する。すなわち、ステップS43では排
気温センサ27で検出された排ガス温度Tmpに基づい
て第1補正係数K1を、ステップS44では上記ステッ
プS2で計測されたリーン運転継続時間Tlnに基づい
て第2補正係数K2を、そして、ステップS45ではイ
オウ付着量の前回値(既イオウ付着量)Sa[i−1]
に基づいて第3補正係数K3を設定する。
【0052】ここで、第1補正係数K1は、図8に示す
ように、所定の排ガス温度Tmp’をピークにそれより
高くなってもまた低くなっても小さい値に設定される。
また、第2補正係数K2は、図9に示すように、所定の
リーン運転継続時間Tln’をピークにそれより長くな
ってもまた短くなっても小さい値に設定される。また、
第3補正係数K3は、図10に示すように、所定の既イ
オウ被毒量Sa'より多くなったときに小さい値に設定
される。
【0053】特に第2補正係数K2が上記のような特性
であるのは、およそ次のような理由による。すなわち、
リーン運転時間Tlnが長いときは、図11に模式的に
示すように、NOx触媒装置17に用いられているNO
x吸収材の主成分であるバリウム(Ba)にすでに多量
のNOxやイオウ(S)が付着している。そのため、新
規にイオウがバリウムに付着し難くなり、単位時間あた
りのイオウ付着量が減少する。
【0054】また、リーン運転時間Tlnが短いときに
は、図12に模式的に示すように、イオウとバリウムと
の接触時間が短くなるため、これらのイオウとバリウム
との間に強固な結合が生成し難くなり、次に理論空燃比
運転やリッチ運転に切り換わったときに、イオウがNO
x同様、放出され易くなり、やはり単位時間あたりのイ
オウ付着量が減少する。
【0055】つまり、時間の経過とともに累積のイオウ
付着量Saは増加するにしても、例えば、同じ5分間の
リーン運転であっても、1分間のリーン運転を5回行っ
たときに比べて、5分間のリーン運転(図9に示す所定
のリーン運転継続時間Tln’に相当する)を1回行っ
たときの方が、イオウ付着量の累積総量が多くなるので
ある。また、例えば、同じ20分間のリーン運転であっ
ても、20分間のリーン運転を1回行ったときに比べ
て、5分間のリーン運転(同じく、図9に示す所定のリ
ーン運転継続時間Tln’に相当する)を4回行ったと
きの方が、同じくイオウ付着量の累積総量が多くなるの
である。
【0056】したがって、連続リーン運転時間を上記所
定時間Tln’を避けて、それより短くするか、あるい
は長くすることが、イオウ成分をNOx吸収材に付着さ
せ難くする観点から有利となり、前述のNOx浄化制御
においてNOx放出のために定期的に空燃比を理論空燃
比とする周期(ア)は、例えば、上記所定時間Tln’
より短く設定されている。
【0057】そして、このような特性を有する第2補正
係数K2で、基本イオウ増加量Svを補正することによ
り、一層精度の高いイオウ付着量Saの推定が行える。
【0058】次に、ステップS46で、数1に従って、
上記基本イオウ増加量Svに第1〜第3補正係数K1,
K2,K3を乗算することにより、補正イオウ増加量S
v’を算出する。
【0059】
【数1】 そして、ステップS47で、数2に従って、上記補正イ
オウ増加量Sv’を前回推定した既イオウ付着量Sa
[i−1]に加算することにより、今回のイオウ付着推
定量Saを算出する。
【数2】
【0060】なお、イオウ被毒、すなわちNOx吸収材
へのイオウ成分の付着は、排気ガスが先に流入するNO
x触媒装置17の上流部分から優先して始まる。つま
り、触媒装置17は一様にはイオウ成分が付着せず、イ
オウ成分は排ガスの通過経路に沿って偏って付着する。
それゆえ、イオウ付着量Saを推定するにあたり、触媒
装置17を排ガスの通過経路に沿って一般にn個のブロ
ックに分割して考え、各ブロック毎にイオウ付着量Sa
[j](j=1〜分割数n)を推定して、その総和(S
a[1]+…+Sa[n])を触媒装置17全体のイオ
ウ付着量Saとすることができる。明らかに、上流側ブ
ロックのイオウ付着量Sa[j]は、下流側ブロックの
それに比べて多く推定されることになる。
【0061】あるいは、各ブロック毎に推定したイオウ
付着量Sa[j]の平均値((Sa[1]+…+Sa
[n])/n)を触媒装置17のイオウ付着量Saを代
表する値として取り扱うようにすることもできる。
【0062】このような考え方については、後にステッ
プS11でさらに詳しく述べる。
【0063】メインフローに戻り、次に、ステップS4
で、フラグFが1にセットされているか否かを判定し、
フラグFが1にセットされていない場合、ステップS5
で、上記ステップS3で推定したイオウ被毒量Saが予
め設定された判定基準量S01以上か否かを判定し、基
準量S01以上のときに、ステップS6で上記フラグF
を1にセットし、ステップS7以下を実行する。これに
対し、ステップS4で、すでにフラグFが1にセットさ
れている場合は、イオウ被毒量Saが判定基準量S01
以上か否かを判定することなく、直ちにステップS7以
下を実行する。また、ステップS5で、イオウ付着量S
aが判定基準量S01未満のときは、ステップS2に戻
る。
【0064】ここで、上記判定基準量S01は、例えば
触媒装置17のNOx浄化効率が80%にまで低下する
ときのイオウの付着量等に設定される。すなわち、上記
フラグFは、触媒装置17のNOx浄化効率がNOxエ
ミッションに影響を及ぼすほどに低下するぐらいの量の
イオウ成分が該触媒装置17に付着しているかどうかを
表示するイオウ除去要求フラグである。
【0065】ステップS7では、NOx触媒装置17に
対するイオウ放出処理実行時の排ガス温度Tmpの標準
的な目標値である第1目標温度T1を設定する。この第
1目標温度T1は、ステップS1で計測したイオウ被毒
時間Tsに基づいて設定される。その場合に、図13に
示すように、第1目標温度T1は650℃と700℃と
の間の温度に設定され、イオウ被毒時間Tsが長いとき
は、短いときに比べて、高い温度に設定される。また、
第1目標温度T1を、さらに、ステップS3で推定した
イオウ付着量Saに基づいて補正してもよい。この場合
も、図13に準じて、第1目標温度T1は、イオウ付着
量Saが多いときは、少ないときに比べて、高い温度に
補正される。
【0066】なお、上記イオウ被毒時間Tsは、前述し
たように、ステップS9で否定的判定がなされてイオウ
放出処理が開始できないときや、ステップS13および
ステップS16で否定的判定がなされてイオウ放出処理
が途中で強制的に中断されたときにはリセットされずに
計測が続けられるから、そのようなときは、ステップS
9およびステップS13で肯定的判定がなされ続けてス
テップS17でイオウ放出処理が円満に終了したときに
比べて、長いイオウ被毒経過時間Tsが計測され、高い
第1目標温度T1が設定される。これにより、長期間に
亘って付着しているイオウ成分を効率よく速やかに放出
除去することが可能となる。
【0067】次に、ステップS8で、イオウ放出処理実
行時の排気ガス温度Tmpの最終値T0を選択する。す
なわち、上記ステップS7で設定した第1目標温度T1
と、後述するステップS19で設定した第2目標温度T
2とを比較し、高い方を目標排ガス温度T0として最終
的に選択するのである。
【0068】ここで、ステップS19は、イオウ放出実
行許可条件が満足されないことにより、イオウ放出処理
が実質的に開始できないとき(ステップS9で否定的判
定があったとき)、あるいは、いったん開始したイオウ
放出処理が途中で強制終了するとき(ステップS13で
否定的判定があったとき)に実行されるルーティンであ
る。したがって、イオウ放出処理が円満に最後まで遂行
されたとき(ステップS12で肯定的判定があったと
き)は、第2目標温度T2は設定されず、このステップ
S8において、ステップS7で設定した第1目標温度T
1がそのまま無条件に最終目標排ガス温度T0に選択さ
れる。
【0069】なお、ステップS10のイオウ放出処理で
は、この最終目標排気ガス温度T0が実現するように、
燃料の分割噴射や点火時期のリタードが行なわれ、その
結果、NOx触媒装置17に付着したイオウ成分が除去
される。その場合に、ステップS10のイオウ放出処理
の開始時一定期間においては、上記の最終目標排ガス温
度T0よりも所定温度だけ高い温度を目標温度としても
よい。これにより、排気ガス温度Tmpの立ち上がりが
促進され、イオウ成分が放出処理開始後速やかに除去さ
れ始める。図13に示す破線は、例えば第1目標温度T
1がそのまま最終目標排ガス温度T0に選択された場合
において、そのようにイオウ放出処理の開始時一定期間
においてのみ設定する最終目標排ガス温度T0よりも高
い目標温度を例示するものである。
【0070】次いで、ステップS9で、イオウ放出実行
許可条件が満足されているか否かの判定を行う。すなわ
ち、車速Vがイオウ放出処理を実行しても不具合のない
所定車速V01以上であるか否かを判定するのである。
【0071】なお、ここでイオウ放出実行許可条件を車
速で設定したのは、低車速時にイオウ放出処理のために
分割噴射や点火時期のリタードを行っても排気ガス温度
Tmpがイオウ放出可能温度である目標温度T0(例え
ば、この実施の形態においては、図13より、T0≧6
50℃)まで上昇せず効率のよいイオウ放出処理が実現
しないこと、低車速時にイオウ放出処理のために分割噴
射や点火時期のリタードを行うとエンジン出力が過度に
不安定化することなどの理由による。しかし、イオウ放
出実行許可条件は、これに限られず、一般に、イオウ放
出処理を実行することにより何らかの不具合が随伴す
る、あるいは随伴する不具合が相対的に大きくなるよう
な状況を排除する目的で他のパラメータを用いて設定し
てもよい。
【0072】車速Vが上記所定車速V01以上であると
判定した場合はステップS10に進んでイオウ放出処理
を実行し、車速Vが上記所定車速V01以上でないと判
定した場合にはイオウ放出処理を実行せずにステップS
18に進む。
【0073】ステップS10のイオウ放出処理は図14
に示すフローチャートに従って行なわれる。まず、ステ
ップS51で、現在用いている図2に示す通常時の目標
空燃比マップを、図15に示すイオウ放出処理時の目標
空燃比マップに切り換える。ここで、このイオウ放出処
理時の目標空燃比マップにおいては、全運転領域が理論
空燃比領域Cとされている。すなわち、現在行なわれて
いるリーン運転を禁止して強制的に理論空燃比運転(λ
1運転)とすると共に、燃料カット(F/C)を禁止す
るのである。理論空燃比運転とすることにより、排気ガ
ス中のCO濃度が高くなり、NOx吸収材に付着したイ
オウ成分が放出され易い環境が生成される。また、燃料
カットを禁止することにより、燃料が常に供給され、燃
料噴射制御を利用したイオウ放出処理が安定して遂行さ
れることになる。
【0074】次いで、ステップS52で、分割噴射領域
か否かを判定する。つまり、現在のエンジン1の運転状
態が、イオウ放出のための排気ガスの昇温を燃料の分割
噴射によって行う運転領域内にあるかどうかを判定する
のである。ここで、分割噴射領域は、図15のイオウ放
出処理時のマップにおいて、中回転中負荷領域(斜線を
施した全部分)に設定されている。
【0075】分割噴射領域である場合は、ステップS5
3,S54で、燃料の後期噴射量および後期噴射時期を
設定する。ここで、後期噴射とは、図2の通常時マップ
と同様、燃料を圧縮行程中に噴射することであり、燃料
を吸気行程中に噴射する前期噴射に比べて燃料の気化霧
化が進まず、未燃成分が増加する。
【0076】ステップS53での後期噴射量Tptの設
定は、数3に従って、吸入空気量などから別途定められ
る全燃料噴射量Tpに、後期噴射量係数K4,K5(い
ずれも1未満の値)を乗算することにより行なわれる。
【0077】
【数3】
【0078】ここで、第4の補正係数である、第1後期
噴射量係数K4は、目標排ガス温度T0(イオウ放出処
理の開始時一定期間は目標排ガス温度T0を所定温度だ
け高くする場合も含む)に基いて定められ、図16に示
すように、目標温度T0が高いほど大きな値に設定され
る。また、第5の補正係数である、第2後期噴射量係数
K5は、実排ガス温度Tmpに基いて定められ、図17
に示すように、実排ガス温度Tmpが低いほど大きな値
に設定される。したがって、目標排ガス温度T0が高い
ほど、また、実排ガス温度Tmpが低いほど、後期噴射
量Tptが多くなる。その結果、燃料の未燃成分が一層
増加し、NOx触媒装置17におけるNOx吸収材の温
度がより上昇されることになる。
【0079】一方、ステップS54では、後期噴射時期
は、エンジン負荷が低いときほどより遅くなるように設
定される。したがって、低負荷時で実排ガス温度Tmp
が低いほど、後期噴射時期が遅くなり、燃料の気化霧化
がなお一層進まず、未燃成分がより増加して、NOx触
媒装置17におけるNOx吸収材の温度がより上昇され
ることになる。
【0080】このようにして設定された後期噴射量Tp
t及び後期噴射時期はインジェクタ6に制御信号として
出力され、エンジン1に対する燃料噴射量及び噴射時期
の制御に用いられる。
【0081】次いで、ステップS55で、リタード制御
領域か否かを判定する。つまり、現在のエンジン1の運
転領域が、イオウ放出のための排気ガスの昇温を点火時
期のリタードによって行う運転領域内にあるかどうかを
判定するのである。ここで、リタード制御領域は、図1
5のイオウ放出処理時のマップにおいて、分割噴射領域
のうちの低負荷側の領域(ラインXより下の密に斜線を
施した部分)に重ねて設定されている。すなわち、この
リタード制御領域では、燃料の分割噴射と点火時期のリ
タードとの両方が行なわれる。
【0082】リタード制御領域である場合は、ステップ
S56で、リタード量を設定する。特に、このステップ
S56では、リタード量は、実排ガス温度Tmpが目標
温度T0に収束するようにフィードバック制御される。
【0083】ステップS56のリタード量の設定および
そのフィードバック制御は図18に示すフローチャート
に従って行なわれる。まず、ステップS61で、排気温
センサ27で検出される実排ガス温度Tmpを読み込ん
だうえで、ステップS62で、リタード制御の実行開始
時か否かを判定する。
【0084】そして、リタード制御の開始時の最初の一
回だけステップ63に進み、実排ガス温度Tmpが目標
温度T0以上であるか否かを判定する。その結果、実排
ガス温度Tmpが目標温度T0以上のときは、ステップ
S64で、基本リタード量として、予め設定された高温
用リタード量を設定し、目標温度T0以上でないときに
は、ステップS65で、基本リタード量として、予め設
定された低温用リタード量を設定する。
【0085】ここで、低温用リタード量は、高温用リタ
ード量に比べて、大きなリタード量に設定されている。
これにより、排気ガス温度Tmpが低いときは、高いと
きに比べて、より程度の大きい昇温が図られる。
【0086】一方、リタード制御の開始時でないとき、
つまりリタード制御がすでに開始しているときは、ステ
ップS66に直接進み、実排ガス温度Tmpが目標温度
T0以上であるか否かを判定する。その結果、実排ガス
温度Tmpが目標温度T0以上のときは、さらにステッ
プS68で、実排ガス温度Tmpが、目標温度T0より
ヒステリシスの増分ΔT0だけ高い温度(T0+ΔT
0)以上であるか否かを判定する。そして、そうである
ときには、ステップS69で、リタード量を所定量だけ
減量する。
【0087】一方、ステップS68でそうでないとき、
つまり、実排気ガス温度Tmpが、目標温度T0以上
で、ヒステリシスの増分ΔT0だけ高い温度(T0+Δ
T0)未満であるときには、リタード量をそのまま維持
する。
【0088】さらに、ステップS66で、実排ガス温度
Tmpが目標温度T0以上でないと判定されたときは、
ステップS67で、リタード量を所定量だけ増量する。
【0089】このようにして設定された点火時期のリタ
ード量は点火プラグ5の点火回路35に制御信号として
出力され、エンジン1に対する点火時期の制御に用いら
れる。
【0090】以上により、図14のイオウ放出処理のフ
ローチャートおよび図15のイオウ放出処理時の空燃比
マップから明らかなように、エンジン1の運転状態が中
回転中負荷領域のうちの高負荷側にある場合(ステップ
S52で肯定的判定およびステップS55で否定的判定
の場合)は、排気ガスの昇温のために分割噴射のみ行わ
れる。また、エンジン1の運転状態が中回転中負荷領域
のうちの低負荷側にある場合(ステップS52で肯定的
判定およびステップS55でも肯定的判定の場合)は、
分割噴射と点火時期のリタードとが併せて行われる。
【0091】しかし、エンジン1の運転状態がもともと
中回転中負荷領域にない場合(ステップS52で否定的
判定の場合)には、分割噴射も点火時期のリタードも行
なわれない。つまり、低回転低負荷時、および高回転高
負荷時には、排気ガスの昇温が実質的に行なわれないの
である。
【0092】これは、低回転低負荷領域では、排ガス温
度Tmpがもともと低く、排ガスの昇温を行ってもイオ
ウ放出処理実行可能な目標温度T0まで上昇しない可能
性があると共に、排ガスの昇温を行うとエンジン1の出
力状態が不安定となる可能性があるから、そのような無
駄を回避する目的である。
【0093】一方、高回転高負荷領域では、排ガス温度
Tmpがもともと高く、わざわざ排ガスの昇温を行わな
くてもイオウ放出が行なわれる可能性があると共に、排
ガスの昇温を行うとNOx吸収材ひいてはNOx触媒装
置17が過度に高温となって損傷する可能性があるか
ら、やはりそのような無駄を回避する目的である。
【0094】そして、このような対策を講じることによ
り、分割噴射やリタードを用いた排ガスの昇温に随伴し
て発生する燃費の悪化やトルクの低下などの不具合もま
た必要最小限に抑制される。
【0095】さらに、エンジン1の運転状態が中回転中
負荷領域にあり、排ガスの昇温を行う場合においても、
基本的には、排ガスの昇温を分割噴射で行い、排ガス温
度が相対的に低く、より大きな程度に昇温する必要のあ
る低負荷時においてのみ、リタードも併せて行うから、
リタードによるトルクの低下の不具合がやはり必要最小
限に抑制される。
【0096】メインフローに戻り、次いで、ステップS
11で、NOx吸収材に残存しているイオウ残存量Sr
を推定する。このイオウ残存量Srの推定は、図19の
フローチャートに従って行なわれ、まず、ステップS7
1で、排ガス温度Tmpが650℃以上であるか否かを
判定し、その結果、排ガス温度Tmpが650℃未満の
ときは、ステップS72でイオウ放出処理時間Trをリ
セットし、650℃以上のときは、ステップS73でイ
オウ放出処理時間Trを計測する。
【0097】つまり、上記ステップS7で、図13を用
いて第1目標温度T1を設定したときと同様に、排ガス
温度TmpひいてはNOx触媒17の温度が最低限65
0℃以上のときにイオウ成分が放出され得るものとし
て、この650℃をイオウ成分の放出可能温度の最低温
度としているのである。もちろん、例えばNOx触媒装
置17に流入する排気ガスの空燃比などのその他の環境
条件などにより、このイオウ成分放出可能温度はいろい
ろな値に設定され得るものである。
【0098】次いで、ステップS74以下において、上
記イオウ放出処理時間Trと、排気温センサ27によっ
て検出された排ガス温度Tmpとに基づいて、イオウ放
出量を推定し、該イオウ放出量からイオウ残存量Srを
推定する。
【0099】まず、このステップS74以下で行うイオ
ウ残存量Srの推定動作の概略を説明する。ステップS
3のイオウ付着量Saの推定動作で述べたように、排気
ガスは図20に示すようにNOx触媒装置17の上流部
分から先に流れ込む。したがって、上記ステップS10
で実行するイオウ放出処理においても、イオウ放出可能
温度にまで昇温された排気ガスはNOx吸収材の上流部
分から先に流れ込み、該上流部分が先に昇温されて、イ
オウの放出は該上流部分において優先して始まる。つま
り、触媒装置17は一様にはイオウ成分が放出除去され
ず、イオウ成分は排ガスの通過経路に沿って偏って除去
され、偏って残存する。
【0100】それゆえ、イオウ放出量ないし残存量Sr
を推定するにあたり、触媒装置17を、図20に示すよ
うに、排ガスの通過経路に沿って一般にn個のブロック
(斜線を施した部分)に分割して考え、各ブロック毎に
イオウ残存量Sr[j](j=1〜分割数n)を推定し
て、その総和(Sr[1]+…+Sr[n])を触媒装
置17全体のイオウ残存量Srとするのである。これに
より、精度のよいイオウ放出量ないしイオウ残存量の推
定を図ることが可能となる。明らかに、図20において
左側の上流側ブロックのイオウ残存量Sr[j]は、下
流側ブロックのそれに比べて少なく推定される。
【0101】なお、各ブロック毎に推定したイオウ残存
量Sr[j]の総和(Sr[1]+…+Sr[n])に
代えて、各ブロック毎に推定したイオウ残存量Sr
[j]の平均値((Sr[1]+…+Sr[n])/
n)を触媒装置17のイオウ残存量Srを代表する値と
して取り扱うようにしてもよい。
【0102】この実施の形態においては、一例として、
図20に示すように、NOx触媒装置17を10個のブ
ロックに分割して考えている(j=1〜10)。ステッ
プS74では、イオウ放出処理時間Trと排ガス温度T
mpとに基づいて、全NOx吸収材の容積のうち、イオ
ウ成分が完全に放出除去された領域(完全除去領域)S
Aの割合(%)、換言すればブロックの数を、図21に
示すような特性のマップから設定する。図21に示すよ
うに、完全除去領域SAは、放出処理時間Trが長くな
るほど、また、排ガス温度Tmpが高くなるほど、大き
くなる。つまり、完全除去領域SAに属するブロックの
数が多くなる。
【0103】図21のマップは、例えば、排ガス温度T
mpが700℃のときは、イオウ放出処理時間Trがt
1に到達したときに、また、排ガス温度Tmpが650
℃のときは、それより長いt2に到達したときに、10
個のブロック全部からイオウが放出され、完全除去領域
SAが100%となることを示している。
【0104】次のステップS75では、同じくイオウ放
出処理時間Trと排ガス温度Tmpとに基づいて、NO
x吸収材のうち、イオウ成分が部分的に放出除去された
領域(部分除去領域)SBの割合(%)(ブロック数)
を、図22に示すような特性のマップから設定する。図
22に示すように、部分除去領域SBは、少なくとも放
出処理時間Trが長くなるに従って小さくなり、完全除
去領域SAが100%となったとき(t1またはt2)
に消滅する。
【0105】なお、イオウ成分が全く除去されていない
未除去領域SCの割合(%)(ブロック数)は、上記完
全除去領域SAの割合と部分除去領域SBの割合とを加
えた値を、全NOx吸収材の容積から減算することによ
り求められる。
【0106】次のステップS76では、同じくイオウ放
出処理時間Trと排ガス温度Tmpとに基づいて、部分
除去領域SBにおけるイオウ除去率α(%)を、図23
に示すような特性のマップから設定する。図23に示す
ように、部分除去領域SBにおけるイオウ除去率α
(%)は、この実施の形態においては、放出処理時間T
rとは無関係に、排ガス温度Tmpが高くなるほど大き
くなるように設定されている。
【0107】なお、部分除去領域SBにおけるイオウ残
存率β(%)は、(100−α)%であり、また、完全
除去領域SAにおけるイオウ除去率は100%(イオウ
残存率は0%)、未除去領域SCにおけるイオウ除去率
は0%(イオウ残存率は100%)である。
【0108】次のステップS77では、以上得られた各
データから最終的にNOx吸収材全体のイオウ残存量S
rを算出する。そのためには、例えば、各領域SA,S
B,SC毎に放出されたイオウ成分の量を推定し、その
総和を求め、そして、その値をステップS3で推定した
イオウ付着量Saから減算する。あるいは、各領域S
A,SB,SC毎に放出されたイオウ成分の量を推定
し、その値を各領域SA,SB,SC毎に付着したイオ
ウ成分の量(例えば「Sa/j(ブロックの数)」とす
る)から減算し、そして、その総和を求めてもよい。
【0109】ここで、完全除去領域SAに属するブロッ
ク(上流側ブロック)の各イオウ残存量Sr[j]はゼ
ロであり、未除去領域SCに属するブロック(下流側ブ
ロック)の各イオウ残存量Sr[j]はステップS3で
推定された各イオウ付着量(Sa/j)のままであり、
そして、部分除去領域SBに属するブロック(中央部の
ブロック)の各イオウ残存量Sr[j]は、((Sa/
j)×(100−α))であるから、NOx吸収材全体
の総イオウ残存量Srは、例えば数4に従って求められ
る。
【0110】
【数4】
【0111】なお、式中に記した「SB」、「SC」
は、それぞれNOx吸収材のうちの部分除去領域、未除
去領域の割合(%)を示すものとする。そして、同じく
式中に記した「(j×SB/100)」,「(j×SC
/100)」は、それぞれ部分除去領域、未除去領域に
属するブロックの数を示すものとする。
【0112】ここで求められたNOx吸収材全体の総イ
オウ放出量または総イオウ残存量Srは、一回一回のイ
オウ放出処理について放出されたイオウ放出量またはイ
オウ残存量であって、各イオウ放出処理の結果放出され
たイオウ放出量またはイオウ残存量の累積量ではない。
そして、該放出量あるいは残存量を求めるためのパラメ
ータであるイオウ放出処理時間Trは、ステップS7
1,S72で、排ガス温度Tmpがイオウ放出可能温度
(650℃)以上とならなくなったときにリセットされ
るから、イオウ放出が連続して実行された時間を示し、
途切れ途切れにイオウ放出が行なわれた時間の累積では
ない。
【0113】例えば、1分間のイオウ放出処理を5回行
っても、採用されるイオウ放出処理時間Trは、各イオ
ウ放出処理すべてにおいて1分間であるから、図21〜
図23に示すマップからは、排気ガス温度Tmpが同じ
であれば、常に同じ完全除去領域SAの割合、同じ部分
除去領域SBの割合、および同じ部分除去領域SBにお
けるイオウ除去率αが読み出され、したがって、結果的
に、同じイオウ放出量、同じイオウ残存量が算定される
ことになり、イオウ放出量またはイオウ残存量が更新さ
れることはない。つまり、各1分間のイオウ放出処理の
結果算定された各イオウ放出量またはイオウ残存量をす
べて累積総和するものではないのである。
【0114】したがって、例えば、同じ5分間のイオウ
放出処理であっても、このように1分間のイオウ放出処
理を5回行ったときに比べて、5分間のイオウ放出処理
を1回行ったときの方が、イオウ放出量が多くなり、イ
オウ残存量が少なくなる。
【0115】そして、例えば、1分間のイオウ放出処理
が行なわれたのちに、次に2分間のイオウ放出処理が行
なわれたときに、イオウ放出量あるいは残存量の値が、
その2分間のイオウ放出の結果算定された、より大きい
イオウ放出量、あるいは、より小さい残存量の値に更新
されることになる。
【0116】つまり、イオウ放出処理は、前述したよう
に、昇温された排気ガスが先に流れ込むNOx吸収材の
上流部分から優先して始まり、加熱が遅れるNOx吸収
材の下流部分は時間がある程度経過しないとなかなかイ
オウが除去されない。そして、一回のイオウ放出処理が
終了して、次に再びイオウ放出処理が行われるまでの間
に、NOx吸収材はまた温度が低下するから、この二回
目のイオウ放出処理においても、再度、NOx吸収材は
上流部分から加熱され始める。したがって、このとき
に、また前回と同じ、またはそれ以下の時間で、この二
回目のイオウ放出処理が終了すると、この二回目のイオ
ウ放出処理では、全く何も新しくイオウが除去されるこ
とのないまま終わることになるのである。したがって、
イオウ放出連続時間Trが短くなればなるほど、全体の
イオウ除去率が低下し、イオウ放出連続時間Trが長く
なればなるほど、全体のイオウ除去率が向上するという
ことができる。
【0117】ところで、一般に、リッチ運転時及び理論
空燃比運転時は、リーン運転時に比べて、排ガス温度T
mpが高くなり、自然にイオウ放出可能温度(例えば6
50℃)またはそれ以上にまで上昇することがある。つ
まり、ステップS10のイオウ放出処理を行わなくて
も、リッチ運転時又は理論空燃比運転時は、イオウ放出
をしているのと同じ効果が得られる場合があるのであ
る。
【0118】したがって、例えば、リッチ運転時又は理
論空燃比運転時(λ≦1)であって、且つ、排ガス温度
がイオウ放出可能温度以上のとき(Tmp≧650℃)
は、イオウ放出処理時における上記ステップS11のイ
オウ放出量ないしイオウ残存量Srの推定手法と同じ手
法を用いて、放出除去されたイオウ成分の量を推定し、
それをステップS3で推定したイオウ付着量Saから減
じる等して該推定イオウ付着量Saを修正するとよい。
【0119】これにより、イオウ付着量Saの推定精度
がより向上し、無駄に早い時期にイオウ放出処理が開始
されたり、あるいは無駄に長くイオウ放出処理が続行さ
れるという、実際より多い量のイオウ付着量Saを推定
した場合に生じる不具合が回避されることになる。
【0120】メインフローに戻り、次に、ステップS1
2で、ステップS11で求めた総イオウ残存量Srがゼ
ロであるか否かを判定する。つまり、付着したイオウ成
分がすべて除去され、NOx吸収触媒17のNOx吸蔵
能力ないし触媒機能が完全に回復したか否かを判定する
のである。
【0121】そして、イオウ残存量Srがゼロとなるま
では、ステップS13で、車速Vが第二のイオウ放出実
行許可条件としての第二の判定用所定車速V02以上で
あることを確認しつつ、ステップS10のイオウ放出処
理およびステップS11のイオウ残存量Srの推定を繰
り返す。ここで、上記第二所定車速V02は、第一所定
車速V01よりも低い車速に設定されている。これによ
り、ステップS9で肯定的判定がなされて、いったんイ
オウ放出処理が開始したのちは、車速がある程度は低下
しても該イオウ放出処理が解除され難くなり、排ガス温
度の低下が最小限度にくいとめられる。
【0122】そして、ステップS12でイオウ残存量S
rがゼロであると判定されたときに、ステップS17に
進んで、イオウ除去要求フラグFを0にリセットし、ま
た、イオウ付着経過時間を示すイオウ被毒時間Ts、お
よび後述する運転特性カウンタをそれぞれリセットす
る。そののち、ステップS1にリターンして、イオウ被
毒時間Tsを再び一から計測していくことになる。
【0123】ステップS17に到達するには、いろいろ
なパターンがある。そのうちの最善のパターンは、第
一、第二の両イオウ放出実行許可条件が、ステップS6
でフラグFが1にセットされた当初から継続して満足さ
れ続け、ステップS9およびステップS13で一度も否
定的判定がなされず、イオウ放出処理が当初から円満に
遂行され、そして終了した場合である(図3における符
号エ)。このパターンにおいては、NOx触媒装置17
の機能低下が最も低く抑制される。この第一のパターン
は、ステップS9およびステップS13で常に肯定的判
定がなされることから明らかなように、走行中、より多
くの時間、より高い車速を維持する傾向の多い運転者の
場合に該当する確率が大きい。
【0124】残るステップS14〜S16、およびステ
ップS18〜S20は、そのような上記第一パターン以
外の経路を経るときの処置である。
【0125】すなわち、上記ステップS13で、車速V
が第二所定車速V02以上でないと判定されたとき、つ
まり、イオウ放出処理実行中にかなり減速状態となり、
分割噴射やリタード制御を実行しても、排ガス温度Tm
pが目標温度T0まで上昇せず、効率のよいイオウ放出
処理が続けられなくなったとき、あるいはエンジン出力
が不安定になる可能性が生じたときは、ステップS1
4,S15を実行して、排ガス昇温のための燃料の分割
噴射および点火時期のリタード制御を解除し、また、図
15のイオウ放出処理時の空燃比マップから図2の通常
時の空燃比マップに切り換えて、強制的な理論空燃比運
転(λ1運転)を解除し、燃料カット(F/C)を復活
させる。
【0126】そのうえで、ステップS16で、イオウ残
存量Srが所定のイオウ放出処理終了許可判定量S02
以下であるか否かを判定する。ここで、この終了許可判
定量S02は、ゼロではない比較的小さい値に設定され
ている。その結果、イオウ残存量Srが上記終了許可判
定量S02以下である場合(図3における符号オ)は、
ステップS17に進んで、イオウ放出処理が当初から円
満に遂行され、そして終了した場合と同じに扱う。すな
わち、イオウ除去要求フラグF、イオウ被毒時間Ts、
および後述する運転特性カウンタをそれぞれリセット
し、ステップS1にリターンしたときには、イオウ被毒
時間Tsを再び一から計測していくのである。
【0127】これに対し、ステップS16で、イオウ残
存量Srがイオウ放出処理終了許可判定量S02以下で
ないとき、つまり、まだ多くのイオウ成分が除去されず
に残っているときは、前述のステップS9でイオウ放出
実行許可条件が満足されていないと判定されたときと同
様に、ステップS18以下に進む。
【0128】ステップS18では、運転特性カウンタを
カウントアップする。すなわち、ステップS9で、イオ
ウ放出実行許可条件が運転者の運転操作により満足され
ず、その結果、NOx触媒装置17のイオウ付着量Sa
が所定量S01以上となってイオウを除去する必要が生
じていても、イオウ放出処理を実質的に開始できない状
況や、あるいは、ステップS13で、第二のイオウ放出
実行許可条件が運転者の運転操作により満足されず、そ
の結果、いったん開始したイオウ放出処理を、未だ多く
のイオウ成分が残存しているけれども(Sr>S0
2)、途中で中断しなければならない状況が発生した回
数を計測するのである。
【0129】したがって、この運転特性カウンタのカウ
ント数が多いほど、運転者の運転操作は、より多くの時
間をより低い車速で走行する傾向のものであるといえ
る。換言すれば、フラグFが1にセットされたのちイオ
ウ放出処理が速やかに円満に終了し難い運転特性のもの
であるといえる。
【0130】次いで、ステップS19で、上記運転特性
カウンタのカウント数に基づいて、イオウ放出処理実行
時の排ガス温度Tmpの補強的な目標値である第2目標
温度T2を設定する。この第2目標温度T2は、上記カ
ウント数が多いほど、つまり、イオウ放出処理が速やか
に円満に終了し難いときほど、例えば700〜750℃
などに高く設定される。
【0131】そして、上記ステップS8において、この
補強的な第2目標温度T2と、ステップS7で設定され
る標準的な第1目標温度T1とのうち、高い方の温度が
最終的な目標排ガス温度T0に選択されるから、これに
より、実行され難いイオウ放出処理がいったん実行され
たときには、排気ガスないし触媒装置17がより高い温
度に昇温されて、イオウ成分が効率よく速やかに放出除
去され、イオウ放出処理が短時間で確実に円満に終了す
ることが図られることになる。
【0132】そして、最後に、ステップS20で、NO
x触媒装置17のNOx被毒の抑制を図る。つまり、N
Ox触媒装置17にはかなりな量のイオウ成分が付着し
ていて(Sa≧S01またはSr>S02)、NOx吸
蔵能力および触媒機能が低下しているのであるから、こ
のような状態でリーン運転を行うと、排気ガス中に多量
に含まれるNOxが触媒装置17に吸収されずに大気中
に放出されることになる。
【0133】したがって、例えば、図2に示す目標空燃
比マップにおけるリーン運転領域Aを縮小して、リーン
運転自体を規制又は禁止することにより、排気ガス中に
NOxが多量に含まれないようにし、NOx触媒装置1
7の触媒機能が低下していることに起因するNOxの大
気中への放出を抑制するのである。
【0134】その場合に、そのリーン領域Aを縮小する
程度は、運転特性カウンタのカウント数に応じて決定す
るとより好ましい。該カウント数の大小がNOx触媒装
置17の触媒機能の低下の程度を表わしているからであ
る。明らかに、該カウント数が大きいほど、触媒機能が
より低下しているから、リーン運転領域Aをより大きく
縮小する。
【0135】そして、運転特性カウンタがステップS1
7でリセットされないうちは、イオウ除去要求フラグF
も継続して1にセットされているから、リターンしたと
きに、ステップS5,S6をスキップし、ステップS9
で第1のイオウ放出実行許可条件が満足されたときに、
イオウ放出処理が実行されることになるが、例えば、イ
オウ除去要求フラグFが1にセットされている状態で、
運転者の低車速走行傾向によってイオウ放出が一向に最
後まで(Sr=0まで、あるいはSr≦S02まで)遂
行されないときは、イグニッションスイッチがOFFさ
れたのち、またはONされたのちに、強制的にイオウ放
出処理を実行するようにしてもよい。これにより、走行
する必要のない場合に、運転者の走行の支障とならず
に、イオウを放出処理することができる。特に、エンジ
ン始動時は、空燃比をリッチにして暖機運転するのが通
例であるから、効率よくイオウ放出が行える。
【0136】ただし、この場合、例えばブザーや警告灯
などの警告手段によって、運転者にイオウ放出処理を実
行していることを報知することが好ましい。特に、イグ
ニッションスイッチをOFFしたのにエンジンが停止し
ないことの違和感や、故障であるとの誤認を防ぐことが
できる。
【0137】また、ステップS3で得られるNOx触媒
装置17の推定被毒量Saを、所定の時期にあるいは定
期的に(例えばイオウ付着量Saが所定値となるたび
に、あるいはイオウ放出処理を実行したのちに)、修正
することが好ましい。NOx触媒装置17の下流側の第
2O2センサ28の出力変化時間が、該触媒装置17の
イオウ被毒状態によって変動するから、総イオウ被毒量
推定値Saに応じてリッチスパイク時間(図3における
理論空燃比運転時間イ)を変更し、上記第2O2センサ
28の出力の最大値に基いてイオウ被毒状態を検出する
ことができる。そして、その検出値に応じて推定被毒量
Saを修正するのである。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排気通路に配設したNOx吸収材から付着したイオウ成
分を放出する際に、NOx吸収材へのイオウ成分の付着
量を連続リーン運転時間も考慮に入れてより正確に推定
することができるから、イオウ放出処理を無駄なく効率
よく遂行することが可能となる。本発明は、NOx吸収
材を用いたNOx触媒装置を排気通路に配設した車両一
般に広く好ましく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るエンジンの制御シ
ステム図である。
【図2】 空燃比制御領域を示すマップである。
【図3】 走行中の一時期におけるNOx浄化制御及び
イオウ被毒解消制御の動作を示すため、空燃比、NOx
触媒のNOx吸収量、およびイオウ成分付着量の推移を
表わすタイムチャートである。
【図4】 イオウ被毒解消制御の具体的動作の一例を示
すフローチャートである。
【図5】 同制御における連続リーン運転時間の計測動
作を示すフローチャートである。
【図6】 同制御におけるイオウ付着量の推定動作を示
すフローチャートである。
【図7】 同推定動作で用いる燃料供給量と基本イオウ
増加量との関係を示す特性図である。
【図8】 同じく排気ガス温度と第1補正係数との関係
を示す特性図である。
【図9】 同じく連続リーン運転時間と第2補正係数と
の関係を示す特性図である。
【図10】 同じく既イオウ付着量と第3補正係数との
関係を示す特性図である。
【図11】 連続リーン運転時間が長いときの第2補正
係数K2の特性を説明する模式図である。
【図12】 同じく短いときの第2補正係数K2の特性
を説明する模式図である。
【図13】 イオウ被毒経過時間と標準的な第1排ガス
目標温度との関係を示す特性図である。
【図14】 イオウ被毒解消制御におけるイオウ放出処
理動作を示すフローチャートである。
【図15】 同処理動作で用いるイオウ放出処理時の空
燃比制御領域を示すマップである。
【図16】 同処理動作中の後期噴射量の設定で用いる
排気ガス目標温度と第4補正係数との関係を示す特性図
である。
【図17】 同じく実排気ガス温度と第5補正係数との
関係を示す特性図である。
【図18】 同処理動作中のリタード量の設定動作を示
すフローチャートである。
【図19】 イオウ被毒解消制御におけるイオウ残存量
の推定動作を示すフローチャートである。
【図20】 同推定動作の特徴を説明するNOx触媒装
置の概念図である。
【図21】 同推定動作中の完全イオウ除去領域割合の
設定で用いるイオウ放出処理時間と完全イオウ除去領域
割合との関係を示す特性図である。
【図22】 同じく部分イオウ除去領域割合の設定で用
いるイオウ放出処理時間と部分イオウ除去領域割合との
関係を示す特性図である。
【図23】 同じく部分イオウ除去領域でのイオウ除去
率の設定で用いるイオウ放出処理時間と該除去率との関
係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 5 点火プラグ 6 インジェクタ 10 排気通路 16 三元触媒装置 17 NOx触媒装置 20 コントロールユニット 27 排気温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 305 F02D 41/04 305A 45/00 368 45/00 368F (72)発明者 山内 健生 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 間宮 清孝 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA03 AA04 BA05 BA09 BA13 BA15 BA17 BA20 BA21 BA24 DA10 DA27 EA11 EB01 EC04 FA01 FA02 FA05 FA07 FA10 FA11 FA20 FA26 FA27 FA29 FA33 FA38 3G091 AA11 AA12 AA13 AA17 AA24 AB03 AB06 BA11 BA14 BA33 CA13 CB02 CB03 CB05 CB07 DA01 DA02 DA04 DA08 DB06 DB08 DB10 DB11 DB13 EA00 EA01 EA05 EA06 EA07 EA14 EA15 EA16 EA17 EA30 EA34 EA39 FA07 FA09 FA11 FA12 FA13 FA14 FA17 FB10 FB11 FB12 FC02 FC08 GB02W GB03W GB04W HA08 HA36 HA37 HB03 HB05 3G301 HA01 HA04 HA06 HA13 HA15 HA16 HA17 HA18 JA15 JA25 JA33 JB09 LA03 LA05 LB04 LC01 MA01 MA11 MA18 NA06 NA08 NA09 ND01 NE01 NE06 NE11 NE12 NE13 NE14 NE15 PA01A PA01B PA01Z PA07A PA07B PA07Z PA09A PA09B PA09Z PA10A PA10B PA10Z PA11A PA11B PA11Z PD02A PD02B PD02Z PD11A PD11B PD11Z PD12A PD12B PD12Z PE01A PE01B PE01Z PE03A PE03B PE03Z PE08A PE08B PE08Z PF01A PF01B PF01Z PF03A PF03B PF03Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰雰囲気で排気ガス中のNOx成
    分を吸収し、酸素濃度の低下によりNOx成分を放出す
    るNOx吸収材を排気通路に備えると共に、該NOx吸
    収材に付着したイオウ成分の量を推定するイオウ成分付
    着量推定手段と、該推定手段で推定されたイオウ成分の
    付着量が所定の付着量以上となったときにイオウ成分を
    NOx吸収材から放出させるイオウ成分放出手段とを有
    するエンジンの排気浄化装置であって、空燃比がリーン
    の状態での運転が連続している時間を計測するリーン運
    転連続時間計測手段と、該計測手段で計測された時間に
    基いて、上記推定手段で推定されたイオウ成分の付着量
    を補正するイオウ成分付着量補正手段とが設けられてい
    ることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 燃料供給量に関連する値を検出する燃料
    供給量検出手段が設けられ、イオウ成分付着量推定手段
    は、この検出手段で検出された燃料供給量関連値に基い
    てイオウ成分の付着量を推定することを特徴とする請求
    項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 イオウ成分付着量補正手段は、リーン運
    転連続時間計測手段で計測された時間が短いときほど、
    イオウ成分の付着速度が小さくなり、また、リーン運転
    連続時間計測手段で計測された時間が長いときほど、同
    じくイオウ成分の付着速度が小さくなる特性を用いてイ
    オウ成分の付着量を補正することを特徴とする請求項1
    又は2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 イオウ成分付着量補正手段は、排気ガス
    温度、又はすでにNOx吸収材に付着しているイオウ成
    分の量の少なくともいずれかに応じてイオウ成分の付着
    量を補正することを特徴とする請求項3に記載のエンジ
    ンの排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 空燃比がリーンの状態での運転中にNO
    x吸収材に吸収されたNOx成分を放出させるために、
    所定の時間間隔で、空燃比がリーンの状態での運転と、
    空燃比が該リーン状態に比べてリッチ側にシフトした状
    態での運転とを切り換えると共に、運転者の運転操作に
    応じても、空燃比がリーンの状態での運転と、空燃比が
    該リーン状態に比べてリッチ側にシフトした状態での運
    転とを切り換えるエンジン運転手段が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のエ
    ンジンの排気浄化装置。
JP33108999A 1999-11-22 1999-11-22 エンジンの排気浄化装置 Pending JP2001152837A (ja)

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