JP2001125042A - 立体視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロジェクターを２台用い、各プロジェクタ
ーの映像出力をＯＮ／ＯＦＦするのみの操作で優れた立
体感覚が得られる立体視装置を提供する。 【解決手段】 プロジェクター１と、立体視用眼鏡２
と、同期パルス発生器３とを用い、プロジェクター１
は、右目用及び左目用として２基設置され、それぞれプ
ロジェクター１から出射される映像出力を通過または遮
断するシャッター５を備えている。立体視用眼鏡２は、
液晶シャッターであって、スクリーン４に投影された右
目用映像および左目用映像から立体映像を形成させる。
同期パルス発生器３は、プロジェクター１のシャッター
５と立体視用眼鏡２の液晶シャッターとを同期させ、交
互に開閉してプロジェクター１からスクリーン４に投影
した映像を両眼視差によって立体映像を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータで生
成された映像やカメラで撮影された映像を立体映像とし
て形成させる立体視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】立体視用眼鏡を使用してプロジェクター
よりスクリーンに投影した映像から立体映像を現出させ
る立体視システムはステレオ写真あるいは立体写真とし
て従来より知られている。

【０００３】人間が一つの物体を見る場合に、人間の左
目に入る映像と、右目に入る映像との差を大脳の視覚中
枢の中で一体化をすることにより立体的に物をみてい
る、これを両眼視差という。

【０００４】立体視用眼鏡を用いた立体視装置は、この
原理を応用したものであり、右目用映像と左目用映像と
を交互にスクリーンに投影し、左目用映像が残像として
大脳に残っているうちに右目用映像を再現して、視覚中
枢の中で一体化させ、立体的な映像を獲得しようとする
ものである。

【０００５】立体視用眼鏡は、右目用映像が提示されて
いるときには、右目だけがこの映像を得、左目にはこの
映像を見えない様にして右目用・左目用として最適な視
差をもった映像を人間の右目、左目に提示するものであ
る。

【０００６】プロジェクターを使用した立体視システム
には、両眼視差を実現するために二つの方式が採用され
ている。すなわち、人間の一方の眼、たとえば右目用映
像が右目に提示されている時に、左目には右目用映像を
遮るか（第１の方式）或いは左目用映像を提示する（第
２の方式）かのいずれかである。このような立体視シス
テムに用いる立体視用眼鏡には、偏光フィルター眼鏡
と、液晶シャッター眼鏡とがある。

【０００７】第１の方式は、プロジェクターを１台使用
する方式である。図４（従来例１）において、スクリー
ン１１には、プロジェクター１２から順に出力された右
目用映像・左目用映像が交互に映し出される。立体視用
眼鏡１３には、液晶シャッター眼鏡が用いられる。液晶
シャッター眼鏡は、スクリーン１１に映し出された右目
映像・左目映像の切替えタイミングの同期をとるもので
ある。

【０００８】たとえば、スクリーン１１に右目用映像が
提示されているときには立体視用眼鏡１３の右目のシャ
ッターを開き、左目シャッターを閉じ、左目用映像が提
示されているときには左目のシャッターを開き、右目シ
ャッターを閉じることによって立体視用眼鏡の使用者に
は、スクリーンに写しだされた映像に立体感が得られ
る。

【０００９】あるいは、図５（従来例２）に示すよう
に、プロジェクター２１に液晶シャッター２２を備え、
立体視用眼鏡２３には、偏光眼鏡を用い、プロジェクタ
ー２１のシャッター２２と、偏光眼鏡の右目又は左目の
開通、遮断の時期を同期させることによって、スクリー
ン２４に投影された映像を立体視用眼鏡２３を通して映
像を観察する事により、立体視用眼鏡２３の使用者に立
体感が得られる。

【００１０】第２の方式は、プロジェクターを右目用と
左目用とに使い分けて２台を使用し、立体視用眼鏡に偏
光眼鏡を用いる方式である。図６（従来例３）におい
て、各プロジェクター３１Ｒ、３１Ｌの各正面には、そ
れぞれ偏光フィルター３２Ｒ、３２Ｌが置かれる。右目
用プロジェクター３１Ｒからは常に右目映像を、また左
目用プロジェクター３２Ｌからは常に左目映像を投影す
るが、立体視用眼鏡３３に用いた偏光眼鏡の右目を通し
てスクリーン３４に投影された右目映像をみているとき
に左目ではスクリーン３４上の左目映像が見えない様
に、左目用プロジェクター３１Ｌの正面の偏光フィルタ
ー３２Ｌの偏光方向が変えられる。

【００１１】逆に、偏光眼鏡３３の左目を通してスクリ
ーン３４に投影された左目映像をみているときには、偏
光眼鏡３３の右目ではスクリーン３４上の右目映像が見
えない様に右目用プロジェクター３１Ｒの正面の偏光フ
ィルター３２Ｒの偏光方向を変えることによって、立体
視を実現するものである。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】ところで、第１の方式
によるときには、１台のプロジェクターを用いて立体視
が可能であり、特に図４の方式によるときには、高品質
の立体感が得られるものの、左右の映像を交互に出力す
る必要から２台のプロジェクターを用いる場合に比べて
２倍の垂直周波数が必要となり、この要求に応じるため
には高度の機能を備えた高価なＣＲＴタイプのプロジェ
クターを用いなければならない。

【００１３】また、図６のような第２の方式は、２台の
プロジェクターを用いる方式であるため、標準の周波数
で表示が可能であり、安価な液晶プロジェクターの使用
が可能であるが、液晶シャッター方式に比べて立体感が
劣り、眼鏡の偏光方向を変えると偏光が弱くなって、立
体感が無くなるという欠点がある。また、従来の液晶プ
ロジェクターでは、プロジェクター自身が偏光特性を有
するため、立体視が可能なプロジェクターの種類は限定
されていた。

【００１４】本発明の目的は、プロジェクターを２台用
い、各プロジェクターの映像出力をＯＮ／ＯＦＦするの
みの操作で優れた立体感覚が得られる立体視装置を提供
することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による立体視装置においては、プロジェクタ
ーと、立体視用眼鏡と、同期パルス発生器とを用い、第
１及び第２のプロジェクターからスクリーンに投影した
映像から両眼視差によって立体映像を形成する立体視装
置であって、プロジェクターは、右目用及び左目用とし
て２基設置され、それぞれコンピュータで生成された映
像あるいはカメラで撮影された右目用映像および左目用
映像をスクリーンに投影するものであり、シャッターを
有し、シャッターは、プロジェクターから出射された映
像出力を通過または遮断する液晶シャッター又は機械式
シャッターであり、立体視用眼鏡は、スクリーンに投影
された右目用映像および左目用映像から視覚を通じて立
体映像を形成させる液晶シャッターであり、同期パルス
発生器は、プロジェクターのシャッターと立体視用眼鏡
の液晶シャッターとを同期させ、プロジェクターの右目
用シャッター及び立体視用眼鏡の右目用シャッターと、
プロジェクターの左目用シャッター及び立体視用眼鏡の
左目用シャッターとを交互に開閉させるものである。

【００１６】また、スクリーンは、立体視用眼鏡の使用
者の視線に対して傾斜姿勢に配設され、プロジェクター
から投影された映像の立体感を強調するものである

【００１７】また、プロジェクターのシャッターは、実
質的にプロジェクターからの映像出力をＯＮ／ＯＦＦす
るだけの操作により、プロジェクターに液晶式プロジェ
クター、ＣＲＴ、反射液晶又はＤＬＰ方式のプロジェク
ターの使用を可能にするものである。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図によ
って説明する。図１に本発明による立体視装置の原理図
を示す。図１において、本発明は、プロジェクター１
と、立体視用眼鏡２と、同期パルス発生器３とを用い、
映像を見ようとする者が立体視用眼鏡２をかけ、使用者
の両眼視差時の視差によって、プロジェクター１からス
クリーン４に投影された映像に、立体感覚を生じさせる
立体視装置である。

【００１９】プロジェクター１は、右目用及び左目用と
して２基設置する。以下、これを右目用プロジェクター
１Ｒ、左目用プロジェクター１Ｌとして区別する。右目
用及び左目用プロジェクター１Ｒ、１Ｌは、それぞれコ
ンピュータで生成された映像あるいはカメラ（ビデオカ
メラを含む）で撮影された右目用映像および左目用映像
をスクリーン４に投影するものである。本発明におい
て、プロジェクターには、例えば液晶プロジェクターを
用いるが、そのほか、ＣＲＴ、反射液晶、ＤＬＰなどが
使用できる。

【００２０】プロジェクター１は、シャッター５を備え
ている。本発明において、プロジェクター１のシャッタ
ー５には、液晶シャッターを用いる。もっとも、本発明
において、シャッター５は、プロジェクター１より投影
される映像出力を実質的にＯＮ／ＯＦＦするだけなので
機械式シャッターを用いることができる。

【００２１】プロジェクター１のシャッター５は、右目
用及び左目用に区別され、右目用プロジェクター１Ｒと
左目用プロジェクター１Ｌとの映像投影面にそれぞれ配
置されている。以下これを右目用シャッター５Ｒ、左目
用シャッター５Ｌとして区別する。

【００２２】右目用シャッター５Ｒは、右目用プロジェ
クター１Ｒから投影される右目用映像出力を開通、或い
は遮断し、左目用シャッター５Ｌは、左目用プロジェク
ター１Ｌから投影される左目用映像出力を開通あるいは
遮断させるものであるが、右目用シャッター５Ｒが開い
ているときには、左目用シャッター５Ｌは閉じられ、左
目用シャッター５Ｌが開いているときには、右目用シャ
ッター５Ｒは閉じられている。

【００２３】立体視用眼鏡２は、右眼鏡２Ｒ及び左眼鏡
２Ｌに液晶シャッターを有する液晶シャッター眼鏡であ
る。立体視用眼鏡２の右眼鏡２Ｒのシャッターは、左目
用プロジェクター１Ｌからスクリーン４に投影された左
目用映像を遮断するものであり、左眼鏡２Ｌのシャッタ
ーは、右目用プロジェクター１Ｒからスクリーン４に投
影された右目用映像を遮断するものである。

【００２４】同期パルス発生器３は、プロジェクタ１の
ーシャッター５と立体視用眼鏡２との開閉を同期させ、
右目用シャッター５Ｒ及び立体視用眼鏡２の右眼鏡２Ｒ
と、左目用シャッター５Ｌ及び立体視用眼鏡２の左眼鏡
２Ｌとを交互に開通又は遮断させるものである。

【００２５】なお、図１において、プロジェクター１の
シャッター５は、プロジェクター１の外部に設置した例
を示しているが、プロジェクター１に内蔵されていても
よい。プロジェクターにシャッターを内蔵することによ
って、シャッターを小型化できる。

【００２６】本発明において、右目用プロジェクター１
Ｒから発してスクリーン４に投影された右目用映像は、
立体視用眼鏡２の右眼鏡２Ｒの液晶シャッターで受けら
れ、左目用プロジェクター１Ｌから発した左目用映像
は、左眼鏡２Ｌの液晶シャッターで受けられ、立体視用
眼鏡の液晶シャッターとプロジェクター１のシャッター
５とは、正確に同期が取られ、プロジェクター１（１
Ｒ，１Ｌ）からスクリーン４に発せられる映像の通過、
遮断の切替え並びに立体視眼鏡２を通してスクリーン４
から眼鏡の使用者の肉眼に至る映像の通過、遮断の切替
え制御が行なわれる。

【００２７】図２に、同期パルス発生器３と、プロジェ
クター１のシャッター５と、立体視用眼鏡２とのパルス
波形の相互の関係を示す。図２において、立体視用眼鏡
２の右眼鏡２Ｒ及び右目用プロジェクター１Ｒのシャッ
ター５Ｒとは、同期パルス発生器３によって定められた
タイミングで開閉し、立体視用眼鏡２の右眼鏡２Ｒ及び
右目用プロジェクター１Ｒのシャッター５Ｒが開放（Ｏ
Ｎ）の時、立体視用眼鏡２の左眼鏡２Ｌ、左目用プロジ
ェクター１Ｌのシャッター５Ｌが遮断（ＯＦＦ）する。

【００２８】逆に立体視用眼鏡２の左眼鏡２Ｌ、左目用
プロジェクター１Ｌのシャッター５Ｌが開放（ＯＮ）の
時、立体視用眼鏡２の右眼鏡２Ｒ、右目用プロジェクタ
ー１Ｒのシャッター５Ｒが遮断（ＯＦＦ）して立体視眼
鏡２の使用者に対し、スクリーンに投影された映像に両
眼視時の視差による立体感覚を生じさせる。

【００２９】図３に、本発明による立体視装置の一実施
形態を示す。プロジェクターには、例えば液晶式のプロ
ジェクターを用いる。図３において、この実施形態にお
いては、プロジェクター１をボックス６内に組み込んだ
ものである。通常、同期パルス発生器も併せてボックス
６内に組み込まれるが、図示は省略してある。

【００３０】この実施形態において、スクリーン４は、
立方体をなすボックス６の上面と正面に跨って傾斜姿勢
で設置され、内部にはスクリーン４に対し、一定の角度
をなして反射ミラー７が取付けられている。プロジェク
ター１Ｒ、１Ｌは、それぞれシャッター（液晶シャッタ
ー）５Ｒ，５Ｌを装備し、スクリーン４に対する関係角
度を規制して定位置に設置されている。

【００３１】反射ミラー７は、スクリーン４と、プロジ
ェクター１間の投影距離を短くするために設けられたも
のである。各プロジェクター１Ｒ，１Ｌから発した映像
（右目用映像、左目用映像）は、反射ミラー７で反射し
てスクリーン４の同一個所に映像を結ぶ。この実施形態
においてスクリーン４は、立体視用眼鏡の使用者の視線
に対して傾斜姿勢に配設されているものであり、立体映
像は、スクリーン４を通し、立体視用眼鏡２を用いて観
察される。

【００３２】立体視用眼鏡２には、液晶シャッター眼鏡
を用いることにより、液晶式プロジェクターの投射映像
であっても、傾斜姿勢に配置されたスクリーンを透過
し、プロジェクター１から投影された映像の立体感が強
調されて奥行きのある優れた立体感覚の映像が得られ
る。

【００３３】

【発明の効果】以上のように本発明は、プロジェクター
のシャッターと立体視眼鏡の左右眼鏡に用いた液晶シャ
ッターとの開閉切替え動作を同期させ、右目用プロジェ
クターのシャッター及び立体視用眼鏡の右眼鏡と、左目
用プロジェクターのシャッター及び立体視用眼鏡の左眼
鏡とを交互に開通させて右目用プロジェクターと左目用
プロジェクターとから投影される右目用映像出力および
左目用映像出力を通過させることによりスクリーンに形
成された映像を観察するものである。

【００３４】プロジェクターのシャッターに機械式また
は液晶式シャッターを装備し、実質的にプロジェクター
からの映像出力をＯＮ／ＯＦＦするだけの操作により，
プロジェクターに液晶式プロジェクター、ＣＲＴ、反射
液晶又はＤＬＰ方式のプロジェクターの使用を可能に
し、しかも優れた立体感覚を表現する事が可能となり、
特に、傾斜型スクリーンに背面投影して立体感を強調し
て今までに無い奥行きのある立体感を表現でき、ＣＡＶ
Ｅと呼ばれる多面立体視においても優れた立体感覚を得
ることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基本構成を示す図である。

【図２】プロジェクターのシャッターと立体視眼鏡の液
晶シャッターとの開閉着替えのタイミングを示す図であ
る。

【図３】本発明装置の一実施形態を示す図である。

【図４】従来例１を示す図である。

【図５】従来例２を示す図である。

【図６】従来例３を示す図である。

【符号の説明】

１ （１Ｒ，１Ｌ）プロジェクター ２ （２Ｒ，２Ｌ）立体視用眼鏡 ３ 同期パルス発生器 ４ スクリーン ５ （５Ｒ，５Ｌ）シャッター ６ ボックス ７ 反射ミラー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 重明 東京都中央区築地７−３−１ 日商エレク トロニクス株式会社内 (72)発明者 有田 秀彦 東京都中央区築地７−３−１ 日商エレク トロニクス株式会社内 Ｆターム(参考） 2H059 AA23 AA24 AA33 AA38

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プロジェクターと、立体視用眼鏡と、同
   期パルス発生器とを用い、第１及び第２のプロジェクタ
   ーからスクリーンに投影した映像から両眼視差によって
   立体映像を形成する立体視装置であって、 プロジェクターは、右目用及び左目用として２基設置さ
   れ、それぞれコンピュータで生成された映像あるいはカ
   メラで撮影された右目用映像および左目用映像をスクリ
   ーンに投影するものであり、シャッターを有し、 シャッターは、プロジェクターから出射された映像出力
   を通過または遮断する液晶シャッター又は機械式シャッ
   ターであり、 立体視用眼鏡は、スクリーンに投影された右目用映像お
   よび左目用映像から視覚を通じて立体映像を形成させる
   液晶シャッターであり、 同期パルス発生器は、プロジェクターのシャッターと立
   体視用眼鏡の液晶シャッターとを同期させ、プロジェク
   ターの右目用シャッター及び立体視用眼鏡の右目用シャ
   ッターと、プロジェクターの左目用シャッター及び立体
   視用眼鏡の左目用シャッターとを交互に開閉させるもの
   であることを特徴とする立体視装置。
2. 【請求項２】 スクリーンは、立体視用眼鏡の使用者の
   視線に対して傾斜姿勢に配設され、プロジェクターから
   投影された映像の立体感を強調するものであることを特
   徴とする請求項１に記載の立体視装置。
3. 【請求項３】 プロジェクターのシャッターは、実質的
   にプロジェクターからの映像出力をＯＮ／ＯＦＦするだ
   けの操作により、プロジェクターに液晶式プロジェクタ
   ー、ＣＲＴ、反射液晶又はＤＬＰ方式のプロジェクター
   の使用を可能にするものであることを特徴とする請求項
   １に記載の立体視装置。