JP2001142295A - 現像ローラ及びその製造方法 - Google Patents

現像ローラ及びその製造方法

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JP2001142295A
JP2001142295A JP32213599A JP32213599A JP2001142295A JP 2001142295 A JP2001142295 A JP 2001142295A JP 32213599 A JP32213599 A JP 32213599A JP 32213599 A JP32213599 A JP 32213599A JP 2001142295 A JP2001142295 A JP 2001142295A
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Ritsu Tani
立 谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像ローラの両端部に位置する部材とその外
径よりも小さい中央部の部材との間にある軸方向の隙間
を極力小さくすることによって、トナー漏れを防止し、
安定した画像特性が得られる現像ローラを提供する。 【解決手段】 表面層上にブレードにより薄層化された
トナーを潜像担持体に供給して潜像担持体上の静電潜像
を現像する現像ローラに関する。現像ローラは、表面層
を有する胴部部材31と、胴部部材31の両端部に取り
付けられる端部部材32とを有し、端部部材32は、胴
部部材31より硬度の高い部材であり、胴部部材31の
両端部の全周に渡って密着している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真記録装置
等に使用する現像ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ
等の電子写真方式に用いる現像装置は、磁性キャリアに
非磁性トナーを含めた現像剤を用い、磁気ブラシ方式で
現像する2成分現像方式と、非磁性または磁性トナーの
みを用い、非磁性または磁性の現像ローラで現像する1
成分現像方式とがある。
【0003】2成分現像方式の場合は、複写スピードを
早くできるなどの長所はあるが、装置構造が複雑になる
ため、製造コストが高くなり、近年需要が高い安価な製
品には不向きである。
【0004】一方、1成分現像方式の場合は、複写スピ
ードが2成分現像方式には劣るが、装置が小型化でき製
造コストも安価であるため、パーソナル分野のプリンタ
ーなどに採用されている。
【0005】図1は、このような1成分現像方式の現像
装置の構成を示す図である。この現像装置1では、現像
ローラ3上の現像剤量を規制するブレード4を用いて、
現像ローラ3上に現像剤(トナー)層を形成させる。現
像ローラ3上のトナーは、補給ローラ5との接触で摩擦
帯電し、現像ローラ3上に保持される。なお、符号7は
アジテータである。
【0006】その後現像ローラ3の回転によって、現像
ローラ3上のトナー6はブレード4と接触して規制さ
れ、ブレード4を通過したトナー6は薄層化H(図3
(A)参照)される。次いで、ブレード4によって薄層
化されたトナー6は、現像ローラ3と接触した潜像担持
体8である感光体上の潜像を現像する。
【0007】その時の現像ローラ3と潜像担持体8との
接触状態が画像品質に大きく影響する。この接触状態と
は、接触幅(ニップ幅)と接触圧力であり、それらがば
らつくと現像ローラ3と潜像担持体8でのトナーの挙動
が不安定になり、画像濃度、画像シャープ性、地汚れな
どの画像特性が不安定になる。
【0008】具体的に、現像ローラ3と潜像担持体8と
の間の接触圧力が小さくなると、現像ギャップが大きく
なり画像濃度の低下(画像が薄くなる)や接触しない場
合には画像の白抜けなどが発生する。また逆に接触圧力
が大きくなると、画像のシャープ性や地汚れなどが発生
しやすくなる。
【0009】そこで従来、図2(A)に示すように、現
像ローラの軸方向両端部の部材132の外径を中央部の
部材131の外径よりも大きくすることにより、図2
(B)に示すように、潜像担持体8と接触したときに両
端部に位置する部材132を他の部分131よりも大き
く変形させ、接触面では見かけ上軸方向に全域で現像ロ
ーラの外径が同一になるようにしていた。
【0010】この従来の構成では、現像ローラの外径の
小さな部分131がブレードなどの規制材の機能をはた
しそれ以下には変形しないようにしているため、現像ロ
ーラと潜像担持体との間の接触圧力が均一に維持される
ことで、上記問題点を解決していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示すように、現像ローラの両端部に位置する部材132
とその外径よりも小さい胴部の部材131との間に軸方
向または径方向の隙間(接着剤層)Sが生じると、その
隙間Sに凹部が生じて凹部内にトナー6が入り込んで固
着し、トナー6が隆起し成長することで、ブレード4を
押し上げ、トナー6が現像ローラ外に漏れ、画像および
製品中が汚れるという問題が発生していた。
【0012】そこで本発明は、上記課題を解決するため
になされたもので、現像ローラの両端部に位置する部材
とその外径よりも小さい中央部の部材との間にある軸方
向の隙間を極力小さくすることによって、トナー漏れを
防止し、安定した画像特性が得られる現像ローラを提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、表面層上にブレードにより薄層化
されたトナーを潜像担持体に供給して該潜像担持体上の
静電潜像を現像する現像ローラにおいて、前記現像ロー
ラは、前記表面層を有する胴部部材と、前記胴部部材の
両端部に取り付けられる端部部材とを有し、該端部部材
は、前記胴部部材より硬度の高い部材であり、前記胴部
部材の両端部の全周に渡って密着していることを特徴と
する現像ローラである。この構成では、現像ローラの胴
部部材の両端部に胴部部材よりも硬度の高い部材を全周
に渡って密着させることで隙間を無くし、トナー隆起に
よってブレードを押し上げて生じるトナー飛散を無くす
ことが可能となることによって、現像装置内および画像
へのトナー付着がなくなり、安定した画像特性を得るこ
とができる。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の現像ローラにおいて、前記胴部部材と前記端部部材と
の接合幅は0.05mm以下であることを特徴としてい
る。この構成では、請求項1の作用に加えて、現像ロー
ラの胴部部材と胴部部材よりも硬度の高い端部部材との
隙間を0.05mm以下にすることで、全面接着するこ
とができるので、胴部部材と端部部材との間へのトナー
の入り込みが低減し、接着力が維持可能となるため現像
ローラとして長寿命となる。
【0015】また、請求項1又は2に記載の現像ローラ
において、前記トナーを1成分トナーとした場合には、
非磁性または磁性トナーのみを用い、非磁性または磁性
の現像ローラで現像することができる。
【0016】また、上記目的を達成するために請求項3
の発明は、表面層上にブレードにより薄層化されたトナ
ーを潜像担持体に供給して該潜像担持体上の静電潜像を
現像する現像ローラの製造方法において、前記表面層を
有する胴部部材の両端部に該胴部部材よりも硬度の高い
端部部材を、胴部部材端面の芯金外周に芯金を頂点とし
て山状に液状接着剤を塗布した後、胴部部材端部に密着
させる端部部材を押付けて接合することを特徴とする現
像ローラの製造方法である。この構成では、現像ローラ
の胴部の部材と両端部に胴部部材よりも硬度の高い部材
を接合する時に、液状接着剤を現像ローラ芯金外径に沿
って芯金を中心として山状に塗布することによって、端
部部材を押付けて接合する時に、エアの巻き込みが少な
くなり、熱などによってエアが膨張変形するなどの不具
合が低減し、耐環境性の余裕度が向上する。
【0017】また、請求項4の発明は、請求項3に記載
の現像ローラの製造方法において、前記端部部材を前記
胴部部材端部に押付けて接合する際に、端部部材端面の
芯金外径付近を胴部部材端面に向けて押し付け、その後
に端部部材の端面全体を胴部部材端面に向けて押付けて
接合することを特徴としている。この構成では、現像ロ
ーラの胴部部材と胴部部材よりも硬度の高い端部部材と
を接合する時に、現像ローラの芯金に近い部分を押し、
その後端部の部材の端面全面を押付けることによって、
胴部と端部の部材間が密着し、現像ローラの形状の安定
性が向上する。
【0018】また、請求項5の発明は、表面層上にブレ
ードにより薄層化されたトナーを潜像担持体に供給して
該潜像担持体上の静電潜像を現像する現像ローラにおい
て、前記現像ローラは、前記表面層を有する胴部部材
と、前記胴部部材の両端部に取り付けられる端部部材と
を有し、該端部部材は前記胴部部材より硬度の高い部材
であり、前記胴部部材と前記端部部材との間に前記胴部
部材より硬度の低い弾性層を介在させ、該弾性層は前記
胴部部材及び端部部材の何れの部材にも全周に渡って密
着していることを特徴とする現像ローラである。この構
成では、胴部部材と端部部材との間に胴部部材および端
部部材の何れよりも硬度の低い弾性層を介在させている
ので、ブレードとの当接圧により生じるせん断力による
捻れを防止でき、捻じれ力により現像ローラ表層部の耐
久性が低下して亀裂、ひび割れが発生するのを遅延させ
ることで、現像ローラの長寿命化を図り、胴部部材の表
面に発生するトナー固着も低減し、トナー固着に起因す
るトナー飛散も低減することが可能となる。さらに、ト
ナー固着によってトナー薄層状態が不均一となり、黒ポ
チ、白スジ、濃度ムラ等の異常画像が発生するのを防止
することができる。
【0019】また、請求項6の発明は、表面層上にブレ
ードにより薄層化されたトナーを潜像担持体に供給して
該潜像担持体上の静電潜像を現像する現像ローラの製造
方法において、前記表面層を有する胴部部材の両端部に
該胴部部材よりも硬度の低い弾性層を、胴部部材端面の
芯金外周に芯金を頂点として山状に液状接着剤を塗布し
た後、胴部部材端部に密着させる弾性層を押付けて接合
し、次いで、前記胴部部材よりも硬度の高い端部部材
を、弾性層端面の芯金外周に芯金を頂点として山状に液
状接着剤を塗布した後、弾性層端部に密着させる端部部
材を押付けて接合することを特徴とする現像ローラの製
造方法である。この構成では、長寿命化を図り、胴部部
材の表面に発生するトナー固着も低減し、それに起因す
るトナー飛散も低減することが可能となる現像ローラを
製造できるとともに、弾性層または端部部材を押付けて
接合する時に、エアの巻き込みが少なくなり、熱などに
よってエアが膨張変形するなどの不具合が低減し、耐環
境性の余裕度が向上する。
【0020】また、請求項7の発明は、請求項6に記載
の現像ローラの製造方法において、前記押し付けは、先
ず、芯金外径付近を胴部部材端面に向けて押し付け、そ
の後に端面全体を胴部部材端面に向けて押付けて接合す
ることを特徴としている。この構成では、芯金外径付近
を胴部部材端面に向けて押し付けることにより、接着剤
内に空気が混入するのを防止できるとともに、端面全体
を胴部部材端面に向けて押付けることにより、極めて薄
い接着層を介して密着することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図5は、本発明の一実施形態に係
る現像ローラの基本構成を示す図である。図5に示すよ
うに、1成分現像装置に備える現像ローラの基本構成
は、金属等の導伝材からなる芯金33と、芯金33外周
に被覆された誘電体層である胴部部材31と、胴部部材
31の両端に取り付けられる端部部材32とを備えてい
る。また、この端部部材32は環状に構成され、本実施
形態では胴部部材31の端面全面に接着接合されて密着
している。
【0022】前記誘電体層の材質としては、ゴム、エラ
ストマー、樹脂などがあるウレタン、シリコン系の材料
から要求特性に応じて適宜選択される。また誘電体層中
には、現像ローラの電気特性を満足するために、カーボ
ン、フェライトなどの充填剤を添加する。
【0023】前記現像ローラの両端部に位置する端部部
材32は、ブレード等のトナー量の規制材の当接力に対
して、胴部部材32の変形を小さくしてシール性を高め
るために胴部部材31よりもゴム硬度を高めた誘電体を
用いる。端部部材32と胴部部材31とを接着接合する
ための接着剤はゴム系接着剤を使用する。
【0024】現像ローラの胴部部材31と両端部の端部
部材32との隙間を当接させ、トナーの入り込みを無く
すために、両端部の端部部材32と胴部部材31との接
合端面が全周に渡って現像ローラ外径まで密着している
必要がある。
【0025】上記のような接合方法としては、液状接着
剤を両端部の端部部材32と胴部部材31との接合面に
塗布する接着接合がある。液状接着剤の塗布方法として
は、後述するように、現像ローラの芯金33外周部に沿
って、山状に均一量を塗布し、現像ローラの両端から両
端部の端部部材32を押して保持させることで液状接着
剤を胴部部材端面の外径まで広げ、接着剤をはみ出させ
る。このように塗布して接着剤が硬化した後、研削盤な
どの手段を用いて現像ローラの外径を所定寸法に仕上げ
ることで現像ローラの端部部材32と胴部部材31とが
外径まで密着している現像ローラを得ることができる。
【0026】図4は、現像ローラの両端部の端部部材と
胴部部材との隙間とトナー漏れとの関係を示す図であ
る。上述した従来の問題点であるトナー漏れに対して現
像ローラの両端部の端部部材32と胴部部材31との隙
間mとトナー漏れとの関係は、図4に示すように、接合
幅である隙間(接着剤層厚)を0.07mm未満に抑え
ることでトナー漏れは発生しないことがわかる。余裕度
を考慮すると、0.05以下に接合幅である隙間(接着
剤層厚)mを押さえることによって、トナー漏れを解決
することが可能となる。なお、図4中、「深さ」とは端
部部材の外周から接着剤の最深部までの長さのことであ
る。
【0027】次に、図4の関係を得るための実験条件に
ついて説明する。 (実験条件) ・ 現像ユニット空回し:40分間(A4横 200枚相
当) ・ トナー:マゼンタトナー ・ 環境:常温常湿 ・ シール条件:パイル突出量5.5mm、スポンジ突
出量4mm
【0028】この実験条件において、現像ユニット空回
しとは現像ローラ、ブレード等がユニット化されたもの
における現像ローラの駆動時間(回転時間)のことであ
り、シール条件のパイル突き出し量とは、図8に示すよ
うに、端部部材32を受けるモールド構造体2のエッジ
からのパイル層23の出張量T2であり、スポンジ突出
量とは端部部材32を受けるモールド構造体2のエッジ
からのスポンジ層22の出張量T1である。
【0029】なお、図8中、符号2aは端部部材32を
受けるように凹状に形成されたモールド構造体受け部で
あり、符号24は胴部部材31の表面層に当接してシー
ルする入口シールである。この入口シール24は透明フ
ィルム体からなり、モールド構造体2に支持されてい
る。前記モールド構造体受け部2a上には、接着用テー
プ21を介してスポンジ層22が取り付けられ、スポン
ジ層22上にはパイル層23が取り付けられている。
【0030】次に、接合部の隙間を0.07mm未満、
余裕度を考慮すると0.05mm以下に抑えることが可
能な接着方法について述べる。図6は接着剤の塗布方法
を示す図であり、(A)は本発明の現像ローラの製造方
法による塗布方法を示し、(B)は比較例の接着剤の塗
布方法を示す。
【0031】まず接着剤を塗布する方法であるが、図6
(A)に示すように、現像ローラの中央部部材である胴
部部材31の端面に接着剤Cを塗布し、芯金33の外径
寸法に対して圧入寸法の内径32aを有する中空の円筒
形状物である端部部材32を押し付ける場合に、芯金3
3と端部部材32との間にエア等の巻き込みを無くすた
めに接着剤Cの塗布時に芯金中央付近に塗布する。即
ち、芯金33の根元を狙って芯金33を頂点とする山状
に接着剤Cを塗布すると、エアの巻き込みがなく、外径
方向に接着剤を広げることができる。
【0032】このように、接着剤Cを芯金33の端面の
中心寄りに塗布することにより、エアの巻き込みを防止
して接着剤Cを外径方向に広げることができ、乾燥時に
加熱してもエアが膨張変形することがない。
【0033】これに対して、図6(B)の比較例に示す
ように、接着剤Cを芯金33の端面の中心から離れた部
分に塗布した場合には、エアが巻き込み、乾燥時の加熱
によりエアが膨張変形し、周辺部等に隙間(凹部)が生
じるという問題がある。
【0034】図7は本発明の一実施形態に係る現像ロー
ラの両端部の端部部材を押す方法を示す図である。上述
したように接着剤を山状に塗布した後、現像ローラの両
端部の端部部材32を押す方法としては、先ず図7
(A)に示すように、端部部材32を芯金33に挿入す
る。このとき、端部部材32の内径は芯金33の外径に
対して圧入寸法になっているので、端部部材32の内径
と芯金33の外径との間から接着剤がはみ出すことがな
い。
【0035】次に、図7(B)に示すように、端部部材
32の芯金付近を、例えば先端の外径が端部部材32の
外径より小さく、内径が芯金33より僅かに大きい環状
の第一押圧治具Z1で押すことにより、端部部材32の
内径部周囲を胴部部材31の端面に近接させることがで
きるとともに、接着剤内に空気が混入するのをより防止
することができる。
【0036】次に、図7(C)に示すように、先端の外
径が端部部材32の外径と同じかより大きく、内径が芯
金33より僅かに大きい環状の第二押圧治具Z2で端部
部材32の端面全面を押すことにより、胴部部材31の
端面と端部部材32とを極めて薄い接着層を介して密着
することができ、現像ローラの形状の安定性を向上させ
ることができる。
【0037】このように本発明の一実施形態に係る現像
ローラの製造方法では、先ず端部部材32の芯金中心付
近を胴部部材31の端面に向けて押し、その後端部部材
32の全面を押さえる2段階方式を採用している。
【0038】上述したように、端部部材32の内径を芯
金33の外径寸法に対して圧入寸法の内径にすること
で、端部部材32の内径と芯金33の外径との間からの
接着剤Cのはみ出しを抑えることができ、胴部部材31
の端面中央寄りに塗布した接着剤Cを現像ローラの外径
方向に広げることができる。
【0039】また、端部部材32の芯金33に近い内径
部を最初に押さえることで端部部材32の内径部が胴部
部材31の端面に最初に接触しやくすなり、次に端部部
材32の全面を押さえることにより接着剤Cを外径方向
に押し広げることができる。
【0040】押し広げられた接着剤Cは、外径方向には
み出す。その状態で、乾熱して接着剤Cを硬化させ、研
削等の加工によって外径が規格を満たすように仕上げる
ことで現像ローラを得ることができる。
【0041】以上の実施形態では、胴部部材31と端部
部材32とを密着するために、接着接合の場合について
説明したが、熱、圧力又はその両方によって接合する部
材間に連続性があるように一体化する溶接接合等であっ
てもよい。
【0042】図9は、本発明の他の実施形態に係る現像
装置の基本構成を示す図である。この現像装置の現像ロ
ーラ周辺は図8と同様であり、他の構成は図1と同様で
あるので、同一部分に同一の符号を付しその説明を省略
する。
【0043】図10は、本発明の他の実施形態に係る現
像ローラの基本構成を示す図である。図10に示すよう
に、この現像ローラが先の実施形態の現像ローラと異な
る点は、胴部部材31と端部部材32との間に環状弾性
体34を設けたことである。即ち、環状弾性体34は、
その一端面が本実施形態では胴部部材31の端面全面に
接着接合されて密着し、他端面の全面が端部部材32に
接着接合されて密着している。
【0044】前記胴部部材31は、金属等の導伝材から
なる芯金33の中央部周囲に囲繞した誘電層から構成さ
れている。誘電層の材質としては、要求特性により異な
るが、ゴム、エラストマー、樹脂などがあるウレタン、
シリコン系の材料である。また現像ローラの電気特性を
満足するために、誘電層にはカーボン、フェライトなど
の充填剤を添加している。
【0045】胴部部材31の両端部に設けた端部部材3
2は、ブレード等のトナー量の規制材の当接力に対し
て、変形を小さくするために中央部の胴部部材31より
もゴム硬度を高めた誘電体を用いている。また環状弾性
体34には、胴部部材31及び端部部材32よりもさら
にゴム硬度が低い部材を使用している。
【0046】上記の環状弾性体34としては、例えば、
エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴ
ム、シリコンゴム、ウレタンゴムなどのゴム系部材およ
びエラストマーが使用可能である。また、接着剤Cとし
ては液状のゴム系接着剤を使用している。
【0047】本発明の現像ローラでは、胴部部材31と
両端部の端部部材32との間に、胴部部材31及び端部
部材32の何れの部材よりも硬度が低い環状弾性体34
を設け、環状弾性体34の両側の隙間を当接させ、トナ
ーの入り込みを無くし、かつ胴部部材31と環状弾性体
34との接合端面及び環状弾性体34と端部部材32と
の接合端面が全周に渡って軸中心寄りから端部部材32
の外径まで密着している必要がある。
【0048】上記のような環状弾性体34の接合方法と
しては、液状接着剤Cを環状弾性体34両面の接合面に
塗布し、胴部部材31、環状弾性体34、端部部材32
を重ね合わせ、両端から両端部の端部部材32を押して
保持させることで液状接着剤Cを胴部部材31及び端部
部材32の外径まで広げ、接着剤Cをはみ出させ、接着
剤Cが硬化した後、外径を所定寸法に研削盤などの手段
を用いて仕上ることで端部部材32と胴部部材31との
間に環状弾性体34を有し、胴部部材31及び端部部材
32の外径まで密着している現像ローラを得ることがで
きる。
【0049】図11は、本発明の他の実施形態に係る現
像ローラを製造するための接着方法を示す図である。先
ず、図11(A)に示すように、現像ローラの胴部部材
31の端面に接着剤Cを塗布する。この塗布方法は、上
述した図6(A)と同様に、芯金33の根元を狙って芯
金33を頂点とする山状に接着剤Cを塗布する。次に、
図11(B)に示すように、芯金33の外径寸法に対し
て圧入寸法の内径を有する環状弾性体34を芯金33端
部から挿入する。
【0050】阿次に、図11(C)に示すように、環状
弾性体34の芯金33付近を、例えば先端の外径が環状
弾性体34の外径より小さく、内径が芯金33より僅か
に大きい環状の第一押圧治具Z1で押すことにより、環
状弾性体34の内径部周囲を胴部部材31の端面に近接
させることができるとともに、接着剤C内に空気が混入
するのをより防止することができる。
【0051】次に、図11(D)に示すように、先端の
外径が環状弾性体34の外径と同じかより大きく、内径
が芯金33より僅かに大きい環状の第二押圧治具Z2で
環状弾性体34の端面全面を押すことにより、胴部部材
31の端面と環状弾性体34の端面とを極めて薄い接着
層を介して密着することができる。
【0052】次に、図11(E)に示すように、環状弾
性体34の端面に接着剤Cを塗布する。この塗布方法
は、上述した図11(A)と同様に、芯金33の根元を
狙って芯金33を頂点とする山状に接着剤Cを塗布し、
芯金33の外径寸法に対して圧入寸法の内径を有する端
部部材32を芯金33端部から挿入する。
【0053】次に、図11(F)に示すように、端部部
材32の芯金33付近を、例えば先端の外径が端部部材
32の外径より小さく、内径が芯金33より僅かに大き
い環状の第一押圧治具Z1で押すことにより、端部部材
32の内径部周囲を環状弾性体34の端面に近接させる
ことができるとともに、接着剤C内に空気が混入するの
をより防止することができる。
【0054】次に、図11(G)に示すように、先端の
外径が端部部材32の外径と同じかより大きく、内径が
芯金33より僅かに大きい環状の第二押圧治具Z2で端
部部材32の端面全面を押すことにより、端部部材32
の端面と環状弾性体34の端面とを極めて薄い接着層を
介して密着することができる。
【0055】なお、上記実施形態では、環状弾性体34
および端部部材32のそれぞれの接着ごとに、治具Z
1,Z2で押圧しているが、端部部材32を配置した後
に端部部材32と環状弾性体34とを同時に第一押圧治
具Z1で押圧し、その後に第二押圧治具で押圧するよう
にしてもよい。
【0056】以上説明したように、環状弾性体34及び
端部部材32を押付ける場合に、環状弾性体34及び端
部部材32と芯金33との間にエア等の巻き込みを無く
すために接着剤Cの塗布時に芯金33外周付近に塗布す
る。
【0057】その後、環状弾性体34及び端部部材32
を押付ける方法としては、双方の部材とも、前記のよう
に芯金33の外径寸法に対して圧入寸法の内径を有する
中空の円筒形状物であるため、第1に芯金33中心付近
を押し、その後、全面を押さえ、2段階に分けて押す方
式をとる。
【0058】つまり胴部部材31の端面に塗布した接着
剤Cを現像ローラの外径方向に広げるために、環状弾性
体34及び端部部材32を芯金33の外径寸法に対して
圧入寸法の内径にすることで、内径からの接着剤Cのは
み出しを抑えている。
【0059】そのため、芯金33と圧入関係である部材
の芯金33に近い内径寄りを最初に押さえることで内径
寄りが接触しやくすなり、次に接着する部材の全面を押
さえて接着剤Cを外径方向に押し広げる。
【0060】これにより、押し広げられた接着剤Cは、
外径方向にはみ出す。その状態で、乾熱し接着剤Cを硬
化させ、外径を規格に対して研削等の加工によって仕上
げることで上記現像ローラを得ることができる。なお、
この研削等の加工は、環状弾性体34の接着、端部部材
32の接着ごとに行っても良く、また、環状弾性体34
及び端部部材32を接着した後に行っても良い。
【0061】胴部部材31よりも外径が大きく硬度も高
い端部部材32を設けた場合には、現像ローラ表面上に
トナーの薄層状態を形成するためのブレードが当接した
場合、現像ローラ端部からのトナー飛散を防止するた
め、端部部材32のほうがブレードとの当接圧が高くな
る。このような状態で現像ローラを回転させると端部部
材32は胴部部材31よりも摩擦力が大きくなり、せん
断力による捻じれが生じる。
【0062】本発明の他の実施形態に示した現像ローラ
の如く、胴部部材31と端部部材32との間に環状弾性
体34を設けることによって、ブレードとの摩擦による
端部部材32のせん断力を硬度の低い環状弾性体34に
て吸収し、胴部部材31へ直接せん弾力が伝わることを
防止しているため、胴部部材31の表層及びその部材自
身の捻じれ力による亀裂、ひび割れの発生を遅延させる
ことで、現像ローラの長寿命化を図り、胴部部材31の
表面に発生するトナー固着も低減し、それに起因するト
ナー飛散も低減することが可能となる。
【0063】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
によれば、現像ローラの胴部部材と端部部材との間にト
ナーが付着する隙間を無くし、トナー飛散を無くすこと
が可能となることによって、現像装置内および画像への
トナー付着がなくなり、安定した画像特性を得ることが
できる。
【0065】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の効果に加えて、現像ローラの胴部部材と胴部部材より
も硬度の高い端部部材との隙間を0.05mm以下にす
ることで、全面接着することができるので、胴部部材と
端部部材との間へのトナーの入り込みが低減し、接着力
が維持可能となるため現像ローラとして長寿命となる。
【0066】また、請求項3の発明によれば、現像ロー
ラの胴部の部材と両端部に胴部部材よりも硬度の高い部
材を接合する時に、液状接着剤を現像ローラ芯金33外
径に沿って芯金33を中心として山状に塗布することに
よって、端部部材を押付けて接合する時に、エアの巻き
込みが少なくなり、熱などによってエアが膨張変形する
などの不具合が低減し、耐環境性の余裕度が向上する。
【0067】また、請求項4の発明によれば、請求項3
の効果に加えて、胴部と端部の部材間が密着し、現像ロ
ーラの形状の安定性を向上させることができる。
【0068】また、請求項5の発明によれば、長寿命化
を図り、胴部部材の表面に発生するトナー固着も低減
し、それに起因するトナー飛散も低減することが可能と
なる現像ローラを提供することが出来る。
【0069】また、請求項6の発明によれば、長寿命化
を図り、胴部部材の表面に発生するトナー固着も低減
し、それに起因するトナー飛散も低減することが可能と
なる現像ローラを製造できるとともに、弾性層または端
部部材を押付けて接合する時に、エアの巻き込みが少な
くなり、熱などによってエアが膨張変形するなどの不具
合が低減し、耐環境性の余裕度が向上する。
【0070】また、請求項7の発明によれば、接着剤内
に空気が混入するのを防止できるので、熱などによって
エアが膨張変形するなどの不具合を低減でき、耐環境性
の余裕度が向上するとともに、極めて薄い接着層を介し
て密着することができるので、形状の安定性を向上させ
ることができる現像ローラを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1成分現像方式の現像装置の構成を示す図であ
る。
【図2】従来の現像ローラを説明するための図である。
【図3】従来のトナー漏れを説明するための図である。
【図4】現像ローラの両端部の端部部材と胴部部材との
隙間とトナー漏れとの関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る現像ローラの基本構
成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る接着剤の塗布方法を
示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る現像ローラの両端部
の端部部材を押す方法を示す図である。
【図8】図4の実験条件を説明するための図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る現像装置の基本構
成を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る現像ローラの基
本構成を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る現像ローラを製
造するための接着方法を示す図である。
【符号の説明】
4 ブレード 6 トナー 8 潜像担持体 31 胴部部材 32 端部部材 33 芯金 34 環状弾性体
フロントページの続き Fターム(参考) 2H077 AD06 AD13 CA11 3J103 AA02 AA16 AA21 AA74 BA47 EA07 EA08 EA13 FA12 FA18 FA22 GA02 GA57 GA58 GA60 HA01 HA03 HA05 HA20 HA22 HA31 HA32 HA47 HA48 HA52 HA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層上にブレードにより薄層化された
    トナーを潜像担持体に供給して該潜像担持体上の静電潜
    像を現像する現像ローラにおいて、 前記現像ローラは、前記表面層を有する胴部部材と、前
    記胴部部材の両端部に取り付けられる端部部材とを有
    し、 該端部部材は、前記胴部部材より硬度の高い部材であ
    り、前記胴部部材の両端部の全周に渡って密着している
    ことを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 前記胴部部材と前記端部部材との接合幅
    は0.05mm以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の現像ローラ。
  3. 【請求項3】 表面層上にブレードにより薄層化された
    トナーを潜像担持体に供給して該潜像担持体上の静電潜
    像を現像する現像ローラの製造方法において、 前記表面層を有する胴部部材の両端部に該胴部部材より
    も硬度の高い端部部材を、胴部部材端面の芯金外周に芯
    金を頂点として山状に液状接着剤を塗布した後、胴部部
    材端部に密着させる端部部材を押付けて接合することを
    特徴とする現像ローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記端部部材を前記胴部部材端部に押付
    けて接合する際に、端部部材端面の芯金外径付近を胴部
    部材端面に向けて押し付け、その後に端部部材の端面全
    体を胴部部材端面に向けて押付けて接合することを特徴
    とする請求項3に記載の現像ローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 表面層上にブレードにより薄層化された
    トナーを潜像担持体に供給して該潜像担持体上の静電潜
    像を現像する現像ローラにおいて、 前記現像ローラは、前記表面層を有する胴部部材と、前
    記胴部部材の両端部に取り付けられる端部部材とを有
    し、 該端部部材は前記胴部部材より硬度の高い部材であり、
    前記胴部部材と前記端部部材との間に前記胴部部材より
    硬度の低い弾性層を介在させ、該弾性層は前記胴部部材
    及び端部部材の何れの部材にも全周に渡って密着してい
    ることを特徴とする現像ローラ。
  6. 【請求項6】 表面層上にブレードにより薄層化された
    トナーを潜像担持体に供給して該潜像担持体上の静電潜
    像を現像する現像ローラの製造方法において、 前記表面層を有する胴部部材の両端部に該胴部部材より
    も硬度の低い弾性層を、胴部部材端面の芯金外周に芯金
    を頂点として山状に液状接着剤を塗布した後、胴部部材
    端部に密着させる弾性層を押付けて接合し、 次いで、前記胴部部材よりも硬度の高い端部部材を、弾
    性層端面の芯金外周に芯金を頂点として山状に液状接着
    剤を塗布した後、弾性層端部に密着させる端部部材を押
    付けて接合することを特徴とする現像ローラの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記押し付けは、先ず、芯金外径付近を
    胴部部材端面に向けて押し付け、その後に端面全体を胴
    部部材端面に向けて押付けて接合することを特徴とする
    請求項6に記載の現像ローラの製造方法。
JP32213599A 1999-08-30 1999-11-12 現像ローラ及びその製造方法 Pending JP2001142295A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242223A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Ricoh Co Ltd 接着圧入装置及びローラ

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