JP2001111136A - 磁化方向制御膜及びこれを用いた磁気抵抗効果型センサ - Google Patents

磁化方向制御膜及びこれを用いた磁気抵抗効果型センサ

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JP2001111136A JP28877399A JP28877399A JP2001111136A JP 2001111136 A JP2001111136 A JP 2001111136A JP 28877399 A JP28877399 A JP 28877399A JP 28877399 A JP28877399 A JP 28877399A JP 2001111136 A JP2001111136 A JP 2001111136A
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sensor
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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    • HELECTRICITY
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄く形成した磁化方向制御膜及びこれを用い
た磁気抵抗効果型センサを提供する。 【解決手段】 (002)配向した六方晶系金属からな
る下地層と、上記下地層上に形成された反強磁性層とか
らなる磁化方向制御膜である。磁気抵抗効果型センサに
使用するときには、磁化方向を制御したい軟磁性層に上
記磁化方向制御膜の反強磁性層を接して設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気センサ等におい
て磁化バイアスを印加して所定磁性層の磁化方向を制御
する磁化方向制御膜に係り、より詳しくは磁気記録媒体
の読取りヘッドとして近年多く使用され薄膜化への要請
が増大している磁気抵抗効果型の読取りセンサ等に適用
可能な磁化方向制御膜に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果を利用する読取りセンサと
しては、ハードディスク等の磁気記録媒体からの外部磁
界Hsig を再生する素子として単層膜を用いる磁気抵抗
効果型センサ(MR型センサ)と、多層膜を用いてMR
型センサより感度を高めた巨大磁気抵抗効果型センサ
(GMR型センサ)が知られている。
【0003】上記GMR型センサとしてはスピンバルブ
型センサ(SVMR型センサ)がよく知られている。こ
のSVMR型センサに関しては、例えば特開平4−35
8310号公報に開示されている。SVMR型センサは
非磁性金属層によって分離された2つの軟磁性層を備
え、一方の軟磁性層の磁化が固定されている多層膜とな
っている。ここで、上記軟磁性層(以下、ピン層と称
す)の磁化の固定は例えば鉄−マンガン(Fe−Mn)
合金からなる反強磁性層をこのピン層に接触させること
によって行っている。このSVMR型センサの構造にお
いて、外部磁界Hsigが印加されると固定されていな
い他方の軟磁性層(以下、フリー層と称す)の磁化方向
が外部磁界Hsigの方向に応じて磁気回転するため、
磁化が固定されている上記ピン層との間で磁化方向の角
度差が生じる。この角度差に依存して、伝導電子のスピ
ン状態が変化し、これが電気抵抗値の変化として表れ
る。よって、この電気抵抗値の変化を検出すれば、外部
磁界Hsigの磁化情報を再生することができる。
【0004】ここで、SVMR型センサが感度よく外部
磁界Hsigを検出するためには、上記ピン層が所定方
向(一般に磁気記録媒体の面に対して垂直方向)にピン
止め(固定)されていることが好ましい。ピン層の磁化
方向を上記所定方向に向けるために、反強磁性層がピン
層に接して配設されている。すなわち、ピン層は反強磁
性層が接して配設されると、磁気的な交換結合によって
一方向異方性の磁化を生じ上記所定方向に固定されるこ
とになる。ここで、上記反強磁性層はピン層にバイアス
磁界を印加して、ピン層の磁化方向が所定方向へ向くよ
うに制御する機能を果たしている。
【0005】また、MR型センサで使用される単層膜
(MR膜と称す)は一方向異方性を有する軟磁性層であ
り、例えばパーマロイ(NiFe)が用いられている。
このMR膜についても外部磁界Hsig が印加されると磁
化回転によりMR膜内の電気抵抗が変化し、これを検出
することで外部磁界Hsig の磁化情報を再生する。MR
膜はバルクハウゼン雑音対策等の点から単一磁区状態に
されていることが好ましい。このMR膜についても磁化
方向制御膜として反強磁性層を接触して配設することが
従来から行われている。
【0006】上述したようにSVMR型センサ及びMR
型センサ等において反強磁性層は隣接して配される軟磁
性層の磁化方向を制御するための磁化バイアスを供給す
る膜として重要な役割があるため、その機能が十分に発
揮されるように形成する必要がある。反強磁性層は面心
立方格子(face-centered cubic 以下、fcc)又は面
心正方格子(face-centered tetragonal 以下、fc
t)の結晶構造を有し十分に(111)配向されている
ことが好ましいとされている。その理由はピン層或いは
MR膜等の磁化方向を制御する時に、配向度が低い反強
磁性層を使用するとピン層或いはMR膜側での一方向異
方性磁界が小さくなり、外部磁界等からの影響でその磁
化方向が傾く等の不都合が生じるからである。
【0007】ところで、順積層タイプと称されて基板側
からフリー層、非磁性金属層、ピン層、反強磁性層の順
で積層されるスピンバルブ膜を使用する場合には、反強
磁性層はピン層上に形成される。このピン層は積層工程
においてfcc(111)に配向されるので、その上に
形成される反強磁性層も同様にfcc又はfct(11
1)に都合よく配向される。しかし、逆積層タイプと称
されて基板側から反強磁性層、ピン層、非磁性金属層、
フリー層の順で積層するタイプのスピンバルブ膜を使用
する場合には、反強磁性層をfcc又はfct(11
1)配向とするために下地層が必要となる。同様な理由
から、反強磁性層の上にMR膜を形成するタイプのMR
型センサの場合も下地層が必要となる。
【0008】そこで、fcc構造を有するパーマロイ又
は銅等からなる下地層上に反強磁性層を成膜することに
ついて従来から提案がある。例えば特開平6−1395
26号公報にはfcc構造を有する50Åから400Å
の下地層上に反強磁性層を成膜することによりMR膜の
磁化固定力を維持する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記パーマ
ロイ等のfcc構造を有する下地層は50Å以上の層厚
を必要としている。近年においては磁気記録密度の急激
な向上に伴い磁気センサの薄膜化への要請が増大してお
り、読取りセンサのリードギャップを小さくなければな
らない。このリードギャップ内にある磁気抵抗効果素子
についても当然に可能な限り薄膜化する必要がある。一
般に数百Å程度の層厚を有する磁気抵抗効果素子にあっ
て50Å以上の厚さを必要とする下地層についても可能
な限り薄く形成することが求められる。
【0010】したがって本発明の目的は、薄く形成でき
る磁化方向制御膜を提供すること、及びこれを使用し薄
膜化した磁気抵抗効果型のセンサを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、(002)配向した六方晶系金属から
なる下地層と、上記下地層上に形成された反強磁性層と
を有する磁化方向制御膜、により達成される。
【0012】請求項1記載の発明において、下地層に使
用される六方晶系金属は安定な優先結晶成長方向が六方
最密充填結晶構造(hexagonal closest packed structu
re以下、hcp)(002)面である。上記六方晶系金
属は数Å程度のきわめて薄い層厚から良好な結晶構造と
なる。上記hcpの(002)面は略正六角形をしてお
り、略正三角形となるfcc(111)の配向面や略二
等辺三角形となるfct(111)の配向面が形成され
易くなっている。六方晶系金属の面上に積層される反強
磁性層もfcc又はfct構造で十分に(111)配向
状態とすることができ、反強磁性層としての機能を十分
に発揮できるように形成できる。したがって、この磁化
方向制御膜は薄く形成することができ、この磁化方向制
御膜の反強磁性層を磁化方向制御を必要とする軟磁性層
に隣接して配置すれば、反強磁性層から必要なバイアス
磁化が供給されその軟磁性層に一方向異方性磁界を生じ
させることができる。
【0013】また、請求項1記載の発明は請求項2記載
に記載される如く、前記下地層は、ルテニウム(R
u)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)の群か
ら選択されるいずれか1の六方晶系金属又は、該群から
選択される少なくとも2つから構成される六方晶系の合
金とすることが好ましい。これらの金属は層厚が数Å程
度でもhcp構造で(002)配向した良好な結晶構造
となる。六方晶系金属でより好ましいのはルテニウムで
ある。ルテニウムの場合、約3Å程度でもhcp構造で
(002)配向した良好な結晶構造となる。また、六方
晶系の合金としては、チタン、ジルコニウム等からなる
ものを同様に使用することができる。
【0014】また、請求項3記載に記載される如く、前
記反強磁性層は、パラジウム−マンガン(Pd−M
n)、白金−マンガン(Pt−Mn)、パラジウム−白
金−マンガン(Pd−Pt−Mn)及びニッケル−マン
ガン(Ni−Mn)から選択される正方晶系金属材料又
は、鉄−マンガン(Fe−Mn)及びイリジウム−マン
ガン(Ir−Mn)から選択される立方晶系金属材料を
使用することができる。
【0015】本発明の反強磁性層にはfcc又はfct
構造を有する金属材料を使用することができ、規則系或
いは不規則系のどちらの金属材料でも使用することがで
きる。ここに示した正方晶系金属材料はfct構造であ
り加熱により規則化されて反強磁性層として機能するよ
うになる。一方、立方晶系金属材料はfcc構造であり
加熱を必要とする規則系或いは加熱を必要としない不規
則系の両方の状態で反強磁性層として使用できる。
【0016】これらの金属材料は約50Åから約300
Åの層厚で上記下地層上に形成すると好ましい磁化方向
制御膜とすることができる。そして、請求項4に記載す
る如く、請求項1から3のいずれかに記載の磁化方向制
御膜は、前記下地層の層厚を最大で30Åとすることが
できる。上記Ru、Ti及びZr等の六方晶系金属から
なる下地は数Å程度のきわめて薄い層厚から良好な結晶
構造を取り、その層厚は最大でも30Å程度でその上に
形成される反強磁性層を良好な(111)配向状態とす
ることできる。よって、従来において最低でも50Å以
上は必要であった下地層の層厚を薄く形成でき、この下
地層を含む磁化方向制御膜を全体として薄く形成できる
ことになる。
【0017】さらに、請求項5に記載する如く、請求項
1から4のいずれかに記載の磁化方向制御膜の反強磁性
層上に、軟磁性層を形成した磁気抵抗効果型センサとし
て構成することができる。請求項5に記載の発明では、
薄膜化された磁化方向制御膜を使用する磁気抵抗効果型
センサとなるので高密度化に対応できる。
【0018】また、請求項1から4のいずれかに記載の
磁化方向制御膜の反強磁性層上に、下から順に軟磁性
層、非磁性金属層及び軟磁性層とした積層体を形成した
巨大磁気抵抗効果型センサとして構成することもができ
る。この場合、薄膜化された磁化方向制御膜を使用する
磁気抵抗効果センサとなるのでセンサ自体を薄く形成で
き高密度化に対応できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
例を説明する。図1は第1実施例として本発明の磁化方
向制御膜を適用したMRセンサ10について示す図であ
る。図1において、MRセンサ10はアルミナ−チタン
−カーバイト(Al 23−TiC)の基板11上に、
下から順に六方晶系金属膜からなる下地層13、fct
構造で(111)配向された反強磁性層15、MR膜と
しての軟磁性層17が形成されている。なお、軟磁性層
17上に形成されているのは保護膜19である。
【0020】上記MRセンサ10はスパッタリング装置
を用いて次のように連続的に製造することができる。シ
リコン又はSiO2 膜が形成されたアルミナ−チタン−
カーバイト基板(通常、アルチック基板と称される)1
1上に下地層13として六方晶系であるルテニウムを約
20Å成膜した。続けて、この下地層13上に反強磁性
層15としてパラジウム−白金−マンガン(Pd31Pt
17Mn52(数字は原子%))を100から250Å成膜
した。さらに、反強磁性層15上に軟磁性層17として
パーマロイ(Ni81Fe19(数字は原子%))を約20
0Å成膜し、最後に軟磁性層17上に約50Åのタンタ
ル(Ta)を成膜し保護膜19とした。なお、軟磁性層
17を成膜する際に、固定したい磁化方向に100Oe
程度の直流磁場を印加してもよい。
【0021】本実施例の上記MRセンサ10では下地層
13と反強磁性層15とが磁化方向制御膜となる。反強
磁性層15として使用したパラジウム−白金−マンガン
は、(002)配向されたルテニウム上に形成されるた
めfctの(111)配向となり軟磁性層(MR膜)1
7に十分な一方向異方性の磁界を生じさせることができ
る。この時、格子定数はa:4.08Å、c:3.57
Åであった。
【0022】なお、本実施例の反強磁性層15で使用し
たパラジウム−白金−マンガンは規則系の合金である。
パラジウム−白金−マンガンは成膜時には準安定相のf
cc構造となる傾向があり、fct構造とするためには
熱処理して規則化することが必要である。本実施例のM
Rセンサ10では軟磁性層17の磁化方向を固定させる
方向と同一方向に約2500Oeの外部静止磁場中で2
80℃の真空中熱処理を約3時間施された。
【0023】図2(A)は、下地層としてルテニウムを
約20Å使用している上記MRセンサ10でのMR膜1
7の磁化曲線を示している。ヒステリシスループのゼロ
磁場Xからのシフト量Sで定義される一方向異方性磁界
(Hua)は約100Oeである。一般的にMR膜には
200Åのパーマロイ膜に対して40Oe程度の一方向
異方性磁界が必要とされることから本実施例のMRセン
サ10のMR膜17が良好な状態で固定されていること
が確認できる。
【0024】図2(B)は、下地層13の厚さとその時
にMR膜17に生じる一方向異方性磁界(Hua)との
関係を示している。本実施例の場合で下地層13の厚さ
のみを変えて製造したMRセンサ10について測定し
た。下地層13の層厚が約3ÅからMR膜17に一方向
異方性磁界(Hua)が生じ、層厚が20Åまで急激に
上昇している。そして、層厚が約30Å近くでは最高値
(約125Oe)に近い一方向異方性磁界を生じてい
る。したがって、本実施例の磁化方向制御膜は下地層1
3が極め薄い3Å程度から磁化方向制御の機能を発揮
し、最大でも約30Åの層厚で十分であることが確認で
きる。なお、同図中で破線で示したのが従来のfcc構
造を有する下地層の層厚で、少なくとも50Å程度の層
厚がなければ必要な一方向異方性磁界(Hua)をMR
膜に発生させることができないことを示している。
【0025】なお、本実施例ではMRセンサ10のMR
膜17に適用する磁化方向制御膜として、下地層13と
反強磁性層15とからなる磁化方向制御膜を例に示して
いる。しかし、これに限らず他の磁気デバイス等で磁化
方向の制御を必要とする磁性層に接して設ければ同様に
使用できることは言うまでもない。その際、必要とされ
る一方向異方性磁界(Hua)の強度も適用される磁性
膜によって異なることことが予想される。本実施例で示
した磁化方向制御膜13、15は下地膜13としてルテ
ニウムを使用し極めて薄い3Å程度から軟磁性層(MR
膜17)に一方向異方性を生じさせ、約20Åまでに数
Oeから100Oeまで変化させることができる。よっ
て、適用範囲が極めて広い磁化方向制御膜として使用す
ることができる。
【0026】また、上記MRセンサ10を製造するため
の積層工程はスパッタリング装置を用いて行なったが、
イオンビームスパッタ法、真空蒸着法等他の薄膜形成手
段を用いても同様にMRセンサ10を製造することがで
きる。図3は第2実施例として本発明の磁化方向制御膜
を適用したSVMRセンサ20について示す図である。
【0027】図3において、SVMRセンサ20はアル
ミナ−チタン−カーバイト(Al 23 −TiC)の基
板21上に、下から順に六方晶系金属膜からなる下地層
22、fct構造で(111)配向された反強磁性層2
3、ピン層としての軟磁性層24、非磁性金属層25、
フリー層としての軟磁性層26が形成されている。な
お、フリー層26上に形成されているのは保護膜27で
ある。
【0028】上記MRセンサ20はDCマグネトロンス
パッタリング装置を用いて次のように製造された。シリ
コン又はSiO2 が形成されたアルミナ−チタン−カー
バイト基板21上に下地層22として六方晶系であるル
テニウムを約6Å成膜した。続けて、この下地層22上
に反強磁性層23としてパラジウム−白金−マンガン
(Pd31Pt17Mn52(数字は原子%))を約150Å
成膜した。さらに、反強磁性層23上にピン層24とし
てコバルト−鉄(Co90Fe10(数字は原子%))を約
22Å成膜し、非磁性金属層25としてCuを約28Å
成膜し、フリー層26としてコバルト−鉄(Co90Fe
10(数字は原子%))を約30Å成膜した。最後にフリ
ー層26上に約50Åのタンタル(Ta)を成膜し保護
膜27とした。なお、ピン層24を成膜する際に、固定
したい磁化方項に100Oe程度の直流磁場を印加して
もよい。
【0029】ここで上記SVMRセンサ20の下地層2
2と反強磁性層23は磁化方向制御膜である。反強磁性
層23として使用したパラジウム−白金−マンガンは、
(002)配向されたルテニウム上に形成されている。
よって反強磁性層23はfct構造(111)配向とな
りピン層24に一方向異方性の磁界を生じさせることが
できる。
【0030】ここでパラジウム−白金−マンガンからな
る反強磁性層23をfct構造に結晶化させるために、
上記第1実施例と同様にピン層24の磁化方向を固定さ
せる方向と同一方向に約2500Oeの外部静止磁場中
で280℃の真空中熱処理を3時間施した。図4は上記
SVMRセンサ20の磁気抵抗曲線を示している。6%
以上の磁気抵抗変化率(MR ratio )を示しており、
良好とされる磁気抵抗特性を示す磁気センサであること
が確認できる。
【0031】本実施例によれば逆積層タイプのSVMR
型センサでは下地層22の層厚を薄く形成することがで
き、合わせて反強磁性層23を好ましい(111)状態
に配向できる。よって、高密度化に対応し、薄膜化した
SVMR型センサとして提供できる。以上、本発明の好
ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の
実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形
・変更が可能である。
【0032】上記第1及び第2実施例では下地層13、
22としてルテニウムを用いたがチタン、ジルコニウム
を使用した場合にも同様の磁化制御特性を得ることがで
きる。また、第1及び第2実施例では反強磁性層15、
23としてfctで規則系の合金パラジウム−白金−マ
ンガンを使用したが、パラジウム−マンガン、白金−マ
ンガン、ニッケル−マンガン等のfct系の金属材料或
いは鉄−マンガン及びイリジウム−マンガン等のfcc
系の金属材料を使用することができる。
【0033】上記実施例では本発明の磁化方向制御膜を
磁気抵抗効果型センサに適用した例を示したが、これに
限らず磁化方向の制御を必要とする磁性膜にバイアス磁
界を印加する手段として広く使用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、(002)配向した六方晶系金属からな
る下地層を含む磁化方向制御膜とすることで、薄く形成
するできることができ、この磁化方向制御膜の反強磁性
層を磁化方向制御を必要とする磁性層に隣接して配置す
れば、反強磁性層から必要なバイアス磁化が供給されそ
の磁性層に一方向異方性を生じさせることができる。
【0035】また、請求項2記載に記載される如く、前
記下地層にルテニウム等の六方晶系金属とすれば層厚が
数Å程度でも(hcp)構造の(002)配向した良好
な結晶構造となり、磁化方向制御膜を確実に薄くするこ
とができる。また、請求項3記載に記載される如く、前
記反強磁性層はパラジウム−白金−マンガン等の正方晶
系の金属材料或いは鉄−マンガン等の正方晶系の金属材
料を使用することで、(002)配向した六方晶系金属
の上で(111)に配向されるため、接して配される軟
磁性膜に必要な一方向異方性磁界を生じさせることでき
る。
【0036】また、請求項4に記載する如く、磁化方向
制御膜は六方晶系金属からなる下地層としたため最大で
30Åとすることができ、従来では50Å以上必要であ
った磁気抵抗センサ等の下地層を薄くすることができ
る。さらに、請求項5に記載する如く、上記磁化方向制
御膜は磁気抵抗効果型センサの構成の一部に含まれて、
センサ自体の薄膜化に寄与するので、高密度化に対応し
た磁気抵抗効果型センサとして供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施例として本発明の磁化方向制御
膜を適用したMRセンサについて示す図である。
【図2】図2(A)は図1のMRセンサのMR膜の磁化
曲線を示す図、図2(B)は図1のMRセンサの下地層
の厚さとMR膜に生じる一方向異方性磁界(Hua)と
の関係を示す図である。
【図3】図3は第2実施例として本発明の磁化方向制御
膜を適用したSVMRセンサについて示す図である。
【図4】図4は図3のSVMRセンサの磁気抵抗曲線を
示す図である。
【符号の説明】
11、21 基板 13、22 下地層 15、23 反強磁性層 17 軟磁性層(MR膜) 24 軟磁性層(ピン層) 25 非磁性金属層 26 軟磁性層(フリー層)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (002)配向した六方晶系金属からな
    る下地層と、 上記下地層上に形成された反強磁性層とを有する磁化方
    向制御膜。
  2. 【請求項2】 前記下地層は、ルテニウム(Ru)、チ
    タン(Ti)及びジルコニウム(Zr)の群から選択さ
    れるいずれか1の六方晶系金属又は、該群から選択され
    る少なくとも2つから構成される六方晶系の合金であ
    る、ことを特徴とする請求項1記載の磁化方向制御膜。
  3. 【請求項3】 前記反強磁性層は、パラジウム−マンガ
    ン(Pd−Mn)、白金−マンガン(Pt−Mn)、パ
    ラジウム−白金−マンガン(Pd−Pt−Mn)及びニ
    ッケル−マンガン(Ni−Mn)から選択される正方晶
    系金属材料又は、鉄−マンガン(Fe−Mn)及びイリ
    ジウム−マンガン(Ir−Mn)から選択される立方晶
    系金属材料である、 ことを特徴とする請求項2記載の磁化方向制御膜。
  4. 【請求項4】 前記下地層の層厚を最大で30Åとし
    た、 ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁
    化方向制御膜。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の磁化
    方向制御膜の反強磁性層上に、軟磁性層を形成した磁気
    抵抗効果型センサ。
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