JP2001123349A - 金銀糸用フイルムと金銀糸 - Google Patents
金銀糸用フイルムと金銀糸Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金銀糸が受けるスリット、整経、撚糸、製
編、製織、精錬、染色、仕上げ等の工程、特にこれらの
工程のスピードアップ時で高伸張時における金銀糸の伸
張時に発生する金属薄膜層のひび割れが起こり難く、金
属光輝性を失わない金銀糸とそれを得るための金銀糸用
フイルムを提供する。 【手段】 フイルムの片面上に、金属薄膜層、脂肪族主
体のポリウレタン樹脂層が順次形成されてなる金銀糸用
フイルムであって、30%伸張時における、金属薄膜層
のひび割れの数が10(個/0.2mm長さ)以下であ
る金銀糸と該金銀糸を得るための金銀糸用フイルム。
編、製織、精錬、染色、仕上げ等の工程、特にこれらの
工程のスピードアップ時で高伸張時における金銀糸の伸
張時に発生する金属薄膜層のひび割れが起こり難く、金
属光輝性を失わない金銀糸とそれを得るための金銀糸用
フイルムを提供する。 【手段】 フイルムの片面上に、金属薄膜層、脂肪族主
体のポリウレタン樹脂層が順次形成されてなる金銀糸用
フイルムであって、30%伸張時における、金属薄膜層
のひび割れの数が10(個/0.2mm長さ)以下であ
る金銀糸と該金銀糸を得るための金銀糸用フイルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金銀糸用フイルム
とそれから得られる金銀糸に関し、特に金銀糸用に使用
される場合における、高速、高応力の撚糸、製編、製織
などに金属薄膜層部がひび割れなどを起こさず、光沢を
も減損しない等の耐性を有する金銀糸とそれを得るため
の金銀糸用フイルムに関するものである。
とそれから得られる金銀糸に関し、特に金銀糸用に使用
される場合における、高速、高応力の撚糸、製編、製織
などに金属薄膜層部がひび割れなどを起こさず、光沢を
も減損しない等の耐性を有する金銀糸とそれを得るため
の金銀糸用フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフイルム上に、金属の薄膜
層を設けた、積層体は多くの分野で使用されている。包
装分野、装飾分野、建材分野などの分野で、金属薄膜の
有する光輝性、断熱性、ガス遮断性などの機能が利用さ
れている。これらの中でも、金銀糸としての用途におい
ても近年多用されている。
層を設けた、積層体は多くの分野で使用されている。包
装分野、装飾分野、建材分野などの分野で、金属薄膜の
有する光輝性、断熱性、ガス遮断性などの機能が利用さ
れている。これらの中でも、金銀糸としての用途におい
ても近年多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の金属薄膜積
層体において、プラスチックフイルム上に、金属薄膜か
らなる層を設けたものは、金属薄膜が雰囲気ガスに曝さ
れるために侵食を受け光輝性等の機能を消失する、外部
応力によって擦過傷を受けるなどの損傷を受け易くその
ため、金属薄膜層の保護のために樹脂膜などを上塗りし
ている。金銀糸においても、同じように上記した損傷以
外にも、スリット、整経、撚糸、製織、精錬、染色、仕
上げ等の工程における、薬品、熱、機械的応力に曝され
るため、保護層としての上塗りが多用されている。その
ため多くの樹脂が提案されているが、熱、薬品、応力の
3者にバランスよく適正を保有した保護層はいまだに完
成されていないといえる。それらのなかでもアクリル
系、メラミン系、ウレタン系の熱または電離放射線によ
る架橋、硬化された樹脂層が上塗りされている。これら
のアクリル系、メラミン系、ウレタン系樹脂は熱、薬品
の保護には、ほぼ充分な性能を有しているが、これらの
樹脂で上塗りされた金銀糸用フイルムからの金銀糸は、
応力に対し特に20%以上の伸張に対しては金属薄膜層
がひび割れをおこしてしまい、金属光輝性を失うことに
なる。この伸張時の金属薄膜層のひび割れは、スリッ
ト、整経、撚糸、製編、製織、精錬、染色、仕上げ等の
工程、特にこれらの工程のスピードアップ時で高伸張時
における金銀糸の伸張時に発生し、金属薄膜層の有して
いる光輝性が低下し、金銀糸の品質低下となる。
層体において、プラスチックフイルム上に、金属薄膜か
らなる層を設けたものは、金属薄膜が雰囲気ガスに曝さ
れるために侵食を受け光輝性等の機能を消失する、外部
応力によって擦過傷を受けるなどの損傷を受け易くその
ため、金属薄膜層の保護のために樹脂膜などを上塗りし
ている。金銀糸においても、同じように上記した損傷以
外にも、スリット、整経、撚糸、製織、精錬、染色、仕
上げ等の工程における、薬品、熱、機械的応力に曝され
るため、保護層としての上塗りが多用されている。その
ため多くの樹脂が提案されているが、熱、薬品、応力の
3者にバランスよく適正を保有した保護層はいまだに完
成されていないといえる。それらのなかでもアクリル
系、メラミン系、ウレタン系の熱または電離放射線によ
る架橋、硬化された樹脂層が上塗りされている。これら
のアクリル系、メラミン系、ウレタン系樹脂は熱、薬品
の保護には、ほぼ充分な性能を有しているが、これらの
樹脂で上塗りされた金銀糸用フイルムからの金銀糸は、
応力に対し特に20%以上の伸張に対しては金属薄膜層
がひび割れをおこしてしまい、金属光輝性を失うことに
なる。この伸張時の金属薄膜層のひび割れは、スリッ
ト、整経、撚糸、製編、製織、精錬、染色、仕上げ等の
工程、特にこれらの工程のスピードアップ時で高伸張時
における金銀糸の伸張時に発生し、金属薄膜層の有して
いる光輝性が低下し、金銀糸の品質低下となる。
【0004】本発明は、かかる従来の金銀糸用フイルム
すなわち金銀糸の課題を解決した、金銀糸用フイルムお
よび金銀糸を提供せんとするものである。
すなわち金銀糸の課題を解決した、金銀糸用フイルムお
よび金銀糸を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、フイ
ルム(1)の片面上に、金属薄膜層(2)、樹脂層
(3)が順次形成されてなる金銀糸用フイルムであっ
て、該金銀糸用フイルムを細断して得られる金銀糸の3
0%伸張時における、金属薄膜層のひび割れの数が10
(個/0.2mm長さ)以下であることを特徴とする金
銀糸用フイルムであり、樹脂層(3)がウレタン樹脂主
体の樹脂層である前記の金銀糸用フイルムであり、また
樹脂層(3)が脂肪族ポリエステルポリオール、脂肪族
ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールから選ば
れた1種以上の脂肪族主体のポリウレタン樹脂層(3−
a)と芳香族ポリエステルポリオール主体のポリウレタ
ン樹脂層(3−b)との2層が積層された層である前記
の金銀糸用フイルムであり、またフイルム(1)、金属
薄膜層(2)、ポリウレタン樹脂層(3−a)、ポリウ
レタン樹脂層(3−b)がこの順に形成されてなる前記
の金銀糸用フイルムであり、さらに前記の金銀糸用フイ
ルムを細断した金銀糸であります。
ルム(1)の片面上に、金属薄膜層(2)、樹脂層
(3)が順次形成されてなる金銀糸用フイルムであっ
て、該金銀糸用フイルムを細断して得られる金銀糸の3
0%伸張時における、金属薄膜層のひび割れの数が10
(個/0.2mm長さ)以下であることを特徴とする金
銀糸用フイルムであり、樹脂層(3)がウレタン樹脂主
体の樹脂層である前記の金銀糸用フイルムであり、また
樹脂層(3)が脂肪族ポリエステルポリオール、脂肪族
ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールから選ば
れた1種以上の脂肪族主体のポリウレタン樹脂層(3−
a)と芳香族ポリエステルポリオール主体のポリウレタ
ン樹脂層(3−b)との2層が積層された層である前記
の金銀糸用フイルムであり、またフイルム(1)、金属
薄膜層(2)、ポリウレタン樹脂層(3−a)、ポリウ
レタン樹脂層(3−b)がこの順に形成されてなる前記
の金銀糸用フイルムであり、さらに前記の金銀糸用フイ
ルムを細断した金銀糸であります。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における、透明プラスチッ
クフイルム(1)は、特に限定されるものではないが、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、6ナイ
ロンや66ナイロンなどのポリアミド、ポリイミド、ポ
リエーテルスルホン、ポリカーボネート、セルロースト
リアセテート、等のフイルムが好ましく使用されるがな
かでもポリエステル、ポリアミドが好ましい。これらの
フイルムは前記単独ポリマーのフイルムでもよく、また
これらのブレンド物からのフイルムでもよく、またこれ
らの共重合体からのフイルムでもよい。さらにこれらの
フイルムには本発明の効果を損なわない限り色素、紫外
線吸収剤、熱酸化安定剤などを添加してもよく、フイル
ムの表面をコロナ処理、プラズマ処理、サンドマット加
工などの処理を施すことや、密着性向上等のための塗布
層をあらかじめ設けたものでもよい。これらのフイルム
の厚さは4〜50μm程度が好ましく、6〜25μmが
より好ましい。
クフイルム(1)は、特に限定されるものではないが、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、6ナイ
ロンや66ナイロンなどのポリアミド、ポリイミド、ポ
リエーテルスルホン、ポリカーボネート、セルロースト
リアセテート、等のフイルムが好ましく使用されるがな
かでもポリエステル、ポリアミドが好ましい。これらの
フイルムは前記単独ポリマーのフイルムでもよく、また
これらのブレンド物からのフイルムでもよく、またこれ
らの共重合体からのフイルムでもよい。さらにこれらの
フイルムには本発明の効果を損なわない限り色素、紫外
線吸収剤、熱酸化安定剤などを添加してもよく、フイル
ムの表面をコロナ処理、プラズマ処理、サンドマット加
工などの処理を施すことや、密着性向上等のための塗布
層をあらかじめ設けたものでもよい。これらのフイルム
の厚さは4〜50μm程度が好ましく、6〜25μmが
より好ましい。
【0006】本発明における、金属薄膜層(2)は、例
えばアルミニウム、金、銀、クロム、錫、インジウム等
単独またはこれらの混合物(または合金)の薄膜層であ
り、単一層でもよくまたは層を重ねた積層であってもよ
い。なかでも、アルミニウムを主体とするものが、経済
性、光輝性などの点からより好ましいいものである。こ
れらの金属薄膜層(2)の膜厚は5nm〜100nmが
好ましくさらに好ましくは20nm〜70nmである。
該金属薄膜層を形成する方法は、特に限定されないが、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーテイング
法等の物理的製膜法、等が挙げられる。
えばアルミニウム、金、銀、クロム、錫、インジウム等
単独またはこれらの混合物(または合金)の薄膜層であ
り、単一層でもよくまたは層を重ねた積層であってもよ
い。なかでも、アルミニウムを主体とするものが、経済
性、光輝性などの点からより好ましいいものである。こ
れらの金属薄膜層(2)の膜厚は5nm〜100nmが
好ましくさらに好ましくは20nm〜70nmである。
該金属薄膜層を形成する方法は、特に限定されないが、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーテイング
法等の物理的製膜法、等が挙げられる。
【0007】これらの真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーテイング法等の物理的製膜法に先立ち前記
したように、密着性向上のため等の塗布層や蒸着層をあ
らかじめ透明プラスチックフイルム(1)上に設けても
よい。これらの密着性向上等のための塗布層や蒸着層と
しては、例えば、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ケ
イ素アルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウム
アルコキシド等有機金属化合物の塗布層、珪素酸化物、
アルミニウム酸化物、チタン酸化物、等の物理的製膜に
よる層が挙げられ、これらの層厚さとしては、1nm〜
5μmが好ましい。
イオンプレーテイング法等の物理的製膜法に先立ち前記
したように、密着性向上のため等の塗布層や蒸着層をあ
らかじめ透明プラスチックフイルム(1)上に設けても
よい。これらの密着性向上等のための塗布層や蒸着層と
しては、例えば、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ケ
イ素アルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウム
アルコキシド等有機金属化合物の塗布層、珪素酸化物、
アルミニウム酸化物、チタン酸化物、等の物理的製膜に
よる層が挙げられ、これらの層厚さとしては、1nm〜
5μmが好ましい。
【0008】本発明における、樹脂層(3)は、本発明
の金銀糸の30%伸張時における、金属薄膜層のひび割
れの数が10(個/0.2mm長さ)以下となるような
樹脂層であれば特に限定されるものではないが、好まし
くは、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウ
レタン、アクリルポリウレタンなどのポリウレタン樹脂
を主成分とする樹脂層であり、該樹脂層中のポリウレタ
ン樹脂の含有量は60重量%以上が好ましく、さらに好
ましくは85重量%以上である。樹脂層中のポリウレタ
ン樹脂の含有量が60重量%に満たないときは、30%
伸張時における、金属薄膜層のひび割れの数が10(個
/0.2mm長さ)以下とならない場合が多くなり、本
発明を達成し難い。
の金銀糸の30%伸張時における、金属薄膜層のひび割
れの数が10(個/0.2mm長さ)以下となるような
樹脂層であれば特に限定されるものではないが、好まし
くは、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウ
レタン、アクリルポリウレタンなどのポリウレタン樹脂
を主成分とする樹脂層であり、該樹脂層中のポリウレタ
ン樹脂の含有量は60重量%以上が好ましく、さらに好
ましくは85重量%以上である。樹脂層中のポリウレタ
ン樹脂の含有量が60重量%に満たないときは、30%
伸張時における、金属薄膜層のひび割れの数が10(個
/0.2mm長さ)以下とならない場合が多くなり、本
発明を達成し難い。
【0009】本発明における樹脂層(3)の厚さは0.
2μm〜10μmが好ましく、該層厚さが0.2μmに
満たないときは薬品や物理的擦傷に対する保護の機能が
充分でなく、塗布による層形成も困難となる。10μm
を超える樹脂層(3)の厚さは保護機能がそれ以上に向
上せず、不経済であり、層形成も困難となる場合が多
い。本発明における樹脂層(3)の形成は、ロールコー
テイング法、グラビアコーテイング法、リバースコーテ
イング法、等の通常のコーテイング法により塗付し乾燥
し必要により、熱処理を施す方法が適宜選択採用され
る。
2μm〜10μmが好ましく、該層厚さが0.2μmに
満たないときは薬品や物理的擦傷に対する保護の機能が
充分でなく、塗布による層形成も困難となる。10μm
を超える樹脂層(3)の厚さは保護機能がそれ以上に向
上せず、不経済であり、層形成も困難となる場合が多
い。本発明における樹脂層(3)の形成は、ロールコー
テイング法、グラビアコーテイング法、リバースコーテ
イング法、等の通常のコーテイング法により塗付し乾燥
し必要により、熱処理を施す方法が適宜選択採用され
る。
【0010】本発明においては、樹脂層(3)として好
ましく使用されるポリウレタン樹脂において、さらに好
ましいのは、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポ
リエステルポリオール、脂肪族ポリエーテルエステルポ
リオール等と芳香族ポリイソシアネート化合物、脂
肪族ポリイソシアネート化合物及びまたは芳香族ポリ
イソシアネート化合物と脂肪族ポリイソシアネート化合物
との共縮合体のいずれかのポリイソシアネート化合物と
から得られる脂肪族ポリウレタンである。これらの脂肪
族ポリウレタンからの樹脂層は乾燥塗膜として本発明に
おいて最適なものであるが、反応速度が遅く塗布膜の乾
燥、硬化反応において生産性が低く、硬化反応が不十分
な場合連続生産時のタックが生じるなどの課題を有して
いる。そのため樹脂層(3)として先ず脂肪族ポリウレ
タンからの樹脂層(3−a)を塗布し、ついで硬化反応
が早くかつ耐薬品性の高い芳香族ポリウレタン(芳香族
ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエステルポリオー
ル、芳香族ポリエーテルエステルポリオール等と芳香族
ポリイソシアネート化合物とから得られる芳香族ポリウ
レタンである)からの樹脂層(3−b)を塗布し、乾燥
硬化することでタックの発生等がない、本発明の金銀糸
用フイルムが得られる。
ましく使用されるポリウレタン樹脂において、さらに好
ましいのは、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポ
リエステルポリオール、脂肪族ポリエーテルエステルポ
リオール等と芳香族ポリイソシアネート化合物、脂
肪族ポリイソシアネート化合物及びまたは芳香族ポリ
イソシアネート化合物と脂肪族ポリイソシアネート化合物
との共縮合体のいずれかのポリイソシアネート化合物と
から得られる脂肪族ポリウレタンである。これらの脂肪
族ポリウレタンからの樹脂層は乾燥塗膜として本発明に
おいて最適なものであるが、反応速度が遅く塗布膜の乾
燥、硬化反応において生産性が低く、硬化反応が不十分
な場合連続生産時のタックが生じるなどの課題を有して
いる。そのため樹脂層(3)として先ず脂肪族ポリウレ
タンからの樹脂層(3−a)を塗布し、ついで硬化反応
が早くかつ耐薬品性の高い芳香族ポリウレタン(芳香族
ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエステルポリオー
ル、芳香族ポリエーテルエステルポリオール等と芳香族
ポリイソシアネート化合物とから得られる芳香族ポリウ
レタンである)からの樹脂層(3−b)を塗布し、乾燥
硬化することでタックの発生等がない、本発明の金銀糸
用フイルムが得られる。
【0011】上記(3−a)の樹脂層の厚さは0.2μ
m〜9.0μmが好ましく、(3−b)の樹脂層の厚さ
は0.1μm〜2.0μmが好ましく、これらの範囲で
適宜選択使用できる。本発明の金銀糸用フイルムは、こ
のままで細断(スリット)して金銀糸(平箔糸)として
使用してもよく、この金銀糸用フイルムを2枚、接着剤
を介して貼り合せその後スリットしてもよい。これらの
得られた金銀糸は、それ自身をそのまま使用してもよ
く、またそれ自身を撚糸した後使用してもよく、また他
繊維と交撚して使用してもよい。
m〜9.0μmが好ましく、(3−b)の樹脂層の厚さ
は0.1μm〜2.0μmが好ましく、これらの範囲で
適宜選択使用できる。本発明の金銀糸用フイルムは、こ
のままで細断(スリット)して金銀糸(平箔糸)として
使用してもよく、この金銀糸用フイルムを2枚、接着剤
を介して貼り合せその後スリットしてもよい。これらの
得られた金銀糸は、それ自身をそのまま使用してもよ
く、またそれ自身を撚糸した後使用してもよく、また他
繊維と交撚して使用してもよい。
【0012】
【実施例】実施例1 厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムの片面に、アルミニウムを蒸発源として蒸
着をおこない、厚みが50nmの均一な金属蒸着層を形
成した。さらにこの金属(蒸着)薄膜層を形成したフイ
ルムの金属(蒸着)薄膜層の上に脂肪族ポリエステルポ
リオール80部(重量部、以下同様)と芳香族ジイソシ
アネート20部からなる樹脂塗布液を乾燥厚さ2.0μ
mになるように塗布し170度で20秒乾燥硬化して
後、芳香族ポリエステルポリオール100部(重量部、
以下同様)と芳香族ジイソシアネート30部からなる樹
脂塗布液を乾燥厚さ1.0μmになるように塗布し16
0度で30秒乾燥硬化して樹脂層(3)を形成し金銀糸
用フイルムを得た。
ートフイルムの片面に、アルミニウムを蒸発源として蒸
着をおこない、厚みが50nmの均一な金属蒸着層を形
成した。さらにこの金属(蒸着)薄膜層を形成したフイ
ルムの金属(蒸着)薄膜層の上に脂肪族ポリエステルポ
リオール80部(重量部、以下同様)と芳香族ジイソシ
アネート20部からなる樹脂塗布液を乾燥厚さ2.0μ
mになるように塗布し170度で20秒乾燥硬化して
後、芳香族ポリエステルポリオール100部(重量部、
以下同様)と芳香族ジイソシアネート30部からなる樹
脂塗布液を乾燥厚さ1.0μmになるように塗布し16
0度で30秒乾燥硬化して樹脂層(3)を形成し金銀糸
用フイルムを得た。
【0013】得られた金銀糸用フイルムを6cm×6c
mの正方形に切り取り、任意の上方に1cmの幅を残し
て下部のフイルム全域に1mm幅の切れ目を形成し、酢
酸1g、ノニオン界面活性剤0.5g、酸性染料0.1
gを水1000gに溶かした液に浸漬し煮沸して60分
間処理した。この処理で樹脂層の汚染は全く見られず、
金属(蒸着)薄膜層が熱水で溶出され光沢の消失する現
象も見られなかった。
mの正方形に切り取り、任意の上方に1cmの幅を残し
て下部のフイルム全域に1mm幅の切れ目を形成し、酢
酸1g、ノニオン界面活性剤0.5g、酸性染料0.1
gを水1000gに溶かした液に浸漬し煮沸して60分
間処理した。この処理で樹脂層の汚染は全く見られず、
金属(蒸着)薄膜層が熱水で溶出され光沢の消失する現
象も見られなかった。
【0014】〈金銀糸用フイルムを細断して得られる金
銀糸の30%伸張時における、金属薄膜層のひび割れ数
の測定法: 得られた金銀糸用フイルムを0.1〜0.
5mm幅に細断して金銀糸サンプルを得、この金銀糸サ
ンプルを(繊維の強伸度測定機を使用して)300mm
/分の速度で伸張し30%伸張で止めたときの金銀糸表
面を顕微鏡下200〜400倍で観察しその金属薄膜層
部に、伸張方向に対して垂直の向きに発生したひび割れ
を数え(個/0.2mmサンプル長さ)評価した。〉 上記測定方法での該実施例で得た金銀糸サンプルは金属
薄膜部のひび割れが全く見られず、光輝性の変化もなか
った。
銀糸の30%伸張時における、金属薄膜層のひび割れ数
の測定法: 得られた金銀糸用フイルムを0.1〜0.
5mm幅に細断して金銀糸サンプルを得、この金銀糸サ
ンプルを(繊維の強伸度測定機を使用して)300mm
/分の速度で伸張し30%伸張で止めたときの金銀糸表
面を顕微鏡下200〜400倍で観察しその金属薄膜層
部に、伸張方向に対して垂直の向きに発生したひび割れ
を数え(個/0.2mmサンプル長さ)評価した。〉 上記測定方法での該実施例で得た金銀糸サンプルは金属
薄膜部のひび割れが全く見られず、光輝性の変化もなか
った。
【0015】比較例1 厚さ12μmの透明な二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、アルミ
ニウムを蒸発源として蒸着をおこない、厚みが50nm
の均一な金属(蒸着)薄膜層を形成した。さらにこの金
属(蒸着)薄膜層を形成したフイルムの金属(蒸着)薄
膜層の上にメラミン系樹脂からなる樹脂塗布液を乾燥厚
さ3.0μmになるように塗布し170度で20秒乾燥
硬化して樹脂層(3)を形成し金銀糸用フイルムを得
た。
ポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、アルミ
ニウムを蒸発源として蒸着をおこない、厚みが50nm
の均一な金属(蒸着)薄膜層を形成した。さらにこの金
属(蒸着)薄膜層を形成したフイルムの金属(蒸着)薄
膜層の上にメラミン系樹脂からなる樹脂塗布液を乾燥厚
さ3.0μmになるように塗布し170度で20秒乾燥
硬化して樹脂層(3)を形成し金銀糸用フイルムを得
た。
【0016】得られた金銀糸用フイルムを6cm×6c
mの正方形に切り取り、任意の上方に1cmの幅を残し
て下部のフイルム全域に1mm幅の切れ目を形成し、酢
酸1g、ノニオン界面活性剤0.5g、酸性染料0.1
gを水1000gに溶かした液に浸漬し煮沸して60分
間処理した。この処理で樹脂層の汚染が見られた。
mの正方形に切り取り、任意の上方に1cmの幅を残し
て下部のフイルム全域に1mm幅の切れ目を形成し、酢
酸1g、ノニオン界面活性剤0.5g、酸性染料0.1
gを水1000gに溶かした液に浸漬し煮沸して60分
間処理した。この処理で樹脂層の汚染が見られた。
【0017】さらに、得られた金銀糸用フイルムを0.
3mm幅に細断して金銀糸を得、前記測定法で、この金
銀糸サンプルを測定評価した。その結果、該比較例で得
た金銀糸サンプルは金属薄膜層部において100(個/
0.2mm)以上のひび割れが生じており、光輝性も失
われて鈍い光沢を呈するものとなった。
3mm幅に細断して金銀糸を得、前記測定法で、この金
銀糸サンプルを測定評価した。その結果、該比較例で得
た金銀糸サンプルは金属薄膜層部において100(個/
0.2mm)以上のひび割れが生じており、光輝性も失
われて鈍い光沢を呈するものとなった。
【0018】
【発明の効果】本発明による金銀糸フイルムは、金銀糸
としたときに、金銀糸が受けるスリット、整経、撚糸、
製織、精錬、染色、仕上げ等の工程、特にこれらの工程
のスピードアップ時における高伸張時等における、金銀
糸の伸張時に発生する金属薄膜層のひび割れが起こり難
く、金属光輝性を失わないものである。
としたときに、金銀糸が受けるスリット、整経、撚糸、
製織、精錬、染色、仕上げ等の工程、特にこれらの工程
のスピードアップ時における高伸張時等における、金銀
糸の伸張時に発生する金属薄膜層のひび割れが起こり難
く、金属光輝性を失わないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB10 AB33B AK01C AK42 AK51C AK51D AT00A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D EH66 EJ38 GB90 JN24 YY00B 4L036 UA21
Claims (5)
- 【請求項1】フイルム(1)の片面上に、金属薄膜層
(2)、樹脂層(3)が順次形成されてなる金銀糸用フ
イルムであって、該金銀糸用フイルムを細断して得られ
る金銀糸の30%伸張時における、金属薄膜層のひび割
れの数が10(個/0.2mm長さ)以下であることを
特徴とする金銀糸用フイルム。 - 【請求項2】 樹脂層(3)がウレタン樹脂主体の樹脂
層である請求項1記載の金銀糸用フイルム。 - 【請求項3】 樹脂層(3)が、脂肪族ポリエステルポ
リオール、脂肪族ポリエーテルポリオール、アクリルポ
リオールから選ばれた1種以上の脂肪族主体のポリウレ
タン樹脂層(3−a)と芳香族ポリエステルポリオール
主体のポリウレタン樹脂層(3−b)との2層が積層さ
れた層である請求項1または2記載の金銀糸用フイル
ム。 - 【請求項4】 フイルム(1)、金属薄膜層(2)、ポ
リウレタン樹脂層(3−a)、ポリウレタン樹脂層(3
−b)がこの順に形成されてなる請求項1,2または3
記載の金銀糸用フイルム。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の金銀糸
用フイルムを細断した金銀糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29604099A JP2001123349A (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 金銀糸用フイルムと金銀糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29604099A JP2001123349A (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 金銀糸用フイルムと金銀糸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001123349A true JP2001123349A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17828334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29604099A Pending JP2001123349A (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 金銀糸用フイルムと金銀糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001123349A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019019432A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | 泉工業株式会社 | 伸縮性金属光沢糸及びそれを用いた撚り糸 |
JP7529317B1 (ja) | 2023-12-25 | 2024-08-06 | 尾池工業株式会社 | 金属蒸着フィルムおよび金属蒸着フィルムの製造方法 |
-
1999
- 1999-10-19 JP JP29604099A patent/JP2001123349A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019019432A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | 泉工業株式会社 | 伸縮性金属光沢糸及びそれを用いた撚り糸 |
JP6994710B2 (ja) | 2017-07-20 | 2022-01-14 | 泉工業株式会社 | 伸縮性金属光沢糸及びそれを用いた撚り糸 |
JP7529317B1 (ja) | 2023-12-25 | 2024-08-06 | 尾池工業株式会社 | 金属蒸着フィルムおよび金属蒸着フィルムの製造方法 |
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