JP2001143266A - 光記録方法 - Google Patents
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Abstract
を行う方法を提供する。 【解決手段】 相変化型の記録層を有し、データ記録領
域と試し書き領域とを有する光記録媒体に対し記録を行
う方法であって、データ記録領域に記録を行う前に、デ
ータ記録領域の記録履歴に応じて試し書き領域への記録
を行い、試し書き領域における再生信号の品質に基づい
てデータ記録領域への最適な記録・消去条件を求める光
記録方法。
Description
媒体に対し記録を行う方法に関する。
書き換えることの可能な光記録媒体が注目されている。
書き換えの可能な光記録媒体のうち相変化型光記録媒体
は、レーザー光を照射して記録層の結晶状態を変化させ
て記録を行ない、状態変化にともなう記録層の反射率変
化を検出することにより再生を行なうものである。
強度を変調することでオーバーライトが可能であり、駆
動装置の光学系が単純であるために注目されている。
は、通常、以下のようになされる。まず、形成直後の非
晶質状態の記録層を初期化(結晶化)しておく。記録に
際しては、記録層がその融点以上まで昇温されるパワー
(記録パワー)のレーザービームを照射する。記録パワ
ーが加えられた部分では記録層が溶融した後、急冷さ
れ、非晶質の記録マークが形成される。記録マークを消
去する際には、記録層がその結晶化温度以上融点未満の
温度まで昇温されるパワー(消去パワー)のレーザービ
ームを照射する。消去パワーが加えられた記録マーク
は、結晶化温度以上まで加熱された後、徐冷されるた
め、結晶質に戻る。このように、単一のレーザービーム
の強度を変調することにより、オーバーライトが可能と
なる。
素子の経時劣化およびゴミ付着に伴う感度変化、発光パ
ワー変化などが生じため、これらを補正して最適な条件
で記録を行うために、試し書きを行うことが一般的であ
る。標準化された光記録媒体では、媒体の一部に、試し
書き領域を設けることがメディア・フォーマットで定め
られており、記録パワーを変化させながら試し書き領域
に記録を行い、その再生信号に基づいて最適記録パワー
を決定し、この最適記録パワーを用いてデータ記録領域
に記録を行う方法が利用されている。
化記録媒体においても試し書きが必要であるが、相変化
記録媒体では記録状態を決定するパワーが複数あるた
め、従来から用いられている最適パワー検出アルゴリズ
ムをそのまま用いることができず、試し書き方法が確立
されていない、旨が記載されている。そして同公報で
は、このような問題を解決するために、記録および消去
半導体発光素子のパワーを、それぞれ設定された変化率
に応じて同時に変化させながら、または、それぞれ独立
して変化させながら試し書きを行うことにより、最適な
記録および消去半導体発光素子パワーを決定する方法を
提案している。
は、前述したように記録パワーと消去パワーとの間でパ
ワー変調を行うことにより、オーバーライト記録を行
う。本発明者らの研究によれば、前回記録を行ってから
オーバーライトを行うまでの経過時間によって、最適記
録条件が異なることがわかった。すなわち、相変化型光
記録媒体にオーバーライトを行う場合、記録の履歴が異
なると最適な記録条件も異なることがわかった。
報には、記録履歴に対応した最適な記録条件を求める手
段は開示されていない。
し最適な条件で記録を行う方法を提供することである。
〜(3)の本発明により達成される。 (1) 相変化型の記録層を有し、データ記録領域と試
し書き領域とを有する光記録媒体に対し記録を行う方法
であって、データ記録領域に記録を行う前に、データ記
録領域の記録履歴に応じて試し書き領域への記録を行
い、試し書き領域における再生信号の品質に基づいてデ
ータ記録領域への最適な記録・消去条件を求める光記録
方法。 (2) 試し書き領域におけるオーバーライト間隔を、
データ記録領域におけるオーバーライト間隔と一致する
ように設定する上記(1)の光記録方法。 (3) データ記録領域の未記録部に記録を行う場合に
は、その記録前に試し書き領域の未記録部に記録を行
い、データ記録領域の記録部にオーバーライトを行う場
合には、そのオーバーライトの前に試し書き領域の記録
部にオーバーライトを行う上記(1)または(2)の光
記録方法。
記録層を有し、かつ、データ記録領域と試し書き領域と
を有する光記録媒体に適用される。なお、データ記録領
域は、ユーザーがデータを記録する領域を意味する。既
に標準化されている相変化型光記録媒体のうち例えばC
D−RWには、試し書き領域としてPCA(Power Cali
bration Area)が設けられている。
前に、データ記録領域の記録履歴に応じて試し書き領域
への記録を行い、試し書き領域における再生信号の品質
に基づいてデータ記録領域への最適な記録・消去条件を
求める。
録領域の記録履歴に応じて行う必要性について説明す
る。
録履歴としては、前回記録してからの経過時間が挙げら
れる。本発明者らの研究によれば、相変化型光記録媒体
では、前回記録を行ってからオーバーライトを行うまで
の経過時間(オーバーライト間隔)によって最適記録条
件が異なる。そのため本発明では、少なくとも前回記録
からの経過時間を、記録履歴として参照することが好ま
しい。また、初期化直後の記録層に初めて記録するとき
と、記録済みの記録層にオーバーライトする場合とで
は、最適記録条件が異なるため、初回記録であるかオー
バーライトであるかも記録履歴として参照することが好
ましい。
よって最適記録条件が異なることを示す実験について説
明する。
ーブ(幅0.2μm、深さ20nm、ピッチ0.74μm)
を同時形成した直径120mm、厚さ0.6mmのランド・
グルーブダブルスパイラルディスク状ポリカーボネート
基体の表面に、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、
反射層および保護層を以下に示す手順で順次形成し、光
記録ディスクサンプルを作製した。
5モル%)−SiO2(15モル%)を用い、Ar雰囲
気中でスパッタ法により形成した。厚さは90nmとし
た。
ーゲットの組成(原子比)は、 (InaAgbTe1-a-b)1-cSbc において a=0.1、 b=0.15、 c=0.6 とした。記録層の厚さは20nmとした。
5モル%)−SiO2(15モル%)を用い、Ar雰囲
気中でスパッタ法により形成した。第2誘電体層の厚さ
は30nmとした。
法により形成した。ターゲットにはAl−1.7原子%
Crを用いた。反射層の厚さは100nmとした。
ト法により塗布後、紫外線照射により硬化して形成し
た。硬化後の保護層厚さは5μm であった。
て、記録層をバルクイレーザーにより初期化した後、光
記録媒体評価装置(パルステック社製DDU−100
0)を用い、 レーザー波長:635nm、 NA:0.6、 記録信号:EFMのランダム信号、 線速度:3.5m/s として記録および再生を行い、記録パルスストラテジに
関するパラメータの最適値、記録パワーの最適値および
消去パワーの最適値を求めた。
明する。相変化型光記録媒体など、ヒートモードで記録
マークを形成する媒体に対しては、記録パワーを記録マ
ークの長さに対応して連続的に照射するのではなく、例
えば特開平1−150230号公報に記載されているよ
うに、記録マーク形状の制御のため複数のパルスからな
るパルス列に分割して照射する場合が多い。この場合の
パルス分割の具体的構成を、一般に記録パルスストラテ
ジと呼ぶ。この実験で利用した記録パルスストラテジ
を、図1に示す。図1には、NRZI信号の5T信号に
対応する記録パルス列を示してある。同図において、T
topは先頭パルスの幅であり、Tmpは先頭パルス以外の
パルス(マルチパルスともいう)の幅であり、Tclは最
後尾パルスの後ろに付加された下向きパルス(クーリン
グパルスともいう)の幅である。これらのパルス幅は、
通常、基準クロック幅(1T)で規格化した値で表示さ
れる。この記録パルスストラテジでは、パルス間でのパ
ワー(バイアスパワー)を消去パワーよりも低く設定し
ている。なお、この記録パルスストラテジでは、nT信
号におけるパルス数をn−2に設定した。
消去パワーについての上記最適値とは、クロックジッタ
が最小となる値である。クロックジッタは、再生信号を
タイムインターバルアナライザにより測定し、ウインド
ウ幅をTwとして σ/Tw (%) により算出した。クロックジッタは、基準クロック幅
(1T)に対応する周波数に対する再生信号の時間的揺
らぎである。
件(クロックジッタが最小となる条件)は、 記録パワー:12mW、 消去パワー:6mW バイアスパワー:0.5mW、 Ttop:0.5T、 Tmp:0.3T、 Tcl:0.6T であり、この条件で記録したときのクロックジッタは8
%であった。このときの条件は、未記録部への記録(初
回記録)の際の最適記録条件であり、以下、初回最適条
件と呼ぶ。
クジッタに与える影響を調べた。
して、サンプルの未記録部に、初回最適条件で連続して
2回記録(2回目はオーバーライト)を行った。このと
きのオーバーライト間隔は、1秒間とした。2回目の記
録後に測定したクロックジッタは9.5%であった。次
に、間隔をあけたオーバーライトに関する実験として、
サンプルの未記録部に初回最適条件で1回記録した後、
2日後に初回最適条件でオーバーライトを1回行った。
このときのクロックジッタは10%であった。これに対
し、2日後にオーバーライトする際に、記録パワーおよ
び消去パワーをそれぞれ1mW高くしたところ、クロック
ジッタは9%であった。この結果から、オーバーライト
する際の最適記録条件が、前回記録からの経過時間に影
響を受けることがわかる。
Tmpを0.3Tから0.4Tに変更したところ、クロッ
クジッタは9%であり、初回最適条件で2回続けて記録
を行う場合に比べ改善された。この結果から、初回記録
と2回目の記録(オーバーライト)とで最適記録条件が
異なることがわかる。
験として、サンプルの未記録部に、初回最適条件で連続
して10回記録(2回目以降はオーバーライト)を行っ
た。このときのオーバーライト間隔は、1秒間とした。
10回目の記録後に測定したクロックジッタは9%であ
った。次に、間隔をあけたオーバーライトに関する実験
として、10回連続オーバーライトした上記サンプルに
対し、連続オーバーライトの2日後に初回最適条件でオ
ーバーライトを行った。このときのクロックジッタは1
0%であった。これに対し、10回連続オーバーライト
の2日後にオーバーライトする際に、消去パワーを1mW
高くしたほかは初回最適条件と同じとしたところ、クロ
ックジッタは9.5%であった。また、10回連続オー
バーライトの2日後にオーバーライトする際に、記録パ
ワーを1mW高くしたほかは初回最適条件と同じとしたと
ころ、クロックジッタは9.4%であった。この結果か
らも、オーバーライトする際の最適記録条件が、前回記
録からの経過時間に影響を受けることがわかる。
過時間による影響が、前回記録までのオーバーライト回
数によらず生じることがわかる。
領域の記録履歴に応じた条件で試し書きを行う必要のあ
ることがわかる。
きは、例えば以下の手順で行うことが好ましい。
やセクタ等の単位に分割されて管理されているデータ記
録領域は、すべて未記録部(初期化後に1回も記録され
ていない領域)であるとする。この場合、試し書き領域
も、すべて未記録部である。
に際しては、その前に、試し書き領域において様々な条
件で試し書きを行って、初回記録における最適記録条件
を求める。次いで、この最適記録条件でデータ記録領域
に記録を行うと共に、その前または後に、この最適記録
条件で試し書き領域(ただし、試し書きを行っていない
領域)にも記録を行って、データ記録領域と試し書き領
域とで記録履歴(記録回数)を一致させておく。
ーバーライト)を行う場合について説明する。この場
合、試し書き領域において既に1回記録された領域(た
だし、初回記録時に試し書きを行っていない領域)上
に、様々な条件で試し書き(オーバーライト)を行い、
最適オーバーライト条件を求める。次いで、この最適オ
ーバーライト条件でデータ記録領域にオーバーライトを
行うと共に、その前または後に、この最適オーバーライ
ト条件で試し書き領域(ただし、試し書きを行っていな
い領域)にオーバーライトを行って、データ記録領域と
試し書き領域とで記録履歴(オーバーライト間隔および
オーバーライト回数)を一致させておく。
回目のオーバーライト)を行う場合について説明する。
この場合、試し書き領域において既に2回記録(1回オ
ーバーライト)された領域(ただし、それまでに試し書
きを行っていない領域)上に、様々な条件で試し書き
(オーバーライト)を行い、最適オーバーライト条件を
求める。次いで、この最適オーバーライト条件でデータ
記録領域に2回目のオーバーライトを行うと共に、その
前または後に、この最適オーバーライト条件で試し書き
領域(ただし、それまでに試し書きを行っていない領
域)に2回目のオーバーライトを行って、データ記録領
域と試し書き領域とで記録履歴を一致させておく。
トを行う場合、オーバーライトを2回行う場合に準じ
て、試し書きを行うと共に記録履歴の一致を図ればよ
い。
ーバーライト間隔の相異なる2以上の領域にわたって記
録する場合が生じることがある。その場合にも本発明は
適用可能である。このようにデータ記録領域に記録履歴
の相異なる複数の記録部が存在する場合においては、試
し書き領域を複数に分割し、分割された各部に、前記複
数の記録部のそれぞれにおける記録履歴を保持させてお
けばよい。
決定の手順について説明する。相変化型光記録媒体に記
録する際には、前述したようにオーバーライトが可能な
ように記録パワーと消去パワーとの間でパワー変調をす
る。したがって、前記特開平8−124165号公報に
記載されているように、記録パワーおよび消去パワー
を、あらかじめ設定した変化率に応じて同時に変化させ
て試し書きを行うか、または、記録パワーおよび消去パ
ワーを互いに独立して変化させて試し書きを行うことに
より、最適記録パワーと最適消去パワーとを求め、その
組み合わせを最適記録条件として採用することができ
る。また、記録パワーおよび記録パルスストラテジの少
なくとも一方と消去パワーとを同時に変化させて試し書
きを行うか、または、記録パルスストラテジおよび記録
パワーの少なくとも一方と消去パワーとを互いに独立し
て変化させて試し書きを行うことにより、最適記録条件
を求めてもよい。なお、記録パルスストラテジを変化さ
せるとは、パルス列を構成する各パルスの幅、パルス間
隔、パルス間のパワーなどを変化させることである。パ
ルス分割記録において各パルスのパワーを一定とする場
合には、その一定のパワーが記録パワーとなるが、各パ
ルスごとに独立してパワーを設定してもよい。
に制限なく適用できるが、特に、Ge−Sb−Te系組
成やIn−Ag−Te−Sb系組成の記録層を有する媒
体に好適である。
素の原子比を 式I GeaSbbTe1-a-b で表わしたとき、 0.08≦a≦0.35、 0.12≦b≦0.40 であるものが好ましい。また、In−Ag−Te−Sb
系組成としては、構成元素の原子比を 式II [(InaAgbTe1-a-b)1-cSbc]1-dMd で表したとき、 a=0.1〜0.3、 b=0.1〜0.3、 c=0.5〜0.8、 d=0〜0.10 であるものが好ましい。なお、元素Mは、H、Si、
C、V、W、Ta、Zn、Ti、Ce、Tb、Ge、S
n、PbおよびYから選択される少なくとも1種の元素
である。
を行うに際し、記録履歴を考慮することにより正確な最
適記録条件を求めることができる。
きに用いる記録波形の模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 相変化型の記録層を有し、データ記録領
域と試し書き領域とを有する光記録媒体に対し記録を行
う方法であって、 データ記録領域に記録を行う前に、データ記録領域の記
録履歴に応じて試し書き領域への記録を行い、試し書き
領域における再生信号の品質に基づいてデータ記録領域
への最適な記録・消去条件を求める光記録方法。 - 【請求項2】 試し書き領域におけるオーバーライト間
隔を、データ記録領域におけるオーバーライト間隔と一
致するように設定する請求項1の光記録方法。 - 【請求項3】 データ記録領域の未記録部に記録を行う
場合には、その記録前に試し書き領域の未記録部に記録
を行い、データ記録領域の記録部にオーバーライトを行
う場合には、そのオーバーライトの前に試し書き領域の
記録部にオーバーライトを行う請求項1または2の光記
録方法。
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