JP2001126253A - 光ディスク装置の光駆動方法 - Google Patents

光ディスク装置の光駆動方法

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JP2001126253A JP2000304054A JP2000304054A JP2001126253A JP 2001126253 A JP2001126253 A JP 2001126253A JP 2000304054 A JP2000304054 A JP 2000304054A JP 2000304054 A JP2000304054 A JP 2000304054A JP 2001126253 A JP2001126253 A JP 2001126253A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスクの記録領域の始端及び終端におけ
る記録材料の劣化を抑制することができる光ディスク装
置の光駆動方法を提供すること。 【構成】 データを記録する記録領域116とアドレス
領域113とを有する光ディスクに記録再生を行う光デ
ィスク装置の駆動方法において、データを記録する場
合、前記アドレス領域の全部又は一部を、再生に用いる
光のパワー133より大きいパワーの光132で照射
し、且つその照射は、前記記録動作を開始する時刻の所
定時間前から行い、及び/又は前記記録動作の終了後、
所定時間経過後まで行う光ディスク装置の光駆動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に記録再生を行
う光ディスク装置の光駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク装置は大容量のデータ
を記録再生する手段として盛んに開発が行われている。
【0003】以下図面を参照しながら、SS(サンプル
サーボ)方式でトラッキング制御を行う光ディスク及び
光ディスク装置を例にとって説明する。
【0004】図11に従来のSS(サンプルサーボ)方
式の相変化型光ディスクのフォーマットの一例を示す。
光ディスク111は全周が複数のセクタ112に分かれ
ている。各セクタ112は1つのアドレス領域113
と、複数のセグメント114に分かれており、各セグメ
ント114はサーボ領域115と記録領域116に分か
れている。
【0005】サーボ領域115には千鳥足状のウォーブ
ルピット118a、118bとクロックピット119が
形成されている。117はトラックの中心位置である。
1110はレーザの光スポットである。光スポット11
10がトラックの中心にあるときは千鳥足状のウォーブ
ルピット118aと118bにおいて返ってくる反射光
量が等しくなることから、ウォーブルピット118a、
118bから得られる信号の差からトラッキング信号を
つくることができる。
【0006】又、クロックピット119は光スポット1
110がウォーブルピット118a、118bを通過し
たときにおのおのの反射光量を検出するタイミングをつ
くるためのピットである。ウォーブルピット118a、
118b、クロックピット119はスタンピングの時に
あらかじめ作られている。
【0007】図12に従来の相変化型光ディスク装置の
トラッキング信号検出回路の一例を示す。光スポット1
110が通過したときの反射光量から得られる再生信号
121はスイッチ回路123へ導かれる。スイッチ回路
123では、クロックピット119の再生信号からつく
られたサンプルホールド回路切り替え信号122によっ
て、例えばウォーブルピット118aの再生信号はサン
プルホールド回路124aへ導かれ、ウォーブルピット
118bの再生信号はサンプルホールド回路124bへ
導かれる。サンプルホールド回路124a、124bか
ら出力される信号は、差動増幅器125に入力され、そ
こでサンプルホールドされた信号の差をとることにより
トラッキング信号126が出力される。
【0008】図13は、従来の光ディスク装置において
データを記録する場合に、図11の光ディスク111の
サーボ領域115と記録領域116を光スポット111
0が通過するときの領域ごとのレーザ光の照射パワーを
示したものである。
【0009】記録領域116では結晶状態からアモルフ
ァス状態へ相変化させるために必要な記録パワー131
とアモルファス状態から結晶状態へ相変化させるために
必要な消去パワー132の2値(データの1、0情報に
対応する)でレーザを変調させて記録を行う。
【0010】サーボ領域115では、記録パワー131
や消去パワー132のパワーに比べて、パワーの小さい
再生パワー133でレーザを発光させ、光スポット11
10がウォーブルピット118a、118b、クロック
ピット119を通過したときの反射光量を検出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常記
録パワー131および消去パワー132は再生パワー1
33に比べて非常に大きい。一般に記録パワー131は
15mWから20mW、消去パワー132は記録パワー
131の半分程度、再生パワー133は1mWから2m
W程度である。そのため記録パワー131および消去パ
ワー132の照射される領域と再生パワー133の照射
される領域とでは相変化材料の熱条件が大きく異なる。
【0012】従って上記のような構成では、繰り返し記
録を行ったとき光ディスク111において最も急激に熱
条件の変わる記録領域の始端及び終端から記録材料の劣
化が始まるという課題がある。本発明は、従来の光ディ
スクの劣化におけるこのような課題を考慮し、光ディス
クの記録領域の始端及び終端における記録材料の劣化を
抑制することができる光ディスク装置の光駆動方法を提
供することを目的とするものである。
【0013】なお参考に、相変化型光ディスクにおける
熱膨張による物質移動について説明する。
【0014】相変化型光ディスク111は一般にガラス
やポリカーボネートの基板、ゲルマニウム、アンチモ
ン、テルルなどからなる記録膜、記録膜の上下にあって
記録膜を保護するための誘電体の保護膜、金やアルミニ
ウムの反射膜から構成されるが保護膜は記録膜に比べて
熱吸収が小さい。このために記録膜は熱吸収によって熱
膨張をしやすいけれども保護膜はしにくいと考えられ
る。従って記録膜が熱膨張するとき、上下の保護膜から
記録膜の熱膨張を妨げようとする力を受けることが予想
される。
【0015】この様子を図14に示す。図14(a)
は、相変化型光ディスク111及び、その記録領域11
6の一部断面図である。相変化型光ディスク111は、
基板148の表面に保護膜142が形成され、その保護
膜142の表面に記録膜141が形成され、その記録膜
141の表面に保護膜142が形成され、その保護膜1
42の表面に反射膜147が形成された円盤状の光記録
媒体である。図14(b)は、図14(a)に示される
記録領域116の断面における記録膜141および保護
膜142の拡大図である。143は記録膜141の熱膨
張をしている部分である。145は熱膨張をしている部
分の移動前の位置、146は移動後の位置である。14
4は熱膨張を妨げようとする力である。図14(b)で
は熱膨張を妨げる力144の水平方向成分の力は図面上
向かって右側なので、熱膨張している部分143は元の
大きさに戻るときに図面上向かって右側に移動する。
【0016】このように、繰り返し記録を行ったとき、
熱膨張を妨げようとする力144のために記録膜141
は水平方向にわずかに物質移動させられ、移動により記
録膜物質の少なくなったところから劣化が始まる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、データを記録
する記録領域とアドレス領域とを有する光ディスクに記
録再生を行う光ディスク装置の光駆動方法において、前
記データを記録する場合、前記アドレス領域の全部又は
一部を、再生に用いる光のパワーより大きいパワーの光
で照射し、且つその照射は、前記記録動作を開始する時
刻の所定時間前から行い、及び/又は前記記録動作の終
了後、所定時間経過後まで行うことを特徴とする光ディ
スク装置の光駆動方法である。
【0018】また、本発明は、前記再生に用いる光のパ
ワーより大きいパワーの前記光が、前記記録動作に用い
られる消去パワーである上記光ディスク装置の光駆動方
法である。
【0019】
【作用】本発明は、光パワー変更手段が、データを記録
する場合、アドレス領域の全部又は一部を照射する光の
パワーを、再生に用いる光のパワーより大きいパワーの
光に変更し、データを記録するために必要な制御などの
制御情報を光ディスクのアドレス領域から再生する場
合、その変更された光により行う。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明にかかる第1の実施の形態
の光ディスク装置及びその光駆動方法における、領域毎
のレーザ光の照射パワーの波形を示す図である。図1に
おいて、光ディスクは図11と同様のフォーマットであ
り、サーボ領域115と記録領域116を光スポット1
110が通過するときの領域ごとのレーザ光の照射パワ
ーを示す。
【0022】まず、記録領域116では、結晶状態から
アモルファス状態へ相変化させるために必要な記録パワ
ー131とアモルファス状態から結晶状態へ相変化させ
るために必要な消去パワー132の2値を記録するデー
タに応じて用い、レーザを発光させてパワー変調を行
う。
【0023】一方、サーボ領域115では、再生パワー
133よりも大きい、例えば消去パワー132によりレ
ーザを発光させ、その光スポット1110がウォーブル
ピット118a、118b、クロックピット119を通
過したときの反射光量を検出する。
【0024】このように、サーボ領域115を消去パワ
ー132のレーザ光により照射すれば、記録領域116
とサーボ領域115との熱条件が大きく変化することを
抑制できる。
【0025】図2に上記実施の形態の相変化型光ディス
ク装置のトラッキング信号検出系のブロック図を示す。
すなわち、トラッキング信号検出系の回路には、サーボ
領域115から入力された再生信号20のゲインを、ゲ
イン切り替え信号22に応じて切り替えるゲイン切り替
え回路21が設けられ、そのゲイン切り替え回路21に
は、トラッキング信号126を出力するトラッキング信
号検出回路120が接続されている。そのトラッキング
信号検出回路120は、サンプルホールド切り替え信号
122に応じて入力信号を切り替えるスイッチ回路12
3、切り替えられた入力信号をそれぞれサンプルホール
ドするサンプルホールド回路124a,124b、及び
サンプルホールドされた信号の差をとり、トラッキング
信号126を出力する差動増幅器125により構成され
ている。
【0026】前述のように、サーボ領域115は再生パ
ワー133よりも大きいパワーでレーザ光を照射するた
めサーボ信号を次のようにして得る。
【0027】まず、光スポット1110が通過したとき
の反射光から得られる再生信号20はゲイン切り替え回
路21に入力される。
【0028】図3は、ゲイン切り替え回路21の一例を
示すブロック図である。ゲイン切り換え回路21は、サ
ーボ領域115からの、記録時と再生時における再生信
号20のレベル(記録時は消去パワー132用いて再生
するため、再生時と比べてレベルが異なっている)を合
わせるために、経路を切り替えるための回路である。
又、増幅器35,36及び抵抗器31,32,33,3
4が減衰器を構成し、ゲイン切り替え信号22により、
スイッチ回路37が切り替わる。
【0029】再生時にはスイッチ回路37の接点39側
がONとなり、再生信号20は直接接点39を通って信
号310として出力される。
【0030】一方、記録時にはスイッチ回路37の接点
38側がONとなり、増幅器35、36により減衰さ
れ、接点38を通って信号310として出力される。こ
のようにスイッチ回路37を切り替えるのは、上述した
ようにサーボ領域115を再生パワー133よりも大き
い、例えば消去パワー132のレーザ光を照射するので
反射光量が再生時よりも大きくなるからである。
【0031】このようにして記録時における再生と再生
時とで照射するレーザ光のパワーが異なっても、ゲイン
切り替え回路21によって光スポット1110が記録時
における再生と再生時とで同じ位置を通過するときには
同じ大きさの信号310が得られる。
【0032】ゲイン切り替え回路21から出力された信
号310は、次にトラッキング信号検出回路120に入
力される。トラッキング信号検出回路120では、まず
信号310がスイッチ回路123へ入力され、そこでク
ロックピット119からの再生信号からつくられたサン
プルホールド回路切り換え信号122によって、例えば
ウォーブルピット118aからの再生信号はサンプルホ
ールド回路124aへ導かれ、ウォーブルピット118
bからの再生信号はサンプルホールド回路124bへ導
かれるように切り替えられる。
【0033】次に、サンプルホールド回路124a、1
24bでサンプルホールドされた出力信号は、差動増幅
器125に入力され、その入力の差をとることによりト
ラッキング信号126が得られる。
【0034】以上のように本例によれば、サーボ領域1
15を消去パワー132のレーザ光で照射することによ
り、従来繰り返し記録を行ったときに光ディスクにおい
て最も急激に熱条件の変わっていた記録領域116の始
端及び終端における記録材料の劣化を抑えることが出来
る。
【0035】更に、ここまではトラッキング信号126
の検出を例に説明をしてきたが、SS(サンプルサー
ボ)方式におけるフォーカスを行う領域や、SS(サン
プルサーボ)方式あるいは連続溝方式におけるアドレス
領域も、一般に再生パワー133のレーザ光を照射す
る。ここで、再生時に再生パワー133のレーザ光を照
射する記録領域以外の任意の領域(例えば凹凸で形成さ
れた領域)を再生領域(再生専用領域)と呼ぶことにす
る。
【0036】なお、上記実施の形態では、ゲイン切り替
え回路21において再生信号20は、再生時には接点3
9をそのまま通り、記録時には増幅器35、36により
減衰されて接点38から信号310になると説明した
が、これに代えて、例えば記録時に接点39をそのまま
通り、再生時に増幅器35、36により増幅されて接点
38から信号310となる場合も同等の効果を有する。
【0037】また、上記実施の形態では、光ディスクの
フォーマットは図11で示されるフォーマットを例に説
明したが、これに限らず、記録領域と再生領域が隣接す
る任意の書換型の光ディスクに対しても同等の効果を有
する。
【0038】図4は、本発明にかかる第2の実施の形態
の光ディスク装置のブロック図である。図4において、
40は光ディスク111に記録再生を行う光学ヘッド、
41はその光学ヘッド40のレーザを発光させるレーザ
駆動回路である。それら光学ヘッド40及びレーザ駆動
回路41のブロック図を図6に示す。
【0039】図6において、光学ヘッド40に設けられ
た68はレーザ、69は受光素子である。又、レーザ駆
動回路41の、65は再生パワー133でレーザ68を
発光させるための電流源、66は消去パワー132でレ
ーザ68を発光させるための電流源である。このときレ
ーザ68は電流源65、66を流れる2つの電流の合成
により消去パワー132で発光する。67はレーザ68
を記録パワー131で発光させるための電流源である。
このときレーザ68は電流源65、66、67を流れる
3つの電流の合成により記録パワー131で発光する。
【0040】又、61は電流源66を制御するスイッチ
であり、このスイッチ61は信号22が立ち上がるとオ
ンされる。62は電流源67を制御するスイッチであ
り、このスイッチ62は信号411が立ち上がるとオン
される。
【0041】図4において、42は光学ヘッド40から
の出力を再生する再生回路である。再生回路42の出力
である再生信号20は、第1の実施の形態と同様にゲイ
ン切り替え回路21に入力され、光スポット1110が
記録時における再生と再生時とで同じ位置を通過すると
きには同じ大きさの信号310が得られる。
【0042】信号310はトラッキング信号検出回路1
20に入力され、トラッキング信号126が出力され
る。43はアドレス検出回路であり、信号310からア
ドレスを検出する。44は記録するべき領域のアドレス
を検出する記録アドレス検出回路である。
【0043】48はゲイン切り替え信号発生回路であ
り、このゲイン切り替え信号発生回路48は、例えばア
ンド回路45、46とセットリセットフリップフロップ
47から構成される。
【0044】以上のアドレス検出回路43がアドレス検
出手段を構成し、ゲイン切り替え信号発生回路48が変
更信号出力手段を構成し、レーザ駆動回路41がパワー
制御手段を構成し、又、それらアドレス検出手段、変更
信号出力手段及び、パワー制御手段が光パワー変更手段
を構成している。
【0045】又、ゲイン切り替え信号発生回路48は、
アドレス検出回路43の出力信号49と記録アドレス検
出回路44の出力信号410からゲイン切り替え信号2
2を出力する。この様子を図5に示す。
【0046】図5は、ゲイン切り替え信号22を生成す
るためのタイミングチャートおよびレーザ68の光スポ
ット1110が通過する領域ごとのレーザ光の照射パワ
ーを示す。なお図5は記録開始時および記録終了時のレ
ーザ光の照射パワーの様子を明確にするために二つのア
ドレス領域113の間にある記録領域116及びサーボ
領域115の数を減らして示している。
【0047】図5において、49はアドレス検出回路4
3の出力信号であり、アドレスを検出するとクロックが
立つ。410は記録アドレス検出回路44の出力信号で
あり、記録するべきアドレスを検出するとクロックが立
つ。
【0048】ゲイン切り替え信号発生回路48の出力で
あるゲイン切り替え信号22は信号49のクロックと信
号410のクロックが共に立ったときに立ち上がり、次
に信号49のクロックだけが立ったときに立ち下がる。
【0049】ゲイン切り替え信号22が立ち上がるとゲ
イン切り替え回路21のスイッチ回路37のスイッチが
切り替わると共にレーザ駆動回路41のスイッチ61が
オンになり、レーザ68は消去パワー132で発光す
る。この状態で記録信号411が記録領域116で立ち
上がると、レーザ駆動回路41のスイッチ62がオンに
なり、レーザ68は記録パワー131で発光する。
【0050】55はレーザ68の光スポット1110が
通過する領域ごとのレーザ光の照射パワーを示す。記録
は記録領域116aの始端から開始する。記録領域11
6aの始端で再生パワー133から消去パワー132あ
るいは記録パワー131に立ち上がり(記録開始時の最
初の記録信号411の状態による)、レーザ68は、記
録領域116a、116b、116c、116dでは信
号22、411に対応して記録パワー131と消去パワ
ー132の2値で発光し、アドレス領域113b、サー
ボ領域115a、115bでは信号22に対応して消去
パワー132で発光する。
【0051】データの記録は記録領域116dの終端で
終了するが、レーザ光は消去パワー132で発光を続
け、アドレス領域113cの終端で信号22に同期して
消去パワー132から再生パワー133に立ち下がる。
従って記録領域116dの終端とアドレス領域113c
の始端における記録終了時の急激な熱条件の変化は抑え
られる。
【0052】以上のように、本実施の形態の光ディスク
装置では記録中に再生領域(図5では、サーボ領域11
5a,115b及びアドレス領域113b,113c)
を消去パワー132のレーザ光により照射することで、
記録領域の始端及び終端における急激な熱条件の変化を
抑えるとともに、記録する最後の記録領域の終端とその
隣の再生領域の始端における急激な熱条件の変化をも抑
えることが可能になり、光ディスクの劣化をより抑える
ことができる。
【0053】更に、記録時において、光スポットが再生
領域を通過する際に、照射するレーザ光のパワーを再生
パワー133まで落とす必要がなく、記録パワー131
と消去パワー132の2値で照射パワーを制御すればよ
いので、記録のための回路を簡単にできる。
【0054】なお、上記実施の形態では、光ディスクの
フォーマットは図11で示されるフォーマットを例に説
明したが、これに限らず、記録領域と再生領域が隣接す
る任意の書換型の光ディスクに対しても同等の効果を有
する。
【0055】図7は、本発明にかかる第3の実施の形態
の光ディスク装置のブロック図である。図7において、
本実施の形態の光ディスク装置の構成が第2の実施の形
態の光ディスク装置と異なるところは、記録するべき領
域のアドレスを検出する記録アドレス検出回路44の代
わりに、記録するべき領域のアドレスの1つ前のアドレ
スを検出する記録直前アドレス検出回路71と、ゲイン
切り替え信号を一定時間遅延させる遅延回路72を用い
るところである。
【0056】ゲイン切り替え信号発生回路48は、アド
レス検出回路43の出力信号49と記録直前アドレス検
出回路71の出力信号82に基づいて信号83を出力す
る。信号83は遅延回路72に入力され、一定時間だけ
遅延されてゲイン切り替え信号84として出力される。
この様子を図8に示す。
【0057】図8は、ゲイン切り替え信号84を生成す
るためのタイミングチャートおよびレーザ68の光スポ
ット1110が通過する領域ごとのレーザ光の照射パワ
ーを示す。なお図8は記録開始時および記録終了時のレ
ーザ光の照射パワーの様子を明確にするために二つのア
ドレス領域113の間にある記録領域116及びサーボ
領域115の数を減らしてある。
【0058】図8において、49はアドレス検出回路4
3の出力信号であり、アドレスを検出するたびにクロッ
クが立つ。82は記録直前アドレス検出回路71の出力
信号であり、記録するべきアドレスの1つ前のアドレス
を検出するとクロックが立つ。83はゲイン切り替え信
号発生回路48の出力であり、信号49のクロックと信
号82のクロックが共に立ったときに立ち上がり、次に
信号49のクロックだけが立ったときに立ち下がる。
【0059】信号83は遅延回路72に入力されて一定
時間だけ遅延されてゲイン切り替え信号84になる。こ
のときの遅延時間は、ゲイン切り替え信号84がアドレ
ス領域の途中で立ち上がるように設定する。
【0060】ゲイン切り替え信号84が立ち上がると、
ゲイン切り替え回路21のスイッチ回路37のスイッチ
が切り替わると共にレーザ駆動回路41のスイッチ61
がオンになり、レーザ68は消去パワー132で発光す
る。この状態で記録信号411が記録領域116で立ち
上がるとレーザ駆動回路41のスイッチ62がオンにな
り、レーザ68は記録パワー131で発光する。
【0061】85はレーザ68の光スポット1110が
通過する領域ごとのレーザ光の照射パワーを示す。記録
は記録領域116aの始端から開始するが、レーザ光の
パワーは、信号84に同期してアドレス領域113aの
途中で再生パワー133から消去パワー132に立ち上
がり、レーザ68は、記録領域116a、116b、1
16c、116dでは信号84、411に対応して記録
パワー131と消去パワー132の2値で発光し、アド
レス領域113b、サーボ領域115a、115bでは
信号84に対応して消去パワー132で発光する。
【0062】記録は記録領域116dの終端で終了する
がレーザ光は消去パワー132で発光を続け、アドレス
領域113cの途中で信号84に同期して消去パワー1
32から再生パワー133に立ち下がる。
【0063】従って、記録開始時のアドレス領域113
aの終端と記録領域116aの始端における急激な熱条
件の変化がなくなり、さらに記録動作終了時の記録領域
116dの終端とアドレス領域113cの始端における
急激な熱条件の変化もなくなる。
【0064】以上のように、本実施の形態の光ディスク
装置では記録中に再生領域を消去パワー132のレーザ
光で照射することにより、記録領域の始端及び終端にお
ける急激な熱条件の変化を抑えるとともに、記録動作に
入る直前の再生領域の終端とその隣の記録領域の始端、
および記録する最後の記録領域の終端とその隣の再生領
域の始端における急激な熱条件の変化を抑えることが可
能になり、光ディスクの劣化を更に抑えることができ
る。
【0065】なお、上記実施の形態では、光ディスクの
フォーマットは図11で示されるフォーマットを例に説
明したが、これに限らず、記録領域と再生領域が隣接す
る任意の書換型の光ディスクに対しても同等の効果を有
する。
【0066】また、上記実施の形態では、いずれもサー
ボ領域115を消去パワー132でレーザ光を照射する
ようにしたが、これに限らず、再生パワー133よりも
大きい任意のパワーのレーザ光を照射するようにしても
よい。
【0067】また、上記実施の形態では、いずれも再生
領域としてサーボ領域115を例に説明したが、これに
限らず、前述のように記録領域以外の任意の再生領域に
適用しても勿論よい。
【0068】また、上記実施の形態では、いずれも記録
時における消去パワー132による再生を、全部の再生
領域及び、各再生領域の全期間について行ったが、これ
に限らず、一部の再生領域のみでもよく、又、再生領域
の始端と終端付近の一部の期間のみ消去パワー132に
より再生するようにしてもよい。
【0069】図9は、本発明に関連する一例の光ディス
クのフォーマットの例を示す図である。すなわち、光デ
ィスク91は全周が複数のセクタ92に分かれており、
各セクタ92は1つのアドレス領域113と、複数のセ
グメント94に分かれている。各セグメント94はサー
ボ領域95と記録領域116に分かれている。
【0070】サーボ領域95には千鳥足状のウォーブル
ピット118a、118b及びクロックピット119が
従来例と同様に形成され、更にサーボ領域95の両端部
にサーボ情報とは関係のないプリピット96a、96b
が形成されている。これらウォーブルピット118a、
118b、クロックピット119、プリピット96a、
96bはスタンピングの時にあらかじめ作られている。
又、117はトラックの中心位置であり、1110は光
スポットである。
【0071】図10は、プリピット96a、96b付近
の光ディスクの一部を拡大した断面及び上面を示す図で
ある。プリピット96aの左側(図面上)及びプリピッ
ト96bの右側(図面上)は記録領域116である。プ
リピット96aの右側(図面上)及びプリピット96b
の左側(図面上)はサーボ領域95である。
【0072】まず、記録領域116で繰り返し記録が行
われると、記録膜141は熱による膨張、収縮を繰り返
す。保護膜142は熱吸収量が記録膜141よりも小さ
いので熱膨張しにくいため、熱膨張をしている部分10
2は保護膜142から熱膨張を妨げる力101aもしく
は101bを受ける。
【0073】次に、熱膨張を妨げる力101aの水平方
向成分の力1010aが記録膜中を伝わって、最終的に
プリピット96aのすぐ左側の部分に伝わり更に右方向
に移動しようとするがプリピット96aが障壁となって
移動が抑えられる。
【0074】又、熱膨張を妨げる力101bの水平方向
成分の力1010bが記録膜中を伝わって、最終的にプ
リピット96bのすぐ右側の部分に伝わり更に左方向に
移動しようとするがプリピット96bが障壁となって移
動が抑えられる。
【0075】以上のように、記録領域116の外側にサ
ーボ情報とは関係のないプリピット96a、96bを設
けることにより、プリピット96a、96bが障壁とな
って繰り返し記録を行ったときの記録膜物質の移動を抑
えることができる。
【0076】なお、上記例では、サーボ領域95の端部
に円形状のプリピット96a,96bを設けて記録材料
である記録膜物質の移動を抑制したが、これに限らず、
例えば四角形等他の形状であってもよく、要するに記録
材料の移動を抑制できるように保護膜が曲がっておれば
よい。
【0077】また、上記例では、プリピット96a,9
6bをサーボ領域95の最端部に設けたが、これに限ら
ず、記録材料の移動を抑制できれば、記録領域の外側の
任意の場所であってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、光ディスクの記録領域の始端及び終端における
記録材料の劣化を抑制することができるという長所を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施の形態の光ディスク
装置及びその光駆動方法における、領域ごとのレーザ光
の照射パワーの波形を示す図である。
【図2】同実施の形態の光ディスク装置のトラッキング
信号検出系のブロック図である。
【図3】同実施の形態の光ディスク装置のゲイン切り替
え回路のブロック図である。
【図4】本発明にかかる第2の実施の形態の光ディスク
装置のブロック図である。
【図5】同実施の形態におけるタイミングチャートであ
る。
【図6】同実施の形態の光ディスク装置のレーザ駆動回
路及び光学ヘッドのブロック図である。
【図7】本発明にかかる第3の実施の形態の光ディスク
装置のブロック図である。
【図8】同実施の形態におけるタイミングチャートであ
る。
【図9】本発明に関連する一例の光ディスクのフォーマ
ットの例を示す図である。
【図10】同例の記録膜の熱膨張を説明する図である。
【図11】従来の光ディスクのフォーマットの例を示す
図である。
【図12】従来の光ディスク装置のトラッキング信号検
出回路のブロック図である。
【図13】従来の光ディスク装置における領域ごとのレ
ーザ光の照射パワーの波形を示す図である。
【図14】同図(a)は、従来の光ディスクの一部断面
図、同図(b)は、その断面の拡大図である。
【符号の説明】
20 再生信号 21 ゲイン切り替え回路 22 ゲイン切り替え信号 37 スイッチ回路 40 光学ヘッド 41 レーザ駆動回路 42 再生回路 43 アドレス検出回路 44 記録アドレス検出回路 48 ゲイン切り替え信号発生回路 71 記録直前アドレス検出回路 72 遅延回路 91 光ディスク 92 セクタ 94 セグメント 95 サーボ領域 96 プリピット 111 光ディスク 112 セクタ 113 アドレス領域 114 セグメント 115 サーボ領域 116 記録領域 131 記録パワー 132 消去パワー 133 再生パワー 141 記録膜 142 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 宮端 佳之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データを記録する記録領域とアドレス領
    域とを有する光ディスクに記録再生を行う光ディスク装
    置の光駆動方法において、 前記データを記録する場合、前記アドレス領域の全部又
    は一部を、再生に用いる光のパワーより大きいパワーの
    光で照射し、且つその照射は、前記記録動作を開始する
    時刻の所定時間前から行い、及び/又は前記記録動作の
    終了後、所定時間経過後まで行うことを特徴とする光デ
    ィスク装置の光駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記再生に用いる光のパワーより大きい
    パワーの前記光は、前記記録動作に用いられる消去パワ
    ーであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装
    置の光駆動方法。
  3. 【請求項3】 図面に示す構成の光ディスク装置の光駆
    動方法。
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