JP2001138455A - 積層複合膜 - Google Patents

積層複合膜

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JP2001138455A JP32407799A JP32407799A JP2001138455A JP 2001138455 A JP2001138455 A JP 2001138455A JP 32407799 A JP32407799 A JP 32407799A JP 32407799 A JP32407799 A JP 32407799A JP 2001138455 A JP2001138455 A JP 2001138455A
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英彦 船岡
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Koichi Kono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メルトダウン温度が高く、電池特性、安全
性、生産性を向上させることのできる電池セパレータに
相応しい積層複合膜の提供。 【解決手段】 重量平均分子量100万以上の超高分子
量ポリオレフィン又は重量平均分子量100万以上の超
高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1万以上100
万未満のポリオレフィンとを必須成分とするポリオレフ
ィン組成物からなる平均貫通孔径0.01〜0.10μ
m、バブルポイント≧980KPa、空孔率30〜95
%であるポリオレフィン微多孔膜に、ポリオレフィン短
繊維を積層することを特徴とする積層複合膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン微
多孔膜の積層複合膜に関し、特に電池用セパレータ等に
使用できる、薄膜で高透過性、かつ過充電時や加熱保持
試験時の熱暴走を抑える溶融破断温度の優れた機能を有
する積層複合膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン微多孔膜は、各種の分離
膜や、電池用セパーレーター、電解コンデンサー用セパ
レータ等に使用されている。特にリチウム電池において
は、有機溶媒に不溶で電解質や電極活物質に安定なセパ
レーターとして多用されつつある。ポリオレフィン微多
孔膜としては、超高分子量のポリオレフィンを用いた高
強度および高弾性の微多孔膜が用いられ、例えば、超高
分子量ポリオレフィンを溶媒中で加熱溶解した溶液から
ゲル状シートを成形し、前記ゲル状シート中の溶媒量を
脱溶媒処理により調整し、次いで加熱延伸した後、残留
溶媒を除去することによる微多孔膜(特開昭60−24
2035号公報他)、分子量分布が特定の値の超高分子
量ポリオレフィンを含有するポリオレフィン組成物の高
濃度溶液からの微多孔膜(特開平3−64334号公
報)等が提案されている。
【0003】ところで、最近のリチウムイオン電池用セ
パレータとしては、高容量化、電池特性、安全性、生産
性を向上させることが求められてきている。すなわち、
高容量化、電池特性の向上としては微多孔膜の透気
度、電解液注液性、保液性を向上させ、容量増加、低温
レート特性やサイクル特性を良好にすること、安全性
の向上としては電極が短絡して電池内部の温度が上昇し
た時に、発火等の事故が生じるのを防止するために、リ
チウムの発火以前に溶融してその孔を目詰りさせ電流を
シャットダウンさせる機能、及びシャットダウン後に温
度がさらに上昇してもセパレーター自身が流動・溶融
(メルトダウン)せずに正極、負極の短絡を抑えて電池
の発火、爆発を抑える機能を有し、過充電や加熱保存試
験時の熱暴走を抑えること等が求められている。しか
し、ポリオレフィン微多孔膜単体では、電池セパレータ
として用いた場合に、シャットダウン特性、メルトダウ
ン特性ともに良好な、安全性に優れた電池セパレータ
は、必ずしも得られていない。
【0004】これらの問題を解決する方法として、ポリ
オレフィン微多孔膜にポリオレフィン不織布を積層した
積層複合膜が、特開平7−22014号公報、特開平9
−326250号公報、特開平10−50288号公
報、特開平10−44348号公報等に開示されている
が、電池の高容量化に対応した高透過性で、薄膜化が達
成されている複合膜は、未だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題を解決するメルトダウン温度が高く、電池特性、安
全性、生産性を向上させることのできる電池セパレータ
に相応しい積層複合膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、超高分子量ポリオレフ
ィンからの特定の微多孔膜に特定のポリオレフィン不織
布を積層させることにより、電池特性、安全性、生産性
を向上させることのできる電池セパレータに相応しい積
層複合膜が得られることを見出し本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明は、重量平均分子量10
0万以上の超高分子量ポリオレフィン又は重量平均分子
量100万以上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分
子量1万以上100万未満のポリオレフィンとを必須成
分とするポリオレフィン組成物からなる平均貫通孔径
0.01〜0.10μm、バブルポイント≧980KP
a、空孔率30〜95%であるポリオレフィン微多孔膜
に、ポリオレフィン短繊維を積層することを特徴とする
積層複合膜である。
【0008】また、本発明は、重量平均分子量100万
以上の超高分子量ポリオレフィン又は重量平均分子量1
00万以上の超高分子量ポリオレフィンと重量平均分子
量1万以上100万未満のポリオレフィンとを必須成分
とするポリオレフィン組成物からなる平均貫通孔径0.
01〜0.10μm、バブルポイント≧980KPa、
空孔率30〜95%であるポリオレフィン微多孔膜に、
親水化されたポリオレフィン短繊維を積層することを特
徴とする積層複合膜である。
【0009】さらに、本発明は、上記の積層複合膜を用
いた電池セパレータ、電池、フィルターである。
【0010】本発明の好ましい態様を以下に示す。 (イ)重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリオ
レフィンがポリエチレン又はポリプロピレンである前記
積層複合膜。 (ロ)超高分子量ポリオレフィンの重量平均分子量が1
00万〜500万である前記積層複合膜。 (ハ)重量平均分子量1万以上100万未満のポリオレ
フィンがポリエチレン又はポリプロピレンである前記積
層複合膜。 (ニ)重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリオ
レフィンと重量平均分子量1万以上100万未満のポリ
オレフィンとを必須成分とするポリオレフィン組成物
が、重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチ
レンと重量平均分子量1万以上100万未満の高密度ポ
リエチレンとを必須成分である前記積層複合膜。 (ホ)重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリオ
レフィン又は重量平均分子量100万以上の超高分子量
ポリオレフィンと重量平均分子量1万以上100万未満
のポリオレフィンとを必須成分とするポリオレフィン組
成物が超高分子量ポリエチレンと高密度ポリエチレンと
シャットダウン機能を付与するポリマーからなり、当該
シャットダウン機能を付与するポリマーが低密度ポリエ
チレン、重量平均分子量1000〜4000の低分子量
ポリエチレン、シングルサイト触媒を用いて重合したエ
チレン−α−オレフィン共重合体のうち、少なくとも一
種を含むことを特徴とする前記積層複合膜。 (ヘ)微多孔膜の突刺強度が1980mN/25μm以
上である前記積層複合膜。 (ト)微多孔膜の透気度50〜900sec/100c
cである前記積層複合膜。 (チ)微多孔膜が界面活性剤により親水化されているこ
とを特徴とする前記積層複合膜。 (リ)ポリオレフィン短繊維が、ポリオレフィン微多孔
膜の上の占有面積が5〜60%となるように均一分散さ
れたものから不織布化したものである前記積層複合膜。 (ヌ)ポリオレフィン短繊維が、ポリエチレン繊維、ポ
リプロピレン繊維のいずれかから選ばれたことを特徴と
する前記積層複合膜。 (ル)ポリオレフィン短繊維が、界面活性剤により親水
化されていることを特徴とする前記積層複合膜。 (ヲ)積層複合膜の厚みが、5〜200μmである前記
積層複合膜。 (ワ)積層複合膜の透気度が、50〜900sec/1
00ccである前記積層複合膜。 (カ)メルトダウン温度が、170℃以上である前記積
層複合膜。 (ヨ)シャットダウン温度が、90〜140℃である前
記積層複合膜。 (タ)メルトダウン温度とシャットダウン温度との差
が、60〜80℃である前記積層複合膜。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の積層複合膜を、構成微多
孔膜、不織布、積層法について、以下に詳細に説明す
る。 1.ポリオレフィン微多孔膜 (1)超高分子量ポリオレフィン成分 本発明で用いるポリオレフィン微多孔膜は、重量平均分
子量100万以上、好ましくは重量平均分子量100万
〜500万の超高分子量ポリオレフィン又は重量平均分
子量100万以上、好ましくは重量平均分子量100万
〜500万の超高分子量ポリオレフィンと重量平均分子
量1万以上100万未満のポリオレフィン、好ましくは
重量平均分子量1万以上50万未満のポリオレフィンと
からなる組成物から得られる。超高分子量ポリオレフィ
ンの重量平均分子量が100万未満では、膜強度の低下
が起こるので好ましくない。一方、上限は特に限定的で
はないが500万を超えるものは、微多孔膜の製造時の
ゲル状成形物の形成において成形性に劣る。重量平均分
子量100万以上の超高分子量ポリオレフィンは、組成
物として用いた場合は、20重量%以上、好ましくは3
0重量%以上含有されているのが好ましい。超高分子量
ポリオレフィンの含有率が20重量%未満では、高強度
の微多孔膜を得ることができない。ポリオレフィンの重
量平均分子量が1万未満であると、得られる微多孔膜の
破断が起こりやすく、目的の微多孔膜が得られない。
【0012】なお、上記の超高分子量ポリオレフィン又
は超高分子ポリオレフィンと重量平均分子量1万以上1
00万未満のポリオレフィン組成物の分子量分布(重量
平均分子量/数平均分子量)は300以下が好ましく、
特に5〜50であるのが好ましい。分子量分布が300
を超えると、低分子量成分による破断が起こり膜全体の
強度が低下するため好ましくない。ポリオレフィン組成
物を用いる場合は、重量平均分子量が100万以上の超
高分子量ポリオレフィンと、重量平均分子量が1万以上
100万未満のポリオレフィンとを分子量分布が上記範
囲となるように、適量混合することによって得ることが
でき、このポリオレフィン組成物は、上記重量平均分子
量及び分子量分布を有していれば、多段重合によるもの
であっても、2種以上のポリエチレンよる組成物であっ
ても、いずれでもよい。
【0013】このようなポリオレフィンとしては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン
−1、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合
体、2段重合体、又は共重合体及びこれらのブレンド物
等が挙げられる。これらのうちではポリプロピレン、ポ
リエチレン及びこれらの組成物等が好ましく、特に、重
量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレン
と、重量平均分子量1万以上100万未満の高密度ポリ
エチレンとからなる組成物が好ましい。
【0014】また、本発明で用いるポリオレフィン微多
孔膜では、上記ポリオレフィンの他に、リチウム電池等
のセパレータとして用いた場合に低温でのシャットダウ
ン機能を付与できるポリマーを配合することができる。
シャットダウン機能を付与できるポリマーとしては、低
密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレン、メタロセン
触媒により得られるポリエチレン系共重合体等が挙げら
れる。
【0015】本発明において使用され得る低密度ポリエ
チレンとしては、高圧法による分岐状ポリエチレン(L
DPE)及び低圧法による直鎖状の低密度ポリエチレン
(LLDPE)である。LDPEの場合、その密度は、
通常0.91〜0.93g/cm程度であり、またそ
のメルトインデックス(MI、190℃、2.16kg
荷重)は、0.1〜20g/10分であり、好ましく
は、0.5〜10g/10分である。LLDPEの場
合、その密度は、通常0.91〜0.93g/cm
度であり、またそのメルトインデックス(MI、190
℃、2.16kg荷重)は、0.1〜25g/10分で
あり、好ましくは、0.5〜10g/10分である。低
密度ポリエチレンの配合割合は、重量平均分子量が50
万以上の超高分子量ポリオレフィンまたは組成物の5〜
30重量%であるのが好ましい。
【0016】本発明において使用され得る低分子量ポリ
エチレンとしては、分子量が1000〜4000、融点
が80〜130℃のエチレン低重合体であり、密度が
0.92〜0.97g/cmのポリエチレンワックス
が好ましい。低分子量ポリエチレンの配合割合は、重量
平均分子量が50万以上の超高分子量ポリオレフィン又
はポリオレフィン組成物の5〜30重量%であるのが好
ましい。
【0017】また、本発明において使用され得る低温で
のシャットダウン機能を付与できるメタロセン触媒によ
り得られるポリエチレン系共重合体としては、メタロセ
ン触媒のようなシングルサイト触媒を用いて重合された
直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体、例えば、エ
チレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1
共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等を挙げる
ことができる。該エチレン−α−オレフィン共重合体の
融点(DSCピーク温度)は、95〜125℃、好まし
くは100℃〜120℃である。95℃未満では高温条
件での電池特性を著しく悪化させてしまい、125℃を
超えると好ましい温度でシャットダウン機能を発揮しな
くなるため、好ましくない。該エチレン・α−オレフィ
ン共重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの
比Mw/Mn(Q値)は、1.5〜3.0、好ましくは
1.5〜2.5であることが望ましい。このエチレン−
α−オレフィン共重合体をポリエチレンまたはそのポリ
エチレン組成物に加えることにより、ポリエチレン微多
孔膜をリチウム電池等のセパレーターとして用い、電極
が短絡して電池内部の温度が上昇した時、低温でシャッ
トダウンする機能を付与される。さらに、シャットダウ
ン時の膜抵抗の温度依存性が飛躍的に改善される、さら
にシャットダウン温度を自由にコントロールできる。エ
チレン−α−オレフィン共重合体の配合割合は、超高分
子量ポリオレフィンまたは組成物の5〜30重量%であ
るのが好ましい。
【0018】なお、上述したようなポリオレフィン又は
ポリオレフィン組成物には、必要に応じて、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染
料、無機充填材などの各種添加剤を本発明の目的を損な
わない範囲で添加することができる。
【0019】(2)ポリオレフィン微多孔膜の製造 本発明で用いるポリオレフィン微多孔膜は、上記超高分
子量ポリオレフィン又はその組成物に有機液状体または
固体を混合し、溶融混練後押出成形し、抽出、延伸を施
すことにより得られる。また、樹脂成分および有機液状
体または固体の混合物に無機微粉体を添加しても何等差
し支えない。本発明のポリオレフィン微多孔膜を得る好
ましい方法としては、ポリオレフィン組成物にポリオレ
フィンの良溶媒を供給しポリオレフィン組成物の溶液を
調製して、この溶液を押出機のダイよりシート状に押し
出した後、冷却してゲル状組成物を形成して、このゲル
状組成物を延伸と残存溶媒の除去を行うことによりポリ
オレフィン微多孔膜を製造する。
【0020】本発明において、原料となるポリオレフィ
ン組成物の溶液は、上述のポリオレフィン組成物を、溶
媒に加熱溶解することにより調製する。この溶媒として
は、ポリオレフィンを十分に溶解できるものであれば特
に限定されない。例えば、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、流動パラフィンなどの脂肪族または環式
の炭化水素、あるいは沸点がこれらに対応する鉱油留分
などがあげられるが、溶媒含有量が安定なゲル状成形物
を得るためには流動パラフィンのような不揮発性の溶媒
が好ましい。加熱溶解は、ポリオレフィン組成物が完全
に溶解する温度で攪拌または押出機中で均一混合して溶
解する方法で行う。その温度は、押出機中で溶媒中で攪
拌しながら溶解する場合は使用する重合体及び溶媒によ
り異なるが、例えば140〜250℃の範囲が好まし
い。ポリオレフィン組成物の高濃度溶液から微多孔膜を
製造する場合は、押出機中で溶解するのが好ましい。
【0021】押出機中で溶解する場合は、まず押出機に
上述したポリオレフィン組成物を供給し、溶融する。溶
融温度は、使用するポリオレフィンの種類によって異な
るが、ポリオレフィンの融点+20〜100℃が好まし
い。ここで、融点とは、JIS K7121に基づき、
DSCにより測定した値である(以下同じ)。例えば、
ポリエチレンの場合は160〜250℃、特に170〜
230℃であるのが好ましく、ポリプロピレンの場合は
190〜270℃、特に190〜250℃であるのが好
ましい。次に、この溶融状態のポリオレフィン組成物に
対して、液状の溶媒を押出機の途中から供給する。
【0022】ポリオレフィン組成物と溶媒との配合割合
は、ポリオレフィン組成物と溶媒の合計を100重量%
として、ポリオレフィン組成物が10〜50重量%、好
ましくは10〜40重量%であり、溶媒が90〜50重
量%、好ましくは90〜60重量%である。ポリオレフ
ィン組成物が10重量%未満では(溶媒が90重量%を
超えると)、シート状に成形する際に、ダイス出口で、
スウエルやネックインが大きくシートの成形性、自己支
持性が困難となる。一方、ポリオレフィン組成物が50
重量%を超えると(溶媒が50重量%未満では)、厚み
方向の収縮が大きくなり、成形加工性も低下する。この
範囲において濃度を変えることにより、膜の透過性をコ
ントロールすることができる。なお、加熱溶解にあたっ
てはポリオレフィンの酸化を防止するために酸化防止剤
を添加するのが好ましい。
【0023】次に、このようにして溶融混練したポリオ
レフィン組成物の加熱溶液を直接に、あるいはさらに別
の押出機を介して、ダイス等から最終製品の膜厚が5〜
100μmになるように押し出して成形する。ダイス
は、通常長方形の口金形状をしたシートダイスが用いら
れるが、2重円筒状のインフレーションダイスなども用
いることができる。シートダイスを用いた場合のダイス
ギャップは通常0.1〜5mmであり、押し出し成形温
度は140〜250℃である。この際押し出し速度は、
通常20〜30cm/分ないし10m/分である。
【0024】このようにしてダイスから押し出された溶
液は、冷却することによりゲル状組成物に成形される。
冷却は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以上
の速度で行うのが好ましい。一般に冷却速度が遅いと、
得られるゲル状組成物の高次構造が粗くなり、それを形
成する疑似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が
速いと、密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分未
満では、結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状組成物
となりにくい。冷却方法としては、冷風、冷却水、その
他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロ
ールに接触させる方法などを用いることができる。な
お、ダイスから押し出された溶液は、冷却前あるいは冷
却中に好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の引
き取り比で引取ってもよい。引き取り比が10以上にな
るとネックインが大きくなり、また延伸時に破断を起こ
しやすくなり好ましくない。
【0025】次に、このゲル状成形物を、延伸する。延
伸は、ゲル状成形物を加熱し、通常のテンター法、ロー
ル法、インフレーション法、圧延法もしくはこれらの方
法の組み合わせによって所定の倍率で行う。延伸は一軸
延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。ま
た、二軸延伸の場合は、縦横同時延伸または逐次延伸の
いずれでもよい。延伸温度はポリオレフィン組成物の融
点+10℃以下である。また延伸倍率は、原反の厚さに
よって異なるが、二軸延伸では面倍率で9倍以上が好ま
しく、より好ましくは16〜400倍である。面倍率が
9倍未満では延伸が不十分で高弾性、高強度の微多孔膜
が得られない。一方、面倍率が400倍を超えると、延
伸操作などで制約が生じる。
【0026】次に、延伸された成形物を溶剤で洗浄し残
留する溶媒を除去してポリオレフィン微多孔膜を得る
が、残存溶媒の除去は、上記延伸工程の前、上記延伸工
程の間、上記延伸工程の後のいずれであってもよいが、
延伸工程の後に行うのが好ましい。洗浄溶剤としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素、塩化メ
チレン、四塩化炭素などの塩素化炭化水素、三フッ化エ
タンなどのフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキ
サンなどのエーテル類などの易揮発性のものを用いるこ
とができる。これらの溶剤はポリオレフィン組成物の溶
解に用いた溶媒に応じて適宜選択し、単独もしくは混合
して用いる。洗浄方法は、溶剤に浸漬し抽出する方法、
溶剤をシャワーする方法、またはこれらの組合せによる
方法などにより行うことができる。
【0027】上述のような洗浄は、延伸成形物中の残留
溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶剤を
乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は加熱乾燥、風乾など
の方法で行うことができる。乾燥した延伸成形物は、さ
らに熱固定することが望ましい。
【0028】熱固定は、必要に応じて、比較的高温で、
生じる収縮を少なくとも一方向で防止するような応力下
で行う。熱固定温度は、前記ポリオレフィン組成物の結
晶融点+30℃以下の範囲にセットする。例えば、超高
分子量ポリエチレンを含有する組成物では、100〜1
40℃で、より好ましくは110〜130℃である。結
晶融点+30℃を超えると、微多孔膜の強度が極端に低
下したり、微多孔膜の溶解が起こるので形状の保持が困
難となる。熱固定の時間は、特に制限がないが、0.1
秒以上100時間以下であることが好ましい。0.1秒
未満では、熱固定の効果がほとんどなく、透気度はあま
り向上しない。100時間を超えると生産性が低下する
だけでなく、樹脂の劣化も激しくなるので好ましくな
い。
【0029】(3)ポリオレフィン微多孔膜の物性 上記の方法で得られたポリオレフィン微多孔膜は、次の
物性を有しているのが好ましい。 (i)平均貫通孔径 ポリオレフィン微多孔膜の平均貫通孔径は、好ましくは
0.01〜0.10μmである。平均貫通孔径が0.0
1μm未満では、透過性が低下しすぎるし、0.10μ
mを超えると電池セパレータとして用いた場合に、デン
ドライト成長による短絡が起こりやすくなり、電圧降下
等の不良を起こしやすくなる。
【0030】(ii)空孔率 ポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、30〜95%、好
ましくは40〜80%である。空孔率が30%未満で
は、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレータとして用
いた場合には、イオン導電性が悪く、特に低温での電池
容量、サイクル特性といった電池特性が悪くなる。一
方、95%を超えると、膜の強度自身が低くなりすぎと
なり、それぞれ好ましくない。
【0031】(iii)透気度 ポリオレフィン微多孔膜の透気度は、50〜900se
c/100cc、好ましくは50〜700sec/10
0ccである。透気度を900sec/100cc以下
にすることにより、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパ
レータとして用いた場合には、イオン透過能力が向上す
るので、低温レート特性、高容量を達成できる。
【0032】(iv)突刺強度 ポリオレフィン微多孔膜の突刺強度は、1980mN/
25μm以上が好ましく、より好ましくは3960mN
/25μm以上である。突刺強度が1980mN/25
μm未満では、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレー
タとして用いた場合には、微少短絡による不良が起こり
やすい。
【0033】(v)バブルポイント ポリオレフィン微多孔膜のバブルポイントは、980K
Pa以上、好ましくは1470KPa以上、最も好まし
くは14700KPa以上である。バブルポイントが9
80KPa未満では、ポリオレフィン微多孔膜を電池セ
パレータとして用いた場合には、孔が大きくなりすぎて
デンドライト成長によって電圧降下や自己放電等の不良
が発生するので好ましくない。
【0034】(vi)膜厚 ポリオレフィン微多孔膜の膜厚は、2〜50μmであ
る。膜厚が5μm以下では、破膜しやすく、50μmを
超えると、透過性が低くなり好ましくない。
【0035】さらに、上記で得られたポリオレフィン微
多孔膜は、必要に応じて、ノニオン系界面活性剤等で処
理して親水化などの表面修飾を施すことが好ましく、中
でもポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドを
用いて親水化できる。親水処理を施した微多孔膜は、電
解液との親和性が高くなるため好ましい。
【0036】2.ポリオレフィン短繊維 積層体に用いるポリオレフィン短繊維とは、湿式不織
布、乾式不織布等に用いるポリオレフィンを紡糸−延伸
−切断して得た短繊維である。ポリオレフィン短繊維の
ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、4−メチル−ペンテン−1、1−ヘキセンなど
を重合した結晶性の単独重合体、2段重合体、又は共重
合体及びこれらのブレンド物等が挙げられる。特に、ポ
リプロピレン短繊維とポリエチレン短繊維の混合繊維を
用いるのが好ましい。これにより、メルトダウン温度を
向上させ、シャットダウン温度を低下させる効果があ
る。
【0037】なお、ポリオレフィン短繊維は、必要に応
じて、ノニオン系界面活性剤等で処理して親水化などの
表面修飾を施すことが好ましく、中でもポリエチレンオ
キシド、ポリプロピレンオキシドを用いて親水化でき
る。親水処理を施した微多孔膜は、電解液との親和性が
高くなるため好ましい。
【0038】3.積層体の製造方法 本発明の積層複合膜は、上記ポリオレフィン微多孔膜上
に上記ポリオレフィン短繊維を、均一分散させた後、積
層工程においてポリオレフィン短繊維を不織布化して積
層複合膜とすることによって得られる。
【0039】ポリオレフィン微多孔膜上にポリオレフィ
ン短繊維を均一に分散させて積層処理をする場合、ポリ
オレフィン短繊維がポリオレフィン微多孔膜の表面を5
〜60%占有するように分散させるのが好ましい。占有
面積が5%以下では、繊維同士のネットワークがなくな
るため、メルトダウン温度が十分に上昇しないため好ま
しくなく、60%を超えると透過性が低下するので好ま
しくない。
【0040】積層体は、ポリオレフィン微多孔膜にポリ
オレフィン短繊維を均一に散布した後、カレンダー処理
により行う。カレンダー処理は、ポリオレフィン短繊維
をポリオレフィン微多孔膜に散布した後、積層加熱圧縮
ロールで50〜140℃、好ましくは90〜120℃
で、ロール圧力は490〜2740KPa、好ましくは
490〜1960KPaで積層体とする。加熱圧縮ロー
ルの温度は140℃を超えると微多孔膜の透過性が損な
われ好ましくなく、50℃未満では適度な接着強度が得
られない。
【0041】本発明の複合積層膜は、微細な変形が容易
に起き、適度な温度範囲の処理においては、微多孔膜の
孔径、空孔率、透過性を変化させることなく、また膜表
面に存在する孔をつぶすことなく、積層の相手側の多孔
性膜の繊維に応じた微妙な凹凸を生じせしめることので
きる特徴を有している。積層は、微多孔膜/ポリオレフ
ィン短繊維の2層、ポリオレフィン短繊維/微多孔膜/
ポリオレフィン短繊維の3層のように微多孔膜の片側又
は両側にポリオレフィン短繊維を積層してもよい。
【0042】4.積層複合膜の物性 上記のようにして得られた本発明の積層複合膜は、次の
物性を有している。 (i)シャットダウン温度及びメルトダウン温度 本発明の積層複合膜を電池セパレータとして用いた場合
には、シャットダウン温度は、90〜140℃、好まし
くは90〜135℃である。シャットダウン温度が90
℃未満では、熱的安定性が低くなりすぎ、140℃を超
えると、セパレーターとして使用した場合に外部短絡な
どで大きな電流が流れた時に電池の温度上昇を抑えるこ
とができないので好ましくない。また、メルトダウン温
度は、170℃以上、好ましくは175℃以上である。
メルトダウン温度が170℃未満では、電池熱暴走時に
電極が直接接触するため好ましくない。さらに、シャッ
トダウン温度とメルトダウン温度との差が60〜80℃
であることが好ましい。
【0043】(ii)突刺強度 本発明の積層複合膜の突刺強度は、1980mN/25
μm以上が好ましく、より好ましくは2470mN/2
5μm以上である。突刺強度が1980mN/25μm
未満では、積層複合膜を電池セパレータとして用いた場
合には、微少短絡による不良が起こりやすい。
【0044】(iii)平均貫通孔径 本発明の積層複合膜の平均貫通孔径は、好ましくは0.
01〜0.10μmである。平均貫通孔径が0.01μ
m未満では、透過性が低下しすぎるし、0.10μmを
超えると電池セパレータとして用いた場合に、デンドラ
イト成長による短絡が起こりやすくなり、電圧降下等の
不良を起こしやすくなる。
【0045】(iv)空孔率 本発明の積層複合膜の空孔率は、30%以上が好まし
く、特に好ましくは35%以上である。空孔率が30%
未満では、積層複合膜を電池セパレータとして用いた場
合には、電解液枯れを起こし、サイクル特性といった電
池特性が悪くなる。
【0046】(v)透気度 本発明の積層複合膜の透気度は、900sec/100
cc以下、好ましくは700sec/100cc以下で
ある。透気度を900sec/100cc以下にするこ
とにより、積層複合膜を電池セパレータとして用いた場
合には、イオン透過能力が向上するので、低温レート特
性、高容量を達成できる。
【0047】(vi)熱収縮率 本発明の積層複合膜の熱収縮率は、5%以下であること
が好ましい。5%を超えると電池セパレータとして用い
た場合に電池異常昇温時に電極が露出しやすいため好ま
しくない。
【0048】(vii)注液速度比 本発明の積層複合膜の注液速度比は、超高分子量ポリエ
チレン又はその組成物のみからなる微多孔膜を基準とし
て1と表した場合の積層複合膜への電解液注入の速さを
表す指標であり、値が小さいほど電解液を吸収しやす
く、0.9以下が好ましい。
【0049】(viii)注液量 本発明の積層複合膜の注液量は、超高分子量ポリエチレ
ン又はその組成物のみからなる微多孔膜を基準として1
00と表した場合の積層複合膜への電解液の注液量を表
す指標であり、値が大きいほど電解液の保持能力は大き
く、110以上が好ましい。
【0050】本発明の積層複合膜は、上記の物性を有し
ているため、メルトダウン温度が高く、高強度であり、
電池用セパレーターとして、安全性の高い、かつ生産性
の高い複合膜膜である。また、液体フィルター等として
好適に用いることができる。
【0051】
【実施例】以下に本発明について実施例を挙げてさらに
詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるも
のではない。なお、実施例における試験方法は次の通り
である。 (1)膜厚:断面を走査型電子顕微鏡により測定した。 (2)透気度:JIS P8117に準拠して測定し
た。 (3)平均貫通孔径:コールターポロメーター(コール
ター社製)により測定した。 (4)空孔率:重量法により測定した。 (5)突刺強度:25μm厚の微多孔膜を直径1mm
(0.5mmR)の針を2mm/secで突き刺し、破
断したときの荷重を測定した。 (6)引張強度:幅10mmの短冊状試験片の破断強度
をASTM D822に準拠して測定した。 (7)バブルポイント:ASTM E−128−61に
準拠してエタノール中にて測定した。なお、「なし」と
は、測定限界値を超え、14700KPa(150kg
/cm)以上を意味する。
【0052】(8)熱収縮率:膜を105℃の雰囲気下
に8時間放置し、MD方向およびTD方向のそれぞれの
長さの変化から求めた。 (9)注液速度比:内径14mmφ×65mm長の筒状
容器に外径13mmφに巻き込んだセパレーターを挿
入、その容器に5mlの電解液を注入するのに要する時
間を測定し、比較例1の結果との比として求めた。な
お、電解液としては、プロピレンカーボネート(P
C):ジエチレンカーボネート(DEC)=1:1を用
い、電解液注液装置は、宝泉(株)製ラボ用電解液真空
注入機を使用した。 (10)注液量:注液速度比と同じ装置、方法で、30
秒間に注入できる電解液量を測定し、比較例1の値を1
00とした場合の比として表した。 (11)シャットダウン温度:所定温度に加熱すること
によって、透気度が10万sec/100cc以上とな
る温度として測定した。 (12)メルトダウン温度:所定温度に加熱することに
よって、膜が溶けて破膜する温度として測定した。
【0053】実施例1 重量平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン
(UHMWPE)20重量%、重量平均分子量が35万
の高密度ポリエチレン(HDPE)80重量%からなる
組成物100重量部に酸化防止剤0.375重量部を加
えたポリエチレン組成物(融点135℃)を得た。この
ポリエチレン組成物30重量部を二軸押出機(58mm
φ、L/D=42、強混練タイプ)に投入した。またこ
の二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン7
0重量部を供給し、200rpmで溶融混練して、押出
機中にてポリエチレン溶液を調製した。続いて、この押
出機の先端に設置されたTダイから190℃で押し出
し、冷却ロールで引取りながらゲル状シートを成形し
た。続いてこのゲル状シートを、115℃で5×5倍に
同時2軸延伸を行い、延伸膜を得た。得られた延伸膜を
塩化メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出
除去した後、乾燥および122℃で熱セットを行い25
μm厚のポリエチレン微多孔膜を得た。このポリオレフ
ィン微多孔膜の組成及び製造条件、物性値を表1に示
す。次に得られたポリエチレン微多孔膜の上に、繊維径
2デニール、繊維長51mmのポリオレフィン短繊維
(ポリエチレン短繊維とポリプロピレン短繊維との混合
物をいう。以下同じ。)を占有面積が5%になるように
均一にばらまき、温度115℃、圧力980KPaの条
件で積層し積層複合膜を得た。得られた積層複合膜の物
性評価の結果を表2に示す。
【0054】実施例2 繊維径2デニール、繊維長51mmのポリオレフィン短
繊維を占有面積が15%になるように均一にばらまく以
外は、実施例1と同様にして積層複合膜を得た。得られ
た積層複合膜の物性評価の結果を表1及び表2に示す。
【0055】実施例3 繊維径2デニール、繊維長51mmのポリオレフィン短
繊維を占有面積が30%になるように均一にばらまく以
外は、実施例1と同様にして積層複合膜を得た。得られ
た積層複合膜の物性評価の結果を表1及び表2に示す。
【0056】実施例4 ポリオレフィン微多孔膜の最終厚みが20μmになるよ
うにゲル状シートの厚みを調節する以外は、実施例3と
同様にして積層複合膜を得た。得られた積層複合膜の物
性評価の結果を表1及び表2に示す。
【0057】実施例5 界面活性剤(PEG)で処理した繊維径2デニール、繊
維長51mmのポリオレフィン短繊維を占有面積が15
%になるように均一にばらまく以外は、実施例1と同様
にして積層複合膜を得た。得られた積層複合膜の物性評
価の結果を表1及び表2に示す。
【0058】実施例6 ポリオレフィン微多孔膜の最終厚みが8μmになるよう
にゲル状シートの厚みを調節する以外は実施例1と同様
にしてポリオレフィン微多孔膜を調製し、繊維径2デニ
ール、繊維長51mmのポリオレフィン短繊維を占有面
積が30%になるように均一にばらまく以外は、実施例
1と同様にして積層複合膜を得た。得られた積層複合膜
の物性評価の結果を表1及び表2に示す。
【0059】比較例1 重量平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン
(UHMWPE)20重量%、重量平均分子量が35万
高密度ポリエチレン(HDPE)80重量からなる組成
物100重量部に酸化防止剤0.375重量部を加えた
ポリエチレン組成物(融点135℃)を得た。このポリ
エチレン組成物30重量部を二軸押出機(58mmφ、
L/D=42、強混練タイプ)に投入した。またこの二
軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン70重
量部を供給し、200rpmで溶融混練して、押出機中
にてポリオレフィン溶液を調製した。続いて、この押出
機の先端に設置されたTダイから190℃で押し出し、
冷却ロールで引取りながらゲル状シートを成形した。続
いてこのゲル状シートを、115℃で5×5倍に同時2
軸延伸を行い、延伸膜を得た。得られた延伸膜を塩化メ
チレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出除去し
た後、乾燥および122℃で熱セットを行いポリオレフ
ィン微多孔膜を得た。このポリオレフィン微多孔膜の組
成及び製造条件を表1に示し、物性評価の結果を表1及
び表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明の積層複合膜は、高強度、メルト
ダウン温度が高い積層複合膜であるので、電池用セパレ
ーターとして用いた場合、電池特性、安全性、生産性を
向上させることができ、特に過充電、加熱保持試験時の
熱暴走を防止または低減する機能を有する。また、高い
膜強度を合わせ持つため、電極充填密度を挙げても短絡
することが少なく、充放電時の圧縮による短絡も発生し
難いため、リチウム電池用セパレーターとして用いる場
合は安全性の点でおおいに信頼できる、さらにフィルタ
ーとしても好適に用いることができる。
フロントページの続き (72)発明者 河野 公一 埼玉県朝霞市三原3−29−10−404 (72)発明者 滝田 耕太郎 神奈川県横浜市磯子区岡村4−16−24 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK04A BA02 CA09 DC11A DG03B EH20 GB90 JA07A JA08A JB05B JK01 5H021 CC00 CC01 CC04 EE04 HH02 HH03 HH06 HH07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量100万以上の超高分子
    量ポリオレフィン又は重量平均分子量100万以上の超
    高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1万以上100
    万未満のポリオレフィンとを必須成分とするポリオレフ
    ィン組成物からなる平均貫通孔径0.01〜0.10μ
    m、バブルポイント≧980KPa、空孔率30〜95
    %であるポリオレフィン微多孔膜に、ポリオレフィン短
    繊維を積層することを特徴とする積層複合膜。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量100万以上の超高分子
    量ポリオレフィン又は重量平均分子量100万以上の超
    高分子量ポリオレフィンと重量平均分子量1万以上10
    0万未満のポリオレフィンとを必須成分とするポリオレ
    フィン組成物からなる平均貫通孔径0.01〜0.10
    μm、バブルポイント≧980KPa、空孔率30〜9
    5%であるポリオレフィン微多孔膜に、親水化されたポ
    リオレフィン短繊維を積層することを特徴とする積層複
    合膜。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の積層複合膜を用
    いた電池セパレータ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の積層複合膜を電
    池セパレータとして用いた電池。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の積層複合膜を用
    いたフィルター。
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