JP2001121950A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001121950A
JP2001121950A JP30695299A JP30695299A JP2001121950A JP 2001121950 A JP2001121950 A JP 2001121950A JP 30695299 A JP30695299 A JP 30695299A JP 30695299 A JP30695299 A JP 30695299A JP 2001121950 A JP2001121950 A JP 2001121950A
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power
compressor
air
air conditioner
vehicle
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English (en)
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Masato Tsuboi
政人 坪井
Atsuo Inoue
敦雄 井上
Satoshi Kamei
聡 亀井
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Original Assignee
Sanden Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 圧縮機の動力制限が必要と判断された場合、
送風機を制御して空調能力不足分を補い車両の推進に悪
影響を及ぼす事なく、安定した快適な空調制御を行う。 【解決手段】 ダクト内に送風機と室内熱交換器を有
し、室内熱交換器と冷媒配管により接続され、圧縮する
冷媒吐出量の変化が可能な可変容量圧縮機と、吐出量を
操作する容量制御手段を持つ蒸気圧縮機又は/及び蒸気
圧縮式ヒートポンプサイクルを備え、送風量を調節する
送風量調節手段を備えた車両用空調装置において、車両
推進用原動機から空調装置側の供給動力の制限値を演算
する動力制限値演算手段を備え、動力制限値演算手段に
より演算された動力制限値に基づいて、空調装置側の動
力が制限される場合とされない場合の送風機の送風量を
夫々演算する送風機送風量演算手段を持ち、少なくとも
送風機送風量演算手段により演算された送風量の情報を
圧縮機の制御に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調用のエネルギ
ー源を車両の推進エネルギー(エンジン、電気モータ等
によるエネルギー)と共有する車両用空調装置に関し、
とくに、車両推進用原動機から供給されるエネルギーに
対し車両走行上等から制限を加える必要がある場合に、
少なくとも送風機を最適に制御するとともに、冷媒回路
中の主エネルギー消費機器である圧縮機を最適に制御
し、車両走行へ悪影響を及ぼすことなく、より快適性を
向上できるようにした車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置においては、その動力源
を、車両推進用の原動機(内燃機関のエンジン、電気自
動車にあってはモータ)からとることが多い。このよう
な空調装置のエネルギー源を車両の推進エネルギーと共
有する車両用空調装置においては、空調装置に消費され
るエネルギーの増大が、車両の運転(走行)状態に悪影
響を及ぼさないように、たとえば、エンジン回転数が所
定値以上の時、または、スロットル開度が所定値以上の
時、空調装置の冷媒回路に設けられている圧縮機の容量
をゼロとする制御を行っていた(たとえば、圧縮機用ク
ラッチオフ)。この制御は、現在発生している圧縮機の
動力を把握することなく、つまり、圧縮機の消費動力に
かかわらず行われている。
【0003】また、この制御においては、圧縮機の稼働
/非稼働の情報だけを原動機制御側に提供するようにし
ている。たとえば冷房運転中には、クーラー稼働/非稼
働の情報だけを、エンジンECUに提供するようにして
おり、エンジンECUは、燃料噴射量補正、スロットル
開度補正をクーラー稼働/非稼働の情報だけで実施して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような制御では、特に低冷房熱負荷時(低動力時)、必
要以上に圧縮機容量をゼロ(クラッチオフ)とする機会
が増え、不安定な制御となり、たとえば吐気温度変動の
原因となる。
【0005】また、特に低冷房熱負荷時(低動力時)、
燃料噴射量補正、またはスロットル開度補正が過度にな
り、必要以上にエンジン回転数や車速が上昇するおそれ
がある。
【0006】さらに、車両推進用原動機から供給される
エネルギーは、冷媒回路の圧縮機以外にも、各種機器の
消費エネルギーとして使用され、これら各種機器の消費
エネルギーも車両推進用原動機から空調装置側へ供給可
能な動力の制限に影響するから、実際には、これらを勘
案した上で主エネルギー消費機器である圧縮機を適切に
制限制御することが望まれる。そして、空調装置には送
風用の送風機が設けられており、この送風機を上記動力
制限下の状態で適切に制御できるようにすれば、たとえ
圧縮機の動力が制限されている場合にあっても、それに
よる空調能力不足分を補うことが可能になり、空調の快
適性を向上できると考えられる。
【0007】そこで本発明の課題は、上記のような問題
点や要望に鑑み、そのときの状態に応じて圧縮機の動力
を適切に推定するとともに、圧縮機に必要な動力が車両
推進用エネルギーに影響を与えると判断され圧縮機の動
力制限が望ましいと判断された場合には、送風機を適切
に制御して圧縮機の動力制限に伴う空調能力不足分を補
うことができるようにし、車両の推進に悪影響を及ぼす
ことなく、安定したより快適な空調制御を行うことがで
きるようにした車両用空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の車両用空調装置は、車室内に開口するダク
ト内に、空気を送風する送風機と、送風される空気を冷
却または加熱する室内熱交換器を有し、該室内熱交換器
と冷媒配管により接続され、室内熱交換器との間で循環
される冷媒を圧縮し、圧縮する冷媒の吐出量を変化させ
ることのできる可変容量圧縮機と、該可変容量の吐出量
を操作する容量制御手段を有する蒸気圧縮式冷凍サイク
ルまたは/および蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルを備
えているとともに、前記送風機の送風量を調節する送風
量調節手段を備えた車両用空調装置において、車両推進
用原動機から空調装置側の供給される動力の制限値を演
算する動力制限値演算手段を備え、該動力制限値演算手
段により演算された動力制限値に基づいて、空調装置側
の動力が制限される場合とされない場合の前記送風機の
送風量をそれぞれ演算する送風機送風量演算手段を有す
るとともに、少なくとも該送風機送風量演算手段により
演算された送風量の情報を前記圧縮機の制御に用いるこ
とを特徴とするものからなる。車両推進用原動機は、内
燃機関の他、電気自動車における電動モータも含む。さ
らに燃料電池車における燃料電池、いわゆるハイブリッ
ド車における複合動力源も含まれる。また、室内熱交換
器は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの場合は蒸発器として機
能し、蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルの場合は凝縮器
として機能する。
【0009】この車両用空調装置においては、前記圧縮
機の動力を推定する圧縮機動力推定手段を有し、前記空
調装置側の動力が制限される場合とされない場合の圧縮
機動力を演算する圧縮機動力演算手段を各々有し、前記
容量制御手段には選択された圧縮機動力制御信号が送ら
れるようにすることができる。
【0010】上記圧縮機動力演算手段における圧縮機の
動力が制限される場合の圧縮機動力制限制御値は、前記
圧縮機動力推定手段による圧縮機動力推定値と前記動力
制限値演算手段による動力制限値との差に基づいて演算
されることができる(たとえば、後述の図2に示す態
様)。
【0011】あるいは、前記圧縮機動力演算手段におけ
る圧縮機の動力が制限される場合の圧縮機動力制限制御
値は、前記圧縮機動力推定手段による圧縮機動力推定値
と前記動力制限値演算手段による動力制限値との差に基
づいて演算されるとともに、前回の制御値から一定値を
圧縮機容量が低くなる方向に減算することにより演算さ
れることができる(たとえば、後述の図6に示す態
様)。
【0012】あるいは、前記圧縮機動力演算手段におけ
る圧縮機の動力が制限される場合の圧縮機動力制限制御
値は、前記圧縮機動力推定手段による圧縮機動力推定値
と前記動力制限値演算手段による動力制限値との差に基
づいて演算されるとともに、圧縮機の吐出冷媒圧力を検
知または推定する吐出圧力認識手段と、前記送風機送風
量演算手段と、前記室内熱交換器入口空気温度を検知ま
たは推定する室内熱交換器入口空気温度認識手段と、車
両推進用原動機の回転数検出手段と、前記圧縮機動力演
算手段から得られる各情報に基づいて演算されることが
できる(たとえば、後述の図7に示す態様)。
【0013】また、本発明に係る車両用空調装置におい
ては、空調装置側の動力が制限される場合には、送風機
の送風量が増加されるよう制御されることが好ましい。
とくに、圧縮機動力演算手段における圧縮機の動力が制
限される場合に、送風機の送風量が増加されることが好
ましい。また、空調装置側の動力が制限される場合に、
第1段階で圧縮機の動力が制限され、第2段階で圧縮機
の動力が制限されるとともに送風機の送風量が増加され
るよう、2段階の動力制限制御領域を設定することもで
きる。
【0014】このような本発明に係る車両用空調装置に
おいては、現在の負荷状態に応じて、車両推進用原動機
から空調装置側の供給される動力の制限値が動力制限値
演算手段により演算され、演算された動力制限値に基づ
いて、空調装置側の動力が制限される場合とされない場
合のそれぞれ最適な送風機の送風量がそれぞれ演算され
るとともに、演算された送風量の情報が圧縮機の制御に
用いられる。圧縮機の制御においては、まず、圧縮機に
必要な動力が適切に推定される。一方、車両の原動機側
では、その時の運転状態に応じて、車両推進用に必要な
動力を演算可能であり、それによって、車両用空調装置
側、とくに圧縮機にどの程度の動力を割り振ることが可
能かが演算される。この車両推進側からの制限動力に応
じて、上記送風機の送風量演算値を考慮した状態で、圧
縮機の最適な使用可能動力が決められ、それに基づいて
圧縮機を運転することが可能になる。したがって、圧縮
機を、稼働/非稼働というような極端なオン/オフ制御
ではなく、制限された動力範囲内で最適な制御を行うこ
とが可能になり、吐気温度変動を抑制した安定な空調制
御が可能になる。同時に、動力制限下で、かつ、圧縮機
の動力が制限される場合にあっても、その時の状態に応
じて送風機の送風量をより最適に制御することが可能に
なり、たとえば、圧縮機の動力制限により生じた空調能
力の不足分を送風機の送風量増加によって補うことが可
能になり、より快適な空調制御が可能になる。
【0015】一方、原動機側においても、空調装置側で
の大きな消費動力の変動が抑えられることから、過度の
燃料噴射量補正やスロットル開度補正がなくなり、エン
ジン回転数や車速が安定する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施態様に係る車両用空調装置の概略機器系統図を示し
ており、蒸気圧縮式冷凍サイクルを備えた装置の場合を
示している。蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルを備えた
装置の場合は、図示は省略するが、冷媒回路中の通風ダ
クト内に配置される室内熱交換器が凝縮器として作用
し、通風ダクト外に配置される室外熱交換器が蒸発器と
して作用するように構成される。図2、図6、図7は、
図1の装置におけるメインコントローラによる制御を示
している。
【0017】図1において、1は車両用空調装置全体を
示しており、車室内に開口する通風ダクト2内の上流側
には、内外気切替ダンパ3によって調節された外気導入
口4、内気導入口5からの吸気を圧送する送風機6が設
けられている。送風機6の下流側には、送風される空気
を冷却する室内熱交換器としての蒸発器7が設けられて
おり、その下流側には、加熱器としての温水ヒータ8が
設けられている。温水ヒータ8には、エンジン冷却水が
循環される。温水ヒータ8の直下流側には、エアミック
スダンパアクチュエータ9によって開度が調節されるエ
アミックスダンパ10が配置されている。温度調節され
た空気は、ダンパ11、12、13を備えた各吹出口1
4、15、16を通して車室内に吹き出される。
【0018】17は、各機器が冷媒配管を介して接続さ
れた冷媒回路を示しており、18は可変容量圧縮機(可
変容量コンプレッサ)を示している。圧縮機18で圧縮
された冷媒は、凝縮器19、受液器20、膨張弁21を
介して蒸発器7に送られ、蒸発器7からの冷媒が圧縮機
18に吸入される。本実施態様では、圧縮機18の吐出
圧力あるいはそれに対応する圧力が圧力センサ(図示
略)によって検出される。吐出圧力は、たとえば凝縮器
出口空気温度、凝縮器出口冷媒温度等から推定すること
も可能である。
【0019】圧縮機18は、車両推進用原動機(たとえ
ば、エンジン)の駆動力を用いて駆動され、その吐出容
量は、圧縮機内蔵の吸入圧力コントローラ(図示略)に
よって制御されるようになっている。容量制御信号は、
メインコントローラ22から送られる。車両推進用原動
機には、前述したように、内燃機関の他、電気自動車に
おける電動モータも含まれ、さらに燃料電池車における
燃料電池や、いわゆるハイブリッド車における複合動力
源も含まれる。
【0020】車両推進用原動機として内燃機関を利用す
る場合の出力調節量は、スロットル開度であり、電動モ
ータを利用する場合の出力調節量は、モータへの通電電
力量である。
【0021】可変容量圧縮機18は、たとえば特公平4
−23114号公報に開示されているような、吸入圧力
が容量制御信号に応じ一義的に制御される、可変容量圧
縮機を使用している。吸入圧力制御信号、吸入圧力の特
性はたとえば図8に示すようになる。
【0022】ただし、吸入圧力は、下記方法によっても
推定可能である。 ・吸入圧力を圧力センサにて検知。 ・蒸発器入口冷媒温度を温度センサにて検知。 ・蒸発器出口空気温度を温度センサにて検知。 ・蒸発器フィン間温度を温度センサにて検知。 ・後述の実施例では、図8に示した相関関係を拠り所
に、コントローラが出力している吸入圧力制御信号から
推測している。
【0023】メインコントローラ22には、車内温度設
定器23から目標車内温度の設定信号が入力される。ま
た、メインコントローラ22からは、送風機電圧コント
ローラ24に信号が送られて送風機6の電圧(回転数)
が制御される。また、本実施態様では、蒸発器7の直下
流側に、蒸発器出口空気温度を検知する蒸発器出口空気
温度センサ(図示略)が設けられており、検知信号がメ
インコントローラ22に入力される。さらに本実施態様
では、車室内温度センサ25、日射センサ26、外気温
度センサ27からの検知信号がそれぞれメインコントロ
ーラ22に入力される。また、エンジンECU28か
ら、スロットル開度信号、エンジン回転数信号がメイン
コントローラ22に入力される。そして、メインコント
ローラ22からは、後述の如く演算推定される、空調装
置側で使用する動力推定値信号がエンジンECU31に
送られる。
【0024】メインコントローラ22においては、次の
ような制御が行われる。図2は、図1に示した車両用空
調装置1の送風機6および圧縮機18に関する制御につ
いて示している。
【0025】車内温度設定器23で設定された目標車内
温度Trsの信号、日射センサ26によって検知された
日射量RAD、車室内温度センサ25によって検知され
た車内温度TR、外気温度センサ27によって検知され
た外気温度AMBの各信号から、目標吹出温度TOsが
次式によって演算される。 TOs=Kp1(TR−Trs)+f(AMB,RA
D,Trs) Kp1は係数である。
【0026】演算された目標吹出温度TOsを用いて、
送風機の送風量に対応する送風機電圧BLVが、空調装
置側の動力が制限される場合とされない場合のそれぞれ
について演算される。すなわち、後述の圧縮機動力推定
演算値Trqと、車両推進用原動機のエネルギーのうち
空調装置側へ割り振り可能な空調装置側への動力制限値
の演算値LTDとの比較に応じて、Trq−LTD<0
の場合、 BLV=f1 (TOs) によって演算され、Trq−LTD≧0の場合、 BLV=f2 (TOs) によって演算される。演算されたBLVの信号は、送風
機電圧コントローラ24に送られる。
【0027】また、エアミックスダンパ開度AMDが、 AMD=f(TOs,TW,TV) によって演算される。TWは温水ヒータ8入口のエンジ
ン冷却水温、TVは蒸発器出口空気温度目標値である。
演算されたAMDの信号は、エアミックスダンパアクチ
ュエータ9に送られる。
【0028】蒸発器出口空気温度目標値TVは、外気温
度AMBより、 TV=a・AMB+b によって演算される。a、bは定数である。
【0029】圧縮機吸入圧力演算値Psaは、 Psa=P+In P=Kp2・(TV−Te)・・・比例項 In =In-1−Kp2・Ki1・(TV−Te)・・・積分項 によって演算される。ここでTeは、蒸発器出口空気温
度センサによって検知された蒸発器出口空気温度であ
り、Ki1、Kp2は係数である。
【0030】圧縮機に関する消費動力Trqは次式によ
り推定演算される。 Trq=f(BLV、Tin、Ps、Pd) ここで、Psは圧縮機吸入圧力制御演算値、Pdは圧縮
機吐出圧力で圧力センサによって検知される圧力または
それに対応する圧力である。BLVは、前述の如く、空
調装置側の動力が制限される場合とされない場合のそれ
ぞれについて演算された、送風機の送風量に対応する送
風機電圧である。また、Tinは、内外気切り替え情報
に応じて下記の如く選択される。 外気導入の場合:Tin=AMB 内気循環の場合:Tin=TR
【0031】そして、車両推進用の原動機側からの動力
制限値LTD、つまり、現在の原動機側の条件により、
主として圧縮機側にどの程度の動力を消費してもよいか
の許容値が演算される。
【0032】動力制限値LTDは、スロットル開度信号
THまたは/およびエンジン回転数Neの各々に対し
て、図に示したような特性として予め情報を記憶してお
き、各々の制限特性(LTDth、LTDne)にした
がって求められる。このとき、LTDth≧LTDne
の場合には、LTD=LTDneとされ、LTDth<
LTDneの場合には、LTD=LTDthとされる。
【0033】上記のように求められた圧縮機動力推定演
算値Trqと、動力制限値LTDを用いて、動力制限下
における圧縮機吸入圧力制御演算値Psbが、 Psb=f(Trq−LTD) =P+In P=Kp3・(Trq−LTD) In =In-1−Kp3・Ki2・(Trq−LTD) によって演算される。すなわち、動力制限下における最
適な圧縮機吸入圧力制御値が演算され、比例項Pは、圧
縮機動力推定値Trqと動力制限値LTDとの差に基づ
いて演算される。
【0034】そして、前述の空調制御側の要求機能から
演算した圧縮機吸入圧力制御演算値PSaと、上記原動
機側からの動力制限要求下における圧縮機吸入圧力制御
演算値PSbのいずれを選択すべきか判断される。すな
わち、 Trq−LTD<0の場合 (つまり、圧縮機側の動力制限を行う必要の無い場
合)、 Ps=Psa とされ、 Trq−LTD≧0の場合 (つまり、圧縮機側の動力制限が必要な場合)、 Ps=Psb とされる。
【0035】選択されたPsが、実際の圧縮機18の吸
入圧力制御信号Psとして、圧縮機18の吸入圧力コン
トローラに送られる。
【0036】したがって、そのときの車両の運転状態と
空調装置からの要求との両方が勘案され、空調装置側の
動力制限の要否が判定されるとともに、動力制限下にあ
ってはその条件下における最適な圧縮機18の運転制御
が行われることになる。
【0037】上記圧縮機の動力制限制御は、たとえば図
3のように示される。すなわち、圧縮機の動力制限を行
う必要のない通常条件の場合には、演算された圧縮機動
力推定値Trqにしたがって制御され、それが動力制限
値LTDを越える、たとえばエンジン高負荷条件の場合
には、車両の走行等に影響を及ぼさないように適切に圧
縮機の動力が制限される。なお、図の破線は動力制限を
かけない場合の特性を示している。
【0038】そして、本発明では、このような圧縮機の
動力制限制御に絡めて、送風機の送風量が最適に制御さ
れる。とくに、圧縮機の動力制限に応じて、送風機の送
風量を増加させることにより、圧縮機の動力制限による
空調能力不足を送風量の増加で補い、より快適な空調を
実現することが可能になる。この制御は、たとえば表1
に示すように行われる。
【0039】
【表1】
【0040】上記送風機送風量の制御は、たとえば図4
に示すように行うことができ、目標吹出温度TOsに対
し、送風機電圧BLVを、通常条件(図の破線)に比べ
増加させた特性(図の実線)に制御できる。
【0041】また、上記圧縮機の動力制限制御と、上記
送風機送風量の増加制御とを、2段階の異なる制御領域
として設定することもできる。たとえば図5に示すよう
に、動力制限がかかった場合には、その高い領域で先ず
圧縮機の動力を制限し(動力制限設定値LTD1)、そ
の下の領域では、圧縮機の動力を少し制限して同時に送
風機送風量の増加制御も行うようにする(動力制限設定
値LTD2)。このようにすれば、より適切な動力制限
と、送風量増加によるより快適な空調との両方をよりバ
ランスよく行うことが可能になる。
【0042】図6および図7は、図2に示したものとは
異なる実施態様に係る制御をそれぞれ示している。圧縮
機吸入圧力制御演算(動力制限)以外の演算、制御につ
いては、実質的に図2に示したものと同じである。
【0043】図6に示す制御においては、動力制限下に
おける圧縮機吸入圧力制御演算値Psbが、 Psb=f(Trq−LTD) =P+In P=C+Psb’ In =In-1−Kp3・Ki2・(Trq−LTD) によって演算される。すなわち、図2に示したものに比
べ、比例項Pが、前回の制御値Psb’から一定値Cを
圧縮機容量が低くなる方向に減算することにより演算さ
れる。上記Pの式上は加算になっているが、Psbが大
きい方が圧縮機容量は小さくなるので、実際には、圧縮
機容量の演算として減算処理していることになる。
【0044】図7に示す制御においては、動力制限下に
おける圧縮機吸入圧力制御演算値Psbが、 Psb=f(Trq−LTD) =P+In P=f(Pd,BLV,Tei,Ne,Trq) In =In-1−Kp3・Ki2・(Trq−LTD) によって演算される。すなわち、図2に示したものに比
べ、比例項Pが、圧縮機の吐出冷媒圧力の検知または推
定値Pdと、送風機送風量に対応する送風機電圧BLV
と、室内熱交換器入口空気温度値Teiと、エンジン回
転数Neと、圧縮機動力推定演算値Trqから得られる
各情報に基づいて演算される。
【0045】図6、図7に示すいずれの制御において
も、前述したのと同様に、送風機送風量の増加制御によ
り、圧縮機の動力制限に伴う空調能力不足を補うことが
でき、動力制限下においても、快適な空調制御を実現で
きる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用空調装置によれば、車両の運転状態からの空調装置に
使用可能な動力の制限と、空調装置側の要求とが勘案さ
れ、たとえば圧縮機消費動力が小さく本来圧縮機容量を
ゼロとする必要の無い条件(低冷房熱負荷条件)で、不
必要に容量をゼロとすることがないので、安定した空気
温度制御が得られる。そして、とくに本発明では、動力
制限下において、送風機の送風量を最適に制御できるよ
うにしたので、圧縮機の動力制限に伴う空調能力不足を
送風機送風量の増加で適切に補うことが可能になり、動
力制限下においても快適な空調が可能になる。
【0047】また、発生している圧縮機動力現在値を認
識できるので、ドライバーの運転状況(スロットル開
度、エンジン回転数)に応じて、制限すべき圧縮機動力
を最適設定でき、空調への悪影響(空気温度の不安定、
能力不足)を最低限に抑えることができる。
【0048】さらに、発生している圧縮機動力現在値を
認識できるので、最適なエンジン制御が可能となる。ま
た、低冷房熱負荷でのアイドル回転数上昇や、低速平地
運転時のエンジン回転数上昇が無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る車両用空調装置の全
体構成図である。
【図2】図1に示した車両用空調装置の制御ブロック図
である。
【図3】圧縮機の動力制限制御特性図である。
【図4】送風機の制御特性図である。
【図5】圧縮機の動力制限と送風機の制御を2段階で行
う場合の制御特性図である。
【図6】図1に示した車両用空調装置の別の制御ブロッ
ク図である。
【図7】図1に示した車両用空調装置のさらに別の制御
ブロック図である。
【図8】可変容量圧縮機の特性図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 2 通風ダクト 3 内外気切替ダンパ 4 外気導入口 6 送風機 7 室内熱交換器としての蒸発器 8 加熱器としての温水ヒータ 9 エアミックスダンパアクチュエータ 10 エアミックスダンパ 17 冷媒回路 18 可変容量圧縮機 19 凝縮器 20 受液器 21 膨張弁 22 メインコントローラ 23 車内温度設定器 24 送風機電圧コントローラ 25 車室内温度センサ 26 日射センサ 27 外気温度センサ 28 エンジンECU
フロントページの続き (72)発明者 亀井 聡 群馬県伊勢崎市寿町20番地 サンデン株式 会社内 Fターム(参考) 3H045 AA09 AA10 AA12 AA26 AA27 BA12 BA28 BA31 CA02 CA06 CA09 CA12 CA21 CA23 CA24 CA29 CA30 DA03 DA05 DA15 DA41 DA47 EA38 3L011 AU02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内に開口するダクト内に、空気を送
    風する送風機と、送風される空気を冷却または加熱する
    室内熱交換器を有し、該室内熱交換器と冷媒配管により
    接続され、室内熱交換器との間で循環される冷媒を圧縮
    し、圧縮する冷媒の吐出量を変化させることのできる可
    変容量圧縮機と、該可変容量の吐出量を操作する容量制
    御手段を有する蒸気圧縮式冷凍サイクルまたは/および
    蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルを備えているととも
    に、前記送風機の送風量を調節する送風量調節手段を備
    えた車両用空調装置において、車両推進用原動機から空
    調装置側の供給される動力の制限値を演算する動力制限
    値演算手段を備え、該動力制限値演算手段により演算さ
    れた動力制限値に基づいて、空調装置側の動力が制限さ
    れる場合とされない場合の前記送風機の送風量をそれぞ
    れ演算する送風機送風量演算手段を有するとともに、少
    なくとも該送風機送風量演算手段により演算された送風
    量の情報を前記圧縮機の制御に用いることを特徴とする
    車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記圧縮機の動力を推定する圧縮機動力
    推定手段を有し、前記空調装置側の動力が制限される場
    合とされない場合の圧縮機動力を演算する圧縮機動力演
    算手段を各々有し、前記容量制御手段には選択された圧
    縮機動力制御信号が送られることを特徴とする、請求項
    1の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記圧縮機動力演算手段における圧縮機
    の動力が制限される場合の圧縮機動力制限制御値は、前
    記圧縮機動力推定手段による圧縮機動力推定値と前記動
    力制限値演算手段による動力制限値との差に基づいて演
    算される、請求項2の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記圧縮機動力演算手段における圧縮機
    の動力が制限される場合の圧縮機動力制限制御値は、前
    記圧縮機動力推定手段による圧縮機動力推定値と前記動
    力制限値演算手段による動力制限値との差に基づいて演
    算されるとともに、前回の制御値から一定値を圧縮機容
    量が低くなる方向に減算することにより演算される、請
    求項2の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記圧縮機動力演算手段における圧縮機
    の動力が制限される場合の圧縮機動力制限制御値は、前
    記圧縮機動力推定手段による圧縮機動力推定値と前記動
    力制限値演算手段による動力制限値との差に基づいて演
    算されるとともに、圧縮機の吐出冷媒圧力を検知または
    推定する吐出圧力認識手段と、前記送風機送風量演算手
    段と、前記室内熱交換器入口空気温度を検知または推定
    する室内熱交換器入口空気温度認識手段と、車両推進用
    原動機の回転数検出手段と、前記圧縮機動力演算手段か
    ら得られる各情報に基づいて演算される、請求項2の車
    両用空調装置。
  6. 【請求項6】 空調装置側の動力が制限される場合に、
    前記送風機の送風量が増加される、請求項1ないし5の
    いずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮機動力演算手段における圧縮機
    の動力が制限される場合に、前記送風機の送風量が増加
    される、請求項6の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 空調装置側の動力が制限される場合に、
    第1段階で圧縮機の動力が制限され、第2段階で圧縮機
    の動力が制限されるとともに送風機の送風量が増加され
    る、請求項1ないし7のいずれかに記載の車両用空調装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6889445B1 (en) * 2004-01-06 2005-05-10 Sunbeam Products, Inc. Multi-wattage blow dryer with user inaccessible power selector
CN106765525A (zh) * 2016-12-16 2017-05-31 广东美的暖通设备有限公司 外机的流路控制系统、定速风冷热泵机组及其控制方法
CN112440686A (zh) * 2019-08-27 2021-03-05 北汽福田汽车股份有限公司 用于电子设备的恒风量控制方法、装置和车辆
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