JP2001135844A - 集積型薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

集積型薄膜太陽電池の製造方法

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JP2001135844A
JP2001135844A JP31680899A JP31680899A JP2001135844A JP 2001135844 A JP2001135844 A JP 2001135844A JP 31680899 A JP31680899 A JP 31680899A JP 31680899 A JP31680899 A JP 31680899A JP 2001135844 A JP2001135844 A JP 2001135844A
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film solar
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Toru Sawada
徹 澤田
Toshinobu Nakada
年信 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶質光電変換ユニット層を含む薄膜太陽電
池において、有効面積当りの変換効率の低下を招くこと
なく集積化を可能にする。 【解決手段】 透明絶縁基板11上に積層された透明電
極層12、結晶質シリコン系光電変換ユニット層14、
および裏面電極層16が複数の光電変換セルを形成する
ように複数の分離溝13、17によって分離されてい
て、それら複数セルが複数の接続用溝15を介して電気
的に直列接続された集積型薄膜太陽電池の製造方法にお
いて、透明基板11側からスクライブ用レーザビームを
照射して結晶質シリコン系光電変換ユニット層14の所
定領域と同時に裏面電極層16の所定領域を吹き飛ばす
ことによって裏面電極分離溝17を形成し、その後に、
裏面電極分離溝17内で露出された結晶質シリコン光電
変換ユニット層のうちでレーザビームによる熱影響部を
シリコン可溶液でエッチング除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は集積型薄膜太陽電池
の製造方法に関し、特に、高い光電変換効率を有する結
晶質シリコン系光電変換ユニット層を含む集積型薄膜太
陽電池の製造方法に関するものである。
【0002】なお、本願明細書において「多結晶」と
「微結晶」と「結晶質」の用語は、薄膜系太陽電池の技
術分野に一般に用いられているように、部分的に非晶質
状態を含むものをも意味するものとする。
【0003】
【従来の技術】半導体光電変換装置の代表例である太陽
電池としては、単結晶半導体ウェハを利用する単結晶系
太陽電池と半導体薄膜を利用する薄膜系太陽電池とがあ
る。そして、薄膜系太陽電池は、単結晶系太陽電池に比
べて、大面積化が容易でありかつ低コストで製造し得る
という利点を有している。
【0004】図2は、薄膜系太陽電池の典型的な一例を
模式的な断面図で示している。なお、本願の各図におい
て、図示されている層の厚さなどの寸法関係は図面の明
瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸
法関係を反映してはいない。
【0005】図2に示されているような薄膜系太陽電池
においては、絶縁基板1上に、第1電極層2、p型また
はn型の1導電型層3、実質的にi型の光電変換層4、
n型またはp型の逆導電型層5、および第2電極層6が
順に積層されている。すなわち、一般に薄膜系太陽電池
においては、光電変換ユニット10はp型層3または5
とn型層5または3との間に挟まれたi型層4を含んで
いる。比較的大きな厚さを有するi型層4が主として光
電変換作用を生じ、i型層4よりはるかに薄いp型層3
または5とn型層5または3は電界を生じるように作用
する。そして、p型層、i型層およびn型層を含む薄膜
光電変換ユニット10に関して、p型層とn型層が結晶
質か非晶質かにかかわらず、光電変換層たるi型層4が
結晶質のものを結晶質ユニットと称し、i型層が非晶質
のものを非晶質ユニットと称する。
【0006】ここで、結晶質i型層は非晶質i型層に比
べて長波長の光まで吸収することができ、結晶質薄膜光
電変換ユニットは非晶質薄膜光電ユニットに比べて長波
長の光をも光電変換に利用し得るという利点を有してい
る。
【0007】しかし、非晶質薄膜光電変換ユニットに含
まれる非晶質i型光電変換層の厚さは一般に約0.3μ
m以下でも十分であるのに対して、結晶質シリコンの光
吸収係数を考えれば、結晶質薄膜光電変換ユニットに含
まれる結晶質i型光電変換層は一般に約3μm以上の厚
さが必要とされる。すなわち、結晶質薄膜光電変換ユニ
ットに含まれる結晶質i型光電変換層は、非晶質薄膜光
電変換ユニットに含まれる非晶質i型光電変換層の約1
0倍以上の厚さが必要とされる。
【0008】そこで、特開平11−145499は、従
来133Pa(1Torr)以下の圧力下で行なわれて
いたプラズマCVDによる結晶質i型光電変換層の堆積
を400Pa(3Torr)以上の高い圧力下でシラン
系ガスに対する水素ガスの流量比を50倍以上に大きく
した状態で行なうことによって、高品質の結晶質i型光
電変換層が約1μm/hr以上の高速度で堆積され得る
ことを開示している。
【0009】ところで、薄膜太陽電池の製造において
は、CVD法やスパッタリングなどによる薄膜の堆積ス
テップとレーザスクライブ法などによるパターニングス
テップの適宜の繰返しや組合せを含む製造プロセスによ
って、所望の構造が形成される。すなわち、通常は1枚
の絶縁基板上に複数の光電変換セルが電気的に直列接続
された集積型構造が採用され、屋外用途のための電力用
太陽電池では、たとえば0.4m×0.8mを超えるよ
うな大面積の基板が用いられ、高い出力電圧を生じ得る
装置にされる。
【0010】図1は、集積型薄膜太陽電池の典型的一例
の構造を模式的な断面図で示している。この集積型薄膜
太陽電池においては、透明絶縁基板11上に透明電極層
12、シリコンなどからなる半導体光電変換層14、お
よび裏面電極層16が順次積層されており、パターニン
グによって半導体層14に設けられた接続用開口溝15
を介して互いに左右に隣接し合う光電変換セルが電気的
に直列接続されている。透明電極層12としては、一般
にSnO2、ZnO、ITO(インジウム錫酸化物)な
どの透明導電性酸化物(TCO)の膜またはこれらの積
層が用いられ得る。また、裏面電極層16としては、A
g、Al、Crなどの金属膜が用いられ得る。なお、裏
面電極層16は、TCO膜と金属膜の積層として形成さ
れてもよい。
【0011】図1に示されているような構造を有する集
積型薄膜太陽電池は、一般に次のような方法によって作
製される。まず、ガラス基板11上にTCO膜が透明電
極層12として堆積され、その透明電極層12を複数の
短冊状の光電変換セルに対応する複数の領域に分離する
ために、レーザスクライブ法によって透明電極分離溝1
3が形成される。すなわち、これらの透明電極分離溝1
3は、図1の紙面に直交する方向に直線状に延びてい
る。
【0012】そして、複数の領域に分離された透明電極
層12を覆うように、プラズマCVDを用いて、pin
接合を含むシリコン系半導体光電変換ユニット層14が
堆積される。この半導体層14には左右に隣接する光電
変換セルを電気的に直列接続するための接続用開口溝1
5がレーザスクライブ法によって形成される。これらの
接続用溝15も、図1の紙面に垂直な方向に直線状に延
びている。
【0013】続いて、これらの接続用溝15を埋めかつ
半導体層14を覆うように、Ag、Al、Crなどの金
属膜の単層または複層が裏面電極層16として堆積され
る。透明電極層12の場合と同様に、裏面電極層16を
複数の光電変換セルに対応する複数の領域に分離するよ
うに、裏面電極分離溝17がレーザスクライブ法によっ
て形成される。これらの裏面電極分離溝17も図1の紙
面に直交する方向に直線状に延びており、かつ好ましく
は第1電極層12に至る深さを有している。このように
して、図1に示されているような集積型薄膜太陽電池が
形成される。
【0014】ところで、このような集積型薄膜太陽電池
においては、透明基板11上の透明電極層12を分離す
る透明電極分離溝13はその透明電極層12上に堆積さ
れる半導体層14で埋められていて、その半導体層14
を介して基板11に平行な方向に不要な接触をしてい
る。また、複数のセルを接続するための接続用溝15内
に形成される導電体は光電変換ユニット層14内のp
型、i型およびn型のすべての半導体層の側面と接触し
ている。しかし、薄膜太陽電池における光電変換ユニッ
ト層14の厚みは非常に薄く、特に非晶質シリコン系光
電変換ユニット層ではその非晶質シリコン層自体の抵抗
が高いので、上述のような不要な接触部分を経由して電
流が流れることはほとんどなく、ほぼ完全に光電変換ユ
ニット層の厚み方向に電流が流れるので、上述のような
不要な接触は光電変換ユニットの性能に悪影響を及ぼす
ことはほとんどない。
【0015】すなわち、図1に示されているような集積
型薄膜太陽電池において、有効発電領域は透明電極12
と裏面電極16とが重複している領域Aであり、領域B
は発電にはほとんど寄与しない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにレーザス
クライブを用いて形成された集積型薄膜太陽電池におい
ては、その薄膜太陽電池に含まれる光電変換ユニット層
14が非晶質ユニットの場合には有効面積当りの変換効
率は集積化によってほとんど低下することがないが、光
電変換ユニット層14が結晶質ユニットの場合には集積
化に起因して有効面積当りの変換効率が低下するという
事実がある。
【0017】このような事実に鑑み、本発明は、結晶質
光電変換ユニット層を含む薄膜太陽電池であっても有効
面積当りの変換効率の低下を招くことなく集積化し得る
方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明絶
縁基板上に順に積層された透明電極層、少なくとも1の
結晶質シリコン系光電変換ユニット層、および裏面電極
層が複数の細長い短冊状の光電変換セルを形成するよう
に実質的に直線状で互いに平行な複数の分離溝によって
分離されていて、かつそれら複数のセルはそれらの分離
溝に平行な複数の接続用溝を介して互いに電気的に直列
接続された集積型薄膜太陽電池の製造方法において、裏
面電極層を複数の短冊状の裏面電極に分離するための裏
面電極分離溝の形成において、透明基板側からスクライ
ブ用レーザビームを照射することによって結晶質シリコ
ン系光電変換ユニット層の所定領域と同時に裏面電極層
の所定領域を吹き飛ばすことによって裏面電極分離溝を
形成し、その後に、裏面電極分離溝内で露出された結晶
質シリコン系光電変換ユニット層のうちでレーザビーム
による熱影響部をシリコン可溶液でエッチング除去する
ことを特徴としている。
【0019】そのシリコン可溶液によるエッチングに
は、超音波が印加されることが好ましい。また、シリコ
ン可溶液としては、アルカリ溶液が好ましく用いられ得
る。そのようなアルカリ溶液としては、NaOH、KO
H、Na2CO3、K2CO3、およびNH4OHから選択
された1つを含む溶液が用いられ得る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態のより具体的
な例として、以下において、本発明の実施例が比較例と
ともに図1を参照しつつ説明される。
【0021】(実施例1)本発明の実施例として、図1
に概略的に示されているような形態を有する集積型結晶
質薄膜太陽電池が作製された。まず、ガラス基板11上
に、透明電極層12として、熱CVD法による厚さ約6
00nmのSnO2膜とスパッタ法による厚さ約10n
mのZnO膜が形成された。この透明電極層12に対し
て、ガラス基板11側からレーザスクライブ用のYAG
レーザビームを焦点合わせして照射することによって、
透明電極分離溝13が形成された。
【0022】次に、基板11がプラズマCVD成膜用チ
ャンバ内に移され、厚さ6nmのp型微結晶シリコン
層、厚さ2.3μmのノンドープ多結晶シリコン層、お
よび厚さ約10nmのn型微結晶シリコン層を堆積する
ことによって、結晶質半導体光電変換ユニット層14が
形成された。このときのプラズマCVDによる成膜温度
は、250℃であった。この半導体層14も、透明電極
層12の場合と同様にYAGレーザを用いてレーザスク
ライブされ、それによって接続用溝15が形成された。
【0023】その後、裏面電極層16として、厚さ約9
0nmのZnO膜、厚さ約300nmのAg膜、および
厚さ約6nmのTi膜がスパッタ法によって堆積され
た。こうして形成された裏面電極層16は、半導体層1
4の場合と同様にレーザスクライブされ、それによって
裏面電極分離溝17が形成された。
【0024】これに続いて、裏面電極分離溝17内で露
出されたシリコン層14の表面層は、所定深さまでエッ
チング除去された。このエッチングにおいて、30℃で
1.5wt%のNaOH水溶液と超音波振動子が用いら
れ、エッチング時間は5分間であった。そして、そのエ
ッチング処理された薄膜太陽電池は、脱イオン水でリン
ス処理された後にオーブンで乾燥させられた。
【0025】このようにして、約30cm×40cmの
受光面内で短冊状のセルの28段が直列接続された太陽
電池モジュールが30枚作製された。これら30枚の集
積型薄膜太陽電池モジュールに対してAM1.5の光を
25℃において1kW/m2のエネルギ密度で照射した
ときの平均光電変換特性としては、開放端電圧が13.
4V、短絡電流が0.798A、極性因子が0.72
2、そして有効面積当りの実効変換効率が7.28%で
あった。
【0026】(比較例)裏面電極分離溝17の形成にお
いてレーザスクライブ後にNaOH水溶液によるエッチ
ングを行なうことなく脱イオン水を用いた超音波洗浄処
理のみを行なったこと以外は実施例1の場合と同様の方
法と条件で、比較例としての集積型薄膜太陽電池が30
枚作製された。
【0027】これらの比較例としての集積型薄膜太陽電
池に対して実施例の場合と同じ条件で光照射したときの
平均光電変換特性において、開放端電圧が13.0V、
短絡電流が0.775A、極性因子が0.69、そして
実効変換効率が6.56%であった。
【0028】上述の実施例と比較例との比較から明らか
なように、裏面電極分離溝17が形成された後にNaO
H水溶液によるエッチング処理が施された実施例による
集積型薄膜太陽電池においては、そのようなエッチング
処理が施されなかった比較例による集積型薄膜太陽電池
に比べて、種々の光電変換特性のすべてにおいて改善さ
れていることが明らかである。
【0029】ところで、前述のようにレーザスクライブ
を用いて形成された集積型薄膜太陽電池においては、そ
の薄膜太陽電池に含まれる光電変換ユニット層が非晶質
ユニットの場合には有効面積当りの変換効率が集積化に
よってほとんど低下することがないのに対して、光電変
換ユニット層が結晶質ユニットの場合には集積化に起因
して有効面積当りの変換効率の低下が見られるという事
実があった。しかし、この事実の理由は、現時点におい
て必ずしも明らかではない。また、上述のように比較例
による集積型結晶質薄膜太陽電池に比べて実施例による
集積型結晶質薄膜太陽電池における光電変換特性が何ゆ
えに改善されたかの理由も、現時点においては必ずしも
明らかではない。しかし、本発明者の理解によれば、一
応は以下のような理由を考えることができる。
【0030】まず、集積型非晶質薄膜太陽電池と集積型
結晶質薄膜太陽電池との間の相違に関しては、裏面電極
分離溝17を形成するときに結晶質薄膜太陽電池におい
ては非晶質薄膜太陽電池に比べて大きなエネルギ密度を
有するレーザビームを使用しなければならないという事
実がある。これは、結晶質シリコン層に比べて非晶質シ
リコン層の方がレーザビームに対して高い吸収係数を有
しており、さらに結晶質光電変換ユニット層に比べて非
晶質光電変換層の方がはるかに薄いので、そのような非
晶質光電変換層とともに裏面電極層を吹き飛ばすために
は比較的小さなエネルギ密度のレーザビームで十分だか
らである。
【0031】このように、結晶質薄膜太陽電池において
は裏面電極分離溝を形成するために大きなエネルギ密度
のレーザビームを使用しなければならないので、そのレ
ーザビームによって形成された裏面電極分離溝17内に
露出された半導体層14の表面にp型層やn型層から昇
華したドーパント原子やTCO電極12の表面から部分
的に昇華したTCO材料が付着すると考えられる。そし
て、裏面電極分離溝17内で露出された半導体層表面に
付着したそれらのドーパント原子やTCO材料が裏面電
極16とTCO電極12との間でリーク電流を生じると
考えられる。
【0032】さらには、結晶質半導体層14が高エネル
ギ密度のレーザビームによって加熱された場合に裏面電
極分離溝17近傍でp型やn型のドーパント原子が結晶
粒界に沿って素早く拡散することが考えられ、そのよう
な結晶粒界に沿って拡散したドーパント原子を介してリ
ーク電流が生じることも考えられる。
【0033】以上のような理由によって、非晶質薄膜太
陽電池における裏面電極分離溝の形成ではその裏面電極
分離溝の内壁およびその近傍を介するリーク電流を生じ
ることがないのに対して、大きなエネルギ密度を有する
レーザビームを用いて裏面電極分離溝17が形成される
結晶質薄膜太陽電池においては、その裏面電極分離溝の
内壁およびその近傍におけるリーク電流のために光電変
換特性が低下するものと考えられる。
【0034】したがって、上述の実施例におけるように
NaOH水溶液で裏面電極分離溝17の内壁をその表面
から所定厚さまでエッチング除去した場合にそのような
リーク電流の発生を防止することができ、その結果とし
て集積型結晶質薄膜太陽電池の光電変換特性が改善され
たものと考えられる。
【0035】なお、上述の実施例では1.5wt%のN
aOH水溶液がエッチャントとして用いられたが、Na
OHの濃度としては1〜5wt%の範囲内のものを用い
ることが可能である。また、エッチャントの温度は常温
から70℃程度の範囲内で他の条件に応じた最適の温度
を選択することができるが、その温度は±3℃の範囲内
で精度よく制御されることが望ましい。さらに、エッチ
ング時間としては、1〜5分程度の範囲内で、他の条件
に応じて適切なエッチング時間を選択することができ
る。さらにまた、上述の実施例はNaOHの水溶液がエ
ッチャントとして利用されたが、KOH、Na2CO3
2CO3、NH4OHなどのアルカリ性水溶液をもエッ
チャントとして用いることができる。さらにまた、上述
の実施例では単一の結晶質光電変換ユニット層を含む薄
膜太陽電池については説明されたが、本発明の方法は非
晶質光電変換ユニット層がさらに積層されたハイブリッ
ド型薄膜太陽電池にも適用し得ることはいうまでもな
い。
【0036】
【発明の効果】以上の次第で、本発明によれば、結晶質
光電変換ユニット層を含む薄膜太陽電池であっても、有
効面積当りの変換効率の低下を招くことなく集積化し得
る方法を提供することができる。また、本発明における
ようなエッチングを利用すれば、裏面電極分離溝の形成
のために用いられるレーザビームの強度が多少強すぎる
場合でも変換効率の低下を防ぎ得るのみならず、レーザ
ビームの強度が多少弱すぎたり焦点深さがずれた場合で
もレーザビームでダメージを受けている領域はエッチン
グ除去されやすいので、そのエッチングによって分離溝
を完成させることもできる。すなわち、本発明によれ
ば、スクライブ用レーザビームの強度範囲や焦点深さ範
囲の許容度が大きくなることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 集積型薄膜太陽電池の集積構造を示す模式的
な断面図である。
【図2】 薄膜太陽電池の基本的な積層構造を示す模式
的な断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板、2 第1電極層、3 1導電型層、4
実質的に真正の光電変換層、5 逆導電型層、6 裏面
電極層、10 薄膜光電変換ユニット層、11透明絶縁
基板、12 透明電極層、13 透明電極分離溝、14
薄膜光電変換ユニット層、15 接続用開口溝、16
裏面電極層、17 裏面電極分離溝、A 有効発電領
域、B 発電不能領域。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月19日(1999.11.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】このようにして、約30cm×40cmの
受光面内で短冊状のセルの28段が直列接続された太陽
電池モジュールが30枚作製された。これら30枚の集
積型薄膜太陽電池モジュールに対してAM1.5の光を
25℃において1kW/m2のエネルギ密度で照射した
ときの平均光電変換特性としては、開放端電圧が13.
4V、短絡電流が0.798A、曲線因子が0.72
2、そして有効面積当りの実効変換効率が7.28%で
あった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】これらの比較例としての集積型薄膜太陽電
池に対して実施例の場合と同じ条件で光照射したときの
平均光電変換特性において、開放端電圧が13.0V、
短絡電流が0.775A、曲線因子が0.69、そして
実効変換効率が6.56%であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明絶縁基板上に順に積層された透明電
    極層、少なくとも1の結晶質シリコン系光電変換ユニッ
    ト層、および裏面電極層が複数の細長い短冊状の光電変
    換セルを形成するように実質的に直線状で互いに平行な
    複数の分離溝によって分離されていて、かつそれら複数
    のセルは前記分離溝に平行な複数の接続用溝を介して互
    いに電気的に直列接続された集積型薄膜太陽電池の製造
    方法であって、 前記裏面電極層を複数の短冊状の裏面電極に分離するた
    めの裏面電極分離溝の形成において、 前記透明基板側からスクライブ用レーザビームを照射す
    ることによって前記結晶質シリコン系光電変換ユニット
    層の所定領域と同時に前記裏面電極層の所定領域を吹き
    飛ばすことによって前記裏面電極分離溝を形成し、 その後に、前記裏面電極分離溝内で露出された前記結晶
    質シリコン系光電変換ユニット層のうちで前記レーザビ
    ームによる熱影響部をシリコン可溶液でエッチング除去
    することを特徴とする集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン可溶液による前記エッチン
    グには超音波が印加されることを特徴とする請求項1に
    記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコン可溶液はアルカリ溶液であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の集積型薄
    膜太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ溶液はNaOH、KOH、
    Na2CO3、K2CO3、およびNH4OHから選択され
    た1つを含む溶液であることを特徴とする請求項3に記
    載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
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KR101505188B1 (ko) 2014-05-12 2015-03-23 주식회사 티지오테크 태양전지 및 그 제조방법
CN113649701A (zh) * 2021-08-13 2021-11-16 苏州迈为科技股份有限公司 一种太阳能电池激光清边方法及装置

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