JP2001139308A - オゾン生成装置 - Google Patents

オゾン生成装置

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JP2001139308A
JP2001139308A JP31803299A JP31803299A JP2001139308A JP 2001139308 A JP2001139308 A JP 2001139308A JP 31803299 A JP31803299 A JP 31803299A JP 31803299 A JP31803299 A JP 31803299A JP 2001139308 A JP2001139308 A JP 2001139308A
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Masakuni Kawada
正國 川田
Koichi Akiyama
広一 秋山
Masaharu Miyamoto
正春 宮本
Yoshiki Morikawa
良樹 森川
Kazushiro Oishi
和城 大石
Tetsuya Nishiguchi
哲也 西口
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾンチャンバー9にオゾン含有ガスを導入
し、冷凍機によりオゾンチャンバー内を冷却することに
より該オゾンチャンバー内に液体オゾン27を生成およ
び貯留するにおいて、液体オゾンの貯留量が増えるとオ
ゾンガス爆発の危険性がある。 【解決手段】 液体オゾンの最大貯留量位置で温度を検
出する温度検出方式の液面検出器8を設け、液体オゾン
の貯留量が最大貯留量位置まで達したことを液面検出器
8の検出温度変化から検出する。液面検出器は、液体オ
ゾンと、液化されなかったオゾンガスおよび酸素ガスと
の吸光度の違い、光屈折率の違い、および液体オゾン面
での光反射位置の違いを利用して最大貯留量位置、さら
に複数の貯留量位置を検出する構成も含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾンガスを液化
することにより濃縮した高濃度オゾンガスを得るオゾン
生成装置に係り、特にオゾンチャンバー内の液体オゾン
の貯留量を自動検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オゾン(元素記号:O3)は、強い酸化
力を持つため、上下水処理や半導体フォトレジストのア
ッシング処理など様々な分野で利用されている。オゾン
の発生には、工業用のオゾン発生器、いわゆるオゾナイ
ザーを用いる。この発生器は放電により酸素ガスからオ
ゾンと酸素の混合ガスを発生させるものである。しかし
常温常圧下で一定濃度(約9体積%)以上のオゾンを含
有する混合ガスは爆発の危険性を持つために、一般に発
生させる混合ガスのオゾン濃度は数%程度以下に抑えら
れている。
【0003】しかし、強力な酸化源としてオゾンを用い
るために、オゾナイザーで発生したオゾンを液体に凝縮
させてオゾン濃度を高めて利用する方法がある。このた
めの液体オゾンの製造装置としては、例えば特公平5−
17164号公報にオゾンビーム発生装置として開示さ
れている。
【0004】この液体オゾンの製造装置は、図13に示
すように、オゾンガス発生装置および排気装置1の部分
とオゾンを液化する液体オゾン生成装置2から構成され
ている。酸素ボンベ3から圧力調整バルブ4を介して酸
素ガスがオゾナイザー5に送られる。オゾナイザー5で
は酸素ガスは無声放電により酸素にオゾンガスが混合さ
れたオゾン含有酸素ガスとなり、流量を制御するための
マスフローコントローラー6およびオゾン含有ガス中の
微粒子を除去するための微粒子除去フィルター7をとお
ってオゾンガスを液化する液体オゾン生成装置2に導入
される。
【0005】液体オゾン生成装置2では、図14にその
詳細を示すように、オゾンガス発生装置から導入された
酸素ガスにオゾンガスが混合されたオゾン含有酸素ガス
が、流量調整バルブ8とオゾン含有酸素ガス導入管25
を介してオゾンチャンバー9に導入される。オゾンチャ
ンバー9は、あらかじめコンプレッサー21で駆動され
ている冷凍機20により冷却されているコールドヘッド
19に熱的に結合されており、温度センサー24とヒー
ター23および温度制御装置22により0.1K以内の
温度精度で精密に温度を制御可能であり、80K〜10
0Kの低温度に保たれている。
【0006】オゾンガスの液化の原理は、オゾンと酸素
の蒸気圧の差によってオゾンガスだけを液化するもので
ある。例えば、1気圧のもとではオゾンは161Kの沸
点であるが、酸素は90Kの沸点を有する。したがっ
て、90K以上161K未満の温度に冷却すれば、オゾ
ンは大部分が液体、酸素は大部分が気体状態となるので
オゾンだけを液体として分離できる。実際には高濃度オ
ゾンの爆発性に対する安全上から減圧条件で取り扱うの
で、その際の温度と圧力条件下でのオゾンと酸素の蒸気
圧の差で分離条件が決まる。例えば、温度90Kで圧力
10mmHg(=13.3hPa)の場合を考えると、
90Kではオゾンの蒸気圧はほぼ0mmHg(=0P
a)だが、酸素は約690mmHg(=918hPa)
となりオゾンだけがこの条件下で液化される。
【0007】オゾンチャンバー9ではこのように、冷却
された温度でのオゾンと酸素の蒸気圧の差によってオゾ
ンガスだけを液化する。オゾンガスを液化する時は、酸
化処理容器16との間のバルブ15を閉じ、オゾンキラ
ー11につながるバルブ10を開いた状態とする。オゾ
ンチャンバー9に接続されたオゾン排出管26とバルブ
10を通った液化されない酸素ガスは、若干残留するオ
ゾンガスを外部へ排出させないよう加熱して酸素に変え
るオゾンキラー11に導入され、オゾンキラー11で加
熱された酸素ガスを冷却するためのガス冷却器12と、
真空ポンプ14からの炭化物などによるオゾンチャンバ
ーへの汚染や混入を防ぐための液体窒素トラップ13を
経て真空ポンプ14により外部へ排出される。
【0008】液化された液体オゾン27を酸化処理容器
16内で酸化等の使用目的に利用する時は、流量調整バ
ルブ8およびバルブ10を閉じ、バルブ15を開く。温
度センサー24とヒーター23および温度制御装置22
によりコールドヘッド19に熱的に結合されたオゾンチ
ャンバー9の温度を上昇させることにより、液体オゾン
を気化しオゾンガスとしてオゾン排出管26とバルブ1
5を介して酸化処理容器16内に導入される。また、安
全弁18は液体オゾンもしくは高濃度のオゾンガスが爆
発性を有するので、万一の場合破壊してガスを排出する
ためのものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】オゾンは熱的に酸素に
分解するが、100K以下の低温ではその確率は非常に
小さく、原理的には液体オゾンは低温で保存可能であ
る。しかし、(a)局所的な加熱や急激な温度上昇など
の熱の侵入、(b)触媒作用物質の混入、(c)機械的
な振動や衝撃、などの誘引でオゾン分解の連鎖反応で生
じるオゾンガス爆発を起こすことがある。
【0010】図13および図14の液体オゾン製造装置
では、これらの爆発誘引となる条件をなくすため、十分
熱的に遮断し、触媒作用の原因となる不純物が混入しな
いように、オゾン原料は高純度の酸素ガスを用い、さら
に微粒子除去フィルター7を導入経路に設けている。
【0011】しかし、万一の場合の爆発による被害を最
小限にするために、安全弁18が爆発によるガスを弁が
破壊されて逃がすようになっているが、この安全弁の設
計や、オゾンチャンバー9などの万一の場合の爆発に対
する安全性の設計は、オゾンチャンバー9内に生成する
最大量の液体オゾン量に対して設計を行う必要がある。
すなわち、液体オゾンがオゾンチャンバー9に貯留する
最大量を実際に貯めて爆発させる実験を行い、そのデー
タをもとに設計する。
【0012】これにより、万一の場合のオゾンガス爆発
に対する危険性を最小限にすることができるが、このた
めには、オゾンチャンバー9の中に生成した液体オゾン
が設計値に基づく最大貯留量に達したら、流量調整バル
ブ8を閉じて液体オゾンの生成を止める必要がある。
【0013】しかし、ここで問題となるのは、オゾンチ
ャンバー9の中に生成して貯まった液体オゾンの貯留量
を検出する方法が従来はなかったということである。
【0014】なお、オゾンガス爆発の危険性から、液体
オゾンや高濃度オゾンに接触する可能性のある部位には
ゴム製などの有機性のパッキンやシール材を用いること
ができないため、オゾンチャンバーの側面にのぞき窓の
ようなものも形成困難で、ステンレスやアルミニウム製
のオゾンチャンバーの中を覗くことは困難であった。
【0015】また、仮に、オゾンチャンバー覗き窓を設
けることができたとしても、その監視には人手を必要と
する。
【0016】本発明の目的は、オゾンチャンバー内の液
体オゾン貯留量を自動検出できるようにしたオゾン生成
装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、オゾンチャンバー内の液体オゾンと、液
化されなかったオゾンガスおよび酸素ガスとの温度の違
い、吸光度の違い、光屈折率の違い、および液体オゾン
面での光反射位置の違いを利用した液面検出器を設ける
ことにより、液体オゾンの液面検出から液体オゾンが設
計値に基づく最大貯留量などの設定貯留量に達したこと
を検出するようにしたもので、以下の構成を特徴とす
る。
【0018】(第1の発明)オゾンチャンバーにオゾン
含有ガスを導入し、前記オゾンチャンバー内を冷却する
ことにより該オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成お
よび貯留するオゾン生成装置において、前記オゾンチャ
ンバー内の液体オゾンの高さ位置として設定する設定貯
留量位置の温度を検出する温度検出器を設け、液体オゾ
ンの貯留量が前記設定貯留量位置まで達したことを前記
温度検出器の検出温度の変化から検出することを特徴と
する。
【0019】(第2の発明)オゾンチャンバーにオゾン
含有ガスを導入し、前記オゾンチャンバー内を冷却する
ことにより該オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成お
よび貯留するオゾン生成装置において、前記オゾンチャ
ンバー内の液体オゾンの高さ位置として設定する設定貯
留量位置に光源からの光を導入し、前記設定貯留量位置
からの光の強度または吸光度を検出する吸光度検出器を
設け、液体オゾンの貯留量が前記設定貯留量位置まで達
したことを前記吸光度検出器の検出光強度または吸光度
の変化から検出することを特徴とする。
【0020】また、前記光源の波長は、オゾンの光吸収
スペクトルの可視光領域の450nm〜850nmにあ
るチャピウス帯を用いることを特徴とする。
【0021】(第3の発明)オゾンチャンバーにオゾン
含有ガスを導入し、前記オゾンチャンバー内を冷却する
ことにより該オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成お
よび貯留するオゾン生成装置において、前記オゾンチャ
ンバー内の液体オゾンの高さ位置として設定する設定貯
留量位置にプリズム外面を位置させ、光源から前記プリ
ズムへの光入射に対する該プリズム外面からの反射光強
度を検出する光強度検出器を設け、液体オゾンの貯留量
が前記設定貯留量位置まで達したことを前記プリズムの
光反射強度の変化から検出することを特徴とする。
【0022】(第4の発明)オゾンチャンバーにオゾン
含有ガスを導入し、前記オゾンチャンバー内を冷却する
ことにより該オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成お
よび貯留するオゾン生成装置において、前記オゾンチャ
ンバー内に光源からの光を導入し、液体オゾン面からの
反射光を受光して液体オゾン液面での反射位置を検出す
る光反射検出器を設け、液体オゾンの貯留量がオゾンチ
ャンバー内の高さ位置として設定する設定貯留量位置ま
で達したことを前記光反射検出器の検出位置から検出す
ることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の実施形態を示す要部構成図である。同図が図14と
異なる部分は、温度検出方式の液体オゾン液面検出器2
8を設けた点にある。
【0024】この液面検出器28は、オゾンチャンバー
9やオゾン排出管26や導入管25と同等の金属製にし
た筒体に白金抵抗や熱電対などの温度センサーを内臓し
た構造とし、筒体をオゾンチャンバー9に溶接や一体形
成等によって気密構造で設け、筒体の先端部をオゾンチ
ャンバー内に突出させる。この筒体の先端部の突出位置
は、オゾンチャンバー9の中に生成される液体オゾンが
最大貯留量になったときに液体オゾン液面に接触する高
さにされる。
【0025】この構成により、液体オゾンの貯留量が設
計上の最大貯留高さ未満の液面では、液体オゾン液面検
出器28は液体オゾンに接触しない。この状態での検出
温度は、液体オゾンの温度80〜100Kよりも高い温
度を示す。これは、液体オゾン液面検出器28の温度が
液面に接触するまでは、低圧下のオゾンチャンバー内で
は熱の伝達が対流などではほとんど行われず、液体オゾ
ン液面検出器28を包んでいるケース部分や温度センサ
ー自身が外気から伝える熱により液体オゾンの温度より
もはるかに高い温度になるからである。
【0026】次に、液体オゾンの液面が最大貯留量に達
すると、液体オゾン液面検出器28の先端部は液体オゾ
ン液面に接触し、即座にその時の液体オゾンの温度であ
る80〜100Kに温度降下する。この温度の急激な変
化から液体オゾンの液面を検出することができる。
【0027】なお、温度変化の検出は、例えば、温度セ
ンサーの検出信号をオゾンチャンバー外に取り出し、こ
の信号を比較器によって比較基準信号と比較することで
実現される。
【0028】また、液面検出器28は、その筒体がオゾ
ンチャンバー等と同等の金属にされて溶接や一体構造に
されることから、オゾン排出管26等と同様に、オゾン
チャンバーへの取り付けによって液体オゾンや高濃度オ
ゾンに接触した場合やオゾンガス爆発にも耐える構造と
することができる。
【0029】(第2の実施形態)図2は、本発明の実施
形態を示す要部構成図である。同図が図1と異なる部分
は、吸光度方式の液体オゾン液面検出器29を設けた点
にある。
【0030】この液面検出器29は、オゾンチャンバー
9やオゾン排出管26や導入管25と同等の金属製にし
た液面検出器ケースに吸光度センサーを内蔵した構造と
し、ケースをオゾンチャンバー9に溶接や一体形成等に
よって気密構造で設け、ケースの先端部には光を透過さ
せるための一対の検出窓を有してオゾンチャンバー内に
突出させる。このケースの先端部の突出位置は、オゾン
チャンバー9の中に生成される液体オゾンが最大貯留量
になったときに先端部が液体オゾン液面に埋没する高さ
にされる。
【0031】吸光度センサーは、一対の検出窓を通した
発光と受光でその間に液体オゾンが介在することを光透
過強度または吸光度の変化として検出する。
【0032】図3は、液体オゾン液面検出器29の詳細
構造を示す。光源32から出た検出光33は集光レンズ
34を通して光ファイバー35に導かれる。光ファイバ
ー35によりオゾンチャンバー内まで導かれた検出光
は、集光レンズ37と検出窓38を通り検出溝39に存
在する液体オゾン中を透過する。液体オゾン中を透過し
た検出光は検出窓38と集光レンズ41を通って光ファ
イバー42に導かれ、さらに集光レンズ43を通り検出
光44は光検出器45によりその光の強度が検出され
る。
【0033】ここで、光源32としては、図4に示した
オゾンの光吸収スペクトルの可視光領域の450nm〜
850nmにあるチャピウス帯を用いるが、特に、チャ
ピウス帯の極大吸収位置の573nmと602nm付近
の波長の光が検出光として最も適している。
【0034】なお、光源としては、例えば発光波長を5
70nm〜630nmにかけて有する発光ダイオードが
最適である。もちろん電球などの他の光源を干渉フィル
ター等の光学フィルターを用いて波長を573nmと6
02nm付近に絞って用いても差し支えない。また、光
検出器45としてはフォトダイオード、フォトトランジ
スタ、光電管など光の強度を測定できる素子であれば用
いることができる。
【0035】以上の構成において、図4に示すオゾンの
光吸収スペクトルから判るように、オゾンの光吸収スペ
クトルにはいくつかの特徴的な吸収帯がある。本実施形
態ではこの中の可視光領域の450nm〜850nmに
あるチャピウス帯を用いる。チャピウス帯の極大吸収位
置は573nmと602nmにある。したがって、この
573〜602nm付近の波長の光を液体オゾン中を透
過させると強く吸収されるが、オゾンチャンバー内の真
空もしくは低圧力の酸素およびオゾンの混合ガス中をこ
の光を透過させてもほとんど吸収されない。そこで、透
過した光の強度または吸光度の差を検出することによっ
て、液体オゾンの存在の有無を判定する。
【0036】したがって、オゾンチャンバー9の中に生
成した液体オゾンが最大貯留量の時、液体オゾン液面検
出器29の吸光度検出部の先端部分が液体オゾン液面下
に没し、液体オゾンが最大貯留量に達しているときは検
出器の光が液体オゾンの中を透過するため、光の吸光度
は大きく、検出される光強度は弱い。また、液体オゾン
の貯留量が設計上の最大値よりも少ない場合は検出器の
光は液体オゾン内を透過しないので光の吸収はほとんど
無く、吸光度は極小さく、検出される光強度は強い。
【0037】したがって、この両者の吸光度または検出
される光強度の間にしきい値を設定しておけば、液体オ
ゾン液面検出器29でオゾンチャンバー9の中に生成し
た液体オゾンが、設計値に基づく最大貯留量に達したこ
とを検出できる。
【0038】図5は、液体オゾン液面検出器29の変形
例を示す。図3に示す検出器29では、オゾン液面と同
じ水平方向に光を透過させる場合であるが、図5では液
体オゾン液面の上下方向(垂直方向)に光を透過させ
る。この構成においても、液体オゾンが最大貯留量に達
しているときは検出される光強度が弱く、液体オゾンの
貯留量が設計上の最大値よりも少ない場合は検出される
光強度は強くなり、検出される光強度の違いで液体オゾ
ンが最大貯留量に達したか否かを検出することができ
る。
【0039】なお、液面検出器29の検出窓38は、液
体オゾンが最大貯留量に達するまでは高濃度オゾンガス
のみに晒されるため、高濃度オゾンガスに耐える気密構
造にされる。また、検出窓38は、液体オゾンガス爆発
にも耐える構造とするのが好ましいが、オゾンガス爆発
で破損する構造としてもケース内の破損で済む。
【0040】(第3の実施形態)図6は、本発明の実施
形態を示す要部構成図である。同図が図2と異なる部分
は、オゾンチャンバーには吸光度方式の液体オゾン液面
検出器29に代えて、プリズム方式の液体オゾン液面検
出器30を設けた点にある。
【0041】この検出器30は、ガラス製のプリズムの
ガラス内面の光の全反射を利用したものであり、図7に
その詳細を示す。光源41から出た検出光は集光レンズ
42を通して光ファイバー43に導かれ、集光レンズ4
4通して液面検出用プリズム46に入射される。
【0042】この液面検出用プリズム46は直角プリズ
ムになっており、互いに90°の角をなす短い2面とそ
の両面に45°をなす長い面を持つ直角2等辺三角形の
形状を持つプリズムである。
【0043】直角プリズムの良く知られている性質は、
互いに90°の角をなす短い2面対してに45°をなす
長い面に垂直に入射した光が、短い2面にそれぞれ全反
射して長い面より全反射光が射出される。また、短い面
に対して垂直に入射した光は、長い面で全反射して、も
う一方の短い面より全反射光が射出される。
【0044】検出器30ではどちらの全反射でも用いる
ことが可能であるが、図7の例では前者の場合を図示し
た。これらプリズムの全反射はプリズムを形成している
ガラスの光の屈折率と、プリズムの外の真空もしくは気
体の屈折率が大きく異なるために起きる現象である。し
たがって、図7に示したように、最大貯留量位置にプリ
ズムの外面を位置させておけば、光源からプリズムへの
光入射に対して、プリズム内で全反射する面がガラスの
屈折率に近い液体である液体オゾンに接触している時
は、全反射の条件が成り立たず検出光は液体オゾン中に
入射し反射しない。
【0045】つまり、液面検出器のプリズムの一面が液
体オゾンに接触していない時は全反射し、反射した検出
光50は集光レンズを通して光ファイバー47に導か
れ、集光レンズ48を通して光検出器49により光を検
出できる。また、液面検出器のプリズムが液体オゾンに
接触している時は全反射の条件が成り立たないので、光
検出器49で光を検出できない。光検出器49ではプリ
ズム面からの反射光強度を検出することで、最大貯留量
に達したことを検出する。
【0046】なお、検出光のための光源41は光ファイ
バーやプリズムを用いることのできる波長として紫外
光、可視光、近赤外光のいずれでも用いることができ
る。また全反射の条件を満たすプリズムとしては直角プ
リズム以外に屋根型プリズム、ペンタプリズムなど他の
全反射面を持つプリズムも同様に用いることができる。
【0047】以上のことから、本実施形態では、液体オ
ゾンにプリズムの全反射面を接触させ、プリズムからの
反射光を検出することにより、液体オゾンが設計値に基
づく最大貯留量に達したことを検出する。
【0048】(第4の実施形態)図8は、本発明の実施
形態を示す要部構成図である。同図が図1や図6と異な
る部分は、オゾンチャンバーには吸光度方式の液体オゾ
ン液面検出器29やプリズム方式の液体オゾン液面検出
器30に代えて、光反射方式の液体オゾン液面検出器3
1を設けた点にある。
【0049】この液面検出器31は、液体オゾン表面で
の光の反射を用いて液体オゾンの液面が設計値に基づく
最大貯留量に達したことを検出するものである。
【0050】この詳細は、図9に示すように、光源46
からの光はコリメートレンズ47で平行なビームにな
り、光源スリットを通過することによりさらに細いビー
ムになり検出光50となる。検出光50は検出窓49を
透過して液体オゾンの液表面で反射する。このとき液面
検出器31では液表面で正反射した反射光だけを利用す
る。反射した反射光52は、液体オゾン液面(最大貯留
量時)53の時に反射した場合と、液体オゾン液面(最
大貯留量以下の時)51の時に反射した場合とでは反射
光52の位置が異なる。
【0051】したがって、検出スリット54と集光レン
ズ55および光検出器56の位置を液体オゾン液面(最
大貯留量時)53の時に反射した検出光のみを検出する
ように設定すれば、液体オゾンが設計値に基づく最大貯
留量に達したことを検出することができる。
【0052】図10は、液体オゾン液面検出器の31の
変形例を示す。図9に示す検出器31では、液自体によ
る光反射を利用する場合であるが、図10では液体オゾ
ンにフロートFを浮かせておき、このフロートFによる
光反射を利用して液面を検出する。なお、フロートF
は、光反射性に優れて液体オゾンに浮かせることがで
き、かつオゾンに対して化学的に安定性をもつもの、例
えば、アルミニウム等の軽金属や合成樹脂などで構成さ
れる薄板や内部に空洞をもつチップ状にされる。
【0053】このフロートFを設ける場合、検出器31
から入射される光の反射度合いが液体オゾンのそれに比
べて高くなり、液面検出が一層確実になる。
【0054】なお、図9または図10における光源46
としては各種の電球、発光ダイオード等が適用できる
が、細い平行ビーム状のレーザー光源を用いればコリメ
ートレンズ47や光源スリット48を省くこともでき
る。
【0055】(第5の実施形態)前記までの第1〜第4
の実施形態では、オゾンチャンバー9の中に生成した液
体オゾンが、設計値に基づく最大貯留量に達したことを
1つの光透過式や反射式で検出するものであった。
【0056】本実施形態では図11に示すように、第1
〜第3の実施形態で示す液体オゾン液面検出器を2個組
み合わせることにより、液体オゾンが最大貯留量に達し
た時に検出するだけでなく、液体オゾンの貯留量があら
かじめプロセス設計上定めた最小貯留量に達したことも
検出するものである。すなわち、最大と最小の貯留量液
面を検出するように高さを変えた2個の液体オゾン液面
検出器57、58をオゾンチャンバー9内に設ける。
【0057】液体オゾンの生成を止め、液体オゾンをガ
ス化してオゾンガスとして酸化処理容器16で使用する
際に突然オゾンガスが無くなることは酸化プロセス上不
都合が生じる。
【0058】したがって、本実施形態では、液体オゾン
の最小貯留量をも検出することで、液体オゾンの使用に
高濃度オゾンガスの供給不能という不都合を解消でき
る。
【0059】なお、2個の検出器の組み合わせは、同じ
検出原理どうしの2個でも、異なる検出原理どうしの組
み合わせでもかまわない。
【0060】(第6の実施形態)本実施形態は、第5の
実施形態と同様に、オゾンチャンバー9の中に生成した
液体オゾンが、設計値に基づく最大貯留量に達したこと
を検出するだけでなく、液体オゾンの貯留量があらかじ
めプロセス設計上定めた最小貯留量に達したことも検出
するものである。
【0061】本実施形態では図8に示す第4の実施形態
の光反射方式を用いた液体オゾン液面検出器をさらに改
良して最小貯留量も検出するものである。
【0062】この検出器構成は、図12に示すように、
検出スリットと光検出器を液体オゾンの最大貯留量用と
最小貯留量用の2つを用意する。すなわち、光源46か
らの光はコリメートレンズ47で平行なビームになり、
光源スリット48を通過することによりさらに細いビー
ムになり検出光50となる。検出光50は検出窓49を
透過して液体オゾンの液表面で反射する。反射した反射
光64は、液体オゾン液面(最大貯留量時)53の時に
反射した場合と、液体オゾン液面(最大貯留量以下の
時)66の時に反射した場合および液体オゾン液面(最
小貯留量時)59の時に反射した場合とでは位置が異な
る。
【0063】したがって、それぞれの反射光を検出する
ように検出スリットと光検出器の位置を設定する。これ
により、検出スリット63と光検出器60では液体オゾ
ン液面(最大貯留量時)53の時に反射した検出光のみ
を検出し、検出スリット65と光検出器61では液体オ
ゾン液面(最小貯留量時)59の時に反射した検出光の
みを検出することができる。
【0064】以上のことから、本実施形態では、1つの
検出器によって、オゾンチャンバー9の中に生成した液
体オゾンが、設計値に基づく最大貯留量に達したことを
検出するだけでなく、液体オゾンの貯留量があらかじめ
プロセス設計上定めた最小貯留量に達したことも検出す
ることができる。なお、液体オゾンの貯留量検出は、設
計値に基づく最大貯留量に限らず、液体オゾンの高さ位
置として任意に設定する設定貯留量位置を液面検出位置
とすることができる。
【0065】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、オゾン
チャンバー内の液体オゾンと、液化されなかったオゾン
ガスおよび酸素ガスとの温度の違い、吸光度の違い、光
屈折率の違い、および液体オゾン面での光反射位置の違
いを利用した液面検出器を設けることにより、液体オゾ
ンの液面検出から液体オゾンが設定貯留量に達したこと
を検出するようにしたため、オゾンチャンバー内の液体
オゾン貯留量を自動検出できる効果がある。
【0066】この検出により、万一オゾンガス爆発した
場合でも、設計上見込んだ被害の範囲にとどめる事がで
きる。さらに、液体オゾンが最大貯留量に到達する時間
等を測定し、液体オゾンの生成速度データを得て装置の
運転・管理に利用できる。
【0067】また、設計値に基づく最小貯留量に達した
ことを検出することにより、オゾンの使用目的によって
は突然オゾンガスが不足するような不都合を解消でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す要部構成図。
【図2】本発明の他の実施形態を示す要部構成図。
【図3】図2の吸光度方式の検出器の詳細図。
【図4】オゾンの光吸収スペクトル。
【図5】吸光度方式の変形例。
【図6】本発明の他の実施形態を示す要部構成図。
【図7】図6のプリズム方式の検出器の詳細図。
【図8】本発明の他の実施形態を示す要部構成図。
【図9】図8の光反射方式の検出器の詳細図。
【図10】光反射方式の変形例。
【図11】本発明の他の実施形態を示す要部構成図。
【図12】本発明の他の実施形態を示す詳細構成図。
【図13】従来の液体オゾン製造装置の例。
【図14】図13の液体オゾン生成装置の詳細図。
【符号の説明】
1…オゾンガス発生装置および排気装置 2…液体オゾン生成装置 3…酸素ボンベ 9…オゾンチャンバー 20…冷凍機 28…液体オゾン液面検出器(温度検出方式) 29…液体オゾン液面検出器)吸光度方式) 30…液体オゾン液面検出器(プリズム方式) 31…液体オゾン液面検出器(光反射方式) 57…液体オゾン液面検出器(最大貯留量) 58…液体オゾン液面検出器(最小貯留量) 63…検出スリット(最大貯留量検出用) 64…検出スリット(最小貯留量検出用) F…フロート
フロントページの続き (72)発明者 一村 信吾 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 川田 正國 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 秋山 広一 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 宮本 正春 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 森川 良樹 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 大石 和城 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 西口 哲也 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 2F014 AB01 AB02 AC02 CA03 CA10 FA01 FA02 FA03 4D047 CA09 CA20 DA01 DB05 EA03 4G042 AA06 CB19 CC23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンチャンバーにオゾン含有ガスを導
    入し、前記オゾンチャンバー内を冷却することにより該
    オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成および貯留する
    オゾン生成装置において、 前記オゾンチャンバー内の液体オゾンの高さ位置として
    設定する設定貯留量位置の温度を検出する温度検出器を
    設け、液体オゾンの貯留量が前記設定貯留量位置まで達
    したことを前記温度検出器の検出温度の変化から検出す
    ることを特徴とするオゾン生成装置。
  2. 【請求項2】 オゾンチャンバーにオゾン含有ガスを導
    入し、前記オゾンチャンバー内を冷却することにより該
    オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成および貯留する
    オゾン生成装置において、 前記オゾンチャンバー内の液体オゾンの高さ位置として
    設定する設定貯留量位置に光源からの光を導入し、前記
    設定貯留量位置からの光の強度または吸光度を検出する
    吸光度検出器を設け、液体オゾンの貯留量が前記設定貯
    留量位置まで達したことを前記吸光度検出器の検出光強
    度または吸光度の変化から検出することを特徴とするオ
    ゾン生成装置。
  3. 【請求項3】 前記光源の波長は、オゾンの光吸収スペ
    クトルの可視光領域の450nm〜850nmにあるチ
    ャピウス帯を用いることを特徴とする請求項2に記載の
    オゾン生成装置。
  4. 【請求項4】 オゾンチャンバーにオゾン含有ガスを導
    入し、前記オゾンチャンバー内を冷却することにより該
    オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成および貯留する
    オゾン生成装置において、 前記オゾンチャンバー内の液体オゾンの高さ位置として
    設定する設定貯留量位置にプリズム外面を位置させ、光
    源から前記プリズムへの光入射に対する該プリズム外面
    からの反射光強度を検出する光強度検出器を設け、液体
    オゾンの貯留量が前記設定貯留量位置まで達したことを
    前記プリズムの光反射強度の変化から検出することを特
    徴とするオゾン生成装置。
  5. 【請求項5】 オゾンチャンバーにオゾン含有ガスを導
    入し、前記オゾンチャンバー内を冷却することにより該
    オゾンチャンバー内に液体オゾンを生成および貯留する
    オゾン生成装置において、 前記オゾンチャンバー内に光源からの光を導入し、液体
    オゾン面からの反射光を受光して液体オゾン液面での反
    射位置を検出する光反射検出器を設け、液体オゾンの貯
    留量がオゾンチャンバー内の高さ位置として設定する設
    定貯留量位置まで達したことを前記光反射検出器の検出
    位置から検出することを特徴とするオゾン生成装置。
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