JP2001113708A - 記録ヘッド並びに該記録ヘッドを用いた画像記録装置 - Google Patents

記録ヘッド並びに該記録ヘッドを用いた画像記録装置

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JP2001113708A
JP2001113708A JP29584499A JP29584499A JP2001113708A JP 2001113708 A JP2001113708 A JP 2001113708A JP 29584499 A JP29584499 A JP 29584499A JP 29584499 A JP29584499 A JP 29584499A JP 2001113708 A JP2001113708 A JP 2001113708A
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recording
electrode
ink
opening
recording head
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Koji Kawaguchi
幸治 川口
Shige Sato
樹 佐藤
Shunichi Tanaka
俊一 田中
Seiji Kuwabara
誠治 桑原
Hiroyuki Muramatsu
博之 村松
Atsuya Akase
篤也 赤瀬
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録電極の両端付近における印字のかすれや
ドットのずれを防止して安定した出力を得られる記録ヘ
ッドおよびそれを用いた画像記録装置を提供すること。 【解決手段】 記録電極2の両端に通電領域3a,3b
をそれぞれ並列して設け、さらに通電領域3a,3bを
記録電極2の非選択電極と同等に駆動せしめ、また 開
口部が少なくとも通電領域3a,3bまで連通する構成
とし、さらに駆動手段において少なくとも隣接する記録
電極に対して時間をずらして駆動するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高品質画像の高
速出力が要求される印刷業界から、オフィス、パーソナ
ルな要求に基づくプリンタ業界、多種多用な記録紙を用
いる低価格な汎用出力機器等を求める民生品業界までの
広範なニーズに対応可能な出力画像を記録紙に得るため
の記録ヘッドおよび該記録ヘッドを用いた画像記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のオンデマンドタイプのインクジェ
ット方式における記録ヘッドは記録画素に応じて開口部
がノズル状に分割されていて、その複数のノズル1つ1
つに発熱素子や圧電素子などの駆動素子が設けられ、そ
の駆動素子を駆動させることによりノズル内のインク押
し出して開口部より吐出させる。したがってこの駆動素
子を選択的に駆動させることにより所望の画像を出力で
きる。しかしこのような構成の記録ヘッドではヘッド自
体の構造が複雑となり、コストおよび製造上、多ノズル
化した長尺タイプのヘッドを製作することは困難であ
る。
【0003】それに対して静電力を用いたインクジェッ
ト記録方式の場合、図7に示すように記録ヘッドは記録
画素単位に記録電極2を配列した平面の下基板1上に、
スペーサ6、上基板7を順に積層して構成され、またこ
れにより形成される単一のスリット状の開口部11内に
インク9を充填し、この記録電極2と記録紙15背面の
対向電極12間に電圧パルスを印加することによりイン
ク9を飛翔させ記録紙15上に画像を形成する方式であ
る。
【0004】したがって記録ヘッドは記録電極のパター
ン配列だけでよく駆動素子を設けて集積する必要がな
い。またインク飛翔は電圧パルスが印加された記録電極
位置と対向電極間に発生する電界の電気力線に沿って、
帯電したインクがクーロン力を受けて飛翔するため記録
ヘッドの開口部をノズルで区切る必要がない。以上のよ
うな理由から、非常に簡単な構成で記録ヘッド製作が可
能であるので製造コストを低く抑えることができ、また
例えば記録紙幅の長尺タイプのラインヘッドを容易に作
製することができる。さらにラインヘッドの実現によ
り、平面走査を可能とするため、記録ヘッドを機械的に
主走査方向へ移動させる手段は不要となり、印字速度の
高速化、装置の小型化、騒音低下などを図ることも可能
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の静
電力を用いた記録ヘッドにおいては、下記の課題があっ
た。記録ヘッドの開口部が主走査方向に連通して構成さ
れるために開口部でのインク液面(以下メニスカス)は
物理的につながっており、また記録電極も記録画素単位
に対応して配列されるため、記録電極間の配列ピッチは
非常に密である。したがって隣接する記録電極を同時に
駆動したときに開口部でのメニスカス面の振動や、隣接
する記録電極間の電場が干渉し合って影響を受けインク
の飛翔が安定しにくい。よってこのような隣接間での影
響を低減させるために主走査方向の記録電極の駆動を複
数回に分けて、隣接電極が同時に駆動しないようにわず
かに時間をずらしながら駆動(以下時分割駆動)を行う
駆動方法が用いられる。
【0006】このとき選択電極、つまりインクを飛翔さ
せる位置の記録電極に対し、インクが対向電極に引張ら
れるのに十分な電位の電圧パルスを印加し、それと同時
にその両端の非選択電極は接地させて0V電位とする
か、もしくはインクが吐出しない程度の設定の電位で電
圧パルスを印加する。このように非選択電極を一定の電
位で制御することにより選択電極との電位差を明確にか
つ一定に維持させ、さらに選択電極とその左右両端の非
選択電極の間で電界分布が左右対称となってインク飛翔
方向に対してバランスを保つので、インクは対向電極に
対して安定して真っ直ぐ飛翔しインクが記録紙に着弾す
る。
【0007】ところが従来構造の記録ヘッドの場合、最
端部の記録電極位置つまり配列されている記録電極と1
番目と最終番目が選択電極となったとき隣接する非選択
電極が片側1本しか介在しないため、電界強度が十分と
れずにドット径が所望の径より小さくなる、もしくはイ
ンクが飛翔しないなどの現象が発生したり、また左右の
電界分布のバランスが崩れることで飛翔したインクの方
向が変化してしまうなどの現象が発生し、出力として印
字のかすれやドットのずれなどが発生していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は静電型インクジェットの記録ヘッドにお
いて、開口部付近に配列された最端部位置にある記録電
極の外側に並列して電気的導通が可能な通電領域をそれ
ぞれ設け、さらに前記通電領域を前記記録電極の非選択
電極と同等かつ同時に駆動せしめ、また前記開口部が少
なくとも前記通電領域まで連通する構成とし、さらに前
記駆動手段において少なくとも隣接する記録電極に対し
て時間をずらして駆動するように構成した。
【0009】これにより、特に記録電極の両端付近にお
ける印字のかすれやドットのずれを防止することがで
き、装置として出力の安定性を確保して高画質化を図る
ことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
の形態を説明する。 (実施の形態1)図1は本発明における記録ヘッドの構
成の一例を示す斜視図(a)と側面図(b)であり、ま
た図2は記録ヘッドにおけるヘッド部の分解斜視図であ
る。
【0011】まずヘッド部8の構成について図2に基づ
いて説明する。1はヘッド部8の基材となる下基板であ
り、下基板1の上面には細分割された記録電極2が記録
画素に応じたピッチで順次配列して形成され、また前記
下基板1上に配列された記録電極2の束の最端部、つま
り1番目と最終番目の記録電極2aと2bに隣接して電
極束の外側に向けて導通領域3a、3bがそれぞれ設け
られている。
【0012】このようなパターンが形成された前記下基
板1上には均一な厚みのスペーサ6と上基板7がこの順
で積層され、接着等の手段により固定されている。この
ときスペーサ6はコの字形に形成されており、その開放
側に記録電極2の先端が位置し、コの字両先端部分がお
よそ前記導通領域3上に位置するよう配置されている。
【0013】このような構成でヘッド部8を形成するこ
とにより両基板間には前記スペーサ6の厚みによって決
まる一定高さの隙間がインク9を充填するためのインク
室10として形成され、さらにヘッド部8に対向する対
向電極12側に向けてスリット状の開口部11(以下ス
リット開口部とする)が形成されることとなる。このと
きスリット開口部11はスペーサ6のコの字両先端部分
の記録電極2側に設けられた切り欠き6a、6bにより
およそ導通領域3aから導通領域3bまでインクが連通
する状態となる。
【0014】そして上基板7には前記インク室10にイ
ンク9を供給するためのインク供給穴16が設けてあ
り、インク供給コネクタ17を介してインク供給タンク
および供給チューブ等から構成されるインク供給手段
(図示せず)が繋がっている。このときインク供給手段
により、インク9は自重および大気圧によるほぼ一定の
圧力(以降静圧とする)を受けながらインク室10を介
してスリット口11まで供給される。インク9にかかる
静圧はスリット吐出口11でのインク9の表面張力と釣
り合い、半月状の凸面、すなわちメニスカスを形成し、
この状態を保持している。
【0015】また、図1(b)に示すように記録ヘッド
のスリット開口部11を構成する部分の断面は楔状にな
っており、メニスカスを細くしてインク9に対する電界
の集中を図る構造となっている。本実施の形態では上基
板1上の記録電極2はおよそ10〜24本/mmの高密
度で配列するため、本実施の形態では上基板1には絶縁
体であり平面精度の高いガラス基板を用い、記録電極2
と通電領域3のパターンニングは上基板1上にアルミを
真空蒸着した後、このアルミ薄膜に化学エッチング処理
を施すことで作製した。さらに記録電極2表面には隣接
電極間での放電を防止するために絶縁体の保護層をコー
ティングしている。本実施の形態では記録電極2と通電
領域3の材料にアルミを用いて形成したが、特にこれに
限定されるわけではなく、銅、クロム、金、ニッケル等
の金属材料を用いても構わず、また作製方法もメッキや
スクリーン印刷、機械加工などの手段を用いても同等の
効果を奏する。
【0016】またスペーサ6は上基板7と一体で構成し
ても構わず、またスペーサ6の形状はスリット開口部1
1が形成され、かつインク供給手段によってヘッド部8
内に供給されたインク9が前記スリット開口部11に導
かれる構成であればコの字型である必要はない。図5お
よび図6は本発明の記録ヘッドにおけるヘッド部8の他
の構成例を示す分解斜視図である。
【0017】図5に示す構成例は通電領域3が上基板7
の裏面に形成され、スペーサ6の形状と同様にコの字形
に形成されて通電領域3aと3bが繋がって形成されて
いる。このような構成のヘッド部8を図1に示すヘッド
部8と入れ替えてもほぼ同等の効果を奏することがで
き、また図6に示すように通電領域3を当然スペーサ6
の上面に形成しても然りである。
【0018】次にヘッド部8のスリット開口部11より
一定の微小な間隙をもって対向して配置される対向電極
12の構成について図1に基づいて説明する。ヘッド部
8と対向電極12間には0.5〜1.2mm程度の微小
隙間が設けて位置しており、前記間隙には記録紙15が
記録紙搬送手段により介入し、記録時にはヘッド部8側
より対向電極12側に向けて飛翔したインク9が記録紙
15に付着することとなる。記録紙搬送手段は詳細には
図示しないが、図1(b)に示すようにローラー対を用
いたフリクションフィード方法等の搬送機構を用い、ヘ
ッド部8内の記録電極の駆動に対して同期して間欠的に
乃至は連続的に記録紙15を走査させる。
【0019】本実施の形態では対向電極12をスリット
開口部11幅以上の長さの金属ローラーで形成してお
り、記録紙搬送手段により記録紙15が対向電極部12
の曲率に沿って搬送されるように構成している。次に記
録電極2および対向電極12の電気的な配線接続につい
て図1に基づいて説明する。
【0020】本実施の形態のような構造の記録ヘッドに
おいても従来例と同様にスリット開口部11が主走査方
向に連通して構成されるために隣接する記録電極2を同
時に駆動するとインク9の飛翔において隣接間で影響を
うける。したがって本実施の形態においてもこの影響を
低減させるために少なくとも隣接する記録電極2とは時
間をずらして駆動(以下時分割駆動)を行う必要がある
ので以下に説明する配線接続および駆動に関してもこれ
を前提として説明する。
【0021】まず配線であるがヘッド部8内の記録電極
2および通電領域3は駆動回路4を介して高圧電源5に
配線され、所望の定電圧パルスを選択電極および非選択
電極にそれぞれ印加するように制御されている。また対
向電極12も駆動回路13を介して高圧電源13に配線
され、所望の定電圧パルスを前記記録電極2の駆動タイ
ミングと同期して連続的に印加するよう制御されてい
る。
【0022】本実施の形態では記録電極2における選択
電極と非選択電極間の電位差による放電や絶縁破壊を防
ぐために対向電極12側に補助的に電位(以下バイアス
電位)を印加する構成としたが、記録電極2間での放電
の危険がなければこのバイアス電位を印加する必要はな
く、従来例と同様に対向電極12を接地させて0V電位
の状態としても構わない。また対向電極12に印加する
バイアス電位を記録電極2側に乗せてオフセットさせる
ことによっても対向電極12を接地させて設定すること
が可能である。
【0023】次に前記のように構成された記録ヘッドの
駆動方法の一例について図3に示すヘッド部の記録1ラ
イン分の動作タイミングを示す説明図と図4に示す記録
ヘッドの駆動方法を示すブロック図に基づいて説明す
る。本発明では前述したように時分割駆動を行い、記録
1ライン分を奇数番の記録電極と偶数番の記録電極の2
つに分割し、時間をずらしてそれぞれ駆動する(2分割
駆動)例を挙げる。
【0024】図4に示すようにまずPC端末等の外部装
置21から出力されたパラレル信号は記録装置としての
出入り口であるインターフェース22に入力し、前記イ
ンターフェース22からパラレルの画像データ信号およ
び装置を制御するための信号等からなる制御信号が出力
される。そして前記インターフェース22から出力され
たパラレルの画像データ信号は信号処理回路23に入力
する。一方の前記インターフェース22を介して出力さ
れた制御信号は制御回路24に入力し、前記信号処理回
路23に入力する。
【0025】そして前記信号処理回路23では前記制御
回路24からの制御信号を受けながら、前記インターフ
ェース22出力されたパラレルの画像データ信号をシリ
アルの2値信号に変換して記録ヘッド用ドライバ5に入
力する。そして記録ヘッド用ドライバ5内ではまず前記
画像データ信号にマスクを介し最初に駆動する記録電極
位置の画像データ信号を抽出する。したがってこのとき
2分割駆動であるため例えば記録電極2に示す配列番号
の奇数番のみが前記マスクを介して抽出され、この奇数
番の記録電極での2値化された選択電極と非選択電極の
情報が記録ヘッド用ドライバ5に内蔵されたシフトレジ
スタタイプのラッチに入力する。このとき同時に偶数番
の記録電極2および通電領域3はすべて非選択電極と同
じ情報が前記ラッチに入力してセットされその後に、制
御回路24より記録電極2を駆動させるための制御信号
が出力される。
【0026】したがって図3(a)に示すような1ライ
ンを全部印字する際にはまずt1時に奇数番の記録電極
全てが選択電極となりNo.1、3、5、7に電圧Vb
が印加され、偶数番の記録電極No.2、4、6、8と
通電領域3a、3bはすべて非選択電極となり電圧Va
が印加される。以上の動作により奇数番の記録電極全て
よりインクが飛翔し記録紙上にインクドットを形成す
る。
【0027】次にΔt後のt2時には偶数番の記録電極
全てが選択電極となりNo.2、4、6、8に電圧Vb
が印加され、奇数番の記録電極No.1、3、5、7と
通電領域3a、3bはすべて非選択電極となり電圧Va
が印加される。以上の動作により偶数番の記録電極全て
よりインクが飛翔し記録紙上にインクドットを形成す
る。そして前記2回に分割された動作を合わせると記録
紙上には記録電極すべての位置でインクドットが並び記
録1ライン分の記録ヘッドの駆動が終了する。
【0028】このような記録ヘッド構成で前記のような
記録電極2の時分割駆動と通電領域3の駆動を行うこと
により、選択電極の両端は必ず同電位の非選択電極乃至
は通電領域が介在することとなるため、選択電極位置で
発生する電界分布がインク飛翔方向に対して左右対称と
なってバランスを保ち、インク9は対向電極に対して安
定して真っ直ぐ飛翔しインク9が記録紙15に着弾する
ので特に最端部付近における印字の乱れは解消される。
【0029】本実施の形態ではヘッド部8内の選択電極
に与える電位Vaを300〜500V、極性を正に設定
し、非選択電極の電位Vbを0Vとした。また対向電極
には電位Vcを2000〜3000V、極性を負に設定
した。また前記定電圧パルスの印加時間を1msとし、
次の定電圧パルス印加周期は2〜4msとして駆動を行
った。ただしここに示す設定値はヘッド部8のスリット
開口部11と対向電極12間との間隙距離やインク物性
値、ヘッド先端部の構造、被記録媒体の物性値等によっ
ても異なるため、この値には限定されない。
【0030】以上が記録1ライン分の動作であり、この
動作を順次繰り返しながら記録紙15を記録ヘッドの駆
動方向に対して垂直方向に徐々に搬送させることにより
所望の画像が記録紙15上に出力されることになる。次
に本発明に用いるインクの条件について以下に記す。イ
ンク物性としてインク飛躍に大きく寄与する因子として
は、表面張力、粘度、導電率とが挙げられる。表面張力
についてはその値が小さい程、インク吐出過程における
抵抗力が小さくなり、弱い電界中でもインク吐出が可能
なため、最大記録間隔を大きくすることができる。表面
張力は一般に水性インクの方が高く純水で72.8dy
n/cm(20℃)であるが、有機溶剤は20dyn/
cmから35dyn/cmであるから、本発明のインク
としては、表面張力の低い有機溶剤に染料を溶解、もし
くは顔料を分散したインクを用いている。
【0031】前記インク溶剤の粘度は広い範囲にて選択
でき、また粘度も表面張力と同様に粘度の低いときはイ
ンク吐出過程における抵抗力が小さくなり弱い電界中で
もインク吐出が可能であるが、粘度が低い溶剤は揮発性
が高いため、前記インクの保存性が悪くなるので実際の
粘度範囲として2.0〜4.0cP程度が望ましい。前
記インクが飛翔するためには、前記ヘッド部内の記録電
極からインクに電荷のチャージが必要なため、抵抗値と
しては高いことが望ましいが、抵抗値が高過ぎる場合に
は前記インクにチャージされた電荷がインクメニスカス
先端に到達する前に、前記インク内で電荷が拡散されて
しまうためにインク吐出は生じなくなる。また抵抗値が
低すぎると電荷の広がりが速くなり、吐出させたい位置
以外の箇所でもインクが吐出したり、共通電極や隣接す
る記録電極との放電を起こしたり、さらには隣接電極と
導通することで電圧降下が発生し、吐出に充分な電圧が
得られないことがある。したがって、本発明のインク体
積抵抗値の適切な範囲としては1×107〜1×10
9(Ω・cm)の範囲が望ましい。
【0032】尚、上記のインク特性の設定値に関して
は、前記共通電極と対向電極上の記録電極間に供給する
電圧値および前記対向電極までの距離、スリット吐出口
11のスリット幅等のヘッド部構造にインク飛躍の可否
が依存されるため、最適な表面張力、粘度、抵抗値等の
特性範囲は必ずしも上記値に限定されないことは言うま
でもない。さらに本実施の形態に使用したインクは正極
に帯電しやすい特性であったため、記録電極2側に正極
に、対向電極12側は負極に接続したがこれに限定され
るわけではなく、例えばインクの帯電極性が負の場合は
対向電極12および記録電極2側に与える電圧極性も逆
となり、このような設定であっても同様に所望の動作を
する。またインク自体は抵抗値の高い誘電体であるた
め、対向電極12側を接地させることで、記録電極2側
のみに電圧を印加してもインク表面は分極して記録電極
12に与えた電圧極性とは逆極性が現れるため当然この
接続方法でもインク9を吐出させることができる。しか
しこのときインク飛翔に十分な電位差を得るには記録電
極2側に印加する電圧を大きく設定しなければならない
ので隣接電極において電位を印加する電極と印加しない
間での放電現象や、駆動回路自体の耐圧等を考慮する必
要がある。
【0033】次に装置としての記録動作を図1に基づい
て説明する。本実施の形態では記録ヘッドを記録紙15
とほぼ同等のスリット開口部11をもつラインヘッドと
して説明する。このとき対向電極部12上の記録電極2
が並ぶライン方向を主走査方向とし、前記主走査方向に
対して直交する方向を副走査方向として装置としての記
録動作を次に説明する。
【0034】装置から印字の指令がでるとまずイニシャ
ル動作として、図示しない吐出口クリーニング機構によ
りヘッド部8内のスリット開口部11のクリーニング動
作を行い、記録ヘッドとしてインク飛翔が可能な状態と
する。前記クリーニング動作が終了すると、記録紙15
をオートシートフィーダー等の紙供給機構およびローラ
ー対等を用いた搬送機構(図示せず)によってヘッド部
8と対向電極12が形成する微小間隙に介入させ、ペー
パーエッジセンサ等の位置検出手段を用いて前記搬送機
構を制御することにより記録始め部分の位置出しを行
う。
【0035】そして前記イニシャル動作が終了すると前
記記録ヘッドの駆動動作に示したように記録1ライン分
の駆動が行われる。つまりヘッド部8上の記録電極2に
は画像信号に応じて選択的に正極性の定電圧パルスが印
加され、また隣接電極が同時に駆動しないよう時分割駆
動しているので、選択電極の両端の非選択電極は常に0
Vとなり対向電極12に対して安定した電界分布を供給
することができる。これと同時にインク9内には正極の
電荷がチャージされてスリット開口部11のメニスカス
部分全面に正電荷が発生し、前記電界の発生により正極
性に帯電したインク9はクーロン力を受けることとな
り、電圧を印加した対向電極12に向けてインク9が引
きつけられ飛躍し、途中に介在する記録紙15に着弾
し、記録紙15上にインク9が浸透する。
【0036】このとき、両端の記録電極2a、2b付近
においても通電領域3a、3bが介在し、非選択電極と
同じ駆動をすることにより選択電極の両端は常に同電位
となり電界分布がインク飛翔方向に対して左右対称とな
ってバランスを保つので、インクは対向電極に対して安
定して真っ直ぐ飛翔しインクが記録紙に着弾する。以上
の1ライン分の記録を終えた後、記録紙15を副走査方
向方向に所定の解像度に決定される分の量を矢印方向へ
搬送し、2ライン目以降も所望の画像データ信号に応じ
て同等の記録動作を繰り返し、記録紙15上には記録ヘ
ッドの幅と記録紙15の走査量の範囲で画像を出力する
ことができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は静電型イン
クジェットの記録ヘッドにおいて、開口部付近に配列さ
れた最端部位置の記録電極の外側に並列して電気的導通
が可能な通電領域をそれぞれ設け、さらに前記通電領域
を前記記録電極の非選択電極と同等かつ同時に駆動せし
め、また前記開口部が少なくとも前記通電領域まで連通
する構成とし、さらに前記駆動手段において少なくとも
隣接する記録電極に対して時間をずらして駆動するよう
に構成したので、任意位置での選択電極の駆動に対し前
記選択電極に隣接する非選択電極乃至は通電領域は必ず
同電位で駆動されるため、選択電極位置で発生する電界
分布がインク飛翔方向に対して左右対称となってバラン
スを保ちインクは対向電極に対して安定して真っ直ぐ飛
翔しインクが記録紙に着弾する。
【0038】したがって従来発生していた特に記録電極
両端位置付近での印字のかすれやドットのずれなどが解
消され、装置として出力の安定性を確保して高画質化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における記録ヘッドの構成
を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるヘッド部の第1構
成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるヘッド部の記録1
ライン分の動作タイミングを示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における記録ヘッドの画像
出力を行う際の駆動方法を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるヘッド部の第2構
成を示す斜視分解図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるヘッド部の第3構
成を示す斜視分解図である。
【図7】従来の記録ヘッドの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 下基板 2 記録電極 2a 1番目の記録電極 2b 最終番目の記録電極 3 導通領域 3a 1番目の記録電極側の導通領域 3b 最終番目の記録電極側の導通領域 4 記録電極用(ドライバ)駆動回路 5 記録電極用高圧電源 6 スペーサ 7 上基板 8 記録ヘッド部 9 インク 10 インク室 11 スリット開口部 12 対向電極 13 対向電極用(ドライバ)駆動回路 14 対向電極用高圧電源 15 記録紙 16 インク供給コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 俊一 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 桑原 誠治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 村松 博之 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 赤瀬 篤也 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 Fターム(参考) 2C057 AF30 AG22 AM03 AM18 BD07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部と、 前記開口部に連通してインクを満たす液室を形成する支
    持体と、 前記開口部付近に記録画素に対応して配列された複数の
    記録電極と、 前記開口部に対して微小間隙をもって配置される対向電
    極と、 画像信号に応じて選択された記録電極(以下選択電極)
    に対し所定の電圧を印加し、また非選択電極を接地する
    乃至は前記選択電極とは異なる電圧を印加する駆動手段
    を有し、前記開口部の選択電極位置よりインクを対向電
    極方向へ飛翔させる静電型インクジェットの記録ヘッド
    において、 開口部付近に配列された最端部位置にある記録電極の外
    側に並列して電気的導通が可能な通電領域を設け、さら
    に前記通電領域を非選択電極と同等かつ同時に駆動せし
    めることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記開口部が少なくとも前記通電領域ま
    で連通していることを特徴とする請求項1に記載の記録
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段において少なくとも隣接す
    る記録電極に対して時間をずらして駆動することを特徴
    とする請求項1または2に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の記録
    ヘッドと、 前記記録ヘッドに設けられた開口部と対向電極部間の微
    小間隙に記録紙を供給し、前記記録ヘッドの駆動に対し
    て同期して走査させる記録紙搬送手段を有することで前
    記記録紙上に画像画素を付着、浸透させることを特徴と
    する画像記録装置。
JP29584499A 1999-10-18 1999-10-18 記録ヘッド並びに該記録ヘッドを用いた画像記録装置 Pending JP2001113708A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013528132A (ja) * 2010-06-11 2013-07-08 トーンジェット リミテッド 画像およびプリントヘッドの制御

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