JP2001111418A - Pll回路およびこれを用いた無線通信装置 - Google Patents

Pll回路およびこれを用いた無線通信装置

Info

Publication number
JP2001111418A
JP2001111418A JP28896399A JP28896399A JP2001111418A JP 2001111418 A JP2001111418 A JP 2001111418A JP 28896399 A JP28896399 A JP 28896399A JP 28896399 A JP28896399 A JP 28896399A JP 2001111418 A JP2001111418 A JP 2001111418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
reference current
current source
phase
pll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28896399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Kikuchi
秀和 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP28896399A priority Critical patent/JP2001111418A/ja
Publication of JP2001111418A publication Critical patent/JP2001111418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャージポンプに単一の参照電流源から参照
電流を供給するようにした場合、同一の参照電流源で低
ノイズと安定した特性とを両立することは困難であり、
両者のトレードオフがPLL回路のノイズと特性を律則
する。 【解決手段】 周波数シンセサイザーPLL回路におい
て、チャージポンプ13に対して参照電流を供給する参
照電流源として、安定化電流源と低ノイズ電流源の2つ
の参照電流源21,22を用意する一方、PLLが周波
数と位相の引き込み過程にあるか、引き込みが終了して
位相同期保持の状態にあるかを制御回路18で判定し、
周波数位相引き込み過程では安定化参照電流源21を、
位相同期保持の状態では低ノイズ参照電流源22をそれ
ぞれ選択するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PLL(phase loc
ked loop) 回路およびこれを用いた無線通信装置に関
し、特に周波数シンセサイザーPLL回路およびこれを
局部発振回路として用いた無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周波数シンセサイザーPLL回路の従来
例を図7に示す。同図において、周波数位相比較器10
1は、参照信号を分周器102で1/Rに分周して得ら
れる信号と、VCO(電圧制御発振器)105の出力信
号を分周器106で1/Nに分周して得られる信号とを
比較し、VCO105の出力信号の位相を進めるべきか
遅らせるべきかに応じてUP信号またはDOWN信号と
して位相差パルスを出力する。
【0003】チャージポンプ103は、周波数位相比較
器101から与えられるUPまたはDOWNの信号に応
じて電流の極性を切り替えて、UP/DOWNパルスと
同じ幅の電流パルスをループフィルタ104へ出力す
る。ループフィルタ104は、チャージポンプ103か
ら出力される電流パルスの高周波成分を除去して電荷を
積分して得られる電圧信号をVCO105に与え、VC
O出力の周波数および位相を制御する。
【0004】上記構成の周波数シンセサイザーPLL回
路では、VCO105の出力信号周波数foの1/N
と、参照信号周波数frの1/Rが等しい値fcになっ
ていることから、VCO出力の周波数foは次式で表さ
れる。 fo=fr・(N/R)
【0005】この式から明らかなように、周波数シンセ
サイザーPLL回路においては、分周器102,106
の分周値R,Nが随時変更されることによって任意の周
波数foの生成が行われる。この周波数シンセサイザー
PLL回路は無線通信装置などに多用されている。そし
て、この種のPLL回路には、ノイズの少ない出力と急
峻な出力周波数の遷移が要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この周波数シンセサイ
ザーPLL回路の出力(VCO出力)のノイズを低減す
るには、チャージポンプ103の出力電流が低ノイズ電
流である必要がある。チャージポンプ103は、図8に
その回路構成の一例を示すように、参照電流Irefの
定数倍の電流をパルス状に出力するように制御されてい
るので、その参照電流Irefを作る参照電流源107
が低ノイズでなければならない。
【0007】図8において、このチャージポンプ103
は、正電源VDDに接続されたUP信号側のカレントミ
ラー回路(PchMOSトランジスタMP1〜MP3)
201と、負電源VSSに接続されたDOWN信号側の
カレントミラー回路(NchMOSトランジスタMN1
〜MN3)202と、参照電流源107の参照電流Ir
efの定数倍の電流をカレントミラー回路(PchMO
SトランジスタMP4〜MP6,NchMOSトランジ
スタMN4,MN5)201,202に流すカレントミ
ラー回路203,204とから構成されている。
【0008】また、急峻な出力周波数の遷移を可能とす
るためには、PLL回路の特性を回路の製造条件、動作
条件に対して安定化して最適化する必要がある。チャー
ジポンプ103の出力電流は、PLL回路の特性を決定
する定数の一つであるから、その基となる参照電流源1
07も安定でなければならない。
【0009】ところが、従来の周波数シンセサイザーP
LL回路では、チャージポンプ103が単一の参照電流
源107に基づいて参照電流Irefの定数倍の電流を
出力する構成となっているため、同一の参照電流源10
7で低ノイズと安定した特性とを両立することは困難で
あり、両者のトレードオフがPLL回路のノイズと特性
を律則していた。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、安定した引き込み特
性と同期時の位相ノイズ低減を両立可能なPLL回路お
よびこれを用いた無線通信装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるPLL回路
は、制御電圧に応じて周波数が可変なVCOと、参照信
号とVCOの出力信号との周波数および位相を比較する
周波数位相比較器と、この周波数位相比較器の出力に応
じて時間と極性を調整した電流パルスを出力するチャー
ジポンプと、このチャージポンプの出力電流を蓄積し平
滑化してVCOに対してその制御電圧として供給するル
ープフィルタと、特性の異なる複数の参照電流源を有す
る参照電流源部と、PLLの動作状態に応じて複数の参
照電流源のうちの一つを選択してその選択した参照電流
源の電流をチャージポンプに参照電流として供給する制
御手段とを備えた構成となっている。そして、このPL
L回路は無線通信装置の局部発振回路として用いられ
る。
【0012】上記構成のPLL回路およびこれを用いた
無線通信装置において、参照電流源部には、特性の異な
る複数の参照電流源、例えば安定化電流源と低ノイズ電
流源の2つの参照電流源が設けられている。一方、制御
手段では、PLLの動作状態の判定、例えばPLLが周
波数と位相の引き込み過程にあるか、引き込みが終了し
て位相同期保持の状態にあるかの判定が行われる。この
動作状態の判定は、例えば、PLLの出力周波数設定の
変更を示す情報と、参照信号とVCO出力との位相差が
許容値を超えた値であることを示す情報とに基づいて行
われる。そして、制御手段はその判定した動作状態に応
じて参照電流源の選択を行う。例えば、周波数位相引き
込み過程では安定化電流源を、位相同期保持の状態では
低ノイズ電流源をそれぞれ選択する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施形態に係る周波数
シンセサイザーPLL回路の構成を示すブロック図であ
る。図1において、本実施形態に係る周波数シンセサイ
ザーPLL回路は、周波数位相比較器11、R分周器1
2、チャージポンプ13、ループフィルタ14、VCO
(電圧制御発振器)15、N分周器16、参照電流源部
17および制御回路18を有する構成となっている。
【0015】周波数位相比較器11は、外部から与えら
れる参照信号を分周器12で1/Rに分周して得られる
信号と、VCO15の出力信号を分周器16で1/Nに
分周して得られる信号との周波数および位相を比較し、
VCO15の出力信号の位相を進めるべきか遅らせるべ
きかに応じてUP信号またはDOWN信号として位相差
パルスを出力する。
【0016】チャージポンプ13は、周波数位相比較器
11から与えられるUPまたはDOWNの信号に応じて
電流の極性を切り替えて、UP/DOWNパルスと同じ
幅の電流パルスをループフィルタ14へ出力する。ルー
プフィルタ14は、チャージポンプ13から出力される
電流パルスの高周波成分を除去して電荷を積分した電圧
信号をVCO15に与え、VCO出力の周波数および位
相を制御する。
【0017】上記構成の周波数シンセサイザーPLL回
路において、本実施形態の特徴とするところは、チャー
ジポンプ13の出力電流の基準となる参照電流を与える
参照電流源部17の構成にある。この参照電流源部17
は、互いに特性の異なる2つの独立した参照電流源2
1,22と、これら参照電流源21,22のうちのどち
らがチャージポンプ13の基準となるかを、制御回路1
8の切り替え制御によって選択する切り替えスイッチ2
3とを有する構成となっている。
【0018】一方、切り替えスイッチ23を制御する制
御回路18は、図示せぬコントローラから与えられるR
_CHGおよびN_CHG信号と、周波数位相比較器1
1から与えられるPH_ERR信号とを入力とし、これ
らの信号に基づいて切り替えスイッチ23を切り替え制
御する制御信号を生成する。R_CHGおよびN_CH
G信号は、新しいR値およびN値が各分周器12,16
で有効になったことを示す信号であり、PH_ERR信
号は参照信号のR分周信号とVCO出力のN分周信号の
位相が許容範囲を超える大きな位相差をもつことを表わ
す信号である。
【0019】ここで、制御回路18の切り替え制御のも
とに、切り替えスイッチ23によって2つの参照電流源
21,22を切り替えて選択する場合の具体例について
説明する。
【0020】2つの参照電流源21,22のうち、例え
ば参照電流源21はまだ周波数位相比較器11の入力に
大きな周波数および位相の差が残っていてPLLが引き
込み過程にあるときに選択され、参照電流源22は引き
込みが完了して位相同期を保持する状態のときに選択さ
れる。
【0021】参照電流源21は、VCO15の出力信号
の周波数が急峻に遷移するときの応答が最短時間になる
ようにPLLの特性を最適化しやすくするために回路の
製造条件や動作条件に対して電流が安定することを主眼
に設計される。参照電流源22は、位相同期保持中の周
波数が安定したVCO15の出力ノイズが最小になるよ
うに、電流を低ノイズとすることを主眼に設計される。
【0022】参照電流源部17の回路構成、即ち独立し
た2つの参照電流源21,22および切り替えスイッチ
23の具体的な回路構成の第1例を図2に示す。
【0023】先ず、参照電流源21は、バンドギャップ
リファレンス回路211、演算増幅器OP11、Nch
MOSトランジスタN11および抵抗R12から構成さ
れている。バンドギャップリファレンス回路211は、
温度補償機能を持つ周知の定電圧回路である。このバン
ドギャップリファレンス回路211において、正電源V
DDと負電源VSSとの間にPchMOSトランジスタ
P11、抵抗R12およびダイオードD11が直列に接
続されている。同様に、VDD−VSS間にPchMO
SトランジスタP12、抵抗R13,R14および互い
に並列に接続されn個のダイオードD12-1〜D12-n
が直列に接続されている。
【0024】抵抗R12とダイオードD11との共通接
続点Oには、演算増幅器OP12の反転(−)入力端が
接続されている。また、抵抗R13と抵抗R14との共
通接続点Pには、演算増幅器OP12の非反転(+)入
力端が接続されている。演算増幅器OP12の出力端
は、PchMOSトランジスタP11,P12の各ゲー
トに接続されている。そして、PchMOSトランジス
タP11のドレインと抵抗R12との共通接続点Qに、
一定電圧であるバンドギャップ電圧VBGが導出され
る。
【0025】このバンドギャップ電圧VBGは、演算増
幅器OP11の非反転入力端に与えられる。演算増幅器
OP11の出力端は、NchMOSトランジスタN11
のゲートに接続されている。NchMOSトランジスタ
N11のソースは、抵抗R11を介して負電源VSSに
接続されている。NchMOSトランジスタN11のソ
ースと抵抗R11との共通接続点Rには、演算増幅器O
P11の反転入力端が接続されている。
【0026】参照電流源22は、ソースが負電源VSS
に接続されたNchMOSトランジスタN12、このM
OSトランジスタN12とゲートが共通に接続され、ソ
ースが負電源VSSに接続されたダイオード接続のNc
hMOSトランジスタN13およびこのMOSトランジ
スタN13のドレインと正電源VDDとの間に接続され
た抵抗R15からなるカレントミラー回路構成となって
いる。
【0027】切り替えスイッチ23は、ソースが共通に
接続されたPchMOSトランジスタP13,P14
と、両MOSトランジスタP13,P14のゲート間に
接続されたインバータINV11とによって構成されて
いる。そして、PchMOSトランジスタP13のゲー
トは、切換え制御信号CNTLが与えられる制御端子2
12に接続されている。また、PchMOSトランジス
タP13,P14のソース共通接続点Sは、チャージポ
ンプ13との間に介在する電流出力端子213に接続さ
れている。
【0028】上記構成の第1例に係る参照電流源部17
おいて、切り替え制御信号CNTLが“L”レベル(論
理“0”)のとき、PchMOSトランジスタP13が
導通し、参照電流IREFとして、バンドギャップリフ
ァレンス回路211と演算増幅器OP11で決まる定電
流(VBG/R11)が流れる。バンドギャップリファ
レンス回路211は、回路の製造条件や動作条件に対し
て安定な電圧VBGを発生する。
【0029】したがって、抵抗R11として精度の高い
抵抗を用いれば、参照電流IREFは製造条件や動作条
件に対して安定な電流となる。その結果、この参照電流
IREFに基づいて駆動されるチャージポンプ13の出
力電流も安定になるので、PLLの周波数応答をダンピ
ング係数を最適に保ちつつ広帯域化し、遷移時間を短縮
することが可能になる。
【0030】切り替え制御信号CNTLが“H”レベル
(論理“1”)のときはPchMOSトランジスタP1
4が導通し、抵抗R15の抵抗値とNchMOSトラン
ジスタN12,N13で決まる電流が参照電流IREF
として流れる。このときの参照電流IREFには電源依
存性、トランジスタ特性依存性が大きいが、生成に寄与
する素子数が少なく、単純な回路構成のため低ノイズで
あり、PLLが同期保持中に用いるとVCO15に変調
をかけるノイズ成分が少ないためにVCO出力を低ノイ
ズ化できる。
【0031】図3に、参照電流源部17の回路構成、即
ち独立した2つの参照電流源21,22および切り替え
スイッチ23の具体的な回路構成の第2例を示す。
【0032】本例に係る参照電流源部17は、一部の回
路を2つの参照電流源21,22に共用した回路構成と
なっている。すなわち、参照電流源21がバンドギャッ
プリファレンス回路214、バイポーラトランジスタQ
21および抵抗R21によって構成され、参照電流源2
2がバイポーラトランジスタQ21〜Q23および抵抗
R21によって構成されており、バイポーラトランジス
タQ21と抵抗R21が両電流源21,22に共用され
ている。
【0033】バイポーラトランジスタQ21と抵抗R2
1は、電流出力端子216と負電源VSSとの間に直列
に接続されている。バイポーラトランジスタQ22,Q
23は共に、ベースとコレクタが共通に接続されたダイ
オード接続となっており、バイポーラトランジスタQ2
1のベースと負電源VSSとの間に直列に接続されてい
る。
【0034】切り替えスイッチ23は、ゲートが共通に
接続されたNchMOSトランジスタN21およびPc
hMOSトランジスタP21と、これらゲートの共通接
続点と制御端子215との間に接続されたインバータI
NV21とによって構成されている。そして、NchM
OSトランジスタN21は、バンドギャップリファレン
ス回路214の出力端とバイポーラトランジスタQ21
のベースとの間に接続されている。PchMOSトラン
ジスタP21は、正電源VDDとバイポーラトランジス
タQ21のベースとの間に抵抗R22を介して接続され
ている。
【0035】バンドギャップリファレンス回路214
は、先の回路例で用いたバンドギャップリファレンス回
路211と同様に、温度補償機能を持つ周知の定電圧回
路である。このバンドギャップリファレンス回路214
において、正電源VDDと負電源VSSとの間に、Pc
hMOSトランジスタP22、抵抗R23およびバイポ
ーラトランジスタQ24が直列に接続されている。トラ
ンジスタQ24のコレクタとベースとの間にはコンデン
サC21が接続され、そのベースと負電源VSSとの間
には抵抗R24が接続されている。
【0036】バイポーラトランジスタQ24のベースに
は、互いに並列に接続されたn個のバイポーラトランジ
スタQ25-1〜Q25-nの各コレクタが接続されてい
る。これらトランジスタQ25-1〜Q25-nの各エミッ
タと負電源VSSとの間には抵抗R25が接続されてい
る。また、トランジスタQ25-1〜Q25-nの各ベース
には、ダイオード接続のバイポーラトランジスタQ26
のベースが共通に接続されてカレントミラー回路を構成
している。
【0037】バイポーラトランジスタQ24のコレクタ
には、バイポーラトランジスタQ27のベースが接続さ
れている。このトランジスタQ27のエミッタと、トラ
ンジスタQ25-1〜Q25-nの各コレクタおよびトラン
ジスタQ26のコレクタとの間には抵抗R26および抵
抗R27がそれぞれ接続されている。トランジスタQ2
6のコレクタと負電源VSSとの間には抵抗R28が接
続されている。
【0038】正電源VDDとトランジスタQ27との間
にはPchMOSトランジスタP23が接続されてい
る。このPchMOSトランジスタP23は、PchM
OSトランジスタP22と共にそのゲートが、切り替え
制御信号CNTLが印加される制御端子215に共通に
接続されている。
【0039】上記構成の第2例に係る参照電流源部17
において、切り替え制御信号CNTLが“L”レベル
(論理“0”)のとき、PchMOSトランジスタP2
3,P24が導通することによってバンドギャップリフ
ァレンス回路214が動作し、動作温度におけるダイオ
ード順方向電圧(バイポーラトランジスタのベース‐エ
ミッタ間電圧)VFと安定化電圧V1の和(VF+V
1)が、バイポーラトランジスタQ21のベースに与え
られる。
【0040】バイポーラトランジスタQ21のエミッタ
電圧はベース電圧よりもダイオード順方向電圧VFだけ
低いことから、エミッタと負電源VSSとの間の抵抗R
21には安定化電圧V1が印加されるため、安定化電流
(V1/R21)が流れる。この安定化電流はほぼその
ままトランジスタQ1を通過して安定した参照電流IR
EFとなる。
【0041】切り替え制御信号CNTLが“H”レベル
(論理“1”)のときは、NchMOSトランジスタN
21が遮断(非導通)し、PchMOSトランジスタP
21が導通する。このとき、バイポーラトランジスタQ
21のベースには、ダイオード接続のバイポーラトラン
ジスタQ22,Q23によってダイオード順方向電圧V
Fの2倍の電圧が与えられる。これにより、バイポーラ
トランジスタQ21のエミッタ電圧はVFとなることか
ら、電流(VF/R21)が参照電流IREFとなる。
このときの参照電流IREFは、動作温度やトランジス
タの特性に対しては安定でないが、低ノイズの電流であ
る。
【0042】上記の2例では、切り替え制御信号CNT
LをPLLが引き込み過程にあるときは“L”レベル
(論理“0”)、引き込みを完了して位相同期を保持す
るときは“H”レベル(論理“1”)にする必要があ
る。この切り替え制御信号CNTLは制御回路18で生
成される。ここで、この制御回路18の動作について説
明する。図4は、制御回路18の動作例を説明するため
の状態遷移図である。
【0043】制御回路18がとる状態には、PLLの引
き込み過程、位相同期の確認、位相同期の保持の3状態
がある。そして、切り替え制御信号CNTLは、これら
3状態に対応して各々“L”レベル、“L”レベル、
“H”レベルとなる。制御回路18には、周波数位相比
較器11から出力される許容値を超える位相差が確認さ
れたことを示す信号PH_ERRと、分周値R,Nの新
しい値が分周器12,16に対して有効になったことを
示すパルス状の信号R_CHG,N_CHGとが入力さ
れる。
【0044】そして、これら入力のいずれかが“H”レ
ベルの場合には、引き込み過程の状態に遷移する。この
引き込み過程の状態において、入力のすべてが“L”レ
ベルになると、位相同期確認の状態へ遷移する。この状
態で一定の時間が経過したことがタイマーなどによって
確認されると、位相同期保持の状態へ遷移する。ここで
時間の経過を待つのは、十分精度の高い引き込みを直接
周波数位相比較器11で確認することは一般的に困難で
あるためであり、時間の経過により周波数と位相の誤差
が指数的に減少してゆくことを利用している。
【0045】図5は、制御回路18に対して許容値を超
える位相差が確認されたことを示す信号PH_ERRを
与える周波数位相比較器11の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【0046】この周波数位相比較器11は、R(リセッ
ト)端子付きのD型フリップ・フロップ(以下、D‐F
Fと記す)31,32、ANDゲート33、D‐FF3
4,35、ディレイライン36,37およびORゲート
38を有する構成となっている。
【0047】D‐FF31,34はR分周された参照信
号を、D‐FF32,35はN分周されたVCO出力を
それぞれCK(クロック)入力としている。D‐FF3
1,32は電源電圧VDDをD(データ)入力とし、各
Q出力をUP信号、DOWN信号としている。D‐FF
31,32の各Q出力はANDゲート33で論理積がと
られ、その論理積出力がD‐FF31,32の各R入力
となる。
【0048】一方、D‐FF34はディレイライン36
で遅延後のN分周されたVCO出力をD入力とし、FF
35はディレイライン37で遅延後のR分周された参照
信号をD入力としている。D‐FF34,35の各Q出
力は、ORゲート38を通してPH_ERR信号となっ
て制御回路18に供給される。
【0049】上記構成の周波数位相比較器11におい
て、N分周されたVCO出力がR分周された参照信号に
対して位相が十分な精度で同期した場合、D‐FF3
4,35は各々の入力立ち上がりをトリガーに、他の入
力立ち上がりがディレイライン36,37を通過前の
“L”レベルを拾うので、ORゲート38の出力、即ち
PH_ERR信号が“L”レベルとなる。一方、入力に
ディレイライン36,37の遅延量に相当する許容値以
上の位相差があると、PH_ERR信号が“H”レベル
となる。
【0050】上述したように、周波数シンセサイザーP
LL回路において、チャージポンプ13に対して参照電
流を供給する参照電流源として、安定化電流源と低ノイ
ズ電流源の2つの参照電流源21,22を用意する一
方、PLLが周波数と位相の引き込み過程にあるか、引
き込みが終了して位相同期保持の状態にあるかを判定し
て、周波数位相引き込み過程では安定化参照電流源21
を、位相同期保持の状態では低ノイズ参照電流源22を
それぞれ選択するようにしたことで、安定した引き込み
特性と同期時の位相ノイズ低減とを両立できる。
【0051】すなわち、PLLの引き込み過程において
重要となる特性周波数とダンピングファクターを決定す
る定数の一つである引き込み時のチャージポンプ13の
電流を、回路の製造条件と動作条件に対して安定な参照
電流源21を基準に決定できるので、引き込み時間を最
適化するにあたって条件の変動に対するマージンを加味
する必要がなく、短時間で引き込みを完了できる。ま
た、PLLの位相同期保持中にはVCO15の好ましか
らぬ変調の一つの原因となるチャージポンプ13の電流
のノイズがあり、これを抑えるために位相同期保持の状
態では低ノイズの参照電流源22を用いることで、VC
O出力のノイズを低減できる。
【0052】さらに、独立した複数の参照電流源を切り
替えてPLLのチャージポンプ13の電流を決定するの
で、上記の引き込み時間の短縮とVCO出力の低ノイズ
化はトレードオフの対象となることなく独立に最適化で
きる。
【0053】なお、上記実施形態においては、参照電流
源部17に特性の異なる2つの参照電流源21,22を
設けるとしたが、2つに限られるものではなく、特性の
異なる参照電流源を3個以上設けることも可能である。
また、特性の異なる参照電流源として、安定化電流源と
低ノイズ電流源とを用いるとしたが、これらの特性の限
定されるものではなく、例えば電流量の大きい参照電流
源と電流量の小さい参照電流源とを用意し、PLLの引
き込み過程では電流量の大きい電流源を、位相同期保持
の状態では電流量の小さい電流源を選択することも可能
である。
【0054】図6は、本発明に係る無線通信装置、例え
ば携帯電話装置のRFフロントエンド部の構成の一例を
示すブロック図である。
【0055】図6において、アンテナ41で受信された
受信波は、送受信に共用される帯域振分けフィルタ42
を通過し、低ノイズアンプ43を介してミキサ44に供
給される。ミキサ44では、局部発振回路45からの局
部発振周波数と混合され、中間周波(IF)に変換され
て後段の回路に供給される。一方、送信側では、前段の
回路から供給されるIF信号がミキサ46で局部発振回
路47からの局部発振周波数と混合され、RF信号に変
換された後、パワーアンプ48および帯域振分けフィル
タ42を経てアンテナ41から送信される。
【0056】上記構成の携帯電話装置のRFフロントエ
ンド部において、局部発振周波数を発生する局部発振回
路45,47として、先述したPLL回路、即ち特性の
異なる例えば2つの参照電流源21,22を持ち、これ
らを動作状態に応じて使い分ける構成のPLL回路(図
1を参照)が用いられる。
【0057】このように、局部発振回路45,47とし
て、特性の異なる複数の参照電流源を動作状態に応じて
使い分ける構成のPLL回路を用い、PLLの引き込み
過程では安定化参照電流源を用いることで、引き込み時
間を最適化するにあたって条件の変動に対するマージン
を加味する必要がなく、短時間で引き込みを完了できる
ため、チャンネル周波数の迅速な切り替えが可能にな
り、実効的な通信時間を増加できる。また、PLLの位
相同期保持の状態では、低ノイズ参照電流源を用いこと
で、VCO出力のノイズを低減できるため、伝送誤りや
局間干渉の少ない高品質な通信が可能になる。
【0058】なお、上記適用例では、本発明に係るPL
L回路を携帯電話装置における局部発振回路に適用した
場合を例に採って説明したが、これに限定されるもので
はなく、無線通信装置全般における局部発振回路に適用
可能である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PLL回路およびこれを用いた無線通信装置において、
特性の異なる複数の参照電流源を用意し、これら参照電
流源をPLLの動作状態に応じて使い分けるようにした
ことにより、安定した引き込み特性と同期保持時の位相
ノイズ低減を両立できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る周波数シンセサイザ
ーPLL回路の構成を示すブロック図である。
【図2】参照電流源部の具体的な回路構成の第1例を示
す回路図である。
【図3】参照電流源部の具体的な回路構成の第2例を示
す回路図である。
【図4】制御回路の動作例を説明するための状態遷移図
である。
【図5】周波数位相比較器の構成の一例を示すブロック
図である。
【図6】本発明に係る携帯電話装置のRFフロントエン
ド部の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】従来例に係るPLL回路の構成を示すブロック
図である。
【図8】チャージポンプの回路構成の一例を示す回路図
である。
【符号の説明】
11…周波数位相比較器、13…チャージポンプ、15
…VCO(電圧制御発振器)、17…参照電流源部、1
8…制御回路、21,22…参照電流源、23…切り替
えスイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電圧に応じて周波数が可変な電圧制
    御発振器と、 参照信号と前記電圧制御発振器の出力信号との周波数お
    よび位相を比較する周波数位相比較器と、 前記周波数位相比較器の出力に応じて時間と極性を調整
    した電流パルスを出力するチャージポンプと、 前記チャージポンプの出力電流を蓄積し平滑化して前記
    電圧制御発振器に対してその制御電圧として供給するル
    ープフィルタと、 特性の異なる複数の参照電流源を有する参照電流源部
    と、 PLLの動作状態に応じて前記複数の参照電流源のうち
    の一つを選択してその選択した参照電流源の電流を前記
    チャージポンプに参照電流として供給する制御手段とを
    備えたことを特徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】 前記参照電流源部は、特性の異なる参照
    電流源として安定化電流源と低ノイズ電流源とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、PLLが周波数と位相
    の引き込み過程にあるか、引き込みが終了して位相同期
    保持の状態にあるかを判定し、周波数位相引き込み過程
    では前記安定化電流源を、位相同期保持の状態では前記
    低ノイズ電流源をそれぞれ選択することを特徴とする請
    求項2記載のPLL回路。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、PLLの出力周波数設
    定の変更を示す情報と、前記参照信号と前記電圧制御発
    振器の出力信号と位相差が許容値を超えた値であること
    を示す情報とに基づいて参照電流源の選択を行うことを
    特徴とする請求項1記載のPLL回路。
  5. 【請求項5】 制御電圧に応じて周波数が可変な電圧制
    御発振器と、 参照信号と前記電圧制御発振器の出力信号との周波数お
    よび位相を比較する周波数位相比較器と、 前記周波数位相比較器の出力に応じて時間と極性を調整
    した電流パルスを出力するチャージポンプと、 前記チャージポンプの出力電流を蓄積し平滑化して前記
    電圧制御発振器に対してその制御電圧として供給するル
    ープフィルタと、 特性の異なる複数の参照電流源を有する参照電流源部
    と、 PLLの動作状態に応じて前記複数の参照電流源のうち
    の一つを選択してその選択した参照電流源の電流を前記
    チャージポンプに参照電流として供給する制御手段とを
    備えたPLL回路を局部発振回路として用いたことを特
    徴とする無線通信装置。
JP28896399A 1999-10-12 1999-10-12 Pll回路およびこれを用いた無線通信装置 Pending JP2001111418A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28896399A JP2001111418A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 Pll回路およびこれを用いた無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28896399A JP2001111418A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 Pll回路およびこれを用いた無線通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001111418A true JP2001111418A (ja) 2001-04-20

Family

ID=17737077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28896399A Pending JP2001111418A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 Pll回路およびこれを用いた無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001111418A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507985A (ja) * 2003-10-03 2007-03-29 アナログ デバイスズ インコーポレイテッド フェーズロックループ帯域幅校正回路及びその方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507985A (ja) * 2003-10-03 2007-03-29 アナログ デバイスズ インコーポレイテッド フェーズロックループ帯域幅校正回路及びその方法
JP4691035B2 (ja) * 2003-10-03 2011-06-01 メディアテック インコーポレーテッド フェーズロックループ帯域幅校正回路及びその方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4167711A (en) Phase detector output stage for phase locked loop
US5847614A (en) Low power charge pump
JP2795323B2 (ja) 位相差検出回路
US6664861B2 (en) Method and apparatus for stable phase-locked looping
US4546330A (en) Phase-locked loop circuit
JP2003517755A (ja) スイッチトキャパシタ抵抗器を用いたpllループ・フィルタ
JP6252888B2 (ja) Pll回路、キャリブレーション方法及び無線通信装置
US5386437A (en) Phase-locked loop circuit
JP2013062845A (ja) 位相ロック・ループにおけるvcoの動的バイアス印加
US5903197A (en) Phase-locked loop circuit
JP2011519252A (ja) デジタル位相ロックループ(dpll)における電力消費を制御するシステム及び方法
US6526111B1 (en) Method and apparatus for phase locked loop having reduced jitter and/or frequency biasing
CN102347765A (zh) 一种时钟与数据恢复系统、相位调整方法及鉴相器
EP0800274B1 (en) PLL circuit
JP3193805B2 (ja) Pll回路
US6154097A (en) PLL oscillating circuit including oscillating circuit with mutual conductance controlled
US20200266823A1 (en) Feedback control for accurate signal generation
CN109586714B (zh) 使用锁相环和锁频环对压控振荡器进行校准以修整其增益
US20080157879A1 (en) Decreasing frequency synthesizer lock time for a phase locked loop
JP2001274682A (ja) フェーズロックドループ回路
US7650119B2 (en) Wireless communication system and method using digital calibration to control mixer input swing
JP3851511B2 (ja) Fm送信機
EP0629321A4 (en) SWITCHING, COUNTER AND FREQUENCY SYNTHETIZER WITH ADJUSTABLE PRELOAD CURRENT.
JP2001111418A (ja) Pll回路およびこれを用いた無線通信装置
TWI805268B (zh) 振盪器增益調節器電路及其選擇方法以及鎖相迴路