JP2001123217A - 熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉

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JP2001123217A
JP2001123217A JP29975499A JP29975499A JP2001123217A JP 2001123217 A JP2001123217 A JP 2001123217A JP 29975499 A JP29975499 A JP 29975499A JP 29975499 A JP29975499 A JP 29975499A JP 2001123217 A JP2001123217 A JP 2001123217A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉壁を開放することによりワークの急速冷却
が行えるとともに、炉壁の密着時における気密性を上げ
た熱効率のよい熱処理炉を提供する。 【解決手段】 被熱処理物を載置する炉床3b、4b
と、炉床3b、4bと係合する複数の炉壁3a、4aと
を備え、少なくとも炉床3bと複数の炉壁3a、4aと
で被熱処理物を閉塞する熱処理ゾーン3、4を形成する
熱処理炉1であって、複数の炉壁3a、4aは、相反す
る方向であり、かつ炉床3b、4bと摩擦しない方向に
移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱処理炉、特に炉壁
の開閉が可能なバッチ式熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、セラミック材料からなる板状
の被熱処理物(以下、ワークとする)を加熱処理するた
めに、熱処理炉が用いられている。この熱処理炉を図5
および図6に示す。図5は従来の熱処理炉の概略斜視
図、図6は従来の熱処理炉の概略断面図である。
【0003】図5、図6に示すように、この熱処理炉2
0は、複数の炉壁21と、炉天井22と、炉床23と、
これらで構成される熱処理ゾーン29を備え、炉壁21
を移動させる駆動モータ24と、ワーク(図示しない)
を加熱するヒータ27と、熱処理炉20の各構造を支持
するフレーム26とからなる。
【0004】炉壁21の移動方法としては、左右それぞ
れの炉壁21のベース部に設置固定された駆動モータ2
4を回転させ、駆動モータ24に連絡しているシャフト
25によって、駆動モータ24の回転力を直進運動に変
換させ、シャフト25に沿って炉壁21を左右に移動さ
せる。なお、図6に示すように、炉天井22、炉床23
およびシャフト25は、フレーム26によって支持され
ている。
【0005】次に、ワークの加熱処理工程について説明
すると、ワークは、炉床23上に載置された匣28内に
収納され、炉壁21を閉じてシール性を高めた熱処理ゾ
ーン29内でヒータ27によって加熱処理される。この
とき、ワークを加熱処理したあと次工程に搬送するため
に、ワークを冷却する必要がある。この冷却方法とし
て、熱処理ゾーン29の側面を構成する炉壁21を左右
水平方向に移動させ、炉壁21によって囲まれた熱処理
ゾーンを開放し、外気を取り入れることにより冷却を行
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱処理炉20には、以下のような問題点があった。すな
わち、炉壁21を水平方向に移動させることから、炉壁
21を炉天井22および炉床23と密着した状態にする
と、その密着面で摩擦が生じ、炉壁21をスムーズに移
動させることができなくなる。そこで、炉壁21と炉天
井22および炉床23との密着面にわずかな隙間L1、
L2が設けられている。このため、熱処理ゾーン29の
気密性が下がることになり、熱処理ゾーン29内の熱や
雰囲気ガスが熱処理ゾーン29外に漏れてしまい、最高
温度域まで昇温させるのに時間がかかり、熱効率も悪い
ので焼成コストがかかる。
【0007】本発明の目的は、炉壁を開放することによ
りワークの急速冷却が行えるとともに、炉壁の閉塞時に
おける気密性を上げた熱効率のよい熱処理炉を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
目的に鑑みてなされたものである。第1の発明の熱処理
炉は、前記熱処理物を載置する炉床と、前記炉床と係合
する複数の炉壁とを備え、少なくとも前記炉床と前記複
数の炉壁とで前記被熱処理物を閉塞する熱処理ゾーンを
形成する熱処理炉であって、前記複数の炉壁は、相反す
る方向であり、かつ前記炉床と摩擦しない方向に移動す
るものであることを特徴とする。
【0009】また、第2の発明の熱処理炉は、前記熱処
理物を載置する炉床と、少なくとも前記炉床とともに被
熱処理物を閉塞する熱処理ゾーンを形成する複数の炉壁
と、前記複数の炉壁を相反する方向であり、かつ前記炉
床と摩擦しない方向に移動させる炉壁移動手段とを備え
ることを特徴とする。
【0010】このような構成にすることによって、上記
炉壁の閉塞時に炉壁を上記炉床と密着させることができ
るので気密性が高くなり、炉壁と炉床との隙間からの放
熱量を小さく押さえることができるうえ、雰囲気ガスの
漏れもないので、効率よく加熱することができる。
【0011】また、炉壁は、炉床と接触しないように移
動するので、炉壁と炉床との摩擦の発生を防止すること
ができる。よって、スムーズに炉壁を移動させることが
できる。また、炉壁が炉床と摩擦しない方向が、特に、
斜め方向に移動する場合には、炉壁と炉床との距離が大
きくなり、効率よく外気を取り入れることができる。
【0012】また、第3の発明の熱処理炉においては、
前記炉床と前記複数の炉壁とは、前記被熱処理物を熱処
理ゾーンに収容している状態で互いに密着していること
を特徴とする。
【0013】このような構成にすることによって、被熱
処理物を熱処理ゾーン内に収容している状態で、気密性
をより高めることができる。
【0014】また、本願第4の発明の熱処理炉において
は、前記炉床と前記複数の炉壁とが密着している密着面
は、水平方向または垂直方向、あるいは、水平方向と垂
直方向の双方に形成されていることを特徴とする。
【0015】このような構成にすることによって、炉壁
の閉塞時に炉床に炉壁を安定して設置することができ
る。
【0016】また、第5の発明の熱処理炉においては、
前記炉床と前記複数の炉壁とが密着している密着面は、
水平方向以外、かつ、垂直方向以外の方向に形成されて
いることが好ましい。
【0017】このような構成にすることによって、炉壁
を水平方向に移動させても、炉壁と炉床とが摩擦が生じ
ないので、炉壁駆動手段の簡略化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の熱処理炉においては、炉壁および
炉床の形状は、互いに密着することができ、かつ、スム
ーズな分離ができるものであれば特に限定するものでは
ない。具体的には、互いに係合するように密着面に段差
を設けて密着させてもよいし、炉壁および炉床にテーパ
面を設け、それぞれのテーパ面を密着させるという形状
にしてもよい。
【0019】また、複数の炉壁のうち全ての炉壁を移動
させてもよいし、一部の炉壁を移動させてもよい。
【0020】また、炉壁が移動する方向は、炉壁が炉床
と摩擦しないよう移動できる方向であれば特に限定する
ものではない。炉壁を下方方向に移動させる場合、炉壁
が下方へ移動できるように下方に余分なスペースを設け
る必要があるが、スペースを確保する必要がないという
点から水平方向もしくは上方向であることが好ましい。
【0021】さらに、上記炉壁は、気密性、耐熱性を有
しているものであれば、その材質は特に限定しない。た
だし、より好ましくはニッケル合金等の耐熱金属や、セ
ラミック、セラミックファイバー等である。中でも、セ
ラミックファイバーを用いれば、熱処理炉の熱効率が向
上する。
【0022】また、上記炉壁駆動手段は、炉壁を炉床と
密着した状態から接触しないように移動させることがで
きれば、その方法、形状および配置などは特に限定する
ものではないが、熱処理ゾーンを広くとることや、移動
範囲の関係などの理由から、炉外に設けることが好まし
い。また、炉壁の移動は、1つの炉壁駆動手段で行って
もよいし、複数の炉壁駆動手段で行ってもよい。
【0023】より好ましくは、上記炉壁駆動手段は、炉
壁を移動させる単体の駆動機構と、駆動機構からの駆動
力を水平方向への駆動力として炉壁へ伝達するドライブ
シャフトと、炉壁の移動方向を規定するガイド部材とか
らなることである。
【0024】このような構成にすることによって、1つ
の炉壁駆動手段だけで複数の炉壁を移動させることがで
きるとともに、水平方向だけでなく垂直方向を含んだ移
動も行うことができる。このとき、熱処理ゾーンの略中
央を中心として放射状にガイド部材を設け、炉壁をリニ
アブッシュ等のスライド部材でガイド部材に沿ってスラ
イドさせると、水平方向の駆動力だけで斜め上方向を含
んだ移動も行うことができる。
【0025】また、駆動機構とドライブシャフトとガイ
ド部材とを炉壁上に設けることが好ましい。そうすれ
ば、炉壁が垂直方向を含んだ移動を行ったとしても、駆
動機構とドライブシャフトとガイド部材との高さ調整を
する必要がなくなる。なお、炉壁駆動手段は、炉壁の下
部にあるベース部に取り付けてもよいし、炉壁の上部に
取り付けてもよい。
【0026】また、上記加熱手段は、材質、形状など特
に限定するものではないが、具体的には、炭化珪素、二
珪化モリブデンなどを材質とし、棒型、U型、μ型など
の形状であるものが挙げられる。
【0027】次に、本発明を実施例に基づき、さらに具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0028】
【実施例】(実施例1)本発明の第1実施例である熱処
理炉について説明する。図1は第1実施例の熱処理炉の
炉壁が閉じた状態を示す概略一部断面図、図2は第1実
施例の熱処理炉の炉壁が開いた状態を示す概略一部断面
図、図3は第1実施例の熱処理炉の炉壁が開いた状態を
示す概略斜視図を示す。図1および図2に示すように、
第1実施例の熱処理炉1は、炉壁3aと炉床3bと炉天
井3cとからなる熱処理炉本体3と、ヒータ7と、炉壁
駆動手段9と、フレーム15とから構成されている。
【0029】さらに詳しく説明すると、熱処理炉本体3
は、炉壁3aと炉床3bとで構成される熱処理ゾーン5
を有しており、この熱処理ゾーン5内で、ワークの加熱
処理を行う。熱処理炉本体3のうち炉壁3aは、セラミ
ックファイバーの断熱材からなり、内部に熱処理ゾーン
となる空洞を有する半円柱状のものである。また、互い
に対向するように2体設けられている。さらに、炉壁3
aの上部には、炉天井3cと係合する上炉壁部3a2が
設けられ、下部には炉床3bと係合する下炉壁部3a3
が設けられ、水平方向の断面積が炉壁3aよりも大き
く、フランジ状に形成されたベース部3a1が設けられ
ている。
【0030】熱処理本体3のうち炉床3bは、ワークを
収納する匣(図示しない)を載置する炉床本体8と、炉
壁3aと係合する炉底部シール機構11とからなる。
【0031】炉床3bのうち炉床本体8は、セラミック
からなり、匣を載置できる平面を有している。炉床3b
のうち炉底部シール機構11は、熱処理炉本体3の下部
をシールするためのものであり、底板11aと、台座1
1bと、支持部材11cとからなる。
【0032】炉底部シール機構11のうち底板11a
は、炉床本体8を固定するとともに、炉底部シール機構
を固定している。炉底部シール機構11のうち台座11
bは、SUS310からなり、炉壁3aの下炉壁部3a
3に下方から係合して熱処理ゾーン5のシール性を高め
るためのものであり、炉壁3aの下炉壁部3a3の形状
に合わせて係合部11b1が設けられている。炉底部シ
ール機構11のうち支持部材11cは、台座11bを底
板11aの上に支持するためのもので、台座11bを支
持する台部材11c1と、この台部材11c1を受ける
ために、底板11a上に設けられた受け部材11c2と
からなる。また、台部材11c1と受け部材11c2と
は、シール材10によってシールされている。
【0033】熱処理炉本体3のうち炉天井3cは、イン
コネル601からなり、炉壁3aの上炉壁部3a2と密
着できるような形状を有している。
【0034】ヒータ7は、炭化珪素からなるμ型ヒータ
を用い、炉壁3aの熱処理ゾーン5側に設けられてい
る。
【0035】フレーム15は、熱処理炉1を取り囲むよ
うに設けられたもので、鉄等の金属からなり、フレーム
15内には熱処理炉1が収納されている。なお、フレー
ム15は、炉壁3bおよび炉壁駆動手段9を左右から支
持している。また、炉天井3cは、上方からフレーム1
5によって固定されている。
【0036】図3に示すように、炉壁駆動手段9は、駆
動機構9aと、駆動力伝達部材9bと、ガイド部材9c
とからなる。
【0037】炉壁駆動手段9のうち駆動機構9aは、動
力源となるモータ(図示しない)と、モータの回転数を
所望の回転数に変換するためのリニアガイド(図示しな
い)とからなる。駆動機構9aは1基のみであり、2体
ある炉壁3aのうちのいずれか1体に設けられている。
また、駆動機構9aの配置場所としては、炉壁3aのベ
ース部3a1上であって、炉壁3aの側面近傍に固定さ
れている。
【0038】炉壁駆動手段9のうち駆動力伝達部材9b
は、中心を境にねじの切る方向が逆になっている台形ね
じであるドライブシャフト9b1と、ベース部3a1上
に設けられたねじ穴を有する固定治具9b2とからな
る。ドライブシャフト9b1は、駆動機構9aに接続さ
れているとともに、固定治具9b2を貫通しており、駆
動機構9aの駆動力がこのドライブシャフト9b1に伝
達されて、2体の炉壁3aの間の距離を調整する。
【0039】炉壁駆動手段9のうちガイド部材9cは、
2体の炉壁3aの移動方向を規定するためのものであ
り、スライドシャフト9c1とリニアブッシュ9c2と
からなる。スライドシャフト9c1は、鉄からなり、ド
ライブシャフト9b1の中心を対称線として上方向へ傾
斜するV字型のシャフトである。また、リニアブッシュ
9c2は、スライドベアリングであり、スライドシャフ
ト9c1に沿ってスライドする円筒状である。また、リ
ニアブッシュ9c2は、スライドシャフト9c1の水平
方向からの傾斜角度分を傾斜させてベース部3a1に固
定されている。このとき、ドライブシャフト9b1は、
リニアブッシュ9c2の円筒内を貫通して設置され、ド
ライブシャフト9b1の端部がフレーム15に固定され
ている。
【0040】ここで、炉壁駆動手段9が炉壁3aを開閉
可能にする仕組みについて説明する。 1.駆動機構9aにより、所望の速度で駆動力伝達部材
9bに回転駆動力が伝達される。 2.駆動力伝達部材9bによって回転駆動力が水平駆動
力に変換され、炉壁3aに伝達される。すなわち、ドラ
イブシャフト9b1が回転すると、ドライブシャフト9
b1の台形ねじと固定治具9b2によって、ドライブシ
ャフト9b1の両端で逆方向の水平駆動力に変換される
ため、2体の炉壁3aは、それぞれ逆方向に移動するこ
とになる。 3.炉壁3aに設けられているガイド部材9cにより、
炉壁3aの移動方向が規定されているため、炉壁3aが
水平方向の駆動力を受けても、ガイド部材9cの規定し
た方向に沿って炉壁3aが移動する。
【0041】以上のような仕組みにより、1つの駆動源
により、炉壁3aの開閉動作が行われる。 (実施例2)第2実施例の第2実施例の熱処理炉につい
て説明する。図4は第2実施例の概略斜視図を示す。図
4に示すように、第2実施例の熱処理炉は、炉壁3aと
炉床3bと炉天井3cとからなる熱処理炉本体4と、ヒ
ータ7と、炉壁駆動手段9と、フレーム15とから構成
されている。
【0042】さらに詳しく説明すると、熱処理炉本体4
のうち炉壁4aは、セラミックファイバの断熱材からな
り、内部に熱処理ゾーンを有する半円柱状のものであ
る。また、互いに対向するように2体設けられている。
さらに、炉壁4aの上部には、炉天井4cと密着する上
テーパ部4a2が設けられ、下部には、炉床4bと密着
する下テーパ部4a3が設けられ、水平方向の断面積が
炉壁4aよりも大きく、フランジ状に形成されたベース
部4a1が設けられている。
【0043】熱処理炉本体4のうち炉床4bは、ワーク
を収納する匣(図示しない)を載置する炉床本体8と、
炉壁4aと密着する炉底部シール機構11とからなる。
【0044】炉床3bのうち炉底部シール機構11は、
炉壁4aの下テーパ部4a3に密着できるような角度を
有する台座11dを有している。
【0045】熱処理炉本体3のうち炉天井4cは、イン
コネル601からなり、炉壁4aの上テーパ部4a2と
密着できるような角度を有している。なお、上テーパ部
4a2と密着する部分の形状は、台円錐形である。
【0046】炉壁駆動手段9は、駆動機構9aと、駆動
力伝達部材9dとからなる。炉壁駆動手段9のうち駆動
機構9aは、炉壁4aのベース部4a1上に設けられて
おり、移動する炉壁4aにそれぞれ1基ずつ設けられて
いる。炉壁駆動手段9のうち駆動力伝達部材9dは、ド
ライブシャフト9b1であり、炉壁4aが移動する方向
と平行に炉壁4aのベース部4a1上に設けられてい
る。炉壁4aは、このドライブシャフト9b1に沿って
水平に移動する。このとき、炉壁4aと、炉床4bおよ
び炉天井4cとの接触面は、全て斜め方向であるため、
炉壁4aを水平に移動させたとしても、摩擦が生じるこ
とはない。
【0047】この他の構成は、実施例1と同様であるた
め、同じ図番を用いて説明を省略する。
【0048】ここで、本発明の熱処理炉1による熱処理
工程について説明する。 1.前工程より搬送されてきたワーク(図示しない)を
匣に収納する。 2.炉床本体11a上にワークを収納した匣を載置す
る。 3.炉壁駆動手段9により炉壁3aを閉じ、熱処理ゾー
ン5をシールする。 4.ヒータ7により所望の温度でワークを加熱する。 5.炉壁駆動手段9により炉壁3aを開放し、外気を取
り込むことによって、ワークを冷却する。 6.熱処理炉1中から匣を取り出す。 7.匣から焼結したワークを取り出し、次工程に搬送す
る。
【0049】以上のような工程を繰り返してワークを熱
処理する。
【0050】
【発明の効果】本発明の熱処理炉を用いれば、炉壁と炉
床とが互いに摩擦しない方向に移動するので、炉壁と炉
床とを密着させることができ、熱処理ゾーンの気密性を
上げて熱効率の改善を図ることができる。また、被熱処
理物を冷却するときには、炉壁を開放して外気を取り入
れることにより、急速に被熱処理物を冷却することがで
きる。
【0051】また、炉壁と炉床との接触面を垂直ないし
水平にし、炉壁を斜め方向に移動させることによって、
より大量の外気を取り込むことができる。また、炉壁と
炉床との接触面を垂直および水平以外にし、炉壁を水平
方向に移動させることによって、炉壁の駆動手段を簡略
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である熱処理炉において炉
壁を開放した状態を示す概略断面図。
【図2】本発明の第1実施例である熱処理炉において炉
壁を開放した状態を示す概略断面図。
【図3】本発明の第1実施例である熱処理炉において炉
壁を開放した状態を示す斜視図。
【図4】本発明の第2実施例である熱処理炉において炉
壁を開放した状態を示す斜視図。
【図5】従来の熱処理炉において炉壁を開放した状態を
示す斜視図。
【図6】従来の熱処理炉において炉壁を開放した状態を
示す概略断面図。
【符号】
1 熱処理炉 3、4 熱処理炉本体 3a、4a 炉壁 3b、4b 炉床 5 熱処理ゾーン 7 ヒータ(加熱手段) 9 炉壁駆動手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被熱処理物を載置する炉床と、前記炉床
    と係合する複数の炉壁とを備え、少なくとも前記炉床と
    前記複数の炉壁とで前記被熱処理物を閉塞する熱処理ゾ
    ーンを形成する熱処理炉であって、 前記複数の炉壁は、相反する方向であり、かつ前記炉床
    と摩擦しない方向に移動するものであることを特徴とす
    る熱処理炉。
  2. 【請求項2】 被熱処理物を載置する炉床と、少なくと
    も前記炉床とともに被熱処理物を閉塞する熱処理ゾーン
    を形成する複数の炉壁と、前記複数の炉壁を相反する方
    向であり、かつ前記炉床と摩擦しない方向に移動させる
    炉壁移動手段とを備えることを特徴とする熱処理炉。
  3. 【請求項3】 前記炉床と前記複数の炉壁とは、前記被
    熱処理物を熱処理ゾーンに収容している状態で互いに密
    着していることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の熱処理炉。
  4. 【請求項4】 前記炉床と前記複数の炉壁とが密着して
    いる密着面は、水平方向または垂直方向、あるいは、水
    平方向と垂直方向の双方に形成されていることを特徴と
    する請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理
    炉。
  5. 【請求項5】 前記炉床と前記複数の炉壁とが密着して
    いる密着面は、水平方向以外、かつ、垂直方向以外の方
    向に形成されていることを特徴とする請求項1から請求
    項3のいずれかに記載の熱処理炉。
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