JP2001117406A - 定着ロールおよび定着ロール製造方法 - Google Patents

定着ロールおよび定着ロール製造方法

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JP2001117406A
JP2001117406A JP30137199A JP30137199A JP2001117406A JP 2001117406 A JP2001117406 A JP 2001117406A JP 30137199 A JP30137199 A JP 30137199A JP 30137199 A JP30137199 A JP 30137199A JP 2001117406 A JP2001117406 A JP 2001117406A
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JP
Japan
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roll
fixing roll
elastic layer
surface layer
fixing
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JP30137199A
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English (en)
Inventor
Akira Sato
朗 佐藤
Masanobu Kudo
政信 工藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール幅全体に渡って均一なニップ形状を
もたらす定着ロールおよびそのような定着ロールを提供
する。 【解決手段】 コア1_1と、コア1_1上に形成さ
れ、連続曲面からなる円筒状の外周面を有し、その外周
面が、端部から測って軸方向に所定の長さLだけ離れた
位置から沈みはじめその端部の位置で厚み方向に所定の
深さhまでその軸方向を長軸とした楕円弧状の輪郭を描
いて沈む形状を有する弾性層1_2と、その弾性層1_
2上に形成されてなる表面層1_3とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた、トナーによって画像を形成する、複写機やプリン
タ等の画像形成装置に用いられるトナー像を定着する定
着ロールおよび定着ロールを製造する定着ロール製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、およびファク
シミリなどの電子写真方式を用いた画像形成装置は、感
光体、転写部、定着部などを有し、この感光体上にトナ
ー像が形成され、感光体上に形成されたトナー像が上記
転写部によって記録紙などの記録媒体に転写され、記録
媒体上に転写されたトナー像が上記定着部の定着ロール
によって押圧されながらその記録媒体に定着される。
【0003】この定着部の定着ロールは、例えば、ステ
ンレス、アルミニウムなどの金属で形成されたコアと、
そのコア上に形成された、シリコーンゴムなどからなる
弾性層と、その弾性層上に形成された、この弾性層を保
護するとともに高い離型性(汚非染性、非粘着性)を有
して定着ロールのトナーに対する付着力を弱める表面層
とからなる。一般に、この定着ロールの表面層は、上記
弾性層までが形成されたロールを回転させながらその弾
性層上に表面層を構成する材料からなる塗布液を塗布す
ることによって形成される。また、表面層の離型性をさ
らに向上させるためにこの表面層上にトナー離型オイル
が塗られることもある。
【0004】この定着ロールは、上記弾性層の表面が正
確に円筒状に形成されている場合には、この弾性層上に
表面層が形成される際に上記塗布液が自身の表面張力に
起因して弾性層の外周面の端にある角部を挟んではじき
あうため、弾性層がその角部において露出してしまう。
また、そのように露出した角部から上記トナー離型オイ
ルが浸透して弾性層が侵されるおそれがある。
【0005】このような弾性層の露出を解消するため
に、実公平7−50767にあるように、弾性層の上記
角部に相当する部分が上記角部に代わって小半径(1〜
2mm)の環状円弧面となるように形成された弾性層上
に表面層が形成された定着ロールが提案されている。こ
の定着ロールでは、角部がないので、弾性層の環状円弧
面を含む外周面が表面層に完全に覆われて外部に露出せ
ず、弾性層と表面層との間へのトナー離型オイルの浸透
が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この定着ロー
ルは、上記表面層の膜厚がロールの端部付近で増大して
ロールの外周面の水平線から盛上った状態となりやす
い。実は、この状態は、上記環状円弧面を持たない正確
に円筒形状に形成された弾性層を有する定着ロールにお
いても生ずる。単純に考えれば、弾性層が環状円弧面を
有する定着ロールでは、その環状円弧面の存在によって
上記表面層の膜厚の端部付近の増大が相殺されて表面層
の盛り上がりが抑制されるようにも思われる。しかし、
上述したようにこの定着ロールでも依然として表面層に
その盛り上がりは残る。また、単純に、弾性層の端部
に、端部が環状円弧面となっている場合よりもさらにロ
ール中心部に向かって深く沈むような変形をほどこせば
よいようにも思われる。しかし、このような変形を施し
た場合にも表面層の盛り上がりを抑制することは困難で
ある。
【0007】このように、表面層にロール両端部付近で
盛り上がりが生ずると、記録媒体と接する定着ロールの
ロール幅全体に渡るニップ領域の両端部分でニップ圧が
高くなるため、その記録媒体上に定着された画像に光沢
ムラが生じたり、定着ロールにより押圧された記録媒体
にしわが寄るなどの問題が生ずる。
【0008】本発明は、以上の事情に鑑み、ロール幅全
体に渡って均一なニップ形状をもたらす定着ロールおよ
びそのような定着ロールを製造する定着ロール製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の定着ロールは、表面にトナーを担持した記録媒体を
その記録媒体の少なくとも一方の面から押圧して、その
記録媒体上にそのトナーを定着させる定着ロールであっ
て、連続曲面からなる円筒状の外周面を有し、その外周
面が、端部から測って軸方向に所定の長さだけ離れた位
置から沈みはじめその端部の位置で厚み方向に所定の深
さまでその軸方向を長軸とした楕円弧状の輪郭を描いて
沈む形状を有する基体と、上記基体上に形成されてなる
表面層とを有するものであることを特徴とする。
【0010】上記本発明の定着ロールは、上記基体が、
上記所定の長さLと上記所定の深さhに対して、2h≦
L≦6hなる条件を満たすものであることが好ましい。
【0011】上記目的を達成する本発明の定着ロール製
造方法は、表面にトナーを担持した記録媒体をその記録
媒体の少なくとも一方の面から押圧して、その記録媒体
上にそのトナーを定着させる定着ロールを製造する定着
ロール製造方法であって、連続曲面からなる円筒状の外
周面を有し、その外周面が、端部から測って軸方向に所
定の長さだけ離れた位置から沈みはじめその端部の位置
で厚み方向に所定の深さまでその軸方向を長軸とした楕
円弧状の輪郭を描いて沈む形状を有する基体を形成する
基体形成工程と、上記基体上に形成されてなる表面層を
塗布によって形成する表面層形成工程とを有することを
特徴とする。
【0012】上記本発明の定着ロール製造方法は、上記
基体形成工程で形成された基体が、上記所定の長さLと
上記所定の深さhに対して、2h≦L≦6hなる条件を
満たすものであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0014】図1は、本実施形態の画像形成装置の概略
図である。
【0015】画像形成装置10は、 円筒状で矢印Aの方
向に循環的に移動する感光体11と、感光体11の表面
に隣接した、帯電器12、露光器13、現像器14、お
よび転写ロール16と、記録用紙を矢印Bの方向に給送
する給送路15と、記録用紙を矢印Cの方向に搬送する
搬送ベルト17と、加熱ロール1および加圧ロール2か
らなる定着器20とを備える。
【0016】感光体11は、帯電器12によって表面が
一様に帯電され、帯電された感光体11の表面は、露光
器13によりレーザ照射されて除電されることにより静
電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体11の表
面の循環的な移動とともに感光体11と現像器14との
隣接する現像領域に移動しその現像領域で現像器14に
よってトナーが供給され、その静電潜像に応じたトナー
像が形成される。このトナー像は、感光体11の表面の
移動によって転写ロール16が配置された転写位置に到
り、また記録用紙が給送路15からその転写位置の感光
体11と転写ロール16との間に給送される。その転写
位置で、トナー像は、転写ロール16からトナー像のト
ナーとは逆極性の電界を印加されて静電的に記録用紙に
吸着され、記録用紙は、転写位置で転写ロール16によ
って感光体11表面に圧接されつつ、矢印Bおよび矢印
Cで表される流れの方向へ移動する。感光体11上のト
ナー像は、その方向への移動とともに記録用紙上に順次
吸着されて転写される。なお、この転写は、このように
感光体11上に形成されたトナー像を記録用紙へ直接転
写するものの他に、一旦トナー像の転写を受けてその転
写されたトナー像を記録用紙に転写する中間転写体を介
するものであってもよい。トナー像Tが転写された記録
用紙Pは搬送ベルト17によって定着器20に搬送され
る。
【0017】図2は、本実施形態の画像形成装置に用い
られる定着器の概要図である。
【0018】同図に示すように、本実施形態の画像形成
装置10に用いられる定着器20は、例えば、内部に熱
源を有する加熱ロール1とその加熱ロール1にニップ部
Nで接する加圧ロール2とからなっている。この加熱ロ
ール1が本発明の定着ロールに相当する。また、本実施
形態では、加圧ロール2は、熱源を除いて加熱ロール1
と同じ構造を有するものとし、このように加熱ロール1
と同じ構造を有した加圧ロール2は本発明の定着ロール
に相当する。この定着器20では、トナー像Tが転写さ
れた記録用紙Pが、上記2つのロールのニップ部Nでそ
れらの2つのロールによって挟まれて加圧される。ここ
では、トナー像Tは、このように加圧される際に上記加
熱ロール1と接触し、記録用紙Pとともに加熱ロール1
によって加熱される。トナー像Tが転写された記録用紙
Pは、このように加圧および加熱されながら加熱ロール
1の矢印Aの方向への回転および加圧ロール2の矢印B
の方向への回転により1方向に搬送され、トナー像Tの
全体が記録用紙Pに定着される。
【0019】本実施形態の画像形成装置10に用いられ
る定着器20は、加熱ロール1と加圧ロール2の配置が
逆のものであってもよく、加圧ロール2が熱源を有する
ものであってもよい。また、この定着器20は、上述し
たように互いに接する2つのロールからなるものに限ら
れるものではなく、例えば、これらの2つのロールのう
ちの1つをベルトに置き換えたものであってもよい。
【0020】上記加熱ロール1は、同図に示すように、
ステンレス、アルミニウムといった金属などで形成され
た、円柱状の外形を有するコア1_1と、このコア1_
1上に形成されて加熱ロール1に弾性を持たせるシリコ
ーンゴムなどからなる弾性層1_2と、その弾性層1_
2上に形成されてこの弾性層1_2を保護するとともに
高い離型性を有して加熱ロール1上へのトナーの付着力
を弱める表面層1_3とからなるものである。ここで、
コア1_1およびこのコア1_1上に形成された弾性層
1_2が、本発明にいう基体に相当する。なお、コア1
_1上に直接表面層1_3を形成する場合も考えられ、
この場合には、コア1_1が本発明にいう基体に相当す
る。上述したように、加圧ロール2も、内部の熱源の有
無を除いて、加熱ロール1と同じ構造を有する。以下で
は、加熱ロール1および加圧ロール2の構造について説
明する場合には、これらの加熱ロール1および加圧ロー
ル2を定着ロールと総称する。
【0021】以下に、この定着ロールの構造の詳細につ
いて、定着ロールの側断面図や製造方法を交えながら説
明する。
【0022】図3は、本実施形態の定着ロールの端部付
近の側断面図である。
【0023】同図に示すように、コア1_1の外周面上
に弾性層1_2が形成されている。この弾性層1_2
は、まず、円筒形状となるように型成形され、次に、こ
のように型成形された円筒形状の外周面の端の角部が円
筒研削法によって研削されて連続曲線部1_2bとなっ
たものである。この連続曲線部1_2bは上記円筒形状
の外周面のうち研削されなかった部分と連続的につなが
って、この連続曲線部1_2bを含む外周面1_2aを
形成する。この弾性層1_2上には、上記表面層1_3
が形成される。この表面層1_3を形成する様子を図4
に示す。
【0024】図4は、定着ロールの表面層を形成する様
子を示す図である。
【0025】図4(A)に示すように、コア上1_1に
弾性層1_2までが形成された被塗布ロール1’が、モ
ータ111によって方向Dに回転されながら、支持部1
12によってその被塗布ロールの軸が水平から0.4度
程度の小さな傾きを保つように保持される。その被塗布
ロール1’は、塗布液槽113中のフッ素ゴムを溶媒に
溶かした塗布液1_3’に低速で降下させ被塗布ロール
1’の外周面1_2aを浸す横ディップ方式で塗布液1
_3’が塗布される。その後、図4(B)に示すように
低速で上昇させて被塗布ロール1’上に塗布された塗布
液1_3’を乾燥させることにより、表面層1_3が形
成される。
【0026】図5、図6は、定着ロールの連続曲線部付
近の拡大図である。
【0027】図5には、図3の側面図における連続曲線
部1_2b部分付近が示される。
【0028】図5に示すように、連続曲線部1_2b
は、上記型成形により形成された円筒形状の外周面の、
その外周面の端部に相当する部分から測ってその円筒の
軸方向に所定の長さLだけ離れた始点位置Iから沈みは
じめ、上記端部の位置で厚み方向に所定の深さhの終点
位置Fまで、その軸方向を長軸とした楕円弧状の輪郭を
描いて沈む形状となっている。上記連続曲線部1_2b
は、この終点位置Fでロールの軸と交わる環状端面1c
とつながる。ここでは、この終点位置Fは、ちょうどコ
ア1_1と弾性層1_2との境界上に位置しているが、
弾性層1_2の表面上に位置してもよい。また、この終
点位置Fは、上記連続曲線部1_2bの形成が困難にな
るという欠点に目をつむるならば、この連続曲線部1_
2bの一部がコア1_1表面に続いて、コア1_1の表
面上に位置してもよい。
【0029】図5には、また、このような連続曲線部1
_2bを有する弾性層1_2上に上記横ディップ方式で
塗布された表面層1_3が示されている。この表面層1
_3は、上記弾性層1_2の外周面1_2aのうちの上
記連続曲線部1_2b付近以外の部分の上で所定の厚さ
tで積層される。さらに、この表面層1_3は、この連
続曲線部1_2b付近の上でもほぼ厚さtで積層され
る。後に実施例で詳しく述べるように、本実施形態の定
着ロールは、この表面層が、表面層1_3の表面をロー
ル軸方向に延びる線Hから飛び出して盛り上がることが
ほとんどない平滑なものとなるように形成することがで
きる。
【0030】図6には、図5に示す定着ロールとは、異
なる型の定着ロールが示される。図6に示す定着ロール
は、コア1_1および弾性層1_2の厚みが小さいた
め、コア1_1および弾性層1_2を削るのではなく湾
曲するように変形させることにより、弾性層1_2の表
面の外周面において、上記図5に示す外周面1_2aと
同様に、ロールの軸方向を長軸とした楕円弧状の輪郭を
描いて沈む連続曲線部1_2bを含む形状を実現させて
いる。なお、図6に示す型の定着ロールでは、この定着
ロールの外周面1_2aが深さhまで沈んだ終点位置F
は、コア1_1と弾性層1_2との境界位置などではな
く、変形された弾性層1_2表面の端部に相当する。
【0031】この図5、図6に示すように、本実施形態
の定着ロールの連続曲線部1_2bは、ロールの軸方向
を長軸とした楕円弧状の輪郭を描く。この輪郭が、仮
に、従来の定着ロールと同様に円弧上の輪郭を描く場合
に弾性層上に形成された表面層の形状は上述した平滑な
形状とは異なる形状となる。
【0032】図7は、従来の定着ロールの側断面図であ
る。
【0033】同図に示す従来の定着ロール101も、本
実施形態の定着ロールと同様に、コア101_1上に弾
性層101_2が形成され、さらに、この弾性層101
_2上に表面層101_3が上記横ディップ方式の塗布
によって形成されたものである。但し、この従来の定着
ロールの弾性層101_2は、図5に示す弾性層1_2
の連続曲面部101_2bが、上記連続曲面部1_2b
とは異なり、始点位置Iから終点位置Fにかけて円弧を
描くものとなっている。この弾性層101_2上に形成
された表面層101_3は、上記連続曲面部101_2
bから遠いロール外周面の中央部付近の位置では、ほぼ
一定の厚さを有する。しかし、この表面層101_3
は、その中央部付近の位置で例えば30μmの厚さを有
する場合にも、上記連続曲面部101_2bがロール中
心部へ沈み始める始点位置I付近で、表面層101_3
の表面がロール軸方向に延びる線H’から飛び出して6
0μm〜70μmの厚さとなって盛り上がってしまう。
また、このような表面層101_3の盛り上がりは、弾
性層101_2が上記連続曲面部101_2bを全く持
たず、正確に円筒形状に形成された定着ロールにおいて
も生ずる。
【0034】このように、表面層101_3の両端部付
近に盛り上がりが生ずる従来の定着ロールが、仮に、上
述した画像形成装置10の加熱ロール1あるいは加圧ロ
ール2の代わりに用いられたとすると、記録用紙Pと接
するその定着ロールのロール幅全体に渡るニップ領域の
両端部分においてニップ圧が高くなるため、その記録用
紙P上に定着された画像に光沢ムラが生じたり、定着ロ
ールにより押圧された記録用紙Pにしわが寄ったりす
る。
【0035】単純に考えると、表面層101_3の盛り
上がりを防ぐためには、弾性層101_2の両端を削っ
てしまえばよいとも思われる。しかし、上記始点位置I
で弾性層101_2の表面が不連続になるように削って
しまうと、この始点位置I近傍に表面層101_3の材
料となる塗布液1_3’が集まってやはり表面層101
_3に盛り上がりが生ずる。また、始点位置Iで弾性層
101_2の表面が連続であるように削ったとしても、
上述したように、始点位置Iから終点位置Fまでが、円
弧を描くような連続曲面部101_2bでは、やはり、
始点位置Iの近傍に表面層101_3の材料となる塗布
液1_3’が集まってやはり表面層101_3に盛り上
がりが生ずる。
【0036】しかし、本実施形態の定着ロール1のよう
に、弾性層1_2の外周部1_2aの連続曲線部1_2
bが、始点位置Iから終点位置Fまで楕円弧状の輪郭を
描くように形成されることによって、しかも厚み方向に
長軸を有する深く沈むタイプの楕円弧状の輪郭ではな
く、定着ロール1の軸方向に長軸を有するなだらかに沈
むタイプの楕円弧状の輪郭を描くように形成されること
によって、表面層1_3の盛り上がりが抑制される。
【0037】この楕円弧状の輪郭は、後に実施例に示す
ように、この楕円弧状の連続曲線部1_2bの長さL
が、上記深さhに対して、2h以上かつ6h以下である
という条件を満たすものであることが好ましい。
【0038】このような、弾性層1_2の表面形状によ
る表面層1_3の盛り上がりは、表面層1_3形成時の
被塗布ロール1’の回転に伴う遠心力、弾性層1_2と
表面層1_3との間に働く張力、および表面層1_3と
なる塗布液1_3’に働く表面張力の兼ね合いで決定さ
れ、上記連続曲線部1_2bの楕円弧状の形状によって
それらの力が調整されて上記表面層1_3の盛り上がり
が抑制されるものと考えられる。
【0039】なお、コア1_1上に直接表面層1_3を
形成した定着ロールも、このコア1_1が、本実施形態
の定着ロールの弾性層1_2の外周面1_2aが満たす
条件を満足する外周面を有することによって、本実施形
態の定着ロールと同じ作用効果を奏する。
【0040】本実施形態の定着ロールは、以上に述べた
ように、表面層1_3塗布時のロールの両端部付近それ
ぞれの盛上りを楕円上の連続曲線部1_2bが抑制し、
その両端部付近を含めた外周面1_2a全体が平滑に形
成される。本実施形態の定着ロールは、このように平滑
に形成された外周面1_2aを有することにより、定着
ロールの両端部付近を含め定着ロールのロール幅全体に
渡って均一なニップ形状を有するものとなる。
【0041】
【実施例】以下に本発明の定着ロールの実施例を示す。
【0042】本実施例では、図3で説明したように、ア
ルミニウムからなるコア1_1上に型形成によりシリコ
ーンゴムからなる弾性層1_2を形成した。この弾性層
1_2の外周面1_2aのうちの連続曲線部1_2b
は、円筒研削法によって形成された。
【0043】図8は、本実施例の定着ロールの弾性層に
おける連続曲線部の形状を示す図である。
【0044】同図に示すように、本実施例の定着ロール
の弾性層1_2における連続曲線部1_2bは、始点位
置Iから終点位置Fまで、長さLが5mm〜7mm、深
さhが2mm〜3mmの範囲の楕円弧状の形状を有す
る。このようにシリコーンゴムからなる弾性層1_2の
連続曲線部1_2bを研削によってなだらかな連続曲面
に形成する際、砥石のシリコーンゴムに対する送込みが
なだらかになるため弾性層1_2の厚み方向に対してス
トレスが少なく、弾性層1_2が欠けることはない。ま
た、上述した長さLおよび深さhを有する連続曲線部1
_2bは、砥石による自動研削によって無理の無いプロ
グラムで形成することが可能である。
【0045】この弾性層1_2の外周面1_2a上に、
上述した横ディップ方式の塗布法によって一定の膜厚で
表面層1_3を形成した。ここでの塗布に使用した塗布
液はメチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンを重
量比7:3で混合した溶媒にフッ素ゴム組成物を溶解し
たゴム溶液である。このフッ素ゴム組成物は、・フッ素
ゴム(昭和電工・デュボン社製VITON:E−60
C)100重量部・カーボンブラック(バンデルビルト
社製テルマックスMT)10重量部・酸化マグネシウム
(共和科学工業社製キョウワマグ#30)15重量部か
らなる。完成まで、塗布工程、焼成工程(230℃4時
間)、研磨工程を経て表面層1_3を形成した。
【0046】以上のように形成された定着ロールの、表
面層1_3のロール中央部付近の膜厚t(μm)、上記
連続曲線部1_2bの長さL(mm)、上記連続曲線部
1_2bの深さh(mm)、上記長さLの上記深さhに
対する比である端部勾配比L/h、ロール端部付近の表
面層1_3の最大膜厚T(μm)、およびロール端部付
近での表面層1_3の上述した盛り上がりが抑制された
か否かの判定を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示すように、端部勾配比L/hが1
であって上記連続曲線部1_2bが円弧を描く場合に
は、膜厚tの30μm、80μmの際の表面層1_3の
ロール端部付近の最大膜厚Tが、60μm、150μm
となって膜厚tを大きく越えるものとなり、ロール端部
付近の表面層1_3に大きな盛り上がりが生じた。ま
た、端部勾配比L/hが8.3と大きく、上記連続曲線
部1_2bがロール軸方向に長軸を有する長い楕円弧状
の図形を描く場合には、膜厚tの30μm、80μmの
際の上記最大膜厚Tは、それぞれ45μm、120μm
であり、上記端部勾配比L/hが1の場合よりも抑えら
れた好ましい値を示した。ただし、この端部勾配比L/
hが8.3と大きい場合も、やはり最大膜厚Tが膜厚t
を越えており、ロール端部付近の表面層1_3に盛り上
がりが生じた。
【0049】しかし、端部勾配比L/hが2.3〜2.
5の範囲にある場合には、膜厚tの30μm、80μm
の際の上記最大膜厚Tは、それぞれ30μm、80μm
となった。この場合には、表面層1_3は、平滑な表面
を有し、ロール端部付近にも盛り上がりが生じなかっ
た。この端部勾配比L/hが2.3〜2.5の範囲にあ
る定着ロールは、このように平滑な表面を有する好まし
いものであることがわかった。
【0050】図9は、端部勾配比と膜厚比の関係を示す
グラフである。
【0051】同図は、横軸に端部勾配比L/hを示し、
縦軸にロール端部付近の表面層1_3の最大膜厚Tのロ
ール中央部付近の表面層1_3の膜厚tに対する膜厚比
T/tを示す。同図には、表1に示すデータに対応する
データが示される。同図中、黒菱形で示されるデータが
膜厚tが30μmの場合のデータであり、黒丸で示され
るデータが膜厚tが80μmの場合のデータである。膜
厚tが30μm、80μmいずれの場合にも、端部勾配
比L/hが1の場合に膜厚比T/tは1.8以上であ
り、端部勾配比L/hが2.3〜2.5の場合に膜厚比
T/tは1となり、端部勾配比L/hが8.3と大きい
場合に膜厚比T/tは1.5であった。同図に、これら
のデータをスプライン補間によって補間された結果が実
線によって示される。
【0052】現在実際に使用されている定着ロールで
は、この表面層1_3の厚さは、一般に、上記盛り上が
り以外の原因により、厚さに対して20%程度の不均一
性を有する。言い換えれば、表面層1_3は、厚さに対
して20%程度の不均一性を持つことは許容されてい
る。この20%程度の不均一性の許容をふまえると、表
面層1_3の膜厚比T/tが1.2以下となることが好
ましいことになる。同図には、この膜厚比T/tが1.
2以上か否かの境となる点線が示されている。同図か
ら、上記実線で表される補間された膜厚比T/tがこの
点線で示される1.2より小さな膜厚比となるには、上
記端部勾配比L/hが2以上かつ6以下であればよいと
わかる。すなわち、上記連続曲面部1_2bの長さL
は、深さhに対して2h以上かつ6h以下の大きさであ
ることが好ましく、さらには、2.3h以上かつ2.5
h以下であることがより好ましい。
【0053】以上のような実施例からわかるように、こ
のような長さLおよび深さhの条件を満たす連続曲面部
1_2bを有する弾性層1_2は、自動研削によって容
易かつ安定的に形成され、また、この弾性層1_2上に
塗布法によって形成された表面層1_3の表面はロール
端部付近も含めて平滑なものとなる。このように形成さ
れた弾性層1_2および表面層1_3を有する定着ロー
ルは、ロール幅全体に渡って均一なニップ形状を有する
ため、この定着ロールによって定着された画像には光沢
ムラがほとんど生じず、この定着ロールによって画像が
定着される記録用紙はスムーズに通紙される。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ロール幅全体に渡って均一なニップ形状をもたらす定着
ロールおよびそのような定着ロールを製造する定着ロー
ル製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像形成装置の概略図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置に用いられる定着器
の概要図である。
【図3】本実施形態の定着ロールの端部付近の側断面図
である。
【図4】定着ロールの表面層を形成する様子を示す図で
ある。
【図5】定着ロールの連続曲線部付近の拡大図である。
【図6】定着ロールの連続曲線部付近の拡大図である。
【図7】従来の定着ロールの側断面図である。
【図8】本実施例の定着ロールの弾性層における連続曲
線部の形状を示す図である。
【図9】端部勾配比と膜厚比の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 加熱ロール 1_1,101_1 コア 1_2,101_2 弾性層 1_3,101_3 表面層 1_2a,101_2a 外周面 1_2b,101_2b 連続曲線部 1’ 被塗布ロール 1_3’ 上塗布液 2 加圧ロール 10 画像形成装置 11 感光体 12 帯電器 13 露光器 14 現像器 15 給送路 16 転写ロール 17 搬送ベルト 20 定着器 111 モータ 112 支持部 113 塗布液槽 P 記録用紙 N ニップ部 T トナー像 I 始点位置 F 終点位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA10 AA15 BB14 BB26 BB30 BB31 BB33 3J103 AA02 AA14 AA21 AA51 AA74 BA32 BA41 CA03 CA78 EA20 FA02 FA09 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 HA03 HA04 HA05 HA12 HA33 HA37 HA53 HA54

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にトナーを担持した記録媒体を該記録
    媒体の少なくとも一方の面から押圧して、該記録媒体上
    に該トナーを定着させる定着ロールにおいて、 連続曲面からなる円筒状の外周面を有し、該外周面が、
    端部から測って軸方向に所定の長さだけ離れた位置から
    沈みはじめ該端部の位置で厚み方向に所定の深さまで該
    軸方向を長軸とした楕円弧状の輪郭を描いて沈む形状を
    有する基体と、前記基体上に形成されてなる表面層とを
    有するものであることを特徴とする定着ロール。
  2. 【請求項2】前記基体が、前記所定の長さLと前記所定
    の深さhに対して、2h≦L≦6hなる条件を満たすも
    のであることを特徴とする請求項1記載の定着ロール。
  3. 【請求項3】表面にトナーを担持した記録媒体を該記録
    媒体の少なくとも一方の面から押圧して、該記録媒体上
    に該トナーを定着させる定着ロールを製造する定着ロー
    ル製造方法において、 連続曲面からなる円筒状の外周面を有し、該外周面が、
    端部から測って軸方向に所定の長さだけ離れた位置から
    沈みはじめ該端部の位置で厚み方向に所定の深さまで該
    軸方向を長軸とした楕円弧状の輪郭を描いて沈む形状を
    有する基体を形成する基体形成工程と、 前記基体上に形成されてなる表面層を塗布によって形成
    する表面層形成工程とを有することを特徴とする定着ロ
    ール製造方法。
  4. 【請求項4】前記基体形成工程で形成された基体が、前
    記所定の長さLと前記所定の深さhに対して、2h≦L
    ≦6hなる条件を満たすものであることを特徴とする請
    求項3記載の定着ロール製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016080990A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 キヤノン株式会社 ローラ、定着装置
JP2016135468A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 富士ゼロックス株式会社 塗布装置、ロール部材の製造方法

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CN109116702A (zh) * 2014-10-21 2019-01-01 佳能株式会社 辊和定影装置
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