JP2001151954A - 高密度ポリエチレン樹脂からなる装飾・表示用基材フィルムとその製造方法 - Google Patents

高密度ポリエチレン樹脂からなる装飾・表示用基材フィルムとその製造方法

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JP2001151954A
JP2001151954A JP33278999A JP33278999A JP2001151954A JP 2001151954 A JP2001151954 A JP 2001151954A JP 33278999 A JP33278999 A JP 33278999A JP 33278999 A JP33278999 A JP 33278999A JP 2001151954 A JP2001151954 A JP 2001151954A
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Akira Iida
明 飯田
Tomohiro Miki
朝博 三木
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度ポリエチレン樹脂からなる装飾・表示用
基材フィルムと、上記樹脂組成物のカレンダー加工によ
るそのようなフィルムの製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】本発明による装飾・表示用基材フィルム、
例えば、マーキング用やステッカー用基材フィルムは、
重量平均分子量が1.0×105 〜1.9×105 の範囲に
あり、重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子
量分布が10〜20の範囲にあると共に、長さ10m
m、内径1.0mmのキャピラリーを備えたキャピラリー
レオメーターにて温度180℃において引取り速度を5
m/分としたときの溶融張力が3gf以上である高密度
ポリエチレン樹脂より成形されてなる。このような高密
度ポリエチレン樹脂のカレンダー加工によれば、ロール
とられなく、引取り性よく、厚みが均一で表面が平滑で
あり、バンクマークやフローマークや柚子肌のない装飾
・表示用基材フィルムを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度ポリエチレ
ン樹脂からなり、例えば、マーキング用フィルムやステ
ッカー用フィルムのような装飾・表示用フィルムの基材
フィルムとして好適に用いることができるフィルムとそ
のカレンダー加工による製造方法に関する。更に、本発
明は、このような基材フィルムの裏面に粘着剤層を設け
てなるマーキングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】装飾・表示用フィルムとは、マーキング
用フィルムやステッカー用フィルムを含むものとし、マ
ーキング用フィルムとは、予め印刷や着色を施したフィ
ルムの裏面に粘着剤層とセパレータ(離型紙)をこの順
序にて積層した後、セパレータ上に所要の文字や記号等
を残して、他の部分を剥離除去してなる積層フィルムで
ある。使用に際しては、上記所要の文字や記号等をセパ
レータから剥がして、その裏面の粘着剤を利用して、こ
れを適宜の被着体、例えば、壁、看板基板等に貼り付
け、かくして、被着体上に、例えば、種々の名称や記
号、番号等を表示するようにした一種の積層フィルムを
いう。
【0003】ステッカー用フィルムとは、予め印刷や着
色を施したフィルムであって、宣伝や表示を目的とし
て、粘着剤にて適宜の被着体、例えば、壁、窓等に貼り
付けるためのフィルムをいう。
【0004】いずれにしても、装飾・表示用フィルム
は、基本的には、予め、印刷や着色等の意匠を施したフ
ィルムであって、粘着剤によって、用途、目的に応じ
て、種々の基板や被着体に貼り付けて、装飾や表示等の
機能を発現させるものである。
【0005】従来、このような装飾・表示用フィルムの
基材フィルム、即ち、装飾・表示用基材フィルムとして
は、塩化ビニル樹脂フィルムが用いられている。特に、
マーキング用フィルムは、文字や記号をかたどったフィ
ルムが経時的に収縮すれば、そのフィルムから粘着剤が
部分的にはみ出し、これにほこりや汚れが付着して、体
裁が悪くなることから、従来、塩化ビニル樹脂のキャス
ト法(流延法)にて製造されている。
【0006】このような装飾・表示用フィルムの製造方
法として、生産性にすぐれるカレンダー法によれば、カ
レンダーロール間に形成されるバンクのロールギャップ
通過時の流れむらに起因して、所謂バンクマーク又はフ
ローマークと呼ばれる厚みのばらつきがフィルムに生じ
ることがある。このような厚みむらは、フィルムの透過
光による色むらや反射光による艶むら等を引き起す。ま
た、カレンダー加工によるフィルムの製造においては、
カレンダーロールからフィルムを引き取る際に、ある程
度の張力が加わるので、得られるフィルムは幾分、延伸
される結果、収縮性を有することとなる。そこで、寸
法、形状に高精度が要求されるマーキング用フィルム基
材には、従来、カレンダー成形は適当ではないとされて
いる。
【0007】このような事情にあって、塩化ビニル樹脂
は、塩素を含むところから、近年、環境問題の高まりを
背景として、マーキング用フィルムを含め、装飾・表示
用フィルム基材は、塩化ビニル樹脂からなるフィルムか
らポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹
脂からなるフィルムへの代替が進みつつある。
【0008】しかし、従来、ポリオレフィン樹脂からな
るフィルムは、T型ダイスから溶融した樹脂を押し出し
て、平滑なフィルムを得るTダイ法か、又はリング状の
円形ダイから溶融した樹脂をチューブ状に押出すと同時
にその中に圧搾空気を吹き込み、チューブを膨張させ
て、チューブ状のフィルムを得るインフレーション法に
よって製造されている。しかし、Tダイ法によれば、生
産性が低く、他方、インフレーション法によれば、フィ
ルムが波打っており、本来、粘着加工には適しない。
【0009】更に、上述したTダイ法は、上記問題を有
するほか、一般に、単一のフィルムを多量に連続生産す
るには適しているが、例えば、マーキング用フィルムの
製造におけるように、種々、色の相違するものの製造、
即ち、多色多品種生産するには適していない。特に、T
ダイ法においては、色替え時には、先のフィルムの製造
に用いた混練物が微量、押出機のバレル内に滞留してお
り、これを除去するために、段替えに多くの時間を要す
る。まして、ステッカー用フィルムは、これを貼り付け
る場所を選ばないので、自ずから、その製造において
は、樹脂に顔料を多量に配合して、高い隠蔽力を有する
フィルムとして製造されることが多いが、そのように、
樹脂に顔料を多量に配合すれば、Tダイ法によれば、ダ
イス内に樹脂が滞留しやすく、次の製造のための色替え
が厄介であるほか、そのようにダイス内に滞留した樹脂
が加工中に分解するという欠点もある。
【0010】そこで、ポリオレフィン樹脂からなるフィ
ルムの製造においても、従来の通常の塩化ビニル樹脂フ
ィルムの製造におけるように、カレンダー加工によるこ
とが求められているが、カレンダー加工において、ポリ
エチレンやポリプロピレン樹脂を原料とする場合は、こ
れら樹脂が溶融すれば、粘度が低く、べたつきが著しい
ために、カレンダーロールのほか、ロールからの引取り
ロール、ロール間の樹脂バンクの幅を制御する板部材等
の周辺の付属設備に粘着し、剥がれなくなり、(即ち、
ロールとられが起こって、)平滑な表面を有するフィル
ムを厚み精度よく製造することが困難であり、場合によ
っては、連続したフィルムを製造することさえ、困難で
ある。また、樹脂を半溶融としても、平滑なフィルムを
得ることができない。
【0011】更に、一般に、樹脂を混練機を用いて密閉
系にて加熱、溶融し、T型ダイスから押し出して、フィ
ルムとするTダイ法と相違し、カレンダー加工において
は、樹脂を開放系にて加熱、溶融し、ロール間で圧延し
て、フィルムとするので、樹脂の温度を均一に保つこと
が困難である。
【0012】かくして、樹脂をカレンダー加工するに
は、樹脂が広い温度範囲で加工に適する粘度を保持する
ことが必要であるが、一般に、ポリオレフィン樹脂は、
加工に適する粘度を有する温度範囲が狭く、この点にお
いても、従来、カレンダー加工が困難であるとされてい
る。
【0013】このように、従来、Tダイ法によっては、
ポリオレフィン樹脂を用いて、マーキング用フィルムや
ステッカー用フィルムを生産性よく製造することができ
ず、他方、上述したように、ポリエチレンやポリプロピ
レン樹脂を原料とするカレンダー法によれば、従来、ロ
ールとられなしに、厚みが均一で表面が平滑であり、更
に、フローマークやバンクマークや柚子肌がなく、マー
キング用やステッカー用フィルム等の装飾・表示用フィ
ルムを得ることが困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度ポリ
エチレン樹脂からなる装飾・表示用基材フィルムの製造
における上述したような問題を解決するためになされた
ものであって、高密度ポリエチレン樹脂からなり、厚み
が均一で表面が平滑であり、表面性状にすぐれて、バン
クマークやフローマークや柚子肌がなく、しかも、長期
間の後にも収縮のない装飾・表示用基材フィルムと、高
密度ポリエチレン樹脂のカレンダー加工によって、ロー
ルとられなしに、ロールからの引取り性よく、厚みが均
一で表面が平滑であり、バンクマークやフローマークや
柚子肌のない装飾・表示用基材フィルムを製造する方法
を提供することを目的とする。更に、本発明は、このよ
うな基材フィルムの裏面に粘着剤層を設けてなり、適宜
の基板に接着して、長期間の経過後にも、収縮のないマ
ーキングフィルムに関する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、重量平
均分子量が1.0×105 〜1.9×105 の範囲にあり、
重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子量分布
が10〜20の範囲にあると共に、長さ10mm、内径
1.0mmのキャピラリーを備えたキャピラリーレオメー
ターにて温度180℃において引取り速度を5m/分と
したときの溶融張力が3gf以上である高密度ポリエチ
レン樹脂より成形されてなることを特徴とする装飾・表
示用基材フィルムが提供される。
【0016】このような装飾・表示用基材フィルムは、
本発明に従って、重量平均分子量が1.0×105 〜1.9
×105 の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量
で規定される分子量分布が10〜20の範囲にあると共
に、長さ10mm、内径1.0mmのキャピラリーを備え
たキャピラリーレオメーターにて温度180℃において
引取り速度を5m/分としたときの溶融張力が3gf以
上である高密度ポリエチレン樹脂をカレンダー加工して
フィルムとすることによって得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、高密度ポリエチ
レン樹脂とは、既に、よく知られているように、所謂中
低圧法にて製造される密度が0.94〜0.97g/cm3
の範囲にあるポリエチレン樹脂をいい、特に、本発明に
よれば、重量平均分子量が1.0×10 5 〜1.9×105
の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規定さ
れる分子量分布が10〜20の範囲にあると共に、長さ
10mm、内径1.0mmのキャピラリーを備えたキャピ
ラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速
度を5m/分としたときの溶融張力が3gf以上である
高密度ポリエチレン樹脂が用いられる。
【0018】高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量
が1.9×105 を越えるときは、カレンダー加工におい
て、バンクが円滑に回らないので、平滑なフィルムを得
ることができず、得られるフィルムはその表面が柚子肌
になる。他方、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子
量が1.0×105 よりも小さいときは、ロール温度を低
くしても、溶融粘度が低すぎて、樹脂がロールに粘着し
たり(ロールとられ)、得られるフィルムの表面がタッ
ク(べたつき)を帯びて、平滑な表面を有するフィルム
を得ることが困難となる。
【0019】また、高密度ポリエチレン樹脂の分子量分
布が10よりも小さいときは、樹脂の溶融温度範囲が狭
いので、平滑な表面を有するフィルムを得ることができ
るカレンダーロールの適正な温度範囲が狭く、かくし
て、開放系であるカレンダー加工によっては、安定し
て、ロールとられなく、厚みが均一で表面が平滑なフィ
ルムを得ることが困難である。即ち、ロール温度が上記
適正な温度範囲よりも高ければ、最終ロールからフィル
ムを引き取ることができず、上記適正な温度範囲よりも
低ければ、得られたフィルムの表面が柚子肌以上に荒れ
た鮫肌となる。他方、高密度ポリエチレン樹脂の分子量
分布が20よりも大きいときは、樹脂が広い分子量分布
を有するので、樹脂のカレンダー加工中に低分子量樹脂
成分がカレンダーロール上に吹き出したり、樹脂の粘着
性が強いために、最終ロールからの引取りが困難とな
る。更に、得られたフィルムの表面に吹き出した低分子
量樹脂成分が存在するので、このような樹脂フィルムの
裏面に粘着剤を塗布しても、粘着剤とフィルムとの密着
性を損ない、従って、マーキング用やステッカー用基材
フィルムとして用いるに適しない。
【0020】本発明において、溶融張力は、(株)東洋
精機製作所製の単一のバレルを備えたキャピラリーレオ
メーターであるキャピログラフ(例えば、1C型)を用
いて好適に測定することができる。溶融張力の測定装置
を図1に示すように、キャピラリーレオメーター11か
ら一定の速度で溶融樹脂をストランド12に押し出し、
このストランドを張力検出器13に取付けた張力検出プ
ーリ14を経て、巻取ロール15にて所定の速度で巻取
りながら、この際にストランドに加わる張力を張力検出
器13で測定する。
【0021】本発明によれば、樹脂をカレンダーロール
にて圧延し、これをフィルムとして最終ロールから引き
取るときに、樹脂がドローダウンしたり、フィルムが切
断しないように、用いる高密度ポリエチレン樹脂は、長
さ10mm、内径1.0mmのキャピラリーを備えたキャ
ピラリーレオメーターを用いて、温度180℃でピスト
ン速度20mm/分にて所定の寸法を有するキャピラリ
ーからストランドとして押し出し、これを引取り速度5
m/分にて巻取ロールに巻き取るとき、溶融張力が3g
f以上であることが必要である。
【0022】引取り速度5m/分にて巻取ロールで巻き
取るとき、この溶融張力が3gfよりも小さいときは、
カレンダーロールにて圧延された樹脂をフィルムとして
最終ロールから引き取るときに、フィルムが切断した
り、ドローダウンが生じて、均一な厚みのフィルムを得
ることができない。また、引取り速度5m/分にてスト
ランドが切断するときは、最終ロールからフィルムを引
き取る際に、フィルムが破断する。
【0023】本発明においては、重量平均分子量と溶融
張力がそれぞれ上記範囲にある高密度ポリエチレン樹脂
であれば、そのような高密度ポリエチレン樹脂を2種以
上、混合して用いてもよい。
【0024】本発明によれば、高密度ポリエチレン樹脂
には、従来、ポリエチレン樹脂に用いられている種々の
添加剤を必要に応じて配合してもよい。そのような添加
剤としては、例えば、滑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、顔料、改質剤、難燃剤、帯電防
止剤、補強剤、粘着付与剤、充填剤、防かび剤等を配合
してもよい。
【0025】本発明による装飾・表示用基材フィルム
は、このような高密度ポリエチレン樹脂組成物よりな
り、表面が平滑、美麗で、厚みが均一である。その厚み
は、基板に接着したときの収縮や、着色した場合、その
隠蔽性を考慮して、50〜100μm程度が好ましい。
【0026】本発明によれば、必要に応じて、フィルム
の粘着適性や印刷性を改善するために、フィルムにコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等、従来より知ら
れている表面処理を定義施してもよい。
【0027】このようなフィルムの裏面に粘着剤層を設
けることによって、装飾・表示用基材フィルム、例え
ば、マーキング用やステッカー用基材フィルムを得るこ
とができる。
【0028】上記粘着剤としては、粘着フィルムにおい
て、従来より用いられているものであれば、特に、限定
されることなく、任意のものが用いられるが、例えば、
アクリル系、合成ゴム系又はシリコーン系の粘着剤が用
いられるが、なかでも、金属基板との接着性にすぐれる
アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
【0029】このようなアクリル系粘着剤は、ガラス転
移温度の低い重合体を形成する(メタ)アクリル酸の長
鎖アルキルエステル類、例えば、2−エチルヘキシルア
クリレート、イソブチルアクリレート、イソノニルアク
リレート等を主たる単量体成分とし、凝集力を与えるた
めに、必要に応じて、(メタ)アクリル酸の短鎖アルキ
ルエステル類、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート等や、又は酢酸ビニル等の
ようなビニルエステル類を共単量体成分として用い、更
に、必要に応じて、架橋点を与えるために、更なる共単
量体成分として、(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等のようなヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート等を用い、これらを共重合するこ
とによって得ることができる。即ち、このような単量体
成分を適宜の有機溶媒、例えば、脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、脂肪族カルボン酸エステル、具体的には、
例えば、酢酸エチルやトルエン等の有機溶媒中、共重合
させることによって、所謂溶剤型アクリル系粘着剤を得
ることができる。
【0030】更に、本発明によれば、粘着剤は架橋剤を
含んでいてもよい。架橋剤としては、例えば、トリレン
ジイソシアネートトリメチロールプロパン等のような変
性ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートL)や、また、アルミニウムトリス
エチルトリアセテート等のようなキレーターを挙げるこ
とができる。このように、架橋剤を配合した粘着剤は、
基材フィルムに塗工した後、乾燥し、加温し、粘着剤を
架橋させることによって、粘着力を調節することができ
る。
【0031】しかし、本発明によれば、粘着剤は、溶剤
型に限らず、必要に応じて、水溶液やエマルジョンのよ
うな水性の粘着剤も用いることができる。
【0032】基材フィルムに上記粘着剤を塗布するため
の手段は、特に、限定されるものではないが、基材フィ
ルムに不必要な伸びを生じさせないように、例えば、剥
離紙上に粘着剤を塗工し、溶剤を乾燥させた後、これを
基材フィルムに貼り合わせて、粘着剤を剥離紙から基材
フィルムに転写する転写法によるのが好ましい。しか
し、ミクロンバーコーター等の適宜の塗工手段も好適に
用いることもできる。
【0033】本発明において、例えば、マーキング用基
材フィルムについていえば、粘着剤層の厚みは、基板に
貼着したときの粘着剤の文字、記号等をかたどったフィ
ルムの外側にはみ出しがないようにしながら、基板との
間に十分な接着力を得ることができるように、通常、2
0〜60μmの範囲であり、特に、30〜50μmの範
囲であることが好ましい。
【0034】本発明によれば、上述したように、重量平
均分子量が1.0×105 〜1.9×105 の範囲にあり、
重量平均分子量/数平均分子量で規定される分子量分布
が10〜20の範囲にあると共に、長さ10mm、内径
1.0mmのキャピラリーを備えたキャピラリーレオメー
ターにて温度180℃において引取り速度を5m/分と
したときの溶融張力が3gf以上である高密度ポリエチ
レン樹脂に、必要に応じて、上記添加剤を配合し、得ら
れた樹脂組成物を連続混練機、バンバリーミキサー、ニ
ーダー、押出機等によって、通常、150〜200℃の
温度で加熱溶融し、混練し、この混練物をカレンダー加
工することによって、ロールとられなしに、ロールから
の引取り性よく、本発明による装飾・表示用基材フィル
ムは、得ることができる。ここに、カレンダーロールの
温度は、通常、150〜220℃、好ましくは、160
〜190℃の範囲である。
【0035】このようにして、上記樹脂組成物をカレン
ダーロールにて所要厚みのフィルムに圧延した後、必要
に応じて、これを所要の絞の型模様を付けた金属製、通
常、鋼製のエンボスロール(絞付きロール)とこれをバ
ックアップする耐熱性半硬質ゴムロール(圧ロール)と
の組合わせからなるエンボス装置に導き、フィルムにエ
ンボシングしてもよい。
【0036】このようにして、本発明に従って得られる
フィルムは、表面が平滑、美麗で、厚みが均一であり、
柚子肌をもたず、しかも、長期間の後にも収縮しない。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0038】実施例1〜4 高密度ポリエチレン樹脂の1種又は2種の混合物100
重量部に酸化防止剤(チバガイギー製イルガノックス1
076)0.1重量部、滑剤(ヘンケル製EWK−849
1)0.05重量部、紫外線吸収剤(共同薬品(株)製バ
イオソープ130)0.02重量部、光安定剤(旭電化
(株)製アデカスタブLA52)0.02重量部及び白色
顔料(大日精化工業(株)製HCM−2060)10重
量部を配合し、150〜180℃の温度で混練溶融して
樹脂組成物とし、この混練物を24インチ4本逆L型カ
レンダー装置に供給し、ロール温度160〜190℃で
厚み50μmのフィルムに圧延した。ここに、ロールと
は、4本逆L字ロールを形成するすべてのロールをいう
が、すべてのロールは、同じ温度である必要はなく、上
記温度範囲にあればよい。
【0039】用いた高密度ポリエチレン樹脂(いずれも
三井化学(株)製)の重量平均分子量、分子量分布(重
量平均分子量/数平均分子量)及び溶融張力を表1に示
す。
【0040】高密度ポリエチレン樹脂の溶融張力は、
(株)東洋精機製作所製のキャピログラフ1C型(キャ
ピラリーの長さ10mm、内径1.0mm、ピストン速度
20mm/分、ダイ入口角度180°)を用いて、温度
180℃で溶融樹脂をストランドに押し出し、このスト
ランドを張力検出器に取付けた張力検出プーリを経て、
巻取ロールにて5m/分の速度で巻取りながら、この際
にストランドに加わる張力を張力検出器で測定した。
【0041】
【表1】
【0042】得られたフィルムについて、透過光による
外観観察にてフローマークの有無を調べると共に、反射
光による外観観察にてフローマークの有無を調べた。結
果を用いた樹脂(混合物)の溶融張力と共に表2に示
す。
【0043】比較例1〜4 実施例1〜4と同様にして、表1に示す高密度ポリエチ
レン樹脂100重量部に酸化防止剤(チバガイギー製イ
ルガノックス1076)0.1重量部、滑剤(ヘンケル製
EWK−8491)0.05重量部、紫外線吸収剤(共同
薬品(株)製バイオソープ130)0.02重量部、光安
定剤(旭電化(株)製アデカスタブLA52)0.02重
量部及び白色顔料(大日精化工業(株)製HCM−20
60)10重量部を配合し、150〜180℃の温度で
混練溶融して樹脂組成物とし、この混練物を24インチ
4本逆L型カレンダー装置に供給し、ロール温度160
〜190℃で厚み50μmのフィルムに圧延した。
【0044】得られたフィルムについて、透過光による
外観観察にてフローマークの有無を調べると共に、反射
光による外観観察にてフローマークの有無を調べた。結
果を用いた樹脂(混合物)の溶融張力と共に表2に示
す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例5 実施例3において得た厚み50μm、幅50cmの長尺
フィルムを基材フィルムとして、その片面をコロナ処理
して、濡れ試薬による濡れ指数を42dyne/cmに
調整した後、市販のアクリル系粘着剤(リキダイン
(株)製AR−2045)100重量部に架橋剤として
変性ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)
製コロネートL)を0.002重量部配合し、これをミク
ロンバーコーターにて粘着剤を固形分厚さが30μmと
なるように塗工した。
【0047】このようにして得た粘着剤層を有するマー
キング用フィルムを5cm四方に裁断し、これをアルミ
ニウム板に貼着し、50℃で2週間、乾熱オーブン中で
熱劣化させた後、フィルムの熱収縮の程度と反射光によ
るフローマークの有無を調べた。
【0048】その結果、フィルムは、長さ方向に0.5m
m、幅方向に0.5mm、即ち、長さ及び幅方向にいずれ
も1%の収縮率を示したが、フィルムの外縁からの粘着
剤の基板へのはみ出しは見られなかった。また、フロー
マークも認められなかった。
【0049】実施例6 実施例4において得たフィルムを用いた以外は、実施例
5と同様にして、粘着剤層を有するマーキング用フィル
ムを調製し、これについて、実施例5と同様にして、フ
ィルムの熱収縮の程度と反射光によるバンクマークの有
無を調べた。
【0050】その結果、フィルムは、長さ方向に0.5m
m、幅方向に0.5mm、即ち、長さ及び幅方向にいずれ
も1%の収縮率を示したが、フィルムの外縁からの粘着
剤の基板へのはみ出しは見られなかった。また、フロー
マークも認められなかった。
【0051】比較例5 比較例1において得たフィルムを用いた以外は、実施例
5と同様にして、粘着剤層を有するマーキング用フィル
ムを調製し、これについて、実施例5と同様にして、フ
ィルムの熱収縮の程度と反射光によるバンクマークの有
無を調べた。
【0052】その結果、フィルムは、長さ方向に0.9m
m、幅方向に0.2mmの収縮率を示し、フィルムの長さ
方向において、その外縁からの粘着剤の基板へのはみ出
しが見られた。
【0053】
【発明の効果】本発明による装飾・表示用基材フィルム
は、重量平均分子量が1.0×105 〜1.9×105 の範
囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規定される
分子量分布が10〜20の範囲にあると共に、長さ10
mm、内径1.0mmのキャピラリーを備えたキャピラリ
ーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を
5m/分としたときの溶融張力が3gf以上である高密
度ポリエチレン樹脂より成形されてなり、厚みが均一で
表面が平滑であり、バンクマークやフローマークや柚子
肌がなく、また、長期間の経過後、特に、熱劣化の後に
も収縮がなく、例えば、マーキング用又はステッカー用
基材フィルムとして好適に用いることができる。
【0054】本発明によれば、上述したような高密度ポ
リエチレン樹脂をカレンダー加工することによって、ロ
ールとられなく、引取り性よく、厚みが均一で表面が平
滑であり、バンクマークやフローマークや柚子肌がな
く、長期間の経過後にも収縮しない装飾・表示用基材フ
ィルムを得ることができる。
【0055】従って、このような基材フィルムの裏面に
粘着剤層を設けてなるマーキングフィルムは、この粘着
剤によって適宜の基板に接着すれば、長期間の経過後、
特に、熱劣化の後にも、フィルムが収縮せず、従って、
文字、記号等をかたどったフィルムから粘着剤がはみ出
すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明において、溶融張力を測定するため
の装置構成図である。
【符号の説明】
11…キャピラリーレオメーター、12…ストランド、
13…張力検出器、15…巻取ロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA16 AA80 AA81 AF54 AF57 AH06 AH19 BB04 BC01 4J002 BB031 BF022 BG042 BG052 BG072 GJ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が1.0×105 〜1.9×1
    5 の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規
    定される分子量分布が10〜20の範囲にあると共に、
    長さ10mm、内径1.0mmのキャピラリーを備えたキ
    ャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取
    り速度を5m/分としたときの溶融張力が3gf以上で
    ある高密度ポリエチレン樹脂より成形されてなることを
    特徴とする装飾・表示用基材フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のフィルムからなるマーキ
    ング用又はステッカー用基材フィルム。
  3. 【請求項3】重量平均分子量が1.0×105 〜1.9×1
    5 の範囲にあり、重量平均分子量/数平均分子量で規
    定される分子量分布が10〜20の範囲にあると共に、
    長さ10mm、内径1.0mmのキャピラリーを備えたキ
    ャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取
    り速度を5m/分としたときの溶融張力が3gf以上で
    ある高密度ポリエチレン樹脂をカレンダー加工してフィ
    ルムとすることを特徴とする装飾・表示用基材フィルム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】装飾・表示用基材フィルムがマーキング用
    又はステッカー用基材フィルムである請求項4又は5に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2に記載の基材フィルムの裏
    面に粘着剤層を設けてなるマーキングフィルム。
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