JP2001131291A - 光干渉粒子およびその製造方法 - Google Patents

光干渉粒子およびその製造方法

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JP2001131291A
JP2001131291A JP31203499A JP31203499A JP2001131291A JP 2001131291 A JP2001131291 A JP 2001131291A JP 31203499 A JP31203499 A JP 31203499A JP 31203499 A JP31203499 A JP 31203499A JP 2001131291 A JP2001131291 A JP 2001131291A
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cellulose
liquid crystal
solvent
cellulose derivative
cholesteric liquid
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Shu Shimamoto
周 島本
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光領域の波長に対する反射特性に優れ、
かつ装飾材料などとして有用な光干渉粒子(例えば、干
渉顔料粒子)を得る。 【解決手段】 セルロース誘導体のコレステリック液晶
溶液を、非溶媒中で凝固させ、可視光線の一部の波長を
干渉するコレステリック液晶構造を有する光干渉粒子
(鱗片状干渉顔料粒子)を製造する。セルロース誘導体
は、置換基を有していてもよいアリールカーバメート基
(ハロゲン置換フェニルカーバメート基)が置換したセ
ルロースアリールカーバメート誘導体であってもよい。
光干渉粒子は、媒体(溶媒、溶媒に可溶な重合体)など
と組み合わせて、干渉性組成物として用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光干渉性を有し、
干渉顔料粒子として有用な光干渉粒子およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】コレステリック液晶は、液晶構造の周期
(ピッチ)によって可視光の特定波長を選択的に反射
し、反射波長は入射角に依存するため、眺める角度によ
って色が変化するという特性を備えている。このような
光学的特性は、装飾材料として有用であるが、コレステ
リック液晶そのものは流動性を有する液体である。その
ため、その超分子構造と光学的性質を保持した固体材料
として利用することができない。
【0003】高分子溶液が形成するコレステリック液晶
を固体に変換するには(固定化するには)、溶媒として
重合可能なモノマー類を用いてコレステリック液晶状態
を保持させて光重合する方法や、揮発性の高い溶媒を用
いてコレステリック液晶状態から乾式キャストを行う方
法が知られている。
【0004】例えば、特開平10−25365号公報に
は、セルロース・フェニルウレタン類をアクリル系モノ
マーに溶解してコレステリック液晶を形成させ、液晶溶
液に活性光線を照射して重合する方法が開示されてい
る。この方法では、コレステリック液晶の固定化に、活
性光線を発生させる装置が必要となる他、照射線重合に
供するコレステリック液晶溶液を終始暗所で行う必要が
あり、一般に製造工程が複雑である。また、重合性の溶
媒を用いる必要があるので、光干渉粒子(又は干渉顔料
粒子)の原料となり得る液晶性セルロース誘導体の種類
は限られる。
【0005】特開平11−125714号公報には、エ
チルセルロースのクロロホルム溶液を薄膜状に成型した
後、速やかにクロロホルムを揮発させる、いわゆる乾式
キャスト方法が開示されている。この方法は前記照射線
重合よりも遙かに簡便であるという利点を有する。しか
し、コレステリック液晶溶液を高揮発性の溶媒を用いて
調製する必要があるため、液晶性セルロース誘導体の種
類が制限される。
【0006】コレステリック液晶およびその構造を有す
る固体材料の反射強度は、コレステリック複屈折絶対値
に依存し、高い複屈折絶対値で高い反射強度を与える。
しかし、前記セルロース誘導体のコレステリック液晶
は、コレステリック複屈折絶対値が0.008以下と低
く、反射強度の高い粒子(特に干渉顔料粒子)を得るこ
とが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、可視光領域の波長に対する反射特性に優れ、かつ装
飾材料などとして有用な光干渉粒子(特に干渉顔料粒
子)および干渉性組成物を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、光干渉粒子(特に干
渉顔料粒子)を簡便かつ効率よく製造できる方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、セルロース誘導体の
溶液が形成するコレステリック液晶を、前記セルロース
誘導体の非溶媒に浸漬すると、驚くべきことにセルロー
ス誘導体がコレステリック液晶の超分子構造を保ったま
ま凝固し、コレステリック液晶の光学的性質を保持した
固体材料となることを見い出した。本発明はこれらの知
見に基づいて完成したものである。
【0010】すなわち、本発明の光干渉粒子(又は干渉
顔料粒子)は、セルロース誘導体で構成され、かつ可視
光線の一部の波長を干渉するコレステリック液晶構造を
有している。この粒子は、鱗片状であり、干渉顔料粒子
として機能させることができる。前記セルロース誘導体
は、置換基を有していてもよいアリールカーバメート基
(例えば、ハロゲン置換フェニルカーバメート基)が置
換したセルロースアリールカーバメート誘導体であって
もよい。
【0011】本発明は、前記光干渉粒子と、溶媒及びこ
の溶媒に可溶な重合体から選択された少なくとも一種の
媒体とで構成された干渉性組成物(又は干渉顔料組成
物)も包含する。この組成物は、可視光領域の波長に対
して特定の位相差を生じせしめる成分を含んでいてもよ
い。
【0012】本発明には、さらに、セルロース誘導体と
溶媒とで構成されたコレステリック液晶溶液を、前記セ
ルロース誘導体に対する非溶媒で凝固処理し、コレステ
リック液晶性セルロース誘導体を得る方法、およびセル
ロース誘導体と溶媒とで構成されたコレステリック液晶
溶液を、前記セルロース誘導体に対する非溶媒で凝固処
理し、セルロース誘導体で構成されたコレステリック液
晶粒子を析出させる光干渉粒子の製造方法も含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、セルロース誘導体が
形成するコレステリック液晶を固定化できるため、反射
特性に優れたコレステリック液晶を与える種々のセルロ
ース誘導体が使用でき、液晶性セルロース誘導体の種類
は特に限定されない。コレステリック液晶を形成可能な
セルロース誘導体としては、例えば、セルロースカルバ
メート類(セルロースC6-10アリールカーバメート(例
えば、セルロースフェニルカルバメート、セルロースナ
フチルカルバメートなど)、ハロゲン原子が置換したア
リール基を有するセルロースC6-10アリールカーバメー
ト(例えば、セルロース−3−クロロフェニルカルバメ
ート、セルロース−4−クロロフェニルカルバメート、
セルロース−4−ブロモフェニルカルバメート、セルロ
ース−4−フルオロフェニルカルバメート、セルロース
−2,4−ジクロロフェニルカルバメート、セルロース
−3,4−ジクロロフェニルカルバメート、セルロース
−2,5−ジクロロフェニルカルバメート、セルロース
−3,4,5−トリクロロフェニルカルバメートな
ど)、C1-4アルキル基が置換したアリール基を有する
セルロースC6-10アリールカーバメート(例えば、セル
ローストリルカルバメート、セルロース−2,4−ジメ
チルフェニルカルバメート、セルロース−3,4−ジメ
チルフェニルカルバメート、セルロース−2,5−ジメ
チルフェニルカルバメートなど)など)、セルロースエ
ーテル類(エチルセルロースなどのC1-4アルキルセル
ロース、ベンジルセルロースなどのアラルキルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシC
2-4アルキルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセ
ルロースなどのヒドロキシC2-4アルキルC1-4アルキル
セルロース)、セルロースエステル類(セルロースアセ
テート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースブチレートなど
のセルロースC1-4アルキルカルボン酸エステルな
ど)、アルキルセルロースカルバメート類(エチルセル
ロースフェニルカルバメート、エチルセルロース−4−
フェニルカルバメートなどのC1-4アルキルセルロース
6-10アリールカーバメートなど)、セルロースエーテ
ルエステル類(エチルセルロースアセテートなどのC
1-4アルキルセルロースC1-4アルキルカルボン酸エステ
ルなど)が例示される。
【0014】液晶性セルロース誘導体の平均置換度は特
に限定されず、セルロース誘導体の種類に応じて、通
常、1〜3、好ましくは1.5〜3(特に2〜3)程度
の範囲から、液晶形成性、合成の容易さ、工業的入手の
容易さなどの観点から適当に選択できる。例えば、セル
ロースカルバメート類では平均置換度2〜3(好ましく
は2.5〜3、特に2.7〜3)程度であり、このよう
なセルロース誘導体としては、セルロースフェニルカル
バメート類、例えば、セルロース・トリス・フェニルカ
ルバメート、セルロース・トリス・−3−クロロフェニ
ルカルバメート、セルロース・トリス・−4−クロロフ
ェニルカルバメートなどが例示できる。セルロースエー
テル類(例えば、エチルセルロース)及びセルロースエ
ステル類(例えば、酢酸セルロース)では平均置換度
1.5〜3(好ましくは2〜3、特に2.3〜2.8)
程度である。
【0015】液晶性セルロース誘導体のうちセルロース
カルバメート類、特にハロゲン原子が置換したアリール
基を有するセルロースC6-10アリールカーバメート類が
好ましい。特に、カルバメート結合に対して対称位置
(芳香環の4位(パラ位))にハロゲン原子(塩素原子
など)が置換したセルロース・ハロアリールカルバメー
ト類(セルロース・トリス・−4−ハロフェニルカルバ
メート類など)が好ましく、このようなセルロース誘導
体は、著しく高いコレステリック複屈折の絶対値を示
し、単位厚さ当たりの反射率が高い(高反射特性)とい
う特色を有する。
【0016】液晶性セルロース誘導体の重合度(粘度平
均重合度)は特に限定されないが、重合度が低すぎると
液晶性、製膜性に乏しく、高すぎるとコレステリック液
晶構造の形成に時間を要したり、粘度が高くなり、取り
扱い性が低下する。そのため、セルロース誘導体の平均
重合度は、例えば、30〜1000、好ましくは50〜
500程度であり、通常、30〜300程度である。
【0017】本発明の方法でば、コレステリック液晶を
形成するための溶媒として、重合性を有すること、揮発
性が高いことなどの要件は必要ではない。そのため、溶
媒の種類に制約されることなく、多くの液晶性セルロー
ス誘導体から光干渉粒子(干渉顔料粒子など)を得るこ
とができる。また、本発明の方法はコレステリック液晶
の固定化方法として全く新しい方法であり、光干渉粒子
(干渉顔料粒子)を簡便かつ効率よく製造できる。
【0018】光干渉粒子(干渉顔料粒子)の原料となる
コレステリック液晶溶液は、前記セルロース誘導体と溶
媒(良溶媒)とで構成でき、溶媒(良溶媒)としては、
液晶性セルロース誘導体がコレステリック液晶を形成す
る限り特に限定されず、また、コレステリック液晶溶液
を凝固させる非溶媒(又は貧溶媒)についても特に限定
されないが、次の指針で選択するのが好ましい。
【0019】セルロース誘導体を溶解するための溶媒
(良溶媒)としては、後続する凝固過程において、選択
反射波長が一般的に短くなることを考慮して、コレステ
リック液晶溶液の選択反射波長が300〜2000nm
(好ましくは400〜1500nm、さらに好ましくは
700〜1400nm)程度となる溶媒を用いるのが好
ましい。
【0020】非溶剤(貧溶媒)は、液晶性セルロース誘
導体を溶解せず、しかもできるだけ膨潤させない溶媒を
選択するのが好ましい。セルロース誘導体を高度に膨潤
させる非溶媒を用いると、凝固により生成する固体が等
方的になり、コレステリック構造を固体状態で固定化す
ることが困難である。
【0021】前記良溶媒としては、セルロース誘導体の
種類に応じて、例えば、ハロゲン化炭化水素類(ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなど)、エス
テル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキ
シエタンなどの鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどの環状エーテルなど)、セロソルブ類、す
なわちエチレングリコールモノエーテル類(メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、
カルビトール類、すなわちジエチレングリコールモノエ
ーテル類(メチルカルビトール、エチルカルビトールな
ど)、エチレングリコールジアルキルエーテル類、セロ
ソルブアセテート類(メチルセロソルブアセテート、エ
チルセロソルブアセテートなど)、ジエチレングリコー
ルジアルキルエーテル類、ニトリル類(アセトニトリル
など)、アルコール類(メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノ
ールなど)およびこれらの混合溶媒などが例示できる。
【0022】コレステリック液晶溶液の濃度(セルロー
ス誘導体の重量/溶媒の容量)は特に制限されず、通
常、0.3〜2g/ml、好ましくは0.4〜1.7g
/ml、さらに好ましくは0.5〜1.5g/ml(例
えば、0.7〜1.5g/ml)程度であり、セルロー
ス誘導体の濃度が低いとコレステリック液晶溶液が得ら
れず、高すぎるとコレステリック液晶溶液を形成しない
か、粘度が高く取り扱いが困難である。通常、セルロー
ス誘導体の濃度が高くなるにつれて短い反射波長の固体
生成物を得ることができる。
【0023】非溶剤(貧溶媒)としては、例えば、水、
アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノールなど)、エーテル類
(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテルな
ど)などが例示できる。
【0024】本発明では、セルロース誘導体と溶媒とで
構成されたコレステリック液晶溶液を、前記セルロース
誘導体に対する非溶媒で凝固処理することにより、コレ
ステリック液晶性セルロース誘導体を得ることができ
る。セルロース誘導体溶液(コレステリック液晶溶液)
の凝固処理は、セルロース誘導体溶液と非溶剤とを接触
させて液晶構造を保持した状態で固化(液晶状態の固定
化)可能な種々の方法、例えば、大過剰の非溶剤にセル
ロース誘導体溶液を注入、投入(又は暴露)する方法、
セルロース誘導体溶液に非溶剤を噴霧する方法、支持体
上にセルロース誘導体溶液を保持させて非溶剤中に浸漬
する方法、非溶剤雰囲気中にセルロース誘導体溶液を晒
す方法などであってもよい。液晶構造を保持しつつ連続
的に効率よく固定化又は固化させるためには、塗布など
の方法により支持体にセルロース誘導体溶液を保持さ
せ、支持体とともに前記液晶溶液の塗膜を非溶剤中に浸
漬する方法が有利である。この操作は連続的に行っても
よい。
【0025】非溶剤の温度は特に制限されないが、温度
を変化させると、固体生成物の反射波長をコントロール
できる。例えば、エチルセルロース(平均置換度2.
5)を用いる場合には、温度が高くなると短い反射波長
を与え、セルロース・トリス・−4−クロロフェニルカ
ルバメートを用いる場合には、温度が高くなると長い反
射波長を与える。そのため、セルロース誘導体の種類と
非溶剤の温度とを組み合わせることにより、液晶性セル
ロース誘導体又はそのコレステリック液晶溶液から、所
望の反射波長を有する固体生成物を得ることができる。
このように、非溶剤の温度をコントロールする方法で
は、従来の方法に比べて、多くの液晶性セルロース誘導
体から光干渉粒子(干渉顔料粒子)を得ることが可能と
なる。
【0026】なお、非溶剤の温度は、コレステリック液
晶構造を維持できる限り特に制限されず、例えば、溶剤
の種類などに応じて、0〜100℃、好ましくは10〜
90℃程度の範囲から適当に選択できる。
【0027】なお、本発明の方法では、高い複屈折及び
反射率の光干渉粒子(干渉顔料粒子)を得ることがで
き、例えば、ベンゼン環(特にパラ位)にハロゲン原子
(塩素原子など)を有するセルロース・トリス・フェニ
ルカルバメート類を用い、溶媒および非溶媒の種類、及
び溶媒の温度を適当に選択することにより、波長400
〜700nmの可視光を反射する干渉粒子(又は顔料粒
子)を得ることが可能となる。これに対して、特開平1
0−25365号公報に記載の方法では、前記セルロー
ス・トリス・フェニルカルバメート類を用いても、可視
光を反射するコレステリック液晶およびその固定化物が
得られず、可視光領域の波長を選択的に反射できず、特
開平11−125714号公報に記載の方法では、コレ
ステリック液晶を形成する濃度よりも高い濃度において
カラムナー液晶を形成するため、溶媒の乾燥過程におい
て濃度が増加しコレステリック液晶の超分子構造が乱さ
れ、可視光に対して反射特性に優れた固体生成物を得る
ことができない。
【0028】本発明の光干渉粒子は、固定化したコレス
テリック液晶を、乾燥又は湿式粉砕し、必要に応じて分
級操作を行なうことにより得ることができる。光干渉粒
子の形状は特に制限されず、球状、楕円形状、多角形
状、ロッド又は繊維状であってもよいが、通常、扁平又
は鱗片状である。光干渉性粒子の平均粒径は、例えば、
0.1〜10000μm、好ましくは1〜1000μm
程度の範囲から選択できる。扁平状又は鱗片状粒子にお
いて、厚みは、例えば、1〜50μm(好ましくは3〜
30μm)、幅は、例えば、10〜1000μm(好ま
しくは50〜1000μm)程度であってもよい。この
ような扁平状又は鱗片状粒子は、特に干渉顔料粒子とし
て使用できる。
【0029】光干渉粒子(又は鱗片状干渉顔料粒子)
は、慣用の方法で、溶媒及び/又はバインダーと組み合
わせることにより干渉性組成物(特に干渉顔料組成物)
として利用してもよい。溶媒としては、水、有機溶媒
(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンな
どの脂環族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、t−ブタノールなどのアルコール類、エステル類
(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン
類、エーテル類およびこれらの混合溶媒などが例示でき
る。溶媒に前記光干渉粒子を分散すると、分散粒子が選
択的に反射するため、装飾用材料として有効である。な
お、分散安定性を向上させるため、分散体は、分散剤
(界面活性剤、保護コロイドなど)を含有していてもよ
い。
【0030】バインダーには、前記溶媒に可溶であり、
かつ可視光線に対する光干渉粒子の選択反射性に悪影響
を及ぼさない限り種々の高分子バインダー及び低分子バ
インダー(オリゴマーを含む)が使用できる。高分子バ
インダーとしては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリ酢酸ビ
ニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂など)、熱硬化
性樹脂(エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリル
フタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系
樹脂)などが例示でき、架橋又は硬化型樹脂を構成して
もよい。低分子バインダーは、重合性化合物、例えば、
光硬化性樹脂(エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)ア
クリレートなどの光硬化性オリゴマー)、光重合性単量
体(アクリル酸ブチルなどのモノ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートなどのジ又はポリ(メタ)
アクリレートなど)などで構成でき、光硬化性樹脂と光
重合性単量体は組み合わせて使用してもよい。重合性化
合物は、重合開始剤(特に光重合開始剤や増感剤)など
を含有していてもよい。さらに、前記重合性化合物は、
高分子バインダーと組み合わせて使用してもよい。
【0031】さらに、必要であれば、種々の添加剤、例
えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤な
ど)、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、着色剤、レ
ベリング剤などを含有していてもよい。
【0032】干渉性組成物において、光干渉粒子の含有
量は特に制限されず、通常、1〜50重量%、好ましく
は5〜30重量%程度である。また、光干渉粒子と高分
子バインダーとの割合は、固形分換算で、例えば、前者
/後者=5/90〜80/20(重量部)、好ましくは
10/90〜70/30(重量部)程度の範囲から選択
できる。
【0033】コレステリック液晶は自然光に含まれる一
方の円偏光のみを選択的に反射し、他方の円偏光成分は
反射色に寄与していない。そのため、通常、自然光に対
する特定波長(選択反射の極大波長)の反射率は、入射
光の最大50%である。本発明では、通常は反射されな
い他方の円偏光を干渉粒子(干渉顔料)の発色に有効に
利用するため、コレステリック液晶から得られる光干渉
粒子(干渉顔料粒子)と、可視光領域での位相差を生じ
せしめる燐片状透明高分子とを組合せることにより、通
常は反射されない他方の円偏光成分を反射させ、反射性
にすぐれた干渉顔料組成物を得ることができる。すなわ
ち、前記の干渉性組成物(干渉顔料組成物)に、可視光
領域の波長λに対して波長[n+(1/4〜3/4)]
λ(nは0又は自然数)の位相差を生じせしめる鱗片状
透明高分子を添加して塗膜を形成すると、塗装被膜の反
射率を50%以上とすることができ、光干渉粒子(干渉
顔料粒子)により鮮明に発色させることができる。この
ような反射機構の詳細は明確ではないが、通常はコレス
テリック液晶超分子構造によって反射されずに透過する
一方の方向の円偏光成分が、前記透明高分子を通過する
間に、その全てあるいはかなりの部分が反対方向の円偏
光に変換され、コレステリック液晶超分子構造によって
反射されるためであると考えられる。
【0034】前記透明高分子としては、溶媒に不溶な鱗
片状透明高分子(例えば、ポリエチレンテレフタレート
などのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリカーボネ
ートなど)などが例示できる。鱗片状透明高分子の含有
量は、例えば、光干渉粒子100重量部に対して0〜1
00重量部、好ましくは10〜100重量部程度の範囲
から選択できる。
【0035】本発明の光干渉粒子は可視光領域の波長に
対して選択反射性を有しており、パール顔料(着色剤)
などとして利用できる。また、光干渉粒子及び光干渉粒
子を含む組成物は、装飾材料、例えば、選択反射性塗料
などのコーティング剤、化粧料などとして利用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明では、コレステリック液晶構造を
固定化できるので、可視光領域の波長に対する反射特性
に優れ、かつ装飾材料などとして有用な光干渉粒子(例
えば、鱗片状干渉顔料粒子)を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0038】実施例1 酢酸セルロース(平均置換度2.4、数平均分子量3
0,000、アルドリッチ社)20gを28%アンモニ
ア水溶液500ml中に懸濁し、室温で10日間攪拌
し、脱アセチル化を行い、再生セルロースを調製した。
この再生セルロース5gをピリジン200ml中に懸濁
し、再生セルロースの水酸基に対して2等量の4−クロ
ロフェニルイソシアネートを加え、95℃で6時間攪拌
することにより、セルロース・トリス・−4−クロロフ
ェニルカルバメートを調製した。
【0039】得られたセルロース誘導体0.8gをジエ
チレングリコ−ルジメチルエーテル1mlに溶解し、液
晶溶液を調製し、アッベ型屈折計により、コレステリッ
ク複屈折を測定したところ、0.012であった。
【0040】コレステリック液晶溶液をガラス板間に挟
み、選択反射の極大波長を分光光度計により測定したと
ころ、840nmであった。さらに分光光度計に、右お
よび左円偏光板を装着し、反射円偏光の選択性を調べた
ところ、右円偏光を選択的に反射することが分かった。
【0041】上記コレステリック液晶溶液を、濃度変化
が生じないように注意しながらガラス板に塗布し、厚さ
約5μmの薄膜を形成し、室温で多量の2−プロパノ−
ル中に投入したところ、青〜紫色のフィルム状固体が得
られた。フィルムを右および左円偏光板を通して観察し
たところ、右円偏光が反射されることが判明した。ま
た、分光光度計で測定した反射波長は440nmであっ
た。
【0042】実施例2 室温の2−プロパノールに代えて、40℃に熱した2−
プロパノールに薄膜をガラス板とともに投入する以外、
実施例1と同様にして、緑色を呈する固体生成物を得
た。反射波長は520nmであった。
【0043】実施例3 実施例1で調製したセルロース誘導体0.8gをアセト
ン1mlに溶解し、液晶溶液を調製し、アッベ型屈折計
により、コレステリック複屈折を測定したところ、0.
012であった。
【0044】得られた液晶溶液を、該溶液の濃度が変化
しないように注意しながらガラス板に塗布し、厚さ約5
μmの薄膜を形成し、75℃に熱した多量の温水に投入
したところ緑のフィルム状固体が得られた。このフィル
ムを右および左円偏光板を通して観察したところ、右円
偏光が反射されることが判明した。また、分光光度計で
測定した反射波長は540nmであった。
【0045】実施例4 4−クロロフェニルイソシアネートに代えてフェニルイ
ソシアネートを用いる以外、実施例1と同様にして、セ
ルロース・トリス・フェニルカルバメートを調製した。
【0046】得られたセルロース誘導体0.8gをジエ
チレングリコ−ルジメチルエーテル1mlに溶解し、液
晶溶液を調製し、アッベ型屈折計により、コレステリッ
ク複屈折を測定したところ、0.0073であった。
【0047】比較例1 実施例3で得られた液晶溶液を、該溶液の濃度が変化す
ることがないよう注意しガラス板に塗布し、厚さ約5μ
mの薄膜とした。この薄膜を室温で空気雰囲気下で溶媒
を乾燥させフィルム状固体としたところ、反射による呈
色を示さなかった。
【0048】比較例2 実施例1で得られたセルロース誘導体0.8gを、重合
性溶媒(エチレングリコールモノメチルエーテルアクリ
レート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルアクリレート、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル)1mlに各々溶解した。偏光
顕微鏡観察により、各溶液は液晶溶液であることが確認
されたが、コレステリック・ピッチが適当でないため
か、反射による呈色を示さなかった。これら溶液に、重
合性溶媒に対して2重量%のベンゾフェノンを添加し、
ガラス板間に挟み薄膜とし、高圧水銀灯により溶媒を重
合させ、フィルム状固体としたところ、溶液状態の場合
と同様、なんら呈色を示さなかった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース誘導体で構成され、かつ可視
    光線の一部の波長を干渉するコレステリック液晶構造を
    有する光干渉粒子。
  2. 【請求項2】 鱗片状干渉顔料粒子である請求項1記載
    の光干渉粒子。
  3. 【請求項3】 セルロース誘導体が、置換基を有してい
    てもよいアリールカーバメート基が置換したセルロース
    アリールカーバメート誘導体である請求項1記載の光干
    渉粒子。
  4. 【請求項4】 アリールカーバメート基が、ハロゲン置
    換フェニルカーバメート基である請求項3記載の光干渉
    粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の光
    干渉粒子と、溶媒及びこの溶媒に可溶な重合体から選択
    された少なくとも一種の媒体とで構成されている干渉性
    組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、可視光領域の波長λに対して波
    長[n+(1/4〜3/4)]λ(ただし、nは0又は
    自然数を示す)の位相差を生じせしめる成分を含む請求
    項5記載の干渉性組成物。
  7. 【請求項7】 セルロース誘導体と溶媒とで構成された
    コレステリック液晶溶液を、前記セルロース誘導体に対
    する非溶媒で凝固処理し、コレステリック液晶性セルロ
    ース誘導体を得る方法。
  8. 【請求項8】 セルロース誘導体と溶媒とで構成された
    コレステリック液晶溶液を、前記セルロース誘導体に対
    する非溶媒で凝固処理し、セルロース誘導体で構成され
    たコレステリック液晶粒子を析出させる請求項1〜4の
    いずれかの項に記載の光干渉粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006085449A1 (ja) * 2005-02-14 2006-08-17 Kaneka Corporation 光学補償用塗工膜及び光学素子
WO2014157267A1 (ja) * 2013-03-27 2014-10-02 富士フイルム株式会社 光干渉顔料およびその製造方法

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