JP2001128328A - 電線検査方法及び装置 - Google Patents

電線検査方法及び装置

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JP2001128328A JP30520299A JP30520299A JP2001128328A JP 2001128328 A JP2001128328 A JP 2001128328A JP 30520299 A JP30520299 A JP 30520299A JP 30520299 A JP30520299 A JP 30520299A JP 2001128328 A JP2001128328 A JP 2001128328A
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Masaaki Kurokawa
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Keiichi Morishita
慶一 森下
Eitetsu Takeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線内部の錆の発生を検査する検査作業の作
業性及び検出感度・精度が向上する電線検査装置を提供
する。 【解決手段】 コア部29a、29bで一方のブロック
を形成するとともに、コア部29c、29dで他方のブ
ロックを形成し、各コア部29a乃至29dに巻回した
コイル30a乃至30dで並列な2系統のコイル30を
形成し、このコイル30に電流を流すことにより電線2
の軸方向に磁束Φを発生させ、さらにこの磁束Φにより
電線2の横断面に沿って流れる渦電流ie を発生させ、
この渦電流ie の影響によるコイル30のインピーダン
スの変化を検出部41で検出することにより電線2内の
錆の発生状況を検出するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電線検査装置に関
し、特に架空されている活線状態の電線を非破壊検査す
る場合に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】架空されている活線状態の電線を、その
使用を中断することなく、電線の外部から非破壊検査で
きる装置として電線検査装置が開発されている(例えば
特開昭63−234153号公報参照。)。従来技術に
係るこの種の技術は電線に沿い走行する走行体に所定の
検査部を搭載し、走行体の移動とともに電線の各位置で
の錆の発生状況等を検出するものである。この場合の、
錆の発生状況の検出は、コイルに電流を供給し、これに
より電線に渦電流を流すとともに、この渦電流が電線内
の錆の発生状況を反映して変化することを利用し、この
渦電流によるコイルのインピーダンスの変化を検出する
ことにより実施している。 【0003】図11及び図12は、従来技術に係る錆の
検出方法を概念的に示す説明図である。両図に示すよう
に、コイル01は電線02の外周面に相対向するように
所定の距離を隔てて配設されており、励磁回路である交
流電源(図示せず。)から交流電流が供給される。この
結果、電線02の素線02aと鎖交する交番磁界Φが発
生する。これにより、素線02aに渦電流ie が発生す
るが、素線02aに錆を発生している場合、渦電流ie
の流れ方が変化する。そして、このとき渦電流ie も磁
界を発生するので、渦電流ie による発生磁界がコイル
01と鎖交してこのコイル01のインピーダンスに影響
を与える。すなわち、素線02aが錆を発生して渦電流
e の流れ方が変化した場合、コイル01のインピーダ
ンスは、これが健全な場合に較べて変化する。そこで、
このインピーダンス変化を検出することにより素線02
aにおける錆の発生状況を検出することができる。これ
は、例えばコイル01の両端に表れる交流電圧の変化を
検出することにより実現し得る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】図11及び図12に示
す検出方法では、コイル01に流れる電流による形成さ
れる磁束Φが電線02の軸方向と直角な方向に形成され
るようこのコイル01を配設しているので、次のような
問題を有している。検出部位が局所的になり、電線0
1の全体の錆を発生を検出するには、このコイル01を
電線01の周方向に移動しながら複数箇所で検査作業を
行う必要があり、作業が面倒である。電線01に対し
センサであるコイル01を小さくせざるを得ず、この結
果錆の発生によるインピーダンスの変化が小さくなり、
S/N比が悪化して検出精度の悪化を招来する。コイ
ル01との間の距離が変化し易く、この距離が変化した
場合には、距離が変化したためのインピーダンスの変化
であるか、錆の発生によるインピーダンスの変化である
かを峻別することが困難である。 【0005】さらに、従来技術に係る電線検査装置によ
る非破壊検査では、1回の検査につき、電線02の内部
における断線している箇所、もしくは錆が発生している
箇所のどちらか一方しか検知できないため、異なる検査
目的のコイル形センサを有する電線検査装置を、順次使
い分けて検査作業をする必要があった。 【0006】本発明は、上記従来技術に鑑み、検査作業
の作業性及び検出感度・精度がともに向上するととも
に、電線の断線の有無および錆の発生の有無を、同時に
検知できる電線検査方法及び装置を提供することを目的
とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は次の点を特徴とする。 【0008】1) 電線の周囲にリング状のコイルを配
設しこのコイルに交流電流を流すことにより電線内にそ
の軸方向への交番磁束を発生させ、この交番磁束により
電線内に発生する渦電流によるコイルのインピーダンス
の変化により電線内の錆の発生状況を検出すること。 【0009】2) 電線の周囲に配設され、交流電流を
流すことにより電線内にその軸方向への交番磁束を発生
させるリング状のコイルと、このコイルに交流電流を供
給する電源と、コイルのインピーダンスを検出し、この
インピーダンスの変化により電線内の錆の発生状況を検
出する検出部とを有すること。 【0010】3) 全体としてリング状をなすよう複数
のコア部に分割され、相対向する分割面が接離すること
により電線を囲繞し得るように形成したコアと、 各コ
ア部に巻回され、交流電流を流すことにより電線内にそ
の軸方向への交番磁束を発生させる複数のコイルと、上
記コイルに複数の並列回路を介して交流電流を供給する
電源と、各コイルのインピーダンスを検出し、このイン
ピーダンスの変化により電線内の錆の発生状況を検出す
る検出部とを有すること。 【0011】4) 上記3)に記載する電線検査装置に
おいて、各コア部は、これに巻回されたコイルとともに
複数のブロック部材に一体化され、このブロック部材を
電線の径方向に移動可能に形成することにより電線の外
周面に接離可能に形成したこと。 【0012】5) 上記2)乃至4)に記載する何れか
一つの電線検査装置おいて、電線の軸方向で隣接する位
置で、複数の磁束検出素子を前記電線の周方向に亘って
配設し、電線を流れる電流による磁束を各磁束検出素子
で検出することにより電線の断線も検出することができ
るようにしたこと。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0014】図1は本発明の第1の実施の形態を示す正
面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB−
B線断面図、図4は図2のC−C線断面図、図5は図1
のZ方向矢視図である。 【0015】これら図1乃至図5に示すように、本形態
に係る電線検査装置は、架空されている活線状態の電線
2にその外部から着脱可能に装着するとともに走行体
(図示せず。)に取り付けられて電線2に沿い走行する
検査装置本体3、この検査装置本体3に取り付けられて
電線2の断線の有無を検知する断線検知部4、及び同じ
く検査装置本体3に取り付けられて電線2の錆の発生の
有無を検知する錆検知部5等を備えている。ここで、断
線検知部4は、磁束検出素子を有して電線2に流れる電
流が形成する磁束の変化を検出することにより電線2の
断線を検知するものである。この場合の磁束検出素子と
して、本形態ではホール素子を21を用いている。ま
た、錆検知部5は、図2に示すように、渦電流探傷セン
サ5を形成するコイル30により電線2の内部にその軸
方向に向かう磁束を形成し、この磁束による渦電流の変
化に基づくコイル30のインピーダンスの変化を検出す
ることにより錆の発生を検知するものである。また、ホ
ール素子21及びコイル30は、図2に示すように、電
線2の軸方向で隣接するように配設してある。 【0016】なお、本形態では、断線及び錆の両方を同
時に検知し得るよう、断線検知部4及び錆検知部5の両
方を設けたが、錆だけを検知する用途に対しては、勿
論、錆検知部5のみを設ければ良い。 【0017】検査装置本体3は、図1、図2及び図5に
示すように、その内径が電線2の直径よりも僅かに大き
く設定されている略円筒形に形成されているとともに、
複数、例えば、一対のヒンジ部材9,10を有してい
る。これらのヒンジ部材9,10以外の筒状部分は、図
4に示すように、検査装置本体3が装着される電線2の
径方向に沿って互いに2つに分割可能な、したがって半
割り円筒形の第1分割本体部3aと、第2分割本体部3
bとから構成されている。 【0018】第1分割本体部3aと、第2分割本体部3
bとは、図1に示すように、互いに2箇所の分割面6で
接合されて略円筒形をなす。第1分割本体部3aの外周
面上には、ヒンジ部材9が一体に設けられ、第2分割本
体部3bの外周面上には、ヒンジ部材10が一体に設け
られている。これら両ヒンジ部材9,10は、本体開閉
支点用の枢軸8によって、互いに回動可能に連結されて
いる。また、ヒンジ部材9には、リンク部材11の一端
が枢着され、このリンク部材11の他端は本体開閉用の
駆動軸12に枢軸12aを介して枢着されている。同様
に、ヒンジ部材10には、リンク部材13の一端が枢着
され、このリンク部材13の他端は上記駆動軸12に枢
軸12aを介して枢着されている。これらの部材を備え
る本体開閉機構は、図示しないが両リンク部材11,1
2を閉じ方向に付勢するスプリングを有しており、その
バネ力で図中下方に付勢されている。この結果、第1及
び第2分割本体部3a、3bは、通常閉じている。 【0019】上記枢軸8は当該検査装置を搭載して電線
2の軸方向に走行する走行体(図示せず)に取り付けら
れており、第1及び第2分割本体部3a、3bの開閉動
作の際には、これらの回動中心となる。すなわち、図1
中に矢印Xで示すように、駆動軸12を、スプリングの
バネ力に抗して図中上方に移動させると、枢軸8を回動
中心として、分割面6が互いに離れるように第1及び第
2分割本体部3a、3bが回動する。このときの回動方
向を図1中に破線矢印Xaで示す。これとは逆に、駆動
軸12を、図1中に矢印Yで示すように、図中下方に移
動させると、本枢軸8を回動中心として第1及び第2分
割本体部3a、3bが逆方向に回動する。この結果、開
いている第1分割本体部3aと第2分割本体部3bと
は、図1中に破線矢印Yaで示す向きに回動して閉じ
る。なお、第1分割本体部3aと第2分割本体部3bと
が分割面6で当接し、閉じた状態は、本体開閉機構が有
する図示しないスプリングの力で保持されるようになっ
ている。 【0020】錆検知部5は、図2に示すように、検査装
置本体3の周方向に沿って、かつ検査装置本体3の径方
向に沿って開閉可能に、検査装置本体3が有する2つの
開口部18のうちの、断線検知部4が取り付けられてい
ない側の開口部18の付近に、固定されて一体に取り付
けられている。この錆検知部5は、複数分割したコア部
が集合してリング状をなすように形成されているコア2
9及びこのコア29に卷回されるコイル30を有してい
る。この錆検知部5は、その内径が検査装置本体3の内
径と同じ大きさに形成されている。 【0021】図6は、上記錆検出部5のコア29に対す
るコイル30の巻回状態を概念的に示す説明図である。
同図に示すように、コア29は、全体としてリング状を
なすよう4個のコア部29a、29b、29c、29d
に分割されている。そして、コア部29a、29bは第
1分割本体部3aに一体化され、コア部29c、29d
は第2分割本体部3bに一体化されている。すなわち、
コア部29a、29bが2分割されたリングの一方のブ
ロック、コア部29c、29dが同リングの他方のブロ
ックに属し、分割面6(図1参照。)を介して分割可能
に形成してあり、相対向する分割面6が接離することに
より電線2を囲繞し得るようになっている。各コア部2
9a乃至29dにはその周面にコイル30a、30b、
30c、30dがそれぞれ巻回してあるが、コイル30
aとコイル30b、及びコイル30cとコイル30dと
はそれぞれ接続線30d、30eで接続してある。この
結果、2系統の並列回路からなるコイル30を形成して
いる。ここで、コイル30a乃至30dは、図中に実線
の矢印で示すような方向に交流電源40から供給される
電流iが流れるように巻回してある。したがって、電流
iにより電線2の内部にはその軸方向に交番磁束Φが形
成され、この交番磁束Φにより電線2の横断面を周方向
に沿って循環する渦電流ie が発生する。この渦電流i
e の影響によりコイル30a、30bとコイル30c、
30dとのインピーダンスが変化するので、このインピ
ーダンスの変化を検出する。検出部41は交流電源40
の出力端子間の電圧を検出することにより、上記インピ
ーダンスの変化を検出して電線2の内部の錆の発生状況
を検知するようになっている。 【0022】これにより、検査装置本体3が一体に合体
している検査作業中においては、電線2の表面上の凹凸
に拘わらずに、電線2の軸方向に交番磁界Φを形成し、
これによる渦電流ie をその周方向に沿って全周に亘り
流すことができるので、素線ごとの錆の発生の有無を高
い精度で検知することができる。また、電線2の軸方向
に関する一箇所での検査は一度に行えるので、走行体を
電線2に沿って走行させながら電線2の軸方向に亘り連
続的に錆の発生状況の検査を行うことができる。ここ
で、電線2の外周面とコイル30までの距離が変化して
も、このときの偏心の影響を補正すれば、この変化が誤
差要因となることはない。すなわち、錆の発生状況を忠
実に反映する信号を取り出すことができる。 【0023】断線検知部4は、図1乃至図5に示すよう
に、検査装置本体3の両端部に設けられている2つの開
口部18のうちの、一方の開口部18の付近に、検査対
象本体3の周方向に沿って、かつ検査装置本体3の径方
向に沿って分割可能に取り付けられている。この断線検
知部4は、図4及び図5に示すように、電線2の表面と
互いに当接し合うホール素子21を偶数個、例えば、1
2個有している。 【0024】さらに、断線検知部4は、図4及び図5中
に実線矢印で示すように、検査装置本体3の中心から放
射方向に沿って摺動可能なホール素子支持体22を12
個有している。これら12個のホール素子支持体22
は、6個ずつに分けられて第1分割本体部3a及び第2
分割本体部3bのそれぞれに分配され、それらの周方向
に沿って略等間隔に取り付けられている。これら12個
のホール素子支持体22のそれぞれは、検査装置本体3
の外周面7と内周面17とを貫通して設けられている支
持体移動孔26の内部に、外れ止めを施されて、1つず
つ保持されている。これによって、12個のホール素子
支持体22のそれぞれは、内周面17を通って、検査装
置本体3の径方向に沿って、検査装置本体3の内部から
突没するように自在に動くことができる。第1分割本体
部3a及び第2分割本体部3bに略等間隔に配置された
各ホール素子21および各ホール素子支持体22は、電
線2をその直径を含む径方向から2つ一組で挟み込むよ
うに対向して取り付けられている。 【0025】これら12個のホール素子支持体22のそ
れぞれに、12個のホール素子21がそれぞれ1つづつ
一体に取り付けられる。このとき、図2に示すように、
12個のホール素子21のそれぞれの検知側端面21a
が、12個の検知素子支持体22がそれぞれの電線2と
対向する側の端面から露出するように12個の検知素子
支持体22のそれぞれに、12個のホール素子21をそ
れぞれ1つずつ一体に取り付ける。12個のホール素子
支持体22のそれぞれの外周側の、検査装置本体3の長
手方向に沿った中央部には、12個のホール素子21の
それぞれを、図示しない外部電気回路および同じく図示
しない制御回路などに接続するための、接続ケーブル格
納溝25が、検査装置本体3の周方向に沿って設けられ
ている。 【0026】また、これらのホール素子支持体22のそ
れぞれは、図4に示すように、第1分割本体部3a及び
第2分割本体部3bのそれぞれに、それらの周方向に沿
って取り付けられている、ホール素子付勢体としての半
円弧形の弾性部材23と互いに係合し合っている。これ
ら2つの弾性部材23は、第1分割本体部3a及び第2
分割本体部3bのそれぞれの内部で、分割面6の内側に
止め金具27によって、それぞれの両端を固定してい
る。ホール素子支持体22のそれぞれは、図2及び図5
に示すように、検査装置本体3の長手方向に沿ったそれ
らの外周側両端部に、弾性部材23を係合させるための
弾性部材係合溝24を検査装置本体3の周方向に沿って
有している。これらの弾性部材係合溝24に、検査装置
本体3の径方向外側から弾性部材23を係合させること
によって、12個のホール素子支持体22のそれぞれ
は、検査装置本体3の径方向に沿って、その内側に向け
て常時押圧されている。また、12個のホール素子支持
体22のそれぞれは、検査装置本体3の長手方向に沿っ
たそれらの内周側両端部に、支持体テーパ面28を有し
ている。これらの支持体テーパ面28は、ホール素子支
持体22の検査装置本体3の長手方向に沿った中間部分
から、両端部に向かうにしたがって、電線2との間隔が
広がるように形成されている。 【0027】このような構成及び形状のホール素子支持
体22によれば、前述した検査装置本体3が有する、テ
ーパ面19が形成されている開口部18がその内部に取
り込める程度の大きさの障害物14であれば、ホール素
子支持体22は、電線2の表面と当接しつつ障害物14
を乗り越えることができる。なお、ホール素子自体22
と電線2との間に発生する互いに押し合う力は、前記本
体開閉機構のスプリングによる2つの分割面6を合体さ
せようとする力および磁石20同士の吸引力を上回るこ
とがないので、検査装置本体3が不用意に分割してしま
うおそれは殆どない。 【0028】以上説明した断線検知部4においては、1
2個のホール素子21を、電線2の周方向に沿って互い
に略等間隔に、かつ電線2の径方向に沿って互いに対向
させて配置している。また、電線2の表面上の凹凸に拘
わらずに、電線2の非破壊検査中は、ホール素子21は
その検知側端面21aを電線2の表面に当接させている
ことができる。よって、電線2の周方向に沿って、その
全周にわたって、電線2の内部における素線ごとの断線
の有無を高い精度で検知することができる。 【0029】この検出は、例えば、以下のようにして行
われる。 【0030】活線状態では、電線2としての絶縁電線2
の導体中に電流が流れるため、絶縁電線2の外周に商用
周波数で変動する磁界が発生する。絶縁電線2の導体中
に断線がある場合、絶縁電線2の外周に発生する磁界
が、健全な場合と比較して変化する。この磁界の変化を
検出することによって、絶縁電線2の導体に発生した断
線を検出する。 【0031】(第1実施例)断線ホール素子としてホー
ル素子21を採用した場合の、電線2をなす素線の断線
の検出性試験を説明する。この第1実施例においては、
前記断線を検出するために、ホール素子21を1個使用
する。 【0032】電線2をなす素線の断線の検出性試験に
は、断線状態を模擬した絶縁電線サンプルに、30Ap
−p(60Hz)の電流を通電した。ホール素子21を
絶縁電線サンプルの周方向に90°ピッチで回転させて
検出電圧を測定した結果を表1に示す。表1に示すよう
にホール素子21による検出電圧は絶縁電線2の断線部
近傍(表1の0°)で小さくなり、それ以外の位置で
は、検出電圧が大きくなる傾向が認められた。よって、
素線の断線を検出できる。絶縁電線2の周方向の検出電
圧の最大値−最小値を変動値として表1に示す。 【0033】 【表1】【0034】(第2実施例)前述の第1実施例の電線2
の断線の検出試験から、断線本数が多くなることによっ
て、検出電圧の変動値が大きくなる傾向が認められる。
素線の断線をより明確に判断するために、この変動値を
さらに大きくして検出する。すなわち、ホール素子21
による素線の断線の検出感度を向上させる。そのため
に、前述の本実施形態のように配置した12個のホール
素子21のうち、電線2の直径方向において互いに対向
しているホール素子21同士を組み合わせる。そのよう
な一対のホール素子21を、絶縁電線2の周方向に沿っ
て、順次選択することによって、絶縁電線2をその全周
にわたって検査する。それらの各組みのホール素子21
が互いに独立に検出する変動値の差を抽出する差動方式
を用いる。この差動方式による、差動電圧を用いた検出
性の試験結果を図7に示す。 【0035】図7に示すように、健全なサンプルでは、
差動電圧は小さく、いずれの角度でも電圧変化は小さ
い。1本断線のサンプルでは、健全な場合に比べ、差動
電圧は大きくなっていることが分かる。断線が2本以上
の場合には、電圧の変動が顕著に現れ、健全な場合と比
較して断線を明確に判断できる。 【0036】本実施形態によれば、電線2の全周にわた
って略等間隔に配置した12個のホール素子21を全て
同時に作動させることができる。このため、第2実施例
のように、電線2の周方向に沿った所定の検査角度ごと
の検査結果を1度に収集して、解析することができる。
よって、差動電圧の変動をより明確に検出することがで
きる。 【0037】図2及び図5に示すように、検査装置本体
3の電線2の長手方向に沿った両端部には、電線2の非
破壊検査の作業中に、電線検査装置1が電線2上のスリ
ーブや水抜きなどの障害物14と接触しても、電線2の
非破壊検査の作業を続行することができるようにするた
めの第1障害物回避手段としての障害物除去部材15が
設けられている。この障害物除去部材15は、検査装置
本体3が有している2箇所の分割面6のうち、枢軸8が
設けられている側とは反対側に、その分割面6に連続し
て設けられている。さらに詳言すると、障害物除去部材
15は、図5に示すように、前記分割面6に対して段差
を設けることなく、連続して斜めに張り出されている。
そして、前記分割面6の両側に位置している障害物除去
部材15同士は、電線2の長手方向に沿ったそれらの先
端から、分割面16に向かって互いの間隔が狭くなるよ
うに、相対向して形成されている。したがって、本実施
の形態においては、対向している障害物除去部材15の
対向する面同士でV字形をなすように、それぞれの障害
物除去部材15は傾斜が形成されたテーパ状面15aを
有している。 【0038】電線検査装置1がその進行方向の前方にあ
る電線2上の障害物14と接触するのに先だって、障害
物14が障害物除去部材15同士が形成するV字形の空
間に進入するように、地上からの遠隔操作などにより、
電線検査装置1の姿勢を調整する。その後、電線検査装
置1を電線2の長手方向に沿って前進させる。障害物1
4は、これに対向する障害物除去部材15のテーパ状面
15aに沿って分割面6に誘導される。この過程で、障
害物14と障害物除去部材15とが互いに押し合うこと
によって、少なくとも一方の分割面6は開く力を受ける
ので、前記スプリングの閉じ力に抗して開かれる。これ
によって、第1分割本体部3aおよび第2分割本体部3
bのそれぞれの分割面6が開かれて、これら分割面6同
士の間を障害物14が通過する。障害物14が両分割面
6間を通過すると、互いに離れている第1分割本体部3
aと第2分割本体部3bとは、本体開閉駆動軸12を前
記スプリングによって押圧されて再び合体するように閉
じる。よって、障害物除去部材15を有している電線検
査装置1は、電線2上にある障害物14を通過して電線
2の非破壊検査の作業を連続して行なうことができる。 【0039】また、検査装置本体3の内周面17には、
図2及び図5に示すように、電線2の長手方向に沿った
検査装置本体3の両端に設けられているそれぞれの開口
部18の付近に、第2障害物回避手段としてのテーパ面
19が形成されている。これらのテーパ面19は、検査
装置本体3の内側に格納される電線2との間隔が、検査
装置本体3の中間部分から、2つの開口部18のそれぞ
れに向かうにしたがって、次第に広がるように形成され
ている。 【0040】このようなテーパ面19が形成されている
開口部18を有する検査装置本体3によれば、電線2上
の障害物14が、電線2の直径と検査装置本体3の内径
との間隔以下の大きさの場合、電線検査装置1の進行方
向の前方側の開口部18から検査装置本体3の内部に、
障害物14を、容易に、かつ円滑に取り込むことができ
る。それとともに、検査装置本体3の内部に取り込んだ
障害物14を、前記間隔に通過させて電線検査装置1の
進行方向の後方側の開口部18から検査装置本体3の外
部に、障害物14を容易に、かつ円滑に導き出すことが
できる。また、この場合、前述したように障害物除去部
材15間による障害物回避動作とは異なり、電線検査装
置1の姿勢を調整する必要はない。 【0041】第1分割本体部3a及び第2分割本体部3
bのそれぞれの、前述した障害物除去部材15が設けら
れている側の分割面6を有する接合縁部7には、互いに
引力を及ぼし合う吸着手段としてのピン形の磁石20が
取り付けられている。第1分割本体部3aに取り付けら
れている磁石20aは、分割面6から後退させて取り付
けられている。また、第2分割本体部3bに取り付けら
れている磁石20bは、磁石20aが分割面6から後退
している深さだけ、分割面6から突出して取り付けられ
ている。同時に、磁石20aおよび磁石20bは、互い
に対向する位置に取り付けられている。 【0042】前述のように両分割面6のそれぞれに磁石
20aおよび磁石20bを取り付けることによって、第
1分割本体部3aと第2分割本体部3bとが合体してい
るときには、磁石20aおよび磁石20bの吸着によ
り、第1分割本体部3a及び第2分割本体部3bの合体
(閉じ)状態を積極的に保持できる。また、このとき、
磁石20aの取り付け穴に磁石20bが嵌合するので、
電線検査装置1の電線2への装着を確実に行なうことが
できるとともに、第1分割本体部3aと第2分割本体部
3bとを、互いに電線2の長手方向にずれることなく、
正確に位置合わせをして合体させることができる。ひい
ては、後述する断線検知分4および錆検知分5による電
線2の非破壊検査の作業を、円滑に、かつ高い精度で行
なうことができる。 【0043】なお、検査装置本体3および磁石20を除
く検査装置本体3の各構成部品は、後述する断線検知部
4および錆検知部5の検知精度を低下させないように、
非磁性材料で作られることが好ましい。また、磁石20
は、断線検知部4および錆検知部5のそれぞれと互いに
干渉し合わない位置に取り付けられることが好ましい。
そのために、本実施形態においては、開口部18の端部
付近に取り付けている。 【0044】上述の如き第1の実施の形態に係る電線検
査装置1によれば、これが備える検査装置本体3を電線
2に、その外部から容易に、かつ殆どずれることなく装
着することができる。同時に、電線2の長手方向に沿っ
て電線検査装置1を移動させつつ電線2の内部における
断線の有無および錆の発生の有無を、非破壊検査によっ
て、ともに迅速かつ円滑に、また高い精度で検知するこ
とができる。 【0045】次に、本実施形態の電線検査装置1を用い
た、電線2の内部における素線の断線の有無および錆の
発生の有無を、非破壊検査によって検知する作業の一例
について、その概略を説明する。 【0046】検査作業に先だって、架空されている活線
状態の電線2に電線検査装置1を装着する。まず、例え
ば、地上において作業員などの人手によって、駆動軸1
2を検査装置本体3から引き離す向きに動かす。これに
よって、検査装置本体3を、第1分割本体部3aと、第
2分割本体部3bとに分割する。この分割状態を保持し
つつ、図示しない竿などを用いて電線検査装置1全体を
目的の電線2の上方に配置する。このとき、検査装置本
体3は自分自身の重量が、駆動軸12が前述の分割状態
を閉じようとする力に勝っているので、前述の分割状態
は保持されたままである。次に、分割した状態の第1分
割本体部3aと第2分割本体部3bとの間に電線2が収
まるように、電線検査装置1を目的の電線2にその上方
から降ろす。電線検査装置1が電線2と当接し、その降
下が押し止められると、本体開閉駆動軸12の検査装置
本体3の分割を閉じようとする力および磁石20aと磁
石20bとの吸引力の両方の作用によって、第1分割本
体部3aと第2分割本体部3bとは、互いに合体して一
体になる。これで架空されている活線状態の電線2への
電線検査装置1の装着は完了する。 【0047】次に、電線2の内部の非破壊検査を開始す
る。まず、断線検知部4および錆検知部5を、例えば、
地上から遠隔操作することによって作動させる。断線検
知部4および錆検知部5の作動状態を、これらに接続さ
れている図示しないメータおよびモニタなどを用いて、
検査するとともに、正常な作動状態で安定するように調
整する。断線検知部4および錆検知部5がともに正常な
作動状態で安定した後、電線検査装置1が備えている図
示しない自走用駆動装置を、地上から遠隔操作すること
によって始動させる。この後、地上の作業員が、電線検
査装置1の動きを目視により監視するとともに、メータ
およびモニタなどを用いて電気的かつ機械的に監視しつ
つ、電線検査装置1の移動速度を、地上から遠隔操作す
ることにより、随時、任意の非破壊検査に適した速度に
設定する。この後、所望する検査データが得られるま
で、地上から遠隔操作することにより、電線2の長手方
向に沿って、電線検査装置1を往復移動させて検査デー
タを収集する。このデータを収集している間の電線検査
装置1およびその各構成部分の動作、および作用など
は、既述したので、ここではその説明を省略する。 【0048】断線検知部4および錆検知部5により、電
線2の所定の検査区間を検査して所望するデータを収集
し終わった後、地上から遠隔操作することにより、自走
用駆動装置の作動を停止させる。その後、同様に地上か
ら遠隔操作することにより、断線検知部4および錆検知
部5の作動を停止させる。この後、地上から作業員が竿
などを用いて本体開閉駆動軸12を引っ掛けて、電線検
査装置1を上方に吊り上げる。これによって、本体開閉
駆動軸12は検査装置本体3を分割する向きに動き、検
査装置本体3は第1分割本体部3aと第2分割本体部3
bとに分割する。その分割状態を保持したまま、電線検
査装置1をさらに上方に吊上げることによって、電線2
から分割状態の第1分割本体部3aと第2分割本体部3
bとを取り外す。以上で、本実施形態の電線検査装置1
を用いた、非破壊検査による電線2の内部の検査作業は
終了とする。収集したデータを解析することによって、
電線2の内部における断線の有無および錆の発生の有無
を素線ごとに検討することができる。 【0049】図8乃至図10は本発明の第2の実施の形
態を示す図で、図8はその縦断面、図9はその右半部が
図8のD線断面図、その左半部が図8のE線断面図、図
10は図8のD線断面図である。これらの図においては
図面の錯綜を避けるため、理解に必要でない部分は適宜
省略してある。また、本形態は図1乃至図5に示す第1
の実施の形態の第1分割本体部3a及び第2分割本体部
3bの構成を変更したものである。そこで、第1の実施
の形態と機能的に対応する部分には同一番号を付し、重
複する部分の詳細な説明は省略する。 【0050】本形態は電線2の径が変化した場合でも、
断線検知部4及び錆検知部5を電線2の外周面に当接さ
せることができるように工夫したものである。すなわ
ち、特に図9及び図10を参照すれば明らかな通り、本
形態に係る第1分割本体部53a及び第2分割本体部5
3bは同一構成の部材であり、これらを左右対称に組み
合わせて検査装置本体53を形成している。第1分割本
体部53aは第1フレーム54aと第1ブロック55a
とからなり、第2分割本体部53bは同構成の第2フレ
ーム54bと第2ブロック55bとからなる。ここで、
第1ブロック55aは、第1フレーム54aに回転可能
に取り付けるられて当該第1ブロック55aの雌ねじ部
に螺合するネジ部56aを回転することにより、ガイド
57aに沿って電線2の軸方向に移動可能となってい
る。ガイド57aは両端部を第1フレーム54aに固着
されたロッド状の部材である。第2ブロック55bも第
1ブロック55aと同様に構成してある。すなわち、ネ
ジ部56bがネジ部56aに、またガイド57bがガイ
ド57aにそれぞれ機能的に対応する。ここで、第1及
び第2ブロック55a、55bはその内周面が円弧状に
形成されており、ネジ部56a、56bを回転して第1
及び第2ブロック55a、55bを移動することによ
り、円弧状部分の間隔を連続的に調節することができる
ようになっている。また、検査部としては、第1の実施
の形態の場合と同様のホール素子21及びコイル30を
有しており、これらが第1及び第2ブロック55a、5
5bに一体化されている。したがって、このときの第1
及び第2ブロック55a、55bの円弧状部の間隔の最
大径をΦ1 、最小径をΦ2 とすれば、外径がΦ1からΦ
2 の電線2の断線及び錆の発生を一台の検査装置で検査
することができる。 【0051】なお、第1分割本体部53a及び第2分割
本体部53bは枢軸8を回動中心として回動し、その分
割面が接離することにより開閉するが、このための機構
及び動作は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と全
く同様である。図8中、58は走行体のフレーム、59
は枢軸12を支承する支持部材で、フレーム58の下端
面に固着してある。また、60はスプリング61の上端
部の位置を規制する押さえ部材である。この押さえ部材
60に押さえられてスプリング61は枢軸12aを図中
下方に押圧し、リンク部材13を介して第1分割本体部
53a及び第2分割本体部53bを閉じるにように作用
する。第1分割本体部53a及び第2分割本体部53b
を開く場合は、キャップ62を介して駆動軸12を上方
に引張り上げれば良い。かかる動作態様は第1の実施の
形態と全く同様である。図9において、二点鎖線で示す
第1分割本体部53a、リンク部材11及び枢軸12a
が当該第1分割本体部53a及び第2分割本体部53b
の開位置におけるこれらの状態を示している。 【0052】上述の如く第2の実施の形態は、第1分割
本体部53a及び第2分割本体部53bの構成を除け
ば、他は第1の実施の形態と変わるところはない。すな
わち、図示はしないが、障害物回避手段等も第1の実施
の形態と同様に有している。 【0053】上述の如き第2の実施の形態に係る検査装
置によれば、検査そのものは第1の実施の形態に係る場
合と同態様で行うが、検査対象の電線2の径が変化した
場合には、ネジ部56a、56bを回転することより第
1及び第2ブロック55a、55bの円弧状部間の距離
を距離を調節することにより、続けて所望の検査を行う
ことができる。 【0054】なお、本発明は上述の如き実施の形態には
制約されない。例えば、電線検査装置1の移動する向き
が、電線2の長手方向に沿って、予め一つの向きに決ま
っている場合には、障害物除去部材15および開口部1
8のテーパ面19は、検査装置本体3に、その進行方向
の前方の側にだけ設けておけばよい。また、第1および
第2の前記障害物回避手段は、断線検知部4および錆検
知部5のうちの少なくとも一方を備えた電線検査装置1
にも適用できるのは勿論である。 【0055】また、コイルは電線に軸方向の磁束を発生
させることができるように形成されていれば良いため、
原理的には電線2と同心の環状のコイルであっても良
い。 【0056】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項1〕に記載する発明は、電線の周囲に
リング状のコイルを配設しこのコイルに交流電流を流す
ことにより電線内にその軸方向への交番磁束を発生さ
せ、この交番磁束により電線内に発生する渦電流による
コイルのインピーダンスの変化により電線内の錆の発生
状況を検出するようにしたので、電線の横断面の全域に
渦電流を発生させることができ、これに基づくコイルの
インピーダンスを検知できる。したがって、S/N比を
良好に保持して高精度及び高感度の測定を行うことがで
きる。 【0057】〔請求項2〕に記載する発明は、電線の周
囲に配設され、交流電流を流すことにより電線内にその
軸方向への交番磁束を発生させるリング状のコイルと、
このコイルに交流電流を供給する電源と、コイルのイン
ピーダンスを検出し、このインピーダンスの変化により
電線内の錆の発生状況を検出する検出部とを有するの
で、電線の横断面の全域に渦電流を発生させることがで
き、これに基づくコイルのインピーダンスを検知でき
る。したがって、S/N比を良好に保持して高精度及び
高感度の測定を行うことができる。 【0058】〔請求項3〕に記載する発明は、全体とし
てリング状をなすよう複数のコア部に分割され、相対向
する分割面が接離することにより電線を囲繞し得るよう
に形成したコアと、各コア部に巻回され、交流電流を流
すことにより電線内にその軸方向への交番磁束を発生さ
せる複数のコイルと、上記コイルに複数の並列回路を介
して交流電流を供給する電源と、各コイルのインピーダ
ンスを検出し、このインピーダンスの変化により電線内
の錆の発生状況を検出する検出部とを有するので、〔請
求項2〕に記載する発明の効果に加え、当該検査装置の
電線への装着を容易に行うことができる。 【0059】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
3〕に記載する電線検査装置において、各コア部は、こ
れに巻回されたコイルとともに複数のブロック部材に一
体化され、このブロック部材を電線の径方向に移動可能
に形成することにより電線の外周面に接離可能に形成し
たので、〔請求項3〕に記載する発明の効果に加え、径
が異なる複数種類の電線の検査を一台の装置で効率良く
行うことができる。 【0060】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
2〕乃至〔請求項4〕に記載する何れか一つの電線検査
装置おいて、電線の軸方向で隣接する位置で、複数の磁
束検出素子を前記電線の周方向に亘って配設し、電線を
流れる電流による磁束を各磁束検出素子で検出すること
により電線の断線も検出することができるようにしたの
で、電線の内部の錆の発生状況とともに、断線も同時に
検出することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電線検査装置
を示す正面図である。 【図2】図1の電線検査装置を、図1中A−A線に沿っ
て示す断面図である。 【図3】図1の電線検査装置を、図2中B−B線に沿っ
て示す断面図である。 【図4】図1の電線検査装置を、図2中C−C線に沿っ
て示す断面図である。 【図5】図1の電線検査装置を、図1中Z方向から見て
示す矢視図である。 【図6】図2の錆検出部のコアに対するコイルの巻回状
態を概念的に示す説明図である。 【図7】図1の電線検査装置による断線検知の測定結果
を示す特性図 【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電線検査装置
を示す縦断面である。 【図9】右半部が図8のD線断面図、左半部が図8のE
線断面図である。 【図10】図8のD断面図である。 【図11】従来技術に係る錆の検出方法を概念的に示す
説明図である。 【図12】従来技術に係る錆の検出方法を概念的に示す
説明図である。 【符号の説明】 1、51 電線検査装置 3、53 検査装置本体 3a、53a 第1分割本体部 3b、53b 第2分割本体部 4 断線検知部 5 錆検知部 21 ホール素子 29 コア 30 コイル 54a 第1フレーム 54b 第2フレーム 55a 第1ブロック 55b 第2ブロック 56a、56b ネジ部 57a57b ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 喜英 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 武石 雅之 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 由井 正弘 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 黒川 政秋 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 森下 慶一 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 竹田 英哲 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 電線の周囲にリング状のコイルを配設し
    このコイルに交流電流を流すことにより電線内にその軸
    方向への交番磁束を発生させ、この交番磁束により電線
    内に発生する渦電流によるコイルのインピーダンスの変
    化により電線内の錆の発生状況を検出することを特徴と
    する電線検査方法。 【請求項2】 電線の周囲に配設され、交流電流を流す
    ことにより電線内にその軸方向への交番磁束を発生させ
    るリング状のコイルと、 このコイルに交流電流を供給する電源と、 コイルのインピーダンスを検出し、このインピーダンス
    の変化により電線内の錆の発生状況を検出する検出部と
    を有することを特徴とする電線検査装置。 【請求項3】 全体としてリング状をなすよう複数のコ
    ア部に分割され、相対向する分割面が接離することによ
    り電線を囲繞し得るように形成したコアと、 各コア部に巻回され、交流電流を流すことにより電線内
    にその軸方向への交番磁束を発生させる複数のコイル
    と、 上記コイルに複数の並列回路を介して交流電流を供給す
    る電源と、 各コイルのインピーダンスを検出し、このインピーダン
    スの変化により電線内の錆の発生状況を検出する検出部
    とを有することを特徴とする電線検査装置。 【請求項4】 〔請求項3〕に記載する電線検査装置に
    おいて、 各コア部は、これに巻回されたコイルとともに複数のブ
    ロック部材に一体化され、このブロック部材を電線の径
    方向に移動可能に形成することにより電線の外周面に接
    離可能に形成したことを特徴とする電線検査装置。 【請求項5】 〔請求項2〕乃至〔請求項4〕に記載す
    る何れか一つの電線検査装置おいて、 電線の軸方向で隣接する位置で、複数の磁束検出素子を
    前記電線の周方向に亘って配設し、電線を流れる電流に
    よる磁束を各磁束検出素子で検出することにより電線の
    断線も検出することができるようにしたことを特徴とす
    る電線検査装置。
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