JP2001106193A - 宇宙探査装置 - Google Patents

宇宙探査装置

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JP2001106193A
JP2001106193A JP28686299A JP28686299A JP2001106193A JP 2001106193 A JP2001106193 A JP 2001106193A JP 28686299 A JP28686299 A JP 28686299A JP 28686299 A JP28686299 A JP 28686299A JP 2001106193 A JP2001106193 A JP 2001106193A
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magnets
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Tadashi Adachi
立 忠 司 足
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IHI Aerospace Co Ltd
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IHI Aerospace Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 月や惑星に投入される宇宙探査装置におい
て、とくに、極低温から探査用の搭載機器を保護する機
能などを高める。 【解決手段】 探査用の搭載機器を備えた車体(装置本
体)1と、複数の走行用車輪(支持体)2F,2Rを備
え、走行用車輪2F,2Rに、同極による反発作用でロ
ードホイール(装置本体側)31とタイヤ(接地部分)
32との間を非接触状態に保つ磁石M1〜M4を備えた
宇宙探査用走行車(宇宙探査装置)Rとし、ロードホイ
ール31とタイヤ32との間で搭載機器から接地部分へ
の熱伝達経路を遮断して、搭載機器を極低温から保護す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、月や惑星の探査活動に用いられる宇宙探査用
走行車等の宇宙探査装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】この種の宇宙探査装置としては、例え
ば、平成4年9月30日に丸善が発行した『第2版・航
空宇宙工学便覧』の第830頁および第831頁に、宇
宙探査用走行車についての若干の記載がある。また、近
年では、無人の走行車を用いて長期にわたる探査を行う
ことが計画されている。
【0002】
【発明が解決使用とする課題】ところで、上記したよう
な宇宙探査装置は、例えば長期にわたって月を探査する
場合、太陽電池を使用して昼間に探査活動を行い、太陽
電池が使用できない夜間は探査活動を休止することとな
るが、この際、月面上は昼夜の周期(約28日間)にお
いて表面温度が約−190℃〜+130℃の範囲で変動
する環境であることから、熱から搭載機器を保護する対
策が不可欠であり、とくに、搭載機器を極低温から保護
することが重要である。このため、熱保護対策として従
来から様々な形式のものが提案されていたが、なおも改
善の余地を残しているのが現状であり、熱保護機能のさ
らなる向上が要望されていた。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上記従来の状況に鑑みて成さ
れたもので、月や惑星において探査活動を行う装置にお
いて、とくに、探査用の搭載機器を極低温から保護する
ことができる宇宙探査装置を提供することを目的として
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる宇宙探査
装置は、請求項1として、月や惑星の探査活動に用いら
れる宇宙探査装置において、探査用の搭載機器を備えた
装置本体と、接地して装置本体を支持する支持体を備
え、支持体に、同極による反発作用で装置本体側と接地
部分との間を非接触状態に保つ磁石を備えた構成とし、
請求項2として、装置本体を車体とし且つ支持体を複数
の走行用車輪とした走行可能な宇宙探査装置であって、
各走行用車輪が、車体側に連結したロードホイールと、
ロードホイールの外周側に設けて接地するタイヤを備え
ると共に、ロードホイールおよびタイヤに、同極による
反発作用で双方を非接触状態にし且つ回転伝達可能に保
持する磁石を備えた構成とし、請求項3として、ロード
ホイールの内周およびタイヤの外周のいずれか一方に、
磁極を回転方向に向けた複数の第1磁石を回転方向に等
分配置すると共に、他方に、個々の第1磁石に対して、
回転方向両側に同極で対向する2つの第2磁石を各々設
け、ロードホイールの内周およびタイヤの外周のいずれ
か一方に、磁極を車軸方向に向けた複数の第3磁石を回
転方向に等分配置すると共に、他方に、個々の第3磁石
に対して、車軸方向両側に同極で対向する2つの第4磁
石を各々設けた構成としており、上記構成をもって従来
の課題を解決するための手段としている。
【0005】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる宇宙探査装置
では、搭載機器を備えた装置本体を支持する支持体にお
いて、装置本体側と接地部分との間を磁石の同極による
反発作用で非接触状態に保っているので、探査活動を休
止する夜間において、装置本体側から接地部分への熱伝
達が阻止される。すなわち、月面上のように夜間の温度
が約−190℃にも至る極低温環境では、搭載機器の熱
が接地部分を通して地表に逃げてしまうことから、支持
体の置本体側と接地部分との間を非接触状態とすること
で、搭載機器から地表への熱伝達経路を遮断して搭載機
器を保温する。
【0006】本発明の請求項2に係わる宇宙探査装置で
は、当該宇宙探査装置が複数の走行用車輪を備えた走行
車であって、各走行用車輪において、車体側のロードホ
イールと接地するタイヤとを磁石の同極による反発作用
で非接触状態に且つ回転伝達可能に保持しているので、
探査活動を行う昼間においては、ロードホイールの回転
をタイヤに伝達して走行用車輪による走行を行い、探査
活動を休止する夜間においては、ロードホイールとタイ
ヤとの間で搭載機器から地表への熱伝達経路を遮断して
搭載機器を保温する。
【0007】本発明の請求項3に係わる宇宙探査装置で
は、当該宇宙探査装置が複数の走行用車輪を備えた走行
車であって、ロードホイールとタイヤの間に設けた第1
〜第4の磁石により、双方を非接触状態に且つ回転伝達
可能に保持する。つまり、磁極を回転方向とした第1磁
石とこれに同極で対向する第2磁石とで、双方を回転方
向に非接触状態で且つ回転伝達可能に保持すると共に、
磁極を車軸方向とした第3磁石とこれに同極で対向する
第4磁石とで、双方を車軸方向に非接触状態に保持し、
探査活動を行う昼間においては、ロードホイールの回転
をタイヤに伝達して走行用車輪による走行を行い、探査
活動を休止する夜間においては、ロードホイールからタ
イヤへの熱伝達を阻止することで、搭載機器から地表へ
の熱伝達経路を遮断して搭載機器を保温する。
【0008】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる宇宙探査装置
によれば、探査用の搭載機器を備えた装置本体を支持す
る支持体において、装置本体側と接地部分との間を磁石
により非接触状態にしたことにより、極低温環境におい
て、装置本体側と接地部分との間で搭載機器から地表へ
の熱伝達経路を完全に遮断し、搭載機器を保温して極低
温から確実に保護することができる。
【0009】本発明の請求項2に係わる宇宙探査装置に
よれば、宇宙探査用の走行車において、搭載機器を備え
た車体側に連結したロードホイールと接地するタイヤと
の間を磁石により非接触状態に且つ回転伝達可能に保持
したことにより、探査活動を行う際には、ロードホイー
ルの回転をタイヤに伝達して走行を行うことができ、探
査活動を休止する夜間においては、ロードホイールとタ
イヤの間で搭載機器から地表にへの熱伝達経路を完全に
遮断し、搭載機器を保温して夜間の極低温から確実に保
護することができる。
【0010】本発明の請求項3に係わる宇宙探査装置に
よれば、請求項2と同様の効果を得ることができるうえ
に、とくに、回転方向に配置した第1および第2の磁石
により、ロードホイールからタイヤへの回転伝達を非接
触状態で行うことができると共に、車軸方向に配置した
第3および第4の磁石により、ロードホイールとタイヤ
の車軸方向の位置関係を非接触状態に保つことができ、
熱伝達の遮断機能とともに安定した走行機能を得ること
ができる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明に係わる宇宙探
査装置の一実施例を説明する。
【0012】この実施例の宇宙探査装置は、図2〜図4
に示すように、例えば月の探査に用いる宇宙探査用走行
車Rであって、図2および図3の左側を前方側として、
偏平円柱状の車体1と、個別に駆動源を有する前後左右
の4個の走行用車輪2F,2F,2R,2Rと、車体1
から前後左右の四方へ略水平に延出する左右のサスペン
ションアーム3L,3Rと、サスペンションアーム3
L,3Rの各延出端部の下側に走行用車輪2F,2Rを
吊下げ支持する4本の車輪支持アーム4を備えている。
つまり、この実施例では、宇宙探査装置において、探査
用の搭載機器を備えた装置本体が車体1に相当し、接地
して装置本体を支持する支持体が複数の走行用車輪2
F,2Rに相当する。
【0013】各走行用車輪2F,2Rは、各々の車軸部
分に駆動源としての走行用モータ5を備えている。各車
輪支持アーム4は、上端部とサスペンションアーム3
L,3Rとの間に、軸線を垂直方向とした旋回用モータ
6が介装してあると共に、下端部が各走行用車輪2F,
2Rの車軸部分に連結してある。これにより、サスペン
ションアーム3L,3Rに対して、各車輪支持アーム4
および走行用車輪2F,2Rが垂直軸回りに旋回可能に
なっている。
【0014】また、各走行用車輪2F,2Rは、図1に
示すように、走行用モータ5を介して車体1側に連結し
たロードホイール31と、ロードホイール31の外周側
に設けて接地するタイヤ32を備えている。そして、ロ
ードホイール31の外周とタイヤ32の内周との間に、
同極による反発作用で双方を非接触状態にし且つ回転伝
達可能に保持する第1〜第4の磁石M1〜M4を回転方
向に等分配置した構成になっている。
【0015】この実施例におけるロードホイール31
は、正方形の板状を成すと共に、走行用モータ5の出力
軸5Aに連結してあって、各辺の中央に、NおよびSの
磁極を回転方向に向けた第1磁石M1を各々突出状態に
合計4個備えている。他方、タイヤ32は、内側にリム
33を備えると共に、このリム33に、4か所の第1磁
石M2に対して回転方向両側に同極で対向する2つの第
2磁石M2,M2を合計8個備えている。このとき、車
輪半径方向において、第1磁石M1とリム33との間、
および第2磁石M2とロードホイール31との間も非接
触状態である。
【0016】さらに、ロードホイール31は、正方形の
4隅に、NおよびSの磁極を車軸方向に向けた第3磁石
M3を合計4個備えている。他方、タイヤ32は、リム
33に、各第3磁石M3の車軸方向両側に所定の隙間を
介して対向する一対の保持用突片34,34を備えてい
ると共に、各保持用突片34に、各第3磁石M3に対し
て車軸方向両側に同極で対向する2つの第4磁石M4,
M4を合計8個備えている。このとき、車輪半径方向に
おいて、第3磁石M3とリム33との間も非接触状態で
ある。
【0017】このようにして、ロードホイール31およ
びタイヤ32は、双方の間に、第1および第2の磁石M
1,M2の組合わせが90度間隔で4か所に配置される
と共に、これらと45度の位相をもって第3および第4
の磁石M3,M4の組合わせが90度間隔で4か所に配
置されている。そして、第1および第2の磁石M1,M
2により、双方の間が回転方向ならびに半径方向に非接
触状態で且つ回転伝達可能に保たれ、第3および第4の
磁石M3,M4により、双方の間が車軸方向ならびに半
径方向に非接触状態で保たれている。なお、月面上の重
力は地球の約6分の1であるから、地球上でロードホイ
ール31とタイヤ32との位置関係を正確に保てなくて
も、月面上において、第1および第4の磁石M1〜M4
によって非接触状態に保つようにすることが充分可能で
ある。
【0018】ここで、当該走行車Rは、図2に示す平面
視において、車体1を中心とする車体外側の同心円上に
各車輪支持アーム4の旋回中心(旋回用モータ6)が配
置してあると共に、各走行用車輪2F,2Rが車体1か
ら完全に離間した位置に配置してある。とくに、この実
施例の場合は、車体1の左右の接線よりも外側に走行用
車輪2F,2Rが配置してある。
【0019】また、サスペンションアーム3L,3Rの
4つの延出部分の中間には、走行用車輪2F,2Rの車
軸と略平行な軸回りにサスペンションアーム3L,3R
の延出先端部分を回動させる関節部7が設けてある。各
関節部7は、車体1の左右方向を軸線方向とする回動軸
を有すると共に、サスペンションアーム3L,3Rの端
部から走行用車輪2F,2Rの半径よりも短い距離に設
けてあって、サスペンションアーム3L,3Rの延出先
端部分を略水平状態から下向きの略垂直状態に至る約9
0度の範囲で往復回動可能にしている。
【0020】なお、各関節部7は、図示を省略したが、
往復の両回動端で動きを拘束するロック機構を備えてい
る。このロック機構には、例えば、ラチェット機構や通
電により拘束を解除するブレーキ機構などを用いること
ができる。
【0021】宇宙探査用走行車Rの車体1は、図5中に
破線で示すように、左右のサスペンションアーム3L,
3Rの中間に架設した車台8に、垂直軸回りの旋回機構
9を介して中心部が取付けてあり、単独で旋回すること
が可能になっている。車体1は、その中央に、主電源で
あるバッテリとともに搭載機器制御用の電子機器10が
収納してあって、電子機器10の外周側に、測定機器類
を収納する環状の収納空間11を形成している。
【0022】さらに、宇宙探査用走行車Rは、電子機器
10の上側を覆う同電子機器10の放熱体12と、放熱
体12の上側に重合状態にして車体1に収納される通信
用アンテナ13と、収納した通信用アンテナ13の上側
に重合状態にして車体1の上側を閉塞する太陽電池パネ
ル14と、上端部に環境認識用の視覚センサ15を設け
且つ折り畳み状態にして放熱体12と太陽電池パネル1
4の間に視覚センサ15とともに収納されるセンサポー
ル16を備えている。
【0023】放熱体12は、月面における昼間の温度
(約+130℃)に対処し得るものであって、詳細な図
示を省略したが、電子機器10の電子回路類を取付ける
アルミニウム等の金属板、金属板の上面全体に設けた
鏡、および多数のブレードを開閉可能に備えたサーマル
ルーバなどにより構成してあって、太陽光を反射または
遮断するとともに電子機器10で発生した熱を赤外線放
熱によって逃すようになっている。
【0024】通信用アンテナ13は、多数のアンテナ素
子17を平面状に配列させたアレイ型のアンテナであっ
て、指向性が高く、地球と月との間で直接通信が可能な
大型のものである。この通信用アンテナ13は、概略円
形であると共に、放熱体12と太陽電池パネル14の間
に収納される視覚センサ15の分だけ切欠いた形状を成
しており、送受信面を下向きにして車体1に収納される
と共に、車体1の後部において、水平な2軸回りに回転
動作するアンテナ用アクチュエータ18を介して連結し
てあり、車体1の後側に展開可能である。また、通信用
アンテナは、例えば中心部分にカメラを備えており、車
体1の後側に展開させた状態にして、カメラの画像中心
に地球をとらえるようにアンテナ用アクチュエータ18
を駆動することにより、常に地球の方向に向くように制
御される。
【0025】太陽電池パネル14は、車体1の上面全体
を覆う大きさの円形を成すと共に、左右の分割パネル1
4L,14Rに2分してある。各分割パネル14L,1
4Rは、車体1の上側を閉塞した状態で下側となる面
に、多数の太陽電池19を配列したものであって、車体
1の左右の端部に、少なくとも車体前後方向の軸回りに
回転動作するパネル用アクチュエータ20,20を介し
て連結してあり、車体1の左右両側に展開可能であると
共に、最適な発電効率が得られるように展開角度を調整
することができる。また、太陽電池パネル14は、車体
1の上側を閉塞した状態で上側となる面に、断熱材ある
いは放熱板を設けることができる。
【0026】ここで、上記の通信用アンテナ13および
太陽電池パネル14の各分割パネル14L,14Rは、
車体1の後側および左右両側に展開した際に、各々の全
面を有効に使用するために、図2に示す如く互いに上下
に重合しない配置となる。
【0027】センサポール16は、車体1の前部に立て
た状態で視覚センサ15を支持するものであって、アッ
パリンク16Uとロアリンク16Lを備えており、視覚
センサ15とアッパリンク16Uの上端部との間、アッ
パリンク16Uの下端部とロアリンク16Lの上端部と
の間、およびロアリンク16Lの下端部と車体1との間
には、それぞれの連結部分を回動させるチルトアクチュ
エータ21A〜21Cが設けてある。視覚センサ15に
は、可視カメラやレーザレンジファインダが用いられ
る。そして、センサポール16は、ロアリンク16Lを
車体1の後方に倒すと共に、アッパリンク16Lを車体
1の前方に倒した状態に折り畳まれて車体1に収納され
る。このとき、視覚センサ15は、通信用アンテナ13
の切欠部分に収納される。
【0028】なお、視覚センサ15の視野をより広範囲
に得るために、センサポール16の適当な部分に垂直軸
回りの旋回機能を設けることも可能であるが、この実施
例の宇宙探査用走行車Rは、先に述べたように車台8に
対して車体1を旋回させることができるので、センサポ
ール16に旋回機能が無くても、車体1を旋回させるこ
とで視覚センサ15の視野をより広範囲に得ることが可
能である。
【0029】さらに、宇宙探査用走行車Rは、車体下部
の略中央に、穴掘り用のシャベル22を少なくとも上下
動可能に保持した穴掘り装置23を備えていると共に、
車体1の外側に、マニピュレータ24を備えている。
【0030】穴掘り装置23は、車体1に対して左右方
向の軸回りに回動自在に連結したアッパアーム23U
と、アッパアーム23Uに対して車体左右方向の軸回り
に回動自在に連結したロアアーム23Lと、車体1とロ
アアーム23Lとの間で伸縮動作をするアーム用アクチ
ュエータ23Aと、車体1に対して左右方向の軸回りに
アーム用アクチュエータ23Aを回動させるチルトアク
チュエータ23Bを備えると共に、ロアアーム23Lの
下端部に、車体左右方向の軸回りに回動するシャベル用
アクチュエータ22Aを介して、シャベル22を車体前
方に向けて備えている。この穴掘り装置23は、アーム
用アクチュエータ23Aとチルトアクチュエータ23B
の働きにより、図6に示すように、車体1の後方に屈曲
して同車体1の下側に折り畳まれ、この折り畳み位置か
ら走行用車輪2F,2Rよりも下側に至る範囲でシャベ
ル22を上下動させることができる。
【0031】なお、アーム用アクチュエータ23Aおよ
びチルトアクチュエータ23Bに代えて、車体1とアッ
パアーム23Uの間、および両アーム23U,23Lの
間にチルトアクチュエータを設けた構成としても良い。
また、シャベル22には、その一部にふるいの役目をす
る網あるいはスリットを設け、さらに、余計な砂等をふ
るい落とすための振動発生手段などを設けても良い。
【0032】マニピュレータ24は、車体1の前面中心
からやや片側にずれた位置にブラケット24Aを設け、
このブラケット24Aに、互いに回動可能に連結した2
本のリンク24B,24Cの一方のリンク24Bを連結
すると共に、他方のリンク24Cに、自在継手24Dを
介してハンド24Eを設け、同じく他方のリンク24C
に、ステレオカメラ24Fを設けた構成になっている。
このマニピュレータ24は、図2に示すように車体1の
側面に沿わせて格納状態とし、また、図3中に仮想線で
示す展開時には、ハンド24Eを車体1の下側に延出さ
せてシャベル22ですくった岩石等を取上げることがで
きる。
【0033】次に、上記構成を備えた宇宙探査用走行車
Rの作用を説明する。
【0034】宇宙探査用走行車Rは、図5および図6に
示すように、車体1に、通信用アンテナ13、視覚セン
サ15およびセンサポール16を収納すると共に、車体
1の上側を太陽電池パネル14で閉塞し、さらに、図7
に示すように、サスペンションアーム3L,3Rの延出
先端部分を各関節部7から下側に折曲げて、前後の走行
用車輪2F,2Rを互いに接近させた状態にする。
【0035】つまり、宇宙探査用走行車Rは、大型の通
信用アンテナ13および太陽電池パネル14を備えたも
のであるにもかかわらず、これらが車体1にコンパクト
に収納されることとなり、また、車体1から各走行用車
輪2F,2Rが完全に離間した配置としてあるので、互
いに接近させた前後の走行用車輪2F,2Rと車体1と
が干渉することがなく、当該走行車Rの長さおよび車高
を大幅に小さくし得ることとなる。これにより、打上げ
ロケットへの収納性がきわめて良好なものとなってい
る。
【0036】次に、宇宙探査用走行車Rは、例えば月へ
の投入後において、各関節部7を回動自在な状態にし
て、前の走行用車輪2Fを前方へ回転駆動し、後の走行
用車輪2Rを後方へ回転駆動することにより、サスペン
ションアーム3L,3Rの延出先端部分を略水平状態に
至るまで上側に回動させて各走行用車輪2F,2Rを走
行時の位置まで展開させ、各関節部7をロックする。こ
のように、関節部7と走行用車輪2F,2Rの自らの回
転により、特別な駆動手段を用いることなく各走行用車
輪2F,2Rの展開が行われる。なお、展開作業をより
安全且つ確実に行うためには、前後の走行用車輪2F,
2Rを同時に展開するのではなく、片側ずつ行うのがよ
り良い。
【0037】その後、宇宙探査用走行車Rは、太陽電池
パネル14の分割パネル14L,14Rを左右両側に展
開し、次いで、センサポール16を上方に展開させ、視
覚センサ15を高い位置に保持して広範囲にわたる環境
認識を可能にし、さらに、通信用アンテナ13を後側に
展開する。このとき、当該走行車Rでは、太陽電池パネ
ル14および通信用アンテナ13が互いに上下に重合し
ないように展開し、また、通信用アンテナ13の展開に
伴って放熱体12の全面が外側にさらされる状態となる
ので、通信用アンテナ13および太陽電池パネル14な
らびに放熱体12の各々の全面が有効に使用され、通信
および発電がきわめて良好に行われると共に、放熱体1
2によって太陽光を反射あるいは遮断し且つ電子機器1
0の充分な放熱が行われる。
【0038】そして、宇宙探査用走行車Rは、視覚セン
サ15を入力源とする環境認識を行いながら、各走行用
車輪2F,2Rの走行用モータ5を同じ方向に回転駆動
することで前進あるいは後退を行うと共に、選択された
位置の旋回用モータ6により車輪支持アーム4および走
行用車輪2F,2Rを所望の方向に旋回させて、スムー
ズな方向転換を行う。このとき、当該走行車Rは、通信
用アンテナ13を後側に展開し、太陽電池パネル14の
分割パネル14L,14Rを左右両側に展開しているの
で、左右のバランスが良好であって、走行に何ら影響は
無い。また、図2中に仮想線で示すように、各車輪支持
アーム4を約45度旋回させて、車体1を中心とした同
心円上に各走行用車輪2F,2Rが沿うようにすること
で、その場で車体1を旋回させることも可能である。
【0039】ここで、宇宙探査用走行車Rは、各走行用
車輪2F,2Rにおいて、ロードホイール31とタイヤ
32が第1〜第4の磁石M1〜M4によって互いに非接
触状態に保持されているが、とくに回転方向に同極で対
向するように配列した第1および第2の磁石M1,M2
により、ロードホイール31の回転がタイヤ32に伝達
される。なお、発進する際や停止する際には、第1およ
び第2の磁石M1,M2が衝突する場合があるが、何ら
問題はなく、衝突後には速やかに非接触状態に戻る。そ
して、各走行用車輪2F,2Rは、ロードホイール31
およびタイヤ32において、第1および第2の磁石M
1,M2により非接触状態で回転伝達を行うと共に、第
3および第4の磁石M1,M2により非接触状態で車軸
方向の位置関係を保持して安定した走行を可能にする。
【0040】さらに、宇宙探査用走行車Rは、地中の岩
石や砂等のサンプルを採取する場合には、当該走行車R
の前進後退の繰り返し動作と穴掘り装置23によってサ
ンプル採取用の穴を掘る。すなわち、最初は、図3中に
仮想線で示すように、シャベル22を地表面付近に保持
し、走行車Rを前進させながらシャベル22を地表面よ
りもやや下側まで下降させることにより、シャベル22
で地表面を削る。こののち、走行車Rを初期の位置まで
後退させ、再び前進させながらシャベル22を下降させ
ることによって地表面をさらに削り、以下、同様の動作
を繰り返し行うことによって地表面を次第に深く掘り下
げ、図3および図4に示す如く穴Hを形成する。このと
き、宇宙探査用走行車Rは、マニピュレータ24に設け
たステレオカメラ24Fで穴掘り作業を確認することが
可能であり、また、図3中に仮想線で示すようにセンサ
ポール16を車体1の前側に折曲げた状態にし、視覚セ
ンサ15における可視カメラで穴掘り作業を確認するこ
とが可能である。
【0041】このように、宇宙探査用走行車Rの穴掘り
装置23は、ドリル等の掘削手段に比べて、小型で且つ
きわめて簡単な構造であると共に、小出力の駆動源(ア
ーム用アクチュエータ23Aおよびチルトアクチュエー
タ23B)で作動するものとなっており、しかも、地表
面を削るようにして次第に掘り下げていくので、上層か
ら順にサンプルを採取することができ、所定の深さ毎に
サンプルを採取するような場合にきわめて好適である。
【0042】そしてさらに、宇宙探査用走行車Rは、太
陽電池を使用することができない夜間において、その探
査活動を休止する。この際、当該走行車Rは、展開時と
は逆の順で通信用パネル13、視覚センサ15およびセ
ンサポール16を車体1に収納して、最後に車体1の上
面を太陽電池パネル14で閉塞することにより、とくに
電子機器10や視覚センサ15を夜間の低温(月面では
約−190℃)から保護する。
【0043】また、宇宙探査用走行車Rでは、各走行用
車輪2F,2Rにおいて、車体1側に連結したロードホ
イール31と接地するタイヤ32とを第1〜第4の磁石
M1〜M4の反発作用で非接触状態に保持しているの
で、ロードホイール31からタイヤ32への熱伝達が完
全に阻止される。すなわち、夜間の月面上のような極低
温環境では、車体1における各種搭載機器の熱が接地す
る走行用車輪2F,2Rを通して地表側に放熱される。
そこで、当該走行車Rでは、各走行用車輪2F,2Rに
おいて、ロードホイール31とタイヤ32との間で搭載
機器から地表への熱伝達経路を遮断して搭載機器を保温
するようにしている。これにより、搭載機器が極低温か
ら確実に保護される。
【0044】また、探査活動を休止する際には、図4中
に仮想線で示すように、走行用車輪2F,2Rの上側か
ら地表面に向けて展開する保温用のスカート25を採用
することがある。このような場合には、サスペンション
アーム3L,3Rの各関節部7を回動自在な状態にし
て、前の走行用車輪2Fを後退方向に回転駆動し、後の
走行用車輪2Rを前進方向に回転駆動することにより、
前後の走行用車輪2F,2Rを互いに接近させて車高を
低くすれば、小型のスカート25で走行用車輪2F,2
Rを確実に覆うことができる。
【0045】なお、本発明に係わる宇宙探査装置は、詳
細な構造が上記実施例のみに限定されることはなく、装
置本体(車体)や支持体(走行用車輪)の構造等に応じ
て、磁石の配置などを適宜変更することがあると共に、
例えば、月や惑星において定点観測を行う装置にも当然
適用し得るものであり、この場合においても、搭載機器
を備えた装置本体を支持する支持体において、装置本体
側と接地部分との間を非接触状態にすることで、搭載機
器から地表への熱伝達経路を遮断して搭載機器を極低温
から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる宇宙探査装置の一実施例とし
て、宇宙探査用走行車の走行用車輪を説明する側面図
(a)および断面図(b)である。
【図2】図1に示す走行用車輪を備えた宇宙探査用走行
車を説明する図であって、太陽電池パネルを展開した状
態を示す平面図である。
【図3】探査活動中の宇宙探査用走行車を説明する側部
断面図である。
【図4】探査活動中の宇宙探査用走行車を説明する正面
断面図である。
【図5】図1の状態から太陽電池パネルを閉じた状態を
示す平面図である。
【図6】図2の状態から太陽電池パネルを閉じた状態を
示す側部断面である。
【図7】打上げロケットへの収納時の状態を説明する側
面図である。
【符号の説明】 1 車体(装置本体) 2F 2R 走行用車輪(支持体) 31 ロードホイール 32 タイヤ M1 第1磁石 M2 第2磁石 M3 第3磁石 M4 第4磁石 R 宇宙探査装置(宇宙探査装置)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 月や惑星の探査活動に用いられる宇宙探
    査装置において、探査用の搭載機器を備えた装置本体
    と、接地して装置本体を支持する支持体を備え、支持体
    に、同極による反発作用で装置本体側と接地部分との間
    を非接触状態に保つ磁石を備えたことを特徴とする宇宙
    探査装置。
  2. 【請求項2】 装置本体を車体とし且つ支持体を複数の
    走行用車輪とした走行可能な宇宙探査装置であって、各
    走行用車輪が、車体側に連結したロードホイールと、ロ
    ードホイールの外周側に設けて接地するタイヤを備える
    と共に、ロードホイールおよびタイヤに、同極による反
    発作用で双方を非接触状態にし且つ回転伝達可能に保持
    する磁石を備えたことを特徴とする請求項1に記載の宇
    宙探査装置。
  3. 【請求項3】 ロードホイールの内周およびタイヤの外
    周のいずれか一方に、磁極を回転方向に向けた複数の第
    1磁石を回転方向に等分配置すると共に、他方に、個々
    の第1磁石に対して、回転方向両側に同極で対向する2
    つの第2磁石を各々設け、ロードホイールの内周および
    タイヤの外周のいずれか一方に、磁極を車軸方向に向け
    た複数の第3磁石を回転方向に等分配置すると共に、他
    方に、個々の第3磁石に対して、車軸方向両側に同極で
    対向する2つの第4磁石を各々設けたことを特徴とする
    請求項2に記載の宇宙探査装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102530273A (zh) * 2010-12-21 2012-07-04 哈米尔顿森德斯特兰德公司 来自风化层的气体和液体回收
CN104385843A (zh) * 2014-11-24 2015-03-04 中国计量学院 永磁式螺旋桨车轮
KR101810838B1 (ko) 2016-03-25 2017-12-21 자동차부품연구원 탐사 로버

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