JP2001138102A - ガイドブッシュ - Google Patents
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- JP2001138102A JP2001138102A JP31992299A JP31992299A JP2001138102A JP 2001138102 A JP2001138102 A JP 2001138102A JP 31992299 A JP31992299 A JP 31992299A JP 31992299 A JP31992299 A JP 31992299A JP 2001138102 A JP2001138102 A JP 2001138102A
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Abstract
に対応可能な多種類のガイドブッシュを安価に構成す
る。 【解決手段】 ガイドブッシュ10は、中空筒状の基部
12の軸線方向一端に隣接して設けられる中空筒状の棒
材支持部14を備える。棒材支持部14は、径方向へ弾
性変形可能な外筒部分20の内側に、着脱自在に取付け
られる径方向へ弾性変形可能な内筒部材22を備える。
外筒部分20は、各々の基端24aで基部12に一体的
に連結される複数の縦割片24を有する。内筒部材22
は、外筒部分20の縦割片24の内面28に当接される
外面30と、棒材を軸線方向送り可能に支持する内面3
2と、外面30に沿って設けられる複数のスリット34
とを備える。外筒部分20に径方向内方への外力を加え
ると、各縦割片24が弾性変形すると同時に、内筒部材
22が弾性変形してその実質的内径寸法が減少する。
Description
をその被加工部位近傍で支持するガイドブッシュに関す
る。さらに本発明は、そのようなガイドブッシュを備え
た自動旋盤に関する。
施できる工作機械(以下、自動旋盤と総称する)の分野
において、工具による加工作業位置の近傍で旋盤機台上
に設置され、回転主軸に掴持された棒状の被加工素材
(以下、棒材と称する)を、その先端の被加工部位の近
傍で支持する補助支持装置としてのガイドブッシュが知
られている。ガイドブッシュは、旋削加工中に棒材をそ
の被加工部位に振れが生じないように支持し、それによ
り比較的細長い棒材から製品を高精度に加工成形するこ
とを可能にするものである。
する棒材に対して固定的に配置される固定型のガイドブ
ッシュと、棒材と共に回転する回転型のガイドブッシュ
とが、適宜選択して使用されている。固定型ガイドブッ
シュは、すり割り構造を有する棒材支持部を備え、棒材
支持部の筒状の内周面がすべり軸受面として摺動式に棒
材外周面を支持する。回転型ガイドブッシュは、同様に
すり割り構造の棒材支持部を備え、棒材支持部の内周面
を棒材外周面に実質的に接触させた状態で棒材と共に回
転する。
部分を加工作業位置に供給するため、及び加工途上でそ
のような加工長さ部分の長手方向所望位置に工具刃先を
配置するために、棒材を掴持した回転主軸が軸線方向へ
移動する構成を有した自動旋盤は周知である。この自動
旋盤では、ガイドブッシュは、固定型及び回転型のいず
れの形式においても、棒材を心出し支持(すなわち棒材
軸線を回転軸線に合致させる支持)した状態で、回転主
軸の軸線方向移動により軸線方向へ送られる棒材を摺動
可能に支持できることが要求される。そこで従来のガイ
ドブッシュでは、加工作業開始前に、すり割り構造の棒
材支持部を弾性変形させてその内周面の径寸法を加工対
象の棒材の外径寸法に合わせて微調整し、棒材の心出し
支持と軸線方向摺動支持との双方を達成できるようにし
ている。
抜き加工された引抜き材をそのまま使用する場合と、引
抜き材の外周面を研削加工して外径寸法精度を向上させ
た研削材を使用する場合とがある。一般に引抜き材は、
そのままでは外径寸法精度が低く、1本の引抜き材にお
ける外径寸法の長手方向へのばらつきや、同一名目径の
多数の引抜き材相互間の外径寸法のばらつきが大きいだ
けでなく、長手方向に沿ってうねりや曲がりを生じてい
るものもある。これに対し研削材は、引抜き材に比較し
て高価ではあるが、このような寸法のばらつきが少な
く、ガイドブッシュの棒材支持部の内径寸法を一旦調整
すれば、研削材の全長に渡って高精度な心出し支持を実
施できる。
を備えた自動旋盤では、多様な外径寸法を有する異種棒
材(丸棒、角棒)を高精度加工できるように、棒材支持
部の内径寸法が異なる複数種類のガイドブッシュを用意
し、棒材の外径寸法の変更に対応してガイドブッシュを
交換していた。また、長時間の加工作業により棒材支持
部の内周面が磨耗したときにも、ガイドブッシュの交換
が必要となっていた。一般にガイドブッシュは、棒材支
持部のすり割り構造やその内周面の耐磨耗性構造等の構
造的要因から、それ自体比較的高価なものであり、した
がって、在庫として多数のガイドブッシュを保管するこ
とにより、自動旋盤における製品の製造コストの削減が
妨げられる懸念があった。
おいて、棒材として前述した研削材を加工する場合、棒
材の軸線方向送り時に、ガイドブッシュの棒材支持部の
内周面と棒材の外周面との摺動接触に起因して、棒材の
外周面にμm オーダの微小傷や曇りが生じることがあ
る。研削材は通常、その外周面がそのまま製品の外周面
として使用されるが、このような微小傷や曇りは製品の
品質を劣化させるので、可及的に回避することが要求さ
れている。
イドブッシュにおいて、棒材支持部の内径寸法の変更や
内周面の磨耗に対応すべく多数のガイドブッシュの在庫
が必要な場合にも、自動旋盤における製品の製造コスト
への影響を可及的に低減できるガイドブッシュを提供す
ることにある。本発明の他の目的は、自動旋盤に設置さ
れるガイドブッシュにおいて、外径寸法精度の高い研削
材を加工する場合に、棒材の軸線方向送りによって生じ
得る棒材外周面の微小傷や曇りを可及的に削減して、高
品質の製品を製造できるようにするガイドブッシュを提
供することにある。本発明のさらに他の目的は、そのよ
うなガイドブッシュを備えた高性能の自動旋盤を提供す
ることにある。
に、請求項1に記載の発明は、中空筒状の基部と、基部
の軸線方向一端に隣接して設けられ、棒材を軸線方向送
り可能に支持する中空筒状の棒材支持部とを具備するガ
イドブッシュにおいて、棒材支持部は、基部に一体的に
連結される径方向へ弾性変形可能な外筒部分と、外筒部
分の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可
能な内筒部材とを具備することを特徴とするガイドブッ
シュを提供する。
のガイドブッシュにおいて、外筒部分が、各々の基端で
基部に一体的に連結される複数の縦割片を有するガイド
ブッシュを提供する。請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2に記載のガイドブッシュにおいて、内筒部材
が、外筒部分に当接される外面と、棒材を軸線方向送り
可能に支持する内面とを有し、外面に開口する複数のス
リットが内面から離れて放射状に形成されるガイドブッ
シュを提供する。
いずれか1項に記載のガイドブッシュにおいて、内筒部
材が、外筒部分の弾性によって、外筒部分の内側の所定
位置に固定的に保持されるガイドブッシュを提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項
に記載のガイドブッシュにおいて、基部から離れた側の
外筒部分の軸線方向端面に隣接する内筒部材の軸線方向
端面を保護する保護部材が、外筒部分の内側に着脱自在
に取付けられるガイドブッシュを提供する。
いずれか1項に記載のガイドブッシュにおいて、外筒部
分に対する内筒部材の回転を阻止する回り止めを有する
ガイドブッシュを提供する。請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のガイドブッシュに
おいて、外筒部分の、基部に一体的に連結される領域
に、肉薄の蛇腹状連結部が設けられるガイドブッシュを
提供する。請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項に記載のガイドブッシュを、棒材の加工作業
位置近傍に設置してなる自動旋盤を提供する。
明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一
又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。図面を
参照すると、図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に
よるガイドブッシュ10を示す。ガイドブッシュ10
は、自動旋盤において、回転主軸に掴持された棒材をそ
の先端の被加工部位の近傍で支持する中空筒状の補助支
持装置として、工具による加工作業位置の近傍で旋盤機
台上に設置されるものであり、回転型ガイドブッシュ及
び固定型ガイドブッシュのいずれにも適用できる。
2と、基部12の軸線方向一端に隣接して設けられ、自
動旋盤で加工される棒材を軸線方向送り可能に支持する
中空筒状の棒材支持部14とを備える。基部12は、棒
材支持部14から離れた後端側に、自動旋盤の旋盤機台
上で回転主軸から送出された棒材を導入する開口端面1
2aを有し、開口端面12aに隣接して、棒材を非接触
に受容する円筒状の内周面16と、外周面の雄ねじ部1
8とが形成される。
結される径方向へ弾性変形可能な外筒部分20と、外筒
部分20の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性
変形可能な内筒部材22とを備えて構成される。図5及
び図6に示すように、外筒部分20は、各々の基端24
aで基部12に一体的に連結される複数(図示実施形態
では6個)の縦割片24を有する。それら縦割片24
は、外筒部分20の周方向へ等間隔に設けられる複数
(図示実施形態では6個)のスリット26を介して、互
いに周方向へ隣接して配置される。それらスリット26
は、基部12から離れた前端側の外筒部分20の開口端
面20aから基部12に至る範囲で、棒材支持部14の
中心軸線14aに平行に、かつ中心軸線14aに関して
放射状に形成される。それにより各縦割片24は、基端
24aを支点として、外筒部分20の径方向へ板ばね状
に弾性変形できるようになっている。
は、弓形に湾曲する内面28をそれぞれに有し、それら
内面28が互いに協働して、外筒部分20の実質的円筒
状の内周面を構成する。全ての縦割片24が弾性変形し
ていない状態で、それらの内面28によって規定される
実質的円筒状の内周面は、内筒部材22の外径寸法より
も好ましくは僅かに小さい内径寸法を呈する。
は、外筒部分20の6個の縦割片24の内面28に当接
される実質的円筒状の外面30と、棒材を軸線方向送り
可能に支持する円筒状の内面32とを、その中心軸線2
2aに関して同心に有する円筒状部材である。内筒部材
22はさらに、その外面30に沿って、周方向へ等間隔
に設けられる複数(図示実施形態では6個)のスリット
34を備える。それらスリット34は、内筒部材22の
軸線方向全長に渡って外面30に開口するとともに、内
面32から離れて(すなわち内面32に開口することな
く)中心軸線22aに平行に、かつ中心軸線22aに関
して放射状に形成される。その結果、内筒部材22に
は、複数(図示実施形態では6個)の扇形壁部分36
と、それら扇形壁部分36をそれぞれの径方向内端で周
方向へ一体的に相互連結する複数(図示実施形態では6
個)の肉薄連結部分38とが形成される。
は、その外面30に径方向内方への押圧力が負荷された
ときに、6個の肉薄連結部分38に応力が集中して、そ
れら肉薄連結部分38がそれぞれ多様に弾性変形する。
それに伴い、6個の扇形壁部分36は、隣合う扇形壁部
分36が互いに接触するまでの範囲で、径方向内方へ僅
かに変位する。それにより、内筒部材22の内面32は
本来の円筒形状から歪みを生じ、結果として内筒部材2
2の実質的内径寸法が僅かに減少する。
6は、内筒部材22の外面30に隣接して、中心軸線2
2aに略直交して延びる環状の軸線方向後端面40を規
定し、各扇形壁部分36に、後端面40から内面32ま
でテーパ状に延びる案内面42が形成される。それら案
内面42は互いに協働して、ガイドブッシュ10の基部
12に受容された棒材を、内筒部材22の内面32の内
側に円滑に導入するように作用する。また、6個の扇形
壁部分36によって規定される内筒部材22の環状の軸
線方向前端面44は、外面30及び内面32の双方に隣
接して、中心軸線22aに略直交して延びる。
割片24の弾性を利用して、外筒部分20の内側の所定
位置に固定的に保持される。詳述すれば、図5及び図6
に示すように、外筒部分20の各縦割片24には、開口
端面20aに沿って内面28から径方向内方へ僅かに突
出する爪46が形成される。それら爪46は、互いに協
働して実質的環状の突縁を形成する。6個の縦割片24
が弾性変形していない状態で、それらの爪46によって
規定される実質的環状の突縁は、内筒部材22の外面3
0の外径寸法よりも僅かに小さい内径寸法を呈する。
基端24aの近傍で内面28から径方向内方へ直立状に
延設される肩面48が形成される。それら肩面48は、
互いに協働して実質的環状面を形成する。6個の縦割片
24が弾性変形していない状態で、それらの肩面48に
よって規定される実質的環状面は、内筒部材22の外面
30の外径寸法よりも小さい内径寸法を呈し、それによ
り、内筒部材22が基部12内へ移動することを阻止す
る。各縦割片24の爪46と肩面48との間隔は、内筒
部材22の外面30の軸線方向全長よりも僅かに長く設
定される。
する際には、内筒部材22の後端面40の外縁領域を、
外筒部分20の6個の縦割片24の爪46によって規定
される実質的環状の突縁に当接し、その状態で、内筒部
材22を外筒部分20の内部に押し込むようにする。そ
れにより、外筒部分20の全ての縦割片24は、それら
の爪46が内筒部材22の外面30によって径方向外方
へ押され、全体として径方向外方へ弾性的に撓む。その
後、内筒部材22の全体が外筒部分20の内側に嵌入さ
れると、各縦割片24の爪46に負荷される径方向外方
への押圧力が解除されて、各縦割片24が弾性的に復元
するとともに、その弾性復元力により内筒部材22が、
それら縦割片24の内面28によって規定される実質的
円筒状の内周面の内側に固定的に保持される。内筒部材
22が外筒部分20の内側の所定位置に保持されたとき
に、内筒部材22の中心軸線22aは、棒材支持部14
の中心軸線14aに合致する(図1)。
脱離する際には、例えば基部12の内側から内筒部材2
2の後端面40を外筒部分20の開口端面20aに接近
する方向へ押圧する。それにより、外筒部分20の全て
の縦割片24は、それらの爪46が内筒部材22の外面
30によって径方向外方へ押され、全体として径方向外
方へ弾性的に撓む。その結果、内筒部材22を外筒部分
20の開口端面20aから押し出すことができる。
の内面28から径方向内方へ突出する突起50が形成さ
れる。これに対応して、内筒部材22の1つの扇形壁部
分36には、外面30に沿って軸線方向へ直線状に延び
る溝52が形成される。外筒部分20に内筒部材22を
装着する際に、外筒部分20に設けた突起50は、内筒
部材22に設けた溝52に軸線方向摺動可能に受容さ
れ、溝52と協働して、外筒部分20に対する内筒部材
22の回転を阻止する回り止めとして作用する。図示実
施形態では、外筒部分20の各スリット26と内筒部材
22の各スリット34とが互いに径方向へ整列する位置
で、内筒部材22が回転方向へ固定される(図3)。
ト26と内筒部材22の各スリット34とは、図示実施
形態の配置に限らず、周方向へ互いにずれて配置されて
もよい。また、外筒部分20と内筒部材22とが所望の
弾性変形を生じ得ることを前提条件として、外筒部分2
0のスリット26の個数と内筒部材22のスリット34
の個数とは、互いに異なっていてもよく、また6個以外
の様々な個数とすることもできる。
位置に保持した状態で、外筒部分20の6個の縦割片2
4に径方向内方への外力を加えると、各縦割片24が弾
性変形すると同時に、各縦割片24の内面28に接触す
る内筒部材22の外面30に、各縦割片24から径方向
内方への外力が負荷される。それにより前述したよう
に、内筒部材22の各肉薄連結部分38が弾性変形して
各扇形壁部分36が径方向内方へ僅かに変位し、結果と
して内筒部材22の実質的内径寸法が僅かに減少する。
この状態から、各縦割片24への径方向外力を弱める
と、各縦割片24が弾性復元し、それに伴い内筒部材2
2の各肉薄連結部分38が弾性復元して、内筒部材22
の実質的内径寸法が僅かに増加する。このようにガイド
ブッシュ10では、棒材支持部14に径方向内方へ負荷
する外力すなわち押圧力を調節することによって、内筒
部材22すなわち棒材支持部14の実質的内径寸法を調
節することができる。なお、棒材支持部14を構成する
外筒部分20の各縦割片24の外周面には、径方向内方
への外力を受けるためのテーパ面54が設けられる(図
5)。
40の外縁領域が、外筒部分20の6個の縦割片24の
肩面48によって規定される実質的環状面に当接された
時点で、内筒部材22の前端面44と各縦割片24の爪
46との間には僅かな隙間が形成される。この隙間に
は、内筒部材22の前端面44を保護する環板状の保護
部材56が着脱自在に嵌入される。図9及び図10に示
すように、保護部材56は、その中心軸線56aに関し
て同心配置される円筒状の外周面58及び内周面60を
有する。保護部材56の外周面58は、内筒部材22の
外面30の径寸法と実質的同一の径寸法を有し、外周面
58に隣接して、外筒部分20の6個の縦割片24の爪
46に係合可能な切頭円錐状の外係合面62と、外係合
面62の裏側で内筒部材22に係合可能な切頭円錐状の
内係合面64とが形成される。また、保護部材56の内
周面60は、内筒部材22の内面32の径寸法よりも僅
かに大きな径寸法を有する。
外筒部分20の6個の縦割片24の弾性を利用して、外
筒部分20の内側の所定位置に固定的に保持される。す
なわち、保護部材56の外周領域を、例えばその周方向
所望部位から徐々に、内筒部材22の前端面44と各縦
割片24の爪46との隙間に押し込むようにすると、各
縦割片24が径方向外方へ押されて弾性変形した後、保
護部材56の外周領域が隙間に嵌入された時点で、各縦
割片24が弾性的に復元する。このとき、図11に拡大
して示すように、保護部材56の外係合面62は、各縦
割片24の爪46の内面46aに対面係合し、内係合面
64は、内筒部材22の前端面44の切頭円錐状の外縁
領域44aに対面係合する。その結果、保護部材56
は、外筒部分20の6個の縦割片24の弾性復元力の下
で、内筒部材22の前端面44と各縦割片24の爪46
との間に固定的に保持される。それと共に、内筒部材2
2は、外筒部分20の各縦割片24の肩面48と保護部
材56との間に固定的に保持される。
たときに、保護部材56の中心軸線56aは、棒材支持
部14の中心軸線14aに合致する(図1)。また、前
述したように外筒部分20の各縦割片24を径方向内方
へ弾性変形させる際に、各縦割片24の弾性変形を保護
部材56が妨害しないように、各縦割片24の内面28
には、保護部材56の外周領域を受容可能な逃げ溝28
aが、爪46の内面46aに隣接して凹設される(図1
1)。
は、被加工素材としての棒材を軸線方向送り可能に支持
する棒材支持部14が、基部12に一体的に連結される
径方向へ弾性変形可能な外筒部分20と、外筒部分20
の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可能
な内筒部材22とから構成されるので、支持対象の棒材
外径寸法に対応して棒材支持部14の内径寸法を変更す
るときには、外筒部分20から内筒部材22を取り外し
て、内面32の径寸法が異なる他の内筒部材22に交換
すればよい。したがって、ガイドブッシュ10を搭載し
た自動旋盤で多様な外径寸法を有する異種棒材(丸棒、
角棒)を加工する際には、それら異種棒材に対応した異
なる内径寸法を有する多種類の内筒部材22を用意し、
基部12と外筒部分20とからなる部材をマスターガイ
ドブッシュとして自動旋盤の旋盤機台に取付けたまま
で、内筒部材22のみを適宜交換することにより、異種
棒材の高精度加工を順次実施できる。また、長時間の加
工作業により内筒部材22の内面32が磨耗したときに
も、マスターガイドブッシュは交換せずに、内筒部材2
2のみを適宜交換すればよい。このように、ガイドブッ
シュ10によれば、基部12と外筒部分20とからなる
マスターガイドブッシュは、共用部品として使用するの
でその在庫を減らすことができ、また比較的構造の単純
な多種類の内筒部材22を在庫として保管しておけば、
棒材支持部14の内径寸法の変更や内筒部材22の内面
32の磨耗に対応できるので、自動旋盤における製品の
製造コストへの影響を可及的に低減することができる。
可能に心出し支持するためには、通常、棒材の外周面と
内筒部材22の内面32との間に、μm オーダの微細な
隙間を形成することが要求される。したがって、内筒部
材22の内面32の径寸法は、対応の棒材の外径寸法よ
りも僅かに大きく設定される。そして、棒材の加工作業
開始前に、ガイドブッシュ10の内筒部材22に棒材を
挿入し、内筒部材22の内面32の径寸法を棒材の外径
寸法に合わせて微調整することにより、μm オーダの所
望の微細隙間を得る。このときガイドブッシュ10で
は、弾性変形可能な外筒部分20の内側に弾性変形可能
な内筒部材22を取付けたので、前述したように外筒部
分20の6個の縦割片24に径方向内方へ負荷する押圧
力を調節することにより、内筒部材22の実質的内径寸
法を微調整することができる。
2の径寸法が、外筒部分20の内面28の径寸法に比べ
てかなり小さいので、内筒部材22の弾性変形を容易に
するために、その外面30に沿って6個のスリット34
を形成している。これに対し、図12及び図13に示す
ように、上記した内筒部材22の内径寸法よりも大きな
内径寸法を有する内筒部材22′は、その外面30′の
径寸法(すなわち外筒部分20の内面28の径寸法)と
内面32′の径寸法との差が小さく、比較的肉薄の円筒
壁36′を有する構成となっているので、弾性変形を容
易にするためのスリットが排除されている。このよう
に、内筒部材22に設けるスリット34の個数及び寸法
は、外筒部分20の内側で所望の弾性変形態様が得られ
るように、内筒部材22の材料や寸法に対応して適宜選
択される。また、所望の弾性変形態様が得られることを
前提に、スリット34以外の様々な空隙部分を内筒部材
22の壁に設けることもできる。さらに、内筒部材22
の内面32は、上記実施形態のような円筒面に限らず、
棒材の外形に対応した多角柱状の内面32を採用するこ
ともできる。
筒部材22、22′は、様々な材料から形成できる。例
えば、軸受材料として「ターカイトB」の商品名で知ら
れているフッ素樹脂系エンジニアリングプラスチック等
の樹脂材料や、超鋼等の金属材料から、内筒部材22、
22′を形成できる。特に、「ターカイトB」等の優れ
た自己潤滑性を有する材料から内筒部材22、22′を
形成した場合には、ガイドブッシュ10に支持された棒
材を軸線方向へ送る際に、内筒部材22の内面32と棒
材の外周面とが摺動接触していても、棒材の外周面にμ
m オーダの微小傷や曇りが生じることを効果的に防止す
ることができる。したがって、ガイドブッシュ10を搭
載した自動旋盤で、棒材として外径寸法精度の高い研削
材を加工する場合にも、棒材の軸線方向送りによって生
じ得る棒材外周面の微小傷や曇りを可及的に削減して、
高品質の製品を製造することが可能になる。
ガイドブッシュ10を組込んで備えた自動旋盤70の主
要部分の構成を説明する。ガイドブッシュ10は、スリ
ーブ部材72、軸受装置74及びフランジ部材76を介
して、旋盤機台上に設定された工具78による加工作業
位置の近傍で、機台上のコラム80に回転可能に設置さ
れる。ガイドブッシュ10は、スリーブ部材72の前端
(図で左端)領域に軸線方向へ摺動可能にかつ相対回転
不能に収納される。なお、ガイドブッシュの基部12の
外周面には、スリーブ部材72に対する回転を係止する
ための回り止め(図示せず)を受容する溝18a(図
3)が設けられる。
ドブッシュ10の棒材支持部14の外周面に設けた複数
のテーパ面54に接触可能な対応テーパ面82が形成さ
れる。スリーブ部材72の後端(図で右端)領域には、
ガイドブッシュ10の基部12の外周面に設けた雄ねじ
部18(図1)に螺合する雌ねじ部を有した調節ナット
86が、軸線方向へ固定して回転可能に収納される。そ
れにより、調節ナット86が回転すると、ガイドブッシ
ュ10がスリーブ部材72内で軸線方向へ移動する。
は、キー88を介して被動歯車90が取付けられる。被
動歯車90は、図示しない動力伝達機構を介して図示し
ないガイドブッシュ駆動源に連結され、ガイドブッシュ
駆動源により、コラム80の後方に設置される回転主軸
92の回転速度と同一の回転速度で回転駆動される。そ
の結果、被動歯車90、調節ナット86、スリーブ部材
72及びガイドブッシュ10が、フランジ部材76の内
部で一体的に、回転主軸92の回転速度と同一の回転速
度で回転する。
よりコラム80に固定される。このように、ガイドブッ
シュ10、スリーブ部材72、フランジ部材76、調節
ナット86及び被動歯車90は、予め組立てた回転型ガ
イドブッシュ装置として、自動旋盤70のコラム80の
所定位置に取付けることができる。なお、ガイドブッシ
ュ10を固定型ガイドブッシュ装置として使用する場合
は、軸受装置74、被動歯車90、ガイドブッシュ駆動
源等が省略される。
掴持して、図示しない主軸駆動源により回転駆動され
る。回転主軸92は、コラム80の後方で、ガイドブッ
シュ10の回転軸線と回転主軸92の回転軸線とが互い
に一致するようにして、軸線方向移動可能に設置され
る。回転主軸92の前端領域には、棒材Wを掴持可能な
開閉式のチャック96が収容される。チャック96は、
先端にすり割り部を有したいわゆるコレットチャックで
あり、すり割り部に径方向内方への外力すなわち押圧力
が加わることにより、先端の棒材掴持孔98が縮径して
チャック96が閉じ、棒材Wを強固に固定的に掴持する
ようになっている。すり割り部への径方向外力が解除さ
れると、すり割り部が復元して棒材掴持孔98が拡径
し、チャック96が開いて棒材Wを解放する。チャック
96のすり割り部外周には、径方向内方への外力を受け
るためのテーパ面100が設けられる。
部材102が軸線方向へ移動可能に収容される。作動部
材102はその前端領域にチャック96を収容し、チャ
ック96の外周に設けたテーパ面100に当接可能な対
応テーパ面104を前端に備える。図示しないチャック
駆動源により、作動部材102を軸線方向前方(図で左
方)へ移動することによって、対応テーパ面104がチ
ャック96のテーパ面100に当接され、テーパ面10
0を介してチャック96のすり割り部に径方向内方への
押圧力が加わり、チャック96が閉じられる。その状態
から、作動部材102を軸線方向後方(図で右方)へ移
動すれば、対応テーパ面104がチャック96のテーパ
面100から脱離して、チャック96が開かれる。
れるものではない。例えばチャック96の開閉作動機構
として、チャック後端に連結した作動部材をチャックと
ともに軸線方向後方へ移動することにより、チャックの
テーパ面に径方向内方への押圧力を加える構成を採用す
ることもできる。
研削材からなる棒材Wの加工作業を実施する際には、ま
ず、ガイドブッシュ10の外筒部分20に、加工対象の
棒材Wの外径寸法に対応する内径寸法を有した内筒部材
22を選択して取付け、コラム80に搭載されたスリー
ブ部材72に装着する。次いで、外筒部分20に径方向
内方への外力を加えない状態で、回転主軸92に掴持し
た棒材Wを回転主軸92の軸線方向移動により、ガイド
ブッシュ10の後方から内筒部材22に挿入する。その
状態から、調節ナット86を回してガイドブッシュ10
を軸線方向後方へ移動し、外筒部分20のテーパ面54
をスリーブ部材72の対応テーパ面82に押付ける。そ
れにより、外筒部分20の6個の縦割片24(図1)を
弾性変形させるとともに、内筒部材22を弾性変形させ
て、内筒部材22の内面32と棒材Wの外周面との間に
μm オーダの所望の微小隙間を形成する。ここで、ガイ
ドブッシュ10の内筒部材22が、前述した「ターカイ
トB」等の優れた自己潤滑性を有する材料から形成され
る場合には、棒材送り時に相互接触面間に生じる摩擦抵
抗が著しく小さくなるので、内筒部材22の内面32と
棒材Wの外周面との間の隙間を実質的に排除することも
可能である。
筒部材22の内面32の径寸法を調節した後、ガイドブ
ッシュ10により棒材Wの被加工部位近傍を心出し支持
しつつ、例えば工具78により旋削加工を実施する。こ
こで、ガイドブッシュ10の内筒部材22が、前述した
「ターカイトB」等の優れた自己潤滑性を有する材料か
ら形成される場合には、棒材送り時に棒材外周面に生じ
得る微小傷や曇りを可及的に削減して、高品質の製品を
製造することが可能になる。また、ガイドブッシュ10
の前端に取付けた保護部材56は、棒材Wの切削加工中
に飛散する切粉から、内筒部材22の前端面44を効果
的に保護する。なお、ガイドブッシュ10の内筒部材2
2を交換する際には、調節ナット86を緩めてガイドブ
ッシュ10をスリーブ部材72から取り外せばよい。
した自動旋盤70の調節ナット86を回して外筒部分2
0のテーパ面54をスリーブ部材72の対応テーパ面8
2に押付けたときに、6個の縦割片24は、それぞれ片
持ちばねの構造を有するので、外筒部分20の開口端面
20a側でより大きく撓むことになる。それに伴い、内
筒部材22の内面32の径寸法も、前端面44側が後端
面40側よりも大きく縮小する。その結果、内筒部材2
2の内面32が前端面44近傍の局部的領域でのみ棒材
Wを支持することになり、加工中の棒材Wの被加工部位
の振れを完全には排除できない場合が生じる。
4の片持ちばね構造に伴う懸念を排除できる本発明の第
2の実施形態によるガイドブッシュ110を示す。ガイ
ドブッシュ110は、外筒部分20の、基部12に一体
的に連結される領域が、肉薄の蛇腹状構造を有する点以
外は、前述した第1実施形態によるガイドブッシュ10
と実質的同一の構成を有する。したがって、対応する構
成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略す
る。
を構成する各縦割片24の、基部12に一体的に連結さ
れる基端24aの隣接領域に、肉薄の蛇腹状連結部11
2が設けられる。それら蛇腹状連結部112は、ガイド
ブッシュ110の基部12の壁厚及び各縦割片24の内
面28に対応する壁厚よりも肉薄であって、各々の軸線
方向略中央を頂点として径方向外方へ膨出する形状を有
する。したがって、ガイドブッシュ110に軸線方向引
張力が負荷されると、6個の縦割片24の蛇腹状連結部
112は弾性変形して、各々の外方膨出部分が径方向内
方へ変位する。ガイドブッシュ110への軸線方向引張
力が解除されると、それら蛇腹状連結部112は図示形
状に弾性的に復元する。
自動旋盤70に搭載すれば、前述した調節ナット86を
回して外筒部分20のテーパ面54をスリーブ部材72
の対応テーパ面82に押付けたときに、ガイドブッシュ
110に軸線方向引張力が負荷されるので、6個の縦割
片24の蛇腹状連結部112が弾性変形して、各々の外
方膨出部分が径方向内方へ変位する。このとき各縦割片
24は、外筒部分20の開口端面20aに隣接する部分
が径方向内方へ変位すると同時に、蛇腹状連結部112
の径方向内方への変位挙動に追従して蛇腹状連結部11
2に隣接する部分が径方向内方へ変位する。したがって
各縦割片24は、その内面28が可及的平行に変位する
ことになり、それにより内筒部材22の外面30にその
軸線方向全長に渡って実質的一様に押圧力を負荷する。
その結果、内筒部材22の内面32の径寸法も軸線方向
全長に渡って実質的一様に縮小するので、棒材Wを内面
32全体で心出し支持することができ、以て、加工中の
棒材Wの被加工部位の振れを可及的に排除することが可
能になる。
によれば、ガイドブッシュの棒材支持部の内径寸法の変
更や内周面の磨耗に対応すべく、多数のガイドブッシュ
の在庫が必要な場合にも、内筒部材のみを交換すること
ができるので、自動旋盤における製品の製造コストへの
影響を可及的に低減することが可能になる。また、内筒
部材を自己潤滑性に優れた材料から作製すれば、棒材と
して外径寸法精度の高い研削材を加工する場合にも、棒
材の軸線方向送りによって生じ得る棒材外周面の微小傷
や曇りを可及的に削減して、高品質の製品を製造するこ
とが可能になる。
を、図2の線I−Iに沿った断面図で示す。
端面図である。
た端面図である。
図6の線V−Vに沿った断面図で示す。
た端面図である。
VII−VII に沿った断面図で示す。
図である。
線IX−IXに沿った断面図で示す。
図である。
る。
XII に沿った断面図で示す。
端面図である。
主要部を示す縦断面図である。
ュの、図1に対応する断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 中空筒状の基部と、該基部の軸線方向一
端に隣接して設けられ、棒材を軸線方向送り可能に支持
する中空筒状の棒材支持部とを具備するガイドブッシュ
において、 前記棒材支持部は、前記基部に一体的に連結される径方
向へ弾性変形可能な外筒部分と、該外筒部分の内側に着
脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可能な内筒部材
とを具備することを特徴とするガイドブッシュ。 - 【請求項2】 前記外筒部分が、各々の基端で前記基部
に一体的に連結される複数の縦割片を有する請求項1に
記載のガイドブッシュ。 - 【請求項3】 前記内筒部材が、前記外筒部分に当接さ
れる外面と、棒材を軸線方向送り可能に支持する内面と
を有し、該外面に開口する複数のスリットが該内面から
離れて放射状に形成される請求項1又は2に記載のガイ
ドブッシュ。 - 【請求項4】 前記内筒部材が、前記外筒部分の弾性に
よって、該外筒部分の内側の所定位置に固定的に保持さ
れる請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドブッシ
ュ。 - 【請求項5】 前記基部から離れた側の前記外筒部分の
軸線方向端面に隣接する前記内筒部材の軸線方向端面を
保護する保護部材が、外筒部分の内側に着脱自在に取付
けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載のガイドブ
ッシュ。 - 【請求項6】 前記外筒部分に対する前記内筒部材の回
転を阻止する回り止めを有する請求項1〜5のいずれか
1項に記載のガイドブッシュ。 - 【請求項7】 前記外筒部分の、前記基部に一体的に連
結される領域に、肉薄の蛇腹状連結部が設けられる請求
項1〜6のいずれか1項に記載のガイドブッシュ。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のガ
イドブッシュを、棒材の加工作業位置近傍に設置してな
る自動旋盤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31992299A JP4458590B2 (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | ガイドブッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003059558A1 (fr) * | 2002-01-15 | 2003-07-24 | Citizen Watch Co., Ltd. | Douille de guidage |
CN114669814A (zh) * | 2020-12-24 | 2022-06-28 | 田中金属加工(上海)有限公司 | 一种用于细长轴两侧面线切割加工的装夹工装 |
JP2022547811A (ja) * | 2019-09-13 | 2022-11-16 | エルエヌエス マネジメント エス・アー・エール・エル | 加工する棒材のガイドチャネルの直径を調整するための装置 |
-
1999
- 1999-11-10 JP JP31992299A patent/JP4458590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003059558A1 (fr) * | 2002-01-15 | 2003-07-24 | Citizen Watch Co., Ltd. | Douille de guidage |
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CN114669814A (zh) * | 2020-12-24 | 2022-06-28 | 田中金属加工(上海)有限公司 | 一种用于细长轴两侧面线切割加工的装夹工装 |
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