JP2001108678A - 免疫測定方法 - Google Patents

免疫測定方法

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JP2001108678A
JP2001108678A JP2000228824A JP2000228824A JP2001108678A JP 2001108678 A JP2001108678 A JP 2001108678A JP 2000228824 A JP2000228824 A JP 2000228824A JP 2000228824 A JP2000228824 A JP 2000228824A JP 2001108678 A JP2001108678 A JP 2001108678A
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Takaaki Munebayashi
孝明 宗林
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に信頼性の高い結果の得られる免疫測定
方法を提供する。 【解決手段】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対象
物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって測
定する免疫測定方法において、一定濃度の測定対象物を
含む標準試料と免疫試薬を反応液中で反応させる標準反
応工程、標準反応工程における反応液と検体とを混合し
反応させる検体反応工程、及び標準反応工程における反
応性と検体反応工程における反応性とを比較することに
より検体中の測定対象物濃度を求める工程を含むことを
特徴とする免疫測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原または抗体を
用いた免疫試薬により検体中の測定対象物の濃度を測定
する免疫測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗原抗体反応を利用した種々の免
疫測定方法、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)
法、エンザイムイムノアッセイ(EIA)法、免疫比濁
(TIA)法及びラテックス凝集反応(LPIA)法等
が知られている。これらの方法では、その分析測定値
(吸光度、透過度、濁度、蛍光、反応速度やその他測定
された物理量)から検体中の測定対象物の濃度を求める
ことが行われている。このとき、測定対象物を既知濃度
含む標準試料を予め測定することにより、標準試料中の
測定対象物濃度と分析測定値の対応関係をプロットした
検量線を作成し、該検量線との比較において濃度を決定
している。これら従来の方法においては、いずれの場合
も検体と標準試料は別の反応容器内で測定を行ってお
り、測定が常に同じ条件で行われていることが前提とさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は温度(装置、部屋、試薬等の温度)の変動、試薬の安
定性に由来する変動、試薬の使用状況による変動(例え
ば、汚染等による反応性変化、試薬ボトルからの水の蒸
発、失活など)等がある。そこで一回の連続的測定が終
了し、翌日ないし数日後に新たに測定を行う場合や、試
薬のロットが変わる場合等には、測定精度を保つため
に、測定開始の直前にその都度検量線を新たに作成して
から測定する必要があった。即ち、この方法では、検量
線作成の時間がかかると共に、免疫試薬の効率的使用が
困難であった。また、このような検量線作成を行って
も、たとえば、日内における変動(温度変化、光源の光
量の変動、検出器の変動など)による誤差を除くことは
困難であった。
【0004】一方、免疫試薬を効率的に使用するため
に、事前に作成された検量線を測定開始の直前に標準試
料を1点ないし数点測定することで補正して使用するこ
とも行われている。しかし、この方法においても、より
測定精度を上げる為には、1検体毎に事前に検量線の補
正を行うことが好ましいが、時間、コストの関係から不
利となる。
【0005】そこで、免疫試薬、時間を消費せず、効率
的かつ正確に測定する方法が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、鋭
意検討した結果、同一反応容器内で、免疫試薬と測定対
象物を一定濃度(既知濃度)含有する標準試料の反応
と、免疫試薬と検体の反応を連続的に行うことにより上
記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、検体中の測定対象
物の濃度を該測定対象物に対する抗原または抗体を用い
た免疫試薬によって測定する免疫測定方法において、一
定濃度の測定対象物を含む標準試料と免疫試薬を反応液
中で反応させる標準反応工程、標準反応工程における反
応液と検体とを混合し反応させる検体反応工程、及び標
準反応工程における反応性と検体反応工程における反応
性とを比較することにより検体中の測定対象物濃度を求
める工程を含むことを特徴とする免疫測定方法に存す
る。
【0008】また、第2の要旨は、検体中の測定対象物
の濃度を該測定対象物に対する抗原または抗体を用いた
免疫試薬によって測定する免疫測定方法において、一定
濃度の測定対象物を含む標準試料と免疫試薬を反応液中
で反応させる標準反応工程、標準反応工程における反応
液と検体を混合し反応させる検体反応工程、予め作成し
た検量線を標準反応工程における反応性を用いて補正す
る工程、及び補正した検量線と検体反応工程における反
応性により検体中の測定対象物の濃度を求めることを特
徴とする免疫測定方法に存する。
【0009】更に、第3の要旨は、検体中の測定対象物
の濃度を該測定対象物に対する抗原または抗体を用いた
免疫試薬によって測定する免疫測定方法において、2以
上の標準試料を免疫試薬と順次混合し反応させる2以上
の標準反応工程、最後の標準反応工程における反応液と
検体を混合し反応させる検体反応工程、各々の標準反応
工程における反応性により検量線を作成する工程、及び
この検量線と検体反応工程における反応性を用いて検体
中の測定対象物の濃度を求める工程を含み、少なくとも
2番目以降の標準反応工程における標準試料は一定濃度
の測定対象物を含む、免疫測定方法に存する。
【0010】第4の要旨は、前記免疫測定方法に用いら
れる試薬キット、及び測定装置に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、検体中の測定対象物の
濃度を該測定対象物に対する抗原または抗体を用いた免
疫試薬によって測定する免疫測定方法に関する。本発明
で測定される検体は、一般には生体試料であり、例え
ば、全血、血清、血漿、尿、唾液、髄液、糞便、穿刺液
等である。検体中の測定対象物とは、一般には、抗原、
抗体であり、例えば、アルブミン、免疫グロブリン、補
体などの血漿蛋白、αフェトプロテイン(AFP)、CA19-
9、癌胎児性抗原(CEA)、前立腺酸ホスファターゼ(PA
P)などの腫瘍関連抗原、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、H
IV、CRPなどの感染症関連の抗原・抗体、フィブリン・
フィブリノーゲン分解物、Dダイマー、アンチトロンビ
ンIIIなどの血液凝固線溶関連物質、ミオグロビン、CK-
MBなどの心筋梗塞関連蛋白、甲状腺刺激ホルモン(TS
H)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、サイロキシン(T4)、
インスリン、ヒト絨毛性ゴナドトロピンなどのホルモ
ン、ジゴキシン、テオフィリンなどの薬物などである。
【0012】本発明の免疫測定方法は、例えば以下のよ
うな公知の免疫測定方法に用いることができる。 (1)免疫試薬中の抗原または抗体と測定対象物との免
疫的結合に伴う凝集反応による免疫測定方法。 (2)免疫試薬として、遊離した抗体または抗原を用い
る(1)の免疫測定方法。 (3)免疫試薬として抗体または抗原を固定化した不溶
性担体粒子を用いる(1)の免疫測定方法。 (4)免疫反応に伴う粒子の凝集状態を、吸光度または
散乱光の計測による濁度で計測する(1)〜(3)の免
疫測定方法。 (5)免疫試薬として抗体または抗原を蛍光色素または
蛍光粒子で標識した免疫試薬を用いる免疫測定方法。 (6)免疫測定が、免疫試薬中の抗原または抗体と測定
対象物との免疫的結合に伴う標識抗体若しくは標識抗原
またはそれらの免疫複合体の分子サイズの変化により生
じる回転緩和時間の変化を観測するものである(5)の
免疫測定方法。 (7)回転緩和時間の変化を、蛍光偏光度の解消により
観測する(6)の免疫測定方法。 (8)免疫試薬として抗体または抗原に異なる蛍光色素
を標識したものを2種類用い、免疫試薬中の抗原または
抗体と測定対象物との免疫的結合に伴う2種類の蛍光色
素間距離の近接に伴うエネルギー移動反応を観測する免
疫測定方法。 (9)エネルギー移動反応を、蛍光色素による発光量の
増加または減少、または異なる発光時間における発光量
の増加または減少により測定する(8)の免疫測定方
法。 (10)免疫試薬として固相担体に固定化された抗原また
は抗体を用い、測定対象物と固相上の免疫試薬との免疫
的結合を観測する免疫測定方法。 (11)免疫的結合を、表面プラズモン共鳴により観測す
る(10)の免疫測定方法。 (12)免疫的結合を、エバネッセント波により励起した
蛍光を観測する(5)及び(10)の免疫測定方法。 (13)免疫的結合を、水晶振動子の周波数変化により観
測する(10)の免疫測定方法。 (14)免疫的結合を、電極での電位、電流変化により観
測する(10)の免疫測定方法。 (15)免疫的結合を、イオンチャンネル量の変化による
電流、抵抗値の変化により観測する(10)の免疫測定方
法。
【0013】また、本発明の方法は、ホモジニアス免疫
測定において特に効果的に用いられる。本発明におい
て、比較の対象とする「反応性」としては、例えば以下
のようなものが用いられる。 A.抗原抗体反応による粒子凝集の反応速度。これは、
例えば、平均吸光度変化率や最大吸光度変化率等から計
算することができる。 B.抗原抗体反応による粒子の凝集量。これは、例え
ば、吸光度の変化から計算することができる。 C.表面プラズモン共鳴の最大共鳴角度の変化率から計
算した反応速度。
【0014】以下、本発明を、免疫測定方法として上記
(3)の免疫測定方法、反応性として抗原抗体による粒
子凝集の反応速度を測定した場合の例を挙げ、具体的に
説明する。 [免疫測定方法1]本発明の第1の免疫測定方法は、一
定濃度の測定対象物を含む標準試料と免疫試薬を反応液
中で反応させる標準反応工程、標準反応工程における反
応液と検体とを混合し反応させる検体反応工程、及び標
準反応工程における反応性と検体反応工程における反応
性とを比較することにより検体中の測定対象物濃度を求
める工程を含むことを特徴とする免疫測定方法である。 <検体の測定> (1)標準反応工程 反応容器に、一定濃度の抗原(測定対象物)を含有した
反応緩衝液(標準試料)、不溶性担体粒子に抗体を固定
化した免疫試薬を添加後攪拌し、標準試料と免疫試薬を
一定時間、反応させる。 (2)検体反応工程 同一反応容器に検体を添加し、前記標準反応工程におけ
る反応液と検体を混合し、一定時間反応させる。
【0015】少なくとも標準反応工程及び検体反応工程
における各反応の前後に吸光度を測定し、抗原抗体反応
による凝集を測定する。 (3)検体中の測定対象物濃度の計算 標準反応工程の反応速度(V1)及び検体反応工程の反
応速度(V2)を、各反応の前後で測定した吸光度から
計算された平均吸光度変化率(吸光度の変化量/反応時
間)として計算する。
【0016】次いで、標準反応工程の反応速度工程(V
1)と検体反応工程の反応速度(V2)の比(V2/V
1)を計算する。更に予め作成しておいた検量線と上記
の比(V2/V1)を用いて、検体中の測定対象物の濃
度を計算する。 <検量線の作成>検体を添加する代わりに一定濃度の測
定対象物を含む標準試料を添加する以外は、上述の検体
の測定と同様の反応を行い、最初の標準反応工程(第1
標準反応工程)の反応速度(V1)と後段の標準反応工
程(第2標準反応工程)の反応速度(V2)の比(V2
/V1)を計算する。
【0017】第2標準反応工程で添加する標準試料の濃
度を代えて同様の反応を繰り返す。得られた反応速度比
(V2/V1)と第2標準反応工程の標準試料中の測定
対象物濃度で検量線を作成する。この方法によれば、予
め作成した検量線を補正することなく用いて精度の高い
測定結果を得ることができる。
【0018】上記方法では、反応性の比較は、前記の具
体的説明では反応速度の比(V2/V1)を用いている
が、反応速度の差(V1−V2)の他、V1とV2を用
いた種々の演算結果を用いても良い。また、上述の方法
では、標準反応工程の後に検体反応工程を行っている
が、順番を入れ替えて、検体反応工程の後に標準反応工
程をさせても良い。即ち、検体と免疫試薬を反応液中で
反応させ(検体反応工程)、次いで検体反応工程におけ
る反応液と一定濃度の測定対象物を含む標準試料とを混
合し反応させ(標準反応工程)、標準反応工程における
反応性と検体反応工程における反応性とを比較すること
により検体中の測定対象物濃度を求めても良い。但し、
検体中の測定対象物濃度が低濃度の場合には、標準反応
工程、検体反応工程の順で反応させた方が測定精度が高
く好ましい。
【0019】尚、各反応の反応時間は、一般には、最初
の反応工程が1秒〜10分、次の反応工程が10秒〜1
時間であり、好ましくは、最初の反応工程が1分〜5
分、次の反応工程が1分〜15分である。 [免疫測定方法2]本発明の第2の免疫測定方法は、検
体中の測定対象物の濃度を該測定対象物に対する抗原ま
たは抗体を用いた免疫試薬によって測定する免疫測定方
法において、一定濃度の測定対象物を含む標準試料と免
疫試薬を反応液中で反応させる標準反応工程、標準反応
工程における反応液に検体を混合し反応させる検体反応
工程、予め作成した検量線を標準反応工程における反応
性を用いて補正する工程、及び補正した検量線と検体反
応工程における反応性により検体中の測定対象物の濃度
を求めることを特徴とする免疫測定方法である。
【0020】この方法は、前記の免疫測定方法1と、反
応手順は同じであるが、そのデータ処理の方法が異なる
ものである。 <検体の測定> (1)標準反応工程 反応容器に、一定濃度の抗原(測定対象物)を含有した
反応緩衝液(標準試料)、不溶性担体粒子に抗体を固定
化した免疫試薬を添加後攪拌し、標準試料と免疫試薬を
一定時間、反応させる。 (2)検体反応工程 同一反応容器に検体を添加し、前記標準反応工程におけ
る反応液と検体を混合し、一定時間反応させる。
【0021】少なくとも標準反応工程及び検体反応工程
における各反応の前後に吸光度を測定し、抗原抗体反応
による凝集を測定する。標準反応工程の反応速度(V
1)及び検体反応工程の反応速度(V2)を、各反応の
前後で測定した吸光度から計算された平均吸光度変化率
(吸光度の変化量/反応時間)として計算する。 (3)検量線の補正 予め作成しておいた下記検量線を、検体測定の標準反応
工程の反応速度(V1)を用いて補正する。
【0022】検量線の補正は、検体測定の標準反応工程
の反応速度(V1)を、下記検量線作成の為に行った測
定の第1標準反応工程の反応速度(V1)と比較して行
う。例えば、2つのV1の差または比を用いて、検量線
を補正する。検量線作成の為に複数の測定が行われる場
合、検量線補正の為に用いられる第1標準反応工程の反
応速度(V1)としては、複数の測定のうちの一つの測
定の第1標準反応工程の反応速度(V1)を用いること
が出来る。好ましくは、全ての測定の第1標準反応工程
の反応速度(V1)の平均値を用いる。 (4)検体中の測定対象物濃度の計算 補正した検量線と検体反応工程の反応速度(V2)か
ら、検体中の測定対象物の濃度を計算する。 <検量線の作成>検体を添加する代わりに一定濃度の測
定対象物を含む標準試料を添加する以外は、上述の検体
の測定と同様の反応を行う。
【0023】第2標準反応工程で添加する標準試料の濃
度を代えて同様の反応を繰り返す。第2標準反応工程の
反応速度(V2)と第2標準反応工程の標準試料中の測
定対象物濃度で検量線を作成する。この方法によれば、
予め作成した検量線の補正と検体の測定が、1ポットで
一度に行うことができるので、免疫試薬が節約出来ると
共に、測定の手間を省くことが出来る。
【0024】また、免疫測定方法1と同様に、標準反応
工程と検体反応工程の順番は入れ替えることが出来る
が、検体中の測定対象物が低濃度の場合には、標準反応
工程、検体反応工程の順が好ましい。尚、各反応の反応
時間は、一般には、最初の反応工程が1秒〜10分、次
の反応工程が10秒〜1時間であり、好ましくは、最初
の反応工程が1分〜5分、次の反応工程が1分〜15分
である。 [免疫測定方法3]本発明の第3の免疫測定方法は、検
体中の測定対象物の濃度を該測定対象物に対する抗原ま
たは抗体を用いた免疫試薬によって測定する免疫測定方
法において、2以上の標準試料を免疫試薬と順次混合し
反応させる2以上の標準反応工程、最後の標準反応工程
における反応液と検体を混合し反応させる検体反応工
程、各々の標準反応工程における反応性により検量線を
作成する工程、及びこの検量線と検体反応工程における
反応性を用いて検体中の測定対象物の濃度を求める工程
を含み、少なくとも2番目以降の標準反応工程における
標準試料は一定濃度の測定対象物を含む、免疫測定方法
である。
【0025】この方法は、1回の測定で検量線作成と検
体測定を同時に行うことが出来るので、予め検量線を作
成する手間を省くと共に、精度良い測定結果を得ること
ができる。 <検体の測定> (1)標準反応工程 第1標準反応工程 反応容器に、一定濃度の抗原(測定対象物)を含有した
反応緩衝液(標準試料1)、不溶性担体粒子に抗体を固
定化した免疫試薬を添加後攪拌し、標準試料と免疫試薬
を一定時間、反応させる。標準試料1中の測定対象物濃
度は0であることが望ましいが、標準試料1中に測定対
象物を含んでいてもよい。
【0026】第2標準反応工程 同一反応容器に標準試料2を添加し、前記第1標準反応
工程における反応液と標準試料2を混合し、一定時間反
応させる(標準反応2工程)。更に、測定対象物を含む
標準試料を同一反応容器に添加して、同様の手順で標準
反応工程を追加してもよい。標準反応工程数は、一般に
は合計で2または3である。各標準試料の測定対象物濃
度は、同じでもよいし、異なっていても良い。標準反応
工程において、同一反応容器内に標準試料を順次添加し
ていくため、第i標準反応工程で添加する標準試料iの
濃度をCiとすると、n番目の標準反応工程時には、下
記式(1)で表される濃度の標準試料を免疫試薬に添加
したものとみなすことができる。
【0027】
【数1】
【0028】厳密には標準試料の容積分の補正が必要で
はあるが、全反応液に比して標準試料の添加容積は少量
である場合には補正は不要である。各標準反応工程の反
応時間は、一般に1秒〜10分、好ましくは1分〜5分
であり、各工程の反応時間は同一でも異なっていても良
い。
【0029】標準反応工程が終了後、濃度未知の検体を
加えて検体反応工程を行うが、その際、検体濃度の測定
可能領域をなるべく広く取るためには、前記式(1)で
表わされる濃度を当該測定対象項目の測定可能領域にお
ける適正な濃度以下に制御する必要がある。具体的に
は、一般的に免疫測定法において、測定対象物、測定法
により異なるが、測定対象物濃度と、反応性との間に
は、シグモイド曲線に似た形状の関係を生じることが多
く、このシグモイド曲線において、定量性を確保できる
ような濃度域内に、前記式(1)で表わされる濃度がは
いるように設定することが望ましい。 (2)検体反応工程 同一反応容器に検体を添加し、前記標準反応工程におけ
る反応液と検体を混合し、一定時間反応させる。検体反
応工程の反応時間は、一般に1秒〜10分、好ましくは
1分〜5分であり、標準反応工程の反応時間と同一でも
異なっていても良い。
【0030】少なくとも標準反応工程及び検体反応工程
における各反応の前後に吸光度を測定し、抗原抗体反応
による凝集を測定する。 (3)検量線の作成 標準試料中の測定対象物濃度と各標準反応工程における
反応速度を用いて検量線を作成する。
【0031】標準反応工程において、同一反応容器内に
標準試料を順次添加していくため、第i標準反応工程で
添加する標準試料iの濃度をCiとすると、n番目の標
準反応工程時には、式(1)で表される濃度の標準試料
を免疫試薬に添加したものとみなすことができる。従っ
て、検量線は、式(1)で表わされる濃度と各標準反応
工程の反応速度とのn組のデータ(下記(2))を用い
て、直線近似、2次曲線近似、Log−Logit近似
等で作成される。
【0032】
【数2】
【0033】(4)検体中の測定対象物の濃度計算 検体中の測定対象物濃度をCとすると、検体反応工程時
には、式(3)で表される濃度の標準試料を免疫試薬に
添加したものとみなすことができる。従って、検体反応
工程の反応速度と上記の検量線から、式(3)で表わさ
れる濃度を計算し、この値から式(1)で表わされる濃
度を差し引いて、検体中の測定対象物濃度を算出するこ
とが出来る。
【0034】
【数3】
【0035】(ただし、式(1)及び式(3)において
は、反応液、標準試料、検体の容量による濃度の補正が
不要の場合とする。) 本発明の免疫測定方法に使用する免疫試薬等は、公知の
免疫試薬等が使用できる。例えば、上記(3)の免疫測
定方法には以下のものが使用できる。免疫試薬に用いら
れる不溶性担体粒子の素材としては、スチレン、ビニル
トルエン、メチルメタクリレート、メタクリル酸などの
重合体または共重合体を乳化重合した有機物高分子、赤
血球などの生体由来物質、金コロイドなどの金属コロイ
ド粒子、リポソームなどの脂質粒子、シリカなどの無機
粒子が挙げられる。また、不溶性担体粒子の粒子径とし
ては、通常0.01〜10μm、好ましくは、0.1〜
1μmが挙げられる。
【0036】不溶性担体粒子に固定化する抗体または抗
原の量としては、不溶性担体粒子1mgあたり、通常5
0ng〜500μg、好ましくは、不溶性担体粒子1m
gあたり、500ng〜200μgが挙げられる。ま
た、抗体または抗原の固定化方法としては、物理吸着法
または、カルボジイミドなどの縮合剤を用いるなどの化
学結合法等の公知の方法が挙げられる。
【0037】不溶性担体粒子の濃度としては、免疫反応
液中において、不溶性担体粒子の重量濃度として、通常
0.0001%〜1%、好ましくは、0.0003%〜
0.3%である。不溶性担体粒子を分散させる分散媒と
しては、水;トリスヒドロキシメチルアミノメタン、リ
ン酸などの緩衝液(通常1〜500mM;通常pH5〜
10、好ましくは 6〜9);牛血清アルブミン、ゼラ
チンなどの生体由来成分を0.01%〜10%含有する
もの;塩化ナトリウムなどの塩類を0.1〜10%含有
するもの;及び界面活性剤(ノニオン性、アニオン性、
カチオン性、両性)を0.0001〜1%含有するも
の、並びにこれらを組み合わせたものが挙げられる。
【0038】反応緩衝液としては、トリスヒドロキシメ
チルアミノメタン、リン酸、酢酸ナトリウム、グリシ
ン、ホウ酸などの緩衝液(1〜500mM、pH1〜1
0)に塩化ナトリウムなどの無機塩類(0.5〜20
%)、牛血清アルブミン、正常ウサギ血清などの生体成
分を0.1〜10%、界面活性剤を0.0003〜1%
含有したものが挙げられる。
【0039】反応系により、反応緩衝液は1種類の場合
と2種類以上の場合がある。1種類の場合、pHなどは
6〜9の中性付近を用いることが多い。塩濃度、蛋白濃
度などは、反応系に併せて適宜調節して使用する。本発
明の免疫測定方法に使用する装置は、公知の装置が使用
出来るが、以下、上記(3)の免疫測定方法に用いられ
る装置に関して説明する。
【0040】図1は、本発明に用いられる試薬キットで
あり、免疫試薬を収納した免疫試薬保持部1、標準試料
を収納した標準試料保持部2、検体を注入する検体保持
部3、及び反応容器4を備える。標準試料保持部は、必
要な標準試料の数だけ設ける。免疫試薬を緩衝液で希釈
して保存することが好ましくなく反応時に免疫試薬と緩
衝液を混合させたい場合は、免疫試薬と緩衝液を別々に
保持すべく、緩衝液保持部5を更に設ける。
【0041】この試薬キットは、図2の免疫測定装置の
試薬キット受容部6に装着される。図2の免疫測定装置
には、図1に示す免疫測定用試薬キットの受容部6を有
し、標準試薬と免疫試薬との標準反応の操作手段、検体
と免疫試薬との検体反応の操作手段、少なくとも標準反
応及び検体反応の各反応の前後における反応液の状態を
測定する手段、標準反応工程及び検体反応工程によって
得られた測定データをデータ処理することにより検体中
の測定対象物の濃度を求める手段、及び求めた検体中の
測定対象物の濃度を表示する手段を備えている。
【0042】測定装置の概略図を図3に示す。以下、図
2、3に従って測定操作を説明する。操作手順として
は、先ず図1の試薬キットを試薬キット受容部6に装着
後、試薬キットの検体保持部3に検体を注入する。測定
条件は、入力パネル7に入力するか、または試薬カセッ
トにバーコード等により記載されていた測定条件を読み
込ませることにより、データ入力部に入力する。測定を
開始させると、データ入力部に入力された測定条件に従
い、反応操作部が反応操作を行う。反応操作部は、装置
内に装備されたサンプルノズルで試薬キットの免疫試
薬、標準試料、検体等を順次反応容器に注入し、装置内
に装備された撹拌ノズルで撹拌して、それらを反応させ
る。反応液の状態(吸光度等)は、検出部8によって測
定される。反応液の状態は、少なくとも各反応の前後に
おいて測定される。前記免疫測定方法1及び2では、試
薬キットにバ−コード等によって記載された検量線デー
タをデータ入力部が読み込み、その検量線データと測定
データから検体中の測定対象物濃度をデータ処理部で計
算し、その結果をデータ表示部9で表示するか若しくは
結果を表示した紙を打ち出す。前記免疫測定方法2で
は、検量線を補正するために必要なV1のデータも、試
薬キットに記載され、データ処理に用いられる。前記免
疫測定方法3では、データ処理部で、測定データから検
量線を作成し、検体中の測定対象物の濃度を計算し、そ
の結果をデータ表示部9で表示または打ち出しする。
【0043】試薬キットは、免疫試薬保持部、標準試料
保持部、及び検体保持部が、反応容器に配管により連通
し、各保持部が同一基板上に配設された試薬キットでも
良い(図4〜9)。免疫試薬保持部、標準試料保持部、
及び検体保持部には、免疫試薬、標準試料、検体を反応
容器に供給する機構、例えば押し出し空気層が各々配設
される。その場合、予め測定装置に入力された反応条件
に従い、各空気層が測定装置内の反応操作部により順次
圧縮され、反応容器に免疫試薬、標準試料、検体が順次
供給される。押し出された空気や液は、廃液だめ12に
集められる。前記免疫測定方法1及び2の場合には、図
4〜7の試薬キットを用いることができる。免疫試薬を
緩衝液で希釈した状態で保存することが好ましくなく、
免疫試薬と緩衝液を別々の保存したい場合には、図6の
試薬キットを用いる。また、検体中の血球を反応前に予
め分離したい場合には、図7に示す様に検体保持部と反
応容器の間に血液分離フィルター11を設けることが好
ましい。前記免疫測定方法3の場合には、標準試料保持
部が2以上配設された図8、図9の試薬チップを用いる
ことができる。標準試薬保持部の数は必要な数だけ設け
る。
【0044】以上、上記(3)の免疫測定方法を例にと
って説明したが、上記(11)の免疫測定方法を使用し
た例を以下に挙げる。容器下部に金基板を備えた反応容
器において、金基板上に抗体を結合させる。基板への抗
体の結合方法は、基板への抗体の物理的吸着、基板上に
物理的吸着により結合させたデキストラン、ポリエチレ
ングリコールなどの分子に抗体を化学結合させる方法、
基板上にチオール基を有する自己集積化試薬を結合さ
せ、生じた自己集積化膜に存するカルボキシル基などの
官能基と抗体分子を化学結合させる方法などが挙げられ
る。
【0045】例えば、前記免疫測定方法1の場合には、
基板上の抗体と、一定濃度の標準品抗原を反応緩衝液中
で反応させ(標準反応工程)、ついで標準反応工程にお
ける反応液と検体を混合し反応させる(検体反応工
程)。各反応中、反応容器の下から光を照射し、表面プ
ラズモン共鳴を測定する。抗原抗体反応の進行に伴い最
大共鳴角度または最大共鳴吸収波長が変化する。変化率
から反応速度を計算する。標準反応工程における反応速
度と検体反応工程における反応速度の比を計算し、予め
作成しておいた検量線から、検体中の測定対象物の濃度
を計算する。
【0046】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 測定装置としてLPIA−A700(三菱化学株式会社
製)を用いた。
【0047】ポリスチレンラテックス粒子10mgに、
抗αフェトプロテイン(AFP)抗体( ウサギF(ab')2
0.5mgを化学結合により固定化し、0.1%牛血清アル
ブミン(BSA)(シグマ社製)含有トリス緩衝液10
mlで希釈することにより、AFP測定用ラテックス試
薬を調製した。 <検体の測定> (1)標準反応工程 AFPを0.1%BSA含有トリス緩衝液で希釈した標準
試料(20ng/ml )20μL 、0.1%BSA含有トリス
緩衝液150μL 、先に調製したAFP測定用ラテック
ス試薬100μL 、水30μL を反応容器に添加、攪拌
し、800nmの吸光度の変化を7分間観測し、反応速度
1(V1)を求めた。反応速度は、平均吸光度変化率と
して求めた。 (2)検体反応工程 続いて、同一反応容器に、検体である血清20μL 添
加、攪拌し、同様に800nmの吸光度の変化を10分間
観測し、反応速度2(V2)を求め、反応速度比(V2
/V1)を計算した。同様の手順で、検体を12個測定
した。 <検量線の作成>検体の代わりに、標準試料(0, 10, 2
5, 50, 100,または 250 ng/ml)を添加した以外は、前
記検体の測定と同一の条件で反応させ、各反応速度から
反応速度比(V2/V1)を求めた。第2標準反応に用
いられた標準試料中のAFP濃度(0, 10, 25, 50, 100
,250ng/ml)と各反応速度比(V2/V1)から検量線
を作成した。その結果を図10に示す。これから良好な
検量線が作成されたことがわかる。
【0048】次に、この検量線と検体測定結果より、検
体血清の中のAFP濃度を計算した。その結果を表1に
示す。 比較例1 本発明の方法により測定した検体中のAFP濃度の信頼
性を確認するために、対象法として、従来のラテックス
凝集免疫反応による測定をおこなった。測定には実施例
1で使用した、反応緩衝液(0.1%BSA含有トリス
緩衝液)、AFP測定用ラテックス試薬、AFP標準試
料、検体を用いた。 <検量線の作成>AFP標準試料(0, 10, 25, 50, 100
,または250ng/ml)20μL 、水30μL 、反応緩衝液
150μL 、AFP測定用ラテックス試薬100μL を
反応容器に添加、攪拌後、800nmの吸光度の変化を1
0分間観測し、反応速度(V)を求めた。反応速度は、
平均吸光度変化率として計算した。標準試料のAFP濃
度と反応速度(V) の関係を図11に示した。図11
から、良好な検量線が作成されたことがわかる。 <検体の測定>次に、AFP標準試料の代わりに検体を
添加した以外は、上記標準試料の測定と同様の反応を行
い、反応速度(V)を計算し、これと先に作った検量線
を用いて検体中のAFP濃度を計算した。その結果を表
1に示した。
【0049】
【表1】 また、実施例1及び比較例1における相関図を図12に
示した。
【0050】相関が、Y=0.9127X+2.0495、R2=0.9959
と良好な結果であった。これにより、従来のラテックス
凝集免疫測定法で測定した結果と、本発明の免疫測定法
で測定した結果とは、非常に良好な相関を示すことがわ
かる。すなわち、本発明の免疫測定方法により、血清中
のAFP濃度の測定が可能であることがわかる。 実施例2 測定装置としてLPIA―A700(三菱化学株式会社
製)を用いた。
【0051】ポリスチレンラテックス粒子10mgに抗
AFP抗体( F(ab')2)0.5mgを化学結合により固定化
し、0.1%BSA含有トリス緩衝液10mlで希釈す
ることにより、製造ロットを代えて6種類のAFP測定
用ラテックス試薬を調整した。 <検体の測定> (1)標準反応工程 AFPを0.1%BSA含有トリス緩衝液で希釈した標準
試料(AFP20ng/mL)20μL 、0.1%BSA含
有トリス緩衝液(反応緩衝液)150μL 、先に製造し
たAFP測定用ラテックス試薬100μL 、水30μL
を反応容器に添加、攪拌し、800nmの吸光度の変化を
7分間観測し、反応速度1(V1)を求めた。反応速度
は、平均吸光度変化率として求めた。 (2)検体測定工程 続いて同一の反応容器に、検体である血清を20μL 添
加、攪拌し同様に800nmの吸光度の変化を10分間観
測し、反応速度2(V2)を求めた。
【0052】検体は2種類(K.S)測定した。同一検
体を、AFP測定用ラテックス試薬の製造ロットを代え
て6回測定した。 <検量線の作成>AFP測定用ラテックス試薬として製
造ロット1の試薬を用い、検体の代わりにAFP標準試
料(0,10,25,50,100,または250ng/mL)を添加した以
外は、前記の検体の測定と同様にして測定し、反応速度
比(V2/V1)を求め、検量線を作成した。
【0053】この検量線と、AFP測定用ラテックス試
薬の製造ロットを代えて測定した検体の測定結果を用い
て、検体中のAFP濃度を計算した。その結果を表2に
示す。 比較例2 対象法として、6種のラテックス試薬で従来のラテック
ス凝集免疫反応で測定をおこなった。測定には、実施例
2で使用したラテックス試薬、反応緩衝液、標準試料、
検体を用いた。 <検量線の作成>AFP標準試料(0,10,25,50,100,ま
たは250ng/mL)20μL、0.1%BSA含有トリ
ス緩衝液150μL、水30μL 、及び製造ロット1の
ラテックス試薬100μL を反応容器に添加、攪拌後8
00nmの吸光度の変化を10分観測し、反応速度を求め
た。反応速度は、平均吸光度変化率として求めた。標準
試料中のAFP濃度と反応速度から検量線を作成した。 <検体の測定>標準試料の代わりに検体を添加した以外
は、上記と同様に反応を行った。同一検体を、ラテック
ス試薬のロットを代えて6回行った。その表2に示し
た。
【0054】
【表2】
【0055】SD:標準偏差(Standard Deviation) CV(%):変動係数(Coefficient of Variation)
(相対標準偏差) 表2から、6種の製造ロットの試薬において従来の方法
ではCVが40.0, 42,6% 、本法で は13.0, 13,7% とな
る。本法により、従来例と比較して試薬調製ロット差な
どの変動が補正できることを示した。 実施例3 免疫測定装置として、LPIA−S500(三菱化学株
式会社製)を用いて、免疫比濁法で測定した。 <検量線の作成> (1)第1標準反応工程 反応容器にIgG標準試料(250mg/dL)3μLと、イア
トロエースIgG試薬(免疫試薬、ダイアヤトロン社
製)のRA , RB を1:1で混合したものを240μL
、さらに水を100μL 添加し、攪拌し、660nmの
吸光度の変化を5分間観測し、反応速度1(V1)を求め
た。反応速度は、最大吸光度変化率として求めた。Ig
G標準試料は、イアトロース用標準品5000mg/d
L(ダイアヤトロン社)を専用希釈液で希釈したものを
用いた。 (2)第2標準反応工程 同一反応容器に、IgG標準試料(0、10、25、5
0、100、250、または500mg/dL)20μL 添
加し、攪拌後、同様に660nmの吸光度変化を10分間
観測し反応速度2(V2)を求めた。反応速度は、最大吸
光度変化率として求めた。
【0056】反応速度比(V2 / V1)と標準反応2の 標
準試料のIgG濃度で検量線を作成した。その結果を図
13に示す。良好な検量線が得られたことから、免疫比
濁法にも本発明の免疫測定法が適用できることがわか
る。 実施例4 免疫測定装置として分光蛍光光度計F4010(日立) に偏光
ユニット(F-4010形分光蛍光光度計用蛍光偏光付属装置
P/N250-0036、日立)を組み込んで用いた。
【0057】T3(3, 3', 5 トリヨードサイロニン)
(Sigma社)にFITC(イソチオシアン酸フルオ
レセイン)(Research Organics 社)をラベル化しT3
−FITC結合体の蛍光試薬を調整した。T3を0.1
%BSA 含有トリス緩衝液を用い希釈して、T3標準試料
(0、10、20、50、100、200μg/mL)を
調整した。 <検量線の作成> (1)第1標準反応工程 FITCラベルT3(0.14μg/mL) 300μL にT3標
準試料(200μg/mL)10μL と抗T3モノクローナル
抗体(Biospacific社)(0.3mg/mL)10μL を入れて攪
拌し、1分間蛍光偏光度測定(P1)した。 (2)第2標準反応工程 さらに同一反応容器に、T3標準試料(0、10、2
0、50、100、または500μg/mL)10μL を
添加し、攪拌後即時から4分間蛍光偏光度測定(P2)
をした。
【0058】蛍光偏光度は、励起波長495nm 蛍光波長52
9nm 偏光子切り替え時間10sec.で行った。T3の濃度と
蛍光偏光度の比(P1/P2)において良好な検量線が
得られたことを確認した(図14)。従って、本法は蛍
光偏光免疫測定法にも適用できることがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明における免疫測定方法では、反応
条件の変動による測定誤差を押さえて精度の高い測定を
することができると共に、免疫試薬の使用量が削減で
き、測定に係る手間を省き簡便に測定することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられる試薬キットの図である。
【図2】 本発明に用いられる測定装置の図を示す。
【図3】 本発明に用いられる測定装置の概念図を示
す。
【図4】 本発明の第1または第2の免疫測定方法に用
いられる試薬キットの図を示す。
【図5】 本発明の第1または第2の免疫測定方法に用
いられる試薬キットの図を示す。
【図6】 本発明の第1または第2の免疫測定方法に用
いられる試薬キットの図を示す。
【図7】 本発明の第1または第2の免疫測定方法に用
いられる試薬キットの図を示す。
【図8】 本発明の第3の免疫測定方法に用いられる試
薬キットの図を示す。
【図9】 本発明の第3の免疫測定方法に用いられる試
薬キットの図を示す。
【図10】 実施例1で得られた検量線の図を示す。
【図11】 比較例1で得られた検量線の図を示す。
【図12】 12例の検体中のAFP濃度について、実
施例1で測定された濃度と、比較例1で測定された濃度
との相関関係を表す図を示す。
【図13】 実施例3で得られた検量線の図を示す。
【図14】 実施例4で得られた検量線の図を示す。
【符号の説明】
1:免疫試薬保持部 2:標準試料保持部 3:検体保持部 4:反応容器 5:緩衝液保持部 6:試薬キット重要部 7:入力パネル 8:検出部 9:データ表示部 10:押し出し空気槽 11:血液分離フィルター 12:廃液だめ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対象
    物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって測
    定する免疫測定方法において、 一定濃度の測定対象物を含む標準試料と免疫試薬を反応
    液中で反応させる標準反応工程、標準反応工程における
    反応液と検体とを混合し反応させる検体反応工程、及び
    標準反応工程における反応性と検体反応工程における反
    応性とを比較することにより検体中の測定対象物濃度を
    求める工程を含むことを特徴とする免疫測定方法。
  2. 【請求項2】 検体中の測定対象物濃度を、標準反応工
    程における反応速度と検体反応工程における反応速度の
    比または差に基づいて求めることを特徴とする請求項1
    に記載の免疫測定方法。
  3. 【請求項3】 免疫測定方法が、標準反応工程における
    反応性及び/または検体反応工程における反応性を、測
    定対象物と免疫試薬の免疫的結合に伴う凝集状態を濁度
    により測定することを特徴とする請求項1または2に記
    載の免疫測定方法。
  4. 【請求項4】 予め検量線を作成する工程と、標準反応
    工程における反応性と検体反応工程における反応性とを
    比較した結果と該検量線を用いて検体中の測定対象物の
    濃度を測定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の免疫測定方法。
  5. 【請求項5】 免疫試薬として蛍光色素で標識した抗原
    または抗体を用いることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の免疫測定方法。
  6. 【請求項6】 免疫試薬として固相担体に固定化された
    抗原または抗体を用い、かつ測定対象物と免疫試薬の結
    合を、表面プラズモン共鳴の最大共鳴角度又は最大吸収
    波長変化、エバネッセント波により励起されたケイ光強
    度変化、水晶振動子の周波数変化、電極での電位・電流
    変化、またはイオンチャンネルイムノアッセイにより観
    測する請求項1乃至5のいずれかに記載の免疫測定方
    法。
  7. 【請求項7】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対象
    物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって測
    定する免疫測定方法において、 検体と免疫試薬を反応液中で反応させる検体反応工程、
    検体反応工程における反応液と一定濃度の測定対象物を
    含む標準試料とを混合し反応させる標準反応工程、及び
    標準反応工程における反応性と検体反応工程における反
    応性とを比較することにより検体中の測定対象物濃度を
    求める工程を含むことを特徴とする免疫測定方法。
  8. 【請求項8】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対象
    物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって測
    定する免疫測定方法において、一定濃度の測定対象物を
    含む標準試料と免疫試薬を反応液中で反応させる標準反
    応工程、標準反応工程における反応液と検体を混合し反
    応させる検体反応工程、予め作成した検量線を標準反応
    工程における反応性を用いて補正する工程、及び補正し
    た検量線と検体反応工程における反応性により検体中の
    測定対象物の濃度を求める工程を含むことを特徴とする
    免疫測定方法。
  9. 【請求項9】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対象
    物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって測
    定する免疫測定方法において、検体と免疫試薬を反応液
    中で反応させる検体反応工程、検体反応工程における反
    応液に一定濃度の測定対象物を含む標準試料を混合し反
    応させる標準反応工程、予め作成した検量線を標準反応
    工程における反応性を用いて補正する工程、及び補正し
    た検量線と検体反応工程における反応性により検体中の
    測定対象物の濃度を求めることを特徴とする免疫測定方
    法。
  10. 【請求項10】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対
    象物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって
    測定する免疫測定方法において、 2以上の標準試料を免疫試薬と順次混合し反応させる2
    以上の標準反応工程、 最後の標準反応工程における反応液と検体を混合し反応
    させる検体反応工程、 各々の標準反応工程における反応性により検量線を作成
    する工程、及びこの検量線と検体反応工程における反応
    性を用いて検体中の測定対象物の濃度を求める工程を含
    み、 少なくとも2番目以降の標準反応工程における標準試料
    は一定濃度の測定対象物を含む、免疫測定方法。
  11. 【請求項11】 最初の標準反応工程における標準試料
    は測定対象物を含まないことを特徴とする請求項10記
    載の免疫測定方法。
  12. 【請求項12】 すべての標準反応工程における標準試
    料が測定対象物を含むことを特徴とする請求項10記載
    の免疫測定方法。
  13. 【請求項13】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対
    象物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって
    測定する免疫測定用試薬キットであって、免疫試薬を収
    納した免疫試薬保持部、標準試料を収納した標準試料保
    持部、検体を注入する検体保持部、及び反応容器を備え
    た免疫測定用試薬キット。
  14. 【請求項14】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対
    象物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって
    測定する免疫測定用試薬キットであって、免疫試薬を収
    納した免疫試薬保持部、標準試料を収納した標準試料保
    持部、検体を注入する検体保持部、及び反応容器を備
    え、 免疫試薬と、標準試料及び検体の一方を反応容器中で反
    応させた後に、標準試料及び検体の他方を反応容器に加
    えて反応させ、それぞれの反応における反応性を比較す
    ることにより検体中の測定対象物濃度を求めるための免
    疫測定用試薬キット。
  15. 【請求項15】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対
    象物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって
    測定する免疫測定用試薬キットであって、免疫反応を行
    う反応容器、及び該反応容器に配管により連通する、免
    疫試薬を収納した免疫試薬保持部、標準試料を収納した
    標準試料保持部、及び検体を注入する検体保持部が同一
    基板上に配設された免疫測定用試薬キット。
  16. 【請求項16】 検体中の測定対象物の濃度を該測定対
    象物に対する抗原または抗体を用いた免疫試薬によって
    測定する免疫測定用試薬キットであって、免疫反応を行
    う反応容器、及び該反応容器に配管により連通する。免
    疫試薬を収納した免疫試薬保持部、標準試料を収納した
    標準試料保持部、及び検体を注入する検体保持部が同一
    基板上に配設され、 免疫試薬と、標準試料及び検体の一方を反応容器中で反
    応させた後、標準試料及び検体の他方を反応容器に加え
    て反応させ、それぞれの反応における反応性を比較する
    ことにより検体中の測定対象物濃度を求めるための免疫
    測定用試薬キット。
  17. 【請求項17】 請求項13乃至16のいずれかに記載
    の免疫測定用試薬キットの受容部を有し、標準試薬と免
    疫試薬との標準反応操作手段、検体と免疫試薬との検体
    反応操作手段、少なくとも標準反応工程及び検体反応工
    程における各反応の前後における反応液の状態を測定す
    る手段、標準反応工程及び検体反応工程において得られ
    た測定データをデータ処理することにより検体中の測定
    対象物の濃度を求める手段、及び求めた検体中の測定対
    象物の濃度を表示する手段を備えることを特徴とする測
    定装置。
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WO2011029593A1 (de) * 2009-09-09 2011-03-17 Andreas Hettich Gmbh & Co. Kg Vorrichtung zur durchführung von tests zur hämostase

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