JP2001148863A - ホワイトバランス調整方法及び調整装置 - Google Patents

ホワイトバランス調整方法及び調整装置

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JP2001148863A
JP2001148863A JP32902199A JP32902199A JP2001148863A JP 2001148863 A JP2001148863 A JP 2001148863A JP 32902199 A JP32902199 A JP 32902199A JP 32902199 A JP32902199 A JP 32902199A JP 2001148863 A JP2001148863 A JP 2001148863A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明が当たって飛び気味になっている部分か
ら白色データを抽出した場合、この影響で最適な補正が
なされないことがある。また、従来は人間が好ましいと
感じる色を持つ人物画という分類による判断は含まれて
いない。 【解決手段】 画像が人物画である場合、人物画の顔エ
リアから肌色情報を抽出する(ステップ102、10
3)。この抽出した肌色情報に、画像から別途算出した
ホワイトバランスパラメータを用いて、ホワイトバラン
ス処理後の肌色情報を計算する(ステップ104)。続
いて、この計算後の肌色情報が、予め設定された好まし
い肌色であるかどうか判断し(ステップ105)、好ま
しい肌色であると判断した時は、画像処理演算部におい
て先のホワイトバランスパラメータを基にホワイトバラ
ンス調整が画像全体に対して施される(ステップ10
7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホワイトバランス調
整方法及び調整装置に係り、特にビデオカメラやディジ
タルスチルカメラ等から得られる画像に対してホワイト
バランス調整するホワイトバランス調整方法及び調整装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラやディジタルスチルカメラ
は、ホワイトバランス等の各種自動設定機能を持ってい
る。この各種自動設定機能のうち、ホワイトバランス調
整機能は、一般に画像全体の画素を使用する全画像平均
方式と呼ばれる方式で行われる。これは、一般被写体を
撮像した場合、画面全体の色信号を平均化した値は、完
全白色面を撮像した場合と等価になるというものであ
る。実際の処理としては、画像のすべての画素につい
て、例えばRGBの三原色それぞれの色面毎に平均値を
求め、その平均値が3原色共に一定になるような係数を
算出し、その係数を画像全体に掛け合わせ、ホワイトバ
ランスをとるものである。
【0003】しかし、この従来のホワイトバランス調整
方法は、全画像平均方式によりホワイトバランス調整し
ているため、有彩色が多く含まれている画像に対して
は、その有彩色の影響を受けて、正しい補正が行われな
い。また、画像全体の情報だけを基にホワイトバランス
調整を行うと、人物の肌色のように人間が好ましいと感
じる色のある場合には、かえって逆効果となる場合もあ
る。
【0004】また、出力装置であるプリンタにも色合
い、明るさというパラメータで調整できる機能がついて
おり、これを調整して、ホワイトバランスを調整するこ
とが可能であるが、勘と経験によるところが大きく、誰
でも容易にホワイトバランス調整ができるとは限らな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人は、
先に特開平10−264244号公報などにより、画像
内の白色領域のデータを抽出し、各色面毎の平均値が一
致するように、ホワイトバランス調整を行うホワイトバ
ランス調整方法を提案したが、彩度の高い花などに照明
が当たって飛び気味になっている部分から白色データを
抽出した場合、この影響で最適な補正がなされないこと
がある。
【0006】また、特許第2702113号、特許第2
735003号なども提案されているが、いずれも人間
が好ましいと感じる色を持つ人物画という分類による判
断は含まれていない。人物画の場合には好ましい肌色が
存在し、これからの色の差が他の色よりも大きく感じら
れる傾向があり、画像として違和感を与えることとな
る。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
単に画素の集合体としての画像として捉えるのではな
く、画像の種類を判断することによって、人間が違和感
を感じないようなホワイトバランスを自動的に行い得る
ホワイトバランス調整方法及び調整装置を提供すること
を目的とする。
【0008】また、本発明の他の目的は、人物画の場合
にホワイトバランスの実施が良い結果をもたらすかどう
かを自動的に判断し、より好ましいホワイトバランス調
整を行い得るホワイトバランス調整方法及び調整装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明方法は、カラー画像データからその明度情報
と彩度情報とを抽出して、カラー画像データの明度情報
と彩度情報とを表す色空間において、全画素の中の白及
び予め設定した白に近いと認識される領域におけるデー
タに基づいて、三原色を表す色空間において、それぞれ
の色成分が一致するようなホワイトバランスパラメータ
を算出する第1のステップと、カラー画像データによる
画像が人物画であるかどうか判定する第2のステップ
と、第2のステップにより人物画であると判定されたと
きは、人物画における顔領域から肌色情報を抽出する第
3のステップと、第3のステップにより抽出された肌色
情報に、第1のステップで算出したホワイトバランスパ
ラメータを用いてホワイトバランス処理後の肌色情報を
算出し、この算出した肌色情報が予め設定した好ましい
肌色であるかどうか判定する第4のステップと、第4の
ステップにより算出した肌色情報が好ましい肌色である
と判定されたとき、又は第2のステップによりカラー画
像データによる画像が人物画でないと判定されたとき
に、第1のステップで算出したホワイトバランスパラメ
ータを用いて計算処理を行い、ホワイトバランス調整し
たカラー画像データを出力する第5のステップとを含む
ことを特徴とする。
【0010】この発明では、従来のホワイトバランス調
整に加えて、画像が人物画の場合には重要な肌色情報に
着目したホワイトバランス調整が、画像全体に対してで
きる。ここで、上記の第4のステップは、第3のステッ
プにより抽出された肌色情報の色相と予め設定した好ま
しい肌色を示す色相との差の第1の絶対値が、ホワイト
バランス処理後の肌色情報の色相と予め設定した好まし
い肌色を示す色相との差の第2の絶対値よりも大である
ときは、好ましい肌色であると判定することを特徴とす
る。
【0011】また、上記の目的を達成するため、本発明
装置は、カラー画像データを格納する画像データ格納部
と、画像データ格納部から読み出したカラー画像データ
の明度情報と彩度情報とを抽出して、カラー画像データ
の明度情報と彩度情報とを表す色空間において、全画素
の中の白及び予め設定した白に近いと認識される領域に
おけるデータに基づいて、三原色を表す色空間におい
て、それぞれの色成分が一致するようなホワイトバラン
スパラメータを算出するホワイトバランスパラメータ算
出部と、カラー画像データによる画像が人物画であるか
どうか判定する人物画判定部と、人物画判定部により人
物画であると判定されたときは、人物画における顔領域
から抽出した肌色情報に、ホワイトバランスパラメータ
算出部で算出したホワイトバランスパラメータを用いて
ホワイトバランス処理後の肌色情報を算出し、この算出
した肌色情報が予め設定した好ましい肌色であるかどう
か判定する肌色判定部と、肌色判定部により算出した肌
色情報が好ましい肌色であると判定されたとき、又は人
物画判定部によりカラー画像データによる画像が人物画
でないと判定されたときに、ホワイトバランスパラメー
タ算出部で算出したホワイトバランスパラメータを用い
て計算処理を行い、ホワイトバランス調整したカラー画
像データを出力して画像データ格納部に格納する画像処
理演算部とより構成したものである。
【0012】この発明では、画像データ格納部から読み
出したカラー画像データによる画像が人物画であると判
定された場合は、肌色判定部により人物画の肌色情報が
好ましい肌色であるときに、重要な肌色情報に着目した
ホワイトバランス調整が画像全体に対してできる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施の形態につ
いて図面と共に説明する。図1は本発明になるホワイト
バランス調整装置の一実施の形態のブロック図を示す。
同図に示すように、ホワイトバランス調整装置は画像デ
ータが格納されている画像データ格納部1と、画像デー
タ全体からホワイトバランス調整に必要なパラメータを
算出するホワイトバランスパラメータ算出部2と、画像
が人物画であるかどうかを判定する人物画判定部3と、
画像が人物画であった場合にホワイトバランス調整を行
うべきかどうかを判断する肌色判定部4と、ホワイトバ
ランスの処理を画像データに施す画像処理演算部5とか
ら構成される。
【0014】ここで、ホワイトバランスパラメータ算出
部2、人物画判定部3、肌色判定部4及び画像処理演算
部5は、例えば、ビデオプリンタあるいはパーソナルコ
ンピュータに搭載された中央処理装置が実行するソフト
ウェアにより実現することができる。
【0015】図2は本発明になるホワイトバランス調整
方法の一実施の形態のフローチャートを示す。この図2
を用いて図1の動作について説明する。まず、ホワイト
バランスパラメータ算出部2においてホワイトバランス
パラメータを算出する(ステップ101)。このホワイ
トバランスパラメータの算出方法としては、例えば本出
願人が特願平10−331506号にて提案した、図3
のフローチャートに従って算出する。
【0016】すなわち、まず、図1の画像データ格納部
1から読み出したカラー画像データの1フレームにおけ
る明度(輝度)情報、彩度情報のそれぞれについて最大
値と最小値を求める(図3のステップ31)。RGB色
空間等、明度(輝度)情報と彩度情報とを表さない色空
間において処理する場合は、L***に色空間等に変
換して最大値と最小値を求める。なお、上記の画像の全
画素の彩度、明度(輝度)それぞれの最大値、最小値を
求める代わりに、画像の全画素の彩度、明度(輝度)そ
れぞれのヒストグラムを計算してもよい。
【0017】続いて、画像の中の白い色と認識する範囲
を決定する(図3のステップ32)。このステップ32
は、画像の中の白い色の認識処理と、白い色の有効範囲
の決定処理とからなる。まず、画像の中の白い色の認識
処理については、ここではRGB等の三原色を表す色空
間よりも人間の知覚に近いとされるL***均等色空
間、若しくはYuv色空間等を使用している。L**
*均等色空間の場合、L*は値が小さい場合は黒、値が大
きい場合は白となる明度を表わし、a*とb*はa**
で考えると、原点に近い値ほど彩度が低く、原点から離
れた値ほど彩度が高くなるので、原点からの距離をCと
して彩度を示すこととする。この明度(L*)と彩度
(C)の値を利用して、白い色の画像部分を認識する。
つまり、明度(L*)は白に近い値が大きい部分、彩度
(C)は無彩色になる値が小さい部分を抽出することに
より、白に近い画像部分を取り出せる。
【0018】続いて行われる有効範囲の決定処理では、
白に近い色とする、明度(L*)と彩度(C)の範囲
(これを有効範囲というものとする)を決める。この有
効範囲は画像の種類によって多様に変化することが考え
られるので、各画像毎に最適と思われる範囲を計算によ
り求める。明度(L*)は値が高いほど白色に近くなる
ので、高い方から有効範囲を決定する。彩度(C)は値
が低いほど無彩色、つまり白(灰色等)に近くなるの
で、低い方から有効範囲を決定する。
【0019】このため、ステップ31で求めた画像全体
の各色面の明度(L*)、彩度(C)の最大値と最小値
に基づいて、この画像のデータが存在している値の範囲
を算出し、この範囲に対する比率で有効範囲を決定す
る。このように、明度(L*)、彩度(C)の最大値、
最小値から有効範囲を決めることで、撮影環境が違う様
々な画像に対して最適な範囲を決定することが可能であ
る。
【0020】このようにして、彩度と明度(輝度)のそ
れぞれから白色と認識する有効範囲を決定した後、続い
て彩度と明度(輝度)の両方において同時に有効範囲と
決定された白色と認識する領域が存在するかどうか判定
する(図3のステップ33)。白色と認識する領域が存
在する場合は、その白色と認識する領域におけるRGB
又はYuvの3つの色面のそれぞれについて平均値を求
め(図3のステップ34)、その平均値から画像処理用
係数を計算して出力する(図3のステップ35)。
【0021】上記の白色と認識する領域の、R(赤),
G(緑),B(青)それぞれの面での平均値は、ホワイ
トバランスが取れている画像においては一致している。
つまり、白い部分が真っ白になる。よって、この平均値
が異なる場合は、一致させるために、3つの色面のある
一つの色面の平均値を基準として、他の2つの色面の平
均値が基準と一致する様な係数を求め、この係数を掛け
合わせる。例えば、Gを基準の色面とした場合、それぞ
れの割合を次式により計算し、これを上記の画像処理用
係数Kr,Kg,Kbとする。
【0022】 Kr=g/r、 Kg=g/g=1.0、Kb=g/b (1) ただし、(1)式中、gは色面Gにおける白色と認識す
る領域の平均値、rは色面Rにおける白色と認識する領
域の平均値、bは色面Bにおける白色と認識する領域の
平均値を示す。
【0023】なお、どの色面を基準にしてもよいが、人
間の比視感度特性と緑(G)の分光分布が似ているの
で、緑(G)を基準の色面にすることで明度の情報を保
存できるため、緑(G)を基準の色面にすることが望ま
しい。
【0024】画像処理用係数の計算に続いて、上記の画
像処理用係数Kr,Kg,Kbが一致しているかどうか
判定し(図3のステップ36)、一致していない場合は
ホワイトバランスがとれていないので、処理実行を示す
処理フラグOKを出力し(図3のステップ37)、一致
している場合はホワイトバランスがとれているので、処
理非実行を示す処理フラグNO_DATAを出力する
(図3のステップ38)。なお、白い色と認識する領域
が存在しない場合も処理非実行を示す処理フラグNO_
DATAを出力する(図3のステップ33、38)。以
上の画像処理係数と処理フラグOK又は処理フラグNO
_DATAがホワイトバランスパラメータである。
【0025】再び図2に戻って説明する。上記のホワイ
トバランスパラメータの算出と同時に、図1の人物画判
定部3において顔部分認識方法により画像が人物画であ
るかどうかの判定を行う(ステップ102)。この人物
画であるかどうかの判定は、例えば、本出願人が先に特
願平10ー364779号にて提案した、図4に示す如
きフローチャートによる色認識方法に従って行われる。
すなわち、人物画判定部3は、色空間が3次元のディジ
タルカラー画像データを図1の画像データ格納部1から
取り込み(ステップ41)、この3次元ディジタルカラ
ー画像データの明度、色相、彩度が肌色である画素と肌
色でない画素に分けて、肌色ならば”1”、そうでない
なら”0”という2値データを内部のメモリに記憶する
(ステップ42)。
【0026】このステップ42では、例えば、入力され
た色空間が3次元のディジタルカラー画像データのう
ち、R軸、G軸、B軸の3次元座標空間において、予め
設定した肌色領域を示し、かつ、隣接する直方体領域の
輝度境界値は同一値であるm個(mは2以上の整数)の
直方体領域内に含まれる画素を、明度、色相、彩度が肌
色である画素として判定する。
【0027】続いて、この2値データを見て、孤立点の
除去、連結領域のラベル付け等を内部のメモリに対して
行って、肌色である画素の連結状態を知り、肌色である
画素について各連結領域の面積(画素数)を求め、連結
領域の最大面積より面積が広い順に全部でn個のエリア
を抽出する(ステップ43)。孤立点の除去、連結領域
のラベル付けは、文献(安居院猛、長尾智晴 著、「画
像の処理と認識」、p63−p68、昭晃堂発行、19
92、1995年)等)に開示されている公知の方法で
行われる。
【0028】続いて、抽出されたn個のエリアに対応す
るn個のラベル番号が上記の内部のメモリに格納され
る。nの値は2以上で、大きいほど認識率は高くなる
が、あまり大きくても処理時間が長くなり、メモリ容量
が増大するので、多くの画像にて実験して適切な値に定
められる。通常は、n=5くらいで十分認識できる。
【0029】また、人物画判定部3は、画像データ格納
部1から読み出した前記3次元ディジタルカラー画像デ
ータの明度、色相、彩度が髪色である画素と髪色でない
画素に分けて、髪色ならば”1”、そうでないなら”
0”という2値データを内部のメモリに記憶する(ステ
ップ44)。内部のメモリには既に肌色に関するラベル
が格納されているので、使用していないビットに、髪色
ならば”1”、そうでないなら”0”という2値データ
を記録する。
【0030】ステップ43の処理が終わるとラベルはn
個しか存在しないので、髪色か否かを示す2値のための
ビットは十分存在するはずである。また、予めステップ
43の処理で最大7ビットのラベルで十分と分かってい
れば、ステップ42の処理にて肌色を認識すると同時に
髪色を認識してしまって綴り返し演算を少なくしてもよ
い。髪色については連結領域のラベル付けの作業はしな
くてよい。
【0031】次に、人物画判定部3は、n個のエリアの
それぞれのエリアの上部に髪の毛エリアの枠を加えて得
たエリアの1つずつについて、肌色総画素数(特徴量
1)、縦方向についての情報(特徴量2)及び横方向の
情報(特徴量3)からなる特徴量を把握してゆく(ステ
ップ45)。具体的には、まず1つのラベル番号を選び
肌ラベルデータにてそのラベル番号の集まりを探す。左
端、右端、上端、下端がわかったら、例えば図5(A)
に示すように縦4分割の枠にあてはめる。なお、図5
(A)、(B)中、丸51は一つの肌エリアの連結領域
(1つのラベル番号の集合)を示しているが、連結領域
の形状はこれに限定されるものではないことは勿論であ
る。
【0032】そして、上記の連結領域51の左端、右
端、上端、下端を一つの枠に当てはめ、その枠を縦3分
割し、更にその上に52で示すように、3分割領域の1
領域分を加えて縦の長さとする。つまり、(肌ラベルの
上端から下端までの長さ)×4/3の長さが全体の長さ
となる。加えた1領域分52は髪の毛エリアを想定して
いる。この髪の毛エリアの下側の肌エリアが顔エリアで
ある。
【0033】次に、上記の領域において、例えば下から
[0]〜[3]の番号として配列に特徴量を格納してゆ
く。髪2値データを見て分割枠内の画素数に対する髪の
画素数の割合を配列hhairC[0]〜[3]に、肌
ラベルデータを見て分割枠内の画素数に対する肌の画素
数の割合を配列hfaceC[0]〜[3]に、肌ラベ
ルデータと3次元画像データを見て分割枠内に存在する
肌色の輝度平均値を配列hfaceY[0]〜[3]に
格納する。
【0034】次に図5(B)に示すように横4分割の枠
にあてはめる。横は肌ラベルの右端から左端までの長さ
を4等分する。例えば左から[0]〜[3]の番号とし
て配列に特徴量を格納してゆく。すなわち、髪2値デー
タを見て分割枠内の画素数に対する髪の画素数の割合を
配列whairC[0]〜[3]に、肌ラベルデータを
見て分割枠内の画素数に対する肌の画素数の割合を配列
wfaceC[0]〜[3]に、肌ラベルデータと3次
元画像データを見て分割枠内に存在する肌色の輝度平均
値を配列wfaceY[0]〜[3]に格納する。こう
してn個のエリアについて特徴量が把握され、そのn個
のエリアの特徴量とn個のラベル番号とが内部のメモリ
に格納される。
【0035】続いて、上記のn個のエリアの特徴量を分
析し、顔エリアを1つ決定するか、あるいは顔エリアが
存在しないと判断する(ステップ46)。すなわち、各
エリアに顔エリアである確率を示すポイントとしてまず
0を設定し、各特徴量について顔エリアである確率が高
いほど高いポイントを加算してゆく。そして、各エリア
の総ポイント数のうち最も高いエリアを顔エリアと判断
する。
【0036】ただし、総ポイント数が予め設定した下限
値より小さい場合には、顔エリアが存在しない画像と判
断する。またポイントが高くても肌色総画素数が予め設
定した下限値より小さい場合にも顔エリアは存在しない
と判断する。こうして1つの肌ラベル番号が決定して、
顔エリアが決まり、その顔エリアデータは、人物画判定
部3内部のメモリに格納される(ステップ47)。
【0037】再び図2に戻って説明するに、顔エリアデ
ータが存在する画像が人物画と判断され(ステップ10
2)、人物画判定部3の内部メモリに格納されたラベル
番号に基づいて、画像データ格納部1の画像データの顔
エリアを識別し、その顔エリアから例えばYUVあるい
はRGBの色空間の画素とこれらから得た色相(Hu
e)等の全体の平均値、又は中央値(最も多い画素値)
などの肌色情報を抽出する(ステップ103)。
【0038】続いて、肌色判定部4において、抽出した
上記の肌色情報に、先に求めたホワイトバランスパラメ
ータを用いてホワイトバランス調整後の肌色情報を計算
した後(ステップ104)、予め設定された好ましい肌
色であるかどうか判断する(ステップ105)。このよ
うに、ステップ104において、肌色情報についてのみ
ホワイトバランス調整を予め行うのは、ステップ105
におけるホワイトバランス調整後の肌色情報が好ましい
肌色であるかどうかの判断を、画像全体についてホワイ
トバランス調整した後判断する場合に比べて、より迅速
に行えるためである。
【0039】そして、ステップ105において、ホワイ
トバランス調整後の肌色情報を、好ましい肌色であると
判断した時点で初めて、画像処理演算部5において先の
ホワイトバランスパラメータを基にホワイトバランス調
整が画像全体に対して施される(ステップ107)。し
かしながら、肌色判定部4の判定結果が、予め設定され
た好ましい肌色に近付かない場合には、ホワイトバラン
スの処理を行わない(ステップ106)。なお、計算後
の肌色情報が「好ましい肌色」かどうかは、メーカ側で
予め経験則に基づいて定めておく。
【0040】一方、ステップ102で人物画でないと判
定された場合は、従来と同様に、画像処理演算部5にお
いてホワイトバランスパラメータを基にホワイトバラン
スの補正処理が行われる(ステップ107)。
【0041】次に、ステップ107でのホワイトバラン
ス補正処理について説明するに、画像処理演算部5はホ
ワイトバランスパラメータ算出部2からの画像処理係数
と処理フラグOK又は処理フラグNO_DATAを入力
として受け、処理フラグOKが入力されたときにのみ、
画像データ格納部1から読み出したカラー画像データに
対して、ホワイトバランス補正処理を行う。
【0042】すなわち、まず、入力された画像処理係数
Kr,Kg,Kbから計算式を求め、その計算式に従っ
て補正計算をする。具体的には、画像処理演算部5は、
次式で計算を行って、ホワイトバランス調整(色補正)
された三原色信号データをR’,G’,B’を出力す
る。
【0043】 R’=Kr・r、G’=g、B’=Kb・b (2) このホワイトバランス調整(色補正)された三原色信号
データR’,G’,B’は、画像データ格納部1に格納
される。なお、上記の説明では、RGB色空間でのホワ
イトバランス調整であるが、Yuv色空間でのホワイト
バランス調整を行う場合は、白色の部分の範囲指定およ
び抽出については、Yuvを使用してL***の場合
と同じようにして抽出する。比率とa**面,uv面が
示す色空間は、RGB色空間の場合と若干変わってくる
が、YはL*同様、明るさを表し、uvはa**同様、
彩度の情報を表している。
【0044】次に、肌色判定部4での処理の詳細につい
て、更に図6のフローチャートと共に説明する。人物画
判定部3で人物画であると判断された場合、顔エリアの
肌色の情報に関して、YUVやRGBの色空間における
画素の値や色相(Hue)などの平均値あるいは中央値
などを顔の肌色情報として求める(ステップ201)。
また、顔エリアを複数のエリアに分割してそれぞれのエ
リアから情報を抽出し、最も面積の大きい部分の情報を
もって肌色と判断するなどの方法で異種光源への対応も
行うことができる。ここでは、RGB値とそれから求め
たHueを利用することとし、それぞれRGB_Or
g、Hue_Orgとする。
【0045】この情報に、先に求めたホワイトバランス
パラメータ(ステップ202)を基に、ホワイトバラン
スの演算処理を行い、ホワイトバランス実施後の肌色情
報を求める(ステップ203)。この肌色情報をRGB
_Chg、Hue_Chgとする。続いて、予め好まし
い肌色として、Hue_Targetを設定しておき、
これと先のHue_Org、Hue_Chgとの差をと
って比較する(ステップ204)。
【0046】ここで、もし、 |Hue_Org ― Hue_Target| >|Hue_Chg ― Hue_Target| ならば、好ましい肌色と判断して先に求めたホワイトバ
ランスパラメータを基に画像全体に対してホワイトバラ
ンスが実行される(ステップ206)。一方、 |Hue_Org ― Hue_Target| ≦|Hue_Chg ― Hue_Target| の場合は、ホワイトバランスを実行した結果、肌色が好
ましい肌色から離れてしまうため、ホワイトバランスを
実行しない(ステップ207)。
【0047】なお、ここでは処理時間の短縮や精度の問
題からより大きく改善される場合にのみホワイトバラン
スを実行するように、 |Hue_Org ― Hue_Target| >|Hue_Chg ― Hue_Target|ー(定数) |Hue_Org ― Hue_Target| ≦|Hue_Chg ― Hue_Target|ー(定数) というように、ある程度の調整を行うことも可能であ
る。また、上記の実施の形態ではHueを用いたが、R
GB等を用いて色空間の一点や空間のあるブロックを好
ましい肌色と設定することも容易に考えられる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のホワイトバランス調整に加えて、画像が人物画の
場合には重要な肌色情報に関して好ましい肌色に近い結
果を得るようにホワイトバランス調整することができ
る。また、本発明によれば、肌色だけを補正するわけで
はないので、異種光源により肌色が全体と違う照明を受
けていたとしても、画像全体の色のバランスを崩すこと
なくホワイトバランス調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施の形態のブロック図であ
る。
【図2】本発明方法の一実施の形態フローチャートであ
る。
【図3】図2中のホワイトバランスパラメータ算出ステ
ップの一例の詳細フローチャートである。
【図4】図2中の人物画の判定ステップの一例の詳細フ
ローチャートである。
【図5】図4中のステップ45の縦方向及び横方向の情
報についての説明図である。
【図6】図2の要部の一実施の形態の詳細フローチャー
トである。
【符号の説明】
1 画像データ格納部 2 ホワイトバランスパラメータ産出部 3 人物画判定部 4 肌色判定部 5 画像処理演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像データからその明度情報と彩
    度情報とを抽出して、前記カラー画像データの明度情報
    と彩度情報とを表す色空間において、全画素の中の白及
    び予め設定した白に近いと認識される領域におけるデー
    タに基づいて、三原色を表す色空間において、それぞれ
    の色成分が一致するようなホワイトバランスパラメータ
    を算出する第1のステップと、 前記カラー画像データによる画像が人物画であるかどう
    か判定する第2のステップと、 前記第2のステップにより人物画であると判定されたと
    きは、前記人物画における顔領域から肌色情報を抽出す
    る第3のステップと、 前記第3のステップにより抽出された前記肌色情報に、
    前記第1のステップで算出した前記ホワイトバランスパ
    ラメータを用いてホワイトバランス処理後の肌色情報を
    算出し、この算出した肌色情報が予め設定した好ましい
    肌色であるかどうか判定する第4のステップと、 前記第4のステップにより前記算出した肌色情報が前記
    好ましい肌色であると判定されたとき、又は前記第2の
    ステップにより前記カラー画像データによる画像が人物
    画でないと判定されたときに、前記第1のステップで算
    出した前記ホワイトバランスパラメータを用いて計算処
    理を行い、ホワイトバランス調整したカラー画像データ
    を出力する第5のステップとを含むことを特徴とするホ
    ワイトバランス調整方法。
  2. 【請求項2】 前記第4のステップは、前記第3のステ
    ップにより抽出された前記肌色情報の色相と前記予め設
    定した好ましい肌色を示す色相との差の第1の絶対値
    が、前記ホワイトバランス処理後の肌色情報の色相と前
    記予め設定した好ましい肌色を示す色相との差の第2の
    絶対値よりも大であるときは、好ましい肌色であると判
    定することを特徴とする請求項1記載のホワイトバラン
    ス調整方法。
  3. 【請求項3】 カラー画像データを格納する画像データ
    格納部と、 前記画像データ格納部から読み出したカラー画像データ
    の明度情報と彩度情報とを抽出して、前記カラー画像デ
    ータの明度情報と彩度情報とを表す色空間において、全
    画素の中の白及び予め設定した白に近いと認識される領
    域におけるデータに基づいて、三原色を表す色空間にお
    いて、それぞれの色成分が一致するようなホワイトバラ
    ンスパラメータを算出するホワイトバランスパラメータ
    算出部と、 前記カラー画像データによる画像が人物画であるかどう
    か判定する人物画判定部と、 前記人物画判定部により人物画であると判定されたとき
    は、前記人物画における顔領域から抽出した肌色情報
    に、前記ホワイトバランスパラメータ算出部で算出した
    前記ホワイトバランスパラメータを用いてホワイトバラ
    ンス処理後の肌色情報を算出し、この算出した肌色情報
    が予め設定した好ましい肌色であるかどうか判定する肌
    色判定部と、 前記肌色判定部により前記算出した肌色情報が前記好ま
    しい肌色であると判定されたとき、又は前記人物画判定
    部により前記カラー画像データによる画像が人物画でな
    いと判定されたときに、前記ホワイトバランスパラメー
    タ算出部で算出した前記ホワイトバランスパラメータを
    用いて計算処理を行い、ホワイトバランス調整したカラ
    ー画像データを出力して前記画像データ格納部に格納す
    る画像処理演算部とを有することを特徴とするホワイト
    バランス調整装置。
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