JP2001124933A - プラスチック光ファイバーの切断法および装置 - Google Patents

プラスチック光ファイバーの切断法および装置

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JP2001124933A
JP2001124933A JP30703299A JP30703299A JP2001124933A JP 2001124933 A JP2001124933 A JP 2001124933A JP 30703299 A JP30703299 A JP 30703299A JP 30703299 A JP30703299 A JP 30703299A JP 2001124933 A JP2001124933 A JP 2001124933A
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optical fiber
cutting
cutting blade
temperature
cut
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Ryuichi Ishikawa
龍一 石川
Yasushi Watanabe
康 渡辺
Takeo Okura
武雄 大倉
Masayuki Sugiura
正行 杉浦
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバーへの光の出入射に有害な損傷を
与えずに光ファイバーを切断する速度を高速化し、光フ
ァイバーの端面加工工程をより効率化でき、かつ平坦度
の高い端面処理が可能な切断方法とその装置の提供。 【解決手段】 切断刃1と、切断刃の保持部2と、光フ
ァイバーを保持し、保持された光ファイバーの温度制御
手段および光ファイバー切断後の切断刃のための待避空
隙を有する光ファイバー保持部3と、切断刃保持部およ
び光ファイバー保持部を光ファイバーを切断するために
所定の相対速度で移動させる移動手段4とを有してなる
プラスチック光ファイバーの切断装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光センシング、光
通信等に好適に使用されるプラスチック光ファイバーの
切断装置および切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック光ファイバーの切断
方法としては、例えば特開昭62−210403号公報
に記載されているように、光ファイバーを切断する手段
を100℃〜115℃に加熱し、光ファイバーを軟化切
断すると同時に、その端面処理する方法が知られてい
る。また、特開平10−273334号公報には、室温
下でプラスチック光ファイバーを切断するに際し、刃の
移動速度を刃厚との関係から求まる所定速度以下に下げ
て切断することにより光の出入射に有害な損傷を与えず
に切断する方法が開示されている。
【0003】一般に、光ファイバーにおいて光の出入射
の際に生じる有害な障害は、その光学系における光源や
受光素子の状況によっても異なるが、光ファイバーの端
面の粗さが大きいと、特に光源および受光素子の有効面
積が小さい場合に結合損失が大きくなることが知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62−
210403号公報に記載の切断手段を加熱する方法の
場合には、切断速度が遅い場合には、切断された光ファ
イバー端面のエッジが丸みをおびた変形をした。逆に速
過ぎる場合は、光ファイバーを軟化するのに十分な温度
に加熱する前に切断が終了し、光ファイバーの端面に光
の出入射に有害な損傷を与えることがあるため、切断速
度を十分に高速化することができなかった。
【0005】また、手動工具で光ファイバーを切断する
場合には、端面処理を1秒以下で実施できるのに対し、
特開平10−273334号公報記載の方法の場合に
は、強度上の問題から刃厚を0.1mm以下とするのが
困難なため、切断速度としては40mm/分程度が上限
であり一回の光ファイバーの切断に数分の加工時間が必
要であり、光の出入射に有害な損傷を与えずに光ファイ
バーをより高速に切断する切断方法と装置が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光フ
ァイバーへの光の出入射に有害な損傷を与えずに光ファ
イバーを切断する速度を高速化し、光ファイバーの端面
加工する工程をより効率化することを可能とし、かつ平
坦度の高い端面処理が可能な切断方法とその装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、プ
ラスチック光ファイバーを切断する切断刃と、切断刃を
所定温度に加熱し、温度制御する手段を有する切断刃保
持部と、光ファイバーを保持し、かつ光ファイバー切断
後の切断刃のための待避空隙を有する光ファイバー保持
部と、切断刃保持部および光ファイバー保持部の少なく
とも一方を光ファイバーを切断するために所定の相対速
度で移動させる移動手段とを有してなるプラスチック光
ファイバーの切断装置であり、また、この切断装置を用
い、切断刃の温度を(Tgc+8)〜(Tgc+28)
℃に保って(ただし、Tgcは光ファイバーの断面積の
50%以上を占める樹脂のガラス転移温度を意味す
る)、切断刃保持部と光ファイバー保持部の少なくとも
一方を所定相対速度で移動させて光ファイバーを切断す
る切断方法である。
【0008】また、もう一つの本発明は、プラスチック
光ファイバーを切断する切断刃と、切断刃の保持部と、
光ファイバーを保持し、保持された光ファイバーを所定
温度に加熱し、温度制御する手段および光ファイバー切
断後の切断刃のための待避空隙を有する光ファイバー保
持部と、切断刃保持部および光ファイバー保持部の少な
くとも一方を光ファイバーを切断するために所定の相対
速度で移動させる移動手段とを有してなるプラスチック
光ファイバーの切断装置であり、また、この切断装置を
用い、光ファイバーの切断される部分の温度を50〜7
5℃に保ち、切断刃保持部および光ファイバー保持部を
所定相対速度で移動させて光ファイバーを切断する切断
方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光ファイバー切断装置お
よび方法が切断の対象とするのは、プラスチック光ファ
イバー(以下、光ファイバーと略す)である。この光フ
ァイバーとしては、特に限定されるものではないが、透
明性に優れるポリメチルメタクリレート(PMMA)を
主成分とする樹脂が断面積の50%以上を占めるもので
あることが好ましく、外径が1mm以下の芯材を有する
光ファイバーであることが好ましい。ここで、PMMA
を主成分とする樹脂とは、メチルメタクリレート単位を
50重量%以上、好ましくは70重量%以上含む樹脂で
ある。
【0010】本発明の光ファイバー切断装置には二つの
態様があるが、いずれも切断刃(1)と、切断刃保持部
(2)と、光ファイバー保持部(3)と、移動手段
(4)とを有し、これらが本体(5)に取り付けられて
構成される。
【0011】以下、先ず第一の態様の光ファイバー切断
装置および切断方法について、図1を参照しつつ説明す
る。
【0012】本実施形態において切断対象となる光ファ
イバー(6)は、光の主たる伝送路となる芯の端面に他
の部分を構成する樹脂が付着することを防ぐため、芯鞘
構造を有しその界面において屈折率が急激に変化するS
I型光ファイバーが好ましいが、他の構造の光ファイバ
ーを切断することも可能である。他の構造の光ファイバ
ーとしては、中心から外周部に向かって屈折率が連続的
に変化するGI型光ファイバー、屈折率が異なる複数の
重合体が多層積層されてなり中心から外周部に向かって
芯の屈折率が階段状に低下する多層光ファイバー、光伝
送路となる多数の島部が海部により互いに隔てられた状
態で一体化されてなるマルチコア光ファイバー等が挙げ
られる。
【0013】切断刃(1)は、光ファイバー(6)を切
断可能な強度を有する材質、例えば鋼、セラミクス、硬
質ガラスあるいはそれらの複合材料から構成される。ま
た、切断刃(1)は、光ファイバーの切断時に切断する
光ファイバー(6)を接触加熱するのに十分な熱伝導性
を有することが必要である。刃厚は、材質、刃先の角度
にもよるが、0.1〜数mmの範囲内である。切断部分
の刃側面は、滑らかで、錆や汚れの付着し難いことが望
ましい。
【0014】切断刃保持部(2)は、切断刃(1)の温
度を所定温度に加熱し、その温度に保つように温度制御
する手段を有する。切断刃の温度は、後述するような切
断刃保持部(2)及び光ファイバー保持部(3)の少な
くとも一方を移動させる相対速度に応じて設定され、光
ファイバー(6)の断面積の50%以上を占める樹脂の
ガラス転移温度をTgcとしたとき、光ファイバー切断
時に切断刃と接触する部分の光ファイバー(6)の温度
をTgc以上に加熱可能な温度以上に設定する。
【0015】なお、光ファイバーの断面積の50%以上
を占める樹脂が単独では存在しない場合には、光ファイ
バーの断面積の50%以上を占めるに至る複数の主要樹
脂のガラス転移温度の荷重平均値をTgcとする。切断
刃(1)の温度は、(Tgc+8)℃〜(Tgc+2
8)℃の範囲とすることが好ましく、(Tgc+18)
℃〜(Tgc+28)℃の範囲とすることがより好まし
い。例えば、光ファイバー(6)として、断面積の50
%以上がTgcが112℃のPMMAから構成される
(Tgcが112℃の)光ファイバーを用いた場合は、
切断刃の温度を120℃〜140℃とすることが好まし
い。切断刃の温度が低すぎると(例えば光ファイバーと
してTgcが120℃の光ファイバーを用いた場合、切
断刃の温度が120℃未満)、切断後の光ファイバーの
端面の平滑性が失われるとともに、切断刃の寿命が短く
なるおそれがある。特に切断速度を上げて切断する場合
にこの傾向が顕著になる。一方、切断刃の温度が高すぎ
ると(例えば、光ファイバー(6)としてTgcが11
2℃の光ファイバーを用いた場合、切断刃の温度が14
0℃を超える)、光ファイバー(6)の芯材の熱分解に
起因すると思われる気泡が端面に見られるようになり端
面の平滑性が失われるおそれがある。ここでいう切断刃
の温度とは、切断刃のうち光ファイバーと接触して切断
に寄与する部分についての光ファイバー(6)との接触
直前の温度をいう。
【0016】加熱手段としては、例えば切断刃保持部に
埋め込まれた電熱器、切断刃の光ファイバー切断寄与部
分にレーザー光線を照射するレーザー光源等が挙げられ
る。本実施形態では電熱器(7)が使用される。また、
温度制御手段としては、例えばサーミスタ等に代表され
る接触型温度測定装置あるいは赤外線温度計等に代表さ
れる非接触型温度測定装置で切断刃の温度を監視し、こ
の加熱手段の出力を調整する制御器が挙げられる。本実
施形態ではシース電熱対(8)が使用される。
【0017】切断刃保持部(2)には、切断刃(1)が
しっかりと固定される。また、切断刃保持部(2)は、
切断刃(1)の温度制御がしやすいように、例えばガラ
スウールと金属箔で覆ったり、耐熱性樹脂等の熱伝導率
の低い材料で覆ったりすることにより、切断刃(1)以
外の部位および外気に対して断熱されていることが望ま
しい。特にヒーター等を埋め込む場合は、切断刃(1)
に熱を伝える必要性があるために切断刃保持部(2)
は、熱伝導率の良い金属製とされるため、断熱被覆する
ことは効果的である。
【0018】光ファイバー保持部(3)は、光ファイバ
ーががたつかないようにしっかり保持する手段を少なく
とも切断刃(1)に関して前後の位置の少なくとも一方
に持つ。この保持手段としては、例えばV溝を有する部
分とこのV溝との間に光ファイバーを挟む部分とをネジ
で締結する機構、ねじりコイルバネ等により固定部分と
可動部分を回転可能な1つの支点で連結し光ファイバー
(6)を挟む機構が挙げられる。また、光ファイバー保
持部(3)は、切断刃(1)が光ファイバー保持部
(3)と接触することなく光ファイバーを切断できるよ
うに溝状の待避空隙を有する。
【0019】光ファイバー保持部(3)は、光ファイバ
ーを保持する際に光ファイバーの外周部に光学的特性に
有害となる傷等を形成しないように、また切断時の光フ
ァイバーのすべりを防止するために、例えば光ファイバ
ーに接触する部分にはフェルト材、シリコンゴム等を貼
り付けて構成される。本実施形態では硬質ゴム部材
(9)が使用される。
【0020】光ファイバー(6)の切断は、切断刃
(1)を待避空隙まで光ファイバー保持部(3)に対し
て相対的に移動することにより実施される。
【0021】移動手段(4)は、切断刃保持部(2)と
光ファイバー保持部(3)の少なくとも一方(本実施形
態でにおいては光ファイバー保持部(3))を光ファイ
バーを切断可能な相対的な位置まで、好ましくは一定の
切断速度を保ったまま移動可能なように構成される。そ
の具体例として、例えばステッピングモータと送りねじ
を有し、速度設定が可能な自動ステージ等が挙げられ
る。本実施形態でにおいてはモーター(12)と歯車減
速器(11)の組合せから構成されている。
【0022】移動手段(4)により切断刃保持部(2)
と光ファイバー保持部(3)との相対速度として与えら
れる光ファイバーの切断速度は、光ファイバーの材料特
性や外径等によっても異なるが、切断時に切断刃(1)
と光ファイバー(6)とが接触する部分の光ファイバー
(6)の温度をTgc以上に加熱可能な速度以下に設定
される。例えば、光ファイバー(6)としてTgcが1
12℃の光ファイバーを用いた場合、光ファイバーの切
断速度は200〜400mm/分であることが好まし
い。光ファイバーの切断速度が速すぎる場合(例えは、
光ファイバー(6)としてTgCが112℃の光ファイ
バーを用いた場合、切断速度が400mm/分を超えて
速い場合)には切断時の光ファイバーの加熱が不十分と
なり、切断端面の平滑性が損なわれやすく、場合によっ
ては端面の劈開が生じるおそれがある。また、切断刃に
かかる負担も大きく、切断刃が破損するおそれもある。
一方、この切断速度が遅すぎると(例えば、光ファイバ
ー(6)としてTgcが112℃の光ファイバーを用い
た場合、切断速度が200mm/分未満)、切断刃に光
ファイバーの融着が生じやすくなり、この場合にも端面
の平滑性が失われやすい。
【0023】切断刃(1)の温度と、光ファイバーの切
断速度は、光ファイバー(6)の切断時に切断刃(1)
と接触する光ファイバーの切断部分において、切断刃
(1)の周囲の樹脂が溶融されてなる薄い溶融層が形成
されるように決定することが好ましい。溶融層の厚さ
は、光ファイバー(6)の切断端面を十分に平滑にする
ためには10μm以上であることが好ましく、切断刃へ
の樹脂の融着を防ぐためには、30μm以下とすること
が好ましい。
【0024】移動手段(4)は、切断刃保持部(2)と
光ファイバー保持部(3)との少なくとも一方を精度良
く相対移動移動可能に構成されており、切断時における
切断速度や切断刃保持部(2)と光ファイバー保持部
(3)との光ファイバーの軸方向の相対位置は変動が少
ないほどよい。移動手段(4)は、切断終了後、速やか
に光ファイバー端面より切断刃(1)を退避させるよう
に切断刃保持部(2)と光ファイバー保持部(3)を相
対的に移動させる。
【0025】切断刃保持部(2)と光ファイバー保持部
(3)と移動手段(4)とは、光ファイバーを切断可能
な状況で本体(5)に取り付けられる。本体(5)は、
切断刃保持部(2)と光ファイバー保持部(3)と移動
手段(4)を支持するに十分な剛性を持つ。本体(5)
は振動し難く構成されるのが望ましい。
【0026】以上説明した本発明の光ファイバーの切断
装置および切断方法によれば、切断された光ファイバー
の端面の表面粗さとして、JIS B 0601による
算術平均粗さRaで2μm以下、最大粗さRyで10μ
m以下、好ましくはRyが6μm以下のものが得られ
る。
【0027】次に、本発明の第二の態様の光ファイバー
切断装置および切断方法について図2を参照しながら説
明するが、この態様の切断装置は、単芯光ファイバーだ
けでなく、マルチコア光ファイバー、光ファイバーの外
周に樹脂被覆層を施してなる被覆付き光ファイバー並び
に複数本の光ファイバーをまとめて被覆した被覆付きバ
ンドル光ファイバー等をも好ましく切断可能である。被
覆付き光ファイバーの場合には、光ファイバー外周の樹
脂製被覆の厚みは2.5mm以下のものが好ましい。
【0028】この第二の態様の切断装置は、第一の態様
の光ファイバー切断装置と比較すると、切断刃保持部
(2)と光ファイバー保持部(3)とにおける加熱温度
制御手段の配設態様が変化している。すなわち、ここで
は切断刃保持部(2)には、加熱手段および温度制御手
段は配設されていない。一方、光ファイバー保持部
(3)には、保持された光ファイバーを一定温度に加熱
し、温度制御する手段が配設されている。
【0029】光ファイバー保持部(3)では、光ファイ
バーの切断される部分の温度が50〜75℃となるよう
に加熱し、その温度を保つように温度制御される。ここ
でいう光ファイバーの切断される部分の温度とは、光フ
ァイバーが切断刃と接触する部分の表面部位における切
断刃との接触直前の温度をいう。加熱手段としては、例
えば光ファイバー保持部(3)に埋め込まれた電熱器や
遠赤外線ヒーター、保持された光ファイバーの切断部分
にレーザー光線を照射するレーザー光源等が挙げられ
る。本実施形態では電熱器(7)が用いられる。光ファ
イバー保持部(3)に加熱手段を埋め込む場合、光ファ
イバー保持部(3)は熱伝導率が高いアルミ合金などの
金属から構成することが好ましい。また、この場合、光
ファイバー(6)を傷付けないようにするため、光ファ
イバー(6)の切断部分と光ファイバー保持部(3)は
非接触状態とされることが好ましく、光ファイバー
(6)の切断部分を効果的に加熱するため、光ファイバ
ー(6)の切断部分と光ファイバー保持部(3)との間
の間隙は小さいほど好ましい。
【0030】また、温度制御手段としては、例えばサー
ミスタ等に代表される接触型温度測定装置あるいは赤外
線温度計等に代表される非接触型温度測定装置で光ファ
イバーあるいは被覆付き光ファイバーの被切断部分の表
面温度を監視し、加熱手段の出力を調整する制御器が挙
げられる。
【0031】光ファイバーの切断される部分の温度が5
0℃未満であると、光ファイバーや被覆材が硬い状態で
切断されるため、端面の平滑性が失われるとともに、切
断刃の寿命が短くなり、切断速度を上げて切断する場合
にこの傾向が顕著になる。また、光ファイバーの切断さ
れる部分の温度が75℃を超えると、切断の際に光ファ
イバーが熱的にダメージを受けやすい状態が継続するこ
とになり、光ファイバーの伝送損失が増加しやすい。
【0032】また、この場合の光ファイバーの切断速度
は、光ファイバーあるいは光ファイバーケーブルの材料
特性や外径等によっても異なるが、40〜200mm/
分であることが好ましい。200mm/分を超えて速い
場合には切断端面の平滑性が損なわれやく、切断刃にか
かる負担も大きい。一方、40mm/分未満であると光
ファイバーの切断にかなり時間を要するようになるため
好ましくない。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 実施例1 図1に示したプラスチック光ファイバー切断装置の光フ
ァイバー保持部(3)に、光ファイバー(PMMAを芯
とし、含フッ素樹脂の鞘を持つ外径1mm、Tgc11
2℃のSI型光ファイバー)を保持させた。切断刃保持
部(2)には、電熱器(7)を埋め込み、切断刃の温度
を132℃に保った。
【0034】次いで、25℃、相対湿度60%の恒温恒
湿に保たれた環境下で光ファイバー保持部を300mm
/分の速度でリミットスイッチ(10)が作動するまで
下方に移動させ、切断刃保持部(2)により定位置に固
定された刃厚が0.1mm、切断刃の先端部において切
断刃のなす角度(刃角)が17°であり、冷間圧延鋼板
から構成された切断刃に当てて光ファイバーを切断し
た。切断後の光ファイバーの端面の平滑度について測定
したところ、JIS B 0601による算術平均粗さ
Raで0.36μm、最大粗さRyで2.5μmであっ
た。
【0035】実施例2〜4 切断刃の温度および光ファイバー保持部の移動速度およ
び切断対象となる光ファイバーを表1に示されるように
変化させたことを除き、実施例1と同様にして光ファイ
バーの切断を実施した。切断後の光ファイバーの端面の
平滑度の測定結果を併せて表1に示した。
【0036】
【表1】 比較例1〜4、実施例5〜9 切断刃の温度及び切断速度を変更した点を除いて実施例
1と同様にして光ファイバーの切断を行った。各比較例
及び実施例においては、切断刃温度を一定にし、切断速
度を段階的に増加させ、各切断速度において10本の光
ファイバーを切断した場合に、最大粗さRyが6μm以
上である光ファイバーが1本以上出現する切断速度を測
定し、これを最大切断速度とした。結果を表2に示し
た。また、図3にこの結果をプロットしたグラフを示し
た。
【0037】
【表2】 実施例10 図2に示したプラスチック光ファイバー切断装置の光フ
ァイバー保持部(3)に、光ファイバー(PMMAを芯
とし、含フッ素樹脂の鞘を持つ外径1mm、Tgc11
2℃のSI型光ファイバー)を保持させた。光ファイバ
ーの切断部分における光ファイバー(6)と光ファイバ
ー保持部(3)との間の間隔は0.05mmであった。
光ファイバー保持部(3)の周辺に電熱器(7)を配設
し、光ファイバーの切断部分の表面温度を68℃に保っ
た。
【0038】次いで、25℃、相対湿度60%の恒温恒
湿に保たれた環境下で光ファイバー保持部を150mm
/分の速度でリミットスイッチ(10)が作動するまで
下方に移動させ、切断刃保持部(2)により定位置に固
定された刃厚が0.1mm、刃角が17°であり、冷間
圧延鋼板製の切断刃に当てて光ファイバーを切断した。
切断後の光ファイバーの端面の平滑度について測定した
ところ、JIS B0601による算術平均粗さRaで
0.6μm、最大粗さRyで3.2μmであった。
【0039】
【発明の効果】本発明により、切断端面のエッジに丸み
や欠けなどの出入射に有害な損傷を与えずに光ファイバ
ーを高速で切断することが可能となり、かつ平坦度の高
い端面処理が得られる。このようにして切断された光フ
ァイバーを用いることにより、光センシングおよび光通
信に使用する光ファイバー機器の性能の向上と安定性が
達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバー切断装置の
一例の模式図である。
【図2】本発明の別の態様のプラスチック光ファイバー
切断装置の模式図である。
【図3】最大粗さRyが所定値以上である光ファイバー
が出現する切断速度を温度に対してプロットしたグラフ
である。
【符号の説明】
1 切断刃 2 切断刃保持部 3 光ファイバー保持部 4 移動機構 5 本体 6 光ファイバー 7 電熱器 8 シース熱電対 9 硬質ゴム部材 10 リミットスイッチ 11 歯車減速器 12 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大倉 武雄 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 杉浦 正行 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 2H036 JA05 KA01 2H038 CA12 CA23 3C021 EA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック光ファイバーを切断する切
    断刃と、切断刃を所定温度に加熱し、温度制御する手段
    を有する切断刃保持部と、光ファイバーを保持し、かつ
    光ファイバー切断後の切断刃のための待避空隙を有する
    光ファイバー保持部と、切断刃保持部および光ファイバ
    ー保持部の少なくとも一方を光ファイバーを切断するた
    めに所定の相対速度で移動させる移動手段とを有してな
    るプラスチック光ファイバーの切断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の切断装置を用い、切断刃
    の温度を(Tgc+8)〜(Tgc+28)℃に保って
    (ただし、Tgcは光ファイバーの断面積の50%以上
    を占める樹脂のガラス転移温度を意味する)、切断刃保
    持部と光ファイバー保持部の少なくとも一方を所定相対
    速度で移動させて光ファイバーを切断する切断方法。
  3. 【請求項3】 切断刃保持部および光ファイバー保持部
    の少なくとも一方を200〜400mm/分の相対速度
    で移動させて光ファイバーを切断する請求項2記載の切
    断方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の切断装置を用い、切断刃
    の温度および切断刃保持部と光ファイバー保持部が移動
    する相対速度を、光ファイバーの切断時に切断刃と接触
    する光ファイバーの切断部分において、切断刃の周囲の
    樹脂が溶融されてなる溶融層が形成されるように設定し
    て光ファイバーを切断する切断方法。
  5. 【請求項5】 プラスチック光ファイバーを切断する切
    断刃と、切断刃の保持部と、光ファイバーを保持し、保
    持された光ファイバーを所定温度に加熱し、温度制御す
    る手段および光ファイバー切断後の切断刃のための待避
    空隙を有する光ファイバー保持部と、切断刃保持部およ
    び光ファイバー保持部の少なくとも一方を光ファイバー
    を切断するために所定の相対速度で移動させる移動手段
    とを有してなるプラスチック光ファイバーの切断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の切断装置を用い、光ファ
    イバーの切断される部分の温度を50〜75℃に保ち、
    切断刃保持部および光ファイバー保持部を所定相対速度
    で移動させて光ファイバーを切断する切断方法。
  7. 【請求項7】 切断刃保持部および光ファイバー保持部
    の少なくとも一方を40〜200mm/分の相対速度で
    移動させて光ファイバーを切断する請求項6記載の切断
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020090889A (ko) * 2001-05-28 2002-12-05 소니 가부시끼 가이샤 플라스틱 광섬유 절단장치 및 절단방법
WO2009104219A1 (ja) * 2008-02-20 2009-08-27 有限会社ダルトン 加熱溶断装置

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