JP2001107323A - 吸音構造体を有する道路付帯構造物 - Google Patents

吸音構造体を有する道路付帯構造物

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JP2001107323A
JP2001107323A JP28600299A JP28600299A JP2001107323A JP 2001107323 A JP2001107323 A JP 2001107323A JP 28600299 A JP28600299 A JP 28600299A JP 28600299 A JP28600299 A JP 28600299A JP 2001107323 A JP2001107323 A JP 2001107323A
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sound absorbing
absorbing structure
sound
road
road incidental
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JP28600299A
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English (en)
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Kyoji Fujiwara
恭司 藤原
Eiji Yotsumoto
英治 四元
Takuya Fujimoto
卓也 藤本
Hiroharu Fujita
啓晴 藤田
Yoshiyuki Yamamoto
義行 山本
Satoshi Yamaguchi
智 山口
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Showa Corp
Original Assignee
Showa Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必然的に設置されている境界ブロックなどの
縁石や、ガードレール自体に吸音性を付与することによ
って、騒音を低減させることができる吸音構造体を有す
る道路付帯構造物を提供する。 【解決手段】 道路付帯構造物を吸音構造体でカバーリ
ングしたことを特徴とする吸音構造体を有する道路付帯
構造物。特に、吸音構造体は多孔性固形物であって、同
多孔性固形物は、不定形状の粒体とバインダーとを混練
し、固化させることによって形成し、さらに、粒体がゴ
ム弾性を有していることにも特徴を有する。さらに、吸
音構造体と道路付帯構造物表面との間に空気層を形成す
べく、吸音構造体の道路付帯構造物面側に凹状部を形成
したこと、吸音構造体を道路付帯構造物に着脱自在とし
たことにも特徴を有する吸音構造体を有する道路付帯構
造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、境界ブロックやガ
ードレールなどの道路付帯構造物に吸音構造体を配設す
ることによって吸音性を付与した吸音構造体を有する道
路付帯構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、道路には、車輛及び歩行者の安全
な通行、あるいは、事故の防止及び事故が発生した際の
被害の抑制を目的として、境界ブロックなどの縁石や、
ガードレール及び腰壁などの道路付帯構造物が設置され
ている。
【0003】同道路付帯構造物は、通常、所定の強度を
維持すべく、鋼材などの金属やコンクリートなどの硬質
の部材を用いて形成されている。
【0004】しかし、これらの道路付帯構造物は、安全
性に関しての基準に基づいて製造されているだけである
ので、車輛の走行にともなって発生する騒音を遮音した
り、あるいは、吸音したりする機能は有しておらず、逆
に、反射体として作用することによって、場合によって
は騒音を増幅させていることもあった。
【0005】特に、車輛の走行にともなって発生する騒
音は、図12の一般的な自動車走行騒音のパワーレベル
に示すように、1000Hz前後にパワーピークを有するもの
であり、これら1000Hz前後の周波数を有する音、及び、
それ以上の周波数を有する音は、道路に存在する比較的
小さな構造物によっても反射されるため、道路付帯構造
物の配設状態によっては容易に増幅されることとなって
いた。
【0006】このような車輛の走行にともなって発生す
る騒音は、近年になって騒音公害として大きな社会問題
となっており、同騒音及び騒音の反射音を軽減させる取
り組みとして遮音構造や吸音構造を有する遮音壁や吸音
壁などの新たな道路付帯構造物が道路に設置されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の遮音壁
や吸音壁だけでは騒音の低減効果が十分ではないことが
あり、また、遮音壁や吸音壁を設置することができるス
ペースがない場合には、騒音対策の実施自体が不可能で
あった。
【0008】また、遮音壁や吸音壁の設置には多大なコ
ストがかかるため、コスト負担が大きな問題となってい
た。
【0009】そこで、本願発明者は、通常、必然的に設
置されている境界ブロックなどの縁石や、ガードレール
などの道路付帯構造物に着眼し、同道路付帯構造物自体
に吸音性を付与することによって騒音を軽減させること
ができることを知見して、本発明に至ったものである。
【0010】特に、本発明の吸音構造体を有する道路付
帯構造物では、低コストであるだけでなく、耐候性、透
水性、衝撃耐久性、復元性に優れ、1000Hz前後以上の周
波数の音を高効率で吸音することによって反射を防止
し、騒音を著しく軽減させることができるものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、道路付帯構造
物を吸音構造体でカバーリングしたことを特徴とする吸
音構造体を有する道路付帯構造物を提供せんとするもの
である。すなわち、従来であれば騒音を反射していた縁
石やガードレールなどの道路付帯構造物に、吸音構造体
を配設することによって騒音を吸音させて反射を防止
し、騒音を軽減させるべく構成しているものである。
【0012】特に、吸音構造体を多孔性固形物としたこ
と、同多孔性固形物を、不定形状の粒体とバインダーと
を混練し、固化させることによって形成したことにも特
徴を有するものである。さらに、粒体がゴム弾性を有し
ていることにも特徴を有するものであり、騒音の吸音効
率がよく、かつ、衝撃耐久性、復元性が高く、車輛が接
触した際に吸音構造体自体、及び、接触した車輛が破損
することを防止することができる。
【0013】また、吸音構造体と道路付帯構造物表面と
の間に空気層を形成すべく、吸音構造体の道路付帯構造
物面側に凹状部を形成したことにも特徴を有するもので
あり、より低周波数側の騒音も吸音すべく構成すること
ができるとともに、空気層が車輛との接触時のクッショ
ンの役目を果たして、より効率よく衝撃を吸収すること
ができる。
【0014】さらには、吸音構造体を道路付帯構造物に
着脱自在としたことにも特徴を有するものであり、既存
の道路付帯構造物への配設を容易とすることができると
ともに、吸音構造体が劣化及び破損した際の取り替えを
容易とすることができ、配設作業にともなうコストを低
減させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の道路付帯構造物は、吸音
構造体で道路付帯構造物表面をカバーリングすることに
よって吸音性を付与したものである。ここで、道路付帯
構造物とは、通常、安全上必然的に設置されている境界
ブロックやガードレール、ガードケーブル、腰壁などで
ある。
【0016】吸音構造体は多孔性固形物としており、吸
音性を有するだけでなく、高い衝撃耐久性を付与するこ
とができ、車輛との接触によって吸音構造体を配設した
道路付帯構造物が容易に破損することを防止することが
できる。
【0017】同多孔性固形物は、不定形状の粒体とバイ
ンダーとを混練し、固化させることによって成形してお
り、耐水性、透水性を高めることができるので、吸音構
造体が雨に濡れても吸音性を低下させることがなく、ど
のような気象条件においても安定した吸音特性を維持す
ることができる。
【0018】不定形状の粒体はゴム弾性を有するもので
あり、天然ゴムや合成ゴム、あるいは、廃タイヤ、また
は、使用済みゴム、または、スクラップゴムなどを細断
加工あるいは粉砕加工したものである。粒体がゴム弾性
を有していることによって吸音構造体の衝撃耐久性及び
復元性を高めることができ、車輛が接触した際に吸音構
造体及び道路付帯構造物が破損すること、及び、車輛が
破損することを防止することができる。
【0019】粒体の形状は一定形状であってもよいが、
一定形状の粒体を形成すること自体にコストがかかるた
めに好ましくない。
【0020】また、粒体は細断加工あるいは粉砕加工に
よって成形されるので、細断または粉砕の形態によって
チップ状、粉粒状、細棒状、細紐状などの形状に細断・
粉砕されるが、形状自体はどのような形状としてもよ
い。
【0021】細断成形または粉砕成形された粒体はバイ
ンダーと混練させた後、圧縮状態で固化させることによ
って容易に多孔性固形物とすることができる。バインダ
ーにはエポキシ系の接着剤やウレタン系の接着剤を使用
している。エポキシ系の接着剤やウレタン系の接着剤を
使用して固化させることによって粒体どうしを強固に接
着しながら容易に多孔性固形物を成形することができる
とともに、固化後の多孔性固形物自体に適度な弾性を残
したまま固化させることができる。従って、多孔性固形
物からなる吸音構造体の吸音性が阻害されることを防止
することができるとともに、衝撃耐久性、復元性を高め
ることができる。
【0022】吸音構造体は、多孔性固形物への圧縮固化
時に、成形枠を用いて所定形状に圧縮成形しながら固化
させてもよいし、固化後に適宜の成形加工を行うことに
よって道路付帯構造物表面へ配設可能な形状に成形して
もよい。
【0023】道路付帯構造物表面への吸音構造体の配設
は接着剤を用いた貼着としてもよいが、吸音構造体に各
種係止手段を形成しておいて、道路付帯構造物に着脱自
在に係着すべく構成しておくことにより、車輛との接触
によって吸音構造体が破損したり、あるいは吸音構造体
が劣化したりした際に、吸音構造体のみを容易に取り替
えることができるようにしてもよい。
【0024】さらに、道路付帯構造物表面に配設する吸
音構造体の道路付帯構造物面側に凹状部を形成しておく
ことによって、吸音構造体を道路付帯構造物に配設した
際に、吸音構造体と道路付帯構造物表面との間に空気層
を形成すべく構成している。
【0025】空気層を形成することによって、吸音構造
体が吸音することができる周波数帯域を低周波数側にシ
フトさせることができるので、より広帯域にわたっての
騒音の吸音を行うことができる。
【0026】以下において本発明の実施例を図面に基づ
いて詳説する。
【0027】
【実施例】図1は、本発明の吸音構造体Aを有する道路
付帯構造物の吸音構造体A部分の断面図である。同吸音
構造体Aは多孔性固形物であり、廃タイヤを一旦冷凍固
化させた状態で粉砕機にかけて粉砕したゴム細断片T
と、ウレタン系接着剤Bとを混練し、圧縮状態として固
化させることによって成形したものである。ゴム細断片
Tの形成方法は、粉砕機によるものに限定するものでは
なく、適宜の細断機を使用して細断してもよく、どのよ
うな方法を使用してもよい。
【0028】また、ゴム細断片Tは、廃タイヤを粉砕加
工あるいは細断加工したものに限定するものではなく、
使用済みゴムやスクラップゴムなどのゴム弾性を有する
産業廃棄物を使用してもよい。産業廃棄物を使用するこ
とによって、廃棄処分される産業廃棄物の量を削減する
ことができるとともに、低コストで原料調達をすること
ができる。また、天然ゴムや合成ゴムを使用してもよ
く、場合によっては、産業廃棄物のゴムの細断片と、天
然ゴムあるいは合成ゴムの細断片とをそれぞれ適宜配合
させて使用してもよい。これらのゴム製品を使用するこ
とによって、耐候性、透水性の高い吸音構造体Aとする
ことができる。
【0029】さらに、ゴム細断片Tの形状はどのような
形状であってもよく、使用する素材、及び、細断・粉砕
の形態に合わせて適宜の形状としてよい。
【0030】また、ゴム細断片Tと混練する接着剤はウ
レタン系接着剤Bに限定するものではなく、エポキシ系
接着剤及びその他の接着剤を使用してもよく、さらに
は、接着剤以外の添加物、例えば、シランカップリング
剤などを適宜混ぜ合わせて均一に混練可能に構成しても
よい。
【0031】本実施例では、ゴム細断片Tとウレタン系
接着剤Bとの混練物を、配設を行う道路付帯構造物の表
面形状に合わせた成形型に入れ、圧縮状態で固化させる
ことによって多孔性固形物とした吸音構造体Aとしてい
る。圧縮方法としてはどのような手法を用いてもよく、
例えば、コンクリート製品の成形に使用される遠心力を
利用した遠心成形を用いることによって、ゴム細断片T
の密度を均一にして固化させることができ、吸音構造体
Aの吸音性、衝撃耐久性の不均一の発生を防止すべく構
成してもよい。
【0032】吸音構造体Aの成形は、上述した成形型を
用いた成形に限定するものではなく、あらかじめ適当な
形状に成形した吸音構造体Aを成形加工することによっ
て、配設を行う道路付帯構造物の表面形状に合わせても
よい。
【0033】上述したように成形した吸音構造体Aを接
着剤、例えば、ウレタン系接着剤、あるいは、エポキシ
系接着剤などを用いて、図2に示すように、境界ブロッ
クなどの縁石1やガードレール2aのガード板3などの道
路付帯構造物に接着することによって、同道路付帯構造
物に吸音性を付与することができる。
【0034】特に、既存の道路付帯構造物にも吸音構造
体Aを取着するだけで騒音を軽減させることができるの
で、新たな道路付帯構造物の設置作業を不要として、低
コストで騒音対策を実施することができる。図2中の符
号4はアスファルトである。
【0035】道路付帯構造物に着設する吸音構造体A
は、その厚みが厚ければ厚いほど騒音の吸音率を高める
ことができるが、吸音構造体Aの重量が重くなるととも
に、道路付帯構造物への配設が困難となる。様々な厚み
でのテストを行った結果、吸音性、取り扱い性、耐衝撃
性、耐候性、透水性などのバランスが最もよいものは、
厚みが20〜30mmのものであった。
【0036】ちなみに、図3は、吸音構造体Aの垂直入
射吸音率を示すものである。同吸音構造体Aは、廃タイ
ヤを平均粒径約5mmに細断したゴム細断片Tと、ウレタ
ン系接着剤Bとを混練し、厚さ25mmの板状としたもので
ある。白丸の折れ線グラフは、吸音構造体Aがドライ状
態である時のものであり、黒丸の折れ線グラフは、吸音
構造体Aがウエット状態である時のものである。本発明
の吸音構造体Aが1000Hz以上の周波数の騒音を効率よく
吸音していることがわかる。
【0037】1000Hzよりもさらに高周波数部分の音波の
吸音率を高めたい場合には、ゴム細断片Tの粒径を小さ
くし、ゴム細断片T間に形成される空間の容積を小さく
するとよい。またこの場合、高周波数部分の音波の吸音
構造体Aへの侵入の深さが小さくなるので、吸音構造体
Aの厚みを薄くすることができる。
【0038】逆に、1000Hzよりもさらに低周波数部分の
音波の吸音率を高めたい場合には、ゴム細断片Tの粒径
の大きいものを使用し、ゴム細断片T間に形成される空
間の容積を大きくするとよい。ただしこの場合、低周波
数部分の音波の吸音構造体Aへの侵入の深さが大きいの
で、吸音構造体Aの厚みを厚くする必要がある。
【0039】このことを利用して、図4に概略的な断面
図で示すように、外側から内側に向けてゴム細断片T1,T
2,T3の粒径を順次小さくすべく構成してもよい。
【0040】図3では、最外層を最長部分が10〜20mmで
ある細棒形状のゴム細断片T1からなる第1吸音構造体層
t1とし、中間層を粒径が2〜5mmである粒形状のゴム細
断片T2からなる第2吸音構造体層t2とし、最内層を粒径
が1〜2mmである粒形状のゴム細断片T3からなる第3吸
音構造体層t3としている。符号Kは道路付帯構造物など
の基材であり、符号Cは基材Kと吸音構造体Aとを接着
している接着剤からなる接着層である。
【0041】上記した積層構造とすることによって、広
い帯域での音波の吸音率を高めることができる。特に、
上述したように、高周波数部分の音波の吸音の際には吸
音構造体Aの厚みを薄くすることができ、低周波数部分
の音波の吸音の際には吸音構造体Aの厚みを厚くする必
要があるので、図4に示すように、第1吸音構造体層t1
は第2吸音構造体層t2より厚く、第3吸音構造体層t3は
第2吸音構造体層t2より薄く形成している。
【0042】さらに低周波数側の音波の吸音率を高めた
い場合には、図5(a)に示すように、吸音構造体の道
路付帯構造物面側に凹状部5を形成しておくことによっ
て、道路付帯構造物に吸音構造体Aを配設した際に、吸
音構造体Aと道路付帯構造物表面との間に空気層6を形
成すべく構成してもよい。あるいは、図5(b)に示す
ように、取着用突出部7を吸音構造体Aの道路付帯構造
物表面側に突設させておくことによって空気層6を形成
すべく構成してもよい。図5(b)は腰壁8に吸音構造
体Aを取着したものである。
【0043】道路付帯構造物と吸音構造体Aとの間に空
気層6を形成することによって、図6に示すように、吸
音可能な周波数を低周波数側にシフトさせることができ
る。
【0044】図6のグラフは、上述したようにして形成
した吸音構造体Aの空気層6の有無での吸音率を測定し
た結果である。黒丸の折れ線グラフは空気層6がない場
合の垂直入射の吸音率であり、白丸の折れ線グラフは厚
さ約25mmの空気層6を設けた場合の垂直入射の吸音率で
ある。吸音構造体Aは厚さ約20mmとしている。本測定で
は垂直入射吸音率のみを測定しているが、実際には垂直
以外の方向からくる音も吸音するため、より広い帯域で
の吸音を行うことができ、空気層6を設けた方がより低
い周波数領域から吸音していることが分かる。
【0045】また、空気層6を形成すべく吸音構造体A
に凹状部5を形成することによって、車輛などが道路付
帯構造物及び吸音構造体Aに接触した際の衝撃を同空気
層6によって吸収することができるので、衝撃耐久性を
向上させることができ、道路付帯構造物、吸音構造体
A、及び、車輛の破損を最小限に抑えることができる。
【0046】他の実施例として、図7は、凹状部5を形
成した吸音構造体Aを板状ガードレール2bに配設した状
態を示すものである。図7(a)は断面図を示すもので
あり、図7(b)は斜視図である。
【0047】同吸音構造体Aには3つの凹状部5を形成
するとともに、凹状部5を形成したことによって吸音構
造体Aの肉厚が薄くなることを防止すべく、車道側に膨
出させた湾曲突部9を形成している。同湾曲突部9は、
図7(a)の断面図に示すように、なだらかな波形状と
していることによって、同波形状の谷部10では、さらに
吸音率を高めることができ、また、湾曲突部9を膨出さ
せていることによっても、より低周波数側の騒音の吸音
率を高めることができる。
【0048】さらに、吸音構造体Aの上端11及び下端12
部分には、折り返し状に上部係止縁13及び下部係止縁14
をそれぞれ形成しており、同上下部係止縁13,14 を板状
ガードレール2bの上下端に係止させることによって取着
すべく構成している。
【0049】従って、接着剤を使用せずに吸音構造体A
を道路付帯構造物である板状ガードレール2bに固定配設
することができるので、容易に着脱することができる。
また、吸音構造体Aが破損した場合には、同吸音構造体
Aのみを取り替えることができるので、配設及び維持に
要するコストを低減させることができる。さらに、現在
すでに設置されている板状ガードレール2bにも簡単に配
設することができるので、すぐにでも騒音を低減させる
ことができる。
【0050】また、他の実施例として、図8に示すよう
なパイプ3cからなるパイプ状ガードレール2cであって
も、図8(a)に断面図で示すように、吸音構造体Aの
上下端にそれぞれパイプ3cの形状に合わせた上下係止腕
15,16 を形成し、同上下係止腕15,16 をパイプ3c,3c に
係着させることによって、吸音構造体Aを着脱自在に配
設すべく構成してもよい。
【0051】ただし、パイプ状ガードレール2cの場合、
単に吸音構造体Aを配設するだけでは吸音率が低いの
で、同吸音構造体Aの裏面側に遮蔽板28を配設すること
が望ましい。図8の実施例では、接続部材29,29 を介し
て空気層6を設けながら、プラスチック板からなる遮蔽
板28を吸音構造体Aの裏面側に配設している。遮蔽板28
はプラスチック製に限定するものではなく、所要の厚み
を有する板状体であれば何でもよい。
【0052】また、図示していないが、吸音構造体Aの
車道に面する表面に波形状の凹凸を形成してさらに吸音
率を高めるべく構成してもよい。以下の説明においても
特には言及しないが、いずれの場合においても、吸音構
造体Aの車道に面する表面に波形状の凹凸を形成しても
よい。
【0053】ガードレールだけでなく、境界ブロックな
どの縁石1にも吸音構造体Aを着脱自在に配設すべく、
例えば図9(a)に示すように、縁石にほぞ状突起17を
突設し、一方、吸音構造体Aには同ほぞ状突起17と嵌合
する嵌合溝18を刻設しておくことによって、ほぞ状突起
17に嵌合溝18を単に嵌め合わせるだけで取着すべく構成
してもよい。
【0054】逆に、図9(b)に示すように、吸音構造
体Aにほぞ状突起19を突設し、縁石1に嵌合溝20を刻設
しておいて、ほぞ状突起19と嵌合溝20とを嵌め合わせる
べく構成してもよい。
【0055】それ以外の他の実施例として、例えば、図
10に示すように、鉄製の板体で基体21を形成し、その
外周に吸音構造体Aを配設することによって腰壁22など
の道路付帯構造物を形成してもよい。
【0056】基体21は鉄製の板体に限定するものでな
く、所要の厚みを有する板状体、あるいは、吸音構造体
Aを支持することができる構造体であればよく、同基体
21の周囲に、できれば空気層6を形成しながら吸音構造
体Aを配設することによって、比較的軽量であって、設
置作業の容易な新たな吸音性を有する道路付帯構造物と
することができる。
【0057】あるいは、他の実施例として、図11に示
すように、吸音構造体Aを配設したカバー体23によって
道路付帯構造物全体を覆い尽くすべく構成してもよい。
【0058】同カバー体23は、図11(a)に示すよう
に、中心部分に道路付帯構造物を挿入する挿入空間24を
形成した支持基台25と、同支持基台25の外周面に配設し
た多孔性固形物からなる吸音構造体Aとにより構成して
おり、かつ、支持基台25と吸音構造体Aとの間には空気
層26を形成している。
【0059】支持基台25は硬質材料で形成していること
が望ましいが、取り扱い性を向上させるべく本実施例で
はウレタンゴムによって成形している。必要であればウ
レタンゴム内に金属板を配設して剛性を高めるべく構成
してもよい。
【0060】本実施例のカバー体23は、図11(b)に
示すように、中央分離帯などに配設されているガードケ
ーブル27に取着して使用するため、左右両側の騒音をそ
れぞれ吸音すべく左右側にそれぞれ吸音構造体A及び空
気層26を配設しているが、必ずしも左右両側に設ける必
要はなく、騒音の発生源側、つまり、車道に面した面に
のみ吸音構造体Aと空気層26と配設すればよい。
【0061】支持基台25、空気層26、吸音構造体Aの積
層構造としていることによって、低周波数から高周波数
までの騒音を効率よく吸音することができるとともに、
カバー体23をすでに設置されている道路付帯構造物に被
せるだけで吸音性を付与することができるので、低コス
トで騒音対策を実施することができる。
【0062】また、ゴム弾性を有している同カバー体23
が良質の衝撃吸収体として機能することによって、事故
が発生し、車輛がカバー体23及び道路付帯構造物に衝突
した場合でも、カバー体23及び道路付帯構造物、さらに
は、車輛の破損を最小限に抑えることができる。また、
カバー体23が破損した場合には、その破損したカバー体
23を取り替えればよく、補修作業を容易に行うことがで
きる。
【0063】上述してきた道路付帯構造物に配設した吸
音構造体Aは、上述の形態に限定するものではなく、吸
音構造体Aを所定の厚み以上とすることができるなら
ば、外観的な形状はどのような形状としてもよく、さら
には、ゴム細断片T自体に有色のものを使用したり、あ
るいは、多孔性固形物とした後に適宜の着色を施して、
様々なデザインの吸音構造体Aとしてもよい。
【0064】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、道路付
帯構造物を吸音構造体でカバーリングしたことによっ
て、従来であれば騒音を反射していた縁石やガードレー
ルなどの道路付帯構造物に吸音性を付与することがで
き、騒音を吸音して反射を防止することができる。
【0065】従って、車輛の運転者及び同乗者にとって
不快であった道路付帯構造物からの反射音、特に断続的
に配設された道路付帯構造物にともなって断続的に発生
する反射音を消すことができ、快適な走行環境を提供す
ることができるとともに、周囲への騒音の拡散を軽減し
て、騒音レベルを低減させることができる。
【0066】請求項2記載の本発明によれば、吸音構造
体を多孔性固形物としたことによって、吸音性を有する
だけでなく、高い衝撃耐久性を付与することができ、車
輛との接触によって吸音構造体を配設した道路付帯構造
物が容易に破損することを防止することができる。
【0067】請求項3記載の本発明によれば、不定形状
の粒体とバインダーとを混練し、固化させることによっ
て多孔性固形物を形成したことによって、耐水性、透水
性を高めることができるので、吸音構造体が雨に濡れて
も吸音性を低下させることがなく、どのような気象条件
においても安定した吸音特性を維持することができる。
【0068】請求項4記載の本発明によれば、粒体がゴ
ム弾性を有していることによって吸音構造体の衝撃耐久
性及び復元性を高めることができ、車輛が接触した際に
吸音構造体及び道路付帯構造物が破損すること、及び、
車輛が破損することを防止することができる。
【0069】請求項5記載の本発明によれば、吸音構造
体と道路付帯構造物表面との間に空気層を形成すべく、
吸音構造体の道路付帯構造物面側に凹状部を形成したこ
とによって、より低周波数側の騒音までも吸音すること
ができ、騒音をさらに効率よく低減させることができる
とともに、車輛が吸音構造体に接触した際に空気層がク
ッションの役目を果たして、より効率よく接触衝撃を吸
収することができ、吸音構造体及び車輛の破損を防止す
ることができる。
【0070】請求項6記載の本発明によれば、吸音構造
体を道路付帯構造物に着脱自在としたことによって、既
存の道路付帯構造物への配設を容易とすることができる
とともに、吸音構造体が劣化及び破損した際の取り替え
を容易とすることができ、配設作業および維持管理に要
するコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸音構造体の拡大断面図である。
【図2】本発明に係る道路付帯構造物の使用状態を示す
説明図である。
【図3】吸音構造体の垂直入射吸音率の測定結果であ
る。
【図4】他の実施例の吸音構造体の概略説明用断面図で
ある。
【図5】本発明に係る吸音構造体の配設状態を示す説明
図である。
【図6】空気層の有無による吸音率を測定した測定結果
である。
【図7】板状ガードレールに対して着脱自在とした吸音
構造体の配設状態を示す説明図である。
【図8】パイプ状ガードレールに対して着脱自在とした
吸音構造体の配設状態を示す説明図である。
【図9】縁石に対して着脱自在とした吸音構造体の実施
状態を示す説明図である。
【図10】他の実施例の道路付帯構造物の説明図であ
る。
【図11】他の実施例の道路付帯構造物の説明図であ
る。
【図12】一般的な道路騒音のパワーレベル測定結果で
ある。
【符号の説明】
A 吸音構造体 T ゴム細断片 B ウレタン系接着剤 1 縁石 2a ガードレール 3 ガード板 4 アスファルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 啓晴 福岡県北九州市小倉南区大字山本276−4 株式会社四元音響設計事務所内 (72)発明者 山本 義行 福岡県福岡市東区箱崎ふ頭3丁目1番35号 昭和鉄工株式会社内 (72)発明者 山口 智 福岡県福岡市東区箱崎ふ頭3丁目1番35号 昭和鉄工株式会社内 Fターム(参考) 2D001 AA01 BA02 BB01 CA01 CB05 CD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路付帯構造物を吸音構造体でカバーリ
    ングしたことを特徴とする吸音構造体を有する道路付帯
    構造物。
  2. 【請求項2】 前記吸音構造体を多孔性固形物としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸音構造体を有する道路
    付帯構造物。
  3. 【請求項3】 前記多孔性固形物は、不定形状の粒体と
    バインダーとを混練し、固化させることによって形成し
    たことを特徴とする請求項2記載の吸音構造体を有する
    道路付帯構造物。
  4. 【請求項4】 前記粒体がゴム弾性を有していることを
    特徴とする請求項3記載の吸音構造体を有する道路付帯
    構造物。
  5. 【請求項5】 前記吸音構造体と道路付帯構造物表面と
    の間に空気層を形成すべく、吸音構造体の道路付帯構造
    物面側に凹状部を形成したことを特徴とする請求項4記
    載の吸音構造体を有する道路付帯構造物。
  6. 【請求項6】 前記吸音構造体を道路付帯構造物に着脱
    自在としたことを特徴とする請求項4または請求項5記
    載の吸音構造体を有する道路付帯構造物。
JP28600299A 1999-10-06 1999-10-06 吸音構造体を有する道路付帯構造物 Withdrawn JP2001107323A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100661270B1 (ko) 2006-10-13 2006-12-26 (주)케이지엔지니어링 공원용 펜스형 도로 경계석
CZ306948B6 (cs) * 2016-08-05 2017-10-04 ÄŚVUT v Praze, Fakulta stavebnĂ­ Městská protihluková clona

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KR100661270B1 (ko) 2006-10-13 2006-12-26 (주)케이지엔지니어링 공원용 펜스형 도로 경계석
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