JP2001140714A - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁

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JP2001140714A
JP2001140714A JP32962499A JP32962499A JP2001140714A JP 2001140714 A JP2001140714 A JP 2001140714A JP 32962499 A JP32962499 A JP 32962499A JP 32962499 A JP32962499 A JP 32962499A JP 2001140714 A JP2001140714 A JP 2001140714A
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flow
control valve
fluid
throttle valve
flow control
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Kazunori Mori
和徳 森
Keiko Miyamoto
景子 宮本
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波の乱れを起こす発生源である絞り弁下
流の空気の乱れを抑制して、高周波異音を発生させない
装置を実現する簡素な構造で耐久性のある安価な流量制
御弁を提供することにある。 【解決手段】 流量制御弁1の絞り9下流側5の流体通
路4の構造を、絞り弁20下流側近傍より下流に向って
流体流れ助走部材10と、その助走部材10の下流で絞
り弁20に対向する壁面11に、流れに沿って広がる隔
壁12を配設するので、調量された空気噴流が助走部材
10に沿って流れることで空気の乱れを生じる渦流の発
生を抑制し、噴流が壁面11に衝突しても、隔壁12に
より整流させることで空気の乱れを抑制するので、高周
波異音を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流量制御弁に関
し、空気或いは水のような流体を調量する流量制御弁で
あって、例えば、内燃機関のアイドル運転時における吸
入空気量を調節するアイドリング空気流量制御弁に好適
である。
【0002】
【従来の技術】この種の流量制御弁は、例えば内燃機関
用アイドリング空気流量制御弁(以下、ISCVと呼
ぶ。Idle Speed Control Valv
eの略)として具体化されている(例えば、特許254
6238号公報)。
【0003】近年、社会的要請として省資源、排気ガス
の低減の観点から、吸気系エンジン部品の設計自由度を
向上させて最適設計化や軽量化を図るため、例えば従来
のアルミニウム合金のダイカスト製からPBT、ナイロ
ン等の樹脂製のインテークマニホルドを採用する要求が
高まっている。
【0004】ここで内燃機関の吸気装置において、IS
CVは、吸入空気のメイン通路に配置されたスロットル
バルブの上流と下流を結ぶバイパス通路(以下、ISC
通路と呼ぶ)に設けられており、ISC通路を流れる空
気は、ISC通路の流路面積がメイン通路に比べて小さ
いので絞られている。その空気は、ISC通路に設けた
ISCVの絞り弁で調量するため、さらに絞られること
になる。
【0005】このため、その空気は絞り弁の下流に高速
流体として放出されるので、流れの高周波乱れを生じさ
せ、ISC通路内の空気振動(以下圧力脈動と呼ぶ)を
発生させる。その高周波の乱れが特に大きくなると、高
周波異音(シュー音、またはピー音)を発生する場合が
ある。
【0006】これは、従来のアルミニウム合金のダイカ
スト製のインテークマニホルドでも上述のような高周波
の空気振動を発生していたが、剛性が高いため、放射音
や共鳴を招く心配は少なかった。ところが、樹脂製のイ
ンテークマニホルドを採用すると樹脂自体が従来に比べ
て剛性が低いので、放射音や共鳴が顕著になり耳障り音
となる場合がある。また、樹脂製のインテークマニホル
ド側で種種の対策をとるのは、容易ではない。
【0007】この対策として、ISC通路のISCVの
下流側に空気整流部材を備えた内燃機関の吸気装置が提
案されている(特開平9−195896号公報)。特開
平9−195896号公報の実施形態によれば、空気整
流部材は、ISCV、スロットルバルブと別体で、複数
の整流板を互いに間隔をおいて配して結合した構造、或
いは格子や金網、もしくはパンチングセパレータのガス
ケットを組み込む構造が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来構造によるといず
れの構造も、エンジン側からの吹き返し成分の付着、及
びPCVからのブローバイガス等粘着成分の付着、又は
低温時アイシング等により、例えば金網や格子を詰まら
せ、吸気装置本来の目的である吸入空気を適正に調量す
ること自体が達成できなくなる場合が考えられる。ま
た、別体の空気整流部材をISCV或いはスロットルバ
ルブに組み込んだり、ISCVとスロットルバルブとの
間に挟み込んだりする上に、複数の空気整流板を互いに
挟み込んだ構成では、組立て等に工数がかかる欠点があ
る。また、どんな走行環境でも、異物などの付着による
吸気性能の低下を招かない耐久性が望まれる。
【0009】したがって、吸気装置の放射音や共鳴を抑
制するため、発生源であるISCVの高周波の空気の乱
れを抑制することにより高周波異音発生を防止し、しか
も簡素な構造で耐久性のある安価な流量制御弁が望まれ
ている。
【0010】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、したがって、その目的は、上述の吸入
空気の流量制御弁に観られるような流体流れの高周波乱
れを生じることにより発生する圧力脈動やそれにより生
じる装置の放射音や共鳴を抑制するため、高周波の乱れ
を起こす発生源である絞り弁下流の空気の乱れを抑制し
て、高周波異音を発生させない装置を実現する簡素な構
造で耐久性のある安価な流量制御弁を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1から請求項7のうち、少なくともいずれか
一項に記載の技術手段を採用することにより所望の流量
制御弁を提供する。
【0012】本発明の請求項1によれば、絞り弁下流の
壁面上に、流れに沿って延びる隔壁を設けるので、流れ
の主流に隔壁を配置することができ、絞り弁の下流に高
速流体として放出されるとき発生する流体(例えば空
気)の流れの高周波乱れを抑制することができる。ま
た、これにより流量制御弁より発生する高周波異音を抑
制することができるのは勿論であり、さらに流量制御弁
の下流にある装置に対しても、流体流れの高周波乱れに
より発生する圧力脈動(流体の振動)やその共振により
生ずる装置例えば吸気装置の放射音や共鳴を抑制するこ
とができる。
【0013】本発明の請求項2によれば、開口面積可変
に弁体をモータにより駆動させる流量制御弁の場合は、
開口させる流路面積の大小により開口中心がズレを生じ
るので予め流体の主流の流れ方向を隔壁が延びる壁面に
向けて配置すれば、流体通路(以下、流路と呼ぶ)の半
径より小さくすることができる。隔壁の流路を横断する
方向で、不要な突出長部分(主流より拡散した支流の流
れを妨げる)を排除することができる。
【0014】本発明の請求項3によれば、流体の主流の
流れ方向に配置する隔壁は、複数より1枚の方がより流
体の高周波乱れを抑制することができる。
【0015】本発明の請求項4によれば、上述した本発
明の課題は調量する流体の基本容積の大小(例えば、内
燃機関の排気量の大小)に関係なく解決したい課題であ
りその容積が小さい場合、隔壁を流路を縦断して仕切る
よう配置するので、製造コストを安価にすることができ
る(特に後述の請求項7による弁ハウジングと一体成形
する場合と組合せて、より安価な流量制御弁が提供でき
る。
【0016】本発明の請求項5および請求項6によれ
ば、流体通路が略U字型の通路の特徴を有する流量制御
弁の場合、絞り弁下流の近傍から下流に向って設けられ
た流体流れ助走部材の下流の壁面に隔壁を設けるので、
絞り弁に対向する壁面に流体が衝突するまでの間、ま
ず、流体流れ助走部材により、絞り弁の下流に高速流体
として放出された流体流れの主流が渦流の発生によって
生じる流れの乱れを最小限に抑えることで主流の流れを
安定させることができる。次に、その安定した主流の流
れに沿って広がる隔壁が配置されているので、流体流れ
の高周波の乱れを抑制できる。したがって、高周波の流
体振動(圧力脈動)が抑制され、流体制御弁からの高周
波異音の発生を抑制することができる。また、流量制御
弁の下流にある装置に対しても、流体流れの高周波乱れ
により発生する圧力脈動(流体の振動)やその共振によ
り生ずる装置例えば吸気装置の放射音や共鳴を抑制する
こともできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流量制御弁に具体
化した実施形態を図面に従って説明する。
【0018】(第1の実施形態)図1は、内燃機関用吸
入装置の一部で、本発明の第1の実施形態の流量制御弁
を備えた絞り弁装置の概略を示す構成図を示している。
図1に示すように、絞り弁装置は、補助空気装置である
後述するアイドリング空気制御弁(以下、ISCVと呼
ぶ)1とスロットルバルブ100とからなる。まず、ス
ロトルバルブ100の構造について以下説明する。スロ
ットルバルブ100は、スロットルボディ101内にメ
イン通路102が形成され、その途中にメイン通路10
2の開口面積を調節する回動自在な絞り弁103が設け
られている。絞り弁103は、スロットルボディ101
に回動可能に支持される弁軸105と、この弁軸105
と共に回動しメイン通路102を流れる吸入空気を調量
する弁体106とから構成されている。弁軸105は、
図示しないアクセルペダルの踏込みにより図示しない駆
動レバーを介して回動される。なお、図1に示す状態は
絞り弁103が全閉状態である。
【0019】スロットルバルブ100は、車両への搭載
状態において、空気上流側がエアフィルタ200を備え
た図示しない吸気ダクトに気密に接合され、また空気下
流側が図示しないインテークマニホルドを有するエンジ
ン300と気密に連通している。絞り弁103の上流側
のスロットルボディ101内にはバイパス通路3(IS
C通路と呼ぶ)が開口し、絞り弁103を迂回して後述
するISCV1の絞り弁20により、吸入空気は調量さ
れ絞り弁103の下流側のスロットルボディ101内へ
導出される。吸入空気は、矢印Aからα、βの順に矢印
方向に流れる。
【0020】次に、本発明の実施形態である流量制御弁
を具体化したISCV1の構造について以下説明する。
図2は、本実施形態の流量制御弁の断面正面図であり、
図3は、図2中のIIから見た矢視図である。吸入空気量
を制御する流量制御弁であるISCV1において、弁ハ
ウジング2は、アルミニウム合金のダイカストもしくは
PBT、ナイロン等の合成樹脂で成形されている。この
弁ハウジンング2内に上述のISC通路3の一部を形成
する流体通路4が形成されている。また、弁ハウジング
2内には、軸受6が固定されており、この軸受6により
弁軸7が回動自在に支持されている。また、弁軸7には
弁体8が固定され、弁軸7とともに回動する。したがっ
て、弁座を形成する弁ハウジング2とこの回動自在の弁
体8とで絞り9が形成され、この弁体8の回動により、
ISC通路3の流路開口面積を可変制御する絞り弁20
を形成している。また、絞り9の流路断面形状は、略矩
形の形状を成している。なお、図1に示すように絞り弁
20は、弁ハウジング2と弁体8と弁体8を駆動するモ
ータMとから構成され、そのモータMはロータリソレノ
イド以外に、ステッピングモータもしくはDCモータ、
或いはリニアソレノイド等でもよい。
【0021】以下、本発明の実施形態に適用したロータ
リソレノイドにて説明する。弁軸7の端部には、ロータ
リソレノイド式アクチュエータ(図示せず)が配設され
て、弁軸7はロータリソレノイドの駆動軸でもある。ロ
ータリソレノイドは、図1に示すアクセルセンサ41、
回転数センサ42および温度センサ43等のセンサより
各種の信号が入力されているコンピュータ40からの電
気信号が入力されて、デューティ比制御により弁軸7の
回転位置を制御することにより弁軸7と一体で回動する
弁体8を制御可能とする。
【0022】ここで、本発明の実施形態である流量制御
弁を具体化したISCV1の絞り弁20の下流側5の構
造とその作用の一部について以下説明する。
【0023】まず、図2に示すように、絞り弁20の絞
り9の下流近傍より下流に向って流体流れ助走部材10
が設けられている。絞り弁20の絞り9により調量され
た吸入空気はその絞り弁20の下流に高速流体として放
出される。このときその高速流体が流体通路(以下、流
路と呼ぶ)もなく単に大気へ開放されるだけだと、その
流れの主流は自由噴流となり、その主流回りに渦流が発
生する。このとき生じた渦流によって流れの乱れが発生
する。さらにこの渦流により回りを囲まれた主流自体
も、主流の流れ方向と逆方向に流れる渦流の影響を受
け、主流の乱れを引き起こすため流れの乱れが増大し続
ける。その流れの乱れの増大により流体エネルギーが消
耗させられるので、最後には噴流は消失してしまう。こ
のとき流れの乱れによって生じた流体振動である空気振
動(圧力振動)が大きくなる場合がある。
【0024】この対策として設けられているのが本発明
の実施形態の流体流れ助走部材10であり、上述の渦流
発生による流れの主流の乱れを最小限に抑えるように、
この流体流れ助走部材10が高速流体の流れ方向に沿っ
て流体を導く流路を形成する。
【0025】具体的には図4に示すように、この流体流
れ助走部材10を、絞り弁20の下流に高速流体として
放出される空気流れの主流(放出直後は、噴流状)に対
して略平行に配置させる。
【0026】ここで、開口面積可変に弁体8をモータM
により駆動させる流量制御弁の場合、開口させる流路面
積の大小により開口中心がズレを生じるので、予め空気
流れの主流のズレ角を考慮して、略平行になるように流
体流れ助走部材10の姿勢を設計すればよい。
【0027】流体流れ助走部材10を設けることによ
り、後述する絞り弁20に対向する壁面11に主流が衝
突するまで、流れの主流が渦流に回りを囲まれて生ずる
流れの乱れや流体エネルギーの消耗を抑制するので、後
述する隔壁12による高周波異音の抑制効果を相乗的に
得ることができる。
【0028】次に、前述の流体流れ助走部材10の下流
に壁面11(請求項5でいう絞り弁下流に向って対向す
る壁面)を配置し、流れの主流の流れ方向に沿って広が
る隔壁12が設けられている。この隔壁12は、流路を
横断する方向において、主流より拡散した支流の流れを
妨げないように、図2に示す所定の突出長Hを設定す
る。隔壁12は、弁ハウジング2と一体成形により形成
されている(流体流れ助走部材10も同様)。なお、開
口面積可変に弁体8をモータMにより駆動させる流量制
御弁の場合、開口させる流路面積の大小により開口中心
がズレを生じるので、予め空気流れの主流のズレ角を考
慮して、予め流体の主流の流れ方向を隔壁12が延びる
壁面11に向けるように絞り弁20位置を配置すれば、
隔壁12は流路の半分以下にすることも可能である。
【0029】流れの支流に比べ主流はその流速も早いた
めその流体エネルギーが大きいので、隔壁により形成さ
れた複数の分割流路16、17に沿って流れ方向を容易
に分割できる(以下、整流すると呼ぶ)。これにより絞
り弁20の下流直後では1つの大きな流体エネルギーの
塊であったものを複数に分けることで小さな流体エネル
ギーの塊にすることができるので、大気と触れる主流側
(壁面11と隔壁12とで形成する流路面で覆われない
部分)に発生する渦流により生ずる流れの乱れの大きさ
が、小さな流体エネルギーに比例して小さな乱れにする
ことができる。主流の流れを整流するための隔壁12の
諸元である突出長H等は、例えば内燃機関の排気量で決
まるアイドリング空気量から、エンジンに供給するため
に必要な絞り弁20が開口する流路面積と主流の流体速
度とを考慮して設計すればよい。なお、隔壁12の断面
形状は、図3に示すように頂部12aが流れに適した形
状(例えば円弧状)である略三角形以外に、図9に示す
略方形の隔壁13であってもよい。また、隔壁の枚数
は、本実施形態の動作と効果にて後述する高周波異音の
低減効果より1枚の方がより低減効果が大きかったが、
図10のように2枚以上の複数の隔壁14であってもよ
い。
【0030】次に、比較例1および比較例2と比較し
て、本実施形態の動作および効果を以下、図4および図
6〜図8と比較例1に係る図5を参照して説明する。
【0031】比較例1は、本発明の第1実施形態による
ISCV1が、絞り弁20下流側近傍より下流に向って
空気流れの主流に対して略平行に流体流れ助走部材10
を配置していることで、渦流の発生が抑制され、流れの
乱れを抑制できていることを見るため、図5に示すよう
に、流体流れ助走部材を絞り弁20下流近傍から一定の
間隔Wを離して置き、絞り弁20より流出される吸入空
気の噴流の後方へ移動した流体流れ助走部材(110)
を有する構造を備えたISCVである。
【0032】また、比較例2は、特開平9−19589
6号公報の実施形態によるところの空気整流部材が金網
であって、ISCV下流側にその金網を組み込ん構造を
備えた吸気装置である。
【0033】まず、本発明の実施形態の流体流れ助走部
材10について以下図4〜図6を参照して説明する。図
4は、本発明の実施形態によるISCVの絞り弁下流側
の吸入空気の乱れを説明するための説明図である。図5
は、比較例1のISCVを用いた場合の絞り弁下流側の
吸入空気の乱れを説明するための説明図である。
【0034】まず、図5は、絞り弁20により調量され
た空気が、高速流体の例えば噴流状に大気開放された状
態を示す。流体流れ助走部材(110)は、図5中の間
隔Wだけ絞り弁20下流近傍より離れているため、空気
流れの主流である噴流の流れ方向に沿って流れを導くよ
う流路を形成できないため、噴流の回りに流れの乱れの
原因となる渦流が多数発生している。これに対して本実
施形態の図4では、流体流れ助走部材10は絞り弁20
の絞り9下流近傍より下流に向って、空気流れの主流で
ある噴流の流れ方向に沿って流れを導くよう流路を形成
するように、略平行に配置されているので、渦流の発生
が抑制されている。
【0035】また、このとき流体である空気流れの乱れ
の度合の大小を比較するため、図4及び図5中の空気流
れに圧力測定点を設けて圧力脈動(空気流れの振動)を
比較したのが、図6である。図6に示す通り、比較例1
は、圧力脈動がΔP1と大きく変動しているのに対し
て、本発明の実施形態は、ΔPI1と小さく、略零と同じ
である。このことからも、流体流れ助走部材10により
空気流れの乱れが抑制されて、空気流れの振動(圧力脈
動)を抑制できていることが判る。
【0036】したがって、流体流れ助走部材10は、高
速流体の流れに沿って流体を導く流路を形成するので、
渦流発生による流れの主流の乱れを抑制することができ
る。
【0037】次に、前述の流体流れ助走部材10の下流
の壁面11(請求項5でいう絞り弁下流に向って対向す
る壁面)に配置され、流れの主流の流れ方向に沿って広
がる隔壁12について以下前述の図4、5及び図7、8
を参照して説明する。
【0038】図5に比して図4に示す通り、空気流れの
主流が壁面上の隔壁に沿って流れている状態でも渦流の
発生を抑制している。流体流れ助走部材10により、絞
り弁20に対向する壁面11に主流が衝突する直前まで
流れの主流が渦流に回りを囲まれて生ずる流れの乱れや
流体エネルギーの消耗を抑制するので、隔壁12により
形成された複数の分割流路16、17に沿って流れ方向
を整流できていると判断してもよいと考える。
【0039】このことを裏付けるため、本発明の実施形
態の流量制御弁(ISCV)を製品の最終形状である吸
入装置(インテークマニホルドは樹脂製)に取付けた状
態での騒音レベルを調査した。その結果を示す図が、図
7、8である。図7は、騒音のオーバーオール値を示す
説明図である。また、図8は、騒音を周波数分析した結
果を示す説明図である。なお、図7中で、断面形状S
は、略三角形の隔壁12で、断面形状Tは、略方形の隔
壁13であることを意味する。
【0040】まず、図8に示す通り、比較例1と比べ、
本実施形態は、高周波域の騒音の音圧を低減することが
できている(ハッチングした箇所が騒音低減した部
分)。また、内燃機関の燃焼音が有する騒音の周波数特
性の特徴を示す中心周波数帯feに比し、本発明の実施
形態により低減できた高周波域の中心周波数帯fisc
vの騒音レベル(音圧)は略同等までに低減することが
できる。したがって、比較的燃焼音が小さいアイドリン
グ時においても、ISCV1が作動して高周波騒音を発
したとしても、燃焼音以下の音圧であるため、耳障りな
異音と感じることはなくなり、優れた高周波異音の低減
効果が得られている。
【0041】次に、図7に示す騒音のオーバーオール値
をみても、3dBの低減効果を上げるためには、(騒音
の音圧のスケールは図示せず)一般的に騒音発生音源の
音発生エネルギーを半減する必要があるといわれている
が、比較例1に比し、本発明の実施形態のいずれの構造
でも、優れた騒音の音圧低減効果が得られ、発生音源の
エネルギーを大幅に減少させることが可能であることを
示す。隔壁の枚数については、複数設けるより1枚の方
がより大きな低減効果が得ることができる。
【0042】また、隔壁を形成する材質を弁ハウジング
と同等とし一体成形する製造方法をとるので、隔壁を形
成するために必要な材料費も僅かで、略製造コストを上
げずに安価で耐久性を有するISCVを得ることができ
る。
【0043】ここで、ISC通路3の一部を形成する流
体通路4がU字型の通路である実施形態にて説明した
が、流体通路が直管等の形状においても同じ効果が得ら
れる。また、上述のアイドリング空気流量制御弁(IS
CV)で具体化した実施形態は、流体が水或いは水素燃
料の水素等の流量制御弁にも同様に使うことが可能であ
る。
【0044】したがって、流体流れの高周波乱れを生じ
ることにより発生する圧力脈動やそれにより生じる装置
の放射音や共鳴を抑制するため、高周波の乱れを起こす
発生源である絞り弁下流の空気の乱れを抑制して、高周
波異音を発生させない装置を実現する簡素な構造で耐久
性のある安価な流量制御弁を提供することにある。
【0045】(第2の実施形態)第2の実施形態の構造
について、以下図11を参照して説明する。図11は、
本発明の実施形態となる流量制御弁(ISCV)1の一
部を示し、流路を縦断して仕切るように配置された隔壁
15であって、絞り弁下流側の流体通路を見た矢視図で
ある。第1の実施形態の構成とは、隔壁15のみ異な
り、その他は同じである。
【0046】本発明の実施形態は、以下の事情にて空気
の乱れを抑制する手段を製造上加工するのはISCVに
て好適である。例えば、小排気量の内燃機関を搭載する
自動二輪車用に適用するISCVでは、排気量に比例し
て調量する空気量が小さくなるためISC通路3の一部
を形成する流体通路4自体も小さくなり、所定長(例え
ば、流路の半径より小さい寸法)の隔壁を設定しようと
すると製造方法を考慮しても、製造コストが高くなる場
合も予想される。具体的には隔壁を弁ハウジング2と一
体でアルミニウム合金のダイカストで製造する場合に、
隔壁の頂部或いはその型割面には通常、鋳バリができて
しまうが、上述のような小排気量の内燃機関では、流体
通路4(絞り弁20の下流側5)内のスペースが小さい
ので、後加工にて鋳バリを切削することが困難であり手
作業でヤスリ等を使って削ることが必要になる場合があ
る。
【0047】この対策としては、図11に示すように、
流路を縦断して仕切るように隔壁15を配置すること
で、解決できる。隔壁15が、流体通路4(絞り弁20
の下流側5)を仕切るように形成されるので、この流体
通路4内に鋳バリが発生しなくなり、手作業でヤスリ等
を使って削る必要もなくなる。
【0048】上述の隔壁15を設けることにより得られ
る高周波異音の低減効果は、図7に示すように、本発明
の実施形態のいずれの変形例よりも小さいが、比較例1
の騒音の音圧レベルから比べると、耳障りな異音と感じ
ることはない騒音レベルであり、静粛なISCVとして
好適に使用できる。
【0049】比較例2の特開平9−195896号公報
の実施形態によるところの空気整流部材が金網であっ
て、ISCV下流側にその金網を組み込ん構造を備えた
吸気装置では、上述で説明したように、エンジン側から
の吹き返し成分の付着、及びPCVからのブローバイガ
ス等粘着成分の付着、又は低温時アイシング等により、
例えば金網の目詰まりも予想され耐久性に問題がある。
したがって、上記理由により所定長の流路に突出た隔壁
を製造上加工することが困難な場合に、有用な手段であ
ると言える。
【0050】なお、比較例2と本実施形態の隔壁15を
有する構造とで、図7に示すように高周波異音低減の効
果は略同程度である。したがって、隔壁15を弁ハウジ
ング2と一体成形する本実施形態の方が、極めた安価に
でき、しかも耐久性のある流量制御弁(ISCV)及び
吸入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関用吸入装置の一部で、アイドリング空
気流量制御弁を備えた絞り弁装置の概略を示す構成図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態となる流量制御弁の正面
断面図である。
【図3】図2中、IIから見た矢視図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるISCVの絞り弁
下流側の吸入空気の乱れを説明するための説明図であ
る。
【図5】本発明の第1実施形態によるISCVが、絞り
弁下流側近傍より下流に向って、空気流れの主流に対し
て略平行に流体流れ助走部材を配置していることで、渦
流の発生が抑制され、流れの乱れを抑制できていること
を見るため、流体流れ助走部材を絞り弁下流近傍から一
定の間隔を離して置くことにより、絞り弁より流出され
る吸入空気の噴流の後方へ移動した流体流れ助走部材を
有する構造を備えたISCV(以下、比較例1と呼ぶ)
を用いた場合の絞り弁下流側の吸入空気の乱れを説明す
るための説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるISCVの絞り弁
下流側の吸入空気の乱れの度合の大小を検出するため導
出通路内に圧力測定点を設け、比較例1との比較を定量
的に説明するための説明図である。
【図7】本発明の第1および第2実施形態によるISC
Vの絞り体下流側の吸入空気の流れの乱れを抑制する効
果を説明するために、製品の最終形状である吸入装置に
ISCVを取付けた状態での騒音レベルを比較する説明
図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるISCVの絞り弁
下流側の吸入空気の流れの乱れを抑制し、本発明の目的
である高周波異音つまり高周波成分の空気の乱れ(振
動)を低減した一例として、製品の最終形状である吸入
装置に第1の実施形態であるISCVを取付けた状態で
の騒音を周波数分析した結果を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態において、隔壁の断面形
状の変形例であって、絞り弁下流側の流体通路を見た矢
視図である。
【図10】本発明の第1実施形態において、複数の隔壁
を設けた場合の変形例であって、絞り弁下流側の流体通
路を見た矢視図である。
【図11】本発明の第2実施形態となる流量制御弁の一
部を示し、流路を縦断して仕切るように配置された隔壁
であって、絞り弁下流側の流体通路を見た矢視図であ
る。
【符号の説明】
1 流量制御弁(ISCV) 2 弁ハウジング 3 バイパス通路(ISC通路) 4 流体通路(ISC通路の一部) 5 下流側(絞り弁20の下流) 7 弁軸 8 弁体 9 絞り(矩形形状の開口部) 10 流体流れ助走部材 11 壁面 12、13、14、15 隔壁 12a、13a、14a 隔壁の頂部 20 絞り弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G065 AA11 CA14 CA23 DA05 DA07 EA03 GA07 GA10 GA41 KA34 3H066 AA02 BA04 BA32 BA38 EA11 EA33

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ハウジング内に形成された流体通路
    と、 前記流体通路に設けられた絞り弁と、 前記絞り弁下流の壁面に設けられ、流れ方向に沿って延
    びる隔壁を有することを特徴とする流量制御弁。
  2. 【請求項2】 前記隔壁は、前記流体通路の半径より小
    さいことを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 【請求項3】 前記隔壁は1枚であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の流量制御弁。
  4. 【請求項4】 前記隔壁は、前記流路通路を縦断して仕
    切っていることを特徴とする請求項1ないし請求項3に
    記載の流量制御弁。
  5. 【請求項5】 前記流体通路が、略U字型の通路であっ
    て、 この通路の頂部に配置される絞り弁を備えた流量制御弁
    において、 前記絞り弁下流に向って対向する壁面に、前記流れ方向
    に沿って広がる隔壁を設けたことを特徴とする請求項1
    から請求項4のいずれか一項に記載の流量制御弁。
  6. 【請求項6】 前記絞り弁下流の近傍には、下流に向っ
    て流体流れ助走部材を設けたことを特徴とする請求項5
    に記載の流量制御弁。
  7. 【請求項7】 前記隔壁は、弁ハウジングと同部材によ
    り一体形成され、アルミニウム合金、或いは樹脂材もし
    くはこれに類する低剛性材料により形成されていること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載
    の流量制御弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349849B1 (ko) * 1999-11-05 2002-08-22 현대자동차주식회사 내연기관의 아이들 스피드 컨트롤 액츄에이터
CN103192912A (zh) * 2013-04-26 2013-07-10 力帆实业(集团)股份有限公司 电喷摩托车怠速补气阀定位结构

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KR100349849B1 (ko) * 1999-11-05 2002-08-22 현대자동차주식회사 내연기관의 아이들 스피드 컨트롤 액츄에이터
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