JP2001127074A - 半導体装置及びそれを用いた全波整流装置 - Google Patents

半導体装置及びそれを用いた全波整流装置

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JP2001127074A JP30796699A JP30796699A JP2001127074A JP 2001127074 A JP2001127074 A JP 2001127074A JP 30796699 A JP30796699 A JP 30796699A JP 30796699 A JP30796699 A JP 30796699A JP 2001127074 A JP2001127074 A JP 2001127074A
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angle
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Yasutoshi Kurihara
保敏 栗原
Kazuhiro Suzuki
和弘 鈴木
Tadao Kushima
忠雄 九嶋
Takumi Ueno
巧 上野
Tsutomu Nakajima
力 中島
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ろう材層の耐熱疲労性を向上させ、安全かつ安
定に動作させ得る半導体装置及びそれを用いた全波整流
装置を提供する。 【解決手段】半導体チップは互いに平行な2つの第1及
び第2の主面と外周部に端面を有し、第1の主面と端面
のなす角度が鋭角そして第2の主面と端面のなす角度が
鈍角であり、第1の主面とこれに連なって配置された第
1ろう材層の外周部端面とのなす角度が直角又は鈍角、
そして第2の主面とこれに連なって配置された第2ろう
材層の外周部端面とのなす角度が直角又は鋭角である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ろう材による接続
部の耐熱疲労信頼性が向上した半導体装置及びそれを用
いた全波整流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用交流発電機の全波整流装置
は、複数個の半導体装置を取り付ける凹状加工を施した
一対の放熱板に、放熱板内では整流方向を揃え、放熱板
相互間では整流方向が異なるように、3個ずつ固着した
半導体装置と、異なる放熱板に固着された半導体装置相
互を接続する3個の交流側端子とから構成されている。
そして、この全波整流装置は、交流発電機のブラケット
に取り付けられる。このような技術は、特開平8−20549
8 号公報に開示されている。
【0003】また、全波整流装置は、車両のエンジン近
傍に配置されて使用されている。この際、周辺部品の高
密度実装化により全波整流装置の搭載環境は高温化され
てきており、この装置の最大許容温度を高めることへの
対応が強く求められている。これにともない、全波整流
装置の寿命に直接影響を与える、半導体装置のろう材接
続部の耐熱疲労信頼性のさらなる向上が必要となってい
る。この要求に対応可能な半導体装置の構造として、特
開平9−139462 号公報に、金属容器の底部に固着された
半導体チップ、半導体チップ上に接着層を介して固着さ
れたリードの外周先端に、接着層に加わる応力を軽減す
る応力軽減体を有する構造が開示されている。
【0004】全波整流装置は比較的大きな電流を扱う装
置であり、この中に収納されている半導体装置を安全か
つ安定に動作させるためには、半導体装置の稼働時に発
生する熱をパッケージの外へ効率良く放散させる必要が
ある。この熱放散は通常、発熱源である半導体基体から
これに接着された各部材を通じて気中へ熱伝達されるこ
とで達成される。全波整流装置では、この熱伝達経路中
に半導体基体を接着する部分等に用いられるろう材層を
含む。全波整流装置の稼働時及び停止時に伴う半導体装
置の昇温及び降温の繰り返しは、その構成部材間の熱膨
張率差に基づく歪を、繰り返しろう材層に作用させる。
この結果、ろう材層は疲労破壊を生ずることとなり、放
熱路の遮断に伴って半導体装置を安定に動作させること
が困難になる。このような不都合を回避する方法とし
て、半導体装置の構成部材間に熱膨張緩和材を配置する
構造がある。例えば、“半導体基板用クラッド材 CI
C”:日立電線株式会社カタログ(CAT.No.B1
105),(1993年4月)には、インバ層の両面にC
u層をクラッドした複合材(以下、クラッド材と言う、
4.0〜10.6ppm/℃)からなる半導体基板用パワート
ランジスタ用ヒートシンク材が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、リード
が応力軽減体を有する構造や、放熱路の部材間の熱膨張
率が整合された構造によれば、信頼性の増した半導体装
置が得られ、全波整流装置の安定動作に寄与するところ
が大きい。
【0006】しかしながら、半導体基体の両主面に設け
られるろう材層の耐熱疲労性は、単に該半導体基体とこ
れに直接接合される部材の間の熱膨張率の整合のみでは
決定づけられないという問題点がある。
【0007】本発明は、上記の問題点を考慮しなされた
ものであり、ろう材層の耐熱疲労性を向上させた半導体
装置及びそれを用いた全波整流装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者の得た新規な知
見によれば、ろう材層の耐熱疲労性は、半導体基体の露
出端面の形状とろう材層の露出端面の形状とに影響され
る。
【0009】本知見に基づく、本発明による半導体装置
は、金属容器と、金属容器の底部に直接又は熱膨張緩和
材を介して第1ろう材層により固着された半導体チップ
と、半導体チップ上に第2ろう材層を介して固着された
リードと、とを含む。さらに、半導体チップは互いに平
行な2つの第1及び第2の主面と外周部に端面を有し、
第1の主面と端面のなす角度が鋭角そして第2の主面と
端面のなす角度が鈍角であり、第1の主面とこれに連な
って配置された第1ろう材層の外周部端面とのなす角度
が直角又は鈍角、そして第2の主面とこれに連なって配
置された第2ろう材層の外周部端面とのなす角度が直角
又は鋭角である。
【0010】また、本発明による全波整流装置は、複数
個の半導体装置が一対の放熱板に取り付けられ、放熱板
内では整流方向が揃えられ、放熱板相互間では整流方向
が異なるように取り付けられる半導体装置は、金属容器
と、金属容器の底部に直接又は熱膨張緩和材を介して第
1ろう材層により固着された半導体チップと、半導体チ
ップ上に第2ろう材層を介して固着されたリードと、と
を含む。さらに、半導体チップは互いに平行な2つの第
1及び第2の主面と外周部に端面を有し、第1の主面と
端面のなす角度が鋭角そして第2の主面と端面のなす角
度が鈍角であり、第1の主面とこれに連なって配置され
た第1ろう材層の外周部端面とのなす角度が直角又は鈍
角、そして第2の主面とこれに連なって配置された第2
ろう材層の外周部端面とのなす角度が直角又は鋭角であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による半導体装置は、図1
に示す断面図のような形態を有している。1は金属容器
であり、金属容器1の底部にろう材2により熱膨張緩和
部材3が取り付けられており、熱膨張緩和部材3上に第
1ろう材層4により固着された半導体チップ5と、半導
体チップ5上に第2ろう材層6を介してCuからなるリ
ード7が固着される。そして、熱膨張緩和部材3,リー
ド7及び半導体チップ5の露出端面5Cを被覆するシリ
コーン樹脂からなる保護層8とを含んでいる。ここで、
半導体チップ5は互いに平行な2つの第1の主面5A及
び第2の主面5Bと外周部に露出端面5Cを有し、第1
の主面5Aと露出端面5Cのなす角度が鋭角、そして第
2の主面5Bと露出端面5Cのなす角度が鈍角である。
第1の主面5Aとこれに連なって配置された第1ろう材
層4の外周部端面4Cとのなす角度が直角又は鈍角、そ
して第2の主面5Bとこれに連なって配置された第2ろ
う材層6の外周部端面6Cとのなす角度が直角又は鋭角
になるように調整されている。なお、9は熱膨張緩和部
材3,第1ろう材層4,半導体チップ5,第2ろう材層
6そしてリード7に至る端面領域を表わす。
【0012】図2は端面領域を詳細に説明するための拡
大断面図を示す。端面領域9は、熱膨張緩和部材3,第
1ろう材層4,半導体チップ5,第2ろう材層6のそれ
ぞれ露出端面から構成されている。この中で、半導体装
置30の信頼性に重要な影響を及ぼす因子は、第1ろう
材層4の外周部端面4C,半導体チップ5の露出端面5
C、そして第2ろう材層6の外周部端面6Cが、半導体
チップ5の主面5A,5Bとの間でなす角度である。こ
の点について、より詳細に説明する。
【0013】半導体チップ5は互いに平行な2つの第1
の主面5Aと第2の主面5Bと外周部に露出端面5Cを
有し、第1の主面5Aと露出端面5Cのなす角度が鋭角
(例えば、60゜)であり、そして、第2の主面5Bと
露出端面5Cのなす角度が鈍角(例えば、120゜)で
あることが、第1に重要な点である。
【0014】第2に重要な事項は、第1の主面5Aとこ
れに連なって配置された第1ろう材層4の外周部端面4
Cとのなす角度θが直角又は鈍角であり、そして、第2
の主面5Bとこれに連なって配置された第2ろう材層6
の外周部端面6Cとのなす角度φが直角又は鋭角である
点である。
【0015】半導体装置30の温度サイクル試験によれ
ば、熱応力の発生に基づくろう材層の疲労破壊は、図2
に示したように、第1の主面5Aとこれに連なって配置
された第1ろう材層4の外周部(クラック起点)10
と、第2の主面5Bとこれに連なって配置された第2ろ
う材層6の外周部(クラック起点)11を起点にしたク
ラックとして観測される。
【0016】図3はシミュレーションによるクラック起
点の応力を示すグラフである。ここで、半導体チップ5
の形状は、(b)に示したように、第1の主面5Aと露
出端面5Cのなす角度が60゜、そして、第2の主面5
Bと露出端面5Cのなす角度が120゜に設定されてい
る。また、グラフ(a)における横軸はθ又はφの角度
であり、縦軸はクラック起点10と11における応力で
ある。ただし、応力はθ又はφが90゜の時を1とし、
その倍数で表わす。クラック起点10における応力は、
θが20゜から90゜へ向かう過程で5.5 倍から1倍
へと低減され、90゜から170゜へ向かう過程で1倍
から0.75 倍へと低減される。これを言い替えると、
θが90゜以上の場合に、すなわち直角または鈍角の場
合に、低い応力が維持される。一方、クラック起点11
における応力は、φが20゜から90゜へ向かう過程で
0.75倍 から1倍へと増加し、90゜から170゜へ
向かう過程で1倍から5.5 倍へと増加する。これを言
い替えると、φが90゜以下の場合に、すなわち直角ま
たは鋭角の場合に、低い応力が維持される。
【0017】なお、図1及び図2においては、第1の主
面5Aと露出端面5Cのなす角度が鋭角であるため、ク
ラック起点10の近傍において半導体チップ先端部の厚
さが半導体チップ中央部の厚さよりも薄くなっている。
従って、クラック起点10近傍の半導体チップ先端部の
見かけの剛性が小さくなる。このため、金属容器1と半
導体チップ5の間で温度変化によって生じる曲げモーメ
ントに対して、半導体チップの先端部はフレキシブルに
変形できる。したがって、クラック起点10に発生する
応力が緩和される。
【0018】図4は他の構造を有する半導体装置のシミ
ュレーションによるクラック起点の応力を示すグラフで
ある。ここで、半導体チップ5の形状は、(b)に示し
たように、第1の主面5Aと露出端面5Cのなす角度が
120゜、そして、第2の主面5Bと露出端面5Cのな
す角度が60゜に設定されている。また、グラフ(a)に
おける横軸はθ又はφの角度であり、縦軸はクラック起
点10と11における応力である。ただし、応力はθ又
はφが90゜の時を1とし、その倍数で表わす。クラッ
ク起点10における応力は、θが20゜から90゜へ向
かう過程で5.5倍から1倍へと減少し、90゜から17
0゜へ向かう過程で1倍から5.5 倍へと増加する。こ
れを言い替えると、θが90゜以下でも以上でも応力低
減は図れない。一方、クラック起点11における応力
は、φが20゜から90゜へ向かう過程で0.75 倍か
ら1倍へと増加し、90゜から170゜へ向かう過程で
も1倍から1.5 倍へと増加する。これを言い替える
と、φの広い範囲で低い応力が維持される。以上のよう
に、第1の主面5Aと露出端面5Cのなす角度が120
゜、そして、第2の主面5Bと露出端面5Cのなす角度
が60゜に調整されている場合は、クラック起点11に
おける応力は広い範囲のφに対して低い値を維持でき
る。しかし、クラック起点10における応力は、θが9
0゜に近い範囲以外では応力低減を図ることはできな
い。
【0019】図5は半導体チップと金属容器との間に配
置される熱膨張緩和部材の一例を説明する断面図であ
る。熱膨張緩和部材3は、第1金属板31の両面にサン
ドウイッチ状に第2金属板32を接合してなるものであ
る。ここで、第1金属板31は熱膨張緩和部材3の固着
面に平行な方向の熱膨張率を小さい値に保つためのもの
で、インバ(Fe−36wt%Ni,1.5ppm/℃),
42アロイ(Fe−42wt%Ni,7ppm/℃),フ
ェルニコ(Fe−31wt%Ni−15wt%Co,5p
pm/℃),Mo(5ppm/℃),W(4ppm/℃)等のよ
うに低熱膨張率の材料が望ましい。一方、第2金属板3
2は熱膨張緩和部材3の固着面に平行な方向の熱伝導率
を大きい値に保つためのもので、Cu(403W/m・
K),Al(236W/m・K),青銅(180W/m
・K),黄銅(106W/m・K)等のように熱伝導率
の高い材料が望ましい。熱膨張緩和部材3の熱伝導率や
熱膨張率は、第1金属板31と第2金属板32の厚さ比
率を調整することにより制御される。例えば、第1金属
板31が厚さ0.2mm のインバで、両側の第2金属板3
2が各厚さ0.2mm のCuである場合は、熱伝導率は2
62W/m・Kそして熱膨張率は10.6ppm/℃であ
る。第1金属板31と第2金属板32の一体化物にはN
iめっき33(厚さ:3〜7μm)が施されている。N
iめっき33は一体化物の表面の品質を保ち、欠陥の少
ないろう付けを実現するために設けられる。Niめっき
はAu,Agによって代替されてもよい。しかし、一体
化物の品質が良好な状態に管理される場合は、めっき3
3を設けることを必須としない。
【0020】また、上述の説明では図1に示したよう
に、半導体装置30は金属容器1の底部にろう材2によ
り熱膨張緩和部材3が取り付けられており、熱膨張緩和
部材3上に第1ろう材層4により半導体チップ5を固着
した構造を有している。しかし、図6に示す他の形態の
本発明による半導体装置の断面模式図のように、熱膨張
緩和部材3上に半導体チップ5を搭載することを必須と
しない。すなわち、半導体装置30が金属容器1の底部
に第1ろう材層4により直接半導体チップ5を固着した
構造の場合であっても、本発明の効果を享受できる。こ
のような場合であっても、半導体チップ5は互いに平行
な2つの第1の主面5A及び第2の主面5Bと外周部に
露出端面5Cを有し、第1の主面5Aと露出端面5Cの
なす角度が鋭角、そして第2の主面5Bと該露出端面5
Cのなす角度が鈍角であり、第1の主面5Aとこれに連
なって配置された第1ろう材層4の外周部端面4Cとの
なす角度(θ)が直角又は鈍角、そして第2の主面5B
とこれに連なって配置された第2ろう材層6の外周部端
面6Cとのなす角度(φ)が直角又は鋭角になるように
調整されている。なお、9は第1ろう材層4,半導体チ
ップ5,第2ろう材層6そしてリード7に至る端面領域
を表わす。
【0021】更に、図6に示した他の形態の本発明によ
る半導体装置30の場合であっても、図3及び図4に示
したθ又はφの角度とクラック起点10,11に生ずる
応力の関係は、定性的には変らない。
【0022】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。
【0023】(実施例)本実施例の半導体装置30は、
図1の断面図に示す形態を有している。1はCuからな
る金属容器であり、その表面にNiめっき層(厚さ:3
〜7μm、図示を省略)を形成している。金属容器1の
底部にろう材2により熱膨張緩和部材3が取り付けられ
ており、熱膨張緩和部材3上に第1ろう材層4により固
着された半導体チップ5と、半導体チップ5上に第2ろ
う材層6を介してリード7が固着され、そして熱膨張緩
和部材3,リード7及び半導体チップ5の露出端面5C
を被覆する保護層8とを含んでいる。熱膨張緩和部材3
は異種金属板の積層構造体〔Cu(厚さ:0.2mm)−
インバ(0.2mm)−Cu(0.2mm)〕で、直径5mmの
円盤状に加工されている。この部材3の横方向熱膨張率
は10.6ppm/℃であり、熱伝導率は30.3W/m・
K(縦方向)そして262W/m・K(横方向)を有する。
円盤加工された熱膨張緩和部材3の表面には、Niめっ
き層(厚さ:3〜7μm、図示を省略)が形成されてい
る。半導体チップ5はSiからなるダイオードで、厚さ
300μmそして最大直径4mmの円形に加工されてい
る。
【0024】図7は円形加工された半導体チップの断面
模式図を示す。(a)に示す第1の形態では、半導体チ
ップ5はp型Siをベース51とし、この両面からp+
層52とn+ 層53を不純物の拡散により設けている。
半導体チップ5は、主面5A及び5Bと、露出端面5C
とを有している。主面5Aと露出端面5Cのなす角度は
60゜、そして主面5Bと露出端面5Cのなす角度は1
20゜にそれぞれ調整されている。ここで、主面5Aと
露出端面5Cのなす角度は60゜に限定される必要はな
く、鋭角である範囲で任意の角度を選択することができ
る。また、主面5Bと露出端面5Cのなす角度は120
゜に限定される必要はなく、鈍角である範囲で任意の角
度を選択することができる。一方、(b)に示す第2の
形態では、半導体チップ5はp型Siをベース51と
し、この両面からp+ 層52とn+ 層53を不純物の拡
散により設けている。半導体チップ5は、主面5A及び
5Bと、露出端面5Cとを有している。主面5Aと露出
端面5Cのなす角度は60゜、そして主面5Bと露出端
面5Cのなす角度は120゜にそれぞれ調整されてい
る。ここで、主面5Aと露出端面5Cのなす角度は60
゜に限定される必要はなく、鋭角である範囲で任意の角
度を選択することができる。また、主面5Bと露出端面
5Cのなす角度は120゜に限定される必要はなく、鈍
角である範囲で任意の角度を選択することができる。更
に、主面5Aや5Bには、はんだぬれ性を付与するとと
もに、p+ 層52やn+ 層53に対するオーム接触を得
るための金属層(図示を省略)が形成されている。この
金属層は、Ti−Ni−Ag,Ti−Pt−Ag,Cr
−Ni−Au,Cr−Pt−Agの如き積層金属層(例
えば、蒸着法,スパッタリング法などによる)のような
もの、あるいは、めっきによるNi層の如きものであれ
ばよい。
【0025】熱膨張緩和部材3は金属容器1の底部にろ
う材2により取り付けられ、熱膨張緩和部材3上には第
1ろう材層4により半導体チップ5が搭載され、そし
て、半導体チップ5上には第2ろう材層6によりリード
7が接続されている。半導体チップ5としては、上述し
た第1形態及び第2形態の両方が適用されている。
【0026】ここで、ろう材2,第1ろう材層4そして
第2ろう材層6として、組成Pb−5wt%Sn−1.
5wt%Ag なる合金材が用いられ、水素雰囲気中で
350℃の温度で熱処理により各部材を一体化してい
る。ろう材2,第1ろう材層4そして第2ろう材層6と
してのPb−5wt%Sn−1.5wt%Ag 合金材の
代替物質は、(1)他の組成のPb−Sn系合金材(例え
ば、Pb−10wt%Sn,Pb−50wt%Sn,P
b−63wt%Sn等)、あるいは、(2)Snからな
る金属、又は(3)Sn,Sb,Ag,Cu,Ni,P,
Bi,Zn,AuそしてInの群から選択された少なく
とも2種を含む合金材を挙げることができる。特に、合
金材として、Sn−3.5wt%Ag,Sn−3wt%
Ag−0.8wt%Cuで代表されるようなSn−Ag
系、Sn−5wt%Sb,Sn−5wt%Sb−0.6
wt%Ni−0.05wt%Pで代表されるようなSn
−Sb系,Sn−58wt%Biで代表されるようなS
n−Bi系,Sn−0.7wt%Cuで代表されるような
Sn−Cu系,Sn−52wt%Inで代表されるよう
なSn−In系,Sn−9wt%Znで代表されるよう
なSn−Zn系,In−10wt%Agで代表されるよ
うなIn−Ag系、そして、Au−20wt%Snで代
表されるようなAu−Sn系を挙げることができる。こ
れらのSn−Ag系,Sn−Sb系,Sn−Bi系,S
n−Cu系,Sn−In系、Sn−Zn系,In−Ag
系,Au−Sn系の各合金材は、任意の組成に組み合わ
せて使用することもできる。
【0027】ろう材2,第1ろう材層4そして第2ろう
材層6の厚さは、20〜300μmの範囲であればよい
が、半導体装置30に要求される信頼性,作業性,歩留
り等を考慮すると、より好ましくは50〜200μmの
範囲が望ましい。
【0028】リード7としては、Cuを母材にした金属
又は合金が用いられる。この際、はんだぬれ性付与の観
点から、表面にNi,Ag,Au等の金属をめっきして
おくことは好ましいことである。
【0029】上記の構成によって得られた半導体装置3
0では、θは110゜そしてφは65゜に調整されてい
る。θやφはこれらの角度に限定される必要はなく、θ
は直角又は鈍角そしてφは直角又は鋭角になるように調
整されていればよい。
【0030】図8は、以上の構成により得られた半導体
装置30の温度サイクル試験における熱抵抗の推移を示
すグラフである。図において、Aは半導体チップ5が第
1形態の場合、Bは半導体チップ5が第2形態の場合、
そしてCは比較例半導体装置の場合である。比較例半導
体装置については後述する。縦軸の初期値に対する熱抵
抗増加量は、(試験後の熱抵抗/初期熱抵抗)比で表わ
す。試料A及びBとも、1万回までの試験で、熱抵抗増
加は示していない。この結果は、本実施例半導体装置3
0における半導体チップ5が第1形態及び第2形態のい
ずれの場合でも、ろう材層4及び6のいずれもクラック
等の破壊を生じていないことを示唆する。
【0031】半導体装置30がこのように優れた信頼性
を示したのは、次の理由に基づく。すなわち、信頼性向
上のため本発明者が見い出した第1の条件(半導体チッ
プ5が互いに平行な2つの第1の主面5Aと第2の主面
5B及び外周部に露出端面5Cを有し、第1の主面5A
と露出端面5Cのなす角度が鋭角であり、そして、第2
の主面5Bと露出端面5Cのなす角度が鈍角であるこ
と)と、第2の条件(第1の主面5Aとこれに連なって
配置された第1ろう材層4の外周部端面4Cとのなす角
度θが直角又は鈍角であり、そして、第2の主面5Bと
これに連なって配置された第2ろう材層6の外周部端面
4Cとのなす角度φが直角又は鋭角であること)が、と
もに満たされているためである。この結果、第1ろう材
層4の特にクラック起点10と第2ろう材層6の特にク
ラック起点11に作用する応力が低減され、これらろう
材層の疲労破壊が軽減されるためである。一方、Cの比
較例半導体装置の場合は、1000回あたりから熱抵抗
の増大を生じている。
【0032】図9は比較例半導体装置の断面模式図を示
す。この半導体装置の場合は、半導体チップ5が互いに
平行な2つの第1の主面5Aと第2の主面5B及び外周
部に露出端面5Cを有し、第1の主面5Aと露出端面5
Cのなす角度が“鈍角”であり、そして、第2の主面5
Bと露出端面5Cのなす角度が“鋭角”である。すなわ
ち、信頼性向上のため本発明者が見い出した前述の第1
条件が満たされていない(第2条件は満たされているけ
れども)。したがって、図8におけるC(比較例半導体
装置)の熱抵抗増大が早められたのは、上記第1条件が
満たされない結果、第1ろう材層4の特にクラック起点
10に作用する応力が増加し、このろう材層の疲労破壊
が促進されたためである。
【0033】図10は、本実施例半導体装置30のパワ
ーサイクル試験における熱抵抗の推移を示すグラフであ
る。この試験においては、金属容器1の温度が30〜1
25℃の変化を生ずるように、半導体装置30に間欠通
電を施す。図におけるA,B,Cの内容は、図8に示し
た温度サイクル試験の場合と同様である。また、縦軸の
見方も図8の場合と同様である。試料A及びBとも、約
5万回までは初期値と同等の熱抵抗を示している。熱抵
抗増加は5万回を越えてから生じている。これに対し、
Cの場合は、5000回を越えた段階で熱抵抗増加を生
じている。このように、本実施例半導体装置30が優れ
たパワーサイクル耐量を示すのは、上述した第1条件と
第2条件がともに満たされ、これに基づく効果が作用す
るためである。この結果、第1ろう材層4の特にクラッ
ク起点10と第2ろう材層6の特にクラック起点11に
作用する応力が低減され、これらろう材層の疲労破壊が
軽減される。一方、Cの比較例半導体装置が不十分なパ
ワーサイクル耐量を示すのは、第2条件は満たされてい
るけれども、第1条件が満たされていないことによる。
したがって、第1ろう材層4の特にクラック起点10に
作用する応力が増加し、このろう材層の疲労破壊が促進
されるためである。
【0034】本実施例において、半導体チップ5と金属
容器1との間に固着される熱膨張緩和部材3は、その被
固着面と平行な方向の熱膨張率が7〜13.5ppm/℃、
そして熱伝導率が150W/m・K以上に調整されてい
る。このような条件を満たし得る材料は図5に示した第
1金属板31の両面にサンドウイッチ状に第2金属板3
2を接合してなるものだけに限らない。
【0035】図11は熱膨張緩和部材の代替材料を説明
する断面図である。(a)は第1金属板31としてのイ
ンバと第2金属板32としてのCuとを交互にストライ
プ状に接合した2枚のアッセンブリを、ストライプ方向
が互いに直角になるように配置して接合したものであ
る。この場合の熱膨張率や熱伝導率は、第1金属板31
と第2金属板32の配置量比率、アッセンブリの重ね
数、厚さ等により調整される。この観点から、アッセン
ブリは1枚でもよいし、2枚以上でもよい。(b)は第
1金属31としてのインバ粒が第2金属32としてのC
uマトリックス中に分散された状態のものである。この
場合の熱伝導率や熱膨張率は、第1金属31や第2金属
32の配合比率や、厚さ等により調整される。(c)は
第1金属31としてのMo粒と第2金属32としてのC
u粒との混合体が焼結された状態のものである。この場
合の熱伝導率や熱膨張率は、第1金属31と第2金属3
2の配合比率や、厚さ等により調整される。以上の
(a)〜(c)における第1金属31は熱膨張緩和部材3
の熱膨張率を小さい値に保つためのもので、インバ(F
e−36wt%Ni,1.5ppm/℃),42アロイ(F
e−42wt%Ni,7ppm/℃),フェルニコ(Fe
−31wt%Ni−15wt%Co,5ppm/℃),Mo
(5ppm/℃),W(4ppm/℃)等が選択される。ま
た、第2金属32は熱膨張緩和部材3の固着面に平行な
方向の熱伝導率を大きい値に保つためのもので、Cu
(403W/m・K),Al(236W/m・K),青銅
(180W/m・K),黄銅(106W/m・K)等が
選択される。(d)は第1金属31と同様の役割を持つ
SiC粉末31′が第2金属32としてのAlマトリッ
クス中に分散された状態のものである。この場合の熱伝
導率や熱膨張率は、SiC粉末31′と第2金属32の
配合比率により調整される。(e)は第1金属31と同
様の役割を持つSiC繊維クロス31″が第2金属32
としてのCuマトリックス中に埋め込まれた状態のもの
である。この場合の熱伝導率や熱膨張率は、SiC繊維
クロス31″と第2金属32の配合比率により調整され
る。上記(d)及び(e)において、第2金属32とし
ては、Cu(403W/m・K)やAl(236W/m
・K)を用いることができる。第1金属31と同様の役
割を持つSiC粉末31′やSiC繊維クロス31″
は、炭素,窒化アルミニウム,アルミナ,窒化シリコン
からなる材料で代替できる。上記(a)〜(e)におい
ては、いずれにもNiめっき33が施されている。これ
はAuやAgによって代替されてもよい。しかし、品質
が良好に保たれる場合は、めっき33を設けることは必
須としない。
【0036】表1は熱膨張緩和部材としての各種代替材
料の物性値の例を示す。ここに掲げる熱膨張率及び熱伝
導率は、熱膨張緩和部材3の被固着面と平行な方向の値
である。いずれの材料も本発明の効果を奏するような熱
膨張率(7〜13.5ppm/℃)及び熱伝導率(150W/
m・K以上)に調整されている。熱膨張緩和部材3がこ
のような物性値を有することにより、半導体装置30の
ろう材層4,6の疲労破壊が軽減され、そして半導体装
置30の良好な放熱性が保たれる。
【0037】
【表1】
【0038】以上で説明した半導体装置30は、全波整
流装置に適用される。図12は全波整流装置を説明する
平面図及び断面図である。(a)は全波整流装置60の
平面図、そして(b)はA−A′断面図である。以下、
両図面を用いて全波整流装置60について説明する。図
において、半導体装置30は前述したように、Cuから
なる金属容器1,金属容器1の底部にろう材2により固
着された熱膨張緩和部材3,熱膨張緩和部材3上に第1
ろう材層4により固着された半導体チップ5,半導体チ
ップ5上に第2ろう材層6を介して固着されたリード
7、そして熱膨張緩和部材3,リード7及び半導体チッ
プ5の露出端面5Cを被覆する保護層8とを含んでい
る。3個の半導体装置30の金属容器1が、接着層12
を介して第1放熱板13に接着される。すなわち、複数
個の半導体装置30が互いに対をなす第1放熱板13及
び第2放熱板14上に搭載され、各放熱板内では整流方
向が揃えられ、放熱板相互間では整流方向が異なるよう
に取り付けられている。ここで搭載されている半導体チ
ップ5は図7(a)の形態のものである。また、図7(b)
の形態の半導体チップ5を搭載した3個の半導体装置3
0が、接着層12を介して第2放熱板14に接着され
る。ここで、第1放熱板13及び第2放熱板14には、
Cuからなる材料が用いられている。放熱板13及び1
4の役割は、半導体装置30が放出する熱を効率よく外
部へ伝達すること及び電力を効率よく伝達することにあ
る。この観点から、放熱板13及び14には、Alから
なる材料を用いることも可能である。第1放熱板13と
第2放熱板14は互いに対をなしており、エポキシ樹脂
等からなる端子台17に、取り付け部材18を介して取
り付けられている。リード7は、はんだ材16を介して
あらかじめ端子台17に埋め込まれたCuからなる金属
端子15に接合されている。はんだ材16や接着層12
には、Sn−9wt%Zn合金が適用されている。この
合金は、(1)Pb−5wt%Sn−1.5wt%A
g,Pb−10wt%Sn,Pb−50wt%Sn,Pb
−63wt%Snの如きPb−Sn系合金材、(2)S
nからなる金属、又は(3)Sn,Sb,Ag,Cu,N
i,P,Bi,Zn,AuそしてInの群から選択され
た少なくとも2種を含む合金材で代替してもよい。特
に、合金材として、Sn−3.5wt%Ag,Sn−3
wt%Ag−0.8wt%Cuで代表されるようなSn
−Ag系,Sn−5wt%Sb,Sn−5wt%Sb−
0.6wt%Ni−0.05wt%Pで代表されるような
Sn−Sb系,Sn−58wt%Biで代表されるよう
なSn−Bi系,Sn−0.7wt%Cu で代表される
ようなSn−Cu系,Sn−52wt%Inで代表され
るようなSn−In系,Sn−9wt%Znで代表され
るようなSn−Zn系,In−10wt%Agで代表さ
れるようなIn−Ag系、そして、Au−20wt%S
nで代表されるようなAu−Sn系を用いてもよい。更
に、これらのSn−Ag系,Sn−Sb系,Sn−Bi
系,Sn−Cu系,Sn−In系,Sn−Zn系,In
−Ag系,Au−Sn系の各合金材は、任意の組成に組
み合わせて使用することもできる。以上に説明した全波
整流装置60は、図13に示す全波整流回路を構成して
いる。この全波整流装置60は、車両用三相交流発電機
に取り付けられる。車両のエンジンによる回転動力がロ
ータに伝達され、このロータに取り付けられたロータコ
イルが励磁巻線の発生する界磁と鎖交することにより、
ロータコイルに交流が発生する。全波整流装置60の
U,V,W端子は、前記ロータコイルと接続されてい
る。したがって、U,V,W端子を経由した交流は各半
導体装置30により直流に変換され、端子A及びBを通
して負荷に直流電力として供給される。
【0039】全波整流装置60は、これが取り付けられ
た三相交流発電機とともに自動車のエンジンルーム内に
搭載される。三相交流発電機及び全波整流装置60は、
32万kmの走行試験期間中、常に稼働状態にしても、
電気的機能は初期状態と同等に維持される。このように
優れた耐久性能が得られる理由の1つとして、半導体装
置30が前述した第1の条件を共に満たす構造になって
いる点が挙げられる。この結果、走行試験期間中の発熱
と冷却の繰り返し熱変化に伴って作用する半導体装置3
0のクラック起点10及び11の応力が低い水準に維持
される。したがって、ろう材層4及び6における熱疲労
破壊が軽減され、半導体装置30及び全波整流装置60
の優れた性能が維持される。
【0040】図14は他の形態の全波整流装置を説明す
る断面模式図である。図において、半導体装置30は前
述したように、Cuからなる金属容器1,金属容器1の
底部にろう材2により固着された熱膨張緩和部材3,熱
膨張緩和部材3上に第1ろう材層4により固着された半
導体チップ5,半導体チップ5上に第2ろう材層6を介
して固着されたリード7、そして熱膨張緩和部材3,リ
ード7及び半導体チップ5の露出端面5Cを被覆する保
護層8とを含んでいる。半導体装置30は、第1放熱板
13と第2放熱板14の貫通孔にそれぞれはめ込まれて
いる。第1放熱板13と第2放熱板14の間には、シリ
コーン樹脂からなる絶縁シート19が挟まれている。す
なわち、複数個の半導体装置30が互いに対をなす第1
放熱板13及び第2放熱板14上に搭載され、各放熱板
内では整流方向が揃えられ、放熱板相互間では整流方向
が異なるように取り付けられている。
【0041】第1放熱板13と第2放熱板14は互いに
対をなしている。各半導体装置30は、リード7をあら
かじめ端子台17に取り付けられた金属端子15とはん
だ材16を介して接合されている。以上の構造の全波整
流装置60は、図13に示した全波整流回路を構成して
いる。この全波整流装置60は、車両用三相交流発電機
に取り付けられて使用できる。
【0042】なお、図12〜図14の実施例において
は、図6に示したような熱膨張緩和部材を持たない構成
を用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ろう材層の耐熱疲労性
を向上させ、半導体装置及びそれを用いた全波整流装置
を安全かつ安定に動作させることに寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の断面図である。
【図2】図1の端面領域を詳細に説明するための拡大断
面図である。
【図3】シミュレーションによるクラック起点の応力を
示すグラフである。
【図4】他の構造の半導体装置のシミュレーションによ
るクラック起点の応力を示すグラフである。
【図5】半導体チップと金属容器との間に配置される熱
膨張緩和材の一例を説明する断面図である。
【図6】他の形態の本発明による半導体装置を説明する
断面模式図である。
【図7】円形加工された半導体チップの断面模式図であ
る。
【図8】温度サイクル試験における熱抵抗の推移を示す
グラフである。
【図9】比較例半導体装置の断面模式図である。
【図10】パワーサイクル試験における熱抵抗の推移を
示すグラフである。
【図11】熱膨張緩和部材の代替材料を説明する断面図
である。
【図12】全波整流装置を説明する平面図及び断面図で
ある。
【図13】全波整流回路である。
【図14】他の形態の全波整流装置を説明する断面模式
図である。
【符号の説明】
1…金属容器、2…ろう材、3…熱膨張緩和材、4…第
1ろう材層、4C…外周部端面、5…半導体チップ、5
A…第1の主面、5B…第2の主面、5C…露出端面、
6…第2ろう材層、6C…外周部端面、7…リード、8
…保護層、9…端面領域、10…第1ろう材層のクラッ
ク起点、11…第2ろう材層のクラック起点、12…接
着層、13…第1放熱板、14…第2放熱板、15…金
属端子、16…はんだ材、17…端子台、18…取り付
け部材、19…絶縁シート、30…半導体装置、31…
第1金属板,第1金属、31′…SiC粉末、31″…
SiC繊維クロス、32…第2金属板,第2金属、33
…めっき、51…ベース、P型層、52…n+ 層、53
…p+ 層、60…全波整流装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 九嶋 忠雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 上野 巧 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中島 力 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立事業所内 Fターム(参考) 5F047 AA13 BA06 BA18 BA19 BA52

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属容器と、該金属容器の底部に直接又は
    熱膨張緩和材を介して第1ろう材層により固着された半
    導体チップと、前記半導体チップ上に第2ろう材層を介
    して固着されたリードと、を含む半導体装置において、
    前記半導体チップは互いに平行な2つの第1及び第2の
    主面と外周部に端面を有し、前記第1の主面と前記端面
    のなす角度が鋭角そして前記第2の主面と前記端面のな
    す角度が鈍角であり、前記第1の主面とこれに連なって
    配置された前記第1ろう材層の外周部端面とのなす角度
    が直角又は鈍角、そして前記第2の主面とこれに連なっ
    て配置された前記第2ろう材層の外周部端面とのなす角
    度が直角又は鋭角であることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第1ろう材層又は
    /及び第2ろう材層がPbとSnを主成分として含むP
    b−Sn系合金、又はSnからなる金属、又はSn,S
    b,Ag,Cu,Ni,P,Bi,Zn,AuそしてI
    nの群から選択された少なくとも2種を含む合金である
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記熱膨張緩和材の前
    記金属容器の底部と固着される面又は前記半導体チップ
    と固着される面と平行な方向の熱膨張率が7〜13.5p
    pm/℃、そして熱伝導率が150W/m・K以上である
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】複数個の半導体装置が一対の放熱板に取り
    付けられ、前記放熱板内では整流方向が揃えられ、前記
    放熱板相互間では整流方向が異なるように取り付けられ
    た全波整流装置において、前記半導体装置は、金属容器
    と、前記金属容器の底部に直接又は熱膨張緩和材を介し
    て第1ろう材層により固着された半導体チップと、前記
    半導体チップ上に第2ろう材層を介して固着されたリー
    ドと、を含む半導体装置であり、前記半導体チップは互
    いに平行な2つの第1及び第2の主面と外周部に端面を
    有し、前記第1の主面と前記端面のなす角度が鋭角そし
    て前記第2の主面と前記端面のなす角度が鈍角であり、
    前記第1の主面とこれに連なって配置された前記第1ろ
    う材層の外周部端面とのなす角度が直角又は鈍角、そし
    て前記第2の主面とこれに連なって配置された前記第2
    ろう材層の外周部端面とのなす角度が直角又は鋭角であ
    ることを特徴とする全波整流装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記第1ろう材層又は
    /及び第2ろう材層がPbとSnを主成分として含むP
    b−Sn系合金、又はSnからなる金属、又はSn,S
    b,Ag,Cu,Ni,P,Bi,Zn,AuそしてI
    nの群から選択された少なくとも2種を含む合金である
    ことを特徴とする全波整流装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記熱膨張緩和材の前
    記金属容器の底部と固着される面又は前記半導体チップ
    と固着される面と平行な方向の熱膨張率が7〜13.5p
    pm/℃、そして熱伝導率が150W/m・K以上である
    ことを特徴とする全波整流装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014116511A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Hitachi Power Semiconductor Device Ltd パワー半導体装置、整流装置および電源装置

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