JP2001129949A - 白色積層ポリエステル系フィルム - Google Patents

白色積層ポリエステル系フィルム

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JP2001129949A
JP2001129949A JP31133999A JP31133999A JP2001129949A JP 2001129949 A JP2001129949 A JP 2001129949A JP 31133999 A JP31133999 A JP 31133999A JP 31133999 A JP31133999 A JP 31133999A JP 2001129949 A JP2001129949 A JP 2001129949A
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Mutsuo Nishi
睦夫 西
Koji Yamada
浩二 山田
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Yasushi Sasaki
靖 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隠蔽性と白色性に優れかつ良好な耐候性能を
有する、情報記録・印刷材料として好適な白色ポリエス
テル系フィルムを提供する。 【解決手段】 平均粒径0.1〜1.0μmのアナター
ゼ型二酸化チタン粒子と蛍光増白剤を含有する層(A
層)を少なくとも一方の表面に積層したポリエステル系
フィルムであって、前記二酸化チタン粒子の含有量
(a:重量%)と前記蛍光増白剤の含有量(b:重量
%)が下記(1)式及び(2)式を満足することを特徴
とする白色積層ポリエステル系フィルム。 a<b×200<a+80 …(1) 6≦a≦45 …(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系樹
脂よりなる白色フィルムに関する。より詳しくは、隠蔽
性、白色性に優れかつ良好な耐候性能を有する、情報記
録・印刷材料として好適な白色積層ポリエステル系フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べ、耐水性、吸湿寸法安定性、表
面安定性、機械的強度などに優れている。近年、これら
の長所を活かした用途展開がすすめられている。合成紙
の主原料としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リスチレンなどが用いられているが、この中でもポリエ
チレンテレフタレ−トを代表とするポリエステルフィル
ムは、耐熱性、印刷の光沢性と鮮明性、腰の強さの点で
優れており、印刷材料や情報記録材料としての使用範囲
を拡大しつつある。
【0003】このポリエステルフィルムを紙代替物とし
て使用する際、必要となる白色性と隠蔽性を付与するた
めの方法として、フィルム中に微細空洞を分散させる方
法と白色顔料を添加する方法が検討されてきた。例え
ば、特開平9−31229号公報では、微細空洞の分散
により白色性・隠蔽性を付与したフィルムを記録材料と
しての利用することが検討されている。しかし、この方
法により白色性や隠蔽性を付与されたフィルムにおいて
は、空洞の存在に起因する強度低下やしわの発生といっ
た機械的性能の低下が避けられず、その空洞含有量には
自ずと上限があった。このため、この方法により得られ
るフィルムで上記用途に用いるに十分な白色性や隠蔽性
を有したものは得られておらず、白色顔料を添加する方
法との併用が必要であった。
【0004】白色顔料を添加して隠蔽性を付与する方法
として、例えば特開平8−244188号公報などで
は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタンなど
の白色顔料をフィルム中に含有させている。しかしなが
ら、炭酸カルシウムや硫酸バリウムは基材ポリエステル
との屈折率差が小さいため、十分な隠蔽力を発揮させる
には多量の粒子を添加せざるをえなかった。このため、
コストの上昇やフィルム強度の低下などの問題点が未解
決であり、未だ十分なものが得られていない。これに対
して、二酸化チタンは高い屈折率を有するため、フィル
ム中に少量含有させることにより高い隠蔽性を発現させ
ることが可能であり、二酸化チタンの使用が広く検討さ
れている。しかしながら、近年、情報記録・印刷材料と
しての用途が拡大するにつれて、より白色度の高い合成
紙の需要が増しており、白色顔料のみの添加では十分な
白色度を得るには不充分となってきた。
【0005】この解決策として、白色顔料と蛍光増白剤
を同時に添加する方法が検討されている。一般に、この
用途に用いられる二酸化チタンとしては、ルチル型及び
アナターゼ型の二種類が検討されている。しかし、強い
光触媒作用をもつアナターゼ型二酸化チタンは、紫外線
暴露の環境下で蛍光増白剤を急激に劣化させるため、長
時間の掲示などの後には著しく黄変して見えるという問
題点があった。現在、他の無機粒子などにより二酸化チ
タン粒子に表面処理を施すことで光触媒作用の軽減が図
られているが、この処理に伴う白色度の低下などによ
り、未だ十分な性能を有するものが得られていないのが
現状である。一方、ルチル型二酸化チタンは光触媒作用
が弱いため耐候性が問題とならない反面、紫外光を強く
吸収するという特有の性質があり、蛍光増白剤の効果を
著しく阻害して白色度が得られないという問題があっ
た。このように従来技術においては、情報記録材料とし
て十分な白色性と隠蔽性を持ち、なおかつ十分な耐候性
能を備えた白色ポリエステルフィルムは得られていなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解消し、隠蔽性と白色性に優れかつ良
好な耐候性能を有する、情報記録・印刷材料として好適
な白色ポリエステル系フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する
ことができた白色積層ポリエステル系フィルムとは下記
の通りである。 1.平均粒径0.1〜1.0μmのアナターゼ型二酸化
チタン粒子及び蛍光増白剤を含有する層(A層)を少な
くとも一方の表面に積層したポリエステル系フィルムで
あって、前記二酸化チタン粒子の含有量(a:重量%)
と前記蛍光増白剤の含有量(b:重量%)が下記(5)
式及び(6)式を満足することを特徴とする白色積層ポ
リエステル系フィルム。 a<b×200<a+80 …(5) 6≦a≦45 …(6) 2.A層を除く各層の少なくとも一層(B層)が二酸化
チタン粒子を1〜50重量%含有することを特徴とする
前記1記載の白色積層ポリエステル系フィルム。 3.白色度(b0)及び耐候性(Δb)が下記(7)式
及び(8)式を満足することを特徴とする前記1または
2記載の白色積層ポリエステル系フィルム。 −6.0≦b0≦−2.0 …(7) Δb≦3.5 …(8) (ここで、白色度(b0)とは色差計により測定したフ
ィルムのb値(黄色味の尺度)であり、耐候性(Δb)
とはフィルムを耐候性加速処理した後のb値から処理前
のb値(b0)を減じた差の値である。) 4.前記フィルムの見かけ比重が1.4以上であること
を特徴とする前記1乃至3記載の白色積層ポリエステル
フィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルと
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1, 4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコ
ールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。
これらのポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコ
ールとを直接エステル化反応させた後重縮合させる方法
のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリ
コールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、
あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを
重縮合させるなどの方法によって製造することができ
る。かかるポリエステルの代表例として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート
あるいはポリエチレン−2, 6−ナフタレートなどが挙げ
られる。このポリエステルはホモポリマーであってもよ
く、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれ
にしても本発明においては、エチレンテレフタレート単
位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−
2,6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましく
は80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であ
るポリエステルが好ましい。
【0009】本発明で蛍光増白剤とともにA層中に含有
されるアナターゼ型二酸化チタン粒子の含有量は、A層
を構成する全成分に対して、6〜45重量%であること
が必要であり、9〜30重量%が好ましく、特に好まし
くは12〜25重量%である。A層中のアナターゼ型二
酸化チタン粒子の含有量が6重量%未満では、フィルム
の光線透過率が大きくなり、十分な隠蔽効果が得られな
いため好ましくない。一方、A層中のアナターゼ型二酸
化チタン粒子の含有量が45重量%を超えると、その紫
外線吸収効果により、蛍光増白剤が効果を発揮するに必
要な紫外線を吸収し、蛍光増白効果を著しく阻害して白
色度が低下するため好ましくない。
【0010】本発明において、A層中のアナターゼ型二
酸化チタン粒子の平均粒径は0.1〜1.0μmである
ことが必要であり、0.2〜0.5μmが好ましい。上
記粒子の平均粒径が0.1μm未満では、可視光領域に
おける光散乱能が十分でなく、要求される白色性・隠蔽
性を発揮するためには多量の粒子の添加が必要となるた
め好ましくない。一方、上記粒子の平均粒径が1.0μ
mを超えると、アナターゼ型二酸化チタン自身の色相が
フィルムに現れ、粒子の光散乱による白色性に勝って着
色するため好ましくない。
【0011】また、積層フィルム中の各層には、隠蔽性
などをさらに向上させるため無機または有機の粒子を必
要に応じて含有させてもよい。ただし、蛍光増白剤含有
層(A層)中に前記粒子を含有させる場合は、本発明の
効果を阻害しないことが必要である。本発明で使用可能
な粒子としては、上記二酸化チタンと同種または異種の
二酸化チタンのほか、シリカ、カオリナイト、タルク、
炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫化亜鉛、有機白色
顔料等が例示されるが、特に限定されるものではない。
【0012】本発明の白色積層フィルムにおいて、蛍光
増白剤を含有する層(A層)を除く各層のうちの少なく
とも一層(B層)に、その層を構成する成分に対する含
有量が1〜50重量%となるよう二酸化チタン粒子を含
有していることが好ましい。このB層中の二酸化チタン
粒子の含有量が1重量%未満では、フィルムの隠蔽性が
不十分となりやすくなる。一方、その含有量が50重量
%を超える場合には、フィルムの機械的強度が著しく低
下し、延伸時に破断が多発して生産性を著しく低下させ
る傾向がある。ここで、B層に含有させる二酸化チタン
は、アナターゼ型であってもルチル型であっても構わな
いが、平均粒径が0.1〜1.0μmの範囲であること
が好ましく、0.2〜0.5μmであることがより好ま
しい。また、この二酸化チタン粒子には、光触媒作用を
抑制するための表面処理を施してあることが好ましい
が、この処理の有無については本発明において特に限定
されるものではない。
【0013】本発明で、アナターゼ型二酸化チタン粒子
と蛍光増白剤を含有するポリエステル層(A層)におけ
る、アナターゼ型二酸化チタン粒子の含有量(a重量
%)と蛍光増白剤の含有量(b重量%)は、a<b×2
00<a+80なる関係式を満足する必要がある。蛍光
増白剤の含有量がこの関係式の下限未満では、蛍光の発
光量が少なくなり反射光の青み成分が減少する。その結
果、フィルムが黄味を帯び、十分な白色度が得られなく
なるため好ましくない。また、上記蛍光増白剤の含有量
が上記関係式の上限を超えると、紫外線照射や高温高湿
の条件下で蛍光増白剤が変成した際の変色が顕著にな
り、フィルムの耐候性が低下するため好ましくない。
【0014】本発明の白色積層ポリエステル系フィルム
の製造方法は任意であり、特に制限されるものではない
が、例えば前述の組成からなる混合物を溶融させフィル
ム状に共押出し成形して未延伸積層フィルムとした後、
この未延伸積層フィルムを延伸するという一般的な方法
を用いることが出来る。
【0015】未延伸フィルムを延伸・配向処理する条件
は、フィルムの物性と密接に関係する。以下では、最も
好適な逐次二軸延伸方法、特に未延伸シートを長手方向
次いで幅方向に延伸する縦・横逐次二軸延伸方法を例に
とり、延伸・配向条件を説明する。まず、第一段の縦延
伸工程では、周速が異なる2本あるいは多数本のロール
間で延伸する。このときの加熱手段としては、加熱ロー
ルを用いる方法でも非接触の加熱方法(例えば、赤外線
ヒーターなど)を用いる方法でもよく、それらを併用し
てもよい。次いで、縦一軸延伸フィルムをテンターに導
入し、幅方向にポリエステルの融点Tm−10℃以下の
温度で2.5〜5倍に延伸した後熱処理を行い、必要に
応じて緩和処理を施す。熱処理はテンター中で行うのが
好ましく、ポリエステルの融点Tm−50℃〜Tmの範
囲で行うのが好ましい。
【0016】このようにして得られた白色積層ポリエス
テル系フィルムは、二酸化チタンによる高い隠蔽性と二
酸化チタン・蛍光増白剤による高い白色性を備えつつ、
紫外線や高温高湿条件に暴露された際にも優れた耐候性
を有している。
【0017】得られた白色積層ポリエステル系フィルム
の白色度(色差b0)は、−6.0≦b0≦−2.0なる
関係式を満足することが好ましく、特に好ましくは−
5.0≦b0≦−3.5なる関係式を満足することであ
る。白色度(b0)とは色差計により測定したフィルム
のb値(黄色味の尺度)であり、この値が大きいほど黄
色味が強くなる。白色度はフィルム中の二酸化チタン及
び蛍光増白剤の含有量により、コントロールすることが
できる。白色度b0が−6.0未満では青みが強くな
り、フィルム表面に印刷等を施した場合に、青みを帯び
た発色となり適正な色味を得られ難くなるため好ましく
ない。一方、b0が−2.0を超えた場合には、紫外線
照射や高温高湿下での使用により黄変が進行した後の黄
味が強くなり、同様に適正な発色が得られ難くなるため
好ましくない。
【0018】本発明の白色積層ポリエステル系フィルム
において、耐候性(Δb)とはフィルムを耐候性加速処
理した後のb値から処理前のb値(b0)を減じた差の
値である。耐候性(Δb)は3.5以下であることが好
ましく、A層中に含有するアナターゼ型二酸化チタン及
び蛍光増白剤の含有量により調整することができる。Δ
bが3.5を超えると、紫外線照射や高温高湿下での使
用により黄変が進行した際に目視で明確に変色が識別で
きるようになり、十分な耐候性が得られなくなるため好
ましくない。
【0019】また、本発明の積層白色ポリエステル系フ
ィルムにおいて、そのいずれか一方または両方の表面に
塗布層を有していても構わない。塗布層を設けることに
より、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着性を
改善することができる。塗布層を構成する化合物として
は、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル
系樹脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を向
上させる手段として開示されている化合物等が適用可能
である。
【0020】塗布層を設ける方法としては、グラビアコ
ート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコ
ート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方
式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式な
ど通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階
としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦一軸延
伸後に塗布する方法、二軸延伸フィルムの表面に塗布す
る方法などのいずれの方法も可能である。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。ま
ず本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0022】(1)ポリエステルの固有粘度 フェノール60重量%とテトラクロロエタン40重量%
の混合溶媒に、ポリエステルを溶解し、30℃にて測定
した。
【0023】(2)平均粒径 ミクロトームでフィルムを切断し、フィルム切断面にお
ける粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−35
00)で10,000倍に拡大して写真撮影した後、ト
レーシングフィルムに該粒子をトレースして塗りつぶし
た。このトレース像をイメージスキャナー(セイコーエ
プソン(株)製、GT−8000)で読み取り、得られ
た画像をパーソナルコンピューター(マッキントッシュ
製)のソフトウェアー(Adobe Photoshop TM 2.5J)に
取り込んだ後、該ソフトウェアー(Ultimage TM/242.1.
1)にて画像解析を行い、平均粒径を算出した。
【0024】(3)厚みと見かけ比重 フィルムを5.00cm四方の正方形に4枚切り出して
試料とした。これを4枚重ねにして、その厚みをマイク
ロメーターにより場所を変えて10点を有効数字4桁で
測定し、重ね厚みの平均値を求めた。この平均値を4で
除して有効数字3桁に丸め、一枚あたりの平均厚み
(t:μm)とした。次に、同試料4枚の重量(w:
g)を有効数字4桁で自動上皿天秤を用いて測定し、下
記式より見かけ比重を求めた。なお見かけ比重は有効数
字3桁に丸めた。 見かけ比重(g/cm3)=(w×104)/(5.00
×5.00×t×4)
【0025】(4)白色度 日本電色製色差計(Z-1001DP)を用いて色差を測定し
た。フィルムの白色度はb値(b0)を用いて評価し
た。この値が大きいほど黄色味が強いことを示す。
【0026】(5)隠蔽性 日本電色製濁度計(NDH-1001DP)を用いて、厚さ100
μmのフィルムの全光線透過率を測定した。この値が小
さいほど隠蔽性が高いとした。
【0027】(6)耐候性 東洋精機製加速試験機アトラスユブコンUC-1を用いて、
63℃±3℃で4時間の紫外線照射及び室温で4時間の
加湿を3サイクル行い加速処理とした。加速処理後、上
記(4)に記載の方法でb値(b1)の測定を行った。
加速処理後の白色度(b1)から処理前の白色度(b0
を減じた差の値(Δb)を求めて加速試験による黄変度
とし、Δbの値が小さいほど耐候性が良好と判断した。
【0028】〔実施例1〕 (マスターペレットの調整)原料として、常法により得
られた固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフ
タレート樹脂50重量部に平均粒径0.3μmのアナタ
ーゼ型二酸化チタン粒子(富士チタン株式会社製TA-30
0)50重量部を混合したものをベント式二軸押し出し
機に供給して予備混練りした。この溶融樹脂を連続的に
ベント式単軸混練り機に供給、混練りして押出し、得ら
れたストランドを冷却、切断して二酸化チタン含有マス
ターペレット(A)を調整した。次に、固有粘度0.6
2dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂95重量
部にベンゾオキサゾール系蛍光増白剤(イーストマンケ
ミカル社製OB-1)5重量部を混合したものをベント式二
軸押し出し機に供給して予備混練りした後、溶融樹脂を
連続的にベント式単軸混練り機に供給、混練りして蛍光
増白剤含有マスターペレット(B)を調整した。
【0029】(フィルム原料の調整)140℃で8時間
の真空乾燥を施した、固有粘度0.62dl/gのポリ
エチレンテレフタレート樹脂75重量部と上記の二酸化
チタン含有マスターペレット(A)25重量部をペレッ
ト混合してフィルム原料(I)とした。また同条件で乾
燥を施した、固有粘度0.62dl/gのポリエチレン
テレフタレート樹脂76重量部と上記の二酸化チタン含
有マスターペレット(A)20重量部、蛍光増白剤含有
マスターペレット(B)4重量部をペレット混合してフ
ィルム原料(II)とした。
【0030】(未延伸フィルムの作製)これらのフィル
ム原料をそれぞれ別の押出し機に供給し、フィードブロ
ックを用いて原料(I)からなる層(B層)と原料(I
I)からなる層(A層)をA層/B層/A層の順に積層
した。これを25℃に調温した冷却ロール上にTダイよ
り共押出した。各押出機の吐出量を各層の厚み比が1対
8対1になるよう調整し、厚み620μmの未延伸フィ
ルムを作成した。
【0031】(二軸延伸フィルムの作製)得られた未延
伸フィルムを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱
し、周速が異なる二対のニップロール(低速ロール:2
m/分、高速ロール:6.8m/分)間で3.4倍に縦
延伸した。このとき、フィルムの補助加熱装置として、
ニップロール中間部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒー
タ(定格出力:20W/cm)をフィルムの両面に対向
してフィルム面から1cmの位置に設置し加熱した。こ
のようにして得られた一軸延伸フィルムをテンターに導
き、150℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定し
て220℃で5秒間の熱処理を施し、更に200℃で幅
方向に4%緩和させることにより、厚さ約50μmの白
色積層ポリエステル系フィルムを得た。
【0032】〔実施例2〕実施例1において、フィルム
原料(II)として真空乾燥を施した固有粘度0.62d
l/gのポリエチレンテレフタレート樹脂52重量部と
上記の二酸化チタン含有マスターペレット(A)40重
量部、蛍光増白剤含有マスターペレット(B)8重量%
をペレット混合したものを用いた以外は、実施例1と全
く同様の方法で白色積層ポリエステル系フィルムを得
た。
【0033】〔実施例3〕実施例1において、フィルム
原料(II)として真空乾燥を施した固有粘度0.62d
l/gのポリエチレンテレフタレート樹脂26重量部と
上記の二酸化チタン含有マスターペレット(A)70重
量部、蛍光増白剤含有マスターペレット(B)4重量部
をペレット混合したものを用いた以外は、実施例1と全
く同様の方法で白色積層ポリエステル系フィルムを得
た。
【0034】〔実施例4〕実施例1において、フィルム
原料(II)として真空乾燥を施した固有粘度0.62d
l/gのポリエチレンテレフタレート樹脂22重量部と
上記の二酸化チタン含有マスターペレット(A)70重
量部、蛍光増白剤含有マスターペレット(B)8重量部
をペレット混合したものを用いた。また未延伸フィルム
の厚さを3100μmに調整し、厚さ約250μmの二
軸延伸フィルムを得た。その他は実施例1と全く同様の
方法で白色積層ポリエステル系フィルムを得た。
【0035】〔比較例1〕実施例1において、フィルム
原料(II)として真空乾燥を施した固有粘度0.62d
l/gのポリエチレンテレフタレート樹脂86重量部と
上記の二酸化チタン含有マスターペレット(A)10重
量部、蛍光増白剤含有マスターペレット(B)4重量部
をペレット混合したものを用いた以外は、実施例1と全
く同様の方法で白色積層ポリエステル系フィルムを得
た。
【0036】〔比較例2〕実施例1において、フィルム
原料(II)として、上記の二酸化チタン含有マスターペ
レット(A)92重量部及び蛍光増白剤含有マスターペ
レット(B)8重量部をペレット混合したものを用いた
以外は、実施例1と全く同様の方法で白色積層ポリエス
テル系フィルムを得た。
【0037】〔比較例3〕実施例1において、フィルム
原料(II)として真空乾燥を施した固有粘度0.62d
l/gのポリエチレンテレフタレート樹脂59重量部と
上記の二酸化チタン含有マスターペレット(A)40重
量部、蛍光増白剤含有マスターペレット(B)1重量部
をペレット混合したものを用いた以外は、実施例1と全
く同様の方法で白色積層ポリエステル系フィルムを得
た。
【0038】〔比較例4〕実施例1において、フィルム
原料(II)として真空乾燥を施した固有粘度0.62d
l/gのポリエチレンテレフタレート樹脂14重量部と
上記の二酸化チタン含有マスターペレット(A)70重
量部、蛍光増白剤含有マスターペレット(B)16重量
部をペレット混合したものを用いた以外は、実施例1と
全く同様の方法で白色積層ポリエステル系フィルムを得
た。
【0039】以上の方法で得られた白色積層ポリエステ
ル系フィルムについて、二酸化チタンの含有量と蛍光増
白剤の含有量を表1に、物性を測定した結果を表2に示
す。表1及び2から、以下のように結論することができ
る。実施例1〜4のフィルムは、本発明の請求項1記載
の要件を満足しており、高い白色性・隠蔽性と良好な耐
候性能をバランス良く有する白色積層ポリエステル系フ
ィルムを得ることができた。
【0040】これに対し、A層中のアナターゼ型二酸化
チタン粒子の含有量が本発明の請求項1で規定した範囲
の下限を外れた比較例1の白色積層ポリエステル系フィ
ルムでは、全光線透過率が高く、隠蔽性が不十分であっ
た。同様に、アナターゼ型二酸化チタン粒子の含有量が
本発明の請求項1で規定した範囲の上限を超える比較例
2では、多量の蛍光増白剤を含有しているにもかかわら
ず依然b0が高く、十分な白色度を持った白色積層ポリ
エステル系フィルムを得ることができなかった。また、
A層中の蛍光増白剤の含有量が本発明の請求項1で規定
した範囲の下限を外れる比較例3では、b0が高く、十
分な白色度を持った白色積層ポリエステル系フィルムを
得ることができなかった。同様に、蛍光増白剤の含有量
が本発明の請求項1で規定した範囲の上限を超える比較
例4では、Δbが大きく、耐候性能が良好な白色積層ポ
リエステル系フィルムを得ることができなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の白色積層ポリエステル系フィル
ムは、フィルム中に特定粒径の二酸化チタン粒子及び蛍
光増白剤を特定量含有しているため、隠蔽性と白色性に
優れ、しかも紫外線や高温高湿度に長時間暴露されても
白色度低下を起こしにくいため、情報記録・印刷材料と
して好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 靖 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA21A AA21C AK01A AK01C AK41B AK42 BA03 BA07 BA10B BA10C CA30A CA30C GB90 HB00 JA13 JL09 JL10 JN01 JN30 YY00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.1〜1.0μmのアナター
    ゼ型二酸化チタン粒子及び蛍光増白剤を含有する層(A
    層)を少なくとも一方の表面に積層したポリエステル系
    フィルムであって、前記二酸化チタン粒子の含有量
    (a:重量%)と前記蛍光増白剤の含有量(b:重量
    %)が下記(1)式及び(2)式を満足することを特徴
    とする白色積層ポリエステル系フィルム。 a<b×200<a+80 …(1) 6≦a≦45 …(2)
  2. 【請求項2】 A層を除く各層の少なくとも一層(B
    層)が二酸化チタン粒子を1〜50重量%含有すること
    を特徴とする請求項1記載の白色積層ポリエステル系フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 白色度(b0)及び耐候性(Δb)が下
    記(3)式及び(4)式を満足することを特徴とする請
    求項1または2記載の白色積層ポリエステル系フィル
    ム。 −6.0≦b0≦−2.0 …(3) Δb≦3.5 …(4) (ここで、白色度(b0)とは色差計により測定したフ
    ィルムのb値(黄色味の尺度)であり、耐候性(Δb)
    とはフィルムを耐候性加速処理した後のb値から処理前
    のb値(b0)を減じた差の値である。)
  4. 【請求項4】 前記フィルムの見かけ比重が1.4以上
    であることを特徴とする請求項1乃至3記載の白色積層
    ポリエステルフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010099878A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Toray Ind Inc ポリエステルフィルムならびにそれを用いた液晶ディスプレイ用バックライトおよび太陽電池用
WO2018000411A1 (en) * 2016-07-01 2018-01-04 The Procter & Gamble Company Heat-sealable multilayer packaging film with improved opacity
US10576718B2 (en) 2016-07-01 2020-03-03 The Proctor & Gamble Company Heat sealable multilayer packaging film with improved opacity

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