JP2001109141A - 平版印刷原版 - Google Patents

平版印刷原版

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JP2001109141A
JP2001109141A JP28807699A JP28807699A JP2001109141A JP 2001109141 A JP2001109141 A JP 2001109141A JP 28807699 A JP28807699 A JP 28807699A JP 28807699 A JP28807699 A JP 28807699A JP 2001109141 A JP2001109141 A JP 2001109141A
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JP
Japan
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hydrophilic
layer
water
acid
lithographic printing
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Withdrawn
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JP28807699A
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English (en)
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Noribumi Inno
紀文 因埜
Hiromichi Tachikawa
博道 立川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1008Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by removal or destruction of lithographic material on the lithographic support, e.g. by laser or spark ablation; by the use of materials rendered soluble or insoluble by heat exposure, e.g. by heat produced from a light to heat transforming system; by on-the-press exposure or on-the-press development, e.g. by the fountain of photolithographic materials

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷前または印刷中に非画像部が汚染されに
くく、汚染されても汚れが徐々に除去される平版印刷原
版を提供する。 【解決手段】 架橋構造を有する水不溶性親水性マトリ
ックスと、水溶性高分子化合物とを含む親水性層を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に印刷に
おいて非画像部として機能する親水性層を有する平版印
刷原版に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は一般に、印刷過程でインク
を受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性
の非画像部とからなる。平版印刷原版としては、親水性
支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けたPS版が広く
用いられている。PS版に画像(例、リスフィルム)を
通して露光を行った後、非画像部の感光性樹脂層を現像
液(通常はアルカリ水溶液)により除去することによ
り、残存する感光性樹脂層からなる画像部と、露出した
親水性支持体表面からなる非画像部とを有する印刷版が
得られる。非画像部の感光性樹脂層を除去した現像液の
廃液は、感光性樹脂のアルカリ性水溶液である。この廃
液の処分が、印刷処理における大きな負担となってい
る。特に近年では地球環境への配慮から、環境に全く無
害な状態まで廃液を処理することが要求されている。
【0003】そこで、親油性の感光性樹脂層の非画像部
を除去するのではなく、親水性層の画像部を除去するこ
とにより、親油性の画像部と親水性の非画像部とを形成
する方法が提案されている。親水性層の水溶液(または
水分散液)ならば、感光性樹脂層のアルカリ水溶液より
も、廃液の処理が容易である。あるいは、親水性層の画
像部を、処理液を使用せずに機械的に除去することもで
きる。また、親水性層の画像部を除去する現像処理は、
露光後、印刷機を用いて実施できるとの利点もある。す
なわち、親水性層の画像部は、湿し水により除去または
印刷機中の圧胴やブランケット胴との接触により機械的
に除去することができる。この方法は、機上現像方式と
呼ばれている。
【0004】さらに、親水性層の画像部を除去する方式
は、レーザー露光にも適している。印刷分野における近
年の動向として、画像情報のデジタル処理の普及があ
る。デジタル情報を画像として出力(印刷原版を露光)
するためには、光源としてレーザー光が最も適してい
る。支持体と親水性層との間に、光熱変換層を設けるこ
とで、レーザー露光に適した平板印刷原版が得られる。
高出力のレーザーを光熱変換層に入射すると、発生する
熱により光熱変換層が変化(化学変化、相変化、形態変
化、構造変化)して、支持体または親水性層との接着力
が低下する。これにより、親水性層の画像部を除去する
ことができる。レーザー光源が高出力であれば、光熱変
換層は非常に低感度に設計できる。光熱変換層が非常に
低感度であれば、室内のような通常の照度レベルの状況
で印刷原版を取り扱うことができる。
【0005】平版印刷原版に設ける親水性層としては、
遷移金属酸化物コロイドを含む親水性層(WO98/4
0212号および同98/34796号の各明細書記
載)、水酸基を有する親水性ポリマーを架橋剤(例、テ
トラメチルオルトシリケートの加水分解物)で硬膜した
層(WO94/18005号明細書記載)、水に不溶化
したポリビニルアルコールからなる層(特開平6−19
9064号公報記載)、および親水性ポリマーと疎水性
ポリマーラテックスを架橋剤により架橋した層(特開平
8−282143公報記載)が提案されている。上記の
ように、親水性層を構成するポリマー(親水性マトリッ
クス)は、一般に架橋構造を有する。架橋構造を導入す
ることで、親水性マトリックスを水不溶性にして、耐刷
性を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】支持体上に親水性層を
有する平版印刷原版は、廃液の処理が容易であり、印刷
機による現像処理(機上現像方式)が可能であり、さら
にレーザー露光にも適しているとの利点がある。しか
し、親水性層の表面は、(特に疎水性有機物に)汚染さ
れやすいとの問題がある。本発明者の研究によれば、印
刷開始前の汚染を原因として、印刷開始時の非画像部の
インク反撥性が極めて悪いとの問題が認められた。印刷
前の汚染問題を解決するためには、印刷前に版面を洗浄
処理する必要がある。さらに、印刷中の汚染を原因とし
て、非画像部が徐々に地汚れする問題も認められた。印
刷中の汚染問題を解決するためには、印刷を頻繁に中断
して、版面洗浄処理を実施する必要がある。本発明の目
的は、印刷前または印刷中に非画像部が汚染されにく
く、汚染されても汚れが徐々に除去される平版印刷原版
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の目的は、下記
(1)〜(2)の平版印刷原版により達成された。 (1)架橋構造を有し水に不溶の親水性マトリックスと
水溶性高分子化合物とを含有し、平版印刷において非画
像部となる平版印刷用親水性層。 (2)支持体上に、上記親水性層と赤外線レーザ光を熱
に変換する光熱変換層を設けた平版印刷原版。
【0008】
【発明の効果】親水性層の親水性マトリックスは、耐刷
性を得るために架橋構造を有している。しかし、本発明
者が研究を進めたところ、親水性マトリックスに架橋構
造を導入したことにより、湿し水の受容性と保持性が不
充分になっていることが判明した。本発明では、親水性
マトリックスとは別に、水溶性高分子化合物を親水性層
に添加して、湿し水の受容性と保持性を改善する。これ
により、親水性層と湿し水との親和性が改善され、疎水
性有機物のような汚染物質に汚染されにくい親水性層が
得られる。さらに印刷中では、水溶性高分子化合物は湿
し水中に徐々に溶け出す。親水性層表面に付着した汚染
物質は、溶出する水溶性高分子化合物と共に除去され
る。ただし、水溶性高分子化合物が親水性層から全て溶
出すると、印刷中の効果が失われる。持続的な効果を得
るため、本発明では分子量が1000以上の水溶性高分
子化合物を用いて、水溶性高分子化合物が徐々に溶出す
るように構成している。以上の結果、本発明の平版印刷
原版により印刷版を製造すると、印刷前または印刷中に
非画像部が汚染されにくく、汚染されても汚れを徐々に
除去することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】[親水性層]親水性層は、印刷に
おいて湿し水を受容、保持し、非画像部として機能する
層であり、架橋構造を有する水に不溶の親水性マトリッ
クスと、水溶性高分子化合物とを含む。親水性マトリッ
クスは、有機親水性ポリマーまたは無機親水性ポリマー
を用いて形成できる。なお、有機または無機との定義
は、ポリマーの主鎖に関する分類である。従って、有機
ポリマーが無機側鎖を有していてもよいし、無機ポリマ
ーが有機側鎖を有していてもよい。また、架橋構造は、
共有結合による一般的な架橋結合に加えて、イオン結合
による擬似的な架橋結合であってもよい。イオン結合に
よる架橋は、例えば、アニオン性側鎖を有するポリマー
に対して、多価金属カチオンを架橋剤として使用するこ
とにより形成できる。
【0010】有機親水性マトリックスは、架橋性官能基
を有する有機親水性ポリマーの官能基の反応により架橋
構造を導入して形成することが好ましい。架橋性官能基
は、主鎖または側鎖の末端基あるいは主鎖または側鎖の
連結基として、有機親水性ポリマーに導入する。末端基
である架橋性官能基の例には、ヒドロキシル(−O
H)、メルカプト(−SH)、アミノ(−NH2 )、カ
ルバモイル(−CO−NH2 )、カルボキシル(−CO
OH)、チオカルボキシル(−CSOH、−COSH、
−CSSH)、スルホ(SO3 H)、ホスホノ(−PO
3 2 )、スルファモイル(−SO2−NH2 )、エポ
キシエチル(−CHOCH2)および2−アジリジニル
(−CHNHCH2 )、−CH2 =CH2 、−CO−C
(CH3 )=CH2 、−CO−CH=CH2 が含まれ
る。カルボキシル、チオカルボキシル、スルホおよびホ
スホノのような酸性基は、プロトンが解離していてもよ
いし、塩の状態であってもよい。連結基である架橋性官
能基は、イミノ(−NH−)、カルボニル(−CO
−)、エーテル(−O−)、チオカルボニル(−CS
−)、チオエーテル(−S−)、スルホニル(−SO2
−)、エポキシエチレン(−CHOCH−)、2,3−
アジリジンジイル(−CHNHCH−)、−CO−O−
CO−、−CO−CH2−CO−、−CH=CH−また
はそれらの組み合わせであることが好ましい。架橋性官
能基は、連結基よりも末端基の方が好ましく、ヒドロキ
シル、アミノ、カルボキシルまたはエポキシエチルであ
ることが特に好ましい。
【0011】以上述べた架橋性官能基の大部分は、親水
性である。また、一般的な有機親水性ポリマーの親水性
基は、上記架橋性官能基の例に含まれている。従って、
一般的な有機親水性ポリマーの親水性基(=架橋性基)
を架橋させることで、有機マトリックスを形成できる。
有機親水性ポリマーの例には、多糖類(例、澱粉、セル
ロース、アラビアゴム)およびその誘導体、タンパク質
(例、カゼイン、ゼラチン)および親水性合成ポリマー
(例、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
(メタクロイロキシプロパンスルホン酸)、ポリ(2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポ
リ(メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド)、不飽和脂肪酸のポリマー、不飽和脂肪酸
のヒドロキシアルキルエステルのポリマー、不飽和脂肪
酸アミドのポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエ
チレンイミン)が含まれる。セルロース誘導体の例に
は、セルロースエーテル(例、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース)が含まれる。ポリ
ビニルアルコールのケン化度は、60%以上であること
が好ましい。ポリビニルアルコールを部分的に変性(例
えば、カルボキシル変性、スルホン酸変性)してもよ
い。不飽和脂肪酸のポリマーの例には、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリクロトン酸およびポリマレ
イン酸が含まれる。ポリビニルホスホン酸、ポリスチレ
ンスルホン酸、ポリ(メタクロイロキシプロパンスルホ
ン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸)および不飽和脂肪酸のポリマーの酸性基
は、プロトンが解離していてもよいし、塩の状態であっ
てもよい。不飽和脂肪酸のヒドロキシアルキルエステル
のポリマーの例には、ポリヒドロキシエチルメタクリレ
ートおよびポリヒドロキシエチルアクリレートが含まれ
る。不飽和脂肪酸アミドのポリマーの例には、ポリアク
リルアミドおよびポリメタクリルアミドが含まれる。親
水性合成ポリマーは、コポリマーであってもよい。コポ
リマー全体として親水性であれば、部分的に疎水性の繰
り返し単位を有していてもよい。コポリマーの例には、
酢酸ビニル−クロトン酸コポリマーおよびスチレン−マ
レイン酸コポリマーが含まれる。二種類以上の有機親水
性ポリマーを併用してもよい。有機親水性ポリマーの使
用量は、親水性層の総固形分重量に対して、20〜99
重量%、好ましくは25〜95重量%、より好ましくは
30〜90重量%である。
【0012】有機親水性ポリマーの架橋反応は、架橋剤
を用いて実施することが好ましい。架橋剤の例には、多
官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多
官能アミン化合物、ポリオール化合物、多官能カルボキ
シル化合物、アルデヒド化合物、多官能(メタ)アクリ
ル化合物、多官能ビニル化合物、多官能メルカプト化合
物、多価金属塩、ポリアルコキシシラン化合物およびそ
の加水分解物、ポリアルコキシチタン化合物およびその
加水分解物、ポリアルコキシアルミニウム化合物および
その加水分解物、ポリメチロール化合物およびポリアル
コキシメチル化合物が含まれる。光照射または加熱によ
り、架橋反応を促進してもよい。また、公知の反応触媒
を添加して、架橋反応を促進することもできる。。架橋
剤の使用量は、親水性層の総固形分重量の1乃至50重
量%であることが好ましく、3乃至40重量%であるこ
とがさらに好ましく、5乃至35重量%であることが最
も好ましい。
【0013】無機親水性マトリックスとしては、ケイ
素、アルミニウム、チタンまたはジルコニウムのような
多価金属(または半金属)元素の酸化物からなる網目状
ポリマーを用いることが好ましい。多価金属元素は、酸
素原子(エーテル結合)を介して網目状構造を形成でき
る。網目状構造の末端部分には、未結合の水酸基やアル
コキシ基が存在している。網目状構造は、多価金属の水
酸化物またはアルコキシドを反応させて形成する。水酸
基またはアルコキシ基が多い段階ではゾル状態であり、
エーテル結合が増加するのに伴って網目状が発達してゲ
ル化(ゾル−ゲル変換)する。なお、親水性層にシリカ
ゲルのような固体微粒子を添加する場合は、水酸基が固
体微粒子に結合することによって、固体微粒子表面の親
水性の程度を変化させることもできる。
【0014】最も好ましいケイ素化合物について、さら
に説明する。アルミニウム化合物、チタン化合物および
ジルコニウムにおいても、同様に(ケイ素元素を他の元
素に置き換えて)実施できる。ケイ素化合物の網目構造
は、基本的にはシロキサン結合(ケイ素−酸素間単結
合)により形成される。シラン化合物を含むゾル系の塗
布液を、塗布、乾燥、経時する間に、シロキサン結合か
らなる網目構造が形成され、ゲル化が進行する。出発物
質となるシラン化合物は、基本的には一つのケイ素原子
(Si)に四個の一価の基(R)が結合している分子構
造(SiR4 )を有する。四個の一価の基(R)はそれ
ぞれ独立であり、一価の基(R)の例には、水素原子、
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子)、水酸基、芳香族基、複素環基、−OR1 、−
OCOR2 および−NR3 4 が含まれる。R1 および
2 は、それぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基であ
る。R3 およびR4 は、それぞれ独立に、水素原子、脂
肪族基または芳香族基である。一価の基(R)のうち、
少なくとも一つは、加水分解、縮合反応する基である。
【0015】脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基お
よび置換アルキニル基を意味する。アルキル基は、環状
であっても、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭
素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルキ
ル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−
シクロヘキシルエチル、2−シクロペンチルエチル、ノ
ルボルニルおよびアダマンチルが含まれる。置換アルキ
ル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。
置換アルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキ
シ、メルカプト、カルボキシ、スルホ、シアノ、エポキ
シ、芳香族基、−OR5 、−OCOR6 、−COO
7 、−COR8 、−NR9 10、−NHCONH
11、−NHCOOR12、−SiR131415、−CO
NHR 16および−NHCOR17が含まれる。R5
6 、R7 およびR8 は、それぞれ独立に、脂肪族基ま
たは芳香族基である。R9 、R10、R11、R12、R13
14、R15、R16およびR17は、それぞれ独立に、水素
原子、脂肪族基または芳香族基である。
【0016】アルケニル基は、環状であっても、分岐を
有していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は、2乃
至12であることが好ましい。アルケニル基の例には、
ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニ
ル、オクテニル、デセニルおよびドデセニルが含まれ
る。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケ
ニル基と同様である。置換アルケニル基の置換基の例
は、前記置換アルキル基の置換基の例と同様である。ア
ルキニル基は、環状であっても、分岐を有していてもよ
い。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至12であるこ
とが好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、
上記アルキニル基と同様である。置換アルキニル基の置
換基の例は、前記置換アルキル基の置換基の例と同様で
ある。
【0017】芳香族基は、アリール基および置換アリー
ル基を意味する。アリール基の炭素原子数は、6乃至1
2であることが好ましい。アリール基の例には、フェニ
ルおよびナフチルが含まれる。置換アリール基のアリー
ル部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール
基の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ、メルカプ
ト、カルボキシ、スルホ、シアノ、エポキシ、脂肪族
基、−OR5 、−OCOR6 、−COOR7 、−COR
8 、−NR9 10、−NHCONHR11、−NHCOO
12、−SiR131415、−CONHR 16および−N
HCOR17が含まれる。R5 、R6 、R7 およびR
8 は、それぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基であ
る。R9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16
およびR17は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基ま
たは芳香族基である。
【0018】複素環基のヘテロ原子は、窒素原子、酸素
原子またはイオウ原子であることが好ましい。複素環基
の複素環は、5員環、6員環またはそれらの縮合環であ
ることが好ましい。複素環の例には、ピラン環、フラン
環、チオフェン環、モルホリン環、ピロール環、チアゾ
ール環、オキサゾール環、ピリジン磧、ピペリジン環、
ピロリドン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾー
ル環、キノリン環およびテトラヒドロフラン環が含まれ
る。複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の
例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキ
シ、スルホ、シアノ、エポキシ、脂肪族基、芳香族基、
−OR5 、−OCOR6 、−COOR7 、−COR8
−NR9 10、−NHCONHR11、−NHCOO
12、−SiR131415、−CONHR16および−N
HCOR17が含まれる。R5 、R6 、R7 およびR
8 は、それぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基であ
る。R9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16
およびR17は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基ま
たは芳香族基である。
【0019】シラン化合物の例には、テトラクロルシラ
ン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラn−プロピルシラン、テトラt−ブトキシシラン、テ
トラn−ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラ
ン、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt
−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルト
リブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルトリクロ
ルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピ
ルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリクロル
シラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシル
トリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキ
シルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロルシ
ラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメ
トキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デ
シルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブ
トキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n
−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルト
リメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラ
ン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−
オクタデシルトリt−ブトキシシラン、フェニルトリク
ロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニ
ルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキ
シシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロム
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブ
ロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フ
ェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキ
シシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、トリエト
キシヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、イソプロポキシヒドロシラン、トリ
t−ブトキシヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシ
シラン、ビニルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロ
プロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリ
ブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオ
ロプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−
ブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリイソプロ
ポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリt−ブ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランおよび
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエ
トキシシランが含まれる。
【0020】二種類以上のシラン化合物を併用してもよ
い。出発物質として、シラン化合物を部分的に加水分
解、縮合させたオリゴマーを用いてもよい。シラン化合
物またはそのオリゴマーに加えて、多価金属化合物を併
用してもよい。多価金属の例には、チタン、亜鉛、ス
ズ、ジルコニウムおよびアルミニウムが含まれる。多価
金属化合物の例には、Ti(OR184 、TiCl4
Ti(CH(COCH3 2 2 (OR182 、Zn
(OR182 、Zn(CH(COCH3 2 2 、S
n(OR184 、Sn(CH(COCH3 2 4 、S
nCl4 、Zr(OR184 、Zr(CH(COC
3 2 4 、Al(OR18 3 およびAl(CH(C
OCH3 2 3 が含まれる。上記R18は、アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル)である。
【0021】シラン化合物や多価金属化合物の加水分
解、縮合反応を促進するため、酸性触媒または塩基性触
媒を用いることが好ましい。酸性触媒の例には、ハロゲ
ン化水素酸(例、塩酸)、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水
素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、カルボン酸(例、蟻
酸、酢酸)およびスルホン酸(例、ベンゼンスルホン
酸)が含まれる。塩基性触媒の例には、アンモニアおよ
びアミン(例、エチルアミン、アニリン)が含まれる。
触媒は、反応系に直接添加してもよい。また、触媒を溶
媒(例、水、アルコール)に溶解させた溶液を添加して
もよい。なお、高濃度の塩基性触媒溶液を用いると、ゾ
ル溶液中で沈殿物が生成する場合がある。塩基性触媒の
溶液濃度は、1N(水溶液での濃度換算)以下であるこ
とが好ましい。
【0022】ゾル−ゲル法による架橋構造を有する無機
親水性ポリマーの合成については、作花済夫、「ゾル−
ゲル法の科学」、(株)アグネ承風社刊(1988);
および平島碩、「最新ゾル−ゲル法による機能性薄膜作
成技術」、総合技術センター刊(1992)に記載があ
る。
【0023】水溶性高分子化合物は、一般に親水性基を
有するオリゴマーまたはポリマーである。水溶性高分子
化合物の分子量は、1000以上であることが好まし
く、1000乃至100000であることがさらに好ま
しく、1000乃至50000であることが最も好まし
い。水溶性高分子化合物の水への溶解度は、25℃にお
いて、5重量%以上であることが好ましく、10重量%
以上であることがさらに好ましく、20重量%以上であ
ることが最も好ましい。
【0024】水溶性高分子化合物の例には、多糖類
(例、澱粉、セルロース、アラビアゴム)およびその誘
導体、タンパク質(例、カゼイン、ゼラチン)および親
水性合成ポリマー(例、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルホスホン酸、ポリスチレン
スルホン酸、ポリ(メタクロイロキシプロパンスルホン
酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸)、ポリ(メタクリロイロキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド)、不飽和脂肪酸のポリマ
ー、不飽和脂肪酸のヒドロキシアルキルエステルのポリ
マー、不飽和脂肪酸アミドのポリマー、ポリエチレング
リコール、ポリエチレンイミン)が含まれる。セルロー
ス誘導体の例には、セルロースエーテル(例、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)が
含まれる。ポリビニルアルコールのケン化度は、60%
以上であることが好ましい。ポリビニルアルコールを部
分的に変性(例えば、カルボキシル変性、スルホン酸変
性)してもよい。不飽和脂肪酸のポリマーの例には、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリクロトン酸およ
びポリマレイン酸が含まれる。ポリビニルホスホン酸、
ポリスチレンスルホン酸、ポリ(メタクリロイロキシプ
ロパンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸)および不飽和脂肪酸のポリ
マーの酸性基は、プロトンが解離していてもよいし、塩
の状態であってもよい。不飽和脂肪酸のヒドロキシアル
キルエステルのポリマーの例には、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレートおよびポリヒドロキシエチルアクリレ
ートが含まれる。不飽和脂肪酸アミドのポリマーの例に
は、ポリアクリルアミドおよびポリメタクリルアミドが
含まれる。親水性合成ポリマーは、コポリマーであって
もよい。コポリマー全体として親水性であれば、部分的
に疎水性の繰り返し単位を有していてもよい。コポリマ
ーの例には、酢酸ビニル−クロトン酸コポリマーおよび
スチレン−マレイン酸コポリマーが含まれる。二種類以
上の水溶性化合物を併用してもよい。
【0025】水溶性高分子化合物の使用量は、親水性層
の総固形分重量に対して、1乃至50重量%であること
が好ましく、3乃至40重量%であることがさらに好ま
しく、5乃至30重量%であることが最も好ましい。1
重量%より少ない場合は、親水性層のインクに対する払
い性が不足し、地汚れ等の好ましくない結果を与え、5
0重量%より多い場合は、親水性層の膜強度の不足によ
り、耐刷性や耐傷性の劣化等の好ましくない結果を与え
る。水溶性高分子化合物には、水溶性を保つため原則と
して架橋構造は導入しない(水溶性である範囲で、部分
的な架橋構造の導入は許容されるが)。親水性マトリッ
クスの架橋反応に、水溶性高分子化合物の有する官能基
が反応する可能性がある場合には、親水性マトリックス
の架橋反応が終了してから、水溶性高分子化合物の溶液
を親水性マトリックスに含浸させることが好ましい。水
溶性高分子化合物の溶媒は、一般に水であるが、極性溶
媒(例、メタノール、エタノール)または水と極性溶媒
との混合溶媒を用いてもよい。なお、含浸処理は、平版
印刷原版の露光後あるいは印刷版の印刷中に、水溶性化
合物の補充のために実施することもできる。親水性マト
リックスの架橋反応に、水溶性高分子化合物の有する官
能基が反応する可能性がない場合には、親水性層の塗布
液中に、水溶性高分子化合物を予め添加しておくことが
できる。
【0026】親水性の調整あるいは皮膜強化の目的で、
親水性粒子を親水性層に添加することができる。親水性
粒子の平均一次粒径は、1〜5000nmであり、より
好ましくは、10〜1000nmである。親水性粒子を
構成する親水性材料の例には、シリカ、アルミナ、酸化
チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびア
ルギン酸カルシウムが含まれる。シリカ、アルミナ、酸
化チタンおよびこれらの混合物が好ましい。シリカ粒子
は、表面に多くの水酸基を持ち、内部はシロキサン結合
で構成されている。コロイダルシリカが特に好ましく用
いられる。コロイダルシリカは、粒子径1乃至100n
mのシリカ超微粒子を水または極性溶媒中に分散した分
散物である。コロイダルシリカについては、加賀美敏
郎、林瑛監修、「高純度シリカの応用技術」、第3巻、
(株)シーエムシー(1991)に記載がある。
【0027】アルミナ微粒子としては、粒子径5乃至2
00nmのアルミナ水和物(ベーマイト系)微粒子のコ
ロイド状分散物を用いることが好ましい。分散媒として
は、水が好ましい。分散物は、一般に、ハライドイオン
(例、フッ素イオン、塩素イオン)またはカルボン酸イ
オン(例、酢酸イオン)のようなアニオンを分散安定剤
として含む。酸化チタンとしては、平均一次粒径が50
乃至500nmのアナターゼ型あるいはルチル型の酸化
チタンの分散物を用いることが好ましい。分散媒として
は、水または極性溶媒が好ましい。必要により、分散剤
を添加してもよい。二種類以上の親水性粒子を併用して
もよい。親水性粒子の使用量は、親水性層の総固形分重
量に対して、5乃至80重量%であることが好ましく、
10乃至70重量%であることがさらに好ましく、20
乃至60重量%であることが最も好ましい。
【0028】親水性層には、さらに、親水性層の物理的
強度の向上、層を構成する組成物相互の分散性の向上、
塗布性の向上、印刷適性の向上などの目的で、可塑剤、
顔料、色素あるいは界面活性剤を添加してもよい。親水
性層の形成方法は、前述したように、親水性マトリック
スの架橋反応に、水溶性高分子化合物が有する官能基が
反応する可能性がある場合と可能性がない場合とにより
区別される。親水性層の塗布液の溶媒としては、水、極
性溶媒(例、メタノール、エタノール)およびこれらの
混合溶媒が用いられる。親水性層の乾燥後の重量は、
0.1乃至20g/m2 が好ましく、0.3乃至10g
/m2 がさらに好ましく、0.5乃至5g/m2 が最も
好ましい。親水性層の乾燥後の塗布重量は、0.1g/
m2より低いと、湿し水の保持性の低下や、膜強度の低
下など好ましくない結果を与え、高い程、感度の低下や
レーザー露光部における除去が困難となるなど好ましく
ない結果を与える。
【0029】[光熱変換層]支持体と親水性層との間に
光熱変換層を設けることが好ましい。本発明は、光熱変
換層を有するレーザー光書き込み型の平版印刷原版にお
いて、特に有効である。光熱変換層は、光熱変換材料を
含む。光熱変換材料は、露光に使用する光(特にレーザ
ー光)の波長に応じて決定する。例えば、赤外線レーザ
ーを用いる場合は、赤外線吸収染料、赤外線吸収顔料、
赤外線吸収性金属あるいは赤外線吸収金属酸化物を光熱
変換材料として用いる。光熱変換層は、光熱変換材料の
みからなる単独膜として形成する場合と、光熱変換材料
とバインダーあるいは他の添加剤との混合膜として形成
する場合とに区別される。単独膜の場合には、金属
(例、アルミニウム、チタン、テルル、クロム、錫、イ
ンジウム、ビスマス、亜鉛、鉛)、それらの合金、金属
酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属
ハロゲン化物あるいは有機色素が光熱変換材料として用
いられる。単独膜は、蒸着法またはスパッタリング法に
より支持体上に直接、形成することができる。混合膜
は、光熱変換材料を他の成分と共に溶解もしくは分散し
た塗布液を用いて形成することができる。
【0030】光熱変換材料としては、顔料(例、カーボ
ンブラック)、ニグロシン類、有機色素、金属(例、ア
ルミニウム)および金属酸化物(例、インジウムスズ酸
化物、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化チタン)
が好ましい。カーボンブラックは、酸性、塩基性および
中性のいずれでもよい。分散性改良のため、カーボンブ
ラックの表面を修飾もしくはコートしてもよい。有機色
素としては、赤外線増感色素(「赤外増感色素」(松岡
著 Plenum Press, New York (1990)記載)を用いること
ができる。光熱変換材料として用いられる有機色素につ
いては、米国特許4772583号、同4833124
号、同4912083号、同4942141号、同49
48776号、同4948777号、同4948778
号、同4950639号、同4952552号、同50
23229号、欧州特許321923号の各明細書に記
載がある。また、導電性ポリマー(例、ポリピロール、
ポリアニリン)も光熱変換材料として用いることができ
る。光熱変換層を混合膜として形成する場合、光熱変換
材料の使用量は、光熱変換層の総固形分重量に対して、
5乃至50重量%であることが好ましく、8乃至45重
量%であることがさらに好ましく、10乃至40重量%
であることが最も好ましい。
【0031】光熱変換層を混合膜として形成する場合
は、フィルム形成能を有し、光熱変換剤を溶解もしくは
分散するポリマーをバインダーとして使用する。バイン
ダーとして使用できるポリマーの例には、セルロースお
よびその誘導体(例、ニトロセルロース、エチルセルロ
ース)、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル(例、メチルメタクリレート、ポリブチルメタク
リレート)、ポリスチレンおよびその誘導体(例、ポリ
α−メチルスチレン)、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリウレア、ポ
リウレタン、ポリエステルおよびポリカーボネートが含
まれる。これらのコポリマー(例、スチレン−ブタジエ
ンコポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニルコポリマー)を
用いてもよい。また、いわゆる化学増幅系(例えば、Fr
echet外、J. Imaging Sci.,P59-64 ,30(2), (1986);It
o,Willson, Polymers in Electronics (Symposium Se
ries,P11, 242, T.Davidson,Ed., ACS Washington,DC(1
984);およびE. Reichmanis,L.F.Thompson、Microelectr
onic Engineering, P3-10,13(1991)に記載)に使用され
るバインダーも、光熱変換層のバインダーとして使用で
きる。バインダーは、架橋構造を有することが好まし
い。架橋性官能基を有するポリマーを用いて、架橋によ
り硬膜することにより光熱変換層を形成することがさら
に好ましい。架橋性官能基の例は、親水性層の有機マト
リックスを形成するための架橋性官能基の例と同様であ
り、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、
重合性ビニル基が特に好ましい。本発明の好ましいバイ
ンダーポリマーとしては、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸等のカルボキシル基を含有するモノマーの単独重
合体もしくは共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を
含有するアクリル酸又はメタクリル酸エステルの単独重
合体もしくは共重合体、グリシジルメタアクリレート等
のエポキシ基を含有するアクリル酸又はメタクリル酸エ
ステルの単独重合体もしくは共重合体、N−アルキルア
クリルアミド、アクリルアミドの単独重合体もしくは共
重合体、アミン類とアクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル又はアリルグリシジルとの反応物の単独重
合体もしくは共重合体、p−ヒドロキシスチレン、ビニ
ルアルコールの単独重合体もしくは共重合体、ポリウレ
タン樹脂類、ポリウレア樹脂類、ポリアミド(ナイロ
ン)樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリアルキレンイミン
類、ノボラック樹脂類、メラミン樹脂類、セルロース誘
導体類等の縮合体が挙げられる。二種類以上のバインダ
ーを併用してもよい。バインダーの使用量は、光熱変換
層の総固形分重量に対して、20乃至90重量%である
ことが好ましく、25乃至80重量%であることがさら
に好ましく、30乃至75重量%であることが最も好ま
しい。
【0032】バインダーの架橋反応に使用する架橋剤の
例も、親水性層の有機マトリックスを形成するための架
橋剤の例と同様である。架橋剤の使用量は、光熱変換層
の塗布液中の総固形分重量に対して、1乃至50重量%
であることが好ましく、3乃至40重量%であることが
さらに好ましく、5乃至35重量%であることが最も好
ましい。光熱変換層を混合膜として形成する場合、光熱
変換剤とバインダー以外の添加剤を用いてもよい。光熱
変換層の添加剤は、光熱変換層の機械的強度を向上させ
たり、レーザー記録感度を向上させたり、光熱変換層中
の成分の分散性を向上させたり、支持体や隣接層(例、
親水性層、プライマー層)との密着性を改善する目的で
使用される。
【0033】加熱により分解しガスを発生する化合物を
光熱変換層に添加すると、レーザー記録感度を向上させ
ることができる。すなわち、ガスの発生により露光部の
光熱変換層が急激に膨張するため、画像部の親水性層を
容易に除去することができる。加熱により分解しガスを
発生する化合物の例には、ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソ
テレフタルアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジ
ド、4、4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)およびジアミドベンゼンが含まれる。加熱により分
解し酸性化合物を生成する化合物を光熱変換層に添加し
ても、レーザー記録感度を向上させることができる。こ
れらの化合物を化学増幅系のバインダーと併用すると、
光熱変換層の構成物質の分解温度を大きく低下させ、結
果としてレーザー記録感度を向上させることができる。
加熱により分解し酸性化合物を生成する化合物の例に
は、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、フォスフォニ
ウムトシレート、オキシムスルフォネート、ジカルボジ
イミドスルフォネートおよびトリアジンが含まれる。光
熱変換材料に顔料(例、カーボンブラック)を用いる場
合、顔料分散剤を使用することが好ましい。顔料の分散
状態が悪いと、レーザー記録感度に影響を与えることが
ある。接着性を向上させるために、密着改良剤(例、シ
ランカップリング剤、チタネートカップリング剤)を使
用してもよい。塗布性を改良するために、界面活性剤を
添加することもできる。
【0034】光熱変換層が単独膜の場合には、蒸着法や
スパッタリング法で薄膜が形成できるため、厚さは50
乃至1000Åであることが好ましく、100乃至80
0Åであることが最も好ましい。混合膜の厚さは、0.
05乃至10μmであることが好ましく、0.1乃至5
μmであることがさらに好ましい。混合膜は塗布により
形成する。塗布液の溶媒の例には、2−メトキシエタノ
ール、2−メトキシエチルアセテート、プロピレングリ
コールメチルエチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エタノ
ール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフランおよびジオキサンが含まれる。
【0035】[支持体]支持体は、通常の印刷機にセッ
トできる程度のたわみ性を有し、印刷時にかかる荷重に
耐える材料から形成する。支持体としては、コート紙、
金属板(例、アルミニウム板)、プラスチックフイルム
(例、ポリエチレンテレフタレートフイルム)、ゴム板
およびそれらの複合材料を用いることができる。アルミ
ニウム板、アルミニウムと他の金属(例、ケイ素、銅、
マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマ
ス、ニッケル)との合金板およびプラスチックフイルム
が特に好ましい。支持体の厚さは、25μm乃至3mm
であることが好ましく、75乃至500μmであること
がさらに好ましく、100乃至300μmであることが
が最も好ましい。
【0036】支持体とその上の層(一般に、光熱変換
層)との接着性向上、印刷特性向上、インク受容層とし
ての機能の付与あるいは熱エネルギーの熱伝導による散
逸の防止の目的で、支持体に表面処理(例、コロナ放電
処理)を施したり、支持体上にプライマー層を設けるこ
とができる。プライマー層としては、感光性ポリマーを
硬化させた層(特開昭60−22903号公報記載)、
エポキシ樹脂を熱硬化させた層(特開昭62−5076
0号公報記載)、ゼラチンを硬膜した層(特開昭63−
133151号公報記載)、ウレタン樹脂とシランカッ
プリング剤を用いて形成した層(特開平3−20096
5号公報記載)およびウレタン樹脂から形成した層(特
開平3−273248号公報記載)を用いることができ
る。また、カゼインを硬膜した層も、プライマー層とし
て用いることができる。プライマー層を柔軟化させる目
的で、ガラス転移温度が室温以下であるポリマーを添加
してもよい。そのようなポリマーの例には、ポリウレタ
ン、ポリアミド、スチレン−ブタジエンコポリマー、カ
ルボキシ変性スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリ
ロニトリル−ブタジエンコポリマー、カルボキシ変性ア
クリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリイソプレ
ン、ポリアクリレート、ポリエチレン、塩素化ポリエチ
レンおよび塩素化ポリプロピレンが含まれる。
【0037】プライマー層には、染料、pH指示薬、焼
き出し剤、光重合開始剤、接着助剤(例、重合性モノマ
ー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤)、顔料、シリ
カ粉末や酸化チタン粉末を添加してもよい。プライマー
層は、塗布後、露光によって硬化させることもできる。
プライマー層の塗布量は、乾燥重量で0.1乃至10g
/m2 であることが好ましく、0.3乃至8g/m2
あることがさらに好ましく、0.5乃至5g/m2 であ
ることが最も好ましい。
【0038】[露光]光熱変換層を有する平版印刷原版
は、レーザー光で露光することが好ましい。レーザー光
のエネルギーが光熱変換層に吸収されて熱エネルギーに
変換される。熱エネルギーにより光熱変換層の露光部の
一部もしくは全体において、化学反応(燃焼、融解、分
解、気化、爆発)や物理変化が起き、結果として光熱変
換層と親水性層間の密着性が低下する。レーザーを照射
した部分においてのみ、密着性の低下が生じるため、対
応する部分の親水性層を選択的に容易に除去することが
できる。レーザー光は、光熱変換層に上記の変化を起こ
すために必要な露光量で照射する。レーザーとしては、
ガスレーザー(例、Arレーザー、炭酸ガスレーザ
ー)、固体レーザー(例、YAGレーザー)あるいは半
導体レーザーが好ましく用いられる。半導体レーザーお
よび半導体励起の固体レーザーが特に好ましい。50m
Wクラス以上のレーザー出力装置を用いることが好まし
い。レーザーの波長は、800乃至1100nmの赤外
線の波長領域が一般的である。イメージング装置(特開
平6−186750号公報記載)を用いて露光すること
もできる。
【0039】[現像]親水性層の下に、光熱変換層を有
する平版印刷原版においては、露光部(画像部)の親水
性層を除去することにより現像する。レーザー露光中に
親水性層を除去してもよい。また、レーザー露光後(印
刷前)に、親水性層を除去してもよい。露光部の親水性
層の除去は、吸引、粘着シートの圧着と剥離、処理液の
存在下あるいは非存在下において、擦り部材(例、現像
用パッド、現像用ブラシ)により版面を擦ることあるい
はこれらの併用により実施できる。処理液は、水(水道
水、純水、蒸留水)または水を主成分とする水性液であ
ることが好ましい。処理液に界面活性剤(アニオン系、
カチオン系、ノニオン系)を添加してもよい。また、脂
肪族炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、ガソリン、
灯油)、芳香族炭化水素類(例、トルエン、キシレ
ン)、ハロゲン化炭化水素(例、トリクロルエチレ
ン)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシ
エタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレ
ングリコール)、ケトン類(例、アセトン、メチルエチ
ルケトン)、エステル類(例、酢酸エチル、乳酸メチ
ル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジ
エチルフタレート)およびリン酸エステル類(例、トリ
エチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート)
を処理液に用いてもよい。市販の炭化水素系溶剤(例、
アイソパーE、H、G、エッソ化学(株)製)を用いる
こともできる。
【0040】水と他の溶剤との混合溶媒を用いる場合、
溶剤の濃度は40重量%未満であることが好ましい。処
理液に、アルカリ性剤(例、炭酸ナトリウム、トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウ
ム、ケイ酸塩)または酸性剤(例、リン酸、亜リン酸、
メタリン酸、ピロリン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石
酸、ホウ酸、アミノ酸)を添加してもよい。処理液の温
度は、10乃至50℃であることが好ましい。
【0041】本発明では、以上のように印刷前に親水性
層を除去することもできるが、露光後の印刷版を印刷機
の版胴上に装着し、印刷機上において親水性層を除去す
ることも好ましい。印刷機上では、湿し水の作用、ロー
ラー(例、インク付けローラー、湿し水付けローラー)
と印刷版との接触、およびそれらの組み合わせの作用に
より、露光部の親水性層を除去することができる。以
上、親水性層を表面層とし、その下に光熱変換層を有す
る構成について記述したが、本発明の親水性層は、親水
性層上に、光熱変換層を有する構成においても適用可能
であり、また、親水性層自身が光熱変換剤を含有し、光
熱変換層の機能を兼ねることも可能であり、この場合に
は、親水性層を表面層とし、その下にインク受容層を有
する構成または、親水性層上に、インク受容性層を有す
る構成において、本発明の親水性層を適用することが可
能である。
【0042】
【実施例】[実施例1] (支持体)厚さ175μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルムを、支持体として用いた。
【0043】(プライマー層の形成)支持体の一方の面
に、乾燥膜厚が0.5μmとなるようにゼラチンを塗布
し、プライマー層を形成した。
【0044】(カーボンブラック分散液の調製)下記の
組成の混合液にガラスビーズ120gを加え、ペイント
シェーカーにて30分間分散した後、ガラスビーズを濾
別して、カーボンブラック分散液を調製した。
【0045】 ──────────────────────────────────── カーボンブラック分散液 ──────────────────────────────────── カーボンブラック(MA100 三菱化学(株)製) 4.0g 分散剤(ソルスパースS20000、ICI社製) 0.27g 分散剤(ソルスパースS12000、ICI社製) 0.22g プロピレングリコールモノメチルエーテル 10g メチルエチルケトン 10g ────────────────────────────────────
【0046】(光熱変換層の形成)プライマー層の上
に、下記の塗布液を塗布し、120℃で1分間加熱して
乾燥することにより、乾燥重量1g/m2 の光熱変換層
を形成した。
【0047】 ──────────────────────────────────── 光熱変換層塗布液 ──────────────────────────────────── 上記のカーボンブラック分散液 25g メチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/グリシジルメタク リレート共重合体(共重合重量比=60/10/30) 10g チタンジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタジオネート)の75重量% イソプロパノール溶液(AKT855、チッソ(株)製) 1g プロピレングリコールモノメチルエーテル 45g メチルエチルケトン 45g ────────────────────────────────────
【0048】(親水性層の形成)光熱変換層の上に、下
記の塗布液を塗布し、140℃で10分間加熱して乾燥
することにより、乾燥重量2g/m2 の親水性層を形成
した。
【0049】 ──────────────────────────────────── 親水性層塗布液 ──────────────────────────────────── 平均分子量25000のポリアクリル酸(和光純薬(株)製) 5g ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポライト1000E、共栄 社化学製) 1g シリカゲル(粒径:70乃至100nm)の40重量%水分散液(スノーテッ クスZL、日産化学工業(株)製) 7.5g 平均分子量22000のポリビニルアルコール(PVA105、クラレ(株) 製) 0.5g 水 76.5g ────────────────────────────────────
【0050】(印刷版の製造および印刷)以上のように
作製した平版印刷原版に、出力750mW、波長830
nm、ビーム径25μm(1/e2)の半導体レーザー
を用いて、主走査速度3m/秒にて、親水性層側から1
75lpiの網点画像の露光を行った。次に、水を含ま
せた現像用パッドで版面拭きし、レーザー照射部の親水
性層を除去したところ、面積率2%から98%までの画
像が版上に形成された。このように製造した平版印刷版
を、印刷機(RYOBI3200MCD)に装着し、市
販の湿し水剤(EU−3、富士写真フイルム(株)製)
の1体積%水溶液を湿し水として用いて印刷したとこ
ろ、印刷開始時のインク払い性は、良好であり、5枚目
から汚れのない良好な印刷物が得られた。その後も印刷
を継続し、最終的に、2万枚の汚れのない良好な印刷物
が得られた。
【0051】[実施例2]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量3000のポリエチレングリコール(P
EG4000、和光純薬(株)製)を同量用いた以外
は、実施例1と同様にして、平版印刷原版を作製した。
作製した平版印刷原版を用いて、実施例1と同様に印刷
版を製造して印刷したところ、実施例1と同様の結果が
得られた。
【0052】[実施例3]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量1600のポリオキシエチレンノニルフ
ェノールエーテル(エマルゲン931、花王(株)製)
を同量用いた以外は、実施例1と同様にして、平版印刷
原版を作製した。作製した平版印刷原版を用いて、実施
例1と同様に印刷版を製造して印刷したところ、実施例
1と同様の結果が得られた。
【0053】[実施例4]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量2200のポリプロピレンオキサイドの
エチレンオキサイド付加物(プルロニックL62、旭電
化工業(株)製)を同量用いた以外は、実施例1と同様
にして、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原
版を用いて、実施例1と同様に印刷版を製造して印刷し
たところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0054】[実施例5]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量10000のポリ(メタクリロイロキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライド)を同量用い
た以外は、実施例1と同様にして、平版印刷原版を作製
した。作製した平版印刷原版を用いて、実施例1と同様
に印刷版を製造して印刷したところ、実施例1と同様の
結果が得られた。
【0055】[比較例1]ポリビニルアルコールを添加
しなかった以外は、実施例1と同様にして、平版印刷原
版を作製した。作製した平版印刷原版を用いて、実施例
1と同様に印刷版を製造して印刷したところ、印刷開始
時のインク払い性が悪く、100枚目までに印刷物に汚
れが生じ、良好な印刷物を得ることができなかった。
【0056】[実施例6] (親水性層の形成)実施例1で形成した光熱変換層の上
に、以下の組成の塗布液を塗布し、140℃で5分間加
熱して乾燥することにより、乾燥重量2g/m2 の親水
性層を形成した。
【0057】 ──────────────────────────────────── 親水性層塗布液 ──────────────────────────────────── ポリビニルアルコール(PVA105、クラレ(株)製) 5g チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイドの80重量%イソ プロパノール(AKT845、チッソ(株)製) 1g シリカゲル(粒径:40乃至60nm)の40重量%水分散液(スノーテック スXL、日産化学工業(株)製) 7.5g 水 76.5g ────────────────────────────────────
【0058】(水溶性化合物の含浸)親水性層の上に、
以下の組成の塗布液を塗布し、水溶性化合物を親水性層
に含浸させた。さらに、100℃で10分間加熱して、
乾燥し、水溶性化合物を親水性層に、乾燥重量0.4g
/m2 で含有させた。
【0059】 ──────────────────────────────────── 水溶性化合物含浸液 ──────────────────────────────────── 平均分子量74800のポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株) 製) 10g 水 90g ────────────────────────────────────
【0060】(印刷版の製造および印刷)以上のように
作製した平版印刷原版に、出力750mW、波長830
nm、ビーム径25μm(1/e2)の半導体レーザー
を用いて、主走査速度3m/秒にて、親水性層側から1
75lpiの網点画像の露光を行った。次に、水を含ま
せた現像用パッドで版面拭きし、レーザー照射部の親水
性層を除去したところ、面積率2%から98%までの画
像が版上に形成された。このように製造した平版印刷版
を、印刷機(RYOBI3200MCD)に装着し、市
販の湿し水剤(EU−3、富士写真フイルム(株)製)
の1体積%水溶液を湿し水として用いて印刷したとこ
ろ、印刷開始時のインク払い性は、良好であり、5枚目
から汚れのない良好な印刷物が得られた。その後も印刷
を継続し、最終的に、2万枚の汚れのない良好な印刷物
が得られた。
【0061】[実施例7]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量3000のポリエチレングリコール(P
EG4000、和光純薬(株)製)を同量用いた以外
は、実施例6と同様にして、平版印刷原版を作製した。
作製した平版印刷原版を用いて、実施例6と同様に印刷
版を製造して印刷したところ、実施例6と同様の結果が
得られた。
【0062】[実施例8]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量1000のポリオキシエチレンノニルフ
ェノールエーテル(エマルゲン920、花王(株)製)
を同量用いた以外は、実施例6と同様にして、平版印刷
原版を作製した。作製した平版印刷原版を用いて、実施
例6と同様に印刷版を製造して印刷したところ、実施例
6と同様の結果が得られた。
【0063】[実施例9]ポリビニルアルコールに代え
て、平均分子量2200のポリプロピレンオキサイドの
エチレンオキサイド付加物(プルロニックL62、旭電
化工業(株)製)を同量用いた以外は、実施例6と同様
にして、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原
版を用いて、実施例6と同様に印刷版を製造して印刷し
たところ、実施例6と同様の結果が得られた。
【0064】[実施例10]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量10000のポリエチレンイミン(和
光純薬(株)製)を同量用いた以外は、実施例6と同様
にして、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原
版を用いて、実施例6と同様に印刷版を製造して印刷し
たところ、実施例6と同様の結果が得られた。
【0065】[実施例11]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量25000のポリアクリル酸(和光純
薬(株)製)を同量用いた以外は、実施例6と同様にし
て、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原版を
用いて、実施例6と同様に印刷版を製造して印刷したと
ころ、実施例6と同様の結果が得られた。
【0066】[実施例12]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量10000のポリ(メタクリロイロキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロライド)を同量用
いた以外は、実施例6と同様にして、平版印刷原版を作
製した。作製した平版印刷原版を用いて、実施例6と同
様に印刷版を製造して印刷したところ、実施例6と同様
の結果が得られた。
【0067】[比較例2]ポリビニルアルコールの含浸
処理を実施しなかった以外は、実施例6と同様にして、
平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原版を用い
て、実施例6と同様に印刷版を製造して印刷したとこ
ろ、印刷開始時のインク払い性が悪く、100枚目まで
印刷物に汚れが生じ、良好な印刷物を得ることができな
かった。
【0068】[実施例13] (支持体)厚さ175μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルムの表面をコロナ放電処理したものを、支持体
として用いた。
【0069】(プライマー層の形成)支持体の一方の面
に、下記の組成の塗布液を塗布し、100℃で1分間加
熱して乾燥することにより、乾燥膜厚が0.2μmのプ
ライマー層を形成した。 ──────────────────────────────────── プライマー層塗布液 ──────────────────────────────────── 塩素化ポリエチレン(平均重合度:200、塩素化率:42.5モル%) 1.0g メチルエチルケトン 10g シクロヘキサン 100g ────────────────────────────────────
【0070】(光熱変換層の形成)プライマー層の上
に、蒸着真空度5×10-5Torrの条件下に、チタン
を抵抗加熱により蒸着し、光熱変換層を形成した。光熱
変換層の厚さは、200Åであり、光学濃度は、0.6
であった。
【0071】(ゾル−ゲル液の作成)下記組成の液を室
温において、1時間熟成してゾル−ゲル液を調製した。
【0072】 ──────────────────────────────────── ゾル−ゲル液組成 ──────────────────────────────────── テトラメトキシシラン 11.0g エタノール 20.7g 0.1N硝酸 4.5g ────────────────────────────────────
【0073】(親水性層の形成)光熱変換層の上に、下
記の塗布液を塗布し、100℃で10分間加熱して乾燥
することにより、乾燥重量2g/m2 の親水性層を形成
した。
【0074】 ──────────────────────────────────── 親水性層塗布液 ──────────────────────────────────── 平均粒径200nmのルチル型酸化チタン(和光純薬(株)製)を20重量% 分散させ、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株)製)を10重量 %溶解した水分散液 8g シリカゲル(平均粒径:約10nm)の20重量%水分散液(スノーテックス C、日産化学工業(株)製) 4g 上記のゾル−ゲル液 4g 水 20g ────────────────────────────────────
【0075】(水溶性化合物の含浸)親水性層の上に、
以下の組成の塗布液を塗布し、水溶性化合物を親水性層
に含浸させた。さらに、100℃で10分間加熱して、
乾燥し、水溶性化合物を親水性層に、乾燥重量0.4g
/m2 で含有させた。
【0076】 ──────────────────────────────────── 水溶性化合物含浸液 ──────────────────────────────────── 平均分子量22000のポリビニルアルコール(PVA105、クラレ(株) 製) 10g 水 90g ────────────────────────────────────
【0077】(印刷版の製造および印刷)以上のように
作製した平版印刷原版に、出力750mW、波長830
nm、ビーム径25μm(1/e2)の半導体レーザー
を用いて、主走査速度3m/秒にて、親水性層側から1
75lpiの網点画像の露光を行った。次に、水を含ま
せた現像用パッドで版面拭きし、レーザー照射部の親水
性層を除去したところ、面積率2%から98%までの画
像が版上に形成された。このように製造した平版印刷版
を、印刷機(RYOBI3200MCD)に装着し、市
販の湿し水剤(EU−3、富士写真フイルム(株)製)
の1体積%水溶液を湿し水として用いて印刷したとこ
ろ、印刷開始時のインク払い性は、良好であり、5枚目
から汚れのない良好な印刷物が得られた。その後も印刷
を継続し、最終的に、2万枚の汚れのない良好な印刷物
が得られた。
【0078】[実施例14]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量3000のポリエチレングリコール
(PEG4000、和光純薬(株)製)を同量用いた以
外は、実施例13と同様にして、平版印刷原版を作製し
た。作製した平版印刷原版を用いて、実施例13と同様
に印刷版を製造して印刷したところ、実施例13と同様
の結果が得られた。
【0079】[実施例15]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量1600のポリオキシエチレンノニル
フェノールエーテル(エマルゲン931、花王(株)
製)を同量用いた以外は、実施例13と同様にして、平
版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原版を用い
て、実施例13と同様に印刷版を製造して印刷したとこ
ろ、実施例13と同様の結果が得られた。
【0080】[実施例16]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量2200のポリプロピレンオキサイド
のエチレンオキサイド付加物(プルロニックL62、旭
電化工業(株)製)を同量用いた以外は、実施例13と
同様にして、平版印刷原版を作製した。作製した平版印
刷原版を用いて、実施例13と同様に印刷版を製造して
印刷したところ、実施例13と同様の結果が得られた。
【0081】[実施例17]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量10000のポリエチレンイミン(和
光純薬(株)製)を同量用いた以外は、実施例13と同
様にして、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷
原版を用いて、実施例13と同様に印刷版を製造して印
刷したところ、実施例13と同様の結果が得られた。
【0082】[実施例18]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量25000のポリアクリル酸(和光純
薬(株)製)を同量用いた以外は、実施例13と同様に
して、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原版
を用いて、実施例13と同様に印刷版を製造して印刷し
たところ、実施例13と同様の結果が得られた。
【0083】[実施例19]ポリビニルアルコールに代
えて、平均分子量10000のポリ(メタクリロイロキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロライド)を同量用
いた以外は、実施例13と同様にして、平版印刷原版を
作製した。作製した平版印刷原版を用いて、実施例13
と同様に印刷版を製造して印刷したところ、実施例13
と同様の結果が得られた。
【0084】[比較例3]ポリビニルアルコールの含浸
処理を実施しなかった以外は、実施例13と同様にし
て、平版印刷原版を作製した。作製した平版印刷原版を
用いて、実施例13と同様に印刷版を製造して印刷した
ところ、印刷開始時のインク払い性が悪く、100枚目
まで印刷物に汚れが生じ、良好な印刷物を得ることがで
きなかった。
【0085】[実施例20〜33]水溶性化合物の含浸
処理を、レーザー露光後に実施した以外は、実施例6〜
19と同様にして、平版印刷原版を作製した。作製した
平版印刷原版を用いて、実施例6〜19と同様に印刷版
を製造して印刷したところ、実施例6〜19と同様の結
果が得られた。
【0086】[実施例34〜66]実施例1〜33で作
製した平版印刷原版をレーザー露光後、露光部の親水性
層を除去する処理を実施せずに印刷機に取り付けて、ロ
ールアップを20回転行い印刷したところ、 印刷開始
時のインク払い性は、良好であり、5枚目から汚れのな
い良好な印刷物が得られた。その後も印刷を継続し、最
終的に、2万枚の汚れのない良好な印刷物が得られた。
【0087】[実施例67〜132]レーザー画像露光
をプレートセッター(PEARLsetter74、P
RESSTEK社製)を用いて実施した以外は、実施例
1〜66と同様にして、印刷を行ったところ、実施例1
〜66と同様の結果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 AC08 AD01 AD03 CC20 DA36 2H096 AA07 AA08 BA16 CA05 CA20 EA04 GA08 2H114 AA04 AA23 AA24 AA28 AA30 BA01 BA10 DA03 DA04 DA42 DA43 DA44 DA46 DA50 DA51 DA53 DA61 EA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋構造を有し水に不溶の親水性マトリ
    ックスと水溶性高分子化合物とを含有し、平版印刷にお
    いて非画像部となる平版印刷用親水性層。
  2. 【請求項2】 支持体上に、請求項1に記載の親水性層
    と赤外線レーザ光を熱に変換する光熱変換層を設けた平
    版印刷原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7662537B2 (en) 2003-12-26 2010-02-16 Mitsui Chemicals, Inc. Lithographic printing original plate and lithographic printing plate

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