JP2001130129A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2001130129A
JP2001130129A JP31770899A JP31770899A JP2001130129A JP 2001130129 A JP2001130129 A JP 2001130129A JP 31770899 A JP31770899 A JP 31770899A JP 31770899 A JP31770899 A JP 31770899A JP 2001130129 A JP2001130129 A JP 2001130129A
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ink
layer
sizing
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ink jet
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JP31770899A
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Susumu Akashi
將 明石
Akihiko Sekiya
昭彦 関谷
Hiroyuki Osumi
博之 大角
Mitsuaki Yamamoto
満昭 山本
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク滲みを防止しかつインクジェットインク
またはインク溶媒の浸透を確実に防止する。 【解決手段】インクジェットインク受容層が、2層もし
くは3層以上の抄きあわせからなる多層紙支持体の少な
くとも片面の一部に形成されているインクジェット記録
用紙であって、当該インクジェット記録用紙のステキヒ
トサイズ度が13秒以上であり、前記インクジェットイ
ンク受容層に隣接する多層紙支持体の隣接層のステキヒ
トサイズ度(A)が、インクジェットインク受容層に隣
接しない多層紙支持体の高サイズ度層のステキヒトサイ
ズ度(B)に対し、(A)<(B)、の条件を満足する
インクジェット記録用紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印字後のインクジェッ
トインクまたはインク溶媒の浸透防止を図ったインクジ
ェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、静粛性が高
く、低価格のフルカラー印刷が可能であるなどの利点が
あるため、急速に普及しつつある。
【0003】このインクジェット記録用紙は、主として
紙などの支持体にインクジェットインク受容層を設けた
構成である。インクジェット記録方式による印刷におい
て、インクジェットインクおよびインク溶媒がインクジ
ェットインク受容層に浸透した後、支持体にも浸透し、
印刷後において、用紙裏面から印刷が判読可能になるイ
ンク浸透の問題が生じる。
【0004】この印刷後のインク浸透防止のために、
(1)支持体として紙を用いる場合には、サイズ度を上
げることで、インク溶媒を紙の裏面側まで浸透させない
ようにすることにより、インク溶媒を裏面まで到達させ
ないようにする方法、(2)支持体の裏面に印刷後のイ
ンク浸透防止層を形成する方法、(3)インクジェット
インク受容層と支持体の隣接面に印刷後のインク浸透防
止層を形成する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記(1)の
方法では、支持体に高価なサイズ剤を多量に必要とし、
インクの滲みが生じやすい、(2)の方法では、インク
浸透防止層を新たに設けるなど操業性が悪く、コストの
面から実質的に困難である。(3)の方法では、インク
ジェットインク、インク溶媒の浸透がインクジェットイ
ンク受容層に限られるため、インクジェットインクの滲
み、乾燥不良等の新たな問題を生じる。
【0006】したがって、本発明の課題は、特に水性イ
ンクを用いるインクジェット方式のプリンターにおい
て、インク滲みを防止しかつインクジェットインクまた
はインク溶媒の浸透を確実に防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、次の通りである。すなわち、インクジェットイン
ク受容層が、2層もしくは3層以上の抄きあわせからな
る多層紙支持体の少なくとも片面の一部に形成されてい
るインクジェット記録用紙であって、当該インクジェッ
ト記録用紙のステキヒトサイズ度が13秒以上であり、
前記インクジェットインク受容層に隣接する多層紙支持
体の層のステキヒトサイズ度(A)が、インクジェット
インク受容層に隣接しない多層紙支持体の高サイズ度の
層のステキヒトサイズ度(B)が下記条件を満足するこ
とを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【0008】(A)<(B) さらに好ましくは、前記インクジェットインク受容層に
隣接する多層紙支持体の隣接層のステキヒトサイズ度が
10秒以下であり、インクジェットインク受容層に隣接
しない多層紙支持体の層のステキヒトサイズ度が10秒
より高いことを特徴とするインクジェット記録用紙であ
る。
【0009】本発明におけるインクジェット記録用紙の
基本的構成は、図1に示すように、好ましくは多層紙支
持体のインクジェットインク受容層1に隣接する隣接層
2のインクジェットインク受容層非隣接面に、ステキヒ
トサイズ度が隣接層2より高いステキヒトサイズ度を有
し、好ましくは、10秒より高い高サイズ度層3を設
け、多層紙支持体の坪量81.4g/m2におけるステ
キヒトサイズ度が13秒以上となるよう構成したもので
ある。
【0010】本発明においては、好ましくは、多層紙支
持体の隣接層2のインクジェットインク受容層非隣接面
に、本発明に係る印刷後のインク浸透を防止する高サイ
ズ度の高サイズ度層3を抄きあわせして得られる。印刷
後のインク浸透を防止する高サイズ度層3と、隣接層2
のステキヒトサイズ度を(A)<(B)の条件にするこ
とで、インクジェットインク受容層で吸収しきれないイ
ンクジェットインクまたは、インク溶媒を隣接層2が選
択的に吸収し裏面へのインク浸透を防止する。高サイズ
度層3と隣接層2を抄きあわせし、インクジェットイン
ク受容層1を塗工して、本発明に係るインクジェット記
録用紙を形成する。
【0011】インクジェットインク受容層1は、図2に
示すように、最表面側の第1受容層1Aと多層紙支持体
側の第2受容層1Bとに分離して形成することもでき
る。受容層を多層構成とすることで、例えば第1受容層
1Aにインク定着、第2受容層1Bにインク溶媒吸着等
の特性を付与可能になり、インクジェット用紙の品質を
より向上できる。
【0012】本発明に係る印刷後のインク浸透を防止す
る高サイズ度層3は、図3に示すように、多層紙支持体
1の隣接層2または背面層4との間に層として形成する
ほか、図4に示すように、隣接層2または背面層4との
間の中間層5の隣接面に高サイズ度層3A、高サイズ度
層3Bに設けることもできる。二つ以上の層からなる高
サイズ度層を形成する場合、コスト、操業性の面では不
利であるが、表裏面にインクジェットインク受容層を設
ける場合、特に有効である。中間層5のステキヒトサイ
ズ度は特に規定しないが、背面層4のステキヒトサイズ
度は10秒以下が好ましい。
【0013】また、高サイズ度層3の全体または図5に
示すように、高サイズ度層3の一部(仮想線で区切った
部分)のみに、抄きあわせ工程で部分的にサイズ剤を含
有させた高サイズ度のサイズ剤処理部6を得ることもで
きる。
【0014】本発明に係る印刷後のインク浸透を防止す
るサイズ剤としては、中性抄紙用として用いられる強化
ロジンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、エマルジョン型
ロジンサイズ剤、アルケニルコハク酸型合成サイズ剤、
更に中性抄紙用としてのアルキルケテンダイマー、アル
ケニル無水コハク酸等の反応性サイズ剤や自己定着型の
カチオン性樹脂サイズ剤等の一般的なサイズ剤のほか
に、カチオン性ポリマーもサイズ剤の代替として使用す
ることができる。サイズ剤の添加量としては、微量であ
ることが好ましく多層紙支持体のパルプ繊維100部に
対し0.01部〜2.5部の範囲で添加されることが望
ましい。
【0015】カチオン性ポリマーはパルプ繊維100部
に対し0.01部〜5部添加されることが望ましい。な
おカチオン性ポリマーとしてはポリエチレンイミン、ポ
リジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリアル
キレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム縮合
物、ポリビニールピリジウムハライド、(メタ)アクリ
ル酸アルキル4級アンモニウム塩、(メタ)アクリルア
ミドアルキル4級アンモニウム塩、ω−クロロ−ポリ
(オキシエチレン−ポリメチレン−アルキル4級アンモ
ニウム塩)、ポリビニールベンジルトリメチルアンモニ
ウム塩等を挙げることができる。
【0016】これらカチオン性サイズ剤やカチオン性ポ
リマーには、インクジェットインクの捕捉剤としての働
きがあるとともに、アニオン性塗料と組合せた場合、多
層紙支持体中でカチオン性ポリマーとアニオン性塗料が
反応し不溶化するので前記高サイズ度層はインクジェッ
トインク浸透阻止効果を発現する。かかるインクジェッ
ト記録用紙の特徴はインク量の多いプリンタ等のインク
ジェットインク吸収性を改善しかつインクジェットイン
クのインク浸透の点で優れた効果を有するものとなる。
【0017】上記サイズ剤は単独で用いるほか、二種以
上を併用することにより本発明の効果を一層発揮でき、
さらに紙力も向上する。
【0018】高サイズ度層3の役割の第1は、インクジ
ェット記録が記録用紙に施された時に、インクジェット
インクまたはインク溶媒が裏面から透き通って見えるイ
ンク浸透を抑えることである。役割の第2はインクジェ
ットインクまたはインク溶媒が多層紙支持体をしみ通っ
て裏面に達してしまう滲み出しが生じないようにインク
ジェットインクまたはインク溶媒の浸透を防止すること
である。すなわち、インクジェットインク受容層1を浸
透して多層紙支持体に達したインクジェットインク、イ
ンク溶媒が多層紙支持体を更に深くかつ急速に浸透する
ことを、隣接層では速やかに行いながら、高サイズ度層
3で防ぐことが主たる機能である。従って高サイズ度層
3の具備すべき性質としては、インクジェットインク、
インク溶媒の浸透を阻止するサイズ度が重要であり、J
IS P 8122で測定したインクジェットインク受
容層に隣接する層のステキヒトサイズ度(A)と隣接し
ない多層紙支持体の層のステキヒトサイズ度(B)と
が、(A)<(B)の条件にあり、坪量81.4g/m
2におけるインクジェット記録用紙ステキヒトサイズ度
が13秒以上である。より好ましくは、インクジェット
インク受容層に隣接する層のステキヒトサイズ度が10
秒未満であり、隣接しない多層紙支持体の層のステキヒ
トサイズ度が10秒より高いことを特徴とするインクジ
ェット記録用紙であれば、裏面へのインクの浸透を多層
紙支持体中で押さえられる結果、インクジェットインク
の浸透、インクジェットインクまたはインク溶媒の滲み
を改善することができる。
【0019】本発明における多層紙支持体の抄きあわ
せ、構成素材としては、公知の紙、合成紙、プラスチッ
クフィルムなどを組み合わせることで使用できるが、本
発明の効果が顕著に現れるのは紙である。
【0020】本発明において多層紙支持体の抄き合わせ
例としては、隣接層、高サイズ度層、背面層、中間層等
各層の紙料をそれぞれ用意し、例えば円網型のバット
式、サクションフォーマー、ウルトラフォーマーなどの
抄紙機や、長網型等従来公知の抄紙機により行なうこと
ができる。本発明では、これら抄紙機を用いて多層紙支
持体を構成する前記各層を抄き合わせた多層形態の多層
紙支持体を構成した後、多層紙支持体の印刷面側にイン
クジェットインク受容層を塗工することで、インクジェ
ットインクのインク浸透が全くない極めて優れたインク
ジェット記録用紙を得る。
【0021】インクジェットインク受容層としては、樹
脂と充填剤とから構成され、少なくとも一方が親水性と
される。親水性の樹脂としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルヒドリン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アクリルアミドなどを挙げることができ、充填剤が
疎水性の場合には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0022】充填剤としては、シリカ、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸カルシウム、合
成ゼオライト、酸化亜鉛などの無機充填剤の他、尿素系
樹脂、ポリスチレン系樹脂などの有機充填剤、などの白
色または無色透明のものを用いることができる。
【0023】受容層を形成する場合には、前記の樹脂と
充填剤とを、適当な溶媒に溶解または分散させた塗工液
を、ロールコーティング、ロッドバーコーティング、ス
プレーコーティング、エアーナイフコーティング、ブレ
ードコーティングなどの公知の塗工方法によって形成で
きる。
【0024】
【実施例】以下本発明の効果を実施例により明らかにす
る。尚、以下の実施例において部及び%は、断わらない
限り固形分重量部及び固形分重量%を示す。
【0025】実施例1 本実施例の記録シートは、第1図の構造を有するもので
ある。隣接層2の原料パルプとしてフリーネス(C.
S.F)370mlのLBKP85部、フリーネス
(C.S.F)440mlのNBKP15部を混合使用
し、これに填料として軽質炭酸カルシウム(BET比表
面積80m2/g、品名:ジェットコート30)20部
を添加した多層紙支持体用スラリーを用意した。一方、
高サイズ度層3の原料パルプとしてフリーネス350m
lのLBKP100部、填料として軽質炭酸カルシウム
(TP−121、奥多摩工業社製)10部、内添サイズ
剤アルキルケテンダイマー(荒川化学社製)0.1部を
混合して高サイズ度層スラリーとした。これら2つの原
料が全く混じりあわないように隣接層42g/m2、高
サイズ度層32g/m2に調整して、両層を湿紙の状態
で重ね合わせて全体として坪量74g/m2の2層抄き
の多層紙支持体を円網長網コンビの多層抄紙機により得
た。この多層紙支持体の隣接層2の印刷記録面側にイン
クジェットインク受容層1を設けた。インクジェットイ
ンク受容層1は、合成非晶質シリカ(ミズカシルP−7
8A: 水澤化学社製)100部、ポリビニルアルコール
固型分濃度10%(r−1130:クラレ社製)500
部、カチオン性染料定着剤固型分濃度30%(スミレー
ズレジン1001:住友化学工業社製)80部を配合し
た塗工液(固型分濃度15%)をエアーナイフコーター
で塗工量10g/m2となるように塗工して、スーパー
カレンダー仕上げをして実施例1のインクジェット記録
用紙を作成した。
【0026】実施例2 実施例1の内添サイズ剤の添加量を0.2部とした以外
は同様の方法で実施例2のインクジェット記録用紙を得
た。
【0027】実施例3 実施例1の内添サイズ剤の添加量を0.05部とした以
外は同様の方法で実施例3のインクジェット記録用紙を
得た。
【0028】実施例4 実施例1の内添サイズ剤を、ポリエチレンイミン第4級
アンモニウム塩10部とした以外は同様の方法で実施例
4のインクジェット記録用紙を得た。
【0029】実施例5 実施例1と同様の方法で隣接層スラリーを調整した、こ
のスラリーから角型手抄き試験器(東西精器社製)を用
いて42g/m2の湿紙の隣接層シートを得て、プレス
脱水前の状態に保った。実施例1の高サイズ度層スラリ
ーの調整において、サイズ剤を添加しない高サイズ度層
用のスラリーを調整し、このスラリーから角型手抄き試
験器(東西精器社製)を用いて32g/m2の湿紙の背
面層シートを得て、プレス脱水前の状態に保ち、ハンド
スプレーにて隣接層との抄きあわせ面に、カチオン性サ
イズ剤(ポリフィックス601、昭和高分子社製)を
0.02部塗布しサイズ剤処理部を形成した。これら2
つの層が全く混じりあわないように、両層を湿紙の状態
で重ね合わせて全体として坪量74g/m2の2層抄き
の多層紙支持体を得た。この多層紙支持体の隣接層2の
印刷記録面側にインクジェットインク受容層1を設け
た。インクジェットインク受容層は、合成非晶質シリカ
(ミズカシルP−78A: 水澤化学社製)100部、ポ
リビニルアルコール固型分濃度10%(r−1130:
クラレ社製)500部、カチオン性染料定着剤固型分濃
度30%(スミレーズレジン1001:住友化学工業社
製)80部を配合した塗工液(固型分濃度15%)をエ
アーナイフコーターで塗工量10g/m2となるように
塗工して、スーパーカレンダー仕上げをして実施例5の
インクジェット記録用紙を作成した。
【0030】比較例1 隣接層2の原料パルプとしてフリーネス(C.S.F)
370mlのLBKP85部、フリーネス(C.S.
F)440mlのNBKP15部を混合使用し、これに
填料として軽質炭酸カルシウム(BET比表面積80m
2/g、品名:ジェットコート30)20部を添加した
隣接層用スラリーを用意した。一方、高サイズ度層3の
原料パルプとしてフリーネス350mlのLBKP10
0部、填料として軽質炭酸カルシウム(TP−121、
奥多摩工業社製)10部を混合し、サイズ剤を添加しな
い高サイズ度層スラリーとした、これら2つの原料が全
く混じりあわないように隣接層42g/m2、高サイズ
度層32g/m2に調整して、両層を湿紙の状態で重ね
合わせて全体として坪量74g/m2の2層抄きの多層紙
支持体を円網長網コンビの多層抄紙機により得た。この
多層紙支持体の隣接層2の印刷記録面側にインクジェッ
トインク受容層1を設けた。インクジェットインク受容
層は、合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78A: 水澤
化学社製)100部、ポリビニルアルコール固型分濃度
10%(r−1130:クラレ社製)500部、カチオ
ン性染料定着剤固型分濃度30%(スミレーズレジン1
001:住友化学工業社製)80部を配合した塗工液
(固型分濃度15%)をエアーナイフコーターで塗工量
10g/m2となるように塗工して、スーパーカレンダ
ー仕上げをして比較例1のインクジェット記録用紙を作
成した。
【0031】比較例2 比較例1の隣接層スラリーのみを用い、坪量81.4g
/m2単一層の多層紙支持体を作成した以外は、比較例
1と同様にして比較例2のインクジェット記録用紙を作
成した。
【0032】比較例3 比較例1と同様の方法で隣接層スラリーを調整した、こ
のスラリーから角型手抄き試験器(東西精器社製)を用
いて42g/m2の湿紙の隣接層シートを得て、プレス
脱水前の状態に保った。実施例1の高サイズ度層スラリ
ーの調整において、サイズ剤を添加しない高サイズ度層
用のスラリーを調整し、このスラリーから角型手抄き試
験器(東西精器社製)を用いて32g/m2の湿紙の背
面層シートを得て、プレス脱水前の状態に保ち、これら
2つの層が全く混じりあわないように、両層を湿紙の状
態で重ね合わせて全体として坪量74g/m2の2層抄き
の多層紙支持体を得た。更に、ハンドスプレーにて隣接
層とインクジェットインク受容層の塗工面側隣接層に、
カチオン性サイズ剤(ポリフィックス601、昭和高分
子製)を0.02部塗布し多層紙支持体を得た。この多
層紙支持体の隣接層2の印刷記録面側にインクジェット
インク受容層1を設けた。インクジェットインク受容層
は、合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78A: 水澤化
学社製)100部、ポリビニルアルコール固型分濃度1
0%(r−1130:クラレ社製)500部、カチオン
性染料定着剤固型分濃度30%(スミレーズレジン10
01:住友化学工業社製)80部を配合した塗工液(固
型分濃度15%)をエアーナイフコーターで塗工量10
g/m2となるように塗工して、スーパーカレンダー仕
上げをして比較例3のインクジェット記録用紙を作成し
た。
【0033】このようにして得た実施例及び比較例のイ
ンクジェット用記録シートの特性を下記の方法で試験し
評価した。評価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】(1)記録濃度:キャノンフルカラープリ
ンタBJF600を温度20℃、湿度20%条件下で使
用して4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)
のベタ記録(大きさ3.0cm×3.0cm)を行な
い、印字後30分経過後のインク浸透が安定した状態で
記録部分をマクベス濃度計(RD915)にて記録濃度
を測定した。表には4色の測定値の合計を示し、3.3
以上を良とした。 (2)インク浸透:記録濃度測定に用いた記録サンプル
の記録部の裏側を、目視により評価を行なった。 評価A−インクのインク浸透は無い。 評価B−インクのインク浸透がややみられる。 評価C−インクのインク浸透とインクの浸み通しがあ
る。 評価D−インクのインク浸透が大きい。 (3)にじみ:キャノンフルカラープリンタBJF60
0を温度20℃、湿度20%条件下で使用して3原色
(シアン、マゼンタ、イエローの各インク)の重ね色で
つくる赤、緑、紫をそれぞれ交互にベタ記録(大きさ
3.0cm×3.0cm)を連続して記録し、印字後3
0分経過後のインク浸透が安定した状態で隣接するイン
クジェットインクが互いにもしくは片側ににじみだしを
生じた度合を評価した。 評価A−インクのにじみは全く無い。 評価B−インクのにじみが若干見られる。 評価C−インクのにじみがはっきりとある。 (4)ステキヒトサイズ度:実施例、比較例にて調整し
たインクジェットインク受容層塗工前の多層紙支持体を
温度20℃、湿度20%条件下で測定した。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、微粒子
充填剤が含有されたインクジェットインク受容層が、多
層紙支持体用紙の少なくとも片面の一部に形成されてい
るインクジェット記録用紙において、前記多層紙支持体
が2層もしくは3層以上の抄きあわせからなる多層紙で
あって、受容層と隣接しない多層紙支持体の層にステキ
ヒトサイズ度が10秒より高い高サイズ度層が設けら
れ、坪量81.4g/m2におけるインクジェット記録
用紙ステキヒトサイズ度が13秒以上とすることによ
り、従来のパルプ繊維等で構成する単一シートのインク
ジェット記録シートでは得られなかった、インクの十分
な吸収性とインクのインク浸透の問題をを同時に解決す
るという課題を克服することができた。更に、波及効果
として多量のインクの吸収により繊維の膨潤収縮により
生ずる記録シートの吸収シワの減少、また記録濃度など
の記録特性の点でも大いに向上した。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は、本発明のインクジェット記録用紙の断面
図である。
【図1】本発明による、2層抄きあわせインクジェット
記録用紙断面図である。
【図2】本発明による、2層抄きあわせインクジェット
記録用紙の他の断面図である。
【図3】本発明による、3層抄きあわせインクジェット
記録用紙断面図である。
【図4】本発明による、5層抄きあわせインクジェット
記録用紙断面図である。
【図5】本発明による、部分的にサイズ剤処理部を有す
るインクジェット記録用紙断面図である。
【符号の税明】
1…インクジェットインク受容層、2…隣接層、3…高
サイズ度層、4…背面層、5…中間層、6…サイズ剤処
理部
フロントページの続き (72)発明者 山本 満昭 愛媛県伊予三島市紙屋町5番1号 大王製 紙株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA21 4L055 AJ01 BD16 EA10 FA15 FA17 GA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェットインク受容層が、2層もし
    くは3層以上の抄きあわせからなる多層紙支持体の少な
    くとも片面の一部に形成されているインクジェット記録
    用紙であって、当該インクジェット記録用紙のステキヒ
    トサイズ度が13秒以上であり、前記インクジェットイ
    ンク受容層に隣接する多層紙支持体の隣接層のステキヒ
    トサイズ度(A)が、インクジェットインク受容層に隣
    接しない多層紙支持体の層のステキヒトサイズ度(B)
    に対し下記条件を満足することを特徴とするインクジェ
    ット記録用紙。 (A)<(B)
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