JP2001118033A - カード用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】枠体１４に挿入された状態のカード１０を抜き
取り方向に押圧移動させることができ、しかも設計上の
自由度の高いカード用コネクタを提供する。 【解決手段】曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に伸びな
いチューブ３２に、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に
縮まない可撓性線部材３０を長さ方向に移動自在に嵌挿
する。可撓性線部材３０の一端面が、枠体１４に挿入さ
れた状態のカード１０の挿入側の先端面に臨んで挿入抜
き取り方向に移動自在となるように、チューブ３２の一
端部を枠体１４に固定する。可撓性線部材３０をバネ部
材４２で弾性付勢する。可撓性線部材３０の他端側をバ
ネ部材４２の弾力に抗してチューブ３２に押し込む操作
により、可撓性線部材３０の一端面が挿入された状態の
カード１０の先端面を押圧して、これを抜き取り方向に
押圧移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、挿入された状態に
あるカードを抜き取り方向に押圧移動させるようにした
カード用コネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】デジタルカメラやデジタルビデオが、近
年著しく普及しつつある。かかる機器のデジタルデータ
の記憶装置の一例として、一般的にメモリースティクと
称される全体が絶縁樹脂で覆われていて可動部のない比
較的に薄い厚さの板状のほぼ矩形直方体の固体のカード
が普及している。そして、このカードは、その挿入方向
の先端側の幅広の一側面に複数の端子が設けられてい
る。なお、各端子はカード内に設けられた固体メモリー
回路などに適宜に電気的接続されていることは勿論であ
る。

【０００３】かかる外形をしたカードの従来のカード用
コネクタの構造の一例は、回路基板に絶縁材からなる枠
体が固定配設され、この枠体にカードが端子側を挿入先
端側としまた回路基板側に向けて挿入抜き取り自在に構
成される。そして、回路基板に、挿入されたカードの各
端子に弾接するように、接続端子としての導電バネ部材
が回路基板に半田付けなどにより固定されるとともに適
宜な回路に電気的接続される。そこで、枠体に挿入され
たカードは、その各端子が、導電バネ部材を介して回路
基板の適宜な回路に電気的接続される。

【０００４】そして、枠体に挿入されたカードを抜き取
り方向に押圧移動させるためのエジェクト機構を有する
ものがある。その一例としては、挿入された状態のカー
ドの先端面に一端部を臨ませて揺動自在のレバーを枠体
に設け、このレバーの他端部を押圧するように操作桿が
カードの挿入抜き取り方向に直線的に移動自在でしかも
カードの挿入口に近接させて設けられている。そして、
この操作桿の押し込み操作によりレバーが揺動され、そ
の一端部がカードの先端面を押圧して抜き取り方向に移
動させる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来のカード用
コネクタのエジェクタ機構の一例にあっては、所望の剛
性を有する操作桿を挿入抜き取り方向に移動自在に配設
するので、設計上の自由度が少ない。そして、操作桿に
設けられる操作ボタンは、カードの挿入口の近くの枠体
に設けられ、デザイン上の制約も多いものであった。ま
た、操作桿を挿入方向に押し込む操作をレバーでカード
の抜き取り方向の動作に変換するので、構造が複雑であ
り、それだけ故障を生じ易い。

【０００６】本発明は、上述の従来技術の事情に鑑みて
なされたもので、可撓性線部材を用いて設計上の自由度
が高いエジェクト機構を有するカード用コネクタを提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明のカード用コネクタは、枠体に、端子を有
するカードを挿入抜き取り自在とし、挿入された状態で
前記カードの前記端子に対応する接続端子が当接するカ
ード用コネクタであって、曲げ方向に可撓性を有し長さ
方向に伸びないチューブに、曲げ方向に可撓性を有し長
さ方向に縮まない可撓性線部材を長さ方向に移動自在に
嵌挿し、この可撓性線部材の一端面が前記挿入された状
態のカードの先端面に臨んで前記挿入抜き取り方向に移
動自在となるように前記チューブの一端部を前記枠体に
固定し、前記可撓性線部材の他端側を前記チューブに押
し込む操作により前記可撓性線部材の一端面で前記挿入
された状態のカードを抜き取り方向に押圧移動するよう
に構成されている。

【０００８】また、枠体に、端子を有するカードを挿入
抜き取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記
端子に対応する接続端子が当接するカード用コネクタで
あって、前記枠体に曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に
縮まない可撓性線部材を挿入するガイドを設け、このガ
イドにより前記可撓性線部材を、その一端面が前記挿入
された状態のカードの先端面に臨んで前記挿入抜き取り
方向に移動自在であるとともにその他端部が移動自在で
しかもその中間部が座屈せずに長さ方向に移動自在とな
るようにし、前記可撓性線部材の他端側を押し込む操作
により前記可撓性線部材の一端面で前記挿入された状態
のカードを抜き取り方向に押圧移動するように構成され
ても良い。

【０００９】また、枠体に、端子を有するカードを挿入
抜き取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記
端子に対応する接続端子が当接するカード用コネクタで
あって、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に伸びないチ
ューブに、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に縮まない
可撓性線部材を長さ方向に移動自在に嵌挿し、前記挿入
された状態のカードの先端部に臨んでこれを抜き取り方
向に押圧する押圧機構を前記枠体に付設し、前記可撓性
線部材の一端面または一端部を前記押圧機構に臨ませま
たは連結し、前記可撓性線部材の一端面または一端部の
突出動作により前記押圧機構が前記カードを抜き取り方
向に押圧移動するように前記チューブの一端部を前記枠
体に固定し、前記可撓性線部材の他端側を前記チューブ
に押し込む操作により前記押圧機構で挿入された前記カ
ードを抜き取り方向に押圧移動するように構成されても
良い。

【００１０】また、枠体に、端子を有するカードを挿入
抜き取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記
端子に対応する接続端子が当接するカード用コネクタで
あって、前記挿入された状態のカードの先端部に臨んで
これを抜き取り方向に押圧移動する押圧機構を前記枠体
に付設し、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に縮まない
可撓性線部材の一端面または一端部を前記押圧機構に臨
ませまたは連結し、前記可撓性線部材の一端面または一
端部の突出動作により前記押圧機構が前記カードを抜き
取り方向に押圧移動するようになし、前記枠体に、前記
可撓性線部材を挿入するガイドを設け、このガイドによ
り前記可撓性線部材を、その一端部が前記押圧機構を押
圧動作させる方向に移動自在であるとともにその他端側
が移動自在でしかもその中間部が座屈せずに長さ方向に
移動自在とし、前記可撓性線部材の他端側を押し込む操
作により前記押圧機構が前記挿入された状態のカードを
抜き取り方向に押圧移動するように構成されても良い。

【００１１】そして、前記可撓性線部材の他端側が前記
カードの挿入口の近くで前記挿入抜き取り方向に移動自
在となるように構成することもできる。

【００１２】そしてまた、前記可撓性線部材の一端側に
可撓性のない押圧側シャフトを長さ方向に連結し、この
押圧側シャフトをその長さ方向に移動自在とする押圧側
ガイドを前記チューブまたは前記枠体に設け、前記押圧
側シャフトの先端面を前記挿入された状態のカードの先
端面に臨ませ、または前記押圧側シャフトの先端面また
は先端部を前記押圧機構に臨ませまたは連結して構成す
ることもできる。

【００１３】そしてまた、前記可撓性線部材の他端側に
可撓性のない操作側シャフトを長さ方向に連結し、この
操作側シャフトをその長さ方向に移動自在とする操作側
ガイドを前記チューブまたは前記枠体に設けて構成する
こともできる。

【００１４】そしてまた、前記可撓性線部材または前記
押圧側シャフトまたは前記操作側シャフトを前記カード
を抜き取る操作により移動する方向と反対側に弾性付勢
するバネ部材を設けて構成することもできる。

【００１５】そしてまた、前記可撓性線部材を一重また
は巻き方向を違えた二重の密着巻コイルスプリングで構
成することもできる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１実施例を図１
ないし図４を参照して説明する。図１は、本発明のカー
ド用コネクタの第１実施例の外観図であり、（ａ）は平
面図であり、（ｂ）は側面図である。図２は、図１
（ａ）のＡ−Ａ断面矢視図である。図３は、カードの挿
入に伴う動作を説明する図である。図４は、エジェクト
機構を示す横断面図である。

【００１７】まず、カード１０は、全体が絶縁樹脂で覆
われ可動部のない比較的に薄い厚さの板状の略矩形直方
体の固体であり、幅広な一側面の先端側に複数の端子１
２、１２…が設けられている。そして、このカード１０
が、端子１２、１２…側を挿入先端側として枠体１４に
挿入抜き取り自在に構成される。この枠体１４のカード
１０を受け入れる挿入先端側に、カード１０の一側面と
平行であるとともに挿入方向に対して直角な揺動軸１６
により絶縁樹脂からなるシーソー部材１８が揺動自在に
配設される。このシーソー部材１８が回路基板２０に臨
むようにして、枠体１４が回路基板２０に固定される。
さらに、このシーソー部材１８の挿入先端側にカード１
０の先端部の挿入進路に向けて傾斜面１８ａとさらに挿
入進路を遮るように停止部１８ｂとが設けられる。ま
た、シーソー部材１８の挿入先端側と反対側の他端側
に、揺動軸１６と平行なピン２２により絶縁樹脂からな
る揺動部材２４が揺動自在に配設され、この揺動部材２
４にカード１０の端子１２、１２…に対応する接続端子
としてのスプリングコネクタ２６、２６…が設けられ
る。なお、シーソー部材１８は、挿入先端側の傾斜面１
８ａがカード１０の挿入進路を遮るとともに他端側の揺
動部材２４およびスプリングコネクタ２６、２６…がカ
ード１０の挿入進路を遮らないように偏寄させるべく、
バネ２８により弾性付勢されている。そして、スプリン
グコネクタ２６、２６…の一端部は常に回路基板２０の
図示しない端子に弾接して、これと電気的接続されてい
る。

【００１８】さらに、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向
に縮まない可撓性線部材３０が、曲げ方向に可撓性を有
し長さ方向に伸びないチューブ３２に長さ方向に移動自
在に嵌挿される。そして、可撓性線部材３０の一端部に
可撓性のない押圧側シャフト３４が長さ方向に連結さ
れ、また他端部に可撓性のない操作側シャフト３６が長
さ方向に連結される。そしてさらに、可撓性線部材３０
の一端側で、押圧側シャフト３４を長さ方向に移動自在
とする押圧側ガイド３８がチューブ３２の一端側に固定
される。そして、この押圧側シャフト３４の一端面が挿
入された状態にあるカード１０の先端面に臨んで挿入抜
き取り方向に移動自在となるように、押圧側ガイド３８
およびチューブ３２の一端部が枠体１４に固定される。
また、可撓性線部材３０の他端側で操作側シャフト３６
を長さ方向に移動自在とする操作側ガイド４０がチュー
ブ３２の他端側に固定されるとともに、この操作側ガイ
ド４０に内蔵されたバネ部材４２により操作側シャフト
３６がチューブ３２に押し込まれて移動するのと反対側
の方向に弾性付勢される。さらに、操作側シャフト３６
の先端側に、操作ボタン４４が固定される。そして、操
作側シャフト３６が挿入抜き取り方向に移動自在で、し
かも挿入口４６の近くで操作側ガイド４０およびチュー
ブ３２の他端部が枠体１４に固定される。

【００１９】ここで、可撓性線部材３０としては、一重
または巻き方向を違えた二重の密着巻コイルスプリング
や可撓性を有する金属線の単線または撚り線や可撓性を
有する樹脂材からなる線材などであるが、曲げ方向に可
撓性があり長さ方向に縮まずしかも座屈し難いものであ
れば、いかなるものであっても良い。また、チューブ３
２としては、金属線や人工繊維などの筒状の編組物や可
撓性のある樹脂からなる筒部材や密着巻コイルスプリン
グなどであるが、曲げ方向に可撓性があり長さ方向に伸
びない筒状体であればいかなるものであっても良い。な
お、チューブ３２として用いる密着巻コイルスプリング
は、可撓性線部材３０を押し込む操作によりチューブ３
２が長さ方向に伸びないだけの相対的に大きな弾力を有
するものであれば良く、一重または巻き方向を違えた二
重のいずれであっても良い。

【００２０】かかる構成において、カード１０を挿入す
るとその先端面が、まずシーソー部材１８の傾斜面１８
ａに当接して楔効果によりシーソー部材１８をバネ２８
の弾力に抗して揺動させ、さらなる挿入によりシーソー
部材１８の停止部１８ｂに当接して、挿入が規制され
る。そして、このシーソー部材１８の揺動により、揺動
部材２４がカード１０に近づく方向に移動されてスプリ
ングコネクタ２６、２６…がカード１０の端子１２、１
２…に弾接される。ここで、スプリングコネクタ２６、
２６…は、回路基板２０にも弾接した状態にある。そこ
で、カード１０の端子１２、１２…はこのスプリングコ
ネクタ２６、２６…を介して回路基板２０の端子に電気
的接続される。

【００２１】このカード１０が挿入された状態で、操作
ボタン４４を押し込み操作すると、可撓性線部材３０が
チューブ３２に対して長さ方向に相対的に移動され押圧
側シャフト３４が抜き取り方向に突出動作され、カード
１０が抜き取り方向に押圧移動される。ここで、可撓性
線部材３０はチューブ３２の規制により座屈することが
なく、また押圧側シャフト３４および操作側シャフト３
６は可撓性がなく長さ方向にのみ移動自在であるので、
操作ボタン４４を押し込む操作量がそのまま押圧側シャ
フト３４の抜き取り方向への突出量となる。そこで、適
宜に設計することで、カード１０をエジェクトする際の
カード１０の抜き取り方向への押圧移動量を適宜に大き
く設定することもでき、その押圧移動量が何ら制約され
ることがない。しかも、簡単な機構であり、故障を生ず
る虞もない。さらに、操作ボタン４４の押し込み操作の
方向が、カード１０の挿入抜き取り方向と一致していな
くても良い。そこで、第１実施例にあっては、その設計
上の自由度が極めて高い。

【００２２】ところで、上記した本発明の第１実施例に
あっては、チューブ３２に対して可撓性線部材３０を長
さ方向に相対的に移動するように押し込み操作できれ
ば、押圧側シャフト３４を突出動作させてカード１０を
押圧移動させることができる。そこで、かかる観点から
さらに発展させた本発明の第２実施例を図５を参照して
説明する。図５は、本発明のカード用コネクタの第２実
施例のエジェクト機構を示す横断面図である。図５に示
す第２実施例では、操作側ガイド４０を枠体１４に代え
て、一例として枠体１４が固定される筐体５０に操作側
ガイド４０が固定されている。

【００２３】この第２実施例では、操作ボタン４４を配
設する位置は、枠体１４の挿入口４６の近くでなくても
良く、また操作側シャフト３６は挿入抜き取り方向に押
し込み操作されなくても良い。そこで、第２実施例で
は、設計上の自由度がより高ものとなり、またデザイン
上の自由度も高く、操作ボタン４４を本発明のカード用
コネクタが設けられる筐体５０の任意の位置に配設する
ことが可能である。

【００２４】さらに、本発明の第３実施例を図６を参照
して説明する。図６は、本発明のカード用コネクタの第
３実施例のエジェクト機構を示す横断面図である。図６
に示す第３実施例では、第１実施例における可撓性線部
材３０が、枠体１４に設けたガイド５２に挿入され、そ
のガイド５２の長さ方向に移動自在とされる。ここで、
ガイド５２により、可撓性線部材３０は、その一端部に
連結した押圧側シャフト３４の先端面が挿入された状態
のカード１０の先端面に臨んで挿入抜き取り方向に移動
自在であるとともに他端部に連結した操作側シャフト３
６が挿入口４６の近くで挿入抜き取り方向に移動自在
で、しかもその中間部が座屈せずに長さ方向に移動自在
となされる。かかるガイド５２は、例えば、枠体１４を
上下に２分割して形成し、下部分に可撓性線部材３０が
挿入できる溝状部を形成し、これに上部分を被せて溝状
部を塞ぐことで容易に構成することができる。そして、
押圧側シャフト３４および操作側シャフト３６を長さ方
向に移動自在とするための押圧側ガイド３８および操作
側ガイド４０に相当する部分が枠体１４自体で形成され
ている。かかる第３実施例では、部品点数が少なくその
組み立てが簡単であり、また構造が簡単なために故障を
発生することがない。

【００２５】またさらに、本発明の第４実施例を図７を
参照して説明する。図７は、本発明のカード用コネクタ
の第４実施例のエジェクト機構を示す横断面図である。
図７に示す第４実施例では、第１実施例における押圧側
シャフト３４および操作側シャフト３６が省かれ、可撓
性線部材３０の一端面が直接カード１０の先端面に臨ん
でこれに当接するようになされ、他端部に操作ボタン４
４が直接設けられている。そして、押圧側ガイド３８お
よび操作側ガイド４０により可撓性線部材３０の両端部
が長さ方向に移動するようにガイドされる。さらに、操
作側ガイド４０内で可撓性線部材３０にリング５４が固
定され、このリング５４にバネ部材４２の一端が当接し
た状態で縮設されて可撓性線部材３０が弾性付勢され
る。この第４実施例では、可撓性線部材３０を比較的に
座屈に強い樹脂線材などを用いることで、押圧側シャフ
ト３４と操作側シャフト３６を省くことができるように
したものである。そして、この第４実施例では、部品点
数が少なく、構造も簡単であり、それだけ量産に好適で
ある。

【００２６】さらにそして、本発明の第５実施例を図８
を参照して説明する。図８は、本発明のカード用コネク
タの第５実施例のエジェクト機構を示す横断面図であ
る。図８に示す第５実施例において、第２実施例と相違
する点は以下の通りである。まず、枠体１４のカード１
０の挿入先端側に、カード１０の幅広面に直交するレバ
ー用ピン６０によりカード１０の幅広面と平行な面内で
揺動する揺動レバー６２が揺動自在に配設され、この揺
動レバー６２の揺動によりその一端部が挿入されている
カード１０の先端面に当接してこれを抜き取り方向に押
圧移動させるようになされている。さらに、この揺動レ
バー６２の他端部に臨ませて押圧側シャフト３４が枠体
１４に配設され、この押圧側シャフト３４の突出動作に
より、揺動レバー６２が揺動されてカード１０が抜き取
り方向に押圧移動されるように構成される。ここで、レ
バー用ピン６０と揺動レバー６２により、可撓性線部材
３０の突出動作によりカード１０を抜き取り方向に押圧
移動させる押圧機構が構成されている。

【００２７】かかる構成において、枠体１４にカード１
０が挿入された状態で、操作ボタン４４を押し込み操作
すると、押圧側シャフト３４が突出し、この突出動作に
より押圧機構によりカード１０が抜き取り方向に押圧移
動される。そして、この第５実施例にあっては、操作ボ
タン４４の押し込み操作を揺動レバー６２の揺動操作に
変換するのに可撓性線部材３０とチューブ３２を用いて
おり、操作ボタン４４の配設位置が何ら制約されず、設
計上の自由度が高い。

【００２８】そしてさらに、本発明の第６実施例を図９
を参照して説明する。図９は、本発明のカード用コネク
タの第６実施例のエジェクト機構を示す横断面図であ
る。図９に示す第６実施例において、第４実施例と相違
する点は以下の通りである。まず、枠体１４のカード１
０の挿入先端側に、挿入方向と直交する方向に移動自在
な楔部材７０が配設され、この楔部材７０の突出により
そのテーパー面７０ａによる楔効果によりカード１０は
抜き取り方向への力を受けて押圧移動される。そして、
可撓性線部材３０の一端部が楔部材７０に連結される。
ここで、枠体１４に挿入抜き取り方向と直交する方向に
移動自在な楔部材７０により、可撓性線部材３０の突出
動作によりカード１０を抜き取り方向に押圧移動させる
押圧機構が構成されている。

【００２９】かかる構成において、枠体１４にカード１
０が挿入された状態で、操作ボタン４４を押し込み操作
することで、可撓性線部材３０がチューブ３２に対して
長さ方向に相対的に移動され、その一端部が突出する動
作により押圧機構によりカード１０が抜き取り方向に押
圧移動される。そして、この第６実施例にあっても、第
５実施例と同様に、操作ボタン４４の配設位置が任意で
あって、設計上の自由度が高い。また、押圧機構を動作
させるために押圧する方向を制限されずに設計すること
ができ、押圧機構の設計自体も自由度が極めて高い。

【００３０】なお、上記実施例にあっては、カード１０
の挿入に伴い端子１２、１２…に接続端子としてのスプ
リングコネクタ２６、２６…が当接するようになされて
いるが、これに限られず、端子１２、１２…に回路基板
２０に固定された接続端子としての導電バネ部材が当接
するものであっても良い。また、上記実施例では、可撓
性線部材３０を押し込み操作する他端側にバネ部材４２
が設けられているが、これに限られず、可撓性線部材３
０の一端側または中間部で弾性付勢しても良い。そし
て、第５および第６実施例では、押圧機構に弾性付勢し
ても良い。さらには、可撓性線部材３０が押込操作され
るのと反対側の方向に弾性付勢されていなくても良い。
そしてまた、第１ないし第３実施例では、可撓性線部材
３０の両端に押圧側シャフト３４と操作側シャフト３６
をそれぞれに設け、または第４実施例では可撓性線部材
３０の両端ともに押圧側シャフト３４と操作側シャフト
３６が設けられていないが、これに限られず、可撓性線
部材３０の片側端に押圧側シャフト３４または操作側シ
ャフト３６のいずれか一つが設けられていても良い。さ
らに、第５および第６実施例において、可撓性線部材３
０が第３実施例のごとく、枠体１４に設けられたガイド
５２に挿入されて座屈することなしにその長さ方向に移
動自在とされても良い。さらにまた、第５および第６実
施例の押圧機構は、上記実施例に限られず、可撓性線部
材３０の一端部の突出動作によりカード１０を抜き取り
方向に押圧移動させるならばいかなる機構であっても良
いことは勿論である。そして、この押圧機構は、可撓性
線部材３０または押圧側シャフト３４の突出動作で、挿
入された状態のカード１０の先端面の広い範囲を同時に
押圧するようにした押圧機構であっても良い。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のカード用
コネクタは構成されているので、以下のごとき格別な効
果を奏する。

【００３２】請求項１記載のカード用コネクタにあって
は、可撓性を有する可撓性線部材とチューブを介して、
押し込み操作により挿入された状態のカードを抜き取り
方向に押圧移動させるので、その構造が簡単であり、ま
た押し込み操作量と同じだけカードを押圧移動させるこ
とができ、さらに押し込み操作する位置が何ら制限され
ず、設計上の自由度が極めて高い。

【００３３】請求項２記載のカード用コネクタにあって
は、可撓性線部材とこれを枠体に設けたガイドに挿入し
て座屈することなしに長さ方向に移動自在とし、押し込
み操作により挿入された状態のカードを抜き取り方向に
押圧移動させるので、請求項１記載のカード用コネクタ
と同様に、その構造が簡単でまた操作する位置の制約も
なく設計上の自由度が高い。しかも請求項１記載のカー
ド用コネクタよりも部品点数が少なく、それだけ量産に
好適である。

【００３４】請求項３および４記載のいずれのカード用
コネクタにあっても、挿入された状態のカードを抜き取
り方向に押圧移動させるための押圧機構を可撓性線部材
の突出動作により行うので、押圧機構を可撓性線部材で
押圧する方向および可撓性線部材を押し込み操作する位
置のいずれもが制約されず、設計上の自由度が極めて高
い。

【００３５】請求項５記載のカード用コネクタにあって
は、押し込み操作する位置をカードの挿入口の近くの枠
体に固定するので、従前の操作桿を用いるものと同様な
外観とすることができ、しかもその構造は従来のものに
比較してより簡単である。

【００３６】請求項６および７記載のいずれのカード用
コネクタにあっても、可撓性線部材の端部に押圧側シャ
フトまたは操作側シャフトを長さ方向に連結し、しかも
これらを長さ方向に移動自在とする押圧側ガイドまたは
操作側ガイドを設けているので、可撓性線部材の端部が
横方向に曲がったり座屈するよなことがない。

【００３７】請求項８記載のカード用コネクタにあって
は、可撓性線部材の押し込み操作による移動方向と反対
側の方向にバネ部材で弾性付勢するので、押し込み操作
している間以外では可撓性線部材は押し込み操作により
移動する方向と反対側に偏寄されており、カードを枠体
に挿入させる際に、同時に可撓性線部材を長さ方向に移
動させる必要がなく、それだけ小さな力でカードを枠体
に挿入させることができる。

【００３８】請求項９記載のカード用コネクタにあって
は、可撓性線部材を密着巻コイルスプリングで構成した
ので、曲げ方向の可撓性に優れしかも長さ方向に縮むこ
とがない。特に、巻き方向を違えた二重の密着巻きとす
るならば、曲げ方向の可撓性に富んでいながら屈折され
にくく、可撓性線部材の座屈による故障を生じることが
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカード用コネクタの第１実施例の外観
図であり、（ａ）は平面図であり、（ｂ）は側面図であ
る。

【図２】図１（ａ）のＡ−Ａ断面矢視図である。

【図３】カードの挿入に伴う動作を説明する図である。

【図４】エジェクト機構を示す横断面図である。

【図５】本発明のカード用コネクタの第２実施例のエジ
ェクト機構を示す横断面図である。

【図６】本発明のカード用コネクタの第３実施例のエジ
ェクト機構を示す横断面図である。

【図７】本発明のカード用コネクタの第４実施例のエジ
ェクト機構を示す横断面図である。

【図８】本発明のカード用コネクタの第５実施例のエジ
ェクト機構を示す横断面図である。

【図９】本発明のカード用コネクタの第６実施例のエジ
ェクト機構を示す横断面図である。

【符号の説明】

１０ カード １２ 端子 １４ 枠体 ２０ 回路基板 ２６ スプリングコネクタ ３０ 可撓性線部材 ３２ チューブ ３４ 押圧側シャフト ３６ 操作側シャフト ３８ 押圧側ガイド ４０ 操作側ガイド ４２ バネ部材 ４４ 操作ボタン ４６ 挿入口 ５０ 筐体 ５２ ガイド ６０ レバー用ピン ６２ 揺動レバー ７０ 楔部材 ７０ａ テーパー面

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5B058 CA03 CA13 KA12 YA20 5E021 FA05 FA11 FB16 FB18 FC05 FC31 FC32 HC36 HC37 5E023 AA04 AA16 AA21 AA30 BB01 BB19 BB22 CC22 DD19 DD25 EE16 FF07 GG02 GG15 HH17 HH22

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体に、端子を有するカードを挿入抜き
   取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記端子
   に対応する接続端子が当接するカード用コネクタであっ
   て、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に伸びないチュー
   ブに、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に縮まない可撓
   性線部材を長さ方向に移動自在に嵌挿し、この可撓性線
   部材の一端面が前記挿入された状態のカードの先端面に
   臨んで前記挿入抜き取り方向に移動自在となるように前
   記チューブの一端部を前記枠体に固定し、前記可撓性線
   部材の他端側を前記チューブに押し込む操作により前記
   可撓性線部材の一端面で前記挿入された状態のカードを
   抜き取り方向に押圧移動するように構成したことを特徴
   とするカード用コネクタ。
2. 【請求項２】 枠体に、端子を有するカードを挿入抜き
   取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記端子
   に対応する接続端子が当接するカード用コネクタであっ
   て、前記枠体に曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に縮ま
   ない可撓性線部材を挿入するガイドを設け、このガイド
   により前記可撓性線部材を、その一端面が前記挿入され
   た状態のカードの先端面に臨んで前記挿入抜き取り方向
   に移動自在であるとともにその他端部が移動自在でしか
   もその中間部が座屈せずに長さ方向に移動自在となるよ
   うにし、前記可撓性線部材の他端側を押し込む操作によ
   り前記可撓性線部材の一端面で前記挿入された状態のカ
   ードを抜き取り方向に押圧移動するように構成したこと
   を特徴とするカード用コネクタ。
3. 【請求項３】 枠体に、端子を有するカードを挿入抜き
   取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記端子
   に対応する接続端子が当接するカード用コネクタであっ
   て、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に伸びないチュー
   ブに、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に縮まない可撓
   性線部材を長さ方向に移動自在に嵌挿し、前記挿入され
   た状態のカードの先端部に臨んでこれを抜き取り方向に
   押圧する押圧機構を前記枠体に付設し、前記可撓性線部
   材の一端面または一端部を前記押圧機構に臨ませまたは
   連結し、前記可撓性線部材の一端面または一端部の突出
   動作により前記押圧機構が前記カードを抜き取り方向に
   押圧移動するように前記チューブの一端部を前記枠体に
   固定し、前記可撓性線部材の他端側を前記チューブに押
   し込む操作により前記押圧機構で挿入された前記カード
   を抜き取り方向に押圧移動するように構成したことを特
   徴とするカード用コネクタ。
4. 【請求項４】 枠体に、端子を有するカードを挿入抜き
   取り自在とし、挿入された状態で前記カードの前記端子
   に対応する接続端子が当接するカード用コネクタであっ
   て、前記挿入された状態のカードの先端部に臨んでこれ
   を抜き取り方向に押圧移動する押圧機構を前記枠体に付
   設し、曲げ方向に可撓性を有し長さ方向に縮まない可撓
   性線部材の一端面または一端部を前記押圧機構に臨ませ
   または連結し、前記可撓性線部材の一端面または一端部
   の突出動作により前記押圧機構が前記カードを抜き取り
   方向に押圧移動するようになし、前記枠体に、前記可撓
   性線部材を挿入するガイドを設け、このガイドにより前
   記可撓性線部材を、その一端部が前記押圧機構を押圧動
   作させる方向に移動自在であるとともにその他端側が移
   動自在でしかもその中間部が座屈せずに長さ方向に移動
   自在となるようにし、前記可撓性線部材の他端側を押し
   込む操作により前記押圧機構が前記挿入された状態のカ
   ードを抜き取り方向に押圧移動するように構成したこと
   を特徴とするカード用コネクタ。
5. 【請求項５】 請求項１ないし４記載のいずれかのカー
   ド用コネクタにおいて、前記可撓性線部材の他端側が前
   記カードの挿入口の近くで前記挿入抜き取り方向に移動
   自在となるように構成したことを特徴とするカード用コ
   ネクタ。
6. 【請求項６】 請求項１ないし５記載のいずれかのカー
   ド用コネクタにおいて、前記可撓性線部材の一端側に可
   撓性のない押圧側シャフトを長さ方向に連結し、この押
   圧側シャフトをその長さ方向に移動自在とする押圧側ガ
   イドを前記チューブまたは前記枠体に設け、前記押圧側
   シャフトの先端面を前記挿入された状態のカードの先端
   面に臨ませ、または前記押圧側シャフトの先端面または
   先端部を前記押圧機構に臨ませまたは連結して構成した
   ことを特徴とするカード用コネクタ。
7. 【請求項７】 請求項１ないし５記載のいずれかのカー
   ド用コネクタにおいて、前記可撓性線部材の他端側に可
   撓性のない操作側シャフトを長さ方向に連結し、この操
   作側シャフトをその長さ方向に移動自在とする操作側ガ
   イドを前記チューブまたは前記枠体に設けて構成したこ
   とを特徴とするカード用コネクタ。
8. 【請求項８】 請求項１ないし７記載のいずれかのカー
   ド用コネクタにおいて、前記可撓性線部材または前記押
   圧側シャフトまたは前記操作側シャフトを前記カードを
   抜き取る操作により移動する方向と反対側に弾性付勢す
   るバネ部材を設けて構成したことを特徴とするカード用
   コネクタ。
9. 【請求項９】 請求項１ないし８記載のいずれかのカー
   ド用コネクタにおいて、前記可撓性線部材を一重または
   巻き方向を違えた二重の密着巻コイルスプリングで構成
   したことを特徴とするカード用コネクタ。