JP2001138325A - 発泡ポリスチレンのリサイクルシステムおよびリサイクル方法 - Google Patents

発泡ポリスチレンのリサイクルシステムおよびリサイクル方法

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JP2001138325A
JP2001138325A JP32104399A JP32104399A JP2001138325A JP 2001138325 A JP2001138325 A JP 2001138325A JP 32104399 A JP32104399 A JP 32104399A JP 32104399 A JP32104399 A JP 32104399A JP 2001138325 A JP2001138325 A JP 2001138325A
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Japan
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heating
expanded polystyrene
volume
heating furnace
polystyrene
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Haruo Nakano
晴夫 中野
Takehiko Yagyu
武彦 柳生
Nozomi Haraguchi
望 原口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱材や梱包用材料等として使用後の発泡ポ
リスチレンを有効に再利用可能とする低コストなリサイ
クルシステムを提供する。 【解決手段】 発泡ポリスチレンのリサイクルシステム
は、発泡ポリスチレンを廃棄場所あるいは廃棄された発
泡ポリスチレンの集荷場所において加熱減容して低発泡
体とするための加熱減容装置と、前記加熱減容後の低発
泡体を粉砕する粉砕装置を備えた処理施設と、前記加熱
減容装置により減容した低発泡体を前記処理施設へ搬送
する搬送手段とを備え、加熱減容装置は、発泡ポリスチ
レンの投入口及び排出口を有する加熱炉と、加熱手段
と、投入口から加熱炉内に投入されて加熱炉内で加熱減
容される発泡ポリスチレンを排出口まで移送して加熱炉
外へ排出するコンベアとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、断熱材や
梱包用材料等として使用後に廃棄されるポリスチレン系
樹脂発泡体(以下、「発泡ポリスチレン」という。)を
回収し、再利用するための発泡ポリスチレンのリサイク
ルシステムに関するものであり、更に詳しくは、回収し
た発泡ポリスチレンを微細な粉体に粉砕して再利用可能
とするものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンに代表されるポリスチレン
系樹脂発泡体は、断熱性、衝撃緩衝性に優れ、しかも成
型加工も容易で、且つ比較的安価であることから、断熱
材や梱包用材料として広く利用されている。しかし、そ
の生産量の増加とともに、使用後の回収及び処理が問題
となりつつある。使用後に回収した発泡ポリスチレンの
再利用の方法として従来から行われている方法は、大別
すると、(1)ポリスチレン樹脂原料として再利用する
方法、(2)燃料として再利用する方法、(3)粉砕し
て粉体として再利用する方法、の3つに分けられる。
【0003】前記(1)の樹脂原料として再利用する方
法としては、(a)回収した発泡体を加熱、加圧により
溶解して非発泡のインゴットとし、これを粒径数mm以
下に粉砕し、粉砕した樹脂粒子を押出機等によりペレッ
ト化するか、又は粉砕した樹脂粒子を分散媒中に分散さ
せて発泡剤を含浸して発泡性樹脂として再生し、成形樹
脂原料として再利用する方法(例えば、特公昭63−3
6923号公報、特開平5−310987号公報、特開
平5−320406号公報等)、(b)回収した発泡体
を溶剤により溶解した後、溶剤を除去して樹脂原料とし
て再利用する方法がある。
【0004】また、前記(2)の燃料として再利用する
方法としては、(a)回収した発泡体を分解油化して燃
料として再利用する方法、(b)回収した発泡体をその
まま高炉用の燃料として使用する方法がある。
【0005】更に、前記(3)の粉砕して粉体として再
利用する方法としては、回収した発泡体を粉砕して粉体
化し、例えばバインダーや建築用骨材として再使用する
方法等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した3つの再利用
方法のうち、前記(1)の方法は、樹脂原料として再使
用する際の価格が安く採算が合わない場合が多い。即
ち、加熱、加圧して溶融した非発泡のポリスチレンイン
ゴットを粉砕してペレット化するには、かなり馬力の大
きな粉砕機が必要となり、また粉砕物を成形樹脂原料と
して再生するための溶融ペレット化装置や発泡剤含浸装
置といった特別な装置が必要である。しかし、そのよう
な特別な装置を備える再生処理工場は建設費や設備費が
高くつくことから、数多く建設することはできず、発泡
ポリスチレンの廃棄場所から遠く離れた場所に建設され
ている場合が多い。従って、廃棄された発泡ポリスチレ
ンを回収して上記のように遠く離れた再生処理施設まで
運搬することになるが、発泡ポリスチレンは比重が小さ
く非常に嵩張るため、廃棄場所から再生処理施設まで、
軽量の発泡体を大量に運ぶこととなり、運送費が非常に
高くつき、これが処理コストを押し上げる。また、発泡
ポリスチレンを廃棄場所で溶解、減容したうえで運ぶに
しても、発泡ポリスチレンを加圧、加熱により非発泡の
インゴット化したり、発泡ポリスチレンを溶剤により溶
解したりする場合には、いずれも密閉容器でバッチ式の
処理を行う必要があるため、廃棄場所で小型の装置で処
理しようとすると効率が非常に悪く、やはりコストを押
し上げる。このため、樹脂原料としての発泡ポリスチレ
ンの再利用はコスト的に合わない場合が多い。そのう
え、混合物や異物等の存在により、成形原料としては用
途が制限されることも多く、更に、溶剤で溶解する場合
には、溶剤を完全に除去することは困難である。特に発
泡ポリスチレンを廃棄場所で溶剤で溶解する場合には、
安全性の上から高沸点の溶剤を使用せざるを得ず、溶剤
の除去は一層困難となる。従って、発泡ポリスチレンを
廃棄場所で溶剤により溶解する方法では、処理効率が低
いことに加えて、再生した樹脂に溶剤が残留する点でも
樹脂原料としての用途が制限されるという問題がある。
また、前記(2)の燃料として再利用する方法の場合に
も、やはり発泡ポリスチレンを廃棄場所から分解油化設
備を備えた再生処理施設まで運ばなければならないが、
前記と同様にそのような処理施設は発泡ポリスチレンの
廃棄場所から遠く離れている場合が多いことから、運送
費が処理コストを押し上げ、採算が合わない場合が多
い。また、発泡体をそのまま高炉の燃料として使用する
場合にも、高炉のある場所は限られており、やはり嵩高
い発泡ポリスチレンを遠方まで運ぶための運送費が高く
つきコストが合わない。更に前記(3)の発泡体を粉砕
して粉体化する方法の場合には、廃材として回収される
通常の発泡体は、その殆どが30倍〜100倍といった
高発泡倍率で嵩張るものであることから、これをそのま
ま粉砕する場合には、小型の粉砕機では非常に粉砕処理
効率が悪く、大量に廃棄される発泡ポリスチレンの粉砕
には大型の粉砕装置が必要となる。しかし、発泡ポリス
チレンの廃棄場所ごとにそのような大型の粉砕装置を設
置することは不経済であり現実的でない。このため、廃
棄場所での粉砕は困難で、この場合にもやはり廃棄場所
から粉砕装置を備えた遠方の再生処理施設に運んで粉砕
処理することになり、やはり運送費が処理コストを押し
上げることになる。
【0007】このように、従来における発泡ポリスチレ
ンの再利用方法においては、軽量で嵩張る発泡ポリスチ
レンを、廃棄場所から特別な処理設備を備えた遠方の再
生処理施設まで運ぶための運送費が処理コストを押し上
げ、採算が合わないことが多く、また、発泡ポリスチレ
ンを廃棄場所で減容しようとしても、溶剤による溶解
や、加熱、加圧による非発泡化は密閉装置内でのバッチ
式であるため、小型の装置では処理効率が非常に悪い。
しかも、溶剤を用いての減容化の場合には、溶剤の取扱
いに細心の注意が必要であり、高沸点の溶剤を用いるこ
とから溶剤の除去が困難となり、用途が制限されるとい
う問題がある。このため、現状では、発泡ポリスチレン
の再利用はあまり進んでおらず、低コストでのリサイク
ル方法が求められている。
【0008】本発明は上記のような従来における発泡ポ
リスチレンの再利用における問題点に鑑み、使用後の発
泡ポリスチレンを低コストで有効に再利用可能とするこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、使用後の発泡
ポリスチレンを回収して再利用するに際し、先ず、回収
した発泡ポリスチレンを廃棄場所、あるいは近隣地域内
の工場等で廃棄される発泡プラスチックを集荷した場所
において加熱処理により減容して低発泡体としたうえ
で、この低発泡体を一カ所に集めて一括して粉砕するこ
とにより、使用後の発泡ポリスチレンを低コストで有効
利用可能な発泡ポリスチレン粉体として再生することが
できること、しかも、溶剤で溶解したり、加熱、加圧処
理による非発泡化する場合と異なり、加熱減容して低発
泡体とする場合には、構造が簡単で小型の装置により連
続的に減容処理が可能で、しかも溶剤除去といった面倒
な操作も不要であるから、嵩張る発泡ポリスチレンを、
工場等の廃棄場所や集荷場所等で安全かつ効率よく減容
したうえで再生処理施設へ運ぶことができて運送費が安
くつき、処理コストが下がる、との着想に基づき、本発
明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明に係る発泡ポリスチレンのリ
サイクルシステムは、発泡ポリスチレンを廃棄場所ある
いは廃棄された発泡ポリスチレンの集荷場所において加
熱減容して低発泡体とするための加熱減容装置と、前記
加熱減容装置により減容された低発泡体を粉砕する粉砕
装置を備えた処理施設と、前記加熱減容装置により減容
された低発泡体を前記処理施設へ搬送する搬送手段とを
備えるものであって、前記加熱減容装置が、発泡ポリス
チレンの投入口及び排出口を有する加熱炉と、前記加熱
炉内を加熱する加熱手段と、投入口から加熱炉内に投入
されて加熱炉内で加熱減容される発泡ポリスチレンを排
出口まで移送して加熱炉外へ排出するコンベアとを備
え、多数の発泡ポリスチレンを連続的に加熱減容可能と
したことを特徴とするものである。
【0011】前記加熱減容装置の加熱炉内に設けられる
コンベアとしては、ネットコンベアやバケットコンベア
を用いることができる。前記コンベアは、上下に多層構
造を有するものを用いることができる。前記加熱減容装
置として、発泡ポリスチレンの投入口及び排出口を有す
る加熱炉と、前記加熱炉内を加熱する加熱手段と、前記
投入口から加熱炉内を循環して排出口へ至り、前記投入
口から加熱炉内に投入されて加熱炉内で加熱減容される
発泡ポリスチレンを排出口まで移送して、ここから加熱
炉外へ排出するバケットコンベアを備えるものを用いる
ことができる。前記コンベアにおけるネットやバケット
等の載置部は、発泡ポリスチレンが接着しないような非
粘着性を有するものであることが好ましい。
【0012】また、前記加熱減容装置は、加熱炉に投入
される発泡ポリスチレンを所定の厚みに切断する切断手
段を備えることが好ましい。
【0013】更に、前記加熱減容装置は移動体上に載設
することができる。
【0014】上記のような本発明によれば、例えば工場
等で断熱材や梱包用材料として使用後に廃棄された発泡
ポリスチレンを、その廃棄場所、あるいは近隣の工場等
で廃棄された発泡ポリスチレンを集荷する場所に加熱減
容装置を備え、発泡ポリスチレンをそれらの場所におい
て前記加熱減容装置を用いて加熱処理して減容すること
で低発泡体とし、この減容後の低発泡体を粉砕装置を備
えた処理施設へ運んで一括して粉体状に粉砕するもので
あることから、軽量で嵩張る発泡体を、それぞれの廃棄
場所等からそのままの状態で遠方の処理施設へ運んで処
理する従来法に比べて、運送費を格段に低減でき、全体
の処理コストを低く押さえることが可能となる。例え
ば、通常、断熱材や梱包用材料として使用されている発
泡ポリスチレンの発泡倍率は30〜100倍程度である
が、これを廃棄場所等で加熱処理により予め1/10程
度に減容したうえで処理施設へ運ぶようにすれば、発泡
体をそのままの大きさで廃棄場所等から遠方の処理施設
へ運ぶ場合に比べて運送費を1/10に低減することが
できる。しかも、この廃棄場所等における低発泡体への
加熱減容操作は、従来の溶剤による溶解や加熱、加圧処
理による非発泡化のようなバッチ式処理ではなく、連続
処理が可能であることから、大量の発泡ポリスチレンで
も比較的短時間に効率よく処理することができ、この点
でも処理コストの低減が可能である。しかも、従来のよ
うに溶剤で溶解する方法では、工場等の廃棄場所等で溶
解して減容する場合、特に移動体上に溶解減容装置を載
設して各所で減容処理を行おうとする場合には、安全性
の上から低沸点の溶剤を使用することができず、高沸点
の溶剤を使用せざるを得ない。このため、減容化物から
の溶剤の回収除去が極めて困難であった。これに対し、
本発明では、加熱減容した低発泡体を粉砕して粉体とし
て再利用するものであることから、減容化物からの溶剤
の回収といった面倒な操作を必要とせず、また減容操作
も安全であり、しかも溶剤の混入により用途が制限され
るといったこともなく、広い用途に有効利用できる。例
えば、本発明により得られる発泡ポリスチレン粉体は、
発泡粒子として、コンクリート等の水硬性組成物に骨材
として配合することで軽量化したり、あるいは圧縮成形
による低発泡ポリスチレン成形体製造用の樹脂原料とし
ても利用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る発泡ポリス
チレンのリサイクルシステムの1実施態様を示す全体フ
ロー図である。本発明のリサイクルシステムでは、例え
ば、電気・電子部品や電気製品等の製造工場A、B・・
・等のように、部品や部材の梱包用材料として使用され
た発泡ポリスチレンが、製品仕様の変更等により大量に
廃棄される場所、あるいは近隣地域の複数の場所で廃棄
された発泡ポリスチレンを集荷した場所等において、加
熱減容装置1を用いた熱処理により減容して低発泡体と
し、この加熱減容した低発泡体をトラック等の搬送手段
2により再生するための処理施設Sへ運び、この処理施
設Sに設置された粉砕装置3により前記低発泡体を粉砕
して発泡ポリスチレン粉体とすることで、再利用可能な
ポリスチレン材料を得るものである。
【0016】前記加熱減容装置1は、図例の如くトラッ
ク等の移動体上に載設しておき、図中に実線の矢印で示
すように発泡ポリスチレンが廃棄される複数の工場A、
B・・・や廃棄された発泡ポリスチレンの集荷場所等を
順次巡回してそれぞれの場所において使用後の発泡ポリ
スチレンの加熱減容作業を行うようにしてもよい。ま
た、大規模工場等で特に大量の発泡ポリスチレンが頻繁
に廃棄されるような場所には、据え置き型の加熱減容装
置を設けてあってもよい。また、前記加熱減容装置1に
より加熱減容された低発泡体を処理施設Sまで搬送する
のにトラック等の搬送手段2を用い、図中に一点鎖線の
矢印で示すように各工場A、B・・・等を巡回して低発
泡体を集荷したうえで処理施設Sへ搬送するようにして
もよい。尚、図中に点線の矢印で示すものは、処理され
る発泡ポリスチレンの移送経路である。
【0017】本発明の対象となる前記発泡ポリスチレン
としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクト
ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂
(AS樹脂)等の発泡体が挙げられる。これらの発泡ポ
リスチレンの中でも、現在のところポリスチレン樹脂発
泡体が最も多用されており、その回収される量が多い。
これらの発泡体は、通常、その発泡倍率が30〜100
倍の範囲で断熱材や梱包用材料として使用されている。
【0018】前記加熱減容装置1による発泡ポリスチレ
ンの減容処理に際しては、減容後の低発泡体の発泡倍率
が2.5〜15倍の範囲、より好ましくは3.0〜10
倍の範囲、最も好ましくは3.5〜8倍の範囲となるよ
うに加熱処理することが好ましい。その理由は、発泡体
の発泡倍率が前記の範囲以上であると減容しないで運ぶ
場合に比べて運送コストがあまり安くならないばかり
か、処理施設Sにおいて粉砕に供する発泡体の発泡倍率
が大きいと、発泡体の弾性により微粉砕することが困難
となり、また、嵩高い発泡体を大量に粉砕するには大型
の粉砕装置が必要となるからである。また、前記範囲よ
り低発泡倍率となるまで加熱処理してもよいが、そのよ
うな低発泡倍率になるまで加熱処理するための費用に見
合うだけのコスト低減効果を得ることができず、また、
あまり低発泡倍率にまで減容すると、発泡体が硬くなり
すぎて粉砕に大馬力の粉砕装置が必要となったり、ま
た、粉砕後の粉体の比重が大きくなり軽量骨材等として
の利用が制限されたりする場合があるからである。
【0019】前記加熱減容装置1は、処理すべき発泡ポ
リスチレンを連続的に投入し、例えば110℃〜170
℃、好ましくは140℃〜160℃程度の温度雰囲気
に、例えば1分間〜5分程度の時間保持したのち、連続
的に排出する構造を有するものが好ましい。図2、3
は、こうした連続加熱減容装置1の1実施例を示すもの
である。この加熱減容装置1は、上部に発泡ポリスチレ
ンの投入口11を、下部に排出口12を有する加熱炉1
0と、投入口11から加熱炉10内に投入された発泡ポ
リスチレンPを排出口12まで移送して加熱炉10外へ
排出するコンベア13とを有する。また、図3に示すよ
うに、前記加熱炉10の下部には、加熱炉10内を加熱
するための加熱手段として、電気ヒータ14aを備えた
熱交換器14を設け、該熱交換器14と加熱炉10の上
部を送風管16で結ぶとともに、加熱炉10内を連通状
態で上下複数段に区画する棚板17により、加熱炉10
内に吹き込まれた熱風が加熱炉10内を循環して再び熱
交換器14へ戻るようにした空気の循環路を形成してな
り、前記電気ヒータ14aで加熱された熱交換器14内
の熱風を送風ファン15により送風管16を通じて加熱
炉10の上部に吹き込むとともに、吹き込まれた熱風を
加熱炉10内を循環させて再び熱交換器14へ導くこと
で、加熱炉10内を、発泡ポリスチレンを加熱減容可能
な例えば100℃〜170℃程度の温度に加熱可能とな
っている。尚、加熱炉10内で発泡ポリスチレンPが加
熱減容されるに伴い、発泡ポリスチレンPから発泡剤と
してのブタンガス等が放出されるが、これが加熱炉10
内に充満すると危険であることから、投入口11及び排
出口12以外に、加熱炉10内のガスを外部へ排出する
ための排気口を加熱炉10の適所に設けておくことが好
ましい。
【0020】前記コンベア13は、図例の如く上下複数
の棚板17・・・により区画された加熱炉10内に複数
のベルトコンベア13A〜13Eを段設した多層構造を
有しており、投入口11から投入された発泡ポリスチレ
ンPを、所定の温度に加熱された加熱炉10内を、例え
ば1分〜5分程度の所定の時間で通過させる間に発泡ポ
リスチレンPを加熱減容し、排出口12から低発泡体
P’として加熱炉10外へ排出するものである。このベ
ルトコンベア13A〜13Eは、例えば、ネットコンベ
ア、あるいはパンチングメタルのような多孔質板や金網
のようなメッシュ状の材料からなる無端状のベルト13
a上を仕切板13bにより多数に区分してなる。
【0021】上記の加熱減容装置1にあっては、投入口
11から投入された発泡ポリスチレンPは、最上段のベ
ルトコンベア13Aのベルト13a上に載り、このベル
ト13a上をその端部まで図2中右方向へ移送されると
ともに、ベルトコンベア13A端部に達するとベルト1
3aの反転によって下方へ落下し、第2段目のベルトコ
ンベア13Bの仕切板13bにより受け止められ、該ベ
ルトコンベア13Bのベルト13a上を前記と反対方向
に図2中左方向にベルトコンベア13Bの他端まで移送
され、前記と同様にして更に下段のベルトコンベア13
C・・・により順次移送され、最下段のベルトコンベア
13Eにより排出口12から加熱炉10外へ排出され
る。このとき、加熱炉10内に投入された発泡ポリスチ
レンPは、該加熱炉10内をベルトコンベア13A〜1
3Eにより移送される間に加熱炉10内で加熱されるこ
とにより、ポリスチレン樹脂のセル隔壁が軟化するとと
もにセル中のガスが加熱膨張してセルが破れ、ここから
セル中のガスが外部へ放出されることで発泡体は減容さ
れ、低発泡体P’として排出口12から排出されるので
ある。
【0022】前記のように、加熱炉10内に投入された
発泡ポリスチレンPは、加熱炉10内をベルトコンベア
13A〜13Eのベルト13a上を移送される間に加熱
により収縮して低発泡体化されるものであることから、
加熱炉10内における加熱減容を効率よく行うために、
ベルト13aをネットコンベア等の多孔質材料やメッシ
ュ状のもので作製して風通しをよくして発泡ポリスチレ
ンPが効果的に加熱されるようにすることが好ましい。
また、加熱炉10内の隔壁19等についても、パンチン
グメタルのような多孔質板を用いることで風通しをよく
することが好ましい。更に、加熱によりベルト13a上
の発泡ポリスチレンが軟化してベルト13aに接着して
しまい、下段のコンベアへ落下しなかったり、排出口1
2からスムーズに排出されない、といったトラブル発生
のおそれもある。これを防止するため、ベルトコンベア
13のベルト13aの載置部を、例えばポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等の非粘着性
を有する樹脂等でコーテイングしたり、あるいは非粘着
性材料にてベルト13aを作製する等して非粘着性を付
与しておくことが好ましい。
【0023】次に、図5に示すものは、本発明で用いる
加熱減容装置1の他実施例であり、加熱炉内の発泡ポリ
スチレンの移送手段として、バケットコンベアを用いた
ものである。この加熱減容装置1は、一方の側壁w部分
に発泡ポリスチレンPの投入口及び排出口を兼ねる開口
部41を設けた加熱炉40と、前記加熱炉40内を加熱
する加熱手段としての熱交換器42、前記開口部41に
臨む位置から加熱炉40内を循環して再び開口部41へ
戻り、該開口部41から加熱炉40内に投入されて加熱
炉40内で加熱減容される発泡ポリスチレンPを再び開
口部41まで移送して、ここから低発泡体P’として加
熱炉40外へ排出するバケットコンベア50を備えてい
る。
【0024】前記加熱手段は、図5、図8に示すよう
に、加熱炉40の下部に多数の電気ヒータ43を備えた
熱交換器42を設け、該熱交換器42により加熱された
熱風を加熱炉40の側壁部分に設けたダクト44を経て
加熱炉40の上面に設置した送風機45により加熱炉4
0内に吹き込み、パンチングメタル等の多孔質板からな
る天井板46からバケットコンベア50が巡回する加熱
炉40内を下方へ通過して同じくパンチングメタル等の
多孔質板からなる床板47を通して再び下方の熱交換器
42に戻る熱風循環経路を形成してなる。尚、この加熱
減容装置1の場合にも、加熱炉40は開口部41を有し
ており密閉されてはいないものの、加熱炉40内での発
泡ポリスチレンPの加熱減容に伴い発生するブタンガス
等が加熱炉40内に充満しないように、加熱炉40の適
所に排気口を設けておくことが好ましい。
【0025】前記加熱炉40内を循環するバケットコン
ベア50は、図5に示すように、加熱炉40内に配置さ
れた複数のプーリー61、62、63、64及び65、
66に一対の無端状チェン51、51が互いに平行に掛
け回されている。該チェン51は、投入口と排出口を兼
ねる開口部41を設けた加熱炉40の一方の側壁wに沿
ってほぼ垂直上方向に伸び、加熱炉40の上部に設けた
プーリー61により水平方向に向きを変えて加熱炉40
の奥部へ進むとともに、反対側の側壁の手前でプーリー
62により下方に折り返して再び水平方向に向きを変え
て開口部41側へ戻り、開口部41側のプーリー63に
より再び下方に折り返して奥部に進み、更に加熱炉40
の奥部に設けたプーリー64により下方へ折り返して再
び水平方向に開口部41側に戻り、開口部41の内側に
斜めに配置された2つのプーリー65、66間を斜めに
上昇して再びほぼ垂直に上昇して、加熱炉40内を一循
するように設けられている。
【0026】前記加熱炉40内を循環する一対の無端状
チェン51には、例えば、図6に示すような、パンチン
グメタル等の多孔質板にて作製された底の浅い箱状のバ
ケット本体53の両側部に平面視略コ字形の取付金具5
3、53を固着した多数のバケット52が、該取付金具
53をチェン51に取付ピン55等で枢止することによ
り、常に水平姿勢を保持してチェン51に懸架されてチ
ェン51の旋回に伴い加熱炉40内を循環するように設
けられている。そして、前記のようにチェン51に対し
てピン55により枢支されて水平姿勢を維持したまま加
熱炉40内を循環したバケット52は、図7に示すよう
に、開口部41の内側に設けられた一対のプーリー6
5、66間を斜めに上昇して開口部41に戻るところ
で、開口部41に向かって上方に傾斜するように設けら
れた姿勢矯正板56にその前端部が当接することで、両
側の取付金具54がガイドレール71に支持された状態
で、チェン51とともに上昇するに伴い前方へ回転して
水平方向から垂直方向へ姿勢を変化させた後、姿勢矯正
板56の前端部を越えたところで再び水平な姿勢に戻る
ように設けられている。この水平姿勢を戻したバケット
52は、チェン51により垂直方向に上昇し、再び加熱
炉40内を前記と同様にして循環する。また、前記水平
方向に戻るバケット52が急激に回転することを防止す
るためのガイドレール72が設けられており、このガイ
ドレール72にはアジャスタ75が設けられている。
【0027】上記のように、バケットコンベア50は、
多数のバケット52・・・が、加熱炉40内を水平な姿
勢で移送されるとともに、加熱炉40内を循環して再び
開口部41に戻ったところで、一旦、ほぼ垂直に姿勢を
変えた後、再び水平姿勢を戻して加熱炉40内を循環す
ることを繰り返すように構成されている。そして、開口
部41から加熱炉40内に水平に保持されたバケット5
2に発泡ポリスチレンPを投入すると、発泡ポリスチレ
ンPは、加熱炉40内を水平姿勢に保持されたバケット
52によって所定の時間をかけて循環し、加熱炉40内
で加熱作用を受けて減容された低発泡体P’として再び
開口部41に戻る。そして、開口部41に戻ったバケッ
ト52が、この位置で垂直方向に姿勢を変えることで、
バケット52内の低発泡体P’はバケット52から放出
され、開口部41下部に設けられたシュータ57により
加熱炉40外へ排出される。このとき加熱減容された低
発布体P’がバケット52内面に接着してバケット52
から放出されないといったことを防止するために、バケ
ット52の内面にはフッ素樹脂等の非接着材料をコーテ
ィングする等しておくことが好ましい。更に、バケット
52から低発泡体P’を確実に放出するために、バケッ
ト52が姿勢矯正板56を越えて垂直方向から水平方向
へ姿勢を変える位置にストッパ58を設けておき、水平
方向へ回転するバケット52をストッパ58へ衝突させ
ることで衝撃を与えて、この衝撃により該バケット52
内の低発泡体P’をバケット52外へ放出させるように
することもできる。
【0028】尚、前記バケットコンベア50には、開口
部41内を上昇するバケット52の姿勢を水平状態に保
持するためのガイドレール73、74、各プーリー間を
水平移動するバケット52の下面を保持してチェン51
の垂れ下がりを防止するレール76等を適宜設けるよう
にしてもよい。また、前記レール76上をバケット52
が円滑に摺動するためバケット52の下面にスライダー
のようなものを設けてもよい。更に、開口部41下部の
低発泡体P’の取り出し位置にはシュータ57の代わり
に取り出し用コンベアを設けるようにしてもよい。
【0029】上記加熱減容装置1は、実施例の如く、発
泡ポリスチレンの移送手段として複数のベルトコンベア
13A〜13Eを段設したり、バケットコンベア50を
左右に折り返して上下多層構造としたコンベアを用いて
いることから、加熱炉10、40の長さを短くして設置
面積を小さくすることが可能となり、トラック等の移動
体上に積設する場合のみでなく、据え置き型の装置とし
た場合であっても、狭いスペースに設置可能となり、ま
た、加熱効率もよい。尚、設置場所が充分に確保できる
場合には、必ずしも多層構造とする必要はない。また、
トラック等の移動体上に加熱減容装置1を積設して各工
場A・・等を巡回する場合には、加熱炉の加熱手段とし
ての熱交換器14、42等の電源は各工場等の電源を用
いるようにするとよい。
【0030】上記のような加熱減容装置1の加熱炉1
0、40内における発泡ポリスチレンへの加熱条件は、
加熱手段としての熱交換器14、42等による加熱炉1
0、40内温度及びコンベア13、バケットコンベア5
0の移送速度による加熱炉通過時間、即ち加熱時間によ
り調整することができる。そして、本発明者らは、発泡
ポリスチレンの加熱による低発泡化の程度は、加熱温度
に依存するとの知見を得ている。即ち、所定の温度条件
で所定時間以上加熱処理した場合には、発泡倍率が異な
る発泡体であっても、略一定の発泡倍率にまで減容化さ
れる傾向を有するとの知見を得ている。また、この加熱
減容処理においては、一定の発泡倍率にまで減容化がな
された発泡体は、それ以上に加熱時間を長くしても、更
なる減容化の速度は非常に小さくなってしまう現象が見
られることも判明した。従って、各種発泡倍率の異なる
発泡ポリスチレンであっても、それらを加熱炉10、4
0へ投入すれば、いずれもほぼ同一温度で加熱処理され
ることから、ほぼ一定発泡倍率の低発泡体を得ることが
できる。従って、これを粉砕すれば、品質の均一な粉体
を得ることができるのである。
【0031】[実験1]表1に示す条件に従い、ポリス
チレン発泡体から、所定の厚み(T)のブロック体(2
50mm×250mm×Tmm)を切り出し、これを熱
風乾燥炉中で、所定時間、加熱処理して減容し、減容後
の発泡倍率を調べた。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1のNo.1とNo.2との比較から、
加熱の当初は減容の進行が速く、ある程度減容される
と、その後は徐々に減容が進行することがわかる。ま
た、No.3とNo.4との比較から、同一加熱条件で
も発泡体の厚みが薄い方が減容率が高いことがわかる。
更に、No.4〜6の結果から、減容前の発泡倍率が高
い方が減容の進行が早いが、発泡倍率に関係なく、同一
の加熱条件であれば、減容後は、実用上、問題ない程度
に、ほぼ同一発泡倍率の低発泡体が得られることがわか
る。尚、より均一な発泡倍率のものが必要な場合には、
加熱時間を長くすればよい。
【0034】[実験2]発泡倍率40倍、60倍及び8
0倍のポリスチレン発泡体から、所定厚み(T)のブロ
ック体(250mm×250mm×Tmm)を切り出
し、これを155℃又は170℃に設定した熱風乾燥炉
中で5分間加熱処理して減容し、減容後の発泡倍率を調
べた。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】[実験3]発泡倍率40倍、60倍及び8
0倍のポリスチレン発泡体から、ブロック体(250m
m×250mm×50mm)を切り出し、これを蒸気圧
0.5MPaに設定したオートクレーブ中に3分間加熱
処理して減容し、減容後の発泡倍率を調べた。結果を表
3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表2、3の結果から明らかなように、発泡
倍率の異なる発泡体であっても、これを、同一条件で加
熱処理することで、ほぼ同一発泡倍率の低発泡体に減容
することができる。
【0039】[実験4]ほぼ40mm厚に切断した発泡
倍率の異なる発泡体ブロックの混合物を、150℃で5
分間の加熱処理により減容して低発泡体を得た。この低
発泡体の発泡倍率は、いずれもおよそ4倍であった。こ
れらの低発泡体ブロックを、プラスチック用粉砕機によ
り、ほぼ1cm角に粗粒化したものを気流衝撃式粉砕機
により微粉砕した。粉砕後の粉体の嵩比重は0.24で
あった。また、この粉体の平均粒径および粒度分布(ふ
るい残分)をJIS K 0069に準じて測定した。
結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかなように、異なる発泡倍率
の発泡体を同一条件での加熱処理により減容して、略定
発泡倍率化した低発泡体を得、これを気流衝撃式粉砕機
を用い8000rpmで微粉砕することで、平均粒径が
約200μmと微細で、粒径の揃った均質な粉体を得る
ことができた。更に200メッシュのふるいを通過する
ような極微細粒子は存在しなかった。これらは、いずれ
も16メッシュ(目開き、1000μm)のふるい残分
は0.8%以下であった。
【0042】このように、各種発泡倍率の異なる発泡ポ
リスチレンであっても、それらを同じ加熱炉へ投入すれ
ば、同一条件で加熱処理され、ほぼ一定発泡倍率の低発
泡体を得ることができる。従って、本発明によれば、廃
材として回収した発泡ポリスチレンの発泡倍率が必ずし
も一定でなく異なる発泡倍率の発泡体の混合物であって
も、それらを単に加熱減容装置1で加熱処理することに
より、回収した発泡体を発泡倍率ごとに分別することな
しに、それら発泡倍率の異なる発泡体から均質な粉体を
得ることができるのである。
【0043】前記のように、各種発泡倍率の異なる発泡
ポリスチレンであっても、それらを、同一条件で加熱処
理すれば、ほぼ一定発泡倍率の低発泡体を得ることがで
き、均質な粉体を得ることができる。この場合、加熱炉
に投入される各発泡体が同一厚みである場合には、各発
泡体に対する加熱条件がより均一化されることから好ま
しい。従って、厚みの異なる発泡ポリスチレンを加熱減
容処理する場合には、発泡ポリスチレンを切断する手段
を設けておき、加熱減容装置1の加熱炉へ投入する際
に、予め発泡ポリスチレンを一定の厚みに切断しておく
ことが好ましい。この切断手段としては、機械的に切断
するようなものでもよいが、例えば図4に示すように、
通電により発熱可能としたニクロム線21を所定の間隔
で多数平行配置した網状の切断器20を用いることがで
きる。この切断器20は、ニクロム線21の上に発泡ポ
リスチレンPを載置すると、発泡ポリスチレンPが発熱
したニクロム線21に接触することにより溶融切断され
て、各ニクロム線21の間隔で同一の厚みの複数の発泡
体P1、P2、P3・・として下方へ落下するものであ
る。この切断器20等の切断手段は、加熱減容装置と別
に設けておいてもよいが、図2、3に示す加熱減容装置
1のように加熱炉10の上部から加熱炉10内へ発泡ポ
リスチレンを投下する構造の場合には、投入口11に前
記切断器20等の切断手段を設けておけば、該切断器2
0のニクロム線21上に発泡ポリスチレンを載置するだ
けで、一定の厚みに切断された状態の発泡体が加熱炉1
0内に自動的に投入されることになり、より効率のよい
加熱減容作業を行うことができる。尚、本発明でいう発
泡体とは、各種発泡成形体を含むものであり、従って、
ほぼ同一厚みの発泡体とは、例えば、側壁厚みと底板厚
みとが略同一であるような箱体であってもよい。そのよ
うな箱体であれば、切断等することなく、そのままの形
で加熱処理すればよい。又、加熱炉10内に投入する発
泡ポリスチレンPの厚みは特に限定はないが、発泡倍率
が高い発泡体の場合には比較的熱の通りがよいので厚み
が厚くても効率よく加熱減容され、一方、発泡倍率が低
い発泡体の場合には、比較的熱の通りが悪いことから、
厚みを薄くしたうえで加熱減容処理することが好まし
い。例えば、実用的な加熱処理時間である5分間程度の
通過時間で連続的に加熱減容して望ましい発泡倍率の低
発泡体とするには、発泡倍率が80倍程度の高発泡倍率
の発泡体の場合には、加熱炉10に投入する発泡ポリス
チレンPの厚みを8cm程度とし、一方、発泡倍率が3
0倍程度の発泡体の場合には、加熱炉10に投入する発
泡ポリスチレンPの厚みをを4cm程度以下とすること
が好ましい。
【0044】加熱減容装置の加熱減容時の加熱温度及び
加熱時間等の加熱条件は、発泡体の厚みにより変化する
ので一概には規定できない。例えば、発泡体の厚みが薄
い場合には約130℃以上の温度であれば1分間以上、
発泡体の厚みが厚い場合には、例えば約150℃の温度
で3分間以上、より好ましくは約150℃以上の温度で
5分間以上加熱する。また、一定温度での加熱時間を少
し短めにすれば、得られる低発泡体の発泡倍率に多少の
バラツキを生ずるが、ある程度発泡倍率が揃っていれば
粉体化して再利用する際に実用上は特に問題はなく、処
理スピードを向上させることができる。つまり、必要以
上に長時間あるいは高温での加熱処理は処理時間が延長
され、またエネルギーコストが上昇してコストアップに
なるので余り好ましくはない。しかし、より均一な発泡
倍率の粉体が要求される場合には、加熱処理時の加熱時
間を実用上の最短時間より多少長くすることにより、よ
り均一な発泡倍率のものを得ることもできる。
【0045】次に、各工場A・・等の発泡ポリスチレン
の廃棄場所や集荷場所等で、上記のような加熱減容装置
1により加熱減容処理したポリスチレンの低発泡体、好
ましくは、ほぼ同一厚みとして加熱減容してほぼ定発泡
倍率に減容した低発泡体は、トラック等の搬送手段2に
より集荷し、粉砕装置3のある処理施設Sまで搬送し
て、該施設Sで効率よく一括処理する。このとき、本発
明では、前記のように発泡ポリスチレンを、例えば1/
10程度に加熱減容した低発泡体の状態で廃棄場所であ
る工場A・・等から処理施設Sへと運ぶようにしたこと
から、廃棄された発泡ポリスチレンをそのままの大きさ
で遠方の処理施設へ運ぶ場合に比べて大幅に運送費を削
減でき、全体の処理コストを低く抑えることが可能とな
る。
【0046】粉砕装置3によるポリスチレン低発泡体の
粉砕は、例えば、プラスチック用粉砕機又は破砕機で数
センチ角、例えば1cm角程度に粗粉砕したうえで、圧
縮せん断型粉砕機等を用いて微粉砕することが好まし
い。前記のように1cm角程度に粗粉砕したポリスチレ
ンの低発泡体は、性状が食品の小麦粉等の穀類と似てお
り、同様に扱うことができるため、例えば、製粉用等に
用いられる気流衝撃式粉砕機またはローラミル(rol
ler mill)タイプの粉砕機等により、目的とす
る粒径、性状の発泡樹脂微粉体に容易に粉砕することが
できる。即ち、これらの粉砕機を用いることで、2.5
〜15倍程度の低発泡倍率とした発泡体を、粉砕後の粉
体の16メッシュふるい残分が5%以下、好ましくは3
%以下、より好ましくは1%以下、特に好ましくは0.
8%以下、粒子の平均粒径が500μm以下、より好ま
しくは400μm、更に好ましくは300μm以下、ま
た、嵩比重が0.4未満、更に好ましくは0.3以下の
微粉体を得ることもできる。粉砕された粉体粒子の粒径
の下限としては、例えば200メッシュ(目開き、75
μm)のふるいを通過するような極微細粒子が存在しな
いようにすることが好ましい。尚、粉砕物の粒径等の調
整は、粉砕機の回転数等の設定によりコントロールする
ことができる。
【0047】上記のように、本発明では、廃棄された発
泡ポリスチレンを、ほぼ同一加熱条件で加熱減容するこ
とで、発泡倍率ごとに分別することなく、均質な粉体に
微粉砕して再利用に供することができる。この発泡ポリ
スチレン粉体は、例えば、コンクリートやモルタル等の
水硬性組成物に軽量化材として配合することで、軽量な
建築材料や土木材料を得ることができる。上記のような
水硬性組成物の添加材や、低発泡体の成形材料としての
使用に当たっては、前記粉体化した発泡ポリスチレン系
樹脂に加えて、補強繊維その他の補強材、添加剤等を添
加又は併用してもよい。また、この発泡ポリスチレン粉
体を圧縮成形することで低発泡の成形体を得ることがで
きる。
【0048】通常、断熱材や梱包材等として使用された
後、廃棄される発泡ポリスチレンを回収し、再利用する
ために加工する場合、これら発泡体は比重が小さく軽量
で嵩張るため、処理施設への運搬費が先ず問題となり、
これがリサイクルを促進するうえでの障害となっている
場合が多い。また、発泡ポリスチレンを廃棄場所で溶剤
で溶解したり加圧加熱処理により非発泡化する場合の減
容化処理は、密閉容器内で行うバッチ式であることから
処理効率が悪く、大量の発泡ポリスチレンの減容には非
常に時間がかかり、コストを押し上げる原因となってい
る。これに対し、本発明のリサイクルシステムにおいて
は、発泡ポリスチレンを、廃棄場所である工場A・・・
等において先ず加熱処理して低発泡体に減容したのち処
理施設Sに運んで一括して粉砕するものであり、運送費
が安くつくうえに、低発泡体に加熱減容するための加熱
減容装置は、熱源さえ確保できさえすれば、どこでも簡
単に実施することができ、また装置の小型化も容易であ
り、しかも連続的な処理も可能であることから、廃棄さ
れた大量の発泡ポリスチレンを短時間で低発泡体に減容
することができる。この場合、加熱減容装置をトラック
等の移動体上に載設して移動可能とし、発泡ポリスチレ
ンの廃棄場所である複数の工場・・・や廃棄された発泡
ポリスチレンの集荷場所等を巡回して、各工場で廃棄さ
れた発泡ポリスチレンを順次加熱減容して低発泡体と
し、これを粉砕装置を備えた処理施設へトラック等の搬
送手段で運搬するようにすれば、加熱減容装置の稼働率
を上げることができ、設備費を合理化して処理コストを
より低減することが可能となる。また、粉体化について
も、予め低発泡体としたうえで粉砕するようにしたの
で、高発泡倍率で嵩張る発泡体をそのまま微粉砕する場
合のような大がかりな装置を必要とせず、容易に粉砕し
て粉体化することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、使用後
に回収される発泡ポリスチレンを、廃棄場所や集荷場所
において加熱減容装置により加熱処理して低発泡体と
し、これを粉砕装置を設置した処理施設へ搬送し、ここ
でまとめて粉砕して粉体化し、再利用可能とするもので
あることから、高発泡倍率で嵩張る発泡ポリスチレンを
そのまま遠方の処理施設まで運ぶ場合に比べて運送費を
大幅に低減できる。更に、前記廃棄場所等での加熱減容
処理を連続的に行うことで、大量の発泡ポリスチレンを
短時間で効率よく処理することができることから、従来
法に比べて処理コストを大幅に低減でき、発泡ポリスチ
レンのリサイクルの普及に貢献できるものである。ま
た、前記加熱減容処理に際しては、発泡ポリスチレンを
ほぼ同一加熱条件で加熱減容処理を行うことで、ほぼ同
じ発泡倍率の低発泡体を得ることができ、従って、これ
を粉砕することで、異なる発泡倍率の発泡体からでも均
質な粉体を得ることができ、使用後に回収した断熱材や
梱包材等の発泡ポリスチレンを発泡倍率ごとに分別する
ことなく一括処理により資源として再生可能である。こ
のように、本発明によれば、発泡ポリスチレンの回収及
び処理が極めて容易で処理コストも安くつくことから、
資源のリサイクルに大きな貢献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリサイクルシステムの概略を示す全
体フロー図。
【図2】 加熱減容装置の1実施例の構造を示す簡略側
断面図。
【図3】 前記加熱減容装置の構造を示す簡略正断面
図。
【図4】 発泡ポリスチレンの切断器の実施例を示す斜
視図。
【図5】 バケットコンベアを備えた加熱減容装置の実
施例の構造を示す簡略側断面図。
【図6】 前記バケットコンベアのバケットの構造を示
す斜視図。
【図7】 前記バケットコンベアの要部の拡大断面図。
【図8】 前記加熱減容装置における加熱手段を示す簡
略斜視図。
【符号の説明】
1:加熱減容装置、2:搬送手段、3:粉砕装置、1
0:加熱炉、11:投入口、12:排出口、13:コン
ベア、13a:ベルト、13A〜13B:ベルトコンベ
ア、14:熱交換器、14a:電気ヒータ、15:送風
ファン、16:送風管、17:棚板、18:端部カバ
ー、19:隔壁、20:切断器、21:ニクロム線、4
0:加熱炉、41:開口部、42:熱交換器、43:電
気ヒータ、44:送風ダクト、45:送風機、46:天
井板、47:床板、50:バケットコンベア、51:チ
ェン、52:バケット、53:バケット本体、54:取
付金具、55:取付ピン、56:姿勢矯正板、57:シ
ュータ、58:ストッパ、61〜66:プーリー、71
〜74:ガイドレール、75:アジャスタ、76:レー
ル、A〜C:工場、S:処理施設、P:発泡ポリスチレ
ン、P’:低発泡体、w:側壁。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡ポリスチレンを廃棄場所あるいは廃
    棄された発泡ポリスチレンの集荷場所において加熱減容
    して低発泡体とするための加熱減容装置と、前記加熱減
    容装置により減容された低発泡体を粉砕する粉砕装置を
    備えた処理施設と、前記加熱減容装置により減容された
    低発泡体を前記処理施設へ搬送する搬送手段とを備え、
    前記加熱減容装置が、発泡ポリスチレンの投入口及び排
    出口を有する加熱炉と、前記加熱炉内を加熱する加熱手
    段と、前記投入口から加熱炉内に投入されて該加熱炉内
    で加熱減容される発泡ポリスチレンを排出口まで移送し
    て加熱炉外へ排出するコンベアとを備えることを特徴と
    する発泡ポリスチレンのリサイクルシステム。
  2. 【請求項2】 前記コンベアがバケットコンベアである
    請求項2記載の発泡ポリスチレンのリサイクルシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記コンベアがネットコンベアである請
    求項2記載の発泡ポリスチレンのリサイクルシステム。
  4. 【請求項4】 前記コンベアが、上下に多層構造を有す
    る請求項1〜3のいずれかに記載の発泡ポリスチレンの
    リサイクルシステム。
  5. 【請求項5】 前記加熱減容装置が、発泡ポリスチレン
    の投入口及び排出口を有する加熱炉と、前記加熱炉内を
    加熱する加熱手段と、前記投入口から加熱炉内を循環し
    て排出口へ至り、前記投入口から加熱炉内に投入されて
    加熱炉内で加熱減容される発泡ポリスチレンを排出口ま
    で移送して、ここから加熱炉外へ排出するバケットコン
    ベアを備えることを特徴とする発泡ポリスチレンのリサ
    イクルシステム。
  6. 【請求項6】 前記コンベアの載置部が、加熱された発
    泡ポリスチレンが接着しないような非粘着性を有する請
    求項1〜5のいずれかに記載の発泡ポリスチレンのリサ
    イクルシステム。
  7. 【請求項7】 前記加熱減容装置が、加熱炉に投入され
    る発泡ポリスチレンを所定の厚みに切断する切断手段を
    備える請求項1記載の発泡ポリスチレンのリサイクルシ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記加熱減容装置が移動体上に載設され
    ている請求項1〜7のいずれかに記載の発泡ポリスチレ
    ンのリサイクルシステム。
  9. 【請求項9】 発泡ポリスチレンを廃棄場所あるいは廃
    棄された発泡ポリスチレンの集荷場所において加熱減容
    して低発泡体とし、前記低発泡体を処理施設へ搬送し、
    前記処理施設で前記低発泡体を粉砕して粉体化する発泡
    ポリスチレンのリサイクル方法。
  10. 【請求項10】 発泡ポリスチレンを所定の厚みに切断
    したうえで加熱減容する請求項9記載の発泡ポリスチレ
    ンのリサイクル方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040043402A (ko) * 2002-11-18 2004-05-24 윤미숙 발포성 폴리스티렌 골재의 제조방법

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