JP2001125047A - 光アイソレータ - Google Patents

光アイソレータ

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JP2001125047A
JP2001125047A JP30596199A JP30596199A JP2001125047A JP 2001125047 A JP2001125047 A JP 2001125047A JP 30596199 A JP30596199 A JP 30596199A JP 30596199 A JP30596199 A JP 30596199A JP 2001125047 A JP2001125047 A JP 2001125047A
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optical
polarizer
analyzer
thin film
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JP30596199A
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Mitsuteru Inoue
光輝 井上
Toshitaka Fujii
壽崇 藤井
Akio Takayama
昭夫 高山
Atsushi Kitamura
厚 北村
Shigeyuki Adachi
重之 足立
Hideki Kato
英樹 加藤
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Minebea Co Ltd
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Minebea Co Ltd
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/09Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on magneto-optical elements, e.g. exhibiting Faraday effect
    • G02F1/093Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on magneto-optical elements, e.g. exhibiting Faraday effect used as non-reciprocal devices, e.g. optical isolators, circulators
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
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    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/10Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type
    • G02B6/12Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
    • G02B2006/12133Functions
    • G02B2006/12157Isolator

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトな光アイソレータを提供する。 【解決手段】 光アイソレータ1の偏光子2A及び検光
子2Bをコバルト磁性体微粒子クラスタ薄膜2で構成す
る。コバルト磁性体微粒子クラスタ薄膜2をテープ状、
フィルム状またはシート状にすることが可能であり、こ
れにより偏光子2A及び検光子2Bを薄い厚さにできる
他、薄膜状に形成された磁気光学体と一体形成が可能と
なる。偏光子及び検光子として方解石のローションプリ
ズム等を用いた従来技術に比して、コンパクト化及び軽
量化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信及
び光計測システム等に用いられる光アイソレータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザを光源にする光ファイバ通
信システム、特に高速ディジタル伝送やアナログ直接変
調方式による光システムにおいては、光ファイバ回路中
に使用している光コネクタ接続点や、光回路部品等から
の反射光がレーザに再入射して生じる反射雑音がシステ
ム及びデバイス設計上の大きな問題となることが多い。
この場合、反射再入射光を除去する目的で光アイソレー
タが使用される。光アイソレータの基本的機能は半導体
レーザ(光源)からの出射光を光アイソレータを通して
無損失で光ファイバ等の伝送路に伝送する一方、光ファ
イバ等からの反射光を遮断して半導体レーザ(光源)に
戻さないようにするものである。
【0003】従来の光アイソレータで一般的なものとし
て、偏光子と、検光子と、ファラデー効果(磁気光学効
果)を有し前記偏光子及び検光子の間に設けられる磁気
光学体と、から構成されるものがある。そして、磁気光
学体としては磁性体と誘電体との各層の厚さを不規則に
して薄膜状に形成したものや、磁性体及び誘電体がその
厚さに規則性をもって交互に積層された2つの誘電体多
層膜と不規則積層部とを備え、薄膜状に形成されたもの
等を使用していた。また、偏光子及び検光子としては、
方解石のローションプリズムやくさび型のルチル単結晶
あるいは偏光ビームスプリッタ(PBS)等が用いられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、偏光子及び
検光子として用いられる前記方解石のローションプリズ
ムやくさび型のルチル単結晶は、光学結晶を用いること
から外形が大きくなってしまう。また、偏光ビームスプ
リッタは、ガラス基板を母材とした三角プリズムの斜面
上に誘電体多層膜を形成させなければならず、これに伴
い外形が大きくなっている。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、コンパクトな光アイソレータを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
入射光から偏光成分を取り出す偏光子と、該偏光子と組
み合わせて用いられる検光子と、前記偏光子及び前記検
光子の間に介装され薄膜状に形成された磁気光学体とを
備えた光アイソレータにおいて、前記偏光子または前記
検光子を磁性体クラスタ薄膜で構成して、前記磁気光学
体と一体形成したことを特徴とする。請求項2記載の発
明は、請求項1記載の構成において、磁性体クラスタ薄
膜はコバルト微粒子クラスタから構成されることを特徴
とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態の光
アイソレータを説明する。この光アイソレータ1は、図
1に示すように、入射光から偏光成分を取り出す偏光子
2Aと、該偏光子2Aと組み合わせて用いられる検光子
2Bと、前記偏光子2A及び前記検光子2Bの間に介装
される磁気光学体3と、を備えており、偏光子2A、検
光子2B及び磁気光学体3の3者を一体にかつフィルム
状に形成したものになっている。そして、この光アイソ
レータ1は、半導体レーザ等の光源からの出射光を無損
失で光ファイバ等の伝送路に伝送する一方、前記伝送路
からの反射光を遮断して前記光源側に戻さないようにし
ている。磁気光学体3は、磁性体と誘電体との各層の厚
さを不規則にして薄膜状に形成している。偏光子2A及
び検光子2Bは、それぞれコバルト微粒子クラスタ薄膜
2(磁性体微粒子クラスタ薄膜)で構成されている。コ
バルト微粒子クラスタ薄膜2は、後述するように大きな
偏光特性を有するものであり、かつテープ状、フィルム
状またはシート状に形成されて薄い厚さに設定されてい
る。
【0008】この光アイソレータ1は、偏光子2A及び
検光子2Bをそれぞれ薄い厚さに設定されるコバルト微
粒子クラスタ薄膜2で構成しているので、薄膜状に形成
された磁気光学体と一体形成することでコンパクトなも
のになると共に、軽量化を図ることができる。すなわ
ち、偏光子及び検光子として方解石のローションプリズ
ム、くさび型のルチル単結晶または偏光ビームスプリッ
タを用いた上述した従来技術の光アイソレータは、前記
各部材(ローションプリズム、ルチル単結晶、偏光ビー
ムスプリッタ)が大きい形状であることに伴い、大きな
ものになってしまうが、本実施の形態の光アイソレータ
1は、前記従来技術に比して、小型化できる。
【0009】なお、上述したように偏光子2A及び検光
子2Bをそれぞれコバルト微粒子クラスタ薄膜2で構成
するのに代えて、偏光子2A及び検光子2Bのいずれか
一方をコバルト微粒子クラスタ薄膜2で構成してもよ
い。また、前記コバルト微粒子クラスタ薄膜2に代えて
他の磁性体微粒子クラスタ薄膜を用いるようにしてもよ
い。
【0010】前記偏光子2Aまたは検光子2Bに用いら
れる磁性体微粒子クラスタ薄膜の製法及びその特性につ
いて、コバルト微粒子クラスタ薄膜2を例にし、図2を
参照して以下に説明する他、前記磁気光学体の特性につ
いて図9を参照して以下に説明する。
【0011】コバルト微粒子クラスタ薄膜2の製法を図
2に基づいて説明する。まず、コバルトカルボニル〔Co
2(CO)8、以下、DOという。〕と透明媒体となるプラス
チックマトリクス(polymethyl methacrylate 、PMM
A。平均重合度:6000)をトルエン(溶媒)に溶解させ
(ステップS1)、この後、この溶液を窒素(不活性ガ
ス)雰囲気中で攪拌しながら110℃で6時間加熱し
(ステップS2)、fccコバルト微粒子分散溶液(尚、
fccはface centered cubic を略したものである。)
を得る(ステップS3)。
【0012】次に、この溶液をガラス基板(基板)上に
スピン・コートし(ステップS4)、大気中乾燥させたト
ルエンを散逸させることによって固化し(ステップS
5)、PMMA中にコバルト微粒子を分散させた薄膜試
料を得た。この方法により、膜厚が数〜数十μmの透光
性をもった薄膜(コバルト微粒子クラスタ薄膜2)が作
製される(ステップS6)。また、凝固させる間に直流磁
場をガラス基板に対して平行に印加する(ステップS5a
)ことにより、磁場方向に配向したフィラメント状の
コバルト微粒子クラスタ4を薄膜(コバルト微粒子クラ
スタ薄膜2)中に形成することができる。コバルト微粒
子クラスタ4の形状は、溶液の粘度及び微粒子濃度によ
り変化させることができる。
【0013】膜(コバルト微粒子クラスタ薄膜2)中の
コバルト微粒子の濃度を表すパラメータとして、DOと
PMMAの重量比をとり以下に示すコバルト濃度C
CO〔cobalt concentration in PMMA〕を定義する。 CCO={WDO/(WDO+WPMMA)}×100%
【0014】このコバルト濃度CCOは微粒子の粒径(co
balt particle diameter)を決定する重要なパラメータ
であり、コバルト濃度CCOが大きいと粒径も大きくな
る。CCO=9.1%、CCO=33.3%、CCO=75.
0%としたときの微粒子はは、それぞれ、図2(a)、
(b)、(c)(電子顕微鏡写真に基づいて作成した
図)に示すようになった。また、コバルト濃度CCOに対
する微粒子の粒径の変化の様子を調べたところ、図4に
示す結果が得られた。図2及び図3から、コバルト濃度
COが大きいと微粒子の粒径も大きくなることを確認で
きた。また、コバルト濃度CCOが25%以下では粒形が
10nm以下のナノ微粒子が形成されることがわかっ
た。また、PMMAに囲まれた微粒子の熱的、科学的安
定性は非常に良く、作製後半年経過しても変化しないこ
とが認められた。
【0015】図5(a)、(b)にそれぞれコバルト濃
度CCOに対する飽和磁化IS 及び保持力HC の変化を示
す。それぞれの値はコバルト濃度CCO≧25%の領域で
は直線的に急増しているのに対して、コバルト濃度CCO
≦25%の領域では保持力H C は小さく、残留磁化もほ
とんどなくなる。この結果は図4に示した粒形の変化を
反映している。さらに、本願発明者は、微粒子の濃度を
表す他のパラメータとして以下に示すCFPを定義した。
FP={WDO/(WDO+WPMMA+W′PMMA)}×100
%ここで、W′PMMAは熱分解後に溶液を加えたPMMA
を示しており、この場合、微粒子の粒径は一定に保った
まま、その濃度を変化させるパラメータである。
【0016】図6(a)、(b)、(c)にそれぞれ印
加磁場(磁界強度Hd )をHd =0〔kA〕、0.16
〔kA〕、2.40〔kA〕と変化させた場合のフィラ
メント状微粒子クラスタ4の電子顕微鏡写真に基づく図
を示す。この図に示される試料はコバルト濃度CCO=7
5%をCFP=60%に希釈したものである。Hd =0の
無配向試料においてはコバルト微粒子が均一に分散して
おり、なんら特徴的な構造は観察されない。これに対し
て、Hd ≠0〔(b)Hd =0.16〔kA〕、(c)
d =2.40〔kA〕〕の場合は、印加磁場方向に伸
びた線状(フィラメント状)のコバルト微粒子クラスタ
4を観察できる。このフィラメント状クラスタの構造
は、コバルト濃度CCO、CFP及びHd により変化させる
ことができる。また、このようなフィラメント状構造を
導入することにより図7及び図8に示すような磁気的特
性(図7磁化曲線)及び光学的透過特性(図8面内配向
膜のクラスタ方向からの角度θに対する透過強度特性)
に一軸異方性が生じる。図7、図8ともに、コバルト濃
度CCO=75%の試料をCFP=60%に希釈したもので
ある。図7(a)、(b)共に、横軸は磁界強度H〔k
A/cm〕、縦軸は飽和磁化IS 〔T〕である。また、
図8は横軸が前記面内配向膜のクラスタ方向からの角度
θ〔度〕であり、縦軸が透過強度I〔θ°〕/I〔0
°〕である。
【0017】上記実施の形態では、磁性体微粒子クラス
タ薄膜の磁性体微粒子がコバルト微粒子である場合を例
にしたが、これに代えてFe,Ni等の他の磁性体微粒
子としてもよい。
【0018】次に、磁気光学体とこれを構成する磁気光
学多層膜について説明する。図9において、3Aは前記
光アイソレータ1に用いる磁気光学多層膜(磁気光学
体)の一例であり、磁性体層11と誘電体層12とを交
互に積層して構成され、薄膜状に形成されている。磁性
体層11及び誘電体層12の各層の厚さは不規則に積層
されている。磁気光学多層膜3Aに入射した光は積層方
向に伝搬し、偏光面を45度(全回転角θ)回転させて
出射するようになっている。
【0019】磁気光学多層膜3Aの構造を表すためのパ
ラメータは、前述したものと同様のものを用いている。
そして、図9に示した磁気光学多層膜3AのbNは1010
0011であり、各層の厚さに関して不規則周期構造を有し
ている。このような不規則周期構造を有する磁気光学多
層膜の磁気光学効果を理論解析した結果を図10に示
す。
【0020】図10は、不規則周期構造の磁気光学多層
膜の磁性体充填率に対する反射率及び磁気光学効果を示
すグラフである。図10(a)は、横軸に磁性体充填率
PMを示し、縦軸に反射率を示している。また、図10
(b)は、横軸に磁性体充填率PMを示し、縦軸に単位
磁性体膜厚当たりの回転角(ファラデー回転角θF )及
び全回転角θを示している。図10(b)のグラフ中、
実線はファラデー回転角θF (度/μm )=(θ/NM
×dM)を示し、破線は全回転角θ(度)を示してい
る。なお、解析は前述した方法と同様に光波の基礎方程
式としてMaxwell 方程式を用い、磁性体にはBiYIG を用
い、誘電体には酸化シリコン(SiO2)を用い、全膜厚D
は5μm 、分割数Nは220 であり、bNは220 ビット
で、1010001111001011010111110001100101011100110101
11000111011111010110110111001010100000111110001111
00101111110000001100101010010101011010110111011010
11011011100111110101010110101101101011011110011100
110110111111111000011011のものについて計算した。ま
た入射光の波長は1.15μm とした。
【0021】図10(b)のグラフから、磁性体充填率
PMの増大に伴ってファラデー回転角θF は複数のピー
クを有していることが明らかである。これら複数のピー
クのうち最大のピークは、磁性体充填率PMが0.39の場
合に生じ、そのときのファラデー回転角θF は0.49(度
/μm )であり、次いで大きいピークは磁性体充填率P
Mが0.18の場合に生じ、そのときのファラデー回転角θ
F は0.48(度/μm )である。前記最大のファラデー回
転角θF の値は、BiYIG の固有値の略2.5 倍であり、不
規則周期構造を有する磁気光学多層膜の磁気光学効果の
エンハンスメント効果は、規則周期構造のものよりも大
きいことが判る。また、図10(a)から、ファラデー
回転角θF がピークを示す磁性体充填率PMでは、反射
率が逆ピークを有していることが判り、ファラデー回転
角θF のエンハンスメント効果と、反射率が低下する特
性即ち無反射条件とが一定の対応関係にあることが推測
される。
【0022】次に、他の構造の不規則周期構造の磁気光
学多層膜について、上記と同様に磁気光学効果を理論解
析する。磁性体にはBiYIG を、誘電体には酸化シリコン
(SiO2)を用い、全膜厚Dは5μm 、分割数Nは220 で
あり、入射光の波長は1.15μm とした。図11〜図13
は、3タイプの不規則周期構造の磁気光学多層膜の磁性
体充填率と磁気光学効果との関係を示すグラフである。
図11は無反射条件を満たさない磁気光学多層膜につい
て、図13は無反射条件を満たす磁気光学多層膜につい
て、図12はその中間程度に無反射条件を満たす磁気光
学多層膜について示している。
【0023】図11〜図13に示すように、無反射条件
を満たす磁気光学多層膜ほど、特定の磁性体充填率PM
での光学的エンハンスメント効果が顕著に表れているこ
とが判る。例えば、図13において、磁性体充填率PM
が0.41の場合にファラデー回転角θF が0.58(度/μm
)に達しており、この値はBiYIG の固有値の略3倍と
なっている。
【0024】次に、光学的エンハンスメント効果を顕著
に示す磁性体充填率PM(本発明の、全膜厚に対する全
磁性体の膜厚率を構成する。)を調べる。1000種類
のbNの不規則周期構造の磁気光学多層膜について、夫
々の最大ファラデー回転角θ F 及びその磁性体充填率P
Mを計算した。図14はその結果を示すグラフであり、
縦軸は最大ファラデー回転角θF を示し、横軸は磁性体
充填率PMを示している。図14のグラフから、磁性体
充填率PMが10%以下、15%以上30%以下、又は
35%以上50%以下の範囲で大きなファラデー回転角
θF を有することが判る。不規則周期構造の磁気光学多
層膜(磁気光学体)には上述した図14の特性があるこ
とから、例えば磁性体充填率PM(全膜厚に対する全磁
性体の膜厚率)を10%以下の値として不規則周期構造
の磁気光学多層膜を構成することにより大きなファラデ
ー回転角θF が得られる。また、磁性体充填率PMを1
5%以上30%以下の範囲の値として不規則周期構造の
磁気光学多層膜を構成することにより大きなファラデー
回転角θF が得られる。また、磁性体充填率PMを35
%以上50%以下の範囲の値にして不規則周期構造の磁
気光学多層膜を構成することにより大きなファラデー回
転角θF が得られる。
【0025】以上の結果から、不規則周期構造の磁気光
学多層膜では、特定の範囲の磁性充填率PMにて高い光
学的エンハンスメント効果を得ることが判った。また、
その不規則周期構造は、無反射条件を満たす構造のもの
ほど高い光学的エンハンスメント効果を得ることができ
る。
【0026】さらに、上述した磁気光学多層膜(例えば
図9に示される磁気光学多層膜3A)を一単位とし、こ
れを積層方向に複数連ねて構成したもの(一単位の磁気
光学多層膜と区別するため、以下、磁気光学体とい
う。)の磁気光学効果について調べる。図15は、図9
に示す磁気光学多層膜3Aを積層方向に2つ連ねて構成
された磁気光学体3の構造を示す。一つの(図15右
側)の磁気光学多層膜3Aの出射側(図15左側)の磁
性体層11に、もう一つ(図15左側)の磁気光学多層
膜3Aの入射側(図15右側)の磁性体層11を接触さ
せてある。
【0027】磁気光学多層膜を積層して形成された磁気
光学体について、磁気光学効果を解析した。図16は、
図10にて特性を示した磁気光学多層膜(膜厚5μm ,
PM0.18μm )を積層方向に複数連ねて構成した磁気光
学体に関し、その全膜厚と磁気光学効果を示すグラフで
ある。縦軸はファラデー回転角θF 及び全回転角(θ)
を示し、横軸は全膜厚(μm )を示している。また、従
来の規則周期構造の磁気光学多層膜を連ねた磁気光学体
についても同様に解析した。その結果を図17に示す。
図16及び図17のグラフ中、実線はファラデー回転角
θF (度/μm)を示し、破線は全回転角θ(度)を示
している。
【0028】図16及び図17のグラフの対比から明ら
かなように、従来の規則周期構造の特性(図17)に比
して、不規則周期構造の磁気光学体(すなわち、請求項
1記載の磁気光学体)の方(図16)が、特定の全膜厚
で顕著な光学的エンハンスメント効果を有していること
が判る。例えば、全膜厚が60μm 、即ち5μm の磁気
光学多層膜を12個連ねて構成した磁気光学体では、フ
ァラデー回転角θF が1.60 度/μm であり、この値はB
iYIG の固有値( 0.20 度/μm )の略8倍である。
【0029】また、全膜厚を225μm とした不規則周
期構造の磁気光学体では、全回転角が略53度であり、
このうち磁性膜の厚さは40μm である。BiYIG の単層
を光アイソレータに用いた場合には、偏光面の45度の
回転を得るためには250μm の膜厚が必要であること
から、本発明の不規則周期構造の磁気光学体は、磁性体
単層の1/6以下の厚さで偏光面の45度の回転を得る
ことができる。このように、不規則周期構造の磁気光学
多層膜を複数連ねた光磁気光学体では、大きな磁気光学
効果が得られ、光アイソレータとして使用した場合には
磁性体層の膜厚が薄いので光吸収損失が少ない。尚、磁
気光学体及び製造方法に関しては、本願発明者が提案し
た特願平11−283511号の本文の中で詳細に説明
している。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光アイソレータに
よれば、偏光子または検光子を、磁性体微粒子クラスタ
薄膜で構成するので、偏光子または検光子を薄い厚さに
することが可能であり、かつ、薄膜状に形成された磁気
光学体と基板上にて一体形成が可能となることから、偏
光子及び検光子として方解石のローションプリズム、く
さび型のルチル単結晶または偏光ビームスプリッタを用
いた上述した従来技術の光アイソレータに比して、コン
パクト化が図れると共に軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の光アイソレータを示す
断面図である。
【図2】図1の偏光子及び検光子を構成するコバルト微
粒子クラスタ薄膜2の製法を模式的に示す工程図であ
る。
【図3】図1の製法の所定ステップにおけるPMMA試
料の電子顕微鏡写真に基づいて作成した図である。
【図4】コバルト濃度変化に対する微粒子の粒形の変化
を示す図である。
【図5】コバルト濃度変化に対する飽和磁化の大きさ及
び保磁力を示す図である。
【図6】面内配向膜の電子顕微鏡写真に基づいて作成し
た図である。
【図7】面内配向膜の磁化曲線を示す図である。
【図8】面内配向膜のクラスタ方向からの角度に対する
透過強度特性を示す図である。
【図9】図1の磁気光学体に用いられる磁気光学多層膜
の一例の構造を示す斜視図である。
【図10】図9の磁気光学多層膜の磁性体充填率に対す
る反射率及び磁気光学効果を示すグラフである。
【図11】図9と異なる構造で、無反射条件を満たさな
い磁気光学多層膜の磁性体充填率と磁気光学効果との関
係を示すグラフである。
【図12】図9と異なる構造で、無反射条件を中間程度
に満たす磁気光学多層膜の磁性体充填率と磁気光学効果
との関係を示すグラフである。
【図13】図9と異なる構造で、無反射条件を満たす磁
気光学多層膜の磁性体充填率と磁気光学効果との関係を
示すグラフである。
【図14】図13の磁気光学多層膜の磁性体充填率とフ
ァラデー回転角との関係を示すグラフである。
【図15】磁気光学多層膜を複数連ねて構成された磁気
光学体を示す斜視図である。
【図16】図15の磁気光学体の磁気光学効果を示すグ
ラフである。
【図17】従来の磁気光学体の一例の磁気光学効果を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 光アイソレータ 2 コバルト微粒子クラスタ薄膜 2A 偏光子 2B 検光子 3 磁気光学体 3A 磁気光学多層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 厚 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 (72)発明者 足立 重之 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 (72)発明者 加藤 英樹 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 Fターム(参考) 2H099 AA01 BA02 CA00 DA05 5E049 AA04 AC05 BA22 CB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光から偏光成分を取り出す偏光子
    と、該偏光子と組み合わせて用いられる検光子と、前記
    偏光子及び前記検光子の間に介装され薄膜状に形成され
    た磁気光学体とを備えた光アイソレータにおいて、前記
    偏光子または前記検光子を磁性体クラスタ薄膜で構成し
    て、前記磁気光学体と一体形成したことを特徴とする光
    アイソレータ。
  2. 【請求項2】 磁性体クラスタ薄膜はコバルト微粒子ク
    ラスタから構成されることを特徴とする請求項1に記載
    の光アイソレータ。
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