JP2001124768A - 細胞の温度を求めるための蛍光ビーズ及びその使用方法 - Google Patents

細胞の温度を求めるための蛍光ビーズ及びその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞/組織試料中に含まれる単細胞の温度及
び/又は代謝状態を求めるために用いられる蛍光ビーズ
の提供。 【解決手段】 蛍光ビーズは、温度感受性発蛍光団によ
る蛍光発光と温度非感受性発蛍光団による蛍光発光が分
解されるポリマー材料に包埋した温度感受性発蛍光団及
び温度非感受性発蛍光団を含有する。細胞代謝をモニタ
ーするとともに細胞の異常代謝を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、組織
試料において単細胞、又は細胞群の温度を求める新規な
方法に関する。その方法を診断補助として用いる方法も
含まれる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生細胞
には、安定な速度の代謝が必要である。従って、細胞及
び細胞を含む生物体双方においては、その調節はストリ
ンジェントコントロール下にある。炭水化物の全エネル
ギーの約50%はATPに変換され、残りは熱として放出さ
れる[Albertsら, Molecular Biology of the Cell, (19
89)]。ATPは次に、成長中には生合成のために用いら
れ、そうでなければ仕事のために用いられ、そのエネル
ギーは熱として放出される。この熱の放出は、温度の形
で身体を温めるために用いられる。生物体レベルにおい
て安定な代謝レベルを維持できないことが、発熱と言わ
れる病状、即ち、生物体の温度の上昇である。代謝レベ
ルでの変化は、細菌又はウイルス感染、がん、及び敗血
症又は悪液質に見られる全身の衰弱状態を含む様々な病
態に見られる。
【0003】生物体の温度は、生物体の健康を表すもの
としてしばしば用いられている。温度のわずかなずれさ
えも病状を意味するものである。しかしながら、個々の
細胞の温度は、現在の技術の限界のために分析すること
ができない。即ち、細胞内で又は2つの異なる細胞間で
細胞温度が時間とともにどの程度変化するかについては
まだ知られていない。しかしながら、大集団の細胞の実
験に基づき、単細胞のレベルで温度を測定することによ
り病態が検出可能であると考える十分な論拠がある。
【0004】細胞代謝は、細胞内で生じる全ての酵素反
応のバランスシートとしてみなされるものである。これ
に関連して、正味の発熱活性は黒体放射、即ち、細胞の
温度を測定する場合に分析する熱として見られる。以前
の生物代謝活性の実験には、全生物体のレベルで、又は
非常に小さい個々の器官に適用される熱量測定が用いら
れた。微量熱量測定は、わずか10細胞程度に適用され
る。しかしながら、単細胞から生じる熱を分解する現在
の技術の限界においては厳しい制限がある[Kemp,Therma
l and Energetic Studies of Cellular Biological Sys
tems, A.M. James, ed.(Bristol: Wright), pp. 147-16
6(1987)]。腫瘍細胞において代謝を測定するために適用
される最も感度のある手法は、数百の細胞を分解し得る
カルテシアンダイバーである[Lutton & Kopac, Cancer
Res., 31:1564-1569(1971)]。しかしながら、この手法
はまだ未熟すぎて不均一な集団の細胞を分解できず、細
胞の解離を必要とする。多くの正常細胞の生理機能は、
三次元マトリックスにおいて細胞の相互作用を必要とす
る動的プロセスである。多くの細胞活性は、細胞間接触
によって変化する。細胞が解離される場合にはこれは全
て消失する。最近、生細胞においてATP、グルコース及
びラクテートのような代謝産物を測定する手法が開発さ
れた[Hossmanら, Acta Neuropathologica, 69:139-147
(1986); Okadaら, Journal of Neurosurgery, 77:917-9
26(1992)]。これらの手法は、写真フィルム[上記Hossma
nら, 1986; 上記Okadaら, 1992]又は光子計数カメラ[Ta
mulevicius & Streffer, British Journal of Cancer,
72:1102-1112(1995)]を用い、ミリメートル空間分解能
により分析した場合に腫瘍における代謝のかなりの不均
一性が証明された。
【0005】残念ながら、現在多くの重要な課題は、個
々の細胞の代謝を求めることができないので言及するこ
とができない。例えば、現在は不均一な集団の細胞を実
験することができず、混合物の平均ではなく個々の細胞
の活性を分解することができない。例えば、腫瘍は、が
ん細胞、正常細胞、及び浸潤免疫細胞からなり、各々が
非常に異なる速度で代謝している。この場合には、腫瘍
の平均代謝の測定は個々の細胞の実際の代謝を反映する
ことができない。
【0006】たいていの細胞においては、好気的呼吸が
ATPの生産のほとんど全てに関与し、残りは嫌気的解糖
とみなされる。嫌気的呼吸が腹水症の腫瘍細胞にかなり
増加することは50年以上前に述べられた[Warburgら, Th
e Metabolism, ed. O. Warburg, Constable & Company
LTD., ロンドン, pp. 129-170(1930a); Warburgら, The
Metabolism of Tumors, ed. O. Warburg, Constable &
Company LTD., ロンドン, pp. 254-265(1930b)]。これ
によって腫瘍細胞においては好気的呼吸が損傷されると
いう仮説が導かれた[Warburg, Science, 123:309-314(1
956)]。その間に代謝について知られてきたので、好気
的呼吸が腫瘍細胞においては正常であるが嫌気的呼吸が
増加することがわかった。この嫌気的呼吸の増加に関与
するメカニズムは現在理解されていない。メカニズムを
知るにあたっての主な限界要因は、個々の細胞の相対代
謝レベルを分析できないことである。上記のように、第
1の具体的な問題は、腫瘍が正常細胞、悪性細胞、及び
免疫細胞の混合からなることである。現在の技術は、こ
の混合集団の細胞の平均代謝を測定することができるに
すぎない。第2の問題は、腫瘍細胞内でさえかなり不均
一であることである。例えば、腫瘍においては、酸素化
は腫瘍増殖をしばしば律速する[Kallinowskiら, J. Ce
l. Physiol., 138:183-191(1989)]。従って、急速に増
殖する腫瘍においては、酸素と栄養素を送達する新しい
血管の成長である血管形成によって増殖が制限される。
【0007】化学療法は、腫瘍と闘うために用いられる
強力な手段である。しかしながら、腫瘍細胞は化学療法
剤にしばしば抵抗する。この抵抗は、広域スペクトルの
化学療法剤に対する感受性の低下として見られ、その細
胞は多剤耐性細胞に分類されてきた[Simonら, Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 91:3497-3504(1994); Schindler
ら, Biochemistry 35, 2811-2817(1996); 1998年5月18
日出願の米国特許出願第09/080,739号; 1998年12月22日
発行の米国特許第5,851,789号、これらの文献の記載は
本願明細書に含まれるものとする]。これらの細胞は最
初は治療攻撃に耐えることができる『スーパー細胞』と
して見られたが、いまでは多剤耐性細胞が正常細胞のよ
うに振舞うことにより化学療法をのがれるという証拠が
増えてきており、いろいろな意味でこれらの細胞は性質
において『逆』トランスフォーメーションを受けたと思
われている[Biedlerら, Cancer & Metastasis Reviews,
13:191-207(1994)]。化学療法剤が取り除かれると、こ
れらの細胞は攻撃的な悪性の性質を再び取り戻す。この
間の多剤耐性細胞の代謝に何が起こるかは知られていな
い。間接的な結果からこれらの細胞における嫌気的呼吸
レベルが非がん化細胞に見られるレベルに戻ったことが
示されている[Miccadeiら, Oncology Research, 8:27-3
5(1996)]。従って、腫瘍が多剤耐性細胞の静止期から悪
性期に移るときを診断するために多剤耐性細胞である個
々の細胞の代謝を測定することが求められている。更
に、正常細胞か又は腫瘍細胞に生じる代謝の変化を求め
るために個々の細胞の温度を測定する方法が求められて
いる。更に、組織について腫瘍細胞の存在を速やかに診
断するために生きた組織の新しい生検から細胞の温度を
測定する方法が求められている。
【0008】ほとんど全ての発蛍光団の発光は温度によ
って影響されるが、温度に対して特に感受性のある発蛍
光団の使用は、まずKolodnerらにより温度を検定する手
法として用いられた[Appl. Phys. Lett. 40:782-784(19
82); Appl. Phys. Lett. 42:782-784,(1983)]。Kolodne
rは、0.07°Kの分解能と10μM空間分解能の分解能を得
るためにポリマー、PMMAに包埋した発蛍光団、Eu(TTA)3
を用いた。従って、この温度感受性発蛍光団は、温度を
数量化するために用いられた。
【0009】Eu(TTA)3を含む種々の発蛍光団は、種々の
溶媒やポリマーに溶解され、John P. Sullivanの実験室
では飛行機の翼を『塗装』するために用いられた(パー
シュー(Pursue)大学、[Campbellら, Temperature Sensi
tive Fluorescent Paint Systems, 18:94-2483(1994)]
から変更した表1を参照されたい)。蛍光の変化は、例え
ば、風洞内で飛行機の翼の温度変化をモニターするため
に用いられる。今日まで、温度感受性発蛍光団は集積回
路の診断に用いられて[Kolodnerら, Appl. Phys. Let
t., 42:117-119(1983)]、二次元の翼に対する境界層の
変化を検出するとともにデルタ翼のリーディングエッジ
渦と表面間の相互作用を目に見えるようにした[Campbel
lら, レーザー法の流体力学への応用に関する第6回国際
シンポジウム、ポルトガル、リスボン(1992); Campbell
ら, Temperature Measurement Using Fluorescent Pain
t Systems, 18:94-2483(1994); Harnnerら, A Scanning
Laser System for Temperature and Pressure Sensiti
ve Paint, 32:94-0728(1994)]。本明細書中の文献の引
用は、その文献が本出願の『従来の技術』として利用で
きることを許容するものとして解釈されるべきではな
い。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビーズで包ん
だ温度感受性発蛍光団と温度非感受性発蛍光団を用いる
ことにより細胞の温度を測定する手段を提供する。本発
明の態様は、ポリマー材料に包埋した少なくとも1種の
温度感受性発蛍光団と少なくとも1種の温度非感受性発
蛍光団を含む蛍光ビーズを提供する。具体的な実施態様
においては、そのポリマー蛍光ビーズは、ポリマー材料
に包埋した1種の温度感受性発蛍光団と1種の温度非感受
性発蛍光団を含んでいる。
【0011】好ましくは、温度感受性発蛍光団による蛍
光発光と温度非感受性発蛍光団による蛍光発光は、相互
に分解される。ポリマー蛍光ビーズの具体的な実施態様
においては、温度感受性発蛍光団はEu(TTA)3である[199
8年1月7日出願の米国特許09/003,628号を参照された
い。この明細書の記載は本願明細書に含まれるものとす
る。]。ポリマー蛍光ビーズの他の実施態様において
は、温度非感受性発蛍光団はクマリンである。好適実施
態様においては、温度感受性発蛍光団はEu(TTA)3であ
り、温度非感受性発蛍光団はクマリンである。実施態様
においては、蛍光ビーズのサイズは40〜150nmである。
好適実施態様においては、蛍光ビーズのサイズは60〜11
0nmである。このタイプの好適実施態様においては、ポ
リマー蛍光ビーズのサイズは80〜90nmである。
【0012】具体的な実施態様においては、ポリマー蛍
光ビーズはポリスチレンからなる。他の実施態様におい
ては、ポリマー蛍光ビーズは非芳香族合成ポリマーから
なる。そのような実施態様においては、ポリマー蛍光ビ
ーズはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)からなる。本
発明は、また、本発明のポリマー蛍光ビーズを製造する
方法を提供する。
【0013】更に、本発明は、本発明のポリマー蛍光ビ
ーズを用いる方法を提供する。例えば、本発明は、細胞
の温度を求める方法を提供する。その方法は、本発明の
ポリマー蛍光ビーズを細胞に入れる段階を含んでいる。
次に、温度感受性発蛍光団と温度非感受性発蛍光団は、
適切な紫外光、可視光、又は赤外光で励起し、温度感受
性発蛍光団と温度感受性発蛍光団によって出された蛍光
シグナルを検出される。温度感受性発蛍光団と温度非感
受性発蛍光団が適切な紫外光、可視光又は赤外光で励起
される場合には個々に分解される検出可能な蛍光シグナ
ルが出される。好ましくは、温度感受性発蛍光団による
蛍光シグナルは細胞の代謝速度/温度によて影響され、
温度非感受性発蛍光団の蛍光シグナルは影響されない。
しかしながら、重要な点は、一定のビーズ構成物につい
ては細胞内の温度変化によるビーズの温度感受性発蛍光
団の蛍光変化は温度非感受性発蛍光団パートナーとは全
く異なっていることである。これにより、細胞内の温度
変化と細胞内のビーズの運動(例えば、局所的ビーズ濃
度の変化)による蛍光変化間の識別が可能である。従っ
て、温度感受性発蛍光団を検出する蛍光シグナルの強度
は、対応する温度非感受性発蛍光団の発光により局所的
ビーズ濃度を補正する場合には細胞の温度を表わしてい
る。
【0014】関連実施態様においては、温度感受性発蛍
光団と温度非感受性発蛍光団を含むビーズの代わりに、
本発明は反対の温度依存性を有する2種の温度感受性発
蛍光団を含むビーズを提供する。即ち、一方の発蛍光団
は高温で蛍光発光が増加するが、もう一方は高温で蛍光
発光が減衰する。適切な温度範囲にわたって、本明細書
に記載されるこれらの温度感受性蛍光変化は好ましくは
直線的であるか及び/又は予め検定されることが好まし
い。いずれにせよ、細胞温度の変化により2つの発蛍光
団の蛍光比率が移動し、温度変化がビーズを含む細胞を
決定することを可能にする。一方、細胞内のビーズの運
動によって蛍光発光測定値の絶対変化が起こるが、2種
の発蛍光団による蛍光発光の比率は変わらないままであ
る。
【0015】本発明は、更に、本発明のポリマー蛍光ビ
ーズを用いた細胞の代謝活性を検出する方法を提供す
る。その実施態様においては、細胞の温度を上記の本発
明のポリマー蛍光ビーズで求める段階、及び温度を代謝
活性で補正する段階を含んでいる。本発明は、また、本
発明のポリマー蛍光ビーズを用いて組織試料中の健康な
組織によって取り囲まれた細胞の異常代謝の存在を検出
する方法を提供する。その実施態様は、細胞の温度を求
める段階を含んでいる。対照細胞に相対する細胞の温度
の差は、細胞が異常代謝を受けていることを示してい
る。このタイプの具体的な実施態様においては、組織試
料は腫瘍生検から得られる。他の実施態様においては、
細胞の異常代謝は紫外線損傷を表している。他の実施態
様においては、また、細胞の異常代謝は悪液質を表して
いる。他の実施態様においては、また、細胞の異常代謝
はアポトーシスを表している。
【0016】発蛍光団が適切な紫外光、可視光、又は赤
外光で励起した場合、発蛍光団は検出可能な蛍光シグナ
ルを放出する。蛍光ビーズを細胞に入れた場合、温度感
受性発蛍光団の蛍光シグナルの強度は細胞の代謝速度に
よって影響されるが、温度非感受性発蛍光団の蛍光シグ
ナルは実質的になく(又は好ましくは全くなく)、細胞の
代謝速度によって影響されない。
【0017】好ましくは、蛍光ビーズは安定な蛍光シグ
ナルを出し得る発蛍光団を含み、そのビーズは37℃で光
(例えば、紫外光、可視光、又は赤外光)で励起する際に
少なくとも1時間約pH 7.5の水溶液に隣接している。具
体的な実施態様においては、蛍光ビーズを生細胞に入れ
た場合、蛍光感受性発蛍光団は、温度非感受性発蛍光団
の蛍光シグナルの対応する変化に相対する蛍光シグナル
の強度の温度変化が1℃当り1〜2.5%上昇する。
【0018】本発明の具体的な実施態様においては、蛍
光ビーズを含む細胞を顕微鏡に載せ、発蛍光団を励起さ
せ、該顕微鏡を用いてその発光を検出する。その実施態
様においては、顕微鏡はレーザー走査共焦点顕微鏡であ
り、励起用紫外光レーザーを備えている。他の実施態様
においては、該顕微鏡は紫外光励起フィルタを有するHg
又はキセノンランプ、及び615nm+/−の可視光放射フィ
ルタを備えた蛍光顕微鏡である。本発明のこれらの及び
他の態様は、下記の図面及び詳細な説明によって十分に
理解されるであろう。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、単細胞又は細胞群の温
度及び/又は代謝変化をモニターするために本明細書に
記載される蛍光ビーズを用いる方法を提供する。細胞は
他の細胞から解離されるか又は細胞試料の一部のままで
ある。例えば、細胞が腫瘍細胞である場合、そのモニタ
リングは腫瘍細胞の代謝変化に新しい洞察を可能にす
る。また、これにより腫瘍細胞の一般細胞生物学の理解
が援助される。
【0020】更に、本発明の蛍光ビーズは、時間枠内で
腫瘍細胞が生きた組織の新しい生検に存在するかを求め
るために用いることができ、これにより腫瘍生検中の診
断をを可能にする。この方法で、生検の分析が組織の除
去に続いて直ちに行われ、医師が追加の組織を取出さな
ければならないかについて直ちに決めることを可能に
し、又は手術を必要としないと結論をだすことを可能に
する。そのような手順は、初期の生検を必要とし、次
に、典型的には7〜10日間組織を評価し、しばしば追加
の手術手順が続けられる現在の技術より多くの利点があ
る。従って、本発明は、医師が1回の手術手順を行うこ
とを可能にするとともに組織分析に対して直ちに反応さ
せることを可能にし、よってこの分析の期間中に組織の
悪化が更に防止される。
【0021】本発明には、また、本発明の蛍光ビーズを
用いた細胞の温度を求める方法が含まれる。好適実施態
様においては、本発明の蛍光ビーズは、好ましくはポリ
マー、例えば、ポリスチレン又はPMMAであるビーズに双
方が包埋されている少なくとも1種の温度感受性発蛍光
団と少なくとも1種の温度非感受性発蛍光団を含んでい
る。
【0022】ビーズは、材料が実質的に水に不透過性で
ある限り多くの固体支持材料から製造される(例えば、
ポリスチレン又はPMMA)。ビーズは、標準技術により調
製され、及び/又は多くの市販源から得られる。次に、
前製造した固体支持ビーズは発蛍光団の存在下に膨潤さ
れ、よって発蛍光団がビーズに捕捉される。包埋した発
蛍光団による蛍光が溶液の変化、例えば、塩濃度、pH等
とは無関係でなければならないので水に透過性である固
体支持ビーズを用いないことが好ましい。
【0023】次に、蛍光ビーズは細胞に充填される。蛍
光ビーズは、下記に例示される細胞を充填するスクレイ
プ(Scrape)[McNeiら, J. Cell Biol. 98:556-1564(198
4); Altanら, Journal of Experimental Medicine 187:
155-175(1998)]又はビーズのマイクロインジェクション
[Tanasugarnら, J. Cell Biol. 2:717-724(1984)]によ
り細胞に入れられる。代替的実施態様においては、蛍光
ビーズは注射器充填により細胞に充填される。細胞はト
リプシンとEDTAで基質から解離されてからビーズの存在
下に2つの注射器間の前後に移した[Clarke & McNeil,
J. Cell Sci., Pt3:533-541(1992)]。他の方法には、細
胞がビーズを高浸透圧培地でエンドサイトースしてから
エンドソームが細胞の開放した内側を溶解させる低浸透
圧培地で細胞にショックを与える段階が必要である[Oka
da & Rechsteiner, Cell 29:33-41(1982)]。
【0024】ビーズは、発蛍光団を細胞のサイトゾルか
ら防ぎ、発蛍光団がイオン又は粘度の変化によって影響
されることから保護する。これは、たいていの発蛍光団
が環境によって影響されるので本発明の重要な態様であ
る。即ち、溶媒の変化、塩濃度、温度、又は培地の粘度
は全て、発蛍光団の蛍光特性に影響し得る。本発明の好
適実施態様においては、熱だけが蛍光ビーズに浸透し又
は離脱し、よってサイトゾル、又はサイトゾルコンパー
トメントの温度をほとんど正確に求めることを可能にす
る。
【0025】本発明の態様においては、蛍光ビーズは、
発蛍光団の局所的濃度の対応する変化をもたらし得る細
胞内のビーズの分布の避けられない変化を可能にするた
めに少なくとも1種の温度感受性発蛍光団、及び少なく
とも1種の温度非感受性発蛍光団を含有する。従って、
温度感受性発蛍光団と共に温度に対する感受性が最低で
ある発蛍光団を共包埋することにより、温度非感受性発
蛍光団は細胞内でビーズの分布による蛍光の変化の対照
として働く。これにより、温度の関数として蛍光ビーズ
の蛍光の正確な検定が可能である。従って、次の用語が
本明細書に出てくる場合には、その定義は下記に示され
るものである。
【0026】本明細書に用いられる『代謝プローブ』
は、ポリマーに包埋した温度感受性発蛍光団を含む固体
基質を含み、発蛍光団が適切な波長の光(例えば、紫外
光、可視光又は赤外光)で励起した場合、発蛍光団は検
出可能な蛍光シグナルを出し、生細胞(単独、又は細胞
試料の一部として)が代謝プローブ上に置かれる場合、
蛍光シグナルは細胞から出される熱(例えば、細胞の温
度及び/又は代謝状態として測定される)により増強さ
れる(即ち、増加又は減衰する)。本発明の蛍光ビーズ
は、代謝プローブの特定の種類である。
【0027】本明細書に用いられる『固体基質』は、固
体材料、好ましくはプラスチック、金属、又はガラスか
ら製造される。本明細書の蛍光ビーズに用いられる固体
基質は、好ましくは水溶液に不浸透性である。本明細書
に用いられる『約pH 7.5』には、pH 7.0〜pH 8.0のpH範
囲が含まれる。
【0028】本明細書に用いられる温度感受性発蛍光団
は、その放出強度が少なくとも35〜40℃の領域で温度の
関数として単調に変動する化合物である。実施態様にお
いては、発蛍光団の温度に対する指数関数的又は直線的
依存性は、1℃当り0.25〜2.5%蛍光放出強度が変化す
る。好ましい発蛍光団の温度に対する指数関数的又は直
線的依存性は、1℃当り少なくとも1%蛍光放出強度が変
化する。本明細書に用いられる『温度非感受性発蛍光
団』は、細胞の代謝速度によって実質的に影響されない
発蛍光団、例えば、放出強度が1℃当り0.1%未満、好ま
しくは1℃当り0.025%未満だけ変動する発蛍光団であ
る。
【0029】本明細書に用いられる『蛍光ビーズ』は、
発蛍光団の異なる蛍光特性により、ビーズが細胞内の温
度変化を測定するために用いられるビーズに包埋した少
なくとも2種類の異なる発蛍光団を含んでいる。実施態
様においては、蛍光ビーズは、少なくとも1種の温度感
受性発蛍光団と少なくとも1種の温度非感受性発蛍光団
を含んでいる。発蛍光団は、ビーズ(好ましくはポリマ
ーである)に包埋され、いずれか一方又は双方の発蛍光
団が光(例えば、紫外光、可視光又は赤外光)の適切な波
長で励起される場合、発蛍光団は検出可能な蛍光シグナ
ルを出し、ビーズが生細胞(単独細胞、又は細胞試料)に
入れられる場合、温度感受性発蛍光団の蛍光シグナルは
温度非感受性発蛍光団と区別できる方法で細胞から出さ
れる熱(例えば、細胞の温度及び/又は代謝状態として
測定される)により増強される(即ち、増加又は減衰す
る)。他の実施態様においては、ビーズは温度依存性が
反対である2種の温度感受性発蛍光団を含んでいる。即
ち、一方の発蛍光団は高温で放出を増加するが、もう一
方は高温で放出を減少する。
【0030】本発明の適用においては、悪液質に罹って
いることが疑われる患者からの細胞試料から得られた細
胞の温度が求められる。悪液質は身体が衰弱する病態で
あり、しばしば死に至る。腫瘍壊死因子によって引き金
になる悪液質は、乳酸の生産の増加を伴い、フルクトー
ス6‐ホスフェートとフルクトース1,6-ビスホスフェー
ト間の基質空転サイクルを活性化する結果であると考え
られる。これにより、細胞ATPが消耗する[Zentellaら,
Cytokine, 5:436-447(1993)]。従って、悪液質に罹って
いることが疑われる患者から得られる細胞の温度上昇の
分析は、悪液質の診断と一致している。
【0031】本発明の他の態様においては、マクロファ
ージ炎症タンパク質により発熱を引起すメカニズムを調
べることができる。発熱は、動物においてはマクロファ
ージによって放出される因子: マクロファージ炎症タン
パク質によってもたらされる[Myersら, Neurochemical
Research, 18:667-673(1993)]。この因子が動物によっ
て食物摂取をモジュレートすることは既知であるが、細
胞がどこで又はどのように代謝を増進させ温度を上昇さ
せるかはまだ知られていない。従って、特定の細胞(又
は細胞の種類)が過剰の熱を放出していること(よって発
熱を引き起す)を求めることは個々の細胞(又は細胞の種
類)の温度を定量することにより達成される。
【0032】本発明の具体的な態様においては、培養細
胞の温度が求められる。その実施態様においては、乳房
腫瘍細胞の集団が用いられる。他の実施態様において
は、薬剤耐性乳房腫瘍細胞が用いられる。他の実施態様
においては、がん化していない乳房細胞が用いられる。
好適実施態様においては、これらの細胞型の2種類が用
いられる。好適実施態様においては、3種の細胞全てが
用いられる。好適実施態様においては、乳房腫瘍細胞は
ヒト由来である。具体的な実施態様においては、腫瘍細
胞系HIB 1B由来の褐色脂肪組織が用いられる。
【0033】本発明のこの態様の他の実施態様において
は、ヒト組織の生検が細胞源として用いられる。具体的
な実施態様においては、乳房組織の新しい生検は細胞源
として用いられる。乳房中の切片には、脂肪細胞(代謝
レベルが非常に低い大きな脂肪球で充填されている)や
活発に代謝し分泌している管細胞が含まれる。腫瘍細胞
の基礎代謝速度は『正常』細胞より著しく速い。皮膚腫
瘍の表面温度測定法を用いた分析は、3.3℃までの温度
差(照射時)を示している。他の実施態様においては、生
検は結腸組織である。
【0034】現在の医療実務においては、生検中に得ら
れた切除した組織を7〜10日間かけて組織分析に調製す
る。従って、結果が求められるときには患者は手術室に
いない。従って、続いての手術を予定することがしばし
ば必要とされる。本発明の方法を用いた切片において細
胞の温度を求める方法は、標準蛍光顕微鏡を用いて直ち
に分析すべき組織切片の細胞が腫瘍細胞の指紋として代
謝活性の局部的な『ホットスポット』があるかを求める
ことが可能である。かかる分析は、外科医が追加組織を
切除するか否かを直ちに決めることが可能である。
【0035】本発明の他の態様としては、更に、静止し
た多剤耐性細胞の悪性状態への移動をモニターするため
に個々の細胞の温度/代謝を求める段階が含まれる。こ
の場合、温度の上昇はその移動と一致する。そのような
モニタリングは、化学療法中、特に、その治療の終了後
に特に有効である。
【0036】具体的な実施態様においては、本発明の蛍
光ビーズは、細胞又は組織生検に配置されてから温度感
受性発蛍光団と温度非感受性発蛍光団から実質的な同時
発光測定を可能にする励起用レーザーを備えたレーザ走
査共焦点顕微鏡で検出される。他の実施態様において
は、検出は適切な励起フィルタと発蛍光団の蛍光発光を
モニターする発光フィルタを有するHg又はキセノンラン
プを備えた蛍光顕微鏡で行われる。ビーズが温度感受性
発蛍光団と温度非感受性発蛍光団と用いられる場合に
は、温度は温度感受性発蛍光団の発光と温度非感受性発
蛍光団の発光との比から検定される。一方、ビーズを温
度依存性が反対の2種の温度感受性発蛍光団(上記を参照
されたい)と用いる場合には、温度は2種の発蛍光団の発
光の比から検定される。
【0037】上記のように、蛍光ビーズの好ましい温度
感受性発蛍光団は、最大励起が355〜360nmであり、最大
発光が614nmであるEu(TTA)3である。蛍光ビーズの具体
的な実施態様においては、Eu(TTA)3を温度非感受性発蛍
光団とポリマー、例えば、ポリ(メチルメタクリレー
ト)、(PMMA)と組合わせる。しかし、他の適切な組合わ
せは本発明によって想像される。その潜在的組合わせ
は、表1に例示される。これらの及び他の組合わせは、
蛍光ビーズの成分として働く適合性を求めるために試験
される。
【0038】蛍光ビーズの具体的な実施態様において
は、Eu(TTA)3とクマリンがポリスチレンに包埋される。
蛍光ビーズの関連実施態様においては、Eu(TTA)3とクマ
リンがPMMAに包埋される。他の材料とその組合わせは、
蛍光ビーズの成分として働く適合性を求めるために、例
えば、本明細書に記載される方法によって容易に試験さ
れる。
【0039】従って、本発明は、細胞の代謝速度を求め
るために用いられる蛍光ビーズを提供する。温度感受性
発蛍光団の価値は代謝速度を検出することであるが、温
度非感受性発蛍光団の価値は蛍光ビーズの濃度の検定を
可能にすること、例えば、ビーズの移動による蛍光の変
化を温度の変化による蛍光の変化から区別することであ
る。従って、温度感受性発蛍光団と温度非感受性発蛍光
団が適切な対になることは、行われる具体的な測定の状
況に依存して配合される。
【0040】本発明の蛍光ビーズのために温度感受性発
蛍光団と温度非感受性発蛍光団の対を選択する鍵となる
基準は、(i)温度感受性発蛍光団が、好ましくはポリマ
ーに包埋されているが37℃の温度の変化において蛍光変
化が最大であること、(ii)温度非感受性発蛍光団が、好
ましくはポリマーに包埋されているが37℃の温度の変化
において蛍光変化が最少であること、及び両発蛍光団が
(iii)ポリマー中に及び水溶液から離れて包埋される能
力があること; (iv)生細胞に非毒性であること; (v)
独立した発蛍光団として作用すること(例えば、蛍光エ
ネルギー移動を受けない、フォスターエネルギー相互作
用をもたない、又は相互に急冷剤として作用しない等)
及び(vi)相互に容易に分解することができる蛍光スペク
トルを有することである。
【0041】発蛍光団は、37℃における温度変化に対す
る感受性、水性条件での安定性、ポリマーに包埋中の安
定性、及び光退色に対する抵抗性(その抵抗性には長時
間の観察と続いての検定を必要とする)。37℃における
温度変化に対する温度感受性発蛍光団の感受性が大きい
ほど、(及び対応して温度非感受性発蛍光団の37℃にお
ける温度変化に対する感受性がない)、光退色に対する
抵抗性を含む上記条件下での安定性が大きいほど、蛍光
ビーズの成分としての発蛍光団が適切になる。同様に、
ポリマーは発蛍光団に対して最適化効果を有するように
選ばれる。最後に、発蛍光団/ポリマーの組合わせは、
生細胞と適合しなければならない。即ち、細胞生存度に
悪影響を与えてはならない。
【0042】具体的な実施態様においては、ポリスチレ
ン蛍光ビーズのサイズは80〜90nmである。一般に、ビー
ズのサイズは細胞に充填するために最適化しなければな
らない。好適範囲は約40〜150nmである。40nmより小さ
いビーズは凝集する傾向がある(主に電荷作用から)が許
容できる。150nmより大きいビーズはいくぶん細胞に充
填することが難しく、細胞構造を潜在的に破壊する。大
きいビーズは、浸透圧ショックを含む多くの手法によっ
て細胞に充填される。
【0043】蛍光ビーズの表面は、細胞に注入した後に
ビーズの凝集をできるだけ少なくするように設計される
ことが好ましい(例えば、下記の実施例に用いられるビ
ーズはカルボキシル基で被覆された)。また、ビーズは
細胞下コンパートメントを標的にするために特定の物質
で被覆される。疎水性コートは、細胞膜への結合を促進
させる。タンパク質がミトコンドリアを標的にするぺプ
チドコートは、ビーズをミトコンドリアに局在させる。
同様に、標的シグナルぺプチドは、葉緑体又は小胞体に
用いられる。更に、蛍光ビーズは、特異抗体又はその抗
原結合フラグメントで被覆される。実際には、ビーズの
表面が修飾されない場合には、ビーズは細胞マトリック
スに凝集か又は結合することができるので移動しない。
従って、ビーズの表面について種々の濃度の正電荷か又
は負電荷が有効であり得る。本発明は、本発明の例示と
して示される下記の限定されない実施例によって十分に
理解される。下記の例は、本発明の好適実施態様をより
完全に示すために提示される。しかしながら、本発明の
広い範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0044】実施例 代謝プローブとして用いられる蛍光ビーズ 組織において、又は組織間では、細胞活性や代謝に変化
があることは直感による認識である。しかしながら、代
謝活性の変化間の相関が変化し、細胞活性は求められな
かった。また、代謝レベルについての代謝勾配、例え
ば、成長円錐と細胞体間、又は樹状突起と軸索間に代謝
の差があるかは不明である。更に、その潜在的勾配が成
長因子又は他のホルモン因子によって刺激されるかは不
明である。本発明は、温度感受性発蛍光団と温度非感受
性発蛍光団双方を含む蛍光ビーズを用いることによりこ
れらの重要な代謝問題に少なくともいくつかの解答を求
める手段を提供する。次に、蛍光ビーズは温度/代謝プ
ローブとして細胞に充填される。
【0045】本発明の蛍光ビーズに適切な発蛍光団とポ
リマーを選定するために、(i)励起と発光走査を記録す
ることによる最適励起と発光スペクトル; (ii)水中での
光退色速度と安定性(経時平均蛍光シグナルを記録する
ことにより試験した); 及び(iii)通常1℃の温度変化で
蛍光強度変化を記録することにより求められる温度係数
(強度/℃の変化)の分析を含むいくつかの基準が導入さ
れた。例えば、37℃での温度変化に対する温度感受性発
蛍光団の感受性は重要な基準であり、感受性が高いほど
望ましいが、温度非感受性発蛍光団には対応する最少の
変化が必要である。同様に、生存できる細胞は水性条件
で最も安定であるので、水性条件での安定性のための発
蛍光団が選ばれる。更に、ポリマーに包埋中の安定性の
ための発蛍光団が選ばれる。100nmであるビーズについ
ては、ポリマー薄層が発蛍光団の特性を修飾し得るタン
パク質、代謝産物、又はイオンの細胞分泌から発蛍光団
を更に分離し得る。
【0046】更に、発蛍光団の特性、特に2種の発蛍光
団が区別されることを可能にする特性、例えば、蛍光発
光及び/又は励起スペクトル、及び温度感受性を最適化
するポリマーが選ばれる。そのようなポリマーは、光退
色に対して相対抵抗性のために選ばれるべきである(長
時間の観察と続いての検定が必要とされる性質)。更
に、ポリマー、及び発蛍光団は、ポリマーと発蛍光団が
細胞生存度に悪影響を及ぼさないことを行わせるために
生細胞と適合しなければならない。
【0047】材料及び方法 蛍光ビーズの合成 : 温度感受性発蛍光団、Eu(TTA)
3[ユウロピウムテノイルトリフルオロアセトネート、略
号Eu(TTA)3又はEuTTA(アデバンスドマテリアルズ(Advan
ced Materials), ノースカロライナ州ニューヒル)、及
び温度非感受性発蛍光団、クマリン(シグマケミカル社
(Sigma Chemical Co.)、又はモレキュラープローブス(M
olecular Probes))の製造に2種類の異なるポリマー、ポ
リスチレン及びPMMAを用いた。
【0048】ポリスチレンから製造されたビーズは80〜
90サイズとした。ポリスチレンビーズは安定であった
が、Eu(TTA)3の蛍光を妨害することがわかってきた。ポ
リスチレン中の蛍光強度は、PMMA中の蛍光強度の一般的
には40%であった。ビーズの表面を、細胞に注入した後
に凝集をできるだけ少なくすることがわかったカルボキ
シル基で被覆した。
【0049】蛍光ビーズの細胞への充填: 細胞を充填
するスクレイプにより蛍光ビーズを細胞に入れる[McNei
lら, J. Cell Biol. 98:556-1564(1984); Altanら, Jou
rnal of Experimental Medicine 187:155-175(1998)]。
概要としては、細胞をビーズを充填する24〜36時間前に
50%の融合性でポリスチレン上に載せる。培地を皿から
吸引し、細胞を50μlのビーズで被覆する。次に、細胞
をゴムスクレーパでポリスチレンから削り、1mlの無血
清培地を含む前冷却した管に入れる。次に、100gを5分
間回転することにより細胞を回収する。培地を吸引し、
前冷却した無血清培地と交換した。次に、細胞を回転す
ることにより回収する。最後に、培地を吸引し、血清を
含む培地と交換した。次に、細胞をポリリシン被覆ガラ
スのカバーガラス上に載せる。
【0050】モデルシステムとしての組織培養細胞:
ヒト乳房腫瘍細胞、薬剤耐性ヒト乳房腫瘍細胞と非がん
化乳房細胞及び冬眠動物において熱を生成する褐色脂肪
細胞が蛍光ビーズ温度分析を最適化する最初の原位置実
験の細胞として用いられる。例えば、MCF-7/ADR細胞
は、ヒト乳がん由来の化学療法に抵抗する細胞系であ
る。37℃で5%pCO2 (ホルマサイエンティフィック, OH)
の加湿インキュベータでフェノールレッド、L-グルタミ
ン、ウシ血清インスリン10μg/ml、及び10%FBSを含む
改変イーグル培地中で維持される。更に、MCF-7/ADR細
胞は0.8μMアドリアマイシン中で継続して維持される。蛍光測定 : 実験の12〜24時間前に、細胞を蛍光ビーズ
なしで充填する。細胞をビーズと通常はスクレイプ充填
し、24時間回収する。バックグラウンド蛍光を減少させ
るために、細胞をフェノールレッドを含まない培地に入
れる。次に、細胞を倒立顕微鏡のチャンバ(例えば、バ
イオテクス閉鎖イメージングチャンバ)内に装填する。
【0051】キセノンランプ、ユニブリッツ(Uniblitz)
シャッタ(ビンセントアンドアソシエイツ(Vincent and
Associates), ニューヨーク州ロチェスター)及び励起面
と発光面双方にフィルタホイールを備えたオリンパス蛍
光顕微鏡で観察する。光源のシャッタリングはコンピュ
ータで制御する。355nm励起フィルタ、450nm励起フィル
タ及び490nm励起フィルタを含む種々のフィルタを保持
するためにフィルタホルダを製造した。データをハママ
ツ(Hamamatsu)4972(ORCA)冷却荷電結合装置(ハママツホ
トニクス(Hamamatsu Photonics))で集め、ナショナルイ
ンスツルメンツラボビューに書き込まれたソフトウェア
でディジタル化する。37℃において5%CO2で平衡化した
培地を絶えず灌流した温度制御チャンバ内で細胞を目視
する。対物を37℃に加熱した。
【0052】また、細胞をλex 355nmとλem 614nm (Eu
(TTA)3蛍光、例えば、温度感受性発蛍光団)を記録する
ために)で励起してからλex 428nmとλem 480nm (クマ
リン蛍光、例えば、温度非感受性発蛍光団を記録するた
めに)で励起する。連続画像の割合を用いた場合、細胞
は検出されなかった。しかしながら、FCCP、ミトコンド
リアのプロトン透過性を高めるのでATPの加水分解を増
加させるプロトンイオノフォアの封入時に、温度上昇と
一致して蛍光発光が増強される。温度の最大上昇は約10
0°mKであり、細胞の成長円錐に最も一貫して見られる
(図2B及び図2D)。
【0053】結果 実験した温度感受性発蛍光団は、温度に応答して蛍光を
変える。しかしながら、蛍光は、特定のタンパク質、炭
水化物、pH又はイオン変化に感受性であった。従っ
て、発蛍光団はビーズを被覆するために用いられるポリ
マーに包埋される。ポリスチレンは、その支持ポリマー
である。多くの異なる処理に安定であり、非毒性であ
り、増殖細胞の基質として用いられる。温度に対するEu
(TTA)3の応答特性はポリスチレンに最適ではない。ポリ
スチレンのベンゼン環が蛍光活性ロスを生じるEu(TTA)3
の基と不利に相互作用すると思われる。一方、PMMA、ポ
リ(メチルメタクリレート)は非芳香族発蛍光団である。
このポリマーは、EU-TTAを励起するために用いられる紫
外波長に対して感受性であることが既知であった。しか
しながら、Eu(TTA)3とPMMAの混合物は機械的安定性に対
して不利に作用せずに水環境に浸漬され; Eu(TTA)3の蛍
光シグナルはUV励起中の少なくとも1時間安定である。
水は蛍光シグナルに悪影響を及ぼさず; 蛍光は1℃変化
する毎に2.5%変化する。更に、ノイズは非常に小さく
(約100:1)、0.01℃の変化を分解することができる。温
度による蛍光強度の変化のプロットを図1に示す。表1に
おいては、Eu(TTA)3/PMMA混合物を最大Log勾配/℃につ
いて他の発蛍光団/ポリマーのサンプリングと比較す
る。
【0054】表1
【0055】
【0056】温度感受性発蛍光団、Eu(TTA)3、及び温度
非感受性発蛍光団クマリンを含む蛍光ビーズを調製し
た。Eu(TTA)3は最適には350nmで励起され、614nmで発光
する(更に595nmにピークがある)。クマリンは最適には4
20〜460nmで励起し、480nmで発光する(更に510nmにピー
クがある)。Eu(TTA)3の最適励起ではクマリンは励起せ
ず、クマリンの最適励起ではEu(TTA)3は励起しない。蛍
光ビーズを、Eu(TTA)3とクマリンを共包埋したポリスチ
レンか又はPMMAと製造した。Eu(TTA)3による蛍光発光
は、1℃の変化毎に2.5%変化した。ノイズは非常に小さ
い(シグナルとノイズとの比は約100:1である)ので、0.0
1℃の変化の分解能は正確に求められた。
【0057】図3でわかるように、350nmで励起すると、
Eu(TTA)3のユウロピウムの蛍光を表す614nmでの発光の1
本のピークが生じた。420nmで励起した場合は、480nmに
ピークがあり、614nmでの発光は最少であった。ビーズ
のEu(TTA)3 :クマリン比は調整されるので励起が350nm
で行われたときに見られた614nmの発光は、励起が420nm
で行われたときの480nmでのクマリンによる発光ピーク
とほぼ同じ振幅である(図3を参照されたい)。
【0058】蛍光ビーズの温度感受性を、キュベット内
でインキュベートし、温度感受性発蛍光団と温度非感受
性発蛍光団からの蛍光発光を測定することにより求め
た。図4の右に示されるように、Eu(TTA)3の蛍光発光は
温度感受性であるが、クマリンの蛍光発光は温度感受性
ではない。従って、例示したビーズの特性は、本明細書
に開示されたように用いるのに適する。
【0059】本発明は、本明細書に記載された個々の実
施態様によって範囲が制限されるべきではない。実際
に、本明細書に記載されたもののほかに本発明の種々の
変更は上記説明及び添付図面から当業者に明らかであ
る。そのような変更は、前述の特許請求の範囲の範囲内
に包含されるものである。様々な文献が本明細書に引用
されているが、これらの記載は本願明細書に含まれるも
のとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】Eu(TTA)3/PMMAの温度に対する蛍光強度の変化
を示すグラフである。励起波長は365nmであり、発光波
長は621nmであった。
【図2】図2A及び図2Cは、吸光分光法によって見た実施
例に記載された細胞である。図2B及び図2Dは、それぞれ
FCCPの添加後の図2Aと図2Cの細胞から得られた蛍光差ス
ペクトルを示す。細胞は355nmで励起し、発光は614nmで
モニターした。
【図3】Eu(TTA)3とクマリンを含むビーズの発光スペク
トルを示す。励起が350nmで行われた場合、Eu(TTA)3
ユウロピウムの蛍光を示す614nmのピークだけが見られ
た。励起が420nmで行われた場合、クマリンによる480nm
の大きなピークがあったが、614nmには最少の発光が見
られただけであった。
【図4】図4Aは、蛍光ビーズが350nmで励起した場合の
温度に対する614nmでの蛍光発光の振幅の変化を示す図
である。ビーズは、Eu(TTA)3とクマリンを含有した。蛍
光変化の実測値は、Eu(TTA)3の温度感受性蛍光によるも
のである。図4Bは、温度に対するEu(TTA)3:クマリンの
蛍光強度の対応する比率を示すグラフである。蛍光ビー
ズは、420nmで励起し、クマリンを480nmでモニターし
た。各実験の2組の記号は同じ試料について2種類の異な
る実験からのものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/64 G01N 21/64 E F 33/48 33/48 M 33/483 33/483 C // C08K 5/00 C08K 5/00 5/1545 5/1545 C08L 101/00 C08L 101/00 (C12M 1/34 (C12M 1/34 A C12R 1:91) C12R 1:91) (C12Q 1/02 (C12Q 1/02 C12R 1:91) C12R 1:91)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー材料に包埋した温度感受性発蛍
    光団と温度非感受性発蛍光団を含むポリマー蛍光ビーズ
    であって、該温度感受性発蛍光団による蛍光発光と該温
    度非感受性発蛍光団による蛍光発光が分解される、前記
    ポリマー蛍光ビーズ。
  2. 【請求項2】 該温度感受性発蛍光団がEu(TTA)3であ
    る、請求項1記載のポリマー蛍光ビーズ。
  3. 【請求項3】 該温度非感受性発蛍光団がクマリンであ
    る、請求項1記載のポリマー蛍光ビーズ。
  4. 【請求項4】 該ポリマーが非芳香族合成ポリマーであ
    る、請求項1記載のポリマー蛍光ビーズ。
  5. 【請求項5】 該非芳香族合成ポリマーがポリ(メチル
    メタクリレート)である、請求項4記載のポリマー蛍光ビ
    ーズ。
  6. 【請求項6】 該ポリマー材料がポリスチレンである、
    請求項1記載のポリマー蛍光ビーズ。
  7. 【請求項7】 該蛍光ビーズのサイズが80〜90nmであ
    る、請求項1記載のポリマー蛍光ビーズ。
  8. 【請求項8】 第1温度感受性発蛍光団及び第2温度感受
    性発蛍光団を含み、その両方がポリマー材料に包埋され
    ているポリマー蛍光ビーズであって、該第1温度感受性
    発蛍光団による蛍光発光が温度と共に増強するが、該第
    2温度感受性発蛍光団による蛍光発光が温度と共に減衰
    する、前記ポリマー蛍光ビーズ。
  9. 【請求項9】 細胞の温度を求める方法であって、(a)
    請求項1の該ポリマー蛍光ビーズを細胞に入れ; 該温度
    感受性発蛍光団と該温度非感受性発蛍光団が適切な光で
    励起される場合に相互に分解される検出可能な蛍光シグ
    ナルを出し; 該温度感受性発蛍光団による該蛍光シグナ
    ルが該細胞の温度によって影響される段階;(b) 該温度
    感受性発蛍光団と温度非感受性発蛍光団を該適切な光で
    励起させる段階; 及び(c) 該温度感受性発蛍光団と温度
    非感受性発蛍光団によって出された該蛍光シグナルの強
    度を測定し; 該温度感受性発蛍光団を測定した該蛍光シ
    グナルの強度が該温度非感受性発蛍光団の対応する強度
    によって局部的な濃度が補正される場合に該細胞の温度
    を示し; 温度が求められる段階を含む、前記方法。
  10. 【請求項10】 細胞の代謝活性を検出する方法であっ
    て、請求項9記載の方法によって該細胞の温度を求める
    段階及び温度を該細胞の代謝活性と相関させる段階を含
    む、前記方法。
  11. 【請求項11】 組織試料において健康な組織によって
    取り囲まれた細胞の異常代謝の存在を検出する方法であ
    って、請求項9記載の方法によって該細胞の温度を求
    め、対照細胞に相対する該細胞の温度の差が、該細胞が
    異常代謝を受けていることを表している、前記方法。
  12. 【請求項12】 該組織試料が腫瘍生検から得られる、
    請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該細胞の該異常代謝が紫外線損傷、悪
    液質、又はアポトーシスを表している、請求項11記載の
    方法。
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