JP2001152067A - 水性インキ組成物 - Google Patents

水性インキ組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非吸収性表面での筆記線の乾燥性を低下させ
ることなく、ペン先での耐乾燥性に優れた水性インキを
提供する。 【解決手段】 着色剤と、水と、ヒダントイン及び/又
はヒダントイン誘導体とを少なくとも含有して成る水性
インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印字用具用水性イン
キ、特に筆記具、マーキング用具又はインキジェットの
ような印字用具に使用され、それらのペン先端部でのイ
ンキの乾燥を抑制することができるインキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまでの筆記具等に用いられていた水
性インキは、ペン先部分が大気中に開放されたまま長時
間経過するとインキ中の液体成分(水又は有機溶剤)が
蒸発してインキの粘度が高くなりペン先が乾燥し、筆記
不能になる場合がしばしばあった。そこで、このような
乾燥を抑制する耐乾燥性を付与するため、グリセリン、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコールなどの吸湿性有機溶剤を添加することが従
来から極めて一般的に行われている。しかしながら、こ
れらの物質で乾燥抑制効果を得るには、かなり大量にイ
ンキ中に添加しなければならず、しかも着色剤として顔
料を用いるインキにおいては必ずしも充分な効果が得ら
れない上に、筆記線の乾燥が遅くなってしまうことやイ
ンキの粘度上昇による流出困難、描線のかすれなどの欠
点があった。
【0003】特に最近では、従来あまり用いられること
のなかった、ガラスやプラスチックなどの非吸収性表面
にも筆記可能な水性インキを充填した筆記具などが多く
使われるようになり、その場合多量の吸湿性有機溶剤や
尿素などの添加は、非吸収性表面での筆記線の乾燥を著
しく遅らせることや、描線固着性、耐水性の著しい低下
という致命的欠点となる。またペン先での乾燥抑制剤と
して尿素又はエチレン尿素を単独で用いるか、又は前記
の吸湿性有機溶剤などと併用してなるインキ組成物も提
案され、また実際に用いられているが、水溶性染料を着
色剤として用いる水性インキ組成物においてはペン先で
の乾燥抑制効果がある程度認められるものの、顔料を着
色剤として用いるインキ組成物においては充分な乾燥抑
制効果が得られていない。
【0004】このように、ペン先の耐乾燥性を向上させ
るためにインキ組成物に上記のような吸湿性有機溶剤や
尿素などを多量に加えることにより生ずるインキ性能
(筆記線の滲み、乾燥性など)の低下を防止しかつペン
先の耐乾燥性に優れた水性インキ組成物を得るため従来
から種々の提案がなされている。例えば、ヒドロキノン
を配合すること(特開平9−241570号公報)、サ
リゲニンを配合すること(特開平9−67537号公
報)、パラキシレングリコールを配合すること(特開平
9−12957号公報)、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを配合すること(特願平11−131467号
明細書)等である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ペン先
での乾燥抑制効果と非吸収性表面での筆記線の乾燥速度
とは、ある程度相反する要求品質であり、上記種々提案
された水性インキにおいても、両者が充分に満足し得る
状態を得ることは非常に難しい。本発明者らは、この点
に特に留意しつつ鋭意研究を重ねた結果、ヒダントイン
又はヒダントイン誘導体を配合することで、二つの相反
する要求品質をバランスよく得ることができることに着
目し、本発明に到ったものである。本発明は、上記従来
の水性インキの課題に鑑み、これを解決しようとするも
のであり、このようなインキ性能の低下または変化を抑
え、耐乾燥性に優れた水性インキを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明とその態様を以下に示す。 (1)着色剤と、水と、ヒダントイン及びヒダントイン
誘導体とからなる群から選択される一種以上を少なくと
も含有して成る水性インキ組成物。 (2)ヒダントイン及びヒダントイン誘導体とからなる
群から選択される一種以上を2〜20重量%の割合で含
有する上記(1)に記載の水性インキ組成物。
【0007】ここで言うヒダントイン及びヒダントイン
誘導体としては、下記一般式で示されるヒダントイン、
1−アリルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1
−イソプロピルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダン
トイン、1−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダ
ントイン又はアラントイン等があげられるが、これらの
一種又は二種以上を添加すると、ペン先部分でのインキ
の乾燥抑制効果が得られるとともに、筆記時の描線の滲
みやかすれが無く、また非吸収性表面に筆記した際にも
良好な乾燥性を示す。特に、5,5−ジメチルヒダント
インが好ましい。
【0008】
【化1】
【0009】ヒダントイン:R1 =R2 =R3 =R4
−H 1−アリルヒダントイン:R1 =−CH2 CH=CH2,
2 =R3 =R4 =−H 1−メチルヒダントイン:R1 =−CH3,R2 =R3
4 =−H 1−イソプロピルヒダントイン:R1 =−CH(CH3)
2,R2 =R3 =R4 =−H 5,5−ジメチルヒダントイン:R1 =R2 =−H,R
3 =R4 =−CH3 1−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントイ
ン:R1 =−CH2 OH,R2 =−H,R3 =R4 =−
CH3 アラントイン:R1 =R2 =R3 =−H,R4 =−NH
CONH2
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における作用効果の発現の
メカニズムは必ずしも明らかではないが、概ね下記のよ
うに推測される。即ち、ペン先部分が露出して大気にふ
れると、水分が蒸発して乾燥抑制剤がいち早く析出し、
析出物がペン先部分の露出した表面を覆って、以降の水
分の蒸発を抑制するとともに、該表面に筆記不能に結び
つくような硬い皮膜が生成することを防ぐことにより、
目的を達することができるというものである。このよう
な観点から、乾燥抑制剤の水に対する溶解度が低すぎる
と、該表面を充分に覆うだけの乾燥抑制剤が析出せず、
従って充分な乾燥抑制効果を得ることができない。一
方、乾燥抑制剤の水に対する溶解度が高すぎると、ペン
先表面の水分が蒸発しても乾燥抑制剤が容易に析出せ
ず、その間水分が蒸発して該表面が固化し筆記不能とな
る。
【0011】そこで、種々実験を行った結果、本発明に
おいて、ヒダントイン及び/又はヒダントイン誘導体の
添加量は組成物を基準として(以下同じ)2〜20重量
%、好ましくは4〜10重量%が適当であることが明ら
かとなった。ここで該添加量が2重量%未満ではペン先
部分での乾燥抑制効果が充分ではなく、また20重量%
を越えると効果はそれほど増加せず、むしろ粘度増加に
よる筆記性能の低下や保存安定性の低下をもたらすとい
う弊害が生ずるので好ましくない。
【0012】本発明の水性インキは、着色剤と、水と、
ヒダントイン及びヒダントイン誘導体からなる群から選
択される一種以上の化合物とを少なくとも含むことを特
徴としているものであるが、着色剤としては、従来の水
性インキで用いられている染料及び顔料が何ら制約無し
に用いることができる。しかしながら顔料を用いたイン
キは、染料を用いたインキに比べて著しくペン先で乾
燥、固化しやすいため、一般的に顔料を用いたインキに
おいて有効な乾燥抑制効果が認められる場合は、染料を
用いたインキにおいては言うに及ばず、極めて有効な乾
燥抑制効果が認められる。かかる顔料としては、例え
ば、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、フ
タロシアニン系顔料やアゾ系顔料、キナクリドン系顔
料、イソジゴ系顔料、ニトロソ系顔料などの有機顔料な
どがあげられる。染料としては、直接染料、酸性染料、
塩基性染料、などの水溶性染料が用いられるが、先に述
べた様に発明の作用効果を得たいインキ組成物は主とし
て顔料を用いたインキなので、以下、実施例を含めて主
に顔料インキに限定して説明した。
【0013】また通常用いられる防腐剤、防黴剤、pH
調整剤、固体表面への濡れを良くする表面張力調整剤
(例えば、フッ素系界面活性剤)なども必要に応じて用
いることができる。しかしながら、既に述べたように、
通常、保湿剤或いは凍結防止剤として用いる、グリセリ
ン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールなどを大量に添加することは、筆記線
の乾燥を遅らす欠点があり、紙のような浸透性の筆記面
での乾燥はまだしも、ガラスやプラスチックなどの非吸
収面での筆記の場合には、致命的な欠点となる。しか
し、インキの凍結防止目的でエチレングリコールやプロ
ピレングリコール等をインキ中に少量添加することを制
約するものではない。
【0014】ここで着色剤の使用量は、通常1〜10重
量%程度とするのが好ましいが、特に限定されるもので
はない。本発明においては、ヒダントイン及び/又はヒ
ダントイン誘導体の添加による直接的な乾燥抑制効果に
よって、上記の保湿剤の添加による乾燥抑制効果は必ず
しも必要とせず、むしろその効果を低減させる場合があ
るという試験結果が得られている。また、本発明の水性
インキ組成物は、一般にpH6〜9.5、粘度2〜20
mPa・s,表面張力18〜35mN/mの範囲の特性
を有する。その他の添加剤についても何ら制約するもの
ではないが、発明の目的に鑑み、水の蒸発に伴う乾燥抑
制剤の析出を妨げるものであってはならない。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、それにより本発明を限定するものではない (実施例1) WM−Zカラーブラック 85.7重量% (カーボンブラック11%水分散体、大日精化工業(株)製 商品名) デルトップ100 0.2重量% (防腐剤、武田薬品工業(株)製 商品名) ヒダントイン 4.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは7.3、
粘度は1.98mPa・s、表面張力は19.1mN/
mであった。なお、“粘度”は、ブルックフィールド社
製「ブルックフィールドE型粘度計」、“表面張力”
は、協和科学株式会社製「ウィルヘルミー型表面張力測
定器」を用いて測定した(以下同じ)。
【0016】 (実施例2) WM−Zカラーブラック 79.7重量% デルトップ100 0.2重量% 1−アリルヒダントイン 10.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは8.1、
粘度は2.38mPa・s、表面張力は18.1mN/
mであった。
【0017】 (実施例3) WM−Zカラーブラック 79.7重量% デルトップ100 0.2重量% 1−メチルヒダントイン 10.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは8.0、
粘度は2.28mPa・s、表面張力は18.5mN/
mであった。
【0018】 (実施例4) WM−Zカラーブラック 79.7重量% デルトップ100 0.2重量% 1−イソプロピルヒダントイン 10.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは8.1、
粘度は2.36mPa・s、表面張力は17.8mN/
mであった。
【0019】 (実施例5) WM−Zカラーブラック 79.7重量% デルトップ100 0.2重量% 5,5−ジメチルヒダントイン 10.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは7.8、
粘度は2.25mPa・s、表面張力は18.3mN/
mであった。
【0020】 (実施例6) WM−Zカラーブラック 79.7重量% デルトップ100 0.2重量% 1−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントイン 10.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは7.6、
粘度は2.21mPa・s、表面張力は18.3mN/
mであった。
【0021】 (実施例7) WM−Zカラーブラック 82.7重量% デルトップ100 0.2重量% アラントイン 5.0重量% ヒダントイン 2.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、、を加えて攪拌した後、得られた混合
物を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌
し、遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成
物を得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは7.
5、粘度は2.05mPa・s、表面張力は18.9m
N/mであった。
【0022】 (実施例8) WM−Zカラーブルー 85.7重量% (フタロシアニン系顔料10%水分散体、大日精化工業(株)製 商品名) デルトップ100 0.2重量% ヒダントイン 4.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性青色インキ組成物を
得た。尚、上記水性青色インキ組成物のpHは7.9、
粘度は4.74mPa・s、表面張力は23.4mN/
mであった。
【0023】 (実施例9) WM−Zカラーレッド 85.7重量% (アゾ系顔料10%水分散体、大日精化工業(株)製 商品名) デルトップ100 0.2重量% ヒダントイン 4.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性赤色インキ組成物を
得た。尚、上記水性赤色インキ組成物のpHは7.8、
粘度は5.33mPa・s、表面張力は23.2mN/
mであった。
【0024】 (比較例1) WM−Zカラーブラック 74.7重量% デルトップ100 0.2重量% グリセリン 15.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは8.6、
粘度は4.10mPa・s、表面張力は25.9mN/
mであった。
【0025】 (比較例2) WM−Zカラーブラック 74.7重量% デルトップ100 0.2重量% エチレングリコール 15.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは8.6、
粘度は3.95mPa・s、表面張力は23.7mN/
mであった。
【0026】 (比較例3) WM−Zカラーブラック 74.8重量% デルトップ100 0.2重量% 尿素 15.0重量% フッ素系界面活性剤 0.1重量% イオン交換水 10.0重量% に、、を加えて攪拌した後、得られた混合物
を、を攪拌しながらゆっくりに加え2時間攪拌し、
遠心機により粗大粒子を除去し水性黒色インキ組成物を
得た。尚、上記水性黒色インキ組成物のpHは8.6、
粘度は2.42mPa・s、表面張力は23.9mN/
mであった。
【0027】(試験方法)上記実施例1〜9及び比較例
1〜3の各インキを、市販されている通常の中綿式マー
キングペンと同様に、中綿(インキ吸蔵体)にインキを
充填した後、軸に装填し、ペン先、尾栓及びキャップを
嵌着して1日横置きに静置したものを試験試料とした。 ペン先での耐乾燥性試験(乾燥抑制効果の評価) 複数本の前記試験試料のキャップをはずし横置きで放置
し、一定時間ごとに筆記用紙に手書きで筆記し、初筆の
筆記状態を観測した。 筆記線の乾燥時間 前記試験試料を用いて、ポリエチレンフィルムに手書き
で約30cmの線を描く。一定時間ごとに筆記線直角方
向に消しゴムで軽く擦り、筆記線が擦り取られたり、延
びたりしなくなった最短の時間を「筆記線の乾燥時間」
とした。 (試験結果)試験結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜9及び比較例1〜3の記載から
わかるように、吸湿性有機溶剤又は尿素を乾燥抑制剤と
して用いた比較例と、本発明の実施例で用いたヒダント
イン及び/又はヒダントイン誘導体の添加量(重量部)
の差が、処方上、顔料水分散体の差(実施例の方が約8
%多い)となっており、顔料(着色剤)分の多い実施例
の方がペン先でより乾燥しやすい厳しい条件下にあるに
もかかわらず、表1の試験結果から明らかなように、比
較例1〜3においては筆記可能な放置時間がいずれの場
合も20分以下であったのに対して、実施例1〜9にお
いては筆記可能な放置時間が60分以上に大幅に延長さ
れた。比較例1及び比較例2で用いた吸湿性有機溶剤の
添加における「筆記線の乾燥時間」がいずれの場合も、
180秒以上であるのに対して、実施例1〜9は、はる
かに短く、発明の効果が顕著に現れている。さらにこの
点に関し、実施例1〜9と同様に固体の乾燥抑制剤(尿
素)を添加した比較例3と比較しても、実施例1〜9
は、「筆記線の乾燥時間」が短くなっており、発明の効
果が実証された。
【0030】
【発明の効果】吸湿性有機溶剤の添加により、ペン先部
分での乾燥抑制効果を得るには、従来15〜35重量%
にも及ぶかなり多量の吸湿性有機溶剤を添加しなければ
ならず、特に着色剤として顔料を用いたインキにおいて
はそれでもまだ充分な乾燥抑制効果を得ることができな
い場合が極めて多いのに対して、本発明の水性インキ組
成物によると、その量を必要最小限に抑えつつより有効
な乾燥抑制効果ならびに筆記線の良好な乾燥性を与える
という効果を発揮することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤と、水と、ヒダントイン及びヒダ
    ントイン誘導体とからなる群から選択される一種以上を
    少なくとも含有して成る水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 ヒダントイン及びヒダントイン誘導体と
    からなる群から選択される一種以上を2〜20重量%の
    割合で含有する請求項1に記載の水性インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100677149B1 (ko) 2004-11-12 2007-02-02 삼성전자주식회사 잉크 조성물
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CN116406408A (zh) * 2020-09-14 2023-07-07 阿萨达股份公司 开放时间添加剂

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