JP5126854B2 - 宇宙探査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、月や惑星の探査活動に用いられる宇宙探査装置に関するものである。
宇宙探査装置の一例としては宇宙探査用走行車がある。宇宙探査用走行車は、非特許文献1に記載されているように周知の宇宙探査技術であり、実施されたものとしては米国の火星ローバーなどがある。
この種の宇宙探査用走行車は、例えば、長期にわたって月を探査する場合、太陽電池を使用して昼間に探査活動を行い、太陽電池が使用できない夜間は探査活動を休止する。この際、月面上は、昼夜の周期(約28日間)において地表温度が約−170℃〜+130℃の範囲で変動する環境である。このため、宇宙探査用走行車には、熱環境から搭載機器を保護する対策が不可欠である。
搭載機器の熱保護対策としては、機器の許容温度範囲を広くすることが挙げられる。ところが、機器によって許容温度範囲が異なり、全ての機器の許容温度範囲を広くすることはきわめて困難であるから、夫々の許容温度範囲に応じた熱制御が必要であり、とくに、許容温度範囲が狭い機器については、昼間は排熱で、夜間は保温という昼夜逆の熱制御を実施しなければならない。なお、許容温度範囲を広い機器としては、モータ等があり、許容温度範囲が狭い機器としては、搭載機器を制御するための電子機器(電子回路類)やバッテリー等がある。
そこで、従来の宇宙探査用走行車としては、車体を二重構造にして、許容温度範囲が狭い機器である電子機器やバッテリーを最内部に収容することで、これらの機器を夜間の極低温から保護すると共に、昼間には車体上部を開放して排熱を行うようにしたものがあった(特許文献1参照)。
特開2001−106198号公報
日本航空宇宙学会『第2版・航空宇宙工学便覧』丸善株式会社、平成4年9月30日、p.830−831
しかしながら、上記したような従来の宇宙探査用走行車を含む宇宙探査装置は、電子機器やバッテリーを夜間の極低温から保護することが可能になったものの、なおも改善の余地を残しているのが現状であり、熱保護機能のさらなる向上が要望されていた。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、とくに、許容温度範囲が狭い機器である電子機器やバッテリーの熱保護機能をより高めることができ、とくに、少ないエネルギーでこれらの機器を夜間の極低温から保護することができる宇宙探査装置を提供することを目的としている。
本発明の宇宙探査装置は、装置ボディとして、搭載機器のうちの少なくとも電子機器及びバッテリーを収容する内側筐体と、保持索により内側筐体を浮揚状態にして収容する外側筐体を備えて、内側筐体と外側筐体との間に空間による断熱層を形成している。なお、当該宇宙探査装置は、月や惑星での探査活動に使用するものであるから、断熱層である空間が真空又は希薄大気の状態となる。
そして、宇宙探査装置は、内側筐体の上部に、電子機器の放熱体を備えると共に、外側筐体の上部に、開閉可能な蓋体を備え、放熱体を含む内側筐体の外面全体を断熱材で被覆すると共に、蓋体を含む外側筐体の外面全体を断熱材で被覆した構成としており、このような構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の宇宙探査装置によれば、許容温度範囲の狭い機器である電子機器及びバッテリーの熱保護機能をより高めることができ、とくに、少ないエネルギー(発熱量)でこれらの機器を夜間の極低温から保護することができる。
すなわち、宇宙探査装置は、夜間には、内側筐体及び外側筐体を閉塞状態にすることで、熱放射量を極力減らし、最低限の発熱量でバッテリーを保温して、極低温から電子機器及びバッテリーを保護することができ、また、昼間には、外側筐体の蓋体を開放状態にし、必要に応じて内側筐体の放熱体で排熱を行うことで、地表の高温から電子機器及びバッテリーを保護することができる。
本発明の宇宙探査装置の一実施形態において、宇宙探査装置である宇宙探査用走行車の夜間の活動休止状態を説明する断面図である。 図1に示す宇宙探査用走行車の昼間の活動状態を説明する断面図である。 図1に示す宇宙探査用走行車の平面説明図である。 放熱体におけるサーマルルーバを閉塞した状態を説明する断面図(a),及びサーマルルーバを開放した状態を説明する断面図(b)である。 本発明の宇宙探査装置の他の実施形態において、宇宙探査装置の夜間の活動休止状態を説明する断面図である。 図5に示す宇宙探査装置の平面説明図である。 図5に示す宇宙探査装置の放熱体を説明する側面図である。 図5に示す宇宙探査装置の昼間の活動状態を説明する断面図である。 宇宙探査装置の蓋体の他の実施形態を示す断面図である。
図1〜図4は、本発明の宇宙探査装置の一実施形態を説明する図である。この実施形態の宇宙探査装置は、月面探査に用いる宇宙探査用走行車であって、月の地表温度(約−170℃〜+130℃)を考慮して熱保護対策が施してある。
図示の宇宙探査用走行車Rは、車体1の前後左右に四つの走行用駆動輪2を備えている。各走行用駆動輪2は、車体1に懸架装置3を介して取付けてあって、個別の駆動源(モータ)4を有している。これにより、宇宙探査用走行車Rは、各走行用駆動輪2を同一方向に回転させることで前後進し、また、左右一方の走行用駆動輪を回転又は左右の走行用駆動輪2を互いに逆方向に回転させることで旋回することができる。
宇宙探査用走行車Rは、車体(装置ボディ)1として、搭載機器のうちの少なくとも電子機器11及びバッテリー12を収容する内側筐体13と、保持索14により内側筐体13を浮揚状態にして収容する外側筐体15を備えて、内側筐体13と外側筐体15との間全体に空間による断熱層16を形成している。
また、宇宙探査用走行車Rは、内側筐体13の上部に、電子機器11の放熱体17を備えると共に、外側筐体15の上部に、開閉可能な蓋体18を備え、さらに、放熱体17を含む内側筐体13の外面全体を断熱材20で被覆すると共に、蓋体17を含む外側筐体15の外面全体を断熱材20で被覆している。
前記電子機器11は、当該宇宙探査用走行車Rの各種搭載機器を制御するもので、主に電子回路類で構成してある。前記バッテリー12は、各種搭載機器の電源であって、夜間の保温用のヒータ12Aを備えている。このバッテリー12には、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。
内側筐体13及び外側筐体15は、図面ではいずれも直方体を例示しているが、その形状がとくに限定されるものではなく、熱放射量を極力低減することを考慮すれば、表面積が小さい方が望ましく、円柱形や球形などのように曲面を多く含む形状であることがより望ましい。また、内側筐体13及び外側筐体15は、その材料がとくに限定されることはないが、所望の運用に対する耐久性や耐熱性などを有するものがより望ましい。
前記保持索14は、内側及び外側の筐体13,15間の熱伝導を可及的に阻止するものであって、内側及び外側の筐体13,15を適当な箇所で互いに連結し、各々緊張状態にすることで内側筐体13を定位置に浮揚状態にして保持する。この保持索14には、熱伝導率が低いうえに軽量で且つ充分な強度を有するものとして、デュポン社製のケブラー(登録商標)等を使用することができる。
前記内側筐体13は、とくに、各種搭載機器のうちの許容温度範囲の狭い機器を収容するものであって、許容温度範囲の狭い機器の代表的なものとして電子機器11及びバッテリー12を収容している。したがって、内側筐体13は、電子機器11及びバッテリー12以外の機器を収容することも有り得る。
前記外側筐体15は、内側筐体13よりも一回り大きく、車体1の外観を形成する。また、内側筐体13と外側筐体15との間には、通信や通電を断続するコネクタ21が設けてある。図示例のコネクタ21は、内側筐体13側のソケット21Sと、外側筐体15側のプラグ21Pを備えると共に、図示しない駆動手段でソケット21Sとプラグ21Pの着脱を行うことで、電子機器11及びバッテリー12と、外側筐体15側の各搭載機器との間で通信や通電を断続する。
前記放熱体17は、図4にも示すように、上側のサーマルルーバ22と下側のラジエター23を備え、ラジエター23の下面に電子機器11を直接的に取付けて、電子機器11の放熱性をより高めている。
サーマルルーバ22は、回動可能な複数のブレード24を平面状に配列したものであって、電子機器11や内側筐体13の温度に応じてブレード24を開閉し、開口面積を変化させて放熱量を制御する。この際、全てのブレード24を同時に回動させたり、選択したブレード24だけを回動させたりすることも可能である。
また、サーマルルーバ22は、いわゆる能動型熱制御素子として自動制御するものを採用し得る。この場合には、センサとアクチュエータの役割をするバイメタルと光学表面を有する多数のブレード24を備えた構成とし、電子機器11の温度変化に応じて伝熱及び輻射によるバイメタルの伸縮がブレード24の軸に回転力を生じさせ、各ブレード24を自動的に開閉する。
なお、放熱体17としては、サーマルルーバ22やラジエター23のほか、電子機器11の熱を吸収してサーマルルーバ22側へ逃がすためのヒートシンクやヒートパイプを備えた構成にすることもできる。
前記蓋体18は、車体1である外側筐体15の片側に回動可能に連結され、図示しないアクチュエータで開閉する。この蓋体18は、閉塞状態で下側となる面に機能部品である太陽電池パネル25を備えている。なお、図3中に仮想線で示すように、蓋体18の反対側や車体後側に回動板26,27を回動可能に設け、これらの回動板26,27の下面(閉塞状態で下面)に太陽電池パネルやアンテナ等の機能部品を設けることも可能である。この場合、回動板26,27は、外側筐体15において蓋体18の下側に収容する。
前記断熱材20は、低熱放射性を有するフィルム状の部材であって、内側及び外側の筐体13,15の外面全体に設けてあり、とくに、内側筐体13の上部においては、放熱体17を構成するサーマルルーバ22の各ブレード24の上面に設けてあり、また、外側筐体15の上部においては、蓋体18の上面に設けてある。この断熱材20には、宇宙機の分野で公知であるMLI(Multi Layer Insulation:多層断熱材)などを使用することができる。
さらに、この実施形態では、内側筐体13内において、バッテリー12の外面全体を断熱材20で被覆していると共に、各走行用駆動輪2の懸架装置3の外面全体をも断熱材20で被覆している。
そしてさらに、この実施形態では、懸架装置3を構成するアーム等の部材を断熱材料で形成している。断熱材料としては、例えばFRPを用いることができる。
宇宙探査用走行車Rは、上記構成のほか、搭載機器として、環境認識用のセンサ、通信機器、測定機器及び各種機器を駆動するためのアクチュエータ類を備えている。これらの搭載機器のうちの外部機器は、全て外側筐体15に収容してあり、探査活動時において、蓋体18を開放した後に外部に展開させる。
上記構成を備えた宇宙探査用走行車Rは、夜間においては、図1及び図4(a)に示すように、内側筐体13における放熱体17のサーマルルーバ22を閉塞すると共に、外部機器(図示せず)を外側筐体15に収容して蓋体18を閉塞し、さらに、コネクタ21を分離して探査活動を全て休止すると共に、バッテリー12のヒータ12Aのみを作動させる。
このとき、宇宙探査用走行車Rは、内側筐体13を断熱材20で被覆すると共に、内側筐体13を収容した外側筐体15を断熱材20で被覆し、内側筐体13と外側筐体15との間に、空間(月面では真空)による断熱層16が形成してあるので、電子機器11及びバッテリー12から内側筐体13への熱放射量、内側筐体13から外側筐体15への熱放射量、外側筐体15から外部空間への熱放射量がいずれも小さいうえに、内側から外側へ向けて熱放射量が段階的に減少し、全体として、車体1から外部空間への熱放射量がきわめて小さいものとなる。
これにより、宇宙探査用走行車Rは、赤外線放射量を極力減らし、最低限の発熱量でバッテリー12を保温して、夜間の極低温(−170℃)から電子機器11及びバッテリー12を保護することができる。バッテリー12については、例えば−20℃程度に保温することができる。つまり、バッテリー12のヒータ12Aは、上記の保温が可能な発熱量を有するものであれば良い。
なお、走行用駆動輪2の駆動源(モータ)4などについては、許容温度範囲が広く、極低温に耐え得ることを実験的に確認しているので、保温をしない構造にすることでエネルギーの節約に貢献することができる。
また、宇宙探査用走行車Rは、コネクタ21を分離することで、同コネクタ21を介した熱伝達を阻止し、バッテリー12をも断熱材20で被覆することで、最内部から外部空間への熱放射量をさらに小さくし、走行用駆動輪2の懸架装置3を断熱材料で形成するとともに断熱材20で被覆することで、車体1から地表側への熱伝達量や懸架装置3からの熱放射量を低減しており、これらの構成によっても夜間の極低温に対する保護機能をより一層高めることができる。
次に、宇宙探査用走行車Rは、昼間においては、図2に示すように、外側筐体15の蓋体18を開放して太陽電池パネル25を展開状態とし、外部機器(図示せず)を展開し、コネクタ21を接続して探査活動を開始する。
この際、宇宙探査用走行車Rは、放射体17のサーマルルーバ22を閉塞することで、昼間の地表の高温(130℃)から電子機器11やバッテリー12を保護する。また、走行用駆動輪2の懸架装置3を断熱材料で形成したことによっても、地表から車体1への熱伝導を低減して熱保護機能をより高めている。
そして、宇宙探査用走行車Rは、電子機器11やバッテリー12の温度等に基づいて、図4(b)に示す如く放熱体17のサーマルルーバ22を開放し、内側筐体13の内部の排熱を行う。これにより、宇宙探査用走行車Rは、内側筐体13の内部の過熱を未然に防止して、昼間の高温から電子機器11及びバッテリー12を保護する。
さらに、宇宙探査用走行車Rは、走行して日影に入ると温度環境が急激に変化(温度低下)することとなるが、探査活動を継続するためには、蓋体18を開放して外部機器を展開させた状態を維持しなければならない。このとき、宇宙探査用走行車Rは、放熱体17のサーマルルーバ22を閉塞することで、内側筐体13からの熱放射を抑制し、低温から電子機器11及びバッテリー12を保護することができる。
このように、宇宙探査用走行車Rは、とくに、許容温度範囲の狭い機器である電子機器11及びバッテリー12の熱保護機能を飛躍的に高めることができ、少ないエネルギー(発熱量)でこれらの機器を夜間の極低温から保護する機能と、同機器を昼間の高温から保護する機能の両方を併せ持つものとなる。
図5〜図7は、本発明の宇宙探査装置の他の実施形態を説明する図である。先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示す宇宙探査装置Sは、例えば、図示しない着陸船から適宜の手段により搬出して地表に設置するものであって、装置ボディ31の下部に、三本の支持脚32を備えている。支持脚32は、収容時に折り畳むために、ヒンジを介して装置ボディ31に連結してあり、設置する際に自動的に展開する。
この実施形態の宇宙探査装置Sは、装置ボディ31として、搭載機器のうちの少なくとも電子機器11、バッテリー12及びバッテリー保温用のヒータ12Aを収容した円柱状の内側筐体13と、保持索14により内側筐体13を浮揚状態にして収容する概略円柱状の外側筐体15を備えて、内側筐体13と外側筐体15との間全体に空間による断熱層16を形成している。
また、宇宙探査装置Sは、内側筐体13の上部に、上側のサーマルルーバ22と下側のラジエター23から成る放熱体17を備えると共に、外側筐体15の上部に、開閉可能な蓋体18を備え、さらに、内側筐体13の外面全体を断熱材20で被覆すると共に、蓋体18を含む外側筐体15の外面全体を断熱材20で被覆している。そしてさらに、宇宙探査装置Sは、バッテリー12の外面全体を断熱材20で被覆しており、また、各支持脚32の外面全体を断熱材20で被覆すると共に、各支持脚32をFRP等の断熱材料で形成している。
この実施形態の蓋体18は、半円形の二枚の分割板18A,18Aを備えて、全体として円形を成している。両分割板18A,18Aは、円弧の中央が、ヒンジ(図8参照)18Bを介して外側筐体15の開口部に連結してある。
そして、蓋体18は、閉塞状態で下側となる面に機能部品である太陽電池パネル25を備えると共に、両分割板18A,18Aの外面全体を断熱材20で被覆した構造になっている。また、当該宇宙探査装置Sは、閉塞した蓋体18と放熱体17との間には、蓋体18を駆動するためのアクチュエータや、通信用アンテナ及びCCDカメラなどの各種機器類を収容することができる。
また、放熱体17を構成する上側のサーマルルーバ22は、半円形の二枚のブレード22A,22Aを備えている。両ブレード22A,22Aは、弦(サーマルルーバの中心線上)に沿って配置した回動軸22Bにより、互いに回動可能に連結してあると共に、同回動軸22Bによりフレーム(図示略)に対して回動可能に連結してある。そして、サーマルルーバ22は、両ブレード22A,22Aの外面全体を一体的に被覆する断熱材20を備えている。
上記構成を備えた宇宙探査装置Sは、夜間においては、図5及び図6に示すように、蓋体18を閉塞して探査活動を全て休止すると共に、バッテリー12のヒータ12Aのみを作動させることとなり、先の実施形態と同様に、赤外線放射量を極力減らし、最低限の発熱量でバッテリー12を保温して、夜間の極低温から電子機器11やバッテリー12を保護することができる。
また、宇宙探査装置Sは、昼間においては、図8に示すように、蓋体18を開放して太陽電池パネル25を展開状態とし、探査活動を開始することとなり、先の実施形態と同様に、放射体17で内部の排熱を行い、この際、サーマルルーバ22のブレード22Aの回動量を変化させて内部からの放熱量を制御し、内側筐体13の内部の過熱を未然に防止して、昼間の高温から電子機器11及びバッテリー12を保護する。
この実施形態の宇宙探査装置Sは、支持脚32を断熱材20で被覆すると共に、支持脚32を断熱材料で形成したことによっても、地表から装置ボディ31への熱伝導を低減して熱保護機能をより高めている。
また、この実施形態の宇宙探査装置Sは、放熱体17におけるサーマルルーバ22が、互いに回動可能に連結した二枚のブレード22Aと、両ブレード22Aの外面全体を一体的に被覆する断熱材20を備えた構成としたことにより、サーマルルーバ22における断熱材20の断熱機能を良好に維持することができる。
何故ならば、当該装置に使用する断熱材20は、先述したように、MLI(多層断熱材)等であり、例えば、被覆する部材に合わせて切断したときに、いわゆる縫い目となる止着部分を設ける場合がある。しかし、このような止着部分を設けると、その部分で表裏方向への熱伝達が生じ易くなり、その分断熱機能が損なわれることになる。
これに対して、上記の宇宙探査装置Sでは、サーマルルーバ22の外面側における断熱材20に止着部分(縫い目)を設ける必要が少ないので、止着部分による断熱機能の低下も少なく、断熱材20の断熱機能を良好に維持し得るのである。
さらに、上記の宇宙探査装置Sは、蓋体18の各分割板18A,18Aが、180度を越える範囲、より望ましくは270度に近い範囲で回動可能である構成にすることができる。このようにすると、太陽の方向に合わせて、全ての太陽電池パネル25を上方向に向けたり、図8に仮想線で示すように、太陽電池パネル25を横方向に向けたりすることができ、高効率な発電を行うことができる。
なお、図示は省略したが、外側筐体15の上部開口部に回転駆動される環状体を設け、この環状体にヒンジを解して両分割板18A,18Aを連結した構成にすれば、太陽の方向に対する太陽電池パネル25の姿勢制御をより正確に行うことが可能となる。
図9は、本発明の宇宙探査装置のさらに他の実施形態を説明する図である。先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
宇宙探査装置Sは、基本的な構成は図5〜図8に示す先の実施形態と同等であって、内側筐体13の内面、外側筐体15の内面、及び空間による断熱層16のうちの少なくとも一つに、低熱放射性を有する放射熱制御層を備えている。図示例では、内側筐体13及び外側筐体15の内面全体に放射熱制御層33,33が設けてある。この放射熱制御層33には、先述のMLI、塗料による塗膜及び鏡面などを用いることができる。
ここで、内側筐体13や外側筐体15には、例えばCFRPが用いられるのであるが、この場合、バッテリー12や内側筐体13からの放射熱が、内側筐体13や外側筐体15の内面に吸収され、これにより断熱機能に変化が生じる恐れがある。
そこで、この実施形態では、内側筐体13及び外側筐体15の内面全体に、熱の放射率が非常に小さい放射熱制御層33,33を設けることで、上記の熱の吸収を阻止し、これにより全体の断熱機能を高く維持することができる。この放射熱制御層33は、設ける位置、材質、厚さ及び面積等の条件を選択すれば、筐体内面における熱の放射率を自在に且つ詳細に制御することができるので、設計の自由度も高められ、所望の断熱機能を得るうえで非常に効果的である。
なお、図5〜図9に示す実施形態の宇宙探査装置Sは、それ自体が定点観測用の装置であっても良いし、他の機器に電源等を供給するための装置や、他の機器が取得したデータを地球に送信するための中継基地的な装置などの各種装置に適用することができる。さらに、図5〜図9に示す実施形態の宇宙探査装置Sにおいて、図1に示す実施形態の宇宙探査用走行車のコネクタ(符号21)を採用することも可能である。
本発明に係わる宇宙探査装置は、その構成が上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各構成部位の形状や材質などを適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、内側筐体及び外側筐体から成る二重構造の装置ボディ(車体)を説明したが、保護しようとする機器の許容温度範囲や運用する環境温度などに応じて、各筐体の大きさや形状を変更したり、車体をさらなる多層構造にしたりすることも可能である。
また、断熱材は、低熱放射性を有するものとして、上記実施形態で説明したMLIの他に、蒸着等により形成される金属被膜などであっても良く、このような金属被膜を断熱部材の表面に形成したり、筐体の外部表面に直接形成したりすることができる。
さらに、コネクタは、上記実施形態では互いに着脱可能なソケット及びプラグから成るものを例示したが、直接的に通信や通電を行うもの以外に、光信号による通信や電磁誘導による電源供給などのように、非接触式で通信や通電を断続するコネクタを使用することもできる。
R 宇宙探査用走行車(宇宙探査装置)
S 宇宙探査装置
1 車体(装置ボディ)
2 走行用駆動輪
3 懸架装置
11 電子機器
12 バッテリー
13 内側筐体
14 保持索
15 外側筐体
16 断熱層
17 放熱体
18 蓋体
20 断熱材
21 コネクタ
22 サーマルルーバ
22A ブレード
25 太陽電池パネル
31 装置ボディ
32 支持脚
33 放射熱制御層

Claims (10)

  1. 装置ボディとして、搭載機器のうちの少なくとも電子機器及びバッテリーを収容する内側筐体と、保持索により内側筐体を浮揚状態にして収容する外側筐体を備えて、内側筐体と外側筐体との間に空間による断熱層を形成し、
    内側筐体の上部に、電子機器の放熱体を備えると共に、外側筐体の上部に、開閉可能な蓋体を備え、
    放熱体を含む内側筐体の外面全体を断熱材で被覆すると共に、蓋体を含む外側筐体の外面全体を断熱材で被覆したことを特徴とする宇宙探査装置。
  2. 内側筐体内において、バッテリーの外面全体を断熱材で被覆したことを特徴とする請求項1に記載の宇宙探査装置。
  3. 装置ボディに、懸架装置を介して、個別の駆動源を有する複数の走行用駆動輪を備え、各懸架装置の外面全体を断熱材で被覆したことを特徴とする請求項1又は2に記載の宇宙探査装置。
  4. 装置ボディに、懸架装置を介して、個別の駆動源を有する複数の走行用駆動輪を備え、各懸架装置を断熱材料で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の宇宙探査装置。
  5. 装置ボディを支持する複数の支持脚を備え、各支持脚の外面全体を断熱材で被覆したことを特徴とする請求項1又は2に記載の宇宙探査装置。
  6. 装置ボディを支持する複数の支持脚を備え、各支持脚を断熱材料で形成したことを特徴とする請求項1,2及び5のいずれか1項に記載の宇宙探査装置。
  7. 内側筐体と外側筐体との間に通信や通電を断続するコネクタを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の宇宙探査装置。
  8. 蓋体が、装置ボディに対して回動可能に設けてあると共に、閉塞状態で下側となる面に太陽電池パネルやアンテナ等の機能部品を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の宇宙探査装置。
  9. 放熱体が、サーマルルーバを備え、サーマルルーバが、互いに回動可能に連結した一対のブレードと、両ブレードの外面全体を一体的に被覆する断熱材を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の宇宙探査装置。
  10. 内側筐体の内面、外側筐体の内面、及び空間による断熱層のうちの少なくとも一つに、低熱放射性を有する放射熱制御層を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の宇宙探査装置。
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