JP2001137269A - 上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器 - Google Patents

上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器

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JP2001137269A
JP2001137269A JP31955399A JP31955399A JP2001137269A JP 2001137269 A JP2001137269 A JP 2001137269A JP 31955399 A JP31955399 A JP 31955399A JP 31955399 A JP31955399 A JP 31955399A JP 2001137269 A JP2001137269 A JP 2001137269A
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Nagayasu Toyoda
長億 豊田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上肢骨折の患部近傍の筋肉を緊縛せずに自由
な状態とさせ、また上腕部と前腕部とのなす角度も患部
に最適な任意角に調整可能で、且つ掌を固定する上肢骨
折整復固定器を提供する。 【解決手段】 コルセット1で胴部に固着した長方形板
4の上端第1ブラケット5に第1支持体7の上端を枢支
させる。また長方形板4上を上下動する第2ブラケット
16に第2支持体17の下端を枢支させる。第1支持体
7の下端と第2支持体17の上端とを枢結させ、第1ブ
ラケット5と第2ブラケット16とをターンバックル機
構29で連結する。二つの支持体7と17はともに伸縮
自在で任意位置に固定可能とする。第2ブラケット5に
掌保持板30を枢支し、押さえ片31にて各指を固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上肢を骨折した場合
に、骨折した患部に対し最適な角度にて上肢を支持する
上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節が脱臼した場合の
整復に用いる肩甲上腕関節脱臼整復器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】骨折の治療方法としては手術を行って治
す観血療法と、手術を行わず体外から治す非観血療法と
がある。そして同程度の骨折であっても、老齢の人では
自然治癒力が小さいため、手術を行わずに非観血療法を
用いると、骨折治療に長時間を要し、その間に筋力が衰
えることになる。そのため骨折が完治した後リハビリに
更に長時間を要し、なかなか正常状態にもどらないこと
になる。そこで回復を早くするため手術を行って治療し
たほうが良い場合が多い。
【0003】これに反し若年の人では自然治癒力が大き
く回復が早いため、手術を行わずに治療したほうが良い
場合が多い。非観血療法においては患部を体外から固定
して患者が任意に動かすことが出来ない状態、また患者
の意に反して不用意に動かされることのない状態とす
る。例えば上腕部を骨折した場合においても、上腕骨整
復後、単に上肢帯に金属副子にて固定し更に前腕部を三
角巾にて首から吊り下げて腕全体をなるべく動かさない
ようにしていた場合と、ギプスにより躯幹から手首まで
を固定する場合がある。
【0004】また肩甲上腕関節(以下肩関節という)が
脱臼した場合の治療方法としては、先ず脱臼した状態を
もとに戻すこと、その後正常に腕を使うことが出来るよ
う治療することが行われる。脱臼した状態をもとに戻す
にはいろいろな方法が用いられているが、慣れた柔道整
復師では2〜30秒でもとに戻すことが出来る。脱臼が
もとに戻った時点で肩関節には高度の捻挫ような状態が
残っていて、軟部組織、特に関節嚢,靱帯は損傷してい
る。そして内出血があるので、後遺症として瘢痕組織化
することを予防しなければ成らず、また治癒を早めるた
めに次の治療が用いられる。
【0005】先ず上腕部を身体胴部に包帯にて縛りつ
け、また前腕部も腹部全面で包帯により縛りつけ、肩関
節の運動を確実に制限する。この状態を8〜14日間続
ける。この期間包帯の取り替え時においても上腕部を水
平以上に挙上させないよう注意が必要である。そして上
肢を身体胴部に縛りつけた状態で、脱臼後1〜2日は内
出血を制限するため氷を肩関節に当てて被う氷罨法が用
いられる。次いで脱臼後3〜5日の間は冷水にひたした
布で肩関節を覆い炎症または充血を消し去る冷罨法を行
う。脱臼後10日目頃から軽いマッサージを行ってもら
い、また自分では動かさずに少しずつ他の人に動かして
もらうようにする。更に湯温にひたした布で肩関節を覆
い炎症または充血を消し去る温罨法を行う。その他局部
の血行をよくするために赤外線照射が行われていた。脱
臼後二週間目頃から肩及び上肢全体を自分で動かす運動
を徐々に開始する。なお前腕部や手部を自分で動かす運
動は早期から行われた。その他脱臼後7日目頃から超短
波や超音波による治療が行われた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で述べた上肢
骨折における非観血療法のうち患部に金属副子をする場
合では、患部近傍の筋肉が縛られるため筋が萎縮して、
正常状態に回復するのに長時間を要するという問題があ
った。またギプスにより躯幹から手指までを固定する場
合では、上肢全体が外気にふれることがなく、むれて不
潔になり、更に筋が萎縮するという問題があった。そし
てわずかな範囲内において前腕部及び手指を動かすこと
が可能であり、そのため日常動作において不注意でつい
うっかりと患部側の手指を使うことが多くなり、手指使
用により患部近傍の筋肉が伸縮して、患部に悪影響を及
ぼし、回復が遅くなるという問題を有していた。
【0007】更に三角巾を用いて前腕部を首から吊り下
げたとき、上腕部と前腕部とがほぼ90度の角度を維持
するようになるため、上肢に常に同一姿勢をとらせるよ
う強要することとなり、患者に苦痛を与えるという問題
を有していた。また肩関節の脱臼における治療法では上
腕部は勿論前腕部も身体の胴部に包帯にて8〜14日間
縛りつけることになる。そのため上肢の筋肉が萎縮し
て、正常に回復するのに長時間を要するという問題があ
った。そして上肢を身体胴部に縛りつけて上肢に常に同
一姿勢をとらせるよう強要することにより患者に苦痛を
与えるという問題を有していた。
【0008】本発明は従来技術の有するこのような問題
に鑑みなされたものであり、その目的とするところは上
肢骨折時に患部近傍の筋肉を緊縛せずに自由な状態とさ
せ、また上腕部と前腕部とのなす角度も患部に最適な任
意角度に調整可能で且つ手指を不注意で使うことを防い
だ上肢骨折整復固定器を提供しようとするものである。
そして肩関節脱臼時に肩関節の袋である関節嚢を安静に
維持させ、肩関節治療中の上肢の位置を調整し肩の運動
を助ける補助具として使用可能な肩甲上腕関節脱臼整復
器を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載した上肢骨折整復固定器は、
脇下から腰部まで延在する長方形板を取り付け胴部に固
定するコルセットと、前記長方形板の上端に固着した第
1ブラケットにて身体の上下方向に回動可能に一端を枢
支され長さ調整可能な第1支持体と、前記長方形板の下
部において長手方向に移動可能に案内される第2ブラケ
ットと、該第2ブラケットに前記第1支持体と同一方向
に回動可能に一端を枢支され他端を前記第1支持体の他
端と枢結した長さ調整可能な第2支持体と、前記第1支
持体と前記第2支持体との枢着部に更に枢着された肘内
側支持板と、前記第2ブラケットに取り付けられ掌を固
定するようにした掌保持板と、前記第1ブラケットと前
記第2ブラケットとの距離を任意に接近離隔させるター
ンバックル機構とを備え、上肢骨折時に前記ターンバッ
クル機構により前記第1支持体と前記第2支持体のなす
角度を調整して三角形の山の高さを患部に最適なものと
して上肢を支えるようになしたものである。
【0010】上述の上肢骨折整復固定器によれば、先ず
肘の内側を肘内側支持板に接触させ、上腕部,前腕部の
長さに合わせて第1支持体と第2支持体の長さ調整をし
て固定する。そして上腕部と前腕部を第1,第2支持体
及び肘内側支持板で三角形を形成して支えるようになし
たので、患部近傍の筋肉を縛ることがなく、上肢は正常
時と同様外気に接することになる。従って筋萎縮がなく
清潔を保つことが出来る。更に上腕部と前腕部とを患部
に最適な任意角度で維持することが可能であり、回復を
促進することが出来る。また各指は保持板に固定したの
で指を不注意に使用することがない。更に第1支持体,
第2支持体の長さ調整を可能としたので大人から子供ま
で適用が可能である。
【0011】請求項2に記載した上肢骨折整復固定器
は、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ入れ
子式として長さ調整可能な樋形材でなり、所定位置で長
さを固定する締付具を設けたものである。上述の上肢骨
折整復固定器によれば、第1支持体,第2支持体をそれ
ぞれ樋形状に形成し、この樋形状の凹曲面にて上腕部,
前腕部を支えるように使用するので上腕部,前腕部を各
支持体からはずすことなく的確に支持することが出来
る。
【0012】請求項3に記載した上肢骨折整復固定器
は、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ第1
パイプを第2パイプ内に挿入し伸縮自在で且つ任意位置
にて固定可能となした二重パイプ機構を用いるものであ
る。上述の上肢骨折整復固定器によれば、先ず肘の内側
を肘内側支持板に接触させ、上腕部,前腕部の長さに合
わせて第1支持体・第2支持体として2本のパイプを出
し入れして長さ調整を行い、所定位置にて固定する。こ
のように長さ調整部分に二重パイプ機構を用いたので、
長さ調整をスムースに行うことが出来る。
【0013】請求項4に記載の上肢骨折整復固定器は、
前記第1パイプと前記第2パイプのうち少なくとも一方
に上肢の支え板を取着したものである。上述の上肢骨折
整復固定器によれば、パイプに取り付けた支え板にて上
腕部,前腕部を支える。このように支え板にて上腕部,
前腕部を支えるので上肢を安定した状態に確実に保ち得
る。
【0014】請求項5に記載した上肢骨折整復固定器
は、前記掌保持板は前記第2支持体と同一方向に回動可
能に前記第2ブラケットに枢支されているものである。
上述の上肢骨折整復固定器によれば、掌保持板を手首を
前後に振る方向と同一方向に回動できるように枢支した
ので患者が任意に手首を動かすことが可能となり手首の
疲労を防ぐことが出来る。
【0015】請求項6に記載した上肢骨折整復固定器
は、前記掌保持板にてのひらの各指の間隔に応じて放射
状に複数本の貫通溝を刻設し、該各貫通溝に指を固定す
る断面T字状の押さえ片を位置変換可能で且つ任意位置
に固定可能に取り付け、各指の叉部位置にて前記押さえ
片により各指を前記掌保持板に固定するようになしたも
のである。
【0016】上述の上肢骨折整復固定器によれば、掌保
持板に放射状に貫通溝を設けて指の押さえ片を貫通溝に
沿って任意位置に移動させて押さえ片にて指を掌保持板
に押しつけて指を固定する。そのため各指それぞれを確
実に保持板に固定出来て、どの指も不用意に動かすこと
がなく、従って指を動かすことによる患部近傍の筋の動
きが阻止され、回復を妨げることが全くなくなる。また
各指の叉部で押さえ片により指を掌保持板に固定すれ
ば、指の第1関節が押さえ片に当たり指が抜けることが
なく、一層確実に掌保持板に固定することが出来る。更
に貫通溝を放射状に設けたので大人から子供まで用いる
ことが出来る。
【0017】請求項7に記載した上肢骨折整復固定器
は、前記長方形板の下部にて長手方向に案内される前記
第2ブラケットの案内部が前記長方形板の両側部を折り
曲げて形成した上下方向の溝である。上述の上肢骨折整
復固定器によれば、第2ブラケットの案内部を長方形板
で形成したので、構成要素が少なく組み立て工数が減少
し、製造費用が安価になった。
【0018】請求項8に記載した上肢骨折整復固定器
は、前記コルセットまたは長方形板に肩から吊り下げる
ベルトを付加したものである。上述の上肢骨折整復固定
器によれば、ベルトにて肩から吊り下げて保持されるの
で、ずり落ちることはない。また患者一人であっても先
ずベルトを肩に掛けた後、コルセットを胸部に締め付け
るようになして上肢骨折整復固定器を身体に取り付ける
ことが可能となる。
【0019】請求項9に記載した肩甲上腕関節脱臼整復
器は、身体の上肢の脇下から腰まで延在し長手方向の案
内溝を腰位置に形成した長方形板と、該長方形板を取り
付け胴部に固定するコルセットと、前記長方形板の上端
で垂直に突設されて回転可能に取り付けられ先端に第1
球体を有する第3ブラケットと、前記第1球体を内包し
て任意方向に回動固定可能な第1球面軸受を上端に有し
長さ調整可能な第3支持体と、前記長方形板の案内溝に
移動可能に支持された駒と、該駒に回動可能に枢支され
身体の前後となる方向に延在し前記第1球体側に反り曲
がった弓形案内溝を形成したT溝体と、該T溝体の弓形
案内溝に移動固定可能に支持された第2球体を有する第
4ブラケットと、前記第2球体を内包して任意方向に回
動固定可能な第2球面軸受を下端に有し上端を前記第3
支持体の下端と枢結した長さ調整可能な第4支持体と、
該第4支持体と前記第3支持体との枢結部に更に枢着さ
れた肘内側支持板と、前記第4ブラケットに枢支され掌
を固定するようにした掌保持板と、前記第3ブラケット
と前記第4ブラケットとの距離を任意に接近離隔させる
ターンバックル機構とを備え、上肢整復時に前記第3支
持体・第4支持体の長さを調整するとともに前記ターン
バックル機構により前記第3支持体と前記第4支持体の
なす角度を調整し、且つ前記第4ブラケットの前記T溝
体内での位置を調整して上肢を支えるようになしたもの
である。
【0020】上述の肩甲上腕関節脱臼整復器によれば、
ターンバックル機構により患部に最適の状態に第3,第
4支持体の長さとターンバックルの長さを調整して上腕
部と前腕部とをくの字状に曲げさせ、この状態で弓形の
T溝体により歩行時の上肢の振れと同じ振れにて患部に
最適の振り位置に手首位置をもたらし、更に球面軸受に
よりくの字状の上腕部と前腕部とを身体の前後に倒して
患部に最適の倒し位置に固定する。患部回復に伴って上
腕部と前腕部のくの字の曲げ状態と倒し状態及び手首の
振り位置を徐々に変更することが出来る。
【0021】請求項10に記載した肩甲上腕関節脱臼整
復器は、前記T溝体に設けた複数のピン穴に位置決めピ
ンを挿入して前記第4ブラケットを前記T溝内の所望の
位置に固定するものである。上述の肩甲上腕関節脱臼整
復器によれば、第4ブラケットを弓形T溝体のT溝内に
固定するに際し、弓形T溝体に設けた穴にピンを挿入す
る。このため第4ブラケットの固定が簡単にできる。
【0022】請求項11に記載した上肢骨折整復固定器
及び肩甲上腕関節脱臼整復器は、前記第3支持体と前記
第4支持体と前記筋内側支持板の上肢受け面を曲面に形
成し、内側にクッション材を貼付したものである。上述
の上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器によ
れば、上腕部,肘内側,前腕部がクッション材例えば柔
らかいフォームラバーに接触するようになるため、皮膚
が床擦れ状になることを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】〔実施例〕以下、本発明の実施例
1を図面にもとづいて説明する。図1は本発明の上肢骨
折整復固定器を身体に取り付けた状態を示す全体説明図
である。
【0024】身体胸部を取り囲み締め付ける状態にコル
セット1がマジックファスナ2によって確実に取り付け
られている。コルセット1には紐3によって身体の脇下
から腰まで延在する上肢骨折整復固定器の基本をなす長
方形板4が身体に沿って取り付けられる。長方形板4に
は上端部に第1ブラケット5が固着され長方形板4の下
部に第2ブラケット16が上下移動可能に設けられてい
る。第1ブケラット5には上腕部を支持する第1支持体
7の上端が枢支されている。
【0025】また第2ブラケット16には前腕部を支持
する第2支持体17の下端が枢支されている。そして第
1支持体7の下端部と第2支持体17の上端部とが枢結
されていて、長方形板4に対して山形をなしている。ま
た第1ブラケット5と第2ブラケット16を連結してタ
ーンバックル機構29が取り付けられていて、山形の高
さと角度を変更しうる。また第2ブラケット16には掌
を固定する掌保持板30が第2支持体17と同方向に回
動可能に枢支されていることが望ましい。枢支とは回転
可能に支えることである。
【0026】次にこれら各部分について図面にもとづい
て詳述する。図2は本発明の上肢骨折整復固定器の詳細
説明図である。長方形板4の上端には第1ブラケット5
が身体から外方へ突出する状態で固着されている。また
第1ブラケットの上側に脇当て5Aが取り付けられてい
る。第1ブラケット5は先端枢支部5aのピン6に上肢
の上腕部を支える第1支持体7の上端が身体の上下方向
に回動可能に枢支されている。
【0027】第1支持体7は図3に示すように上腕部を
支えるのに好都合なように樋形状に形成されていて、2
枚の板7A,7Bから構成されている。2枚の板7A,
7Bのうち板7Bは両側部がそれぞれ裏側へ折り曲げら
れていて溝8を形成している。そしてこの両側の溝8内
に板7Aの両側部が入り込み板7Aと板7Bとは伸縮自
在な入れ子式に構成されている。そして板7Aを板7B
に対して任意位置にて固定する第1締付具9が板7Bの
裏側折り曲げ部7Bbに設けられている。
【0028】第1締付具9は板7Bの裏側折り曲げ部7
Bbの少なくとも一個所にきり穴が穿設され、このきり
穴と軸心を一致させてナット10が固着されている。そ
してナット10にはボルト11が螺合されていて、この
ボルト11をナット10にねじ込み、ボルト11の先端
を板7Aの側端部裏面に押圧して、板7Aと板7Bとを
任意位置にて固定する。そして板7Aと板7Bとが固定
された後、第1支持体7の樋形内面の全長にわたってク
ッション材13が貼り付けられる。なおクッション材1
3としてはウレタン材例えばフォームラバー或いは厚布
地例えばビロード,パイル地,メリヤス等である。
【0029】図4に示すように板7Aの上端には突片7
Aaが突設されていて、第1ブラケット5の先端枢支軸
6に枢着されている。板7Bの下端には枢着用の突片7
Baが突設されている。枢着とは回転可能な状態に取り
付けることである。長方形板4の下部には、両側が折り
曲げられて上下方向のT形溝4aからなる案内が形成さ
れている。
【0030】図5に示すように第2ブラケット16が上
下方向のT形溝4a内に下端部16bを嵌まり込ませて
上下方向に移動可能に身体から外方へ突出する状態で設
けられている。第2ブラケット16には先端枢支部16
aのピン12で上肢の前腕部に副え当てする第2支持体
17の板17Bの下端に突設した突片17Baが枢支さ
れている。第2支持体17は樋形状をしていて、二枚の
板17A,17Bから構成されている。そして構造は第
1支持体7と同一であり、板17Bの両側部がそれぞれ
裏側へ折り曲げられて溝を形成し、この溝内に板17A
の両側部が入り込み入れ子式に伸縮する。また板17B
には第1締付具9と同一構造の第2締付具(図示せず)
が設けられていて、板17Aと17Bを任意位置にて固
定する。そして板17Aと板17Bとが固定された後、
第2支持体17の樋形内面の全長にわたって図示しない
ウレタン等のフォームラバーが貼りつけされている。
【0031】図6に示すように第1支持体7の板7B下
端に固着した突片7Baと第2支持体17の板17A上
端に固着した突片7Aaとはピン18で枢結されてい
て、この枢結部に図7に示す上肢の肘内側を支える肘内
側支持板20が更に枢着されている。肘内側支持板20
は上肢をくの字状に曲げた場合、上腕部下方から肘の内
側,前腕部上方にわたって沿うように湾曲した樋状をな
している。そして中間肘部から胴部の方向に突出した2
本の足部20Aを有していて、この足部20Aをピン1
8に枢支させている。枢結とは回転可能な状態に複数の
部材を結合することである。そして肘内側支持板20は
樋状の肘接触曲面にクッション材13のウレタン等のフ
ォームラバーが貼り付けされている。
【0032】第1ブラケット5の中間部には下方を向け
て一定方向のねじ、例えば右ねじを有するねじ軸26が
吊り下げ状に固着されている。また第2ブラケット16
の中間部には上方を向けてねじ軸26と反対方向のね
じ、例えば左ねじを有するねじ軸27がねじ軸26と軸
心を一致させて直立状に固着されている。そしてこれら
ねじ軸26とねじ軸27に螺合する雌ねじ部を相対する
辺に有した枠形の連結ナット28が設けられていて、ね
じ軸26,ねじ軸27,連結ナット28によってターン
バックル機構29が構成されている。尚ターンバックル
機構29に代えてねじ軸を1本のみとし、ナットを回す
ことにより第2ブラケットを長手方向上下移動させるよ
うになすことも可能である。
【0033】従って連結ナット28を手操作で回転させ
ることによって、第2ブラケット16を第1ブラケット
5に対し接近または離隔させることが出来る。この接近
・離隔によって第1支持体7と第2支持体17とのなす
山形の角度を調整し、患部に最適な山の高さ及び角度を
得ることが出来る。
【0034】次にてのひらを掌保持板30に固定する部
分について図8,図9にもとづき説明する。第2ブラケ
ット16の先端枢支部16aのピン12に掌保持板30
が上端部30aにて枢支されている。なお場合によって
はブラケット16に固着する場合もある。掌保持板30
はてのひら全体を載置することのできる大きさを有し、
各指を自然に開いたときの各指間の位置に放射状の貫通
溝30bを4本刻設している。各貫通溝30bには断面
T字状の押さえ片31がボルト32によって着脱自在に
固定される。各押さえ片31は押さえ片31間に指を挿
入したときT字状頭部が相隣り合う押さえ片31と干渉
しない大きさであって、各指の叉の位置において両側の
指を保持板30に固定する。そのため押さえ片31はゴ
ムまたは樹脂製等の柔らかい触感材であることが望まし
い。そして大人用,子供用を適宜取り替えるものであ
る。
【0035】〔作用〕胸部にコルセット1を巻き付け、
本発明の上肢骨折整復固定器がずり落ちないようマジッ
クファスナ2にて強く確実に締め付ける。肘の内側を肘
内側支持板20の樋形内面に貼りつけたフォームラバー
に接触させ、上腕部の長さに合わせて第1支持体7の板
7Aと板7Bの伸縮位置を調整して第1締付具9にて固
定する。同様に前腕部の長さに合わせて第2支持体17
の長さを決めて固定する。てのひらを掌保持板30に押
し当て、ボルト32を弛めて押さえ片31を手の大きさ
に合わせて各指の叉の位置に移動させて押さえ片31を
ボルト32で固定し各指を掌保持板30に密着させる。
この状態で連結ナット28を回して第2ブラケット16
の位置を上下させ第1支持体7と第2支持体17のなす
山形の角度を調整して患部を好適状態の角度に固定する
ものである。
【0036】以上の説明では胸部に巻き付けたコルセッ
トにより本発明の上肢骨折整復固定器を保持するように
述べたが、コルセットを腰部に巻き付けると腰骨により
上肢骨折整復固定器のずり落ちることを防止出来る。更
に図1に仮想線にて示すようなベルト35をコルセット
1または長方形板4に付加して肩から吊り下げ、ずり落
ちることを完全に防止するようにできる。そしてベルト
35を付加することにより患者一人であっても本発明の
上肢骨折整復固定器を身体に取り付けることが容易とな
る。
【0037】〔実施例〕次に上腕部と前腕部を支える第
1,第2支持体に対し実施例2を図10にもとづいて説
明する。図10は二重パイプ式の伸縮自在な支持体であ
って、第1パイプ41が第2パイプ42の中に挿入され
ていて、任意位置にてクランプされるものである。第1
パイプ41の上端には先端にピン6が挿通する穴を穿設
した枢支用突出片43aを設けたキャップ43がねじに
より螺着されている。また第1パイプ41の下端には第
1パイプ41と同外径のボス44が螺着されている。ボ
ス44には直径方向に穴44aを有し、この穴44a内
にはばね45により外方に付勢されたボール46が収納
されている。ボール46は穴44aの出口のかしめによ
り外方へ飛び出すことを阻止されている。
【0038】ボール46と反対側の穴44aの出口には
ばね受け47で穴が塞がれている。第2パイプ42の下
端には先端にピン18が挿通する穴を穿設した枢支用突
出片48aを設けたキャップ48が螺着されている。ま
た第2パイプ42の上端には外径にテーパ雄ねじ42a
が刻設されていて、このテーパ雄ねじ42aの部分は軸
方向に複数個所すり割り42bが刻設されていて、半径
方向に撓むことの出来る複数の弾性部に分けられてい
る。第2パイプ42にはテーパ雄ねじ42aに螺合する
テーパ雌ねじ49aを有する締付リング49が螺装され
ている。そして締付リング49を回して締めることによ
り弾性部のテーパ雄ねじ42aの部分を半径方向内側に
撓ませて第1パイプ41をクランプすることができるコ
レット構造となっている。
【0039】第2パイプ42はテーパ雄ねじ42aの下
部に円周溝42cを設けている。締付リング49のテー
パ雌ねじ49aよりも下部である裾部49dは第2パイ
プ42の外径にかぶさる状態で、この裾部49dに外方
から半径方向内方へ円周溝42c内に止ねじ50の先端
を臨ませ締付リング49の抜け止めとしている。
【0040】締付リング49のテーパ雌ねじ49aを刻
設した奥にはぬすみ部49bが刻設されていて、締付リ
ング49を弛めて第1パイプ41を第2パイプ42から
引き抜く方向に移動させたとき移動最終位置の手前でボ
ール46は第2パイプ42の雄ねじ42aの内径部から
外れ、ばね45に押されてボール46が第1パイプ41
の外径よりも外方へかしめ部に当接するまで僅かに突き
出る。この状態で引き抜く方向に移動させるとボール4
6の突出部分がテーパ雌ねじ49aの奥のぬすみ部奥の
面49cに当たり、引き抜き移動は停止させられる。締
付リング49の上端部49eは第1パイプ41の通過を
許容する穴49fを有しているが、第1パイプ41の外
径との隙間は僅かであってボール46の突出部分は通過
出来ない状態になっている。尚、第1パイプ41,第2
パイプ42のうち少なくとも一方に湾曲又は樋形状の上
肢の支え板を取り付けて上腕部及び前腕部に接触させて
支持させることも可能である。
【0041】〔実施例〕次に肩関節を脱臼した場合の整
復器について実施例3として図11乃至図21にもとづ
き説明する。但し実施例1と同一のものには同一の符号
を付して説明を省略する。
【0042】図11は肩関節を脱臼した場合に肩甲上腕
関節脱臼整復器を身体に取り付けた状態の詳細説明図で
ある。胸部を締め付けているコルセット1に紐3によっ
て身体の脇下から腰まで延在する長方形板61が身体に
沿って取り付けられる。長方形板61の上端には第3ブ
ラケット62が水平で身体の外方に突設した状態に取り
付けられている。そして第3ブラケット62の内端62
cは小径棒で長方形板61に枢支され、スナップリング
63により抜け止めされている〔図12〕。
【0043】第3ブラケット62の上面には身体の脇下
に当接するように松葉上用の脇当て64が取り付けられ
ている。第3ブラケット62は外端に斜め下向きの首6
2aを介して第1球体62bを有している。第1球体6
2bは同一径の半球状凹面65aを有する第1ハウジン
グ65に収容され、同径の凹面66aを有する第1蓋6
6にて板状のゴム67を介して小ねじ68により挟まれ
ている。そして第1球面軸受69が構成されていて、第
1ハウジング65及び第1蓋66は第1球体62bに対
し自在に回動することが出来る〔図13〕。尚第1蓋6
6は組立上二分割されている〔図14〕。
【0044】第1ハウジング65には身体の前面下方を
向いた固定操作用のねじ軸70が螺装されていて、この
ねじ軸70の外端には握り71が取り付けられている。
ねじ軸70を螺旋している第1ハウジング65の雌ねじ
奥には、第1球体62bの表面に接触する位置に銅片7
2が挿入されている。そのため握り71を回してねじ軸
70をねじ込んだとき、ねじ軸70の先端に押されて銅
片72は第1球体62bの表面に圧接される。そして第
1ハウジング65は第1球体62bに対する回動を任意
の位置で止めることができる〔図15〕。第1ハウジン
グ65は樋状をなして上腕部を支える長さ調整可能な第
3支持体73の上端に取り付けられていて、構成は実施
例1の第1支持体7と同一である。
【0045】次に第4ブラケット78の取り付け状態を
図16,図17,図18にもとづいて説明する。長方形
板61の下部には両側が折り曲げられて長手方向のT形
溝61aでなる案内溝が形成されている。T形溝61a
内には長手方向に移動可能にT形の駒75が挿入されて
いる。駒75には上向きに反り曲がった弓形のT溝体7
6が身体の前後となる方向垂直面内で回動可能に枢支軸
77により取り付けられている。
【0046】このT溝体76の前面には弓形に沿った弓
形のT溝76aが形成さていて、このT溝76a内に第
4ブラケット78の下端のT形が挿嵌されていて水平で
身体の外方に突出した状態で移動可能とされている。尚
第4ブラケット78のT溝76aとの係合部は角部にR
面78d,78eを設けT溝76a内の移動を滑らかな
らしめている。
【0047】第4ブラケット78にはT溝76a内の溝
方向に小径穴78cが穿設されていて、この小径穴78
cに紐79が通され、紐79の両端に位置決めピン80
が結び付けられている。T溝体76のT溝76a底板に
は弓形中心線に沿って第4ブラケット78を挟む間隔で
適数個所にピン穴76bが設けられていて、位置決めピ
ン80を第4ブラケット78の両側面位置でピン穴76
bに挿入して、第4ブラケット78の位置決めを行うこ
とができる。尚第4ブラケット78の内端をT溝76a
方向に突出させ、この突出部分にピン穴を設けて位置決
めピン80を挿通するようになせば、ピン穴76bを設
ける位置は任意とすることが出来る。
【0048】第4ブラケット78は外端に斜め上向きの
首78aを介して第2球体78bを有している。第2球
体78bは同一径の半球状凹面85aを有する第2ハウ
ジング85に収容され、同径の凹面86aを有する第2
蓋86にて板状のゴム87を介して小ねじ88により挟
まれている。そして第2球体78b・第2ハウジング8
5・第2蓋86により第2球面軸受89が構成されてい
る。第2ハウジング85及び第2蓋体86は第2球体7
8bに対し自在に回動することができる〔図19〕。
【0049】尚第2蓋86は組立上二分割されている。
その分割された一方86Aは掌を固定するための掌保持
板95を取り付ける支持部86Aaを有している。ピン
96により掌保持体95は上端部95aにて回動可能に
枢支されている。掌保持板95には実施例1の掌保持板
30と同様の放射状の貫通溝が4本刻設されていて、掌
の固定は実施例1の場合と同様である。
【0050】第2ハウジング85には身体の前面上方を
向いた固定操作用のねじ軸90が螺装されていて、この
ねじ軸90の外端には握り91が取り付けられている。
ねじ軸90を螺装している第2ハウジング85の雌ねじ
奥には、第2球体78bの表面に接触する位置に銅片9
2が挿入されている。そのため握り91を回してねじ軸
90をねじ込んだとき、ねじ軸90の先端に押されて銅
片92は第2球体78bの表面に圧接される。そして第
2ハウジング85は第2球体78bに対する回動を任意
位置で止めることが出来る〔図21〕。
【0051】尚第1球体62bの第2球体78bの球表
面にゴルフボール状の多数の凹部を設けることにより、
ねじ軸70,90をねじ込んだとき、銅片72,92が
ゴルフボール状の多数の凹部のいずれかに係合して、第
1ハウジング65,第2ハウジング85の回動をより確
実に止めることができる。この場合銅片は介在させると
は限らない。第2ハウジング85は樋状をなしていて、
前腕部を支える長さ調整可能な第4支持体93の上端に
取り付けられていて、構成は実施例1の第2支持体17
と同一である。
【0052】第3ブラケット62の中間部には下方を向
けて一定方向のねじ例えば右ねじを有するねじ軸101
が吊り下げ状に挿通されテーパピン101Aにより固着
されている。また第4ブラケット78の中間部には上方
を向けてねじ軸101と反対方向のねじ、例えば左ねじ
を有するねじ軸102がねじ軸101と軸心を一致させ
て直立状に挿通されテーパピン102Aにより固着され
ている。そしてこれら二つのねじ軸101とねじ軸10
2に螺合する雌ねじ部をそれぞれ相対する辺に有した枠
形の連結ナット103が設けられていて、ねじ軸10
1,ねじ軸102,連結ナット103によってタンーバ
ックル機構104が構成されている。尚ターンバックル
機構104に代えてねじ軸を一本のみとし、ナットを回
すことによって第4のブラケット78を上下移動させる
ようになすことも可能である。
【0053】実施例3においても実施例1の場合と同様
ベルト35をコルセット1または長方形板61に付加し
て肩から吊り下げて、肩甲上腕関節脱臼整復器がずり落
ちることを完全に防止するようにできる。尚上記説明で
は第1球面軸受69と第2球軸受89の固定を握り71
と91を回して行うよう述べたが、小ねじ68と小ねじ
88を強く締め込むことにより板状のゴム67と87を
圧縮して第1球体62bと第2球体78bを強く挟み込
むことにより行うことも可能であり、この場合にはより
強力に固定することができる。
【0054】〔作用〕実施例1と同様、上腕部を第3支
持体73に当て、肘の内側を肘内側支持板20に当て、
前腕部を第4支持体93に当て、掌を掌保持板95に固
定する。患部の損傷状態に応じてターンバックル機構1
04の連結ナット103を回して第4ブラケット78の
弓形のT溝体76,駒75を上下移動させ、第3,第4
支持体の長さを人の上腕の長さに適合させ患部に最適の
位置で連結ナット103の回転を止める。次いで上肢を
歩行時と同様身体の前後に振り動かせ、第4ブラケット
78をT溝体76のT溝76aに沿って移動させる。第
4ブラケット78はターンバックル機構104によって
上下方向の位置を変えられているので、小径軸62cに
おける回転中心からの旋回半径が変化している。
【0055】しかし、T溝体76は枢支軸77に支持さ
れ、駒75に対し回動自在であるため、変化した旋回半
径に応じた第4ブラケット78の位置に対応してT溝体
76が回動する。そして患部に最適な位置において位置
決めピン80をT溝体76のピン穴76bに挿入して第
4ブラケット78を位置決めする。その後肘を身体の前
後いずれかの方へ倒して患部に最適の位置で、握り71
と91によりねじ軸70と90を第1ハウジング65と
第2ハウジング85にねじ込み、第1球体62b,第2
球体78bに強く当接させて第1ハウジング65と第2
ハウジング85を固定する。掌も掌保持板95に固定さ
れていて、患部は最適な状態を維持することが出来る。
掌は掌保持板95がピン76で枢支されているので無理
のない角度となる。
【0056】
【発明の効果】本発明の上肢骨折整復固定器及び肩甲上
腕関節脱臼整復器は上述のように構成されているので、
次に記載する効果を奏する。
【0057】請求項1の発明は、上腕部と前腕部を単に
支持体で支えるのみとなしたので、患部近傍の筋肉を縛
ることがなく、またギプスにて包むことがない。そのた
め上肢は正常時と同様外気に接するようになり、筋萎縮
がなく、清潔を保つことが出来る。更に上腕部と前腕部
とを患部にとって最適の角度で維持することが可能とな
り、回復を促進することが出来る。また各指を保持板に
固定したので指を不注意で使用することがなく、患部近
傍の筋肉を動かすことがないため回復が早くなる。
【0058】請求項2の発明は、第1支持体と第2支持
体をそれぞれ樋形状となしたので、上腕部,前腕部が各
支持体から外れることなく的確に支持することが出来
る。
【0059】請求項3の発明は、上腕部,前腕部の長さ
に応じて長さ調整を行う部分に二重パイプ機構を用いた
ので長さ調整をスムースに行うことが出来る。
【0060】請求項4の発明は、パイプに湾曲または樋
形状の支え板を取り付けたので、上腕部,前腕部を確実
に支持することが出来る。
【0061】請求項5の発明は、掌保持板を手首を前後
に振る方向と確実に同一方向に回動できるように枢支し
たので、患者が任意に手首を動かすことが可能となり手
首の疲労を防ぐことが出来る。
【0062】請求項6の発明は、各指をそれぞれ確実に
掌保持板に固定するので、どの指も不用意に動かすこと
がなく、従って指を動かすことによる患部近傍の筋肉の
動きが阻止され、回復を妨げることがなくなった。
【0063】請求項7の発明は、第2ブラケットの案内
部を長方形板と一体の板金にて形成したので、構成要素
が少なく組み立て工数が減少し、製造費用を安価にする
ことが出来た。
【0064】請求項8の発明は上肢骨折整復固定器を肩
から吊り下げるようになしたので、コルセットにて胸部
に取り付けた上肢骨折整復固定器がずり落ちることを完
全に防止できる。更に患者一人で上肢骨折整復固定器を
身体に取り付けることが可能となる。
【0065】請求項9の発明はターンバックル機構によ
り上腕部と前腕部とをくの字状に曲げさせ、弓形のT溝
体に沿って上肢を歩行時と同じ振りで所定位置に位置決
めし、その後上腕部と前腕部とを身体の前後所定位置に
倒して固定する。従って上肢を患部に最適の状態に維持
させることができる。また患部の回復に応じて上腕部と
前腕部のくの字曲げ状態や倒し状態、上肢の振り位置を
徐々に変更することができる。
【0066】請求項10の発明は第4ブラケットをT溝
体のT溝内に固定するに際しT溝体に設けたピン穴に位
置決めピンを挿入するようになしたので第4ブラケット
の固定が簡単にできる。
【0067】請求項11の発明は上腕部,肘内側,前腕
部が柔らかいフォームラバーに接触するので皮膚が床擦
れ状態になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の上肢骨折整復固定器を身体に取り付け
た状態を示す全体説明図である。
【図2】上肢骨折整復固定器の詳細説明図である。
【図3】第1支持体の説明図で、(a)は図2のB−B
視図、(b)は(a)のC−C視図、(c)は第1支持
体の第1締付具説明図である。
【図4】図2のA−A視図である。
【図5】図2のE−E視図である。
【図6】図2のD−D断面説明図である。
【図7】肘内側支持体の斜視図である。
【図8】図2のF−F視図である。
【図9】掌を固定する状態を示す説明図で、(a)は指
の押さえ片の上面図、(b)は(a)のG−G視図、
(c)は(b)のH−H視図である。
【図10】上腕部または前腕部の支持体に代わる実施例
を示す説明図である。
【図11】本発明の肩甲上腕関節脱臼整復器の詳細説明
図である。
【図12】第3ブラケットの回転部の断面説明図であ
る。
【図13】第1球面軸受の断面説明図である。
【図14】図13のI−I視図である。
【図15】図13のJ−J視図である。
【図16】図11のK−K断面拡大図である。
【図17】図16のL−L断面図である。
【図18】図16のM−M視図である。
【図19】第2球面軸受の断面説明図である。
【図20】図19のN−N視図である。
【図21】図19のO−O視図である。
【符号の説明】
1 コルセット 4,61 長方形板 4a,61a T形溝 5 第1ブラケット 7 第1支持体 9 第1締付具 13 クッション材 16 第2ブラッケト 17 第2支持体 20 肘内側支持板 29,104 ターンバックル機構 30,95 掌保持板 30b,95b 貫通溝 31 押さえ片 35 ベルト 41 第1パイプ 42 第2パイプ 62 第3ブラケット 62b 第1球体 69 第1球面軸受 73 第3支持体 75 駒 76 T溝体 76a T溝 76b ピン穴 78 第4ブラケット 78b 第2球体 80 位置決めピン 89 第2球面軸受 93 第4支持体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 身体の上肢の脇下から腰まで延在する長
    方形板を取り付け胴部に固定するコルセットと、前記長
    方形板の上端に固着した第1ブラケットにて身体の上下
    方向に回動可能に一端を枢支され長さ調整可能な第1支
    持体と、前記長方形板の下部において長手方向に移動可
    能に案内される第2ブラケットと、該第2ブラケットに
    前記第1支持体と同一方向に回動可能に一端を枢支され
    他端を前記第1支持体の他端と枢結した長さ調整可能な
    第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体との枢
    結部に更に枢着された肘内側支持板と、前記第2ブラケ
    ットに取り付けられ掌を固定するようにした掌保持板
    と、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの距離
    を任意に接近離隔させるターンバックル機構とを備え、
    上肢骨折時に前記第1支持体,第2支持体の長さを調整
    するとともに前記ターンバックル機構により前記第1支
    持体と前記第2支持体のなす角度を調整して三角形の山
    の高さを患部に最適なものとして上肢を支えるようにな
    したことを特徴とする上肢骨折整復固定器。
  2. 【請求項2】 前記第1支持体及び前記第2支持体は、
    それぞれ入れ子式として長さ調整可能な樋形材でなり、
    所定位置で長さを固定する締付具を設けた請求項1に記
    載の上肢骨折整復固定器。
  3. 【請求項3】 前記第1支持体及び前記第2支持体は、
    それぞれ第1パイプを第2パイプ内に挿入し伸縮自在で
    且つ任意位置にて固定可能となした二重パイプ機構を用
    いる請求項1に記載の上肢骨折整復固定器。
  4. 【請求項4】 前記第1パイプと前記第2パイプのうち
    少なくとも一方に、上肢の支え板を取着した請求項3に
    記載の上肢骨折整復固定器。
  5. 【請求項5】 前記掌保持板は、前記第2支持体と同一
    方向に回動可能に前記第2ブラケットに枢支されている
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固
    定器。
  6. 【請求項6】 前記掌保持板に、てのひらの各指の間隔
    に応じて放射状に複数本の貫通溝を刻設し、該各貫通溝
    に指を固定する断面T字状の押さえ片を位置変換可能で
    且つ任意位置に固定可能に取り付け、各指の叉部位置に
    て前記押さえ片により各指を前記掌保持板に固定するよ
    うになした請求項1乃至5のいずれか1項に記載の上肢
    骨折整復固定器。
  7. 【請求項7】 前記長方形板の下部にて長手方向に案内
    される前記第2ブラケットの案内部が、前記長方形板の
    両側部を折り曲げて形成した上下方向の溝である請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器。
  8. 【請求項8】 前記コルセットまたは前記長方形板に、
    肩から吊り下げるベルトを付加した請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器。
  9. 【請求項9】 身体の上肢の脇下から腰まで延在し長手
    方向の案内溝を腰位置に形成した長方形板と、該長方形
    板を取り付け胴部に固定するコルセットと、前記長方形
    板の上端で垂直に突設されて回転可能に取り付けられ先
    端に第1球体を有する第3ブラケットと、前記第1球体
    を内包して任意方向に回動固定可能な第1球面軸受を上
    端に有し長さ調整可能な第3支持体と、前記長方形板の
    案内溝に移動可能に支持された駒と、該駒に回動可能に
    枢支され身体の前後となる方向に延在し前記第1球体側
    に反り曲がった弓形案内溝を形成したT溝体と、該T溝
    体の弓形案内溝に移動固定可能に支持された第2球体を
    有する第4ブラケットと、前記第2球体を内包して任意
    方向に回動固定可能な第2球面軸受を下端に有し上端を
    前記第3支持体の下端と枢結した長さ調整可能な第4支
    持体と、該第4支持体と前記第3支持体との枢結部に更
    に枢着された肘内側支持板と、前記第4ブラケットに枢
    支され掌を固定するようにした掌保持板と、前記第3ブ
    ラケットと前記第4ブラケットとの距離を任意に接近離
    隔させるターンバックル機構とを備え、上肢整復時に前
    記第3支持体・第4支持体の長さを調整するとともに前
    記ターンバックル機構により前記第3支持体と前記第4
    支持体のなす角度を調整し、且つ前記第4ブラケットの
    前記T溝体内での位置を調整して上肢を支えるようにな
    したことを特徴とする肩甲上腕関節脱臼整復器。
  10. 【請求項10】 前記T溝体に設けた複数のピン穴に位
    置決めピンを挿入して前記第4ブラケットを前記T溝内
    の所望の位置に固定する請求項9に記載の肩甲上腕関節
    脱臼整復器。
  11. 【請求項11】 前記第3支持体と前記第4支持体と前
    記筋内側支持板の上肢受け面を曲面に形成し、内側にク
    ッション材を貼付した請求項1乃至10のいずれか1項
    に記載の上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復
    器。
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