JP2001125532A - 電界電子放出装置の駆動方法 - Google Patents

電界電子放出装置の駆動方法

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JP2001125532A
JP2001125532A JP30438699A JP30438699A JP2001125532A JP 2001125532 A JP2001125532 A JP 2001125532A JP 30438699 A JP30438699 A JP 30438699A JP 30438699 A JP30438699 A JP 30438699A JP 2001125532 A JP2001125532 A JP 2001125532A
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electric field
cathode electrode
electron
electrode
driving
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Kazuo Konuma
和夫 小沼
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/304Field-emissive cathodes
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    • G09G3/22Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters using controlled light sources

Abstract

(57)【要約】 【課題】電界電子放出装置の電子放出特性を劣化させず
に駆動する方法を提供する。 【解決方法】カソード電極から電子を電界放出してアノ
ード電極に捕獲する電界電子放出装置の駆動方法におい
て、カソード電極へ印加する電界に対する捕獲電子流密
度2階微分値が一定値以上である条件を満たす範囲でし
か電界を印加しないことで、電子放出特性を劣化させず
に駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界電子放出装置
の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボン・ナノチューブと呼ばれる炭素
材料から効率良く電界電子放出することが知られてい
る。ここでは、印加電界に対して低いしきい値で電界電
子放出することを効率良い電界電子放出と呼ぶことにす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カーボン・ナノチュー
ブの電界電子放出特性を測定した結果、図6に示す特性
が得られた。この測定は接地した金属性カソード電極に
カーボン・ナノチューブの小片を固定し、1mm離れた
位置に対向して設置したアノード電極に正電圧を印加し
て行ったものである。アノード電圧を接地電位から徐々
に昇圧して一定電圧にした後、徐々に降圧して接地電位
に戻した場合の測定結果である。
【0004】1秒間に10Vの割合で昇圧・降圧した。
この測定によって、高電界印加領域で電子流密度増加率
が減少する傾向を発見した。電子流密度増加率が減少す
る領域を飽和傾向領域と呼ぶことにする。電子放出特性
は飽和傾向領域で電界を印加する間に劣化することが測
定された。ここで言う劣化とは、電子放出のしきい値電
界が高くなること、あるいは同じ電界を与えても電子放
出量が少なくなることを言う。
【0005】なお、カソード電極、アノード電極各々の
電位や両者の距離は装置により様々に異なるため、カソ
ード電極に印加する電圧を電界として表現しているが、
電圧と読み替えても本願発明は成立する。
【0006】飽和傾向領域で電界を印加する場合、印加
する電界強度が同じ場合には印加時間が短いほど電子放
出特性の劣化はすくない。また、印加する時間が同じ場
合には印加電界強度が高い程電子放出特性の劣化が大き
い。一方、飽和傾向領域以下の電界では、電子放出特性
の劣化は認識されないほどわずかであった。このように
カーボン・ナノチューブから電界電子放出させる際に飽
和傾向領域における電子放出特性の劣化という問題を発
見した。
【0007】飽和傾向領域での劣化は他の材料でも観察
されている。例えば、スピント型モリブデンコーンを用
いたマイクロフィールドエミッタアレイにおいても、ゲ
ート−カソード電極間に高電圧を印加すると電子放出特
性はファウラー・ノルドハイム関数から大きく逸脱して
飽和傾向を示すことを発見した。この飽和傾向領域では
電子放出特性の顕著な劣化が観察された。また、DLC
(ダイヤモンドライクカーボン)およびDLCを水素プ
ラズマ等で加工した材料でも同様の劣化を観察した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電界電子放出装
置の駆動方法は、第1に、カソード電極から電子を電界
放出し、アノード電極で捕獲する電界電子放出装置の駆
動方法において、前記カソード電極に印加する電界強度
が電界放出を生じさせる電界強度以上であり、かつ、前
記アノード電極で捕獲する電子流の密度(以後、電子流
密度と呼ぶ)の、カソード電極に印加する電界について
の2階微分値が、電界印加後初めて0になる電界強度よ
り小さいことを特徴とする。
【0009】この場合には、電子放出特性が飽和傾向領
域にあることを数学的に求めて認識し、この領域での駆
動を行わないことで電子放出特性の劣化を防ぐことがで
きる。正常な電界電子放出状態では印加電界に対して加
速度的にすなわち2階微分値が正の状態で増加する。こ
の特性が変化して2階微分値が0以下になる場合、その
原因としては、エミッタ材料中での電子供給能力が限界
にきて抵抗成分による制限が見えてきた場合か、エミッ
タ近傍の残留ガスがイオン化してエミッタがイオン照射
ダメージで劣化する場合がある。
【0010】第2に、カソード電極から電子を電界放出
し、アノード電極で捕獲する電界電子放出装置の駆動方
法において、前記カソード電極に印加する電界強度が電
界放出を生じさせる電界強度以上であり、かつ、前記ア
ノード電極で捕獲する電子流の密度(以後、電子流密度
と呼ぶ)の、カソード電極に印加する電界についての2
階微分値が、電界印加後初めて0になる電界強度以上で
あり、カソード電極に電界を印加する時間tap並びに、
電界強度が次の2つの関係式を満たすことを特徴とす
る。
【0011】 tap ≦ T /|A| (1) Est ≦ E (2) T:1×10-9以上1×10-6以下の数値[sec・cm-2・V
-2・A] A:電子流密度の2階微分値[A・cm-2・V-2] E:カソード電極に印加する電界強度 Est:飽和傾向領域最小電界強度 (但し、前記電子流密度の増加率が増加から減少に転ず
る時点の電界強度を、飽和傾向領域最小電界強度と呼
ぶ。)
【0012】第1の特徴として述べた印加電界範囲以上
であっても短時間であれば、実用上問題なく電子放出を
行える。
【0013】第3に、カソード電極から電子を電界放出
し、アノード電極に捕獲する電界電子放出装置の駆動方
法において、前記電子流密度の2階微分値が0であり、
かつ、3階微分値が負であるカソード電極への印加電界
をカソード電極基準印加電界と呼ぶことにした場合、カ
ソード電極基準印加電界における電子流密度の1倍以上
2倍以下の電子流を放出するカソード電極への印加電界
をカソード電極印加電界の上限値とすることを特徴とす
る。
【0014】第4に、前記カソード電極印加電界の上限
値での電子流密度が、カソード電極基準印加電界におけ
る電子流密度の1.5倍であることを特徴とする。この
場合には安全に再現性良く電界電子放出が行えることを
確認してある。
【0015】第5の特徴として、前記カソード電極と前
記アノード電極の間にゲート電極が設けられていること
を特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1を用いて本発明の第1の実施
形態を説明する。カーボン・ナノチューブをカソード電
極に付着させて、アノード電極を10μm離れた位置に
配置した状態での駆動を示している。カソード電極を接
地しておいて、アノード電極に正電位を印加した場合の
電子放出をアノード電極電流として測定した結果のグラ
フである。20V未満の電位ではアノード電極電流は得
られない。20V以上の電位では電位上昇に応じてアノ
ード電極電流が増加している。41V以上の電位で飽和
傾向領域が認められる。
【0017】上記アノード電極電流密度の傾向を1階微
分、2階微分して図1に併せて表示してある。図1で示
したアノード電極電流密度は20V以上の領域では全領
域増加傾向であるので1階微分の値は全て正の領域であ
る。一方、2階微分は飽和傾向になる41V付近で値が
負になる。本発明の第1の実施形態では2階微分の値が
0未満になることを検出して0未満になる条件で最も低
い印加電位を印加電位の上限として駆動する。
【0018】本発明の第1の実施形態と請求項との関係
について説明するために、ここで電位差と電界の関係に
ついて説明しておく。互いに平行な2枚の平板電極であ
るカソード電極とアノード電極が10μmの距離で配置
されている場合に両電極間に20Vの電位差を与えると
2V/μmまたは2×106(V/m)の電界が印加さ
れたことになる。前記電位差はアノード電極電位とカソ
ード電極電位との差である。
【0019】以下の記述では前記10μmの距離である
こととカソード電位が0Vであることを前提としてアノ
ード印加電位について示す場合があるが上記関係によっ
て一意に印加電界に換算できる。この関係を用いると図
1および上記説明での41Vとは4.1×106(V/
m)の電界ということになる。
【0020】カソード電極とアノード電極との距離が2
0μmの場合でも実験を行ったがほぼ40Vのゲート電
位でエミッションが出始めた。40V/20μmの計算
式から求めた2V/μmの電界をしきい値としてエミッ
ションが得られたことになる。このしきい値は上記10
μm距離の場合と同じである。カーボンナノチューブを
用いた電界電子放出特性ではアノード電極とカソード電
極との距離が1μm以上の条件では電界換算すると全て
同じ傾向の結果が得られた。
【0021】第1の実施形態で示した駆動方法はアノー
ド電極電流密度の絶対値そのものは駆動電位上限を決め
る要素になっていないことが特徴である。2階微分の値
によって決めている。この理由は、実験で得られた特性
劣化傾向が電子放出の絶対値との相関があるのではな
く、飽和傾向と強い相関があることを発見しているから
である。
【0022】カーボン・ナノチューブを20kHzの振
動波で超音波粉砕したものをカソード電極にペースト剤
と混ぜて塗布した試料では電流密度の絶対値は図1とは
異なっていたが同様の飽和傾向が得られた。すなわち、
印加電界が一定値(しきい値)以上でエミッション(ア
ノード電流)が得られてこのしきい値以上で2階微分値
が正でかつ電界上昇に応じて徐々に2階微分値が増加し
て飽和傾向領域に入る直前に2階微分値が正のまま減少
して、2階微分値が0以下の飽和傾向領域になる。
【0023】上記飽和傾向領域内では電界上昇に応じて
一度2階微分値が極小値となり、それ以上に上昇させる
と2階微分値が負の値の範囲で増加(すなわち0に近づ
く)する傾向となる。この特性は図1と同じ傾向であ
る。上記した現象はしきい値以上の印加電界において2
階微分値が0以下になる最小の電界を飽和傾向領域の最
小印加電界と解釈することができる。
【0024】この飽和傾向領域で電界を印加しつづける
とエミッションが出つづけるがこのエミッション量は徐
々に低下する。この低下はカーボン・ナノチューブエミ
ッタのエミッション特性が劣化したためである。飽和傾
向領域以下の電界ではエミッションを出しつづけても特
性劣化は起きない。飽和傾向を数学的に示した2階微分
値の値が飽和傾向と密接な相関がある2階微分値を用い
ていることでカーボン・ナノチューブ塊からのエミッシ
ョンの場合にも粉砕後の塗布の場合にも共通に特性劣化
を防ぐことができている。
【0025】上記実験では飽和傾向領域の定義として、
「しきい値以上の印加電界において2階微分値が0以下
になる最小の電界を飽和傾向領域の最小印加電界として
この電界以上の印加電界領域を飽和傾向領域とする」と
した。この定義について詳しく述べることにする。
【0026】測定真空環境や動作環境温度を変えた場合
には実験結果は若干異なる傾向を示した。真空度が低下
すなわち残留ガスが増加すると一定印加電界に維持して
おいても放出電子量の変動が大きくなる。上記説明にお
ける真空環境は10-5Pa台(または10-7Torr
台)の真空環境でその残留ガスの主成分が水素である
が、10-4Pa台(または10-6Torr台)の真空環
境でその残留ガスの主成分がアルゴンガスの場合には一
定電界を印加してエミッション電流変動を観察している
と突然にエミッション量が増加したり低下したりと変動
が顕著に観察される。
【0027】この場合には、一定電界におけるエミッシ
ョン量の測定を100回程度連続して行い平均すると図
1に示すような増加および飽和傾向を示すことになるの
だが、ある電圧における放出電子量を一回だけ測定しな
がら印加電圧を変化させる測定を行うと時としては印加
電圧を増加させたにもかかわらず放出電子量が減るとい
う測定結果が得られる場合がある。低い印加電圧の場合
に変動の最大値で高い印加電圧の場合に変動の最小値に
なる場合がたまたま起きると、印加電圧ステップのとり
方によっては上記の現象が起きるのである。この現象は
エミッション電子量の時間変化であるので、本発明で課
題としている飽和傾向とは異なる現象である。
【0028】両者を区別するには一定電界におけるエミ
ッション量の測定結果を平均した値を用いればよい。す
なわち、平均値を用いることで本発明の課題ではない時
間変化成分が除去できる。平均する測定データとしては
100回程度で十分である。
【0029】FED(フィールドエミッションディスプ
レィ)等の実際の応用の場合には実際に描画動作を行っ
ている最中には100回のエミッション量の平均を行う
ことは難しい場合がある。このような場合には完成直後
のFEDについてその電界電子放出特性を予め測定して
おき、この測定結果から得られた放出特性から飽和傾向
領域およびこの領域になる印加電界を認知して実際の駆
動に適用する。または、描画動作を行っていないインタ
ーバル期間に電界電子放出特性測定を必要回数行い実際
の描画中の駆動に適用する。
【0030】本発明の第2の実施形態を図2を用いて説
明する。電子放出電子流密度をカソード電流で測定した
結果を図2に示した。2階微分の値が−0.01[A・cm
-2・V -2]以上の範囲でかつ42V以下の駆動電位で駆動
することを第1の特徴とする。
【0031】2階微分のしきい値を−0.01[A・cm-2
・V-2]以上の範囲とすることで飽和傾向領域にわずかに
入るところまで高い電位を印加することになる。この
際、予め与えた数値Tを上記2階微分の値の絶対値で割
った値をその電位を与えてよい時間の上限とすることを
第2の特徴とする。ただし2階微分の値が0の場合には
割り算を行わずに時間制限をなしとする。
【0032】時間上限について具体的に数値例を示す。
Tを1×10-8[sec・cm-2・V-2・A]とする。2階微分の
値が−0.002[A・cm-2・V-2]の場合にはT=1×
10- 8を絶対値0.002で割ると5マイクロ秒とな
る。このTの値は実験で得られた値の一例である。
【0033】この関係を式で表す。印加電界Eとその印
加電界における電子放出電子流密度の2階微分値A、飽
和傾向領域最小電界Estと印加制限時間tapとの関係
は、tap=T/|A| (ただしEst≦Eの範囲)とな
る。簡単な一次式で表せる。
【0034】実験によってTの値はいろいろと得られた
がカーボンナノチューブエミッタを用いた実験ではTは
1×10-9から1×10-6[sec・cm-2・V-2・A]の範囲で
あった。このTの値を用いた制限範囲tapの時間を超え
た連続印加を行わなければエミッション特性の劣化は観
察されなかった。
【0035】本発明の第3の実施形態を図3と図4を用
いて説明する。図3はカソード電極(1)、ゲート電極
(2)、アノード電極(3)を構成要素に持つ3極管構
造のFED(フィールドエミッションディスプレィ)の
例である。
【0036】カソード電極にはカーボン・ナノチューブ
(4)を固着してある。アノード電極には蛍光体が塗布
してある。ゲート電極にはアナログ駆動回路(5)が結
線してあり、カソード電極にはパルス駆動回路(6)が
結線してある。アノード電極には電流計(7)と直流バ
イアス回路(8)が接続されている。カソード電極上面
を基準としてゲート電極下面までの距離は5μm、ゲー
ト電極上面までの距離は10μm、アノード電極下面ま
での距離は1mmである。ゲート電極上面までの距離が
12μmの場合もある。ゲートホールの直径は4μmで
ある。ゲートホールの直径が20μmの場合もある。電
子流を矢印(9)で表した。
【0037】図3の回路構成において、所望の発光量を
得るに必要な電位をアナログ駆動回路から供給する。こ
の場合のカソード電位は接地電位と想定する。カソード
電極には接地電位近傍で異なる3つの値(3値パルス)
を発生させる。アナログ駆動回路からの印加電位とカソ
ード電極へのパルス駆動回路からの電位で電子放出量が
決まる。前記電流計で各状態での電子放出量を測定す
る。
【0038】図4には図3の駆動方法をタイミングチャ
ートで表現した。FEDでの1フレーム期間をTfとし
てその期間を3分割した期間をTpとして表す。アナロ
グ駆動回路からの出力はTf期間で一定の値を出し、パ
ルス駆動回路からの出力はTp毎に異なる値を出力す
る。パルス駆動回路からの出力は3値であり、Tfの期
間の初めのTp1期間には接地電位、2つめのTp2期
間には正の電位、3つめのTp3の期間には負の電位を
与える。この駆動に対応してアノード電流が得られる。
Tf期間内に3つの異なる印加が成されるので、この3
つの印加に対応して得られた電子流量を印加電位の2次
関数として近似式を求めてそれを2階微分した値を用い
て飽和傾向にあるか判断する。判断の方法はすでに述べ
てきたのと同様に行う。上記測定の精度を増すために測
定を100回繰り返して行い平均する。
【0039】図4を再度用いて本発明の第4の実施形態
を示す。第4の実施形態ではカソードに加えるパルス駆
動電圧の印加方法を工夫してFEDの発光特性を整える
例である。蛍光体は電子線で励起されるとその蛍光体そ
れぞれ固有の時定数をもって発光する。
【0040】人が観賞するモニター画面としてFEDを
用いる場合には人の視力が持つ残像効果と蛍光体の残像
特性が重なって一定の光強度として認識されることにな
る。Tp1〜Tp3の各期間を十分に短くすることで電
子流がパルス的に変動していることに気がつかないでチ
ラツキのない画面として人が認識できる。チラツキを無
くしてかつ表現したい発光輝度を再現性良く与えるよう
にパルス駆動周期を2倍にする。すなわち、Tfの期間
をTp1からTp6の6つの区間に区切ることを行う。
Tp1からTp6の区間では印加電圧をそれぞれの区間
毎に変化させているので本来はそのちらつきが認識され
て画像を劣化する場合があるのだが6つの区間に細分化
したことで上記2つの残像効果によってちらつきが感じ
られない画像を提供できる。
【0041】本発明の第5の実施形態を説明する。第4
の実施形態に類似した実施形態であるが、一定の輝度以
上の場合だけに6つの区画に細分化する駆動を行い、前
記一定の輝度未満では3つの粗い区画(第3の実施形態
に類似)で駆動する。人の動体視力は明るいものに対し
ては高く暗いものに対しては低い特徴がある。一定輝度
以上の画像出力の場合だけ高周波数の駆動を用いること
で画質と消費電力との両立を狙った方法である。一定輝
度の値としては80カンデラ/cm2を用いる場合があ
る。
【0042】図5を用いて本発明第6の実施形態を説明
する。図5で39.5Vの印加電圧において2階微分値
が0になる。この印加電界におけるエミッション量は
0.057A/cm2である。この電流量に対して1.
35倍の0.077A/cm2までの電流量の範囲を駆
動許容範囲とする。尚、駆動範囲を決定する際には2階
微分値が0の場合に3階微分値が負であることをさらな
る制約条件とする。この範囲ではエミッション特性は顕
著な飽和を見せていない。この条件の範囲内では時間制
限なく駆動できる。
【0043】図5を用いて本発明第7の実施形態を説明
する。2階微分値が0になる駆動印加電界におけるエミ
ッション量0.057A/cm2の1.5倍のエミッシ
ョン量をエミッション量の上限として駆動する場合であ
る。第6の実施形態と同様に3階微分に関する制約条件
を設けてある。1.5倍の値である0.085A/cm
2のエミッション量付近でのエミッション特性は顕著に
飽和している領域の肩口である。第6の実施形態で示し
た1.35倍からこの1.5倍までの領域ではわずかで
あるがエミッション特性が劣化する。すなわち、同じ電
界を印加していてもエミッション量が時間経過とともに
低下する。上記1.35倍から1.5倍の範囲ではN倍
の場合には(N−1.35)に比例して低下が起きる。
そこで、1.35倍から1.5倍の上記範囲ではN倍の
状態を許容する許容滞在時間は1/(N−1.35)に
比例する値で規定することにする。
【0044】以上、カーボン・ナノチューブをカソード
電極に固着した場合について実施例を述べてきたが、D
LCやモリブデンコーンでも同様に実施することができ
る。
【0045】SCE(サーフェースコンダクティブエミ
ッタ)と呼ばれるタイプの電界電子放出装置の駆動にお
いてもエミッタの駆動電極の両端に一定電界以上に電界
を印加すると電子源であるパラジウムオキサイド等の島
状膜の島状化が進んで島間のギャップが拡大して電子放
出特性が飽和する場合がある。この現象はエミッタ形状
が破壊していることになるのでエミッション特性が劣化
していく。SCEに対しても本発明の駆動方法が適用で
きる。この場合にはエミッタ材料にダイオード電流を流
すための電極のうち、比較して正電位の電極をアノード
電極もしくはゲート電極、負電位の電極をカソード電極
と読み替える。
【0046】
【発明の効果】本発明の駆動方法を用いると、いかなる
カソード構造においても共通に劣化防止を行うことがで
きる。特性劣化と飽和傾向領域での電位印加とに密接な
関係があることがわかっているので、この飽和傾向を検
知する駆動方法を採用すれば、カソード面積が異なるこ
とで放出電子流量が異なる場合にも回路変更しなくて対
応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1および第3の実施形態に関する電位
電流密度特性のグラフである。
【図2】本発明第2の実施形態に関する電位電流密度特
性のグラフである。
【図3】本発明第4の実施形態を説明するための構成図
である。
【図4】本発明第4および第5の実施形態を説明するた
めのタイミングチャートである。
【図5】カーボン・ナノチューブの電子放出特性の解析
グラフである。
【図6】カーボン・ナノチューブの電子放出特性のグラ
フである。
【符号の説明】
1 カソード電極 2 ゲート電極 3 アノード電極 4 カーボン・ナノチューブ 5 アナログ駆動回路 6 パルス駆動回路 7 電流計 8 直流バイアス回路 9 電子流

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード電極から電子を電界放出し、ア
    ノード電極で捕獲する電界電子放出装置の駆動方法にお
    いて、前記カソード電極に印加する電界強度が電界放出
    を生じさせる電界強度以上であり、かつ、前記アノード
    電極で捕獲する電子流の密度(以後、電子流密度と呼
    ぶ)の、カソード電極に印加する電界についての2階微
    分値が、電界印加後初めて0になる電界強度より小さい
    ことを特徴とする電界電子放出装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 カソード電極から電子を電界放出し、ア
    ノード電極で捕獲する電界電子放出装置の駆動方法にお
    いて、前記カソード電極に印加する電界強度が電界放出
    を生じさせる電界強度以上であり、かつ、前記アノード
    電極で捕獲する電子流の密度(以後、電子流密度と呼
    ぶ)の、カソード電極に印加する電界についての2階微
    分値が、電界印加後初めて0になる電界強度以上であ
    り、カソード電極に電界を印加する時間tapが、次の2
    つの関係式を満たすことを特徴とする電界電子放出装置
    の駆動方法。 tap ≦ T /|A| Est ≦ E T:1×10-9以上1×10-6以下の数値[sec・cm-2・V
    -2・A] A:電子流密度の2階微分値[A・cm-2・V-2] E:カソード電極に印加する電界強度 Est:飽和傾向領域最小電界強度 但し、前記電子流密度の増加率が増加から減少に転ずる
    時点の電界強度を、飽和傾向領域最小電界強度と呼ぶ。
  3. 【請求項3】カソード電極から電子を電界放出し、アノ
    ード電極に捕獲する電界電子放出装置の駆動方法におい
    て、前記電子流密度の2階微分値が0であり、かつ、3
    階微分値が負であるカソード電極への印加電界をカソー
    ド電極基準印加電界と呼ぶことにした場合、カソード電
    極基準印加電界における電子流密度の1倍以上2倍以下
    の電子流を放出するカソード電極への印加電界をカソー
    ド電極印加電界の上限値とすることを特徴とする電界電
    子放出装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】前記カソード電極印加電界の上限値での電
    子流密度が、カソード電極基準印加電界における電子流
    密度の1.5倍であることを特徴とする請求項3に記載
    の電界電子放出装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】前記カソード電極と前記アノード電極の間
    にゲート電極が設けられていることとを特徴とする請求
    項1〜4に記載の電界電子放出装置の駆動方法。
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