JP2001116057A - 等速ジョイントブーツの設計方法及び等速ジョイントブーツ - Google Patents

等速ジョイントブーツの設計方法及び等速ジョイントブーツ

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JP2001116057A
JP2001116057A JP27636199A JP27636199A JP2001116057A JP 2001116057 A JP2001116057 A JP 2001116057A JP 27636199 A JP27636199 A JP 27636199A JP 27636199 A JP27636199 A JP 27636199A JP 2001116057 A JP2001116057 A JP 2001116057A
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velocity joint
bellows
joint boot
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Masayuki Chokai
真幸 鳥海
Hiroshi Ono
宏 大野
Akira Yasukawa
昭 安川
Katsushi Saito
克志 斎藤
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/703Bellows

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  • Diaphragms And Bellows (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な耐久性を有する実用的な等速ジョイント
ブーツを短期間で設計する設計方法並びに耐久性に優れ
た等速ジョイントブーツを提供する。 【解決手段】等速ジョイントブーツの基本形状の選択操
作工程、山部の肉厚/谷部の肉厚比、大径筒状固定部の
バンド中心とベローズの最も近接した山部頂上との距
離、ベローズのピッチ比率、装着時の圧縮比、谷部底部
のU字溝の有無、山部の曲率半径の6要素から選択して
数値設定する設計要素入力操作工程、設計要素の数値に
基づいて設計されたブーツを、最大ジョイント角を含む
複数のジョイント角に設定した場合に発生する応力振
幅、シャフト/ベローズ間の最大面圧、ベローズ内の最
大面圧を含む特性値を演算する特性値演算操作工程、演
算された特性値を限界特性値と比較する比較操作工程、
及び特性値が限界特性値以下となる設計要素の数値を設
定する数値設定工程を備えた設計方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの駆動
軸と被駆動軸を連結する等速ジョイント部を囲むように
して取り付けられる等速ジョイントブーツに係り、特に
十分な耐久性を有する実用的な等速ジョイントブーツの
設計方法並びに等速ジョイントブーツに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、駆動軸52と被駆動
軸53を連結する等速ジョイント50に取り付けられる
従来の等速ジョイントブーツ51は、駆動軸52の側ま
たは被駆動軸53の側に外挿被着される小径筒状固定部
54,大径筒状固定部55と、小径筒状固定部54,大
径筒状固定部55の間に谷部57と山部58が交互に連
続するとともに軸方向の一方端から他方端に向けて筒径
が次第に絞られて略テーパー筒状のベローズ部56が一
体成形された構成となっている。なお、図6において
は、等速ジョイントブーツ51は破断断面にて示されて
いる。
【0003】等速ジョイントブーツ51の場合、使用時
には、図6に示す如く、等速ジョイント50を囲むよう
にして、筒状固定部54が駆動軸52の側の取り付け部
59に外挿された状態でバンド部材60で被着される一
方、筒状固定部55が被駆動軸53の側の外装ケース6
1に外挿された状態でバンド部材62で被着されること
により取り付けられるとともに、筒状ベローズ部56の
内側に潤滑用グリース(図示省略)が充填封入されてい
て、等速ジョイント50は十分なジョイント機能を長期
間発揮し続けることができる。
【0004】被駆動軸53は、ハンドル操作により角度
を変更する前輪と同軸である。従って、等速ジョイント
ブーツは、駆動軸52取付部と被駆動軸取り付け部53
とはジョイント角がゼロの場合は平行に、ハンドルが切
られた場合には所定のジョイント角に応じた角度を持っ
て回転する。そのため、等速ジョイントブーツは、駆動
軸と被駆動軸が鈍角をなす部位においては伸び変形を、
また駆動軸と被駆動軸が鋭角をなす部位においては圧縮
変形を受ける。即ち、車両走行中においては、等速ジョ
イントブーツは、圧縮変形と伸び変形を繰り返し受ける
ことになる。単にゴム状弾性体を使用してブーツを作成
すると、この圧縮、伸びの繰り返し変形を受けることに
よる動的疲労により、短時間で破壊する。かかる動的な
疲労による破壊を防止するために、等速ジョイントブー
ツが、駆動軸を覆う小口径部と被駆動軸を覆う大口径部
を備え、この間をテーパー状のベローズ形状に構成され
ていることは周知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
等速ジョイントブーツ51は、伸縮性の大きなベローズ
状としたことに伴い、車両の走行時にハンドル操作を行
ってジョイント角が大きくなった場合に、ベローズの谷
近傍が駆動軸9に、また小径側の山部が大径側の山部な
いしその側面に、それぞれ摺接し、摩擦が発生し、耐久
性が十分であるとは言いがたい。最近、等速ジョイント
50においてはジョイント角として50度以上の広角度
にもなるような連結形態が要求されるようになり、等速
ジョイントブーツ51もジョイント角の広角度化に対応
できる必要があるが、50度以上の広いジョイント角に
なると等速ジョイントブーツ51が著しい変形を受け、
上記の摺接の条件が厳しくなり、いきおい等速ジョイン
トブーツ51の耐久性は大きく低下する。
【0006】車両のモデルチェンジに伴う上記のような
耐久性の改善は、これまで、仕様の変更、要求性能の変
化に応じて、等速ジョイントブーツを各種試作し、実際
の走行に即した耐久試験を行い、発生する不具合をチェ
ックし、改良する方法により行われていた。
【0007】しかし、試作と耐久試験を行うことは、試
作には金型を複数作製する必要が有るため、その製作期
間や長期テストを行うための期間等長時間を要し、また
費用的にも高くつくものである。一方、近年はモデルチ
ェンジ期間が短縮され、短時間で改良を行うことが要求
されるに至っている。
【0008】そこで、本発明は、十分な耐久性を有する
実用的な等速ジョイントブーツを短期間で、新たなジョ
イント角の変更等の仕様変更に対応して設計する設計方
法並びに耐久性に優れた等速ジョイントブーツを提供す
ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動軸と被駆
動軸を連結する等速ジョイントを囲むようにして装着さ
れ、谷部と山部とが交互に連続する略テーパー筒状のベ
ローズ部とその両端に前記駆動軸に外挿被着される小径
筒状固定部と前記被駆動軸に外挿被着される大径筒状固
定部とが一体成形された等速ジョイントブーツの設計方
法であって、車種に応じた等速ジョイントブーツの基本
形状の選択操作工程、設計要素を前記山部の肉厚/前記
谷部の肉厚比、前記大径筒状固定部の中心部と前記ベロ
ーズの最も近接した山部頂上との距離(第1ピッチ)、
前記ベローズのピッチ比率、装着時の圧縮比、前記谷部
底部のU字溝の有無、並びに前記山部の曲率半径の6要
素から選択して数値設定する設計要素入力操作工程、前
記設計要素の数値に基づいて設計された等速ジョイント
ブーツを、少なくとも最大ジョイント角を含む複数のジ
ョイント角に設定した場合に発生する応力振幅、シャフ
ト/ベローズ間の最大面圧、ベローズ内の最大面圧を含
む特性値を演算する特性値演算操作工程、演算された前
記特性値を予め設定した限界特性値と比較する比較操作
工程、及び前記特性値が前記限界特性値以下となる前記
設計要素の数値を設定する数値設定工程を備えているこ
とを特徴とする。
【0010】本発明者らは、上記目的を達成すべく、等
速ジョイントブーツの耐久性に影響する要因、使用条
件、特性値を検討した結果、上記の6設計要素、ジョイ
ント角を基準とした使用条件、並びに特性値を使用して
有限要素法を用いてコンピューター解析することによ
り、基本となる等速ジョイントブーツを改良して各要素
の最適数値を求めることができ、簡便かつ迅速に最適な
等速ジョイントブーツ形状が設計可能であることを見い
だし、本発明を完成した。
【0011】前記設計要素として、前記肉厚比及び前記
曲率半径のみを使用することにより、さらに簡便かつ迅
速に等速ジョイントブーツの最適な形状を設計すること
が可能である。最も多く使用される乗用車用適用サイズ
の等速ジョイントブーツにおいては、この2要素が最も
有意な効果を有するものである。
【0012】ベローズのピッチ比率Prとは、Pr=
〔隣接する二つの山部の間の谷部と筒径が大きい側の山
部との間の距離(谷山間距離)Pd〕/〔隣接する二つ
の山部の間の距離(山山間距離)PD〕である。
【0013】応力振幅とは、所定のジョイント角にて車
両を走行させた場合に、ブーツが1回転する間に受ける
圧縮応力と引張り応力との差である。
【0014】シャフト/ベローズ間の最大面圧とは、所
定のジョイント角にて車両を走行させ、ブーツの谷底部
内面と駆動軸(シャフト)との接触が発生した場合に、
ブーツの内面が駆動軸より受ける面圧の最大値である。
【0015】また、ベローズ内の最大面圧とは、所定の
ジョイント角にて車両を走行させ、ベローズの山部が隣
接する山部に接触した場合に、その間に生じる面圧の最
大値である。
【0016】選択するジョイント角は、小さい場合、即
ち直線走行に近い場合は、シャフト(駆動軸)/ベロー
ズ間、並びにベローズ内に面圧は発生しない。また応力
振幅も小さい。各面圧、応力振幅を評価しておく必要が
あるのは、ジョイント角25deg以上である。従っ
て、応力振幅、シャフト/ベローズ間の最大面圧、ベロ
ーズ内の最大面圧は、少なくとも25〜49degにて
演算することが好ましい。
【0017】これらの応力振幅、シャフト/ベローズ間
の最大面圧、ベローズ内の最大面圧が限界値、即ち特性
限界値を超えると等速ジョイントブーツの耐久性が満足
できるものではなくなる。特性限界値は、等速ジョイン
トブーツの構成材料、駆動軸の回転速度、要求耐久時
間、過去の等速ジョイントブーツの耐久性の実績等を考
慮して設定される。
【0018】車種に応じた等速ジョイントブーツの基本
形状とは、使用車種により、駆動軸、被駆動軸のサイズ
が決まり、概ね外形も決定され、従来からある程度の耐
久性があることが実証されている等速ジョイントブーツ
の形状、ないしはこれを改良した形状をいう。本発明
は、かかる基本形状を基にして、各構成要素を最適化し
てより耐久性の高い等速ジョイントブーツを簡便かつ迅
速に設計する設計方法を提供するものである。
【0019】なお、各要素を数値設定した場合、その数
値によっては、等速ジョイントブーツができない組合せ
が発生するが、かかる要素の組合せを排除する操作工程
を設けることは好適な態様である。
【0020】本発明は、駆動軸と被駆動軸を連結する等
速ジョイントを囲むようにして装着され、谷部と山部と
が交互に連続するテーパー筒状ベローズ部とその両端に
前記駆動軸に外挿被着される小径筒状固定部と前記被駆
動軸に外挿被着される大径筒状固定部とが一体成形され
た等速ジョイントブーツであって、前記ベローズ部は、
前記谷部の肉厚/前記山部の肉厚比が0.95〜1.0
5であり、前記山部の曲率半径Rが2mm以上であると
ともに、前記ベローズのピッチ比率Prが0.2〜0.
5の範囲であることを特徴とする。
【0021】(但し:ピッチ比率Pr=〔隣接する二つ
の山部の間の谷部と筒径が大きい側の山部との間の距離
(谷山間距離)Pd〕/〔隣接する二つの山部の間の距
離(山山間距離)PD〕である。) 本発明の等速ジョイントブーツは、以下に記載の普通乗
用車に使用される等速ジョイントブーツを基本形状(以
下、基本形状Kと称する。)とし、改良したものであ
る。
【0022】 ベローズ部の谷部15および山部16の数:各5個 等速ジョイントブーツ4の全長L1:約120mm 大径筒状固定部13の直径D1:約100mm 小径筒状固定部11の直径D2:約35mm 大径側の山部16aの直径D3:約95mm 小径側の山部16eの直径D4:約65mm 大径側の山部16a〜小径側の山部16eの間の距離L
2:約65mm 大径筒状固定部13の幅L3:約15mm 小径筒状固定部11の幅L4:約12mm 以上は、図2に示されている。
【0023】上述の構成の等速ジョイントブーツは、基
本形状Kの等速ジョイントブーツと比較して、応力振
幅、駆動軸/ベローズ最大面圧、ベローズ内最大面圧が
いずれも限界特性値より小さく、耐久性の高いものであ
った。
【0024】また、本発明の等速ジョイントブーツにお
いては、谷部と山部の肉厚が0.8mm〜1.2mmの
範囲にあることが好ましく、また山部の曲率半径Rは
3.0mm以上であることが特に好ましい。
【0025】谷部と山部の肉厚、山部の曲率半径Rが適
当であるので、耐久性をさらに向上させられる。肉厚、
ないしは山部の曲率半径Rがこれらの範囲を逸脱する場
合はいずれも耐久性が低下し、好ましくない。
【0026】
【発の実施の形態】本発明の等速ジョイントブーツの設
計方法の具体例を説明する。基本形状としては、上記基
本形状Kを選択操作において選択した。設計要素入力操
作においては、谷部15の肉厚da,山部16の肉厚d
bは各々約0.8〜1.5mmの範囲で選定した。
【0027】この場合の有限要素法の解析においては、
各要素の耐久性に対する影響の度合いを応力振幅,駆動
軸−ベローズ面圧,ベローズ内面圧の値を求出して評価
した。応力振幅は、図3に示すジョイント角25deg
の場合,図4に示すジョイント角40degの場合,図
5に示すジョイント角49degの場合について各々求
め、また軸−ベローズ面圧とベローズ内の面圧は、各々
ジョイント角40degおよびジョイント角49deg
の両場合について求めた。そして、この1次解析により
下記の結果(1) 〜(6) が得られた。
【0028】(1) 肉厚比dr(=db/da)は0.
95〜1.05、より好ましくは1.0であると耐久性
が高い。また、肉厚da, 肉厚dbは0.8mm〜1.
2mmの範囲が良好である。
【0029】(2) 山部16の位置は耐久性に殆ど影響
しない。
【0030】(3) 山部・谷部のピッチ比率Prは耐久
性に相当影響する。
【0031】(4) 谷部15の底形状は耐久性に殆ど影
響しない。
【0032】(5) 山部16の曲率半径Rは耐久性に相
当影響する。
【0033】この結果に基づき、基本形状Kに基づく等
速ジョイントブーツにおいて、有意であるという結果が
得られた設計要素である山部・谷部のピッチ比率Pr及
び山部16の曲率半径Rの2要素に関して、さらに詳し
く解析した。即ち、ピッチ比率Prが0.2〜0.8の
範囲にあり、曲率半径Rが0.5mm〜5mmの範囲に
あって、現実的設計が可能な10タイプ余りの等速ジョ
イントブーツを想定し、有限要素法によりさらに2次解
析を行い、ピッチ比率および曲率半径Rについて次の結
果(7),(8) が得られた。
【0034】(7) 山部・谷部のピッチ比率Prは0.
2〜0.5の範囲が適当である。ジョイント角θmax の
場合については、ピッチ比率Prは0.45を越える方
がより好ましいのであるが、実際の車両走行条件では、
ジョイント角49degが実現する割合は少ない。また
ピッチ比率Prが0.45を越えると設定回数の多いジ
ョイント角25deg,40degの場合の耐久性は低
下する傾向にある。従って、実際の各ジョイント角の設
定頻度も勘案した上で耐久性の向上を考えると、ピッチ
比率Prは0.2〜0.5の範囲が適当と結論されるの
である。
【0035】(8) 山部16の曲率半径Rは2mm以上
あると耐久性が向上し、山部16の曲率半径Rが3.0
mm以上あると耐久性がより向上し、好ましい。
【0036】発明者らは、以上に述べた知見を得ること
により、本発明を完成させることができた。
【0037】基本形状Kに基づいて完成した本発明の等
速ジョイントブーツの実施の形態を、図面を参照して詳
しく説明する。図1は自動車用の広角度対応型等速ジョ
イントブーツを等速ジョイントに取り付けた状態で示す
断面図、図2は好適な等速ジョイントブーツの半分を破
断状態にて示す正面図である。
【0038】図1に示すように、等速ジョイント1は、
例えばエンジンからの駆動力を車輪側に伝達する伝達機
構の一部として、デファレンシャル側の駆動軸2と車輪
側の被駆動軸3との連結部に使用される。等速ジョイン
トブーツ4は、等速ジョイント1を囲むようにして取り
付けられて用いられる。
【0039】等速ジョイント1は、駆動軸2の側に開口
した椀状の外装ケース5と、外装ケース5の中心部にお
いて駆動軸2の端部に固定された内輪6と、内輪6の周
面と外装ケース5の内面との間で転動する複数個のボー
ル7と、全ボール7を保持するケージ8とを備えた構成
となっている他、駆動軸2と被駆動軸3のジョイント角
を50度以上の広角度にもできるように、外装ケース5
の開口部内周縁に沿って面取り加工面5aが形成されて
いる。
【0040】一方、等速ジョイントブーツ4の方は、駆
動軸2の側の被取り付け部9へ外挿状態でバンド部材1
0により密封的に固定されて被着される小径筒状固定部
11と、駆動軸3の側の外挿ケース5の開口部へ外挿状
態でバンド部材12により密封的に固定される大径筒状
固定部13と、小径筒状固定部11と大径筒状固定部1
3とを両端部として、その間に山部16とが交互に連続
する略テーパー筒状ベローズ部14とが、一体成形され
た構成となっている。
【0041】この等速ジョイントブーツ4の成形はゴ
ム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等の材料を使
用して、ブロー成形、インジェクション成形等の公知の
方法により行われる。そして、図1に示すように、両円
筒状固定部11,13およびクランプ材10,12によ
り等速ジョイント1に密封的に取り付けられた等速ジョ
イントブーツ4の内側には、潤滑用グリース(図示省
略)が充填封入されていて、等速ジョイント1は十分な
ジョイント機能を長期間発揮し続けることができる。
【0042】円筒状ベローズ部14は、図2に示すよう
に、大径側円筒状固定部13の側から順に5個の谷部1
5a〜15eと5個の山部16a〜16eとが交互に連
続して続くよう構成されている。そして、円筒状ベロー
ズ部14の場合、谷部15の肉厚daと山部16の肉厚
dbが両者共1.2mm、肉厚比dr=1であり、山部
・谷部の各ピッチ比率Pr(=谷山間距離Pd/山山間
距離PD)がいずれも0.45であり、被着時の円筒状
ベローズ部14の圧縮比が1であり(つまり自然長のま
ま取り付ける非圧縮タイプであり)、各山部16の曲率
半径Rが5mmである。
【0043】そして、上記の好適な等速ジョイントブー
ツ4によれば、円筒状ベローズ部14において、谷部1
5と山部16の肉厚,山部16の曲率半径R,山部・谷
部のピッチ比率Pr,被着時の円筒状ベローズ部14の
圧縮比の各要素を各々無理のない現実的設計が可能であ
って耐久性向上をもたらしてくれる適切な値であるの
で、耐久性が従来と比べて十分なものとなる。
【0044】上記の例においては、ジョイント角の仕様
が変更になった場合の等速ジョイントブーツの設計の最
適化の例を示したが、駆動軸の径や被駆動軸の径の変更
等の仕様変更、仕様の変更がない場合であってもより耐
久性向上をさせる設計変更にも適用可能である。
【0045】なお、等速ジョイントブーツ4に準ずる態
様において、耐久性に優れた乗用車用のブーツとして適
当な形態・寸法の範囲を以下に示す。
【0046】谷部15および山部16の個数:4〜6個 等速ジョイントブーツ4の全長L1:100mm〜14
0mm 大径側円筒状固定部13の直径D1:80mm〜110
mm 小径側円筒状固定部11の直径D2:25mm〜40m
m 谷部15の肉厚da,山部16の肉厚db:各々0.8
mm〜1.2mm 大径側の山部16aの直径D3:75mm〜100mm 小径側の山部16eの直径D4:50mm〜70mm 大径側の山部16a〜小径側の山部16e間の距離L
2:50mm〜70mm 大径側円筒状固定部13の幅
L3:10mm〜20mm 小径側円筒状固定部11の幅L4:10mm〜20mm 山部・谷部のピッチ比率Prは0.2〜0.5である。
なお1個の等速ジョイントブーツ4においてピッチ比率
Prは全て同一値である必要はなく、各ピッチ比率Pr
は0.2〜0.5の範囲の異なる値であってもよい。
【0047】山部16の曲率半径Rは2mm以上であ
る。なお1個の等速ジョイントブーツ4において山部1
6の曲率半径Rは全て同一の値である必要はなく、各山
部16の曲率半径Rは2mm以上の異なる値であっても
よい。
【0048】〔別実施の形態〕 (1)実施例では、等速ジョイントブーツが自動車用で
あったが、本発明の等速ジョイントブーツは自動車用以
外のものであってもよい。
【0049】(2)実施例では、小径側円筒状固定部が
駆動軸側に固定され、大径側円筒状固定部が被駆動軸側
に固定されていたが、逆に小径側円筒状固定部が被駆動
軸側に固定され、大径側円筒状固定部が駆動軸側に固定
されるようであってもよい。
【0050】(3)実施例の等速ジョイントブーツは円
筒状の形であったが、本発明の等速ジョイントブーツ
は、必ずしも円筒状に限定られるものではない。
【0051】
【実施例】図2に示した好適な態様の等速ジョイントブ
ーツを試作し、耐久性評価を行った。樹脂材料としては
ポリエステル系エラストマーであるペルプレン(東洋紡
績製)を使用した。比較として同一材料にて形成された
基本形状Kの等速ジョイントブーツを使用した。構成材
料としては、同じポリエステル系エラストマーであるハ
イトレル(東レデュポン社製)を使用してもよい。
【0052】耐久性評価は、実際の装着状況を再現した
試験機に等速ジョイントブーツを装着し、ジョイント角
49deg、回転速度500rpm、温度105℃の条
件にて試験し、等速ジョイントブーツが破壊するまでの
寿命を測定することにより行った。
【0053】評価の結果、実施例の等速ジョイントブー
ツの耐久性は、基本形状Kの等速ジョイントブーツの4
倍であり、耐久性に優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の等速ジョイントブーツを取り付け状態
(使用状態)で示す断面図
【図2】実施例の等速ジョイントブーツの半身を破断し
て示す正面図
【図3】実施例の等速ジョイントブーツのジョイント角
25degの状態を示すコンピュータシミュレーション
【図4】実施例の等速ジョイントブーツのジョイント角
40degの状態を示すコンピュータシミュレーション
【図5】実施例の等速ジョイントブーツのジョイント角
49degの状態を示すコンピュータシミュレーション
【図6】従来の等速ジョイントブーツを取り付け状態
(使用状態)で示す断面図
【符号の説明】
1 等速ジョイント 2 駆動軸 3 被駆動軸 4 等速ジョイントブーツ 5 外装ケース 9 被取り付け部 11 小径側円筒状固定部 13 大径側円筒状固定部 14 円筒状ベローズ部 15 谷部 16 山部 15a〜15e 谷部 16a〜16e 山部 da 谷部の肉厚 db 山部の肉厚 R (山部の)曲率半径 Pd 谷山間距離 PD 山山間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安川 昭 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 斎藤 克志 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3J045 AA04 AA06 AA20 BA02 BA03 CB04 CB06 CB08 CB16 DA02 DA10 EA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸と被駆動軸を連結する等速ジョイ
    ントを囲むようにして装着され、谷部と山部とが交互に
    連続する略テーパー筒状のベローズ部とその両端に前記
    駆動軸に外挿被着される小径筒状固定部及び前記被駆動
    軸に外挿被着される大径筒状固定部とが一体成形された
    等速ジョイントブーツの設計方法であって、 車種に応じた等速ジョイントブーツの基本形状の選択操
    作工程、設計要素を前記山部の肉厚/前記谷部の肉厚
    比、前記大径筒状固定部に設けられたバンド部の中心部
    と前記ベローズの最も近接した山部頂上との距離(第1
    ピッチ)、前記ベローズのピッチ比率、装着時の圧縮
    比、前記谷部底部のU字溝の有無、並びに前記山部の曲
    率半径の6要素から選択して数値設定する設計要素入力
    操作工程、前記設計要素の数値に基づいて設計された等
    速ジョイントブーツを、少なくとも最大ジョイント角を
    含む複数のジョイント角に設定した場合に発生する応力
    振幅、シャフト/ベローズ間の最大面圧、ベローズ内の
    最大面圧を含む特性値を演算する特性値演算工程、演算
    された前記特性値を予め設定した限界特性値と比較する
    比較操作工程、及び前記特性値が前記限界特性値以下と
    なる前記設計要素の数値を設定する数値設定工程を備え
    ている等速ジョイントブーツの設計方法。
  2. 【請求項2】 前記設計要素として、前記肉厚比及び前
    記曲率半径のみを使用する請求項1に記載の等速ジョイ
    ントブーツの設計方法。
  3. 【請求項3】 駆動軸と被駆動軸を連結する等速ジョイ
    ントを囲むようにして装着され、谷部と山部とが交互に
    連続する略テーパー筒状のベローズ部とその両端に前記
    駆動軸に外挿被着される小径筒状固定部と前記被駆動軸
    に外挿被着される大径筒状固定部とが一体成形された等
    速ジョイントブーツであって、 前記ベローズ部は、前記山部の肉厚/前記谷部の肉厚比
    が0.95〜1.05であり、前記山部の曲率半径Rが
    2mm以上であるとともに、前記ベローズのピッチ比率
    Prが0.2〜0.5である等速ジョイントブーツ。
    (但し:ピッチ比率Pr=〔隣接する二つの山部の間の
    谷部と筒径が大きい側の山部との間の距離(谷山間距
    離)Pd〕/〔隣接する二つの山部の間の距離(山山間
    距離)PD〕である。)
  4. 【請求項4】前記谷部と山部の肉厚がそれぞれ0.8m
    m〜1.2mmの範囲にある請求項3に記載の等速ジョ
    イントブーツ。
  5. 【請求項5】前記山部の曲率半径Rが3.0mm以上で
    ある請求項3又は4に記載の等速ジョイントブーツ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002349719A (ja) * 2001-05-29 2002-12-04 Nippon Mektron Ltd ブーツ及びブーツ成形金型
WO2006104083A1 (ja) * 2005-03-29 2006-10-05 Kaneka Corporation 中空成形品の射出成形法および射出成形金型並びに樹脂製ブーツ
EP3161316A4 (en) * 2014-06-25 2018-02-07 Sencera Energy, Inc. Flexure apparatuses, linear rotary converters, and systems

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