JP2001130649A - 抗菌加工した段ボールシート - Google Patents
抗菌加工した段ボールシートInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、箱詰め時の落下細菌の付着があっ
ても、その細菌の作用により収納青果物の腐敗が発生し
進行してしまうことがないような抗菌作用を備え、かつ
健康にも環境にも安全な青果物保存用段ボール箱を提供
することである。 【解決手段】 本発明は、エチレンを吸着すると共に、
炭酸ガス、酸素そして水蒸気に関し、適正な保存雰囲気
を形成する性能を有する紙を外側ライナー材として使用
した青果物保存用段ボール箱において、青果物と直接接
触する該段ボール箱内面には抗菌、抗カビ剤をラミネー
トまたは塗布加工したライナーを使用するようにして腐
敗菌による痛みを防ぐ機能を付与するものである。
ても、その細菌の作用により収納青果物の腐敗が発生し
進行してしまうことがないような抗菌作用を備え、かつ
健康にも環境にも安全な青果物保存用段ボール箱を提供
することである。 【解決手段】 本発明は、エチレンを吸着すると共に、
炭酸ガス、酸素そして水蒸気に関し、適正な保存雰囲気
を形成する性能を有する紙を外側ライナー材として使用
した青果物保存用段ボール箱において、青果物と直接接
触する該段ボール箱内面には抗菌、抗カビ剤をラミネー
トまたは塗布加工したライナーを使用するようにして腐
敗菌による痛みを防ぐ機能を付与するものである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、青果物鮮度を保持
する機能を有する青果物収納段ボールに関するものであ
る。
する機能を有する青果物収納段ボールに関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】青果物は生産地から出荷され、市場に運
搬され店頭に陳列されるまでその流通過程で鮮度が保た
れる必要がある。鮮度を保持するため、水分の発散を防
止したり、低温保存したりといった方法は古くから実施
されてきた。しかし、鮮度低下の原因は様々あり、これ
だけでは十分でない。最近の研究で青果物は保存中も生
活反応を示し、呼吸もすれば、植物ホルモンや酵素も作
用することが分かってきた。例えば、保存雰囲気中にエ
チレンガスが存在すると老化ホルモンが活発に分泌され
老化が促進されること、青果物の呼吸により保存雰囲気
中の酸素濃度が低くなり炭酸ガス濃度が高くなると、無
気呼吸を行うようになりアルコール醗酵が進みアルデヒ
ドやアンモニヤを発生させ鮮度は落ちて行くことになる
などの現象がある。したがって、青果物の鮮度を維持す
るには保存雰囲気の組成が重要な要素となり、炭酸ガス
だけでなく酸素の量も合わせて適正な値に制御しなけれ
ばならないことが知られるようになった。
搬され店頭に陳列されるまでその流通過程で鮮度が保た
れる必要がある。鮮度を保持するため、水分の発散を防
止したり、低温保存したりといった方法は古くから実施
されてきた。しかし、鮮度低下の原因は様々あり、これ
だけでは十分でない。最近の研究で青果物は保存中も生
活反応を示し、呼吸もすれば、植物ホルモンや酵素も作
用することが分かってきた。例えば、保存雰囲気中にエ
チレンガスが存在すると老化ホルモンが活発に分泌され
老化が促進されること、青果物の呼吸により保存雰囲気
中の酸素濃度が低くなり炭酸ガス濃度が高くなると、無
気呼吸を行うようになりアルコール醗酵が進みアルデヒ
ドやアンモニヤを発生させ鮮度は落ちて行くことになる
などの現象がある。したがって、青果物の鮮度を維持す
るには保存雰囲気の組成が重要な要素となり、炭酸ガス
だけでなく酸素の量も合わせて適正な値に制御しなけれ
ばならないことが知られるようになった。
【０００３】特公平６−６２１８１号公報，特公平７−
９９９９２号公報，特公平７−９９９９３号公報にはこ
の観点に立ち、青果物の包装材料として最も広く使用さ
れている紙に適正な保存雰囲気を形成する性能を与え、
生鮮保存作用を奏する技術が開示されている。これらの
発明は保存雰囲気の呼吸により生成した炭酸ガスを外部
にできるだけ多く放出し、外部から適度の酸素を保存雰
囲気中に導入することで、保存雰囲気をバランスさせる
ようにしたものであって、このことにより無気呼吸をお
こなわず老化ホルモンの分泌が少なく老化促進のないし
かも呼吸はしているが呼吸量の少ない状態に、いわば青
果物を休眠状態に成して鮮度を保持させるという技術的
思想に基づくものである。特公平７−９９９９２号公報
の青果物包装用紙の具体的構成は、「エチレンと炭素数
３〜１２のα−オレフインとの密度０．９１７ｇ／ｃｍ
3以下の共重合体を含有し、一気圧２７℃での炭酸ガス
透過係数が１平方センチ当たり８×１０-10ｃｍ3以上
で、酸素に対する炭酸ガスの透過係数比ＰＣ０２／Ｐ０
２が３．５以上であり、同じ条件下での水蒸気透過係数
が８０×１０-9ｃｍ3以下である樹脂層を少なくとも片
面に被覆する」というものである。更に、この公報には
「エチレンと炭素数３〜１２のα−オレフインとの共重
合体が密度０．９１２以下の超低密度ＬＬＤＰＥであ
る」こと、「該包装用紙を少なくとも外側のライナー材
として使用した青果物保存用段ボール箱」に関しての開
示もなされている。たしかに、この技術を用いた箱詰め
運搬で青果物の鮮度保持効果は飛躍的に改善されたので
あるが、それでも４，５日すると青果物のなかで腐敗す
るものがでてくるという現象が生じている。この原因は
箱詰め時の落下細菌の付着によるもので、流通過程でそ
の細菌の作用により腐敗が発生し進行してしまうもので
あることがわかった。この現象に対しては青果物保存用
段ボール箱の先の包装雰囲気調整機能だけでは不十分で
あり、その対策が望まれている。
９９９９２号公報，特公平７−９９９９３号公報にはこ
の観点に立ち、青果物の包装材料として最も広く使用さ
れている紙に適正な保存雰囲気を形成する性能を与え、
生鮮保存作用を奏する技術が開示されている。これらの
発明は保存雰囲気の呼吸により生成した炭酸ガスを外部
にできるだけ多く放出し、外部から適度の酸素を保存雰
囲気中に導入することで、保存雰囲気をバランスさせる
ようにしたものであって、このことにより無気呼吸をお
こなわず老化ホルモンの分泌が少なく老化促進のないし
かも呼吸はしているが呼吸量の少ない状態に、いわば青
果物を休眠状態に成して鮮度を保持させるという技術的
思想に基づくものである。特公平７−９９９９２号公報
の青果物包装用紙の具体的構成は、「エチレンと炭素数
３〜１２のα−オレフインとの密度０．９１７ｇ／ｃｍ
3以下の共重合体を含有し、一気圧２７℃での炭酸ガス
透過係数が１平方センチ当たり８×１０-10ｃｍ3以上
で、酸素に対する炭酸ガスの透過係数比ＰＣ０２／Ｐ０
２が３．５以上であり、同じ条件下での水蒸気透過係数
が８０×１０-9ｃｍ3以下である樹脂層を少なくとも片
面に被覆する」というものである。更に、この公報には
「エチレンと炭素数３〜１２のα−オレフインとの共重
合体が密度０．９１２以下の超低密度ＬＬＤＰＥであ
る」こと、「該包装用紙を少なくとも外側のライナー材
として使用した青果物保存用段ボール箱」に関しての開
示もなされている。たしかに、この技術を用いた箱詰め
運搬で青果物の鮮度保持効果は飛躍的に改善されたので
あるが、それでも４，５日すると青果物のなかで腐敗す
るものがでてくるという現象が生じている。この原因は
箱詰め時の落下細菌の付着によるもので、流通過程でそ
の細菌の作用により腐敗が発生し進行してしまうもので
あることがわかった。この現象に対しては青果物保存用
段ボール箱の先の包装雰囲気調整機能だけでは不十分で
あり、その対策が望まれている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決する青果物保存用段ボール箱を提供しようとする
もの、すなわち、箱詰め時の落下細菌の付着があって
も、その細菌の作用により収納青果物の腐敗が発生し進
行してしまうことがないような抗菌作用を備え、かつ健
康にも環境にも安全な青果物保存用段ボール箱を提供す
ることである。
を解決する青果物保存用段ボール箱を提供しようとする
もの、すなわち、箱詰め時の落下細菌の付着があって
も、その細菌の作用により収納青果物の腐敗が発生し進
行してしまうことがないような抗菌作用を備え、かつ健
康にも環境にも安全な青果物保存用段ボール箱を提供す
ることである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレンを吸
着する（注：この機能は持っているのか要確認事項）と
共に、炭酸ガス、酸素そして水蒸気に関し、適正な保存
雰囲気を形成する性能を有する紙を外側ライナー材とし
て使用した青果物保存用段ボール箱において、青果物と
直接接触する該段ボール箱内面には抗菌、抗カビ剤をラ
ミネートまたは塗布加工したライナーを使用するように
した。
着する（注：この機能は持っているのか要確認事項）と
共に、炭酸ガス、酸素そして水蒸気に関し、適正な保存
雰囲気を形成する性能を有する紙を外側ライナー材とし
て使用した青果物保存用段ボール箱において、青果物と
直接接触する該段ボール箱内面には抗菌、抗カビ剤をラ
ミネートまたは塗布加工したライナーを使用するように
した。
【０００６】
【本発明の実施の形態】本発明は、上記の構成を採用す
ることで出荷時に落下細菌の付着があっても、青果物が
直接接触する箱内面が抗菌作用を備えていることで、そ
の細菌の作用により収納青果物の腐敗が発生し進行する
ことがないようにしようというものである。まず、抗菌
剤を添加したＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）をラミネ
ートしたライナーを作成して、この抗菌ライナーのカ
ビ、酵母および土壌菌に対する抗菌性をフィルム密着法
により試験した結果を紹介する。このフィルム密着法は
抗菌製品技術協議会が紹介する「フィルム密着法」に準
拠したもので、その評価方法はシャーレ等に抗菌加工品
と無加工品のシートを敷き、それに菌液を接種（滴下）
してその上に滅菌済みフィルムを被せ、保存後の菌数を
測定し、増減値差＝Ｌog（無加工品／抗菌加工品）を算
出してそれが≧2.0であれば効果があるもの、＜2.0であ
れば効果がないものと判断するというものである。ここ
で滅菌済みフィルムを被せるのはその後の新たな菌付着
などによる外乱を防止するためである。
ることで出荷時に落下細菌の付着があっても、青果物が
直接接触する箱内面が抗菌作用を備えていることで、そ
の細菌の作用により収納青果物の腐敗が発生し進行する
ことがないようにしようというものである。まず、抗菌
剤を添加したＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）をラミネ
ートしたライナーを作成して、この抗菌ライナーのカ
ビ、酵母および土壌菌に対する抗菌性をフィルム密着法
により試験した結果を紹介する。このフィルム密着法は
抗菌製品技術協議会が紹介する「フィルム密着法」に準
拠したもので、その評価方法はシャーレ等に抗菌加工品
と無加工品のシートを敷き、それに菌液を接種（滴下）
してその上に滅菌済みフィルムを被せ、保存後の菌数を
測定し、増減値差＝Ｌog（無加工品／抗菌加工品）を算
出してそれが≧2.0であれば効果があるもの、＜2.0であ
れば効果がないものと判断するというものである。ここ
で滅菌済みフィルムを被せるのはその後の新たな菌付着
などによる外乱を防止するためである。
【０００７】［サンプル試験]サンプルとして有機系
抗菌剤（イミタゾール系）であるアモルデンＳＫ−３０
Ｚ（大和化学工業製の商品名）を１重量％添加したＬＤ
ＰＥ、同アモルデンＳＫ−３０Ｚを３重量％添加した
ＬＤＰＥ、無機系抗菌剤（銀ゼオライト）であるゼオ
ミックＭＪ３ＬＥ（シナネンゼオミック社製の商品名）
を３重量％添加したＬＤＰＥ、同ゼオミックＭＪ３Ｌ
Ｅ（シナネンゼオミック社製の商品名）を５重量％添加
したＬＤＰＥを、比較用のブランクには滅菌済みのＰＰ
（ポリプロピレン）フィルムを用いた。なお、これらは
ベースＬＤＰＥとしてラミネート厚さ３０μｍのペトロ
セン２０４（東ソー製の商品名）を使用した。 《菌種》菌種として以下の５種類を使用した。 ａ）カビ Penicillium citrinum (IFO 6026) 土壌、繊維、果実、タバコ、皮革、米麦等穀物、食品、
飼料、工業製品など、世界的に広く分布する。 ｂ）カビ Rhizopus stolonifer (IFO 4781) イチジク、イチゴ、モモ等に発育し、黒カビ病の原因菌
である。 ｃ）カビ Botryotinia fuckeliana (IFO 9760) モモ、リンゴ、ナシ等の果物および、タマネギ、キャベ
ツ、トマト等の野菜に広く発育し、灰色カビ病の原因菌
である。 ｄ）酵母 Saccharomyces bayanus (IFO 1503) 食品工業、醸造工業、醗酵工業に関係の深い菌が存在す
る。バナナ、ブドウ、モモ、等の果物類から検出され
る。 ｅ）土壌菌 Bacillus subtilis (IFO 13721) 偏性好気性〜通性好気性で、土壌中，水中、空中に広く
分布する。 《試験方法》 (1)抗菌加工品（サンプル〜）と無加工品（滅菌済
みのＰＰ）を５０ｍｍ角に 切断し、シャーレ内に敷
く。 (2)１／２００普通ブイヨン培地で培養しておいた菌を
サンプル上に0.5ml接種（滴下）する。 (3)各サンプルのシャーレ上に滅菌済みのフィルムを被
せてカビ・酵母については温度２５℃，湿度９０％で、
土壌菌については温度３７℃，湿度９０％で保存し、２
４時間後に菌数を測定する。増減値差＝Ｌog（無加工品
／抗菌加工品）を算出してそれが≧2.0であれば効果が
ある（○）もの、＜2.0であれば効果がない（×）もの
と評価する。 《抗菌テスト結果》この抗菌テストの結果を表１にまと
めて示す。
抗菌剤（イミタゾール系）であるアモルデンＳＫ−３０
Ｚ（大和化学工業製の商品名）を１重量％添加したＬＤ
ＰＥ、同アモルデンＳＫ−３０Ｚを３重量％添加した
ＬＤＰＥ、無機系抗菌剤（銀ゼオライト）であるゼオ
ミックＭＪ３ＬＥ（シナネンゼオミック社製の商品名）
を３重量％添加したＬＤＰＥ、同ゼオミックＭＪ３Ｌ
Ｅ（シナネンゼオミック社製の商品名）を５重量％添加
したＬＤＰＥを、比較用のブランクには滅菌済みのＰＰ
（ポリプロピレン）フィルムを用いた。なお、これらは
ベースＬＤＰＥとしてラミネート厚さ３０μｍのペトロ
セン２０４（東ソー製の商品名）を使用した。 《菌種》菌種として以下の５種類を使用した。 ａ）カビ Penicillium citrinum (IFO 6026) 土壌、繊維、果実、タバコ、皮革、米麦等穀物、食品、
飼料、工業製品など、世界的に広く分布する。 ｂ）カビ Rhizopus stolonifer (IFO 4781) イチジク、イチゴ、モモ等に発育し、黒カビ病の原因菌
である。 ｃ）カビ Botryotinia fuckeliana (IFO 9760) モモ、リンゴ、ナシ等の果物および、タマネギ、キャベ
ツ、トマト等の野菜に広く発育し、灰色カビ病の原因菌
である。 ｄ）酵母 Saccharomyces bayanus (IFO 1503) 食品工業、醸造工業、醗酵工業に関係の深い菌が存在す
る。バナナ、ブドウ、モモ、等の果物類から検出され
る。 ｅ）土壌菌 Bacillus subtilis (IFO 13721) 偏性好気性〜通性好気性で、土壌中，水中、空中に広く
分布する。 《試験方法》 (1)抗菌加工品（サンプル〜）と無加工品（滅菌済
みのＰＰ）を５０ｍｍ角に 切断し、シャーレ内に敷
く。 (2)１／２００普通ブイヨン培地で培養しておいた菌を
サンプル上に0.5ml接種（滴下）する。 (3)各サンプルのシャーレ上に滅菌済みのフィルムを被
せてカビ・酵母については温度２５℃，湿度９０％で、
土壌菌については温度３７℃，湿度９０％で保存し、２
４時間後に菌数を測定する。増減値差＝Ｌog（無加工品
／抗菌加工品）を算出してそれが≧2.0であれば効果が
ある（○）もの、＜2.0であれば効果がない（×）もの
と評価する。 《抗菌テスト結果》この抗菌テストの結果を表１にまと
めて示す。
【０００８】
【表１】
【０００９】上記のサンプル試験の結果、有機系抗菌剤
であるアモルデンＳＫ−３０Ｚは、３重量％でカビ、酵
母、土壌菌に対し抗菌性が確認された。また、無機系の
ゼオミックＭＪ３ＬＥも、やはり３重量％でカビ、酵
母、土壌菌に対し抗菌性が確認された。この結果から、
ＬＤＰＥラミネートシートについてこれらの抗菌剤を３
重量％添加が、抗菌効果をもたらす目安となると思われ
る。
であるアモルデンＳＫ−３０Ｚは、３重量％でカビ、酵
母、土壌菌に対し抗菌性が確認された。また、無機系の
ゼオミックＭＪ３ＬＥも、やはり３重量％でカビ、酵
母、土壌菌に対し抗菌性が確認された。この結果から、
ＬＤＰＥラミネートシートについてこれらの抗菌剤を３
重量％添加が、抗菌効果をもたらす目安となると思われ
る。
【００１０】［モモ保存試験]次に、抗菌剤を添加した
ＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）をラミネートしたライ
ナーを内面に使用した段ボールケースを試作し、実際の
青果物を収納保存して保存テストを実施した。段ボール
は表ライナーに晒し５０ｇ／ｍ2 ，ポリエチレン（ＥＡ
４１５）１５μｍ，Ｃ−１７０の３層のものを使用し、
中芯にＳ−１６０、裏ライナーに各種サンプルを使用し
たものを試作し比較した。サンプルは下記の表２のもの
を使用した。
ＬＤＰＥ（低密度ポリエチレン）をラミネートしたライ
ナーを内面に使用した段ボールケースを試作し、実際の
青果物を収納保存して保存テストを実施した。段ボール
は表ライナーに晒し５０ｇ／ｍ2 ，ポリエチレン（ＥＡ
４１５）１５μｍ，Ｃ−１７０の３層のものを使用し、
中芯にＳ−１６０、裏ライナーに各種サンプルを使用し
たものを試作し比較した。サンプルは下記の表２のもの
を使用した。
【表２】 ベースはＬＤＰＥ（ペトロセン２０４：東ソー（株）商
品名）、ラミネート厚は３０μｍのものを使用し、サン
プル，，はラミネート品、サンプルはコート品
である。抗菌剤は有機系（芳香属エステル系）のアモル
デンＳＫ−３０Ｚ（大和化学工業製の商品名）、無機系
（銀系）のゼオミックＭＪ３ＬＥ（（株）シナネンゼオ
ミック製商品名），銀パウダーＡＳＸ−４６４−Ｊ（日
本フェロー（株）製商品名）を用いた。サンプル，
，は抗菌加工を施した本発明試作品、サンプルは
特公平７−９９９９２号公報にある包装雰囲気調整機能
をもったもの、そしてサンプルは現在一般に使用され
ている流通ケースである。
品名）、ラミネート厚は３０μｍのものを使用し、サン
プル，，はラミネート品、サンプルはコート品
である。抗菌剤は有機系（芳香属エステル系）のアモル
デンＳＫ−３０Ｚ（大和化学工業製の商品名）、無機系
（銀系）のゼオミックＭＪ３ＬＥ（（株）シナネンゼオ
ミック製商品名），銀パウダーＡＳＸ−４６４−Ｊ（日
本フェロー（株）製商品名）を用いた。サンプル，
，は抗菌加工を施した本発明試作品、サンプルは
特公平７−９９９９２号公報にある包装雰囲気調整機能
をもったもの、そしてサンプルは現在一般に使用され
ている流通ケースである。
【００１１】《試験方法》各サンプルの段ボールにモモ
を５乃至６個収納し、経時観察を行い保存期間６日目と
８日目における表面にカビが生えたモモの割合を調べ
る。菌発生の無かったものを可（○）とし、１つでもあ
ったものは不可（×）とした。 《テスト結果》この青果物テストの結果を表３にまとめ
て示す。
を５乃至６個収納し、経時観察を行い保存期間６日目と
８日目における表面にカビが生えたモモの割合を調べ
る。菌発生の無かったものを可（○）とし、１つでもあ
ったものは不可（×）とした。 《テスト結果》この青果物テストの結果を表３にまとめ
て示す。
【表３】 まず表面にカビが生えたモモの割合の結果から見て、抗
菌加工を施したサンプルについては６日間の菌発生抑止
効果が確認できた。８日間にわたって効果が維持できた
のは銀パウダーをコートしたサンプルであった。しか
し青果物の流通を考えると６日間の保存が保証できれば
実際上の問題はないであろう。また、包装雰囲気調整機
能をもったサンプルと現在一般に使用されている流通
ケースのサンプルはカビが生えた割合からみると６日
目に既にカビが生えたものがあって、抗菌については全
く差がないようにみえるが、実際のカビの生え具合を比
較すると、サンプルの方がカビの繁殖は弱いことが観
察できる。このことから包装雰囲気調整機能だけでも菌
繁殖の抑止効果は若干はあるものと解される。しかし、
抗菌加工を施したサンプル，については８日目にカ
ビが生えたものがあるものの、そのカビの勢いはサンプ
ルやと比較すると全く異なり、抗菌作用が有効に働
いていることを窺わせるものである。
菌加工を施したサンプルについては６日間の菌発生抑止
効果が確認できた。８日間にわたって効果が維持できた
のは銀パウダーをコートしたサンプルであった。しか
し青果物の流通を考えると６日間の保存が保証できれば
実際上の問題はないであろう。また、包装雰囲気調整機
能をもったサンプルと現在一般に使用されている流通
ケースのサンプルはカビが生えた割合からみると６日
目に既にカビが生えたものがあって、抗菌については全
く差がないようにみえるが、実際のカビの生え具合を比
較すると、サンプルの方がカビの繁殖は弱いことが観
察できる。このことから包装雰囲気調整機能だけでも菌
繁殖の抑止効果は若干はあるものと解される。しかし、
抗菌加工を施したサンプル，については８日目にカ
ビが生えたものがあるものの、そのカビの勢いはサンプ
ルやと比較すると全く異なり、抗菌作用が有効に働
いていることを窺わせるものである。
【００１２】本発明にかかる抗菌機能を有する段ボール
の基本構成を図１に示す。ベースライナー11の一面すな
わち、収納する青果物に接する面に３重量％以上抗菌剤
を添加したＬＤＰＥをラミネートし、抗菌性樹脂層12と
したものを裏ライナー１として使用し、これに耐水性の
中芯２を耐水糊で貼着、更にベースライナー31の上に包
装雰囲気調整機能をもった樹脂層32と更にその上に印刷
面33が３層構造となった表ライナー３が耐水糊で上記中
芯２と貼着されている。なお、印刷面33は箱表面に鮮明
な印刷を施すために必要とされるのものであって、必須
ではない。この段ボールに収納される青果物は、包装雰
囲気調整機能をもった樹脂層32の作用により酸素と炭酸
ガスの透過性が一定の範囲に制限され、ガスの平衡状態
に達すると青果物の呼吸作用が抑制されるため代謝機能
が低下し鮮度が保持される上に、抗菌剤を添加したＬＤ
ＰＥをラミネートした裏ライナー１の作用により、菌付
着に起因する青果物の腐敗を押さえ、長期に亘る鮮度保
存が可能になった。
の基本構成を図１に示す。ベースライナー11の一面すな
わち、収納する青果物に接する面に３重量％以上抗菌剤
を添加したＬＤＰＥをラミネートし、抗菌性樹脂層12と
したものを裏ライナー１として使用し、これに耐水性の
中芯２を耐水糊で貼着、更にベースライナー31の上に包
装雰囲気調整機能をもった樹脂層32と更にその上に印刷
面33が３層構造となった表ライナー３が耐水糊で上記中
芯２と貼着されている。なお、印刷面33は箱表面に鮮明
な印刷を施すために必要とされるのものであって、必須
ではない。この段ボールに収納される青果物は、包装雰
囲気調整機能をもった樹脂層32の作用により酸素と炭酸
ガスの透過性が一定の範囲に制限され、ガスの平衡状態
に達すると青果物の呼吸作用が抑制されるため代謝機能
が低下し鮮度が保持される上に、抗菌剤を添加したＬＤ
ＰＥをラミネートした裏ライナー１の作用により、菌付
着に起因する青果物の腐敗を押さえ、長期に亘る鮮度保
存が可能になった。
【００１３】
【実施例１】コルゲートラインで段ボールの製造を実行
する前に、本発明に使用される裏ライナー１と表ライナ
ー３を予め製造しておく。本発明の主要機能を果たす裏
ライナー１は１７０ｇ／ｍ2 の原紙11に対し抗菌性樹脂
層12としてアモルデンＳＫ−３０Ｚを３重量％添加した
ＬＤＰＥをラミネートし、裏ライナー１を抗菌性樹脂膜
で被覆した構造にしたものである。このアモルデンＳＫ
−３０Ｚを３重量％添加したＬＤＰＥを作るにはまず、
アモルデンＳＫ−３０Ｚを２０重量％とするＬＤＰＥと
の混合ペレットのマスターバッチを製造し、この濃度の
高いマスターバッチと適量のＬＤＰＥとを混合して所望
の重量％（この場合は３重量％）の抗菌剤を含むＬＤＰ
Ｅシートを作る。それはこの抗菌剤とＬＤＰＥとの親和
性が良いとは言えないので、濃度的に均一化するために
この手順を踏むのである。この３重量％の抗菌剤を含む
ＬＤＰＥシートを１７０ｇ／ｍ2 の原紙上に重ね熱圧着
してラミネートし、本実施例の裏ライナー１として用い
る。続いて表ライナー３であるが、印刷用に晒し５０ｇ
／ｍ2 の白い紙の層33，包装雰囲気調整機能をもった厚
さ１５μｍのポリエチレン（ＥＡ４１５）の層32，Ｃ−
１７０のベースライナー31とで３層構造とされる。この
実施例では該３層構造は夫々のシートを３層に重ねた状
態で熱圧着してラミネートし、本実施例の表ライナー３
として準備する。
する前に、本発明に使用される裏ライナー１と表ライナ
ー３を予め製造しておく。本発明の主要機能を果たす裏
ライナー１は１７０ｇ／ｍ2 の原紙11に対し抗菌性樹脂
層12としてアモルデンＳＫ−３０Ｚを３重量％添加した
ＬＤＰＥをラミネートし、裏ライナー１を抗菌性樹脂膜
で被覆した構造にしたものである。このアモルデンＳＫ
−３０Ｚを３重量％添加したＬＤＰＥを作るにはまず、
アモルデンＳＫ−３０Ｚを２０重量％とするＬＤＰＥと
の混合ペレットのマスターバッチを製造し、この濃度の
高いマスターバッチと適量のＬＤＰＥとを混合して所望
の重量％（この場合は３重量％）の抗菌剤を含むＬＤＰ
Ｅシートを作る。それはこの抗菌剤とＬＤＰＥとの親和
性が良いとは言えないので、濃度的に均一化するために
この手順を踏むのである。この３重量％の抗菌剤を含む
ＬＤＰＥシートを１７０ｇ／ｍ2 の原紙上に重ね熱圧着
してラミネートし、本実施例の裏ライナー１として用い
る。続いて表ライナー３であるが、印刷用に晒し５０ｇ
／ｍ2 の白い紙の層33，包装雰囲気調整機能をもった厚
さ１５μｍのポリエチレン（ＥＡ４１５）の層32，Ｃ−
１７０のベースライナー31とで３層構造とされる。この
実施例では該３層構造は夫々のシートを３層に重ねた状
態で熱圧着してラミネートし、本実施例の表ライナー３
として準備する。
【００１４】これらの表ライナー３と裏ライナー１を段
ボールの製造を実行するコルゲートラインの裏ライナ
ー、表ライナーとしてセットし通常の段ボール製造と同
様にシングルフェーサー部で裏ライナー１と中芯２が接
着され、ダブルフェーサー部で更に表ライナー３が張ら
れて乾燥される。この段ボールシートはカットされ箱体
ブランクとなって箱体に形成された際、この箱体には表
ライナーにより包装雰囲気調整機能が付与されていると
共に、箱面内面部は抗菌作用を持つアモルデンＳＫ−３
０Ｚを３重量％添加したＬＤＰＥが被覆された形態とな
り、収納される青果物と接触するようになる。
ボールの製造を実行するコルゲートラインの裏ライナ
ー、表ライナーとしてセットし通常の段ボール製造と同
様にシングルフェーサー部で裏ライナー１と中芯２が接
着され、ダブルフェーサー部で更に表ライナー３が張ら
れて乾燥される。この段ボールシートはカットされ箱体
ブランクとなって箱体に形成された際、この箱体には表
ライナーにより包装雰囲気調整機能が付与されていると
共に、箱面内面部は抗菌作用を持つアモルデンＳＫ−３
０Ｚを３重量％添加したＬＤＰＥが被覆された形態とな
り、収納される青果物と接触するようになる。
【００１５】その例を図２に示す。段ボール箱５を組立
て、その中に井桁状に６個に仕切った仕切り紙６を入れ
る。この仕切り紙は同じ段ボールシートを裏ライナーが
表にくるように２つ折りに曲げて切込みを入れ井桁状に
組んだものを用いている。この仕切り紙６は小区画にモ
モなどの青果物７を１個づつ入れるが、青果物と抗菌シ
ートとの接触を促すだけでなく、その際互いに衝突して
傷めないためのクッションの作用も兼ねている。また、
従来の青果物収納段ボール箱の底板と仕切り紙として本
発明の抗菌性段ボールシートを使用することによって
も、同様の効果を奏することができる。その際底板は当
然に裏ライナーが上面にくるように敷くことになる。
て、その中に井桁状に６個に仕切った仕切り紙６を入れ
る。この仕切り紙は同じ段ボールシートを裏ライナーが
表にくるように２つ折りに曲げて切込みを入れ井桁状に
組んだものを用いている。この仕切り紙６は小区画にモ
モなどの青果物７を１個づつ入れるが、青果物と抗菌シ
ートとの接触を促すだけでなく、その際互いに衝突して
傷めないためのクッションの作用も兼ねている。また、
従来の青果物収納段ボール箱の底板と仕切り紙として本
発明の抗菌性段ボールシートを使用することによって
も、同様の効果を奏することができる。その際底板は当
然に裏ライナーが上面にくるように敷くことになる。
【００１６】
【実施例２】第２の実施例は、裏ライナー１を１７０ｇ
／ｍ2 の原紙11とゼオミックＭＪ３ＬＥを５重量％添加
したＬＤＰＥをラミネートした抗菌性樹脂層12で形成し
た点で先の実施例と相違し、表ライナー３と中芯２は実
施例１と同様とするものである。このゼオミックＭＪ３
ＬＥを５重量％添加したＬＤＰＥのシートは、やはり、
ゼオミックＭＪ３ＬＥを３０重量％添加したＬＤＰＥと
の混合ペレットのマスターバッチを製造し、この濃度の
高いマスターバッチと適量のＬＤＰＥとを混合して所望
の重量％（この場合は５重量％）の抗菌剤を含むＬＤＰ
Ｅシートを作る。また、ゼオミックスは無臭であるの
で、青果物の使用には特に有利である。
／ｍ2 の原紙11とゼオミックＭＪ３ＬＥを５重量％添加
したＬＤＰＥをラミネートした抗菌性樹脂層12で形成し
た点で先の実施例と相違し、表ライナー３と中芯２は実
施例１と同様とするものである。このゼオミックＭＪ３
ＬＥを５重量％添加したＬＤＰＥのシートは、やはり、
ゼオミックＭＪ３ＬＥを３０重量％添加したＬＤＰＥと
の混合ペレットのマスターバッチを製造し、この濃度の
高いマスターバッチと適量のＬＤＰＥとを混合して所望
の重量％（この場合は５重量％）の抗菌剤を含むＬＤＰ
Ｅシートを作る。また、ゼオミックスは無臭であるの
で、青果物の使用には特に有利である。
【００１７】
【実施例３】第３の実施例は裏ライナー１を２１０ｇ／
ｍ2 の原紙11上に銀パウダーを１５ｇ／ｍ2 の量コーテ
ィングした抗菌性樹脂層12で形成した点で先の実施例１
と相違し、表ライナー３と中芯２は実施例１と同様とす
るものである。このコーティング層は銀パウダーを溶融
したＬＤＰＥと混合撹拌し、上記原紙面に平方メートル
当たり１５ｇを塗布するものである。
ｍ2 の原紙11上に銀パウダーを１５ｇ／ｍ2 の量コーテ
ィングした抗菌性樹脂層12で形成した点で先の実施例１
と相違し、表ライナー３と中芯２は実施例１と同様とす
るものである。このコーティング層は銀パウダーを溶融
したＬＤＰＥと混合撹拌し、上記原紙面に平方メートル
当たり１５ｇを塗布するものである。
【００１８】
【発明の効果】本発明は、炭酸ガス、酸素そして水蒸気
に関し、適正な保存雰囲気を形成する性能を有する紙を
材料として使用した青果物保存用段ボール箱において、
青果物と直接接触する該段ボール箱内面に抗菌、抗カビ
剤をラミネートまたは塗布加工したライナーを使用する
ことを特徴とする青果物保存用段ボール箱であるから、
呼吸量の少ない状態のいわば青果物を休眠状態に成して
鮮度を保持させると共に、菌付着による腐敗進行を防ぐ
効果が相乗されることで、青果物の保存期間を長くする
ことが可能になった。
に関し、適正な保存雰囲気を形成する性能を有する紙を
材料として使用した青果物保存用段ボール箱において、
青果物と直接接触する該段ボール箱内面に抗菌、抗カビ
剤をラミネートまたは塗布加工したライナーを使用する
ことを特徴とする青果物保存用段ボール箱であるから、
呼吸量の少ない状態のいわば青果物を休眠状態に成して
鮮度を保持させると共に、菌付着による腐敗進行を防ぐ
効果が相乗されることで、青果物の保存期間を長くする
ことが可能になった。
【図１】本発明に用いられる段ボールシートの基本構造
を示す断面図。
を示す断面図。
【図２】本発明の段ボール箱にモモを収納した斜視図。
１ 裏ライナー ３ 表ライナー 11 ベースライナー 31 ベースライナー 12 抗菌性樹脂層 32 包装雰囲気調整機能
をもった樹脂層 ２ 中芯 33 印刷面 ４ 糊 ５ 抗菌性段ボール ６ 仕切り紙 ７ 青果物（モモ）
をもった樹脂層 ２ 中芯 33 印刷面 ４ 糊 ５ 抗菌性段ボール ６ 仕切り紙 ７ 青果物（モモ）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E035 AA11 AB01 BA01 BC01 BD02 3E067 AA11 AB08 AB09 BA06A BB02A BB14A BB26A BC06A CA04 CA05 CA06 EC35 EE34 EE35 FB12 GC05 GC08 GD01 3E096 AA09 BA27 CA03 CB03 CC01 DA01 DA14 EA01X FA08 FA14 GA03 GA09
Claims (6)
- 【請求項１】 炭酸ガス、酸素そして水蒸気に関し、適
正な保存雰囲気を形成する性能を有する紙を表ライナー
とし、抗菌、抗カビ剤を添加した樹脂をラミネートまた
は塗布加工したライナーを裏ライナーとした段ボールシ
ート。 - 【請求項２】 抗菌剤としてアモルデンＳＫ−３０Ｚ
（有機系抗菌剤）を採用した請求項１に記載の青果物保
存用段ボールシート。 - 【請求項３】 抗菌剤としてゼオミックＭＪ３ＬＥ（無
機系抗菌剤）を採用した請求項１に記載の青果物保存用
段ボールシート。 - 【請求項４】 抗菌剤として銀パウダーを採用した請求
項１に記載の青果物保存用段ボールシート。 - 【請求項５】 収納する青果物に接触可能なように箱体
内面が抗菌性樹脂層となるように請求項１乃至４に記載
の段ボールシートを使用することを特徴とする青果物保
存用段ボール箱。 - 【請求項６】 収納する青果物に接触する面が抗菌性樹
脂層となるように折り曲げた、請求項１乃至４に記載の
段ボールシートを使用した箱体仕切り紙。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31243599A JP2001130649A (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 抗菌加工した段ボールシート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31243599A JP2001130649A (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 抗菌加工した段ボールシート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001130649A true JP2001130649A (ja) | 2001-05-15 |
Family
ID=18029179
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31243599A Pending JP2001130649A (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 抗菌加工した段ボールシート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001130649A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103991622A (zh) * | 2014-05-29 | 2014-08-20 | 江苏益草堂石斛股份有限公司 | 一种铁皮石斛鲜条的保鲜装置 |
-
1999
- 1999-11-02 JP JP31243599A patent/JP2001130649A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103991622A (zh) * | 2014-05-29 | 2014-08-20 | 江苏益草堂石斛股份有限公司 | 一种铁皮石斛鲜条的保鲜装置 |
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