JP2001149095A - 肝星細胞の活性化状態認識方法と肝障害の診断方法 - Google Patents

肝星細胞の活性化状態認識方法と肝障害の診断方法

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JP2001149095A
JP2001149095A JP33333499A JP33333499A JP2001149095A JP 2001149095 A JP2001149095 A JP 2001149095A JP 33333499 A JP33333499 A JP 33333499A JP 33333499 A JP33333499 A JP 33333499A JP 2001149095 A JP2001149095 A JP 2001149095A
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hepatic
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Katsutoshi Yoshizato
勝利 吉里
Masanobu Obara
政信 小原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肝星細胞の活性化状態を正確に認識する方法
と、肝障害を確実に発見し、より適格な診断を下すこと
ができる経済的にも優れた診断方法を提供する。 【解決手段】 肝星細胞を含む検体のCARの発現量を
指標として肝星細胞の活性化状態を認識する方法と、肝
星細胞を含む検体のCARの発現量を測定し、正常肝臓
由来の検体に比較してCARの発現量が増大している検
体が属していた肝臓が障害状態にあると判定する肝障害
の診断方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、医学・生
物学研究等に有用な肝星細胞の活性化状態認識方法と、
医療技術として有用な肝障害の診断方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】肝臓は、蛋白質合成、尿素代謝および糖
代謝等といった生体内における多種多様の代謝を担う中
心的な臓器である。肝臓は生体における重要な臓器であ
るため、ウイルスや薬物等により障害を受けた場合であ
っても、旺盛な再生能力等によりその機能を維持しよう
とする。したがって、肝臓の障害は、重篤な機能不全に
陥るまで認知することは困難であり、また、障害を認知
したときには生命への危険が生じることから、これを早
期に発見することが求められてきた。
【0003】ところで、急激な肝細胞の破壊を生じる急
性肝炎、肝細胞の破壊と再生とが繰り返される慢性肝
炎、および肝臓組織内での細胞外マトリックスの産生亢
進と異常蓄積とを伴う肝線維症(肝硬変)は、病理学的
に定義づけられた疾患概念であることから、正確には腹
腔鏡や肝生検を実施して病理学的に診断を行う必要があ
った。
【0004】しかしながら、腹腔鏡や肝生検を反復して
行って病理学的に診断を確定するのは容易ではない。そ
こで、血液学的検査や血液生化学的検査による診断方法
やUS、CT等の画像検査による診断方法あるいは星細
胞の活性化を認識する方法等が開発されてきた。
【0005】例えば、肝線維症の診断に際しては、血液
中に存在する血小板数の減少や、肝細胞の機能障害を反
映して生じるアルブミン、コリンエステラーゼおよびコ
レステロール等の減少、血漿遊離アミノ酸異常およびγ
-グロブリン、IV型コラーゲンやヒアルロン酸等の上昇
等が診断の指標として用いられてきた。また、肝繊維症
におけるコラーゲン等の細胞外マトリックス成分は、そ
の殆どが活性化された星細胞によって産生されることが
知られていることから、例えば、I型コラーゲンやIII型
コラーゲンの発現を指標として星細胞の活性化を認識し
診断に用いることも試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、元来、
肝臓は予備能力や再生能力の大きい臓器であるために、
軽度の肝障害が存在している場合でも、血液的検査や多
くの血液生化学的検査に異常が認められないことがしば
しば生じることから、これらを指標とした早期診断が必
ずしも現実を反映しておらず、確定的な診断を下せない
という問題があった。また、US、CT等の画像検査を
実施するためには、画像診断装置とオペレータを備えた
施設が必要であるが、画像診断装置は高価なだけでな
く、維持や管理にも多くの費用を要するため、経済的な
負担も大きいという問題があった。さらに、I型コラー
ゲンやIII型コラーゲンの発現を指標として星細胞の活
性化を認識する場合にも、I型コラーゲンやIII型コラー
ゲンの発現に顕著な変化が認められないことがしばしば
生じ、必ずしも検体を十分に評価することができないと
いう問題があった。
【0007】この出願の発明は、以上のとおりの従来の
現状を鑑みてなされたもので、肝星細胞の活性化状態を
確実に認識することのできる方法を提供することを課題
としている。
【0008】また、この出願の発明は、肝障害を確実に
発見し、より的確な診断を下すことができるだけでな
く、経済性にも優れた診断方法を提供することを課題と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】この出願の発明者らは、
ラット肝不全モデルを用いた研究において、星(伊東)
細胞上のアデノウイルス受容体(CAR:Coxsakie-ade
novirus receptor)タンパク質が、肝不全、ひいては肝
硬変の進行に伴って高度に誘導されることを見出した。
この出願は、以上のとおりの知見に基づき、以下の(1)
および(2)の発明を提供する。 (1) 肝星細胞を含む検体のCAR(Coxsakie-adenovir
us receptor)の発現量を指標として肝星細胞の活性化
状態を認識することを特徴とする肝星細胞の活性化状態
認識方法。 (2) 肝星細胞を含む検体のCAR(Coxsakie-adenovir
us receptor)の発現量を測定し、正常肝臓由来の検体
に比較してCARの発現量が増大している検体が属して
いた肝臓が障害状態にあると判定することを特徴とする
肝障害の診断方法。
【0010】前記発明(1)の方法によれば、肝星細胞の
活性化状態を確実に認識することが可能となる。この方
法により特定された活性化肝星細胞は、例えば、肝障害
の原因、進行等の原因解明や、肝障害の予防ないしは治
療法を開発するための研究材料として有効に利用され
る。
【0011】前記発明(2)の方法によれば、肝障害の有
無および進行状態をほぼ確実に把握することができるの
で、肝障害に対する的確な診断を下すことが可能とな
る。また、画像診断装置等の高度な医療設備を必要とし
ないため、経済的に診断を実施することができる。
【0012】さらに、血液中に含まれる可溶性CAR
は、免疫法、クロマトグラフィー法、電気泳動法などに
より容易に検出できる。以下、発明の実施形態について
さらに詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】一般に、何らかの要因により肝細
胞が質的に変化、あるいは数が減少して肝障害に陥ると
肝機能が低下し場合によっては肝不全に至る。肝不全
は、急性肝不全と慢性肝不全とに大別されるが、これら
肝不全の場合はもちろん、肝不全にまでは至らない肝障
害のいずれにおいても、肝細胞の破壊と再生とが惹起さ
れる結果、クッパー細胞や内皮細胞等による星細胞の活
性化が生じることになる。星細胞は、類洞の内皮細胞を
取り囲み収縮機能を備えることから、その機能の一つと
して類洞の血流調節を担うと考えられている。しかしな
がら、星細胞は、肝障害等が引き金となり活性化される
と、コラーゲン等の細胞外マトリックス成分を産生し、
これに続く肝組織内での細胞外マトリックスの産生亢進
と異常蓄積とにより、類洞の毛細血管化や偽小葉の形成
が生じる。その結果、肝臓における線維化が進行して肝
線維症に至ることになる。このとき、肝障害に応じて、
星(伊東)細胞上のCARタンパク質が誘導されること
から、CAR発現量を指標として活性化星細胞を特定す
ることができる。また、星細胞を含む検体におけるCA
Rの発現を評価すれば、肝障害の有無および進行状態を
ほぼ確実に把握でき、肝障害に対する的確な診断を下す
ことができる。
【0014】前記発明(1)および(2)の方法において、星
細胞を含む肝臓由来の検体としては、例えば、Nycodenz
(ニコデンツ)密度勾配遠心法等により生体より採取さ
れた肝臓由来の器官や組織、あるいは生体外にて培養し
た器官、組織および培養細胞等である。生体より採取さ
れた肝臓を検体とした場合には、肝障害の有無および進
行状態をほぼ確実に把握できることから、肝障害に対す
る的確な診断を下すことができる。さらに、生体外にて
培養した器官、組織および培養細胞を検体とした場合に
は、例えば、培養細胞内に含まれた星細胞の活性化を認
識することができるので、肝障害のモデル実験等におい
ても有効な指標として機能する。
【0015】また、検体におけるCARの発現を確認す
る方法としては、例えば、CARに特異的なプライマー
を用いたRT−PCR、特異的プローブを用いたノーザ
ン解析、RNaseプロテクションアッセイおよびin situ
ハイブリダイゼーション等の核酸レベルの検出手段や、
CARと特異的に結合する抗体による蛋白質レベルでの
検出手段等を用いることができる。さらに、CARと特
異的に結合する抗体等を、例えば、放射性物質や蛍光タ
ンパク質(例えばGFP)等により標識しておき、放射
能や蛍光等の信号を検出できるようにすることで、検体
を損傷することなくCARの発現を測定することができ
る。このとき、検体から生じる信号を連続的に検出し
て、その強度を記録すれば、リアルタイムでCARの発
現を測定することができる。なお、上記プライマー、プ
ローブおよび抗体等は、CARを特異的に検出できるの
であれば、なんら限定されるものではない。なお、検体
は、CARの発現を確認することが可能であるならば、
組織切片の作製のみならずホモジェネートする等、任意
に加工してもよい。
【0016】さらに、CARの発現に基づいて検体を評
価する方法としては、例えば、検体より検出されたCA
R mRNAあるいはCAR蛋白質の発現量や発現領域
等を確認し、これらの情報から活性化星細胞の数や星細
胞の活性化の頻度を見積もることにより、検体を評価す
ることができる。一般に、検体より確認できる情報(C
ARの発現)は、活性化星細胞の数や星細胞の活性化の
頻度により微妙に異なっている。したがって、活性化星
細胞の数や星細胞の活性化の頻度に対し、CARの発現
量や発現部位等に関する情報を予め収集しておき、実際
に獲得された情報と予め収集した情報とを照合すれば、
容易に検体の評価を行うことができる。
【0017】また、CARの発現とともに、上述したI
型コラーゲンやIII型コラーゲンの発現の変化を併せて
測定しておき、これらの情報を合成する等により情報を
加工し、加工された情報に基づいて検体を評価するよう
にしてもよい。この場合には、検体に対し、より詳細な
評価を与えることが可能となる。
【0018】この出願の発明によれば、CARの発現を
指標とすることにより星細胞の活性化状態を容易に認識
することができるが、CARは細胞へのアデノウイルス
の感染に必須な分子でもある。したがって、CARを用
いて星細胞の活性化状態を認識し、あるいは検体を診断
した後、アデノウイルスベクターを用いて、肝繊維症の
肝臓等における星細胞に対し選択的に遺伝子を導入する
ことができ、必要に応じて、診断と遺伝子導入とをほぼ
同時に実施することが可能となる。例えば、検体を診断
した後、細胞外マトリックスの産生に関わる遺伝子をア
デノウイルスベクターにより星細胞に対し選択的に導入
すれば、細胞外マトリックスの産生や蓄積を抑制する効
果が期待できる。
【0019】なお、この出願の発明に係る認識方法およ
び診断方法は、各種の基礎研究や臨床的な診断にはもち
ろんのこと、医薬品の治験等の臨床検査や化学物質等の
安全評価等の各種用途に対して適用できるのはいうまで
もない。
【0020】
【実施例】以下、実施例を示してこの出願の発明につい
てさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明
は以下の例によって限定されるものではない。 実施例1 ラットCARのcDNAクローニングを行った。CAR
は、ヒトおよびマウスよりcDNAがクローニングされ
ており、両者間において非常に高い相同性が報告されて
いる。そこで、二種の特異的プライマーを作製し、これ
を用いてRT−PCR法によりcDNAクローニングを
行った。なお、PT−PCRのプライマーとしては、プ
ライマー1(配列番号2)およびプライマー2(配列番
号3)を用いた。次に、ラット正常肝臓より全RNAを
AGPC法にて抽出し、その1.0μgを用いてMMLV Rever
se Transcriptaseにより50℃で30分にわたり逆転写を行
った。逆転写の後、上記プライマーを用い、逆転写産物
(鋳型DNA量)の1/10を用いて、DNA増幅装置(ST
RATA-GENE社:Robocycler Gradient 96)により、95℃に
て45秒、55℃にて45秒および72℃にて1分の連続的な温
度変化を35回繰り返してPCR反応を行った。そして、
得られたPCR反応物をpCR II(INVITROGEN)にサブク
ローニングした後、塩基配列を決定した。決定された塩
基配列とこれに基づいて推定されたアミノ酸配列を配列
番号1に示す。ここで、得られた塩基配列およびアミノ
酸配列をヒトおよびマウスCARと比較したところ、ヒ
トCARと91%、マウスCARと97%の相同性が認められ
たことから、PCR反応物はラットCARのcDNAで
あることが確認された。 実施例2 次に、ラットに対し四塩化炭素を投与することにより肝
線維症を誘発させた。すなわち、10週令(体重200-250
g)の雄F344Crjラットの大腿部に、7週間にわたり週2
回、オリーブ油に溶解した四塩化炭素を体重100gあたり
0.25mgの割合で筋注した。図1aおよび図1bに示した
ように、正常なラットの肝臓組織に由来する銀染色像
(図1a)と、四塩化炭素により処理されたラットの肝
臓組織に由来する銀染色像(図1b)とを比較すると、
四塩化炭素により処理されたラットの肝臓は、正常なラ
ットの肝臓と比べて明らかにコラーゲンを主成分とする
膠原線維(201)および細網線維(202)を形成してい
た。したがって、上記ラットの肝臓は、病理学的に肝線
維症を発症していることが確認された。肝臓組織の銀染
色は、4℃において、取りだした肝臓を4%ホルムアルデ
ヒドで一晩固定した後、パラフィン包埋し、7μmの間隔
で切断した切片を染色する(Ann. Histochim., 16:29-4
0, 1971)ことで行われた。
【0021】次いで、上記肝線維症を発症したラットの
肝臓から、two-step collagenaseperfusion法(Am. J.
Pathol., 149:383-392, 1996; Exp. Cell. Res. 139:4
68-471, 1982)により1-3 x 106の星細胞を分離し、10%
FBS(fetal bovine serum:Hyclone Laboratories, Loga
n, UT)を含むDMEM(Dulbecco's modified Eagle mediu
m)により、37℃、5%炭酸ガス存在下で3時間にわたり培
養を行った。なお、培養した細胞集団においては、その
95%以上がα平滑筋アクチンを発現していることから、
この細胞集団はほぼ活性化した星細胞からなることを確
認している。
【0022】次に、上記星細胞および正常なラットの肝
臓を用いた以外は全く同様に調製された星細胞に対し
て、各遺伝子の遺伝子発現を半定量的RT−PCR法に
より分析した。すなわち、遺伝子発現は、I型およびIII
型コラーゲンのα1サブユニット遺伝子(COLα1(I)およ
びCOLα1(III))、インテグリンαVβ3を構成するインテ
グリンサブユニットαVおよびβ3遺伝子(αVおよびβ
3)、およびCAR遺伝子(CAR)について分析した。ま
た、RT−PCR法に用いた各遺伝子に対する特異的な
プライマーの配列は、コラーゲンα1(I)は配列番号4
(プライマー1)および配列番号5(プライマー2)、
コラーゲンα1(III)は配列番号6(プライマー1)およ
び配列番号7(プライマー2)、インテグリンαVは配
列番号8(プライマー1)および配列番号9(プライマ
ー2)、インテグリンβ3は配列番号10(プライマー
1)および配列番号11(プライマー2)である。なお、
インテグリンαVβ5については、ラットインテグリンサ
ブユニットβ5がクローニングされていないので、遺伝
子発現について検討しなかった。しかしながら、インテ
グリンはαβサブユニットからなるヘテロダイマーとし
て機能を発揮することから、αVインテグリンサブユニ
ットに関する知見のみでも遺伝子発現の解析結果を考察
するには有効な情報を提供する。また、CARに関して
は、上記プライマー(配列番号2および3)を用いてP
CRを行った。
【0023】はじめに、培養した星細胞(1-3 x 106
を培養皿から剥離し、全RNAをAGPC法にて抽出し
た。次いで、全RNAの1.0μgを用いてMMLV Reverse T
ranscriptaseにより50℃で30分にわたり逆転写を行っ
た。逆転写の後、各遺伝子について上記プライマーを用
いPCR反応を行った。PCR反応は、COLα1(I)、COL
α1(III)、αV、β3およびCARについて、それぞれ逆
転写産物(鋳型DNA量)の1/10、1/30、1/160、およ
び1/1を鋳型として用い、DNA増幅装置(STRATA-GENE
社:Robocycler Gradient 96)により、95℃にて45秒、5
5℃にて45秒および72℃にて45秒の連続的な温度変化を3
5回繰り返すことにより行った。次に、PCR反応によ
り得られたPCR産物を、それぞれアガロースゲル電気
泳動法にて分離した後エチジウムブロミドにより染色し
た。なお、PCR反応に定量性を持たせるために、PC
R反応に用いる鋳型DNA量は各遺伝子ごとに1-4倍の
希釈系列を作製して実施した。
【0024】図2(Lane1-4は正常なラットの肝臓に由
来した星細胞、Lane5-8は肝線維症を発症したラットに
由来した星細胞のPCR産物に対応し、かつ1、2、4お
よび8倍希釈に対応している)から明らかなように、肝
線維症の指標となりうるI型およびIII型コラーゲンのα
1サブユニット遺伝子は、正常な肝臓に由来した星細胞
と比べ肝線維症を発症した肝臓に由来した星細胞につい
て著しい亢進が認められた。したがって、図1bに示し
た肝臓は、形態的にももちろん、分子的にも肝線維症を
発症していることが確認された。
【0025】ここで、CARの発現については、I型お
よびIII型コラーゲンのα1サブユニット遺伝子と同じよ
うに、正常な肝臓に由来した星細胞より肝線維症を発症
した肝臓に由来した星細胞について著しい亢進が認めら
れた。なお、インテグリンサブユニットαVおよびβ3遺
伝子に関しては、正常な肝臓に由来した星細胞と肝線維
症を発症した肝臓に由来した星細胞との間で顕著な差を
認めることができず、また、各遺伝子の増幅産物につい
ても倍数希釈に応答して染色がなされていることから、
このRT−PCRは十分な信頼性を保ってなされてお
り、肝線維症により星細胞におけるCARの発現が上昇
することが結論された。したがって、星細胞の活性化状
態はCARの発現を指標として認識できるとともに、星
細胞のCAR発現量を指標として肝線維症の診断が可能
であることが確認された。
【0026】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この出願の
発明によって、肝星細胞の活性化状態を確実に認識する
ことが可能となる。また、肝障害の有無および進行状態
をほぼ確実に把握することができるので、肝障害に対す
る的確な診断を下すことが可能となる。しかも、画像診
断装置等の高度な医療設備を必要としないため、経済的
に診断を実施することができる。
【0027】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> 肝星細胞の活性化状態認識方法と肝障害の診断方法 <130> <140> <141> <160> 11 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 578 <212> DNA <213> Rattus <220> <221> CDS <222> (1)..(576) <400> 1 cgg gta cat ttt acg agt aac gac gtc aag tct ggc gac gca tcg ata 48 Arg Val His Phe Thr Ser Asn Asp Val Lys Ser Gly Asp Ala Ser Ile 1 5 10 15 aat gtg acc aat ctg cag ttg tcc gat att ggc act tac cag tgc aaa 96 Asn Val Thr Asn Leu Gln Leu Ser Asp Ile Gly Thr Tyr Gln Cys Lys 20 25 30 gtg aag aaa gct cct ggg gtt gca aat aga aaa ttt ctg ctg aca gtt 144 Val Lys Lys Ala Pro Gly Val Ala Asn Arg Lys Phe Leu Leu Thr Val 35 40 45 ctt gtt aag cct tca ggt aca agg tgc ttc gtg gat ggc tcg gga gag 192 Leu Val Lys Pro Ser Gly Thr Arg Cys Phe Val Asp Gly Ser Gly Glu 50 55 60 att gga aat gac ttc agg cta aag tgt gaa ccc aaa gaa ggt tcc ctc 240 Ile Gly Asn Asp Phe Arg Leu Lys Cys Glu Pro Lys Glu Gly Ser Leu 65 70 75 80 cca ctg cag tat gaa tgg cag aaa ttg tca gat tcc cag aaa atg cct 288 Pro Leu Gln Tyr Glu Trp Gln Lys Leu Ser Asp Ser Gln Lys Met Pro 85 90 95 act cca tgg cta gca gaa atg act tca ccg gtt ata tct gtg aaa aat 336 Thr Pro Trp Leu Ala Glu Met Thr Ser Pro Val Ile Ser Val Lys Asn 100 105 110 gcc agt tct gag tat tct ggg acc tac agt tgc aca atc caa aac aga 384 Ala Ser Ser Glu Tyr Ser Gly Thr Tyr Ser Cys Thr Ile Gln Asn Arg 115 120 125 gtg ggc tct gat cag tgt atg cta cga cta gat gct gtc cct ccc tcc 432 Val Gly Ser Asp Gln Cys Met Leu Arg Leu Asp Ala Val Pro Pro Ser 130 135 140 aac aga gct gga acg atc gcg gga gct gtc ata ggg acg ctg ctt gcc 480 Asn Arg Ala Gly Thr Ile Ala Gly Ala Val Ile Gly Thr Leu Leu Ala 145 150 155 160 ctt gtg ctc atc ggg gcc atc ctc ttc tgc tgt cat aaa aaa cgc aga 528 Leu Val Leu Ile Gly Ala Ile Leu Phe Cys Cys His Lys Lys Arg Arg 165 170 175 gaa gag aag tac gag aag gaa gtg cat cac gat atc agg gaa gat gtg 576 Glu Glu Lys Tyr Glu Lys Glu Val His His Asp Ile Arg Glu Asp Val 180 185 190 cc 578 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 2 cgggtacatt ttacgagtaa 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 3 ggcacatctt ccctgatatc 20 <210> 4 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 4 gaagacctat gtgggtataa gtc 23 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 5 ccctgcttta tgccagcaat ca 22 <210> 6 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 6 tgctgccatt gctggagttg gag 23 <210> 7 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 7 gttggcactt tcactggttg ac 22 <210> 8 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 8 aagctggaag tttctgtata tagtg 25 <210> 9 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 9 ttggtgatga gatgattcct tcctc 25 <210> 10 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 10 gctacagtct gtgatgaaaa aattg 25 <210> 11 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Synthesized oligonucleotide <400> 11 ctcgttgttg aggcaggtgg cattg 25
【図面の簡単な説明】
【図1】正常なラットの肝臓組織に由来する銀染色像
と、四塩化炭素により処理されたラットの肝臓組織に由
来する銀染色像とを示した図である。
【図2】遺伝子発現の解析結果を示した図である。
【符号の説明】 201……膠原線維 202……細網線維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA25 CB26 DA36 DA77 GC30 4B024 AA11 BA63 CA04 CA09 EA04 HA14 4B063 QA01 QA07 QA19 QQ08 QQ42 QQ79 QR32 QR36 QR38 QR48 QR51 QR55 QR62 QS13 QS25 QS34 QS36 QX02 QX07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肝星細胞を含む検体のCAR(Coxsakie
    -adenovirus receptor)の発現量を指標として肝星細胞
    の活性化状態を認識することを特徴とする肝星細胞の活
    性化状態認識方法。
  2. 【請求項2】 肝星細胞を含む検体のCAR(Coxsakie
    -adenovirus receptor)の発現量を測定し、正常肝臓由
    来の検体に比較してCARの発現量が増大している検体
    が属していた肝臓が障害状態にあると判定することを特
    徴とする肝障害の診断方法。
JP33333499A 1999-11-24 1999-11-24 肝星細胞の活性化状態認識方法と肝障害の診断方法 Pending JP2001149095A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003014345A1 (en) * 2001-08-08 2003-02-20 Ajinomoto Co., Inc. Gene panel participating in liver astrocyte activation

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