JP3864195B2 - 宇宙構造体およびその展開システム、並びに太陽発電衛星 - Google Patents

宇宙構造体およびその展開システム、並びに太陽発電衛星 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、C60フラーレンに代表される炭素同素体の構造を利用した宇宙構造体およびその展開システム、並びに太陽発電衛星に関し、特に太陽発電、宇宙基地、宇宙船、軌道上燃料ステーションなどの大型宇宙構造体を構築するのに好適である。
【0002】
【従来の技術】
現在、各国の協力によって宇宙ステーションを建設し、ここに乗務員を宇宙に滞在させ、太陽発電衛星や様々な実験棟として利用したり、宇宙空間における基地として使用する計画が進められている。また、宇宙ステーションとして利用する場合、ある程度の強度を有する宇宙構造体が必要になるが、地上から打ち上げるときにはコンパクトに収納でき、宇宙空間にて展開することで大きな容積を得ることができるようなものが要望されている。
【0003】
例えば、上記太陽発電衛星(SPS: Solar Power Satellite)は、1978年にNASAによって提案されたのが始まりで、その後、種々の形態のものが開発されている。図42は、従来の太陽発電衛星の一例を示す構成図である。この太陽発電衛星900は、複数の発電モジュール901と、テザー構造の主構造体902と、主構造体902と発電モジュール901を連結するアーム903と、アーム903と主構造体902との結合部分に設けた姿勢制御装置904と、主構造体902の端部に設けた送電アンテナ905とから構成されている。図43は、図42に示した発電モジュールを示す構成図であり、(a)が正面図、(b)が断面図である。発電モジュール901は、皿状をした薄膜構造の反射板906と、この反射板906の正面に設けた集光器907とから構成されている。
【0004】
この太陽発電衛星900は、ロケットによって高度36000kmの静止衛星軌道上に打ち上げられ、宇宙空間にて組み立てられる。前記姿勢制御装置904は、反射板906が太陽の方向に向くように当該反射板906を姿勢制御する。反射板906によって集光された太陽光線は、太陽電池パネルを備えた集光器907によって光電変換され、送電アンテナ905から高周波マイクロ波(2.45GHz)の形で地上に送られる。地上では、送られてきたマイクロ波をアンテナで受電し、整流することで交流電力に変換する。このような太陽発電衛星によって、1基あたり数GWの発電が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の太陽発電衛星900は、太陽光線を正面から受けられるように反射板906および集光器907を姿勢制御する必要がある。このため、太陽発電衛星900の構成が複雑になるという問題点がある。また、太陽発電衛星900以外の宇宙構造体を含め、ロケットの打ち上げ容量の関係から、打ち上げる際にはコンパクトであり且つ宇宙空間にて展開し、高強度の構造体として機能するものが望まれている。そこで、この発明は、宇宙空間における新しい構造体を提供するものであって、その用途は、上記太陽発電衛星に限らず、様々に発展する可能性を有するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明に係る宇宙構造体は、断面に円形部分を持ち、中空殻状構造の構成要素である6角形をした複数のモジュールと、モジュールの辺同士を回転可能に連結する回転連結手段と、モジュールの展開に応じてモジュールの辺同士が接したとき、当該辺同士を連結して固定し得る連結固定手段とを備え、回転連結手段をもってモジュールを折り畳んだ状態から、モジュールを展開して中空殻状構造に変形させるとき、モジュール同士が干渉しないように当該モジュールに前記回転連結手段と連結固定手段とを組み合わせて取り付けたものである。
【0007】
この宇宙構造体は、1985年に発見された球殻状構造をした炭素同素体をモデルとして構成したものであり、このような炭素同素体としては、サッカーボール形状のC60(バックミンスターフラーレン)が代表的なものとして知られている。また、C60以外にも、C70、C120(バッキーダンベル)、C200(ドーナッツフラーレン)などが知られており、いずれも3次元的中空構造を構成している。この発明では、分子レベルの炭素同素体の構造を宇宙構造体に採用することにより、断面に円形部分を持つ中空殻状構造の宇宙構造体を提供することを可能としている。
【0008】
なお、前記モジュールは、複数の梁から構成された枠体構造であってもよいし、板状体であってもよい。前記回転連結手段は、モジュールを回転可能に連結していれば、その構造はどのようなものであっても良い。また、固定連結手段は、モジュール同士の辺が接したとき、当該辺同士を自己連結できる構造であればよく、当該機能を奏する種々の公知または新規な技術を用いることができる。
【0009】
また、モジュール同士が干渉しないようにするには、具体的な接続構成を複数想定してシミュレーションすることにより判断することができる。このようなシミュレーションにより決定した組み合わせによってモジュール同士を連結しておけば、展開の際、宇宙空間でモジュールが展開できなくなるのを防止することができる。
【0010】
また、この発明に係る宇宙構造体は、上記宇宙構造体において、さらに、前記モジュールを6本の梁からなる枠体構造にし、この枠体構造の節同士を接続するワイヤーその他の補強部材を設けたものである。枠体構造に補強部材を設けることにより、モジュール面内の曲げ剛性を高めることができる。補強部材としては前記ワイヤーの他、中空または中実のロッドなどを用いることができる。
【0011】
また、この発明に係る宇宙構造体は、上記宇宙構造体において、面内で折り畳み可能なように前記枠体の節に関節を設けたものである。このように、6角形のモジュールを面内で折り畳み可能に構成することで、ロケットにより打ち上げる際、さらにコンパクトに収納することが可能になる。
【0012】
また、この発明に係る宇宙構造体は、上記宇宙構造体において、6本の梁からなる枠体構造のうち、対向する二対の梁の中央に中央関節を設けると共に、当該二対の梁が共用する関節部分の間にアクチュエータによって伸縮する伸縮手段を渡したものである。
【0013】
アクチュエータによって伸縮部材を伸ばすと、この伸縮部材が渡してある二対の梁の関節部分が開き、これに伴い、中央関節および関節部分で梁が開いてモジュールが展開される。この構造によれば、さらに宇宙構造体をコンパクトに折り畳むことができる。
【0014】
また、この発明に係る宇宙構造体は、上記宇宙構造体において、前記モジュールを展開するにあたり、無重力下における展開時の力バランスをシミュレーションによって求め、展開前と展開後における空間の位置ずれが小さくなる展開パターンに基づき、モジュールに前記回転連結手段と固定連結手段とを組み合わせて取り付けたものである。
【0015】
無重力下でモジュールを展開すると、モジュール展開時の慣性力によって宇宙構造体の位置が大きく変わってしまう可能性がある。このため、モジュール展開時の力のバランスをシミュレーションしておき、この結果に基づいて、展開パターンを決定する。そして、この展開パターンに従って展開するように、回転連結手段と固定連結手段とを各モジュールに対して組み合わせて取り付ける。このようにすれば、展開時のモジュールの移動を極めて小さく抑制することができる。
【0016】
また、上記のような宇宙構造体の一例として以下のような構造のものを挙げることができる。この発明に係る宇宙構造体は、球殻形状を形成し得る20個の6角形モジュールを有し、かつ、そのうちの5個のモジュール(M1〜M5)が各一辺をもってC字形状に連結され、つぎのモジュール(M6)が、前記C字後端に位置するモジュール(M5)のC字を構成する外側最外辺と連結しており、当該モジュール(M6)を含めた8個のモジュール(M6〜M15)が各一辺をもってジグザグになって略直線状に連結され、つぎの5個のモジュール(M16〜M20)が各一辺をもって逆C字形状に連結され、前記直線状に連結したモジュール(M6〜M15)のうち、端に位置するモジュール(M15)が、前記逆C字先端に位置するモジュール(M16)の逆C字を構成する外側最外辺と連結する複数の回転連結手段と、上記回転連結手段をもって各モジュールを展開したとき、その辺で接触するモジュール同士を連結する複数の連結固定手段とを備えたものである。
【0017】
なお、この宇宙構造体の展開順序は、モジュールが干渉しないように、展開シミュレーションによって決定することができる。具体的には、前記最初のモジュール(M1)から最後のモジュール(M20)を順次積層した状態から、各モジュール間にある回転連結手段を、J1、J2…J18、J19で表した場合、まず、J1、J2、J3、J5、J4、J7、J6の順で一つずつ、つぎに、J8およびJ9、J10およびJ11、J12およびJ13、J14およびJ15、J16およびJ17の順で二つずつ、そして、J18、J19の順で一つずつ、前記モジュールを展開するようにする。なお、当該展開方法には、宇宙構造体の展開前と展開後の移動を小さく抑えるといった目的を含むので、モジュールが干渉しなければ当該展開順序でなくとも構わない。
【0018】
また、この発明に係る宇宙構造体の展開システムは、上記宇宙構造体と、モジュールが折り畳まれた状態を保持すると共に解除命令に基づいて前記保持を解除する一時保持手段と、展開命令に基づいて前記回転連結手段を中心としてモジュールを展開させる展開手段と、宇宙構造体に設置され且つ保持手段および展開手段に対して解除命令および展開命令を出す制御手段とを備えたものである。
【0019】
前記制御手段により解除命令が出されると、一時保持手段がモジュールの保持を解除する。このような一時保持手段としては、例えば爆発ボルトやヒューズ、或いはモータやソレノイドを用いてピンを駆動するもの等を挙げることができる。つぎに、制御手段により展開命令が出されると、回転連結手段を中心としてモジュールが展開される。展開手段には、モータ、ソレノイドその他の回転動作を可能とする種々の公知技術を用いることができる。モジュールが展開すると、固定連結手段によりモジュール間の固定が行われ、中空殻構造の宇宙構造体が形成される。
【0020】
また、この発明に係る宇宙構造体の展開システムは、上記宇宙構造体の展開システムにおいて、さらに、宇宙構造体と地上との間で通信を行う通信手段と、地上に設置され、通信手段を介して前記制御手段に解除命令または展開命令を出すよう指令する指令手段とを備えたものである。宇宙空間に作業を行う人間がいない場合、折り畳んだ宇宙構造体をロケットにより打ち上げ、宇宙空間にて展開する必要がある。このため、地上に指令基地を設置し、遠隔で前記制御手段に解除命令または展開命令を出すようにする。
【0021】
また、この発明に係る宇宙構造体は、上記宇宙構造体において、利用可能な内部空間を有するインフレータブル膜構造の与圧ブロックを内設したものである。インフレータブル膜構造の与圧ブロックの周囲に宇宙構造体を配置し、例えばモジュールに防護壁を設けることで、スペースデブリなどの衝突から与圧ブロックを保護することが可能になる。また、放射線の遮蔽板を設けることにより、与圧ブロック内の被爆を抑制することができるようになる。このように、宇宙構造体は、与圧ブロックの保護機能として様々な用途に用いることができる。
【0022】
また、この発明に係る太陽発電モジュールは、上記宇宙構造体のモジュールに太陽電池パネルを設置したものである。この宇宙構造体に太陽電池パネルを設置することにより、少なくとも断面に円形部分を持つ太陽発電モジュールが形成される。例えば、宇宙構造体を球殻構造とした場合、太陽発電モジュールを略球形状に設置できるので、姿勢制御をすることなく、半球面で太陽光を受けることができる。
【0023】
また、この発明に係る太陽発電モジュールは、上記宇宙構造体のモジュールに複数の反射鏡を設けると共に、これら反射鏡の角度を制御するサーボモーターを設け、当該宇宙構造体の内部に太陽電池パネルを設置したものである。
【0024】
モジュールの反射鏡は、内部に設置した太陽電池パネルに太陽光線を集光できるように、サーボモータによって制御される。集光された太陽光線は、内部の太陽電池パネルにおいて光電変換される。なお、反射鏡の形状は、矩形、長方形、円形のいずれでもよい。また、サーボモータの個数、配置は、反射鏡の個数や形状に合わせて設ければ良い。
【0025】
また、この発明に係る太陽発電モジュールは、上記太陽発電モジュールにおいて、前記太陽電池パネルを、前記宇宙構造体の内部に設置した小型の宇宙構造体のモジュールに設置したものである。反射鏡で集光した太陽光線は、宇宙構造体のモジュールに設置した太陽電池パネルで光電変換される。
【0026】
また、この発明に係る太陽発電衛星は、複数の太陽発電モジュールと、当該太陽発電衛星を支持する主構造体と、この太陽発電衛星により発電した電力を高周波マイクロ波に変換してアンテナから送電する送電手段とを備えたものである。前記太陽発電モジュールによって発電した電力は、高周波マイクロ波としてアンテナから地上に送電される。地上では、このマイクロ波を受信アンテナにより受信して再び電力に変換する。
【0027】
また、この発明に係る宇宙船は、上記宇宙航行用の母船と、この母船に取り付けた上記太陽発電モジュールと、同じく母船に取り付けられ、前記太陽発電モジュールにより発電した電力により推進力を得る電気推進器とを備えたものである。
【0028】
宇宙船の推進エネルギーに太陽エネルギーを用いることで、無尽蔵にエネルギーを得ることができるが、宇宙船に設置した太陽発電装置に故障が発生した場合、宇宙船を修理するか或いは放棄しなければならない。そこで、姿勢制御の必要がない太陽発電モジュールをエネルギー源として用いることで、宇宙船の故障の発生を低減できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0030】
[宇宙構造体の構造]
図1は、この発明の実施の形態1にかかる宇宙構造体を示す斜視図である。図2は、図1に示した宇宙構造体を示す平面展開図である。この宇宙構造体100は、6角形の枠体構造をした複数のモジュールMから構成した球殻状構造であり、各モジュールMはバタフライ状に展開可能にするジョイントJにより連結されている。図2では、各モジュールを符号「M」で示すと共に各ジョイントを符号「J」で示し、当該符号にはモジュールおよびジョイントの番号を付記する。なお、回転角度が138°のジョイント番号には、さらに符号「a」を付記し、222°のジョイント番号には、さらに符号「b」を付記する。
【0031】
また、各モジュールMには、他のモジュールMとの連結固定を行うカプラーCが設けられている。同図において、各カプラーを符号「C」で示し、当該符号にはカプラーCの番号を付記する。さらに、オス側のカプラーCにはさらに符号「a」を、メス側のカプラーCにはさらに符号「b」を付記する。なお、モジュールMは、図1に示したような枠体構造ではなく、板状体により構成してもよい(図示省略)。
【0032】
図3は、図1に示したモジュールの一例を示す説明図である。各モジュールMは、6本の梁101を結合した6角形の枠体構造とする。各梁101の結合部102は、ヒンジ結合であってもよいが、梁101に加わるモーメントを伝達するために剛結合とするのが好ましい。また、各梁101には、中実棒体や開断面形状の棒体を用いることもできるが、捩り剛性を確保するため、円筒形或いは矩形の閉断面構造を採用するのが好ましい。さらに、モジュールMの材質は、アルミニウム合金またはCFRP(carbon fiber reinforced plastics)積層材を用いるのが好ましい。アルミニウム合金およびCFRPは、熱伝導率が小さいので断熱対策を省略できるか或いは簡単な構造にすることができる。
【0033】
特に、アルミニウム合金を用いる場合は、加工性が良く軽量化できるといった利点がある。また、CFRPを用いる場合は、線膨張係数が小さいため、熱変形による荷重を抑制できるといった利点がある。CFRPの捩り剛性については、±45度層の比率を50%程度にすることにより良好な結果を得ることができる。また、CFRPの線膨張計数についても積層構造によって調整できる。さらに、アルミニウム合金と同等の弾性係数を与える場合には、アルミニウム合金よりもモジュールMを軽量化することができる。
【0034】
また、モジュールMの結合部102間には、補強部材である鋼製のワイヤ103が星型に張られている。ワイヤ103を用いることで、モジュールMの軽量化を実現でき、モジュールMを折り畳んで展開する構造を採用できるようになる。なお、ワイヤ103を張るときは、各ワイヤ103の張力制御を行う必要がある。ワイヤ103によりモジュールMを補強することにより、モジュールMの剛性が向上する。また、補強部材として、ワイヤ103の他にロッドを用いることもできる(図示省略)。ロッドを用いる場合は、引張荷重および圧縮荷重を分担できるという利点がある。ロッドの材料には、梁101と同様、アルミニウム合金或いはCFRPを用いる。なお、ロッドと梁101とは、剛性向上の観点から剛結合とするのが好ましい。
【0035】
上記補強部材は、モジュールMの面内剛性を高め、固有振動数および変形量を改善する効果がある。なお、補強部材の剛性は、梁剛性の1/10〜1/1で良い。図4は、補強部材の取付形態の変形例を示す説明図である。補強部材であるワイヤ103或いはロッドは、同図(a)に示すように、モジュールM中心でクロスするように、それぞれ対向する結合部102の間に設けるようにしてもよい。また、同図(b)に示すように、砂時計形になるように設けてもよい。さらに、同図(c)に示すように、対向する一組の結合部102の間にワイヤ103等を渡し、そのワイヤ103を中心とした両側に砂時計形にワイヤ103を設けるようにしてもよい。これらワイヤ103の配置構造は、モジュールMに要求される固有振動数や変形量によって決定すればよい。
【0036】
図5は、図1に示したジョイント構造を示す説明図である。このジョイントJは、同図(a)に示すように、固定側のモジュールMfと展開側のモジュールMaとを回転軸を中心として相対回転できるようにしたものである。モジュールMaの回転は、回転軸に設けたアクチュエータ105により行う。当該アクチュエータ105には、モータ、バネ、形状記憶合金、空気圧などを用いることができる。また、モータの回転運動を展開運動に変換する要素としては、減速機、ボールネジとカムとの組み合わせ等を挙げることができる。さらに、バネおよび形状記憶合金を用いるときの運動変換要素として、カムを用いることもできる。なお、バネをアクチュエータ105として用いるときは、展開のためのエネルギーが極めて小さく抑えられると共に、電気系統などを含めたアクチュエータ105の構造を簡略化できる。
【0037】
このようなアクチュエータ105の具体例としては、同図(b)に示すように、減速比の高い減速機106の出力軸を前記ジョイントJの回転軸107と結合し、当該減速機106の入力軸とモータ108の回転軸を連結するものを挙げることができる。当該モータ108および減速機106は、ジョイントJの端部に設ける。なお、同図では、138°の回転を行うモジュールMaを実線で、222°の回転を行うモジュールMaを点線で示した。また、モジュールMの回転仮想中心は、ジョイントJの回転中心から偏心した位置にある。
【0038】
また、モータ108および減速機106をジョイントJの中央部に設けるようにすれば、モジュールMの展開動作時や、モジュールMに太陽電池パネルなどの要素の取り付け時に邪魔にならない(図示省略)。さらに、アクチュエータ105の故障その他の理由に起因したモジュールMの展開動作の失敗は、そのモジュール以降のモジュールMの展開ができなくなるから、アクチュエータ105を複数、並列配置するようにするのが好ましい。
【0039】
図6は、図1に示したカプラーの構造を示す斜視図である。同図(a)に示すカプラーCは、ラッチのかかる溝110を設けたピン111と、ガイド機能を有する円錐状の筒体112と、固定ラッチ113とから構成されている。このピン111をオス側としてモジュールMに設け、筒体112および固定ラッチ113をメス側のモジュールMに設ける。モジュールMを展開することにより、所定モジュールMのピン111が、連結対象であるモジュールMの筒体112に挿入され、ピン111の溝110に固定ラッチ113が係止することでモジュールM同士が連結固定される。また、固定ラッチ113にアクチュエータ114を設けることで、ピン111を開放するようにしてもよい。アクチュエータ114には、モータやエアシリンダーなどを用いることができる。
【0040】
同図(b)に示すカプラーは、T字形状のハンドル115と、このハンドル115を嵌めこむ溝116を有する2枚のプレート117と、各プレート117に設けた固定ラッチ118とから構成される。ハンドル115の中央には、三角プレート119が設けられている。前記ハンドル115をオス側としてモジュールMに設け、プレート117および固定ラッチ118をメス側としてモジュールMに設ける。モジュールMを展開すると、ハンドル115の三角プレート119が連結対象であるモジュールMに設けた2枚のプレート117の間に入ることで、ガイド機能を奏する。ハンドル115が溝116に嵌ったら、固定ラッチ118によりハンドル115が係止され、モジュールM同士が連結固定される。なお、上記同様、アクチュエータを設けることで、固定ラッチを開放することもできる(図示省略)。
【0041】
同図(c)に示すカプラーは、T字形状のハンドル120と、このハンドル120を掴むグリップ機構121とから構成される。グリップ機構121は、モータその他のアクチュエータによって駆動される。前記ハンドル120をオス側としてモジュールMに設け、グリップ機構121をメス側に設ける。モジュールMを展開すると、ハンドル120が開いたグリップ機構121の中に入り、グリップ機構121がハンドル120を掴む。これにより、モジュールM同士が連結固定される。なお、グリップ機構121は、センサなどによりハンドル120を検知し、このセンサ信号に基づいてアクチュエータを作動させることで把持動作を行う。なお、グリップ内にプッシャを設け、展開動作に伴いハンドルがプッシャを押すことで機械的にグリップが把持動作を行うようにしても良い。また、図示しないが、モジュールMに台形形状などの簡単なガイド板を設け、当該ガイド板が組み合った状態でマグネット或いは固定ラッチで連結するようにしてもよい(いずれも図示省略)。
【0042】
図7は、モジュールを折り畳んだ状態を示す説明図である。前記宇宙構造体100は、図2の展開図に示すジョイントJ部分で所定角度(138°、222°)回転させることで、6角柱に積層して折り畳まれる(図7(a)参照)。宇宙構造体100を宇宙空間に打ち上げるときは、このようにモジュールMを折り畳んだ状態でロケット内に収容する。各モジュールMには、積層状態を維持するための仮固定装置125が設けられている。仮固定装置125は、モジュールMの積層状態を保持し、打ち上げ時にモジュールMが振動してアクチュエータを破損させるのを防止すると共に、モジュール展開順序を管理する上での安全装置として機能する。
【0043】
この仮固定装置125は、同図(b)に示すように、固定部126と爆発ボルト127によってモジュールMとモジュールMとを仮固定しており、モジュール展開時に当該爆発ボルト127を爆発させて固定を解除する。特に、爆発ボルト127を用いる場合は、動作の信頼性、保持剛性が高いという利点がある。また、爆発ボルト127の他にヒューズや、ヒューズとバネとを組み合わせたものによりモジュールを仮固定することもできる(図示省略)。
【0044】
さらに、前記爆発ボルト127などの強制分離式の他、ノッチ・ピン式の仮固定装置を用いることもできる。図8は、ノッチ・ピン式の仮固定装置を示す説明図である。この仮固定装置128では、一方のモジュールMに掛け金129を設け、他方のモジュールMに掛け金129を引っ掛けるノッチ130或いはピンを設ける。そして、掛け金129をアクチュエータ131により回転或いはスライドし、当該掛け金129により拘束を解除する。なお、前記アクチュエータ131には、モータ、ソレノイドまたはパラフィンなどを用いることができる。
【0045】
図9は、モジュールの構造の変形例を示す説明図である。この折り畳み式のモジュールMは、同図(a)に示すように、モジュールMの対向する結合部102の間に伸縮装置141を渡した構成である。この伸縮装置141は、中央のアクチュエータ142によって伸縮ワイヤ143の巻き取り及び引き出しを可能とした構造となる。アクチュエータ142には、回転運動を行うものを用いることができ、例えばモータと減速機の組み合わせや、シリンダーと直線運動を回転運動に変換する運動変換装置との組み合わせ等を挙げることができる。また、梁101同士の結合部102は、ヒンジなどの回転可能な関節構造になっており、さらに、伸縮装置141を渡した結合部102の両側の梁101は、その中央部にコイルスプリング144が設けられており、当該部分にて折り曲げ自在な構造になっている。伸縮装置141の両側には、それぞれワイヤ103がクロスして張られている。
【0046】
同図(b)に、モジュールを折り畳んだ状態を示す。モジュールMを折り畳んだ状態からアクチュエータ142を作動して伸縮ワイヤ143を引き出すと、伸縮ワイヤ143の引き出し量に応じ、コイルスプリング144のバネ力によって梁101が開動作をする。モジュールMを完全に展開した状態で、ワイヤ103が一定の張力でクロス状に張られ、補強部材として機能する。展開した状態から折り畳む場合は、アクチュエータ142を駆動して伸縮ワイヤ143を巻き取れば良い。モジュールMを折り畳み構造にすることで、宇宙構造体100をさらにコンパクトにまとめることができる。なお、伸縮装置141の構成は、アクチュエータ142と伸縮ワイヤ143に限定されない。例えばモジュールMの結合部102にナットを設け、当該結合部102の間にナットに螺合するネジを渡し、アクチュエータによってネジを回転させる構成でもよい(図示省略)。この場合、アクチュエータによりネジを回転させることで、ナットがネジ上を移動し、これに伴い、モジュールMの折り畳みと展開を行うことが可能になる。
【0047】
図10は、宇宙構造体の収納形態を示す説明図である。宇宙構造体100は、図7(a)に示した状態で折り畳まれ、ロケットフェアリング内のペイロードエンベロープ150内に収納される。例えばH−2ロケットのペイロードエンベロープ150は、その直径がd=4m、長さがL=12m(円筒部分は7m程度)である。また、米国スペースシャトルのエンベロープは円筒形状をしており、その収納高さが15m程度で、直径は4m程度である。この宇宙構造体100は、折り畳むことによりモジュールMの対角線寸法(D=4.6m)を最大径とした角柱状に折り畳むことができるので、ロケットやスペースシャトルのペイロードエンベロープ150にも、容易に収納することができる。
【0048】
[宇宙構造体の展開システム]
図11は、宇宙構造体の展開システムを示す構成図である。この展開システム200は、後述する所定の展開プログラムを記憶した記憶装置201と、この展開プログラムをメモリ202(RAM:Random Access Memory)にロードしてCPU203で実行する処理装置204と、モジュール展開動作を行うための電源205と、マイクロ波により地上との通信を行う通信システム206および通信アンテナ207と、モジュールMのジョイントJおよびカプラーCや仮固定装置125を駆動するための電気回路208と、地上指令基地209とから構成される。
【0049】
地上指令基地209は、宇宙構造体100の遠隔操作システム210と、マイクロ波の送信或いは受信を行う大型の通信アンテナ211と、これに接続した通信システム212を備え、ジョイントJの駆動などの命令信号をマイクロ波の搬送波に乗せ、周波数変調することで送信する。展開システム200の実行命令は、地上指令基地209の遠隔操作システム210を用いて行う。遠隔操作システム210は、遠隔操作プログラム213を備えたコンピューター214と、画像表示装置215および入力装置216から構成されている。なお、同図に示すように地上指令基地209以外の構成は宇宙構造体100側に搭載されるが、展開プログラムを記憶した記憶装置201や、そのプログラムを実行する処理装置204を地上側の遠隔操作システム210に移行し、宇宙構造体100側に設置した電気回路208に直接、駆動命令を送るようにしてもよい。
【0050】
なお、前記記憶装置201は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、RAMのような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。また、同図に示すように、地上指令基地209或いは通信システム212、通信アンテナ211を地球上の複数地点に設置し、これらをインターネット217で接続して宇宙構造体100の遠隔操作を行うこともできる。また、前記電源205は、宇宙構造体100のモジュールMに取り付けた太陽電池パネル218から電力供給を受けるようにしてもよい。
【0051】
図12は、図11に示した展開システムの機能ブロック図である。この展開システム200は、上記展開プログラムや各種ハードウエアの組み合わせによって実現され、折り畳んだモジュールMの仮固定を解除する仮固定解除部231と、モジュールM同士を回転可能に連結しているジョイントJのアクチュエータ105を作動させるジョイント作動部232と、カプラーCの連結動作を行うカプラー作動部234と、これらを制御する制御部235とから構成される。なお、制御部235と、仮固定解除部231、ジョイント作動部232およびカプラー作動部234とは、制御部235を宇宙構造体100側に設けたときには伝送線により、制御部235を地上指令基地209側に設けたときにはマイクロ波により通信が行われる。
【0052】
図13は、この展開システムの動作を示すフローチャートである。まず、地上指令基地209において、遠隔操作システム210の入力装置216から宇宙構造体100の展開命令を入力する。或いは、所定時間か所定のトリガー信号によって自動的に展開命令を行うようにする(ステップS101)。つぎに、この展開命令を通信システム212によってパルス変調し、通信アンテナ211からマイクロ波に乗せて宇宙空間に送信する。このマイクロ波信号は、宇宙構造体100側の通信アンテナ207で受信され、通信システム206の変換回路により展開命令に復調され、処理装置204に送られる(ステップS102)。
【0053】
処理装置204では、記憶装置201から宇宙構造体100の展開プログラムを読み出し、メモリ202にロードする(ステップS103)。この展開プログラムには、仮固定の解除、後述するモジュールJの展開順序、展開速度、カプラーCの作動タイミングなどのプログラムが含まれている。制御部235は、当該展開プログラムに従って、仮固定解除部231、ジョイント作動部232およびカプラー作動部234を制御する。
【0054】
続いて、仮固定解除部231は、展開プログラムに従い、仮固定装置125によるモジュールMの仮固定を解除する(ステップS104)。例えば、図7に示したように、仮固定装置として爆発ボルト127を用いている場合、電気回路208を制御して当該爆発ボルト127に電流を流し、着火爆発させる。また、図8に示したように、仮固定装置125としてノッチ・ピン式のものを用いている場合、電気回路208を制御することでアクチュエータ131を作動させ、掛け金129による仮固定を解除する。
【0055】
つぎに、ジョイント作動部232は、ジョイントJのアクチュエータ105を作動させ、仮固定を解除したモジュールMの展開を行う(ステップS105)。ここで、モジュールMを展開したとき、既に展開しているモジュールMとの連結固定が不要な場合(ステップS106)、さらに次のモジュールMの仮固定を解除し、当該解除したモジュールMを展開する(ステップS104〜S105)。一方、既に展開しているモジュールMとの連結固定が必要な場合、カプラー作動部234は、該当するカプラーCを作動させてモジュール間の連結固定を行う(ステップS107)。
【0056】
なお、カプラーCの作動は、当該カプラーCが図6の(c)に示すようなグリップ機構121を有する場合に必要となり、同図(a)および(b)に示す固定ラッチ113、118を用いた場合は、カプラーCの作動は機械的に独立して行われるので、展開プログラムによる作動命令は必要ない。そして、全てのモジュールMが展開されるまで、上記動作を繰り返す(ステップS108)。なお、展開動作の過程を、通信システム206、212を利用して地上で監視することもできる。また、仮固定の解除を全て終了してから、展開動作を行うようにしてもよい。
【0057】
[宇宙構造体のモジュール展開順序]
つぎに、宇宙構造体100のモジュールMの展開順序について説明する。図2に示した平面展開図のジョイント番号順にモジュールを展開した場合、モジュールM同士が干渉して展開できない場合がある。そこで、モジュールMの展開構造を仮決定し、この展開構造に従ってモジュールMを展開することで干渉が発生するか否かのシミュレーション(単純な展開シミュレーションで十分で、モジュールの慣性モーメントや引力その他の条件は不要である)を行った。この結果、次の表に示す順序でモジュールMを展開することで干渉を回避できることが判った。
【0058】
【表1】
Figure 0003864195
【0059】
同表において、左欄に展開順序を示し、右欄に当該順序において展開するジョイント番号を示す。なお、右欄にジョイント番号が並列に記載されている場合は、当該ジョイントJを同時に展開することを意味する。かかる展開順序によってモジュール間の干渉が防止されるから、宇宙空間において確実にモジュールMを展開できるようになる。なお、当該展開順序以外にもシミュレーションによって求めることができるが、この展開順序は展開時の宇宙構造体100の移動を極小に抑えることができる点で優れている。
【0060】
図14〜図28は、宇宙構造体の展開過程を示す説明図である。なお、これらの図では、説明しやすいように宇宙構造体のモジュールを面表現した。宇宙構造体100は、図14に示すような6角柱形状に折り畳まれて保持されている。この宇宙構造体100がエンベロープから放出され、地上指令基地209からの展開指令により展開を開始する。まず、ステップ1では、図15に示すように、ジョイントJ1aを作動してモジュールM1を138°展開する(以下、ジョイント番号に「a」を付したものは138°の展開をするものとする)。ここで、無重力状態では、モジュールM1を展開する反動によりその他のモジュールが少なからず回転することになる。
【0061】
ステップ2では、図16に示すように、ジョイントJ2bを作動することでモジュールM2を222°展開する(以下、ジョイント番号に「b」を付したものは222°の展開をするものとする)。続いて、ステップ3では、図17に示すように、ジョイントJ3aを作動させることでモジュールM3を展開する。また、ステップ4では、図18に示すように、ジョイントJ5aを作動させることでモジュールM5をモジュールM4と共に展開する。ここでジョイントJ4bを作動させないのは、上述したように、モジュールの干渉を防止するためである。
【0062】
ステップ5では、図19に示すように、ジョイントJ4bを作動させることでモジュールM4を展開する。ここで、モジュールM4の展開により、モジュールM5とモジュールM1とが、カプラーC1a、C1bにより連結固定される。つぎに、ステップ6では、図20に示すように、干渉防止のため、ジョイントJ7aを作動させてモジュールM7をモジュールM6と共に展開する。ステップ7では、図21に示すように、ジョイントJ6bを作動させて、モジュールM6を展開する。
【0063】
ステップ8では、図22に示すように、ジョイントJ8bおよびジョイントJ9aを同時に作動させ、モジュールM8およびモジュールM9を同時展開する。ここで、モジュールM8の展開により、モジュールM8とモジュールM1とが、カプラーC2a、C2bにより連結固定される。続いて、ステップ9では、図23に示すように、ジョイントJ10bおよびジョイントJ11aを同時に作動させ、モジュールM10およびモジュールM11を同時展開する。モジュールM10の展開により、モジュールM10とモジュールM2とが、カプラーC3a、C3bにより連結固定される。
【0064】
ステップ10では、図24に示すように、ジョイントJ12bおよびジョイントJ13aを同時に作動させ、モジュールM12およびモジュールM13を同時展開する。モジュールM12の展開により、モジュールM12とモジュールM3とが、カプラーC4a、C4bにより連結固定される。ステップ11では、図25に示すように、ジョイントJ14bおよびジョイントJ15aを同時に作動させ、モジュールM14およびモジュールM15を同時展開する。モジュールM14の展開により、モジュールM14とモジュールM4とが、カプラーC5a、C5bにより連結固定される。また、モジュールM15の展開により、モジュールM15とモジュールM6とが、カプラーC6a、C6bにより連結固定される。なお、本図以降、詳細なモジュールの番号は省略する。
【0065】
ステップ12では、図26に示すように、ジョイントJ16bおよびジョイントJ17aを同時に作動させ、モジュールM16およびモジュールM17を同時展開する。モジュールM17の展開により、モジュールM17とモジュールM7とが、カプラーC7a、C7bにより連結固定される。ステップ13では、図27に示すように、ジョイントJ19bを作動させることでモジュールM19をモジュールM18と共に展開する。また、モジュールM19の展開により、モジュールM19とモジュールM11とが、カプラーC9a、C9bにより連結固定される。
【0066】
つぎに、ステップ14では、図28に示すように、ジョイントJ18を作動させることで、モジュールM18を展開する。モジュールM18の展開により、モジュールM18とモジュールM9とが、カプラーC8a、C8bにより連結固定される。また、モジュールM16とモジュールM20とが、カプラーC11a、C11bにより、モジュールM20とモジュールM13とが、カプラーC10a、C10bにより連結固定される。以上の展開動作により、図28に示すような略球形状の宇宙構造体100が組み立てられる。
【0067】
以上の展開順序により、発明者が実際にシミュレーションしたところ、展開前と展開後の移動が極小に抑えられることが判った。また、展開中における加速度および角加速度についても、非常に小さいレベルしか認められなかった。また、角加速度については、展開ステップの進行につれて展開モジュールMとその他のモジュールMとのモーメントに差が出るため、次第に減少することが判った。
【0068】
なお、このシミュレーションにおいては、展開の基本動作の確認と重力傾斜トルクによる影響を確認するため、市販の運動解析ソフトウエア「AMAMS」を使用し、無重力状態での展開シミュレーションと重力傾斜トルクを考慮したシミュレーションを行った。まず、その解析条件として、収納状態における構造体が地球指向で軌道するよう初期速度を与えた。ジョイントの展開動作は、動作をスムーズにするため、同ソフトウエアに実装されているSTEP5関数を用いた。その他の詳細な条件は、以下の表2に示す。
【0069】
【表2】
Figure 0003864195
【0070】
なお、モジュールの積層方向をY軸、モジュール面をX−Z軸とした。また、前記初期速度は、Voi=(G×M/ri1/2(i=1,2,3,…20)で与えた。このシミュレーションの結果、無重力状態では、角速度が収束してゼロに近い値を示したが、重力傾斜トルクを考慮した場合には、X軸、Z軸方向に角速度が生じた。ただし、この回転速度が非常に遅いことから、重力傾斜トルクの影響は殆ど無視できることが判明した。
【0071】
[宇宙構造体の実施例]
基本形態である宇宙構造体100は、モジュールMの材料に、ヤング率E=7300kg/mm2、ポアソン比ν=0.33のアルミニウム合金を用いた。また、断面閉形状のチューブ状の梁を用い、その長さ(6角形の一辺)を2000mm(展開後の球殻直径9.91m)、外径D=80mm、板厚t=2mmとした。さらに、補強部材であるワイヤ103には鋼製ワイヤを用い、星形に張設した。梁101同士は、剛結合とし、曲げ剛性の向上を図った。
【0072】
[宇宙構造体の応用例]
図29は、上記宇宙構造体の応用例を示す説明図である。宇宙構造体100の各モジュールMに太陽電池パネル301を取り付けて発電モジュール300とする。各モジュールMに太陽電池パネル301を設けることにより、太陽光線が球体の半分に確実に当たることになる。また、発電モジュール300が略球形状であるため、当該発電モジュール300を姿勢制御する必要性がない。このため、発電中に故障が発生する確率は極めて少ない。なお、太陽電池パネル301を全てのモジュールMに設ける必要はなく、必要に応じた数にすることもできる。さらに、太陽電池パネル301の表面を球状に成形すれば、全体として球形に近づくので、太陽光を効率的に受けることができる(図示省略)。なお、太陽電池パネル301から導出する配線は、チューブ状の梁101内を通して、所定箇所に集められる(図示省略)。
【0073】
図30は、太陽発電衛星を示す構成図である。この太陽発電衛星350は、アルミニウム合金或いはCFRPなどの構造材料により構成され、複数のアーム351を備えた主構造体352と、この主構造体352のアーム351先端に設けた発電モジュール300と、主構造体352の一端に設けた送電装置353および送電アンテナ354とから構成されている。主構造体352には、集電のための配線が設けられ、発電モジュール300と送電装置353とを電気的に接続している。また、主構造体352は、テザーチェーン構造であってもよい。
【0074】
送電装置353では、発電モジュール300から送電された直流電流を2.45GHzの高周波マイクロ波に変換する。送電アンテナ354は、送電アンテナ素子を複数アレイ状に配置した構成であり、各送電アンテナ素子には、電力増幅器が設けられている。送電装置353で発生したマイクロ波は前記送電アンテナ354に送られ、当該送電アンテナ354から受信アンテナ(図示省略)に向けて放射する。なお、マイクロ波を正確に受信アンテナに送る方法として、特開平6−327172号公報等に開示の技術が知られている。
【0075】
この他、上述した、宇宙構造体100の展開プログラムを実行するための記憶装置201や処理装置204は、前記送電装置353に内設した制御装置355に含まれる。また、当該制御装置355には、地上との通信を行うと共に地上に対するマイクロ波送電を行う通信システム206および電気回路208が収納されている。前記電源205は、太陽電池パネル301から得る電力でまかなう。
【0076】
この太陽発電衛星350によれば、太陽光線の方向とは無関係に均一な発電を行うことができるから、一般的なパネル状の太陽発電衛星に比べて、姿勢制御の必要がない。このため、姿勢制御用のアクチュエータを省略或いは簡略化することができるから、メンテナンスが困難な宇宙空間における故障の発生を大幅に抑制できる。また、発電モジュール300の配置を自由に設定することができる。
【0077】
例えば図31に示すように、太陽発電衛星360の発電モジュール300を四角平面的に配置することもできる。発電モジュール300は、ナノチューブ構造のビーム361により構成するトラス構造の結合点として利用する。このとき、当該結合はピン結合となるが、曲げモーメントを伝えるため、剛結合のラーメン構造としてもよい。このような構成にすれば、太陽発電衛星360を比較的大型の構造物として利用することができる。
【0078】
さらに、当該太陽発電衛星360が、特定の姿勢で静止軌道上にある場合は、この四角平面の裏側に反射板362を設置するようにしてもよい(図中、点線で示す)。このようにすれば、発電モジュール300の裏側にも太陽光線を照射することができる。また、太陽光線に対して多少傾いていても、多少大きめの反射板362を用いることで、十分な反射光を確保することができる。
【0079】
さらに、図32に示すように、テザーチェーン構造の主構造体371から放射状にアーム372を延設し、このアーム372先端に発電モジュール300を設けるようにしてもよい。このとき、アーム372の延設方向を上下段で変えるようにするのが好ましい。特定の姿勢で静止衛星軌道に乗る場合、他の発電モジュール300により太陽光線がさえぎられ難いようにするためである。また、主構造体371の一端には、送電装置373および送電アンテナ374が設けられている。送電方法は、図30に示した太陽発電衛星と同じである。
【0080】
また、図33に別の太陽発電衛星の構成を示す。この太陽発電衛星は、複数の発電モジュール300をナノチューブ構造のビーム381にテザー382で結合したものである。なお、上記太陽発電衛星において、発電モジュール300の個数は図面に示した数に限定されず、必要な電力に応じて適宜決定することができる。
【0081】
図34は、発電モジュールの変形例を示す構成図である。図35は、図34に示した発電モジュールの集光装置を示す説明図である。この発電モジュール400は、宇宙構造体100Lの内部にさらに宇宙構造体100Sを設置した構成である(図34は、一部破断して表している)。外側の宇宙構造体100LのモジュールMには、太陽光線を集光する集光装置401が設けられている。この集光装置401は、図35(a)に示すように、モジュールMの内面に矩形のミラー402を複数設けた構成であり、梁101に設置した制御用のサーボモータ403により回転制御されている。一方、内側の宇宙構造体100SのモジュールMには、太陽電池パネル404が設置されている。
【0082】
また、上記発電モジュール400は、主構造体のアーム405に設置されている。太陽電池パネル404からの配線は、アーム405および主構造体の中を通り、送電アンテナに接続されている(図示省略)。なお、宇宙構造体の展開方法は、上記説明の通りであるが、この発電モジュール400では、外側の宇宙構造体100Lを展開している途中に内側の宇宙構造体100Sを中に入れるようにしてもよいし、両方の宇宙構造体100を同じに展開させ、その過程で外側の宇宙構造体100L内に内側の宇宙構造体100Sが収容されるようにしてもよい。
【0083】
まず、図35(b)に示すように、太陽光線Kは、矩形のミラー402によって反射して、太陽電池パネル404上に集光される。太陽電池パネル404では、この集光した太陽光線Kを光電変換する。かかる構成によれば、大型の太陽電池パネルを用いなくても、集電効率を向上させることができる。なお、前記集光装置401のミラー制御は、アーム先端に設けた制御装置406により行われる。また、上記発電モジュール400では、大型の宇宙構造体100L内に太陽電池パネル404を備えた小型の宇宙構造体100Sを配置したが、宇宙構造体100Sを省略して太陽電池パネルのみを配置するようにしてもよい(図示省略)。
【0084】
また、図36に示すように、前記ミラー402を、矩形のミラー枠407と、このミラー枠407内に設置した複数のミラー408と、当該各ミラー408を回転制御するサーボモータ409とから構成するようにしてもよい。サーボモータ409は、制御装置406により太陽光線を太陽電池パネル404に集光できるように制御される。このようにすれば、発電モジュール400のうち、太陽光線が斜めに当たる部分において太陽光線を適切に太陽電池パネル404に照射させることができるから、さらに集光効率を向上させることができる。なお、図34および図35に示した集光装置401のミラー数は、8枚〜10枚程度が好ましいが、これ以外の個数であっても構わない。
【0085】
図37は、宇宙構造体を用いた宇宙基地を示す説明図である。この宇宙基地500は、宇宙構造体100を月面Bにおいて使用するものであって、宇宙構造体100内にはインフレータブル膜構造の与圧ブロック501が設けられている。この与圧ブロック501は、宇宙構造体100内部で膨らませた後、内部に構造体を設けるか或いは膨らませた状態でモジュールと結合し(図示省略)、宇宙基地500として使用することができる。さらに、モジュールMの面に金属製の防護板502を設けることで、スペースデブリや隕石の落下による与圧ブロックの破損を防止することができる。また、熱や放射線を遮蔽する遮蔽板を設けることにより、宇宙空間における太陽熱の影響や放射線の影響を小さくすることができる。
【0086】
さらに、特定のモジュールMに上記のような太陽電池パネルを設けることにより、基地内の電力を調達することができる。このように、宇宙構造体100を用いることで、簡単に設置でき且つ高い強度を持った宇宙基地500を提供できる。なお、月面Bに設置する場合、簡単な固定手段503によって地面に固定するのが好ましい。
【0087】
図38は、宇宙構造体を惑星探査船に用いた場合を示す構成図である。惑星探査船に利用する場合は、電気推進装置用または船内電源供給用として発電モジュール300を利用する。母船601には、テザー602により発電モジュール300が複数連結されている。また、母船601の側面からはアーム603が延設されており、このアーム603の端部には、電気推進装置604が設けられている。電気推進装置604としては、プラズマジェット、イオンエンジン、コロイドエンジン、MPDアークジェット、マイクロ波加速器などを挙げることができる。
【0088】
発電モジュール300が太陽光線を受けて発電した電力は母船601に送られ、電気推進装置604の電力使用に供される。また、母船601内の電気機器の電力としても使用される。かかる構成によれば、母船601の進行方向に関係なく、常に太陽光線が発電モジュール300に照射されることになる。また、発電モジュール300の姿勢制御が不要であるから、宇宙航行中に故障し難い。
【0089】
[宇宙構造体の形態]
図39は、別形態の宇宙構造体を示す説明図である。この宇宙構造体700は、上記宇宙構造体100とは異なる展開構造を備えたものである。同図に示すように、この宇宙構造体700は、半球の北側(符号「N」)と南側(符号「S」)に別れ、中心となるモジュールMに符号「A」を冠し、このモジュールMAの周囲3辺に均等に符号「B」を冠したモジュールMBを連結し、当該符号「B」を冠したモジュールMBの2辺に符号「C」を冠したモジュールMCを連結し、その最外周のモジュールMC同士を一部連結することにより構成されている。また、この宇宙構造体700は、上記同様、6角柱状態で積層収納されている。この積層順序を表3に示す。同表において、左欄に積層順、中欄に該当するモジュールMを示す。また、展開する順序を右欄に示す。
【0090】
【表3】
Figure 0003864195
【0091】
なお、上記宇宙構造体700において、モジュール間同士は上記同様のジョイントJにより連結されており、また、展開動作中に結合することになるモジュールMA〜MCの各辺には上記同様のカプラーCが設けられている(いずれも図示省略)。このような展開順序によりモジュールMを展開することで、各モジュール同士が干渉することなく展開できるようになる。なお、上記のような展開前後における位置移動については、上記宇宙構造体ほど微少にはならないが、作業上支障が出るほどではない。
【0092】
図40は、120面を有する宇宙構造体を示す斜視図である。この宇宙構造体710は、C120炭素同素体をモデルとして構成されたもので、上記C60タイプの宇宙構造体100を中央の梁711で接合した構成である。その他の構成は、上記宇宙構造体100と同様であるからその説明を省略する。この宇宙構造体710は、120面に太陽電池パネル712を設置することで太陽発電衛星とすることもできるし、宇宙基地として用いることもできる。また、一方の球体部分に太陽電池パネル712を設置し、他方の球体内部に高周波マイクロ波の形で送電を行う送電アンテナを設置するようにしてもよい(図示省略)。宇宙構造体710を展開するには、まず、両方の球体部分を個別に展開(図14〜図28参照)してからそれぞれを所定位置に移動し、続いて中央の梁711をもって結合すればよい。
【0093】
図41は、ドーナッツ形状の宇宙構造体を示す斜視図である。同図(a)に示す宇宙構造体720は、上記6角形のモジュールMをドーナッツ形状に組み合わせた構成である。上記同様、この宇宙構造体720のモジュールMに太陽電池パネル721を設置して太陽発電衛星としてもよいし、モジュールMに隔壁を設け、宇宙ステーションとして使用するようにしてもよい。さらにC60タイプの宇宙構造体100と組み合わせて用いることもできる。例えば、同図(b)に示すように、C60タイプの宇宙構造体100に太陽電池パネル301を設置すると共に、これをC200タイプの宇宙構造体720の両側に設置し、C200タイプの宇宙構造体720のモジュールに隔壁722を設けて有人衛星とすることができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の宇宙構造体は、断面に円形部分を持ち、中空殻状構造の構成要素である6角形をした複数のモジュールと、モジュールの辺同士を回転可能に連結する回転連結手段と、モジュールの展開に応じてモジュールの辺同士が接したとき、当該辺同士を連結して固定し得る連結固定手段とを備え、回転連結手段をもってモジュールを折り畳んだ状態から、モジュールを展開して中空殻状構造に変形させるとき、モジュール同士が干渉しないように当該モジュールに前記回転連結手段と連結固定手段とを組み合わせて取り付けたものである。このため、宇宙空間でモジュールを確実に展開することが可能であり、宇宙空間に打ち上げるときは、回転連結手段をもって折り畳むことでコンパクトに収納でき、一方、宇宙空間に打ち上げたときは、モジュールを展開し、連結固定手段によりモジュール同士を固定することで、全体として中空殻状構造の宇宙構造体を構成することができる。このようにして形成した宇宙構造体は、構造的に安定で強度の高いものとなり、様々な用途に用いることが可能になる。
【0095】
また、この発明の宇宙構造体では、前記モジュールを6本の梁からなる枠体構造にし、この枠体構造の節同士を接続するワイヤーその他の補強部材を設けたので、宇宙構造体の剛性を向上することができる。
【0096】
また、この発明の宇宙構造体では、面内で折り畳み可能なように前記枠体の節に関節を設けたので、宇宙構造体をさらにコンパクトに折り畳むことができる。
【0097】
また、この発明の宇宙構造体(請求項4)では、6本の梁からなる枠体構造のうち、対向する二対の梁の中央に中央関節を設けると共に、当該二対の梁が共用する関節部分の間にアクチュエータによって伸縮する伸縮手段を渡したことにより、宇宙構造体をさらにコンパクトに折り畳むことができる。
【0098】
また、この発明の宇宙構造体(請求項5)では、モジュールを展開するにあたり、無重力下における展開時の力バランスをシミュレーションによって求め、展開前と展開後における空間の位置ずれが小さくなる展開パターンに基づき、モジュールに前記回転連結手段と固定連結手段とを組み合わせて取り付けたので、展開時のモジュールの移動を極めて小さく抑制することができる。
【0099】
また、この発明の宇宙構造体では、球殻形状を形成し得る20個の6角形モジュールのうち、5個のモジュール(M1〜M5)が各一辺をもってC字形状に連結され、つぎのモジュール(M6)が、前記C字後端に位置するモジュール(M5)のC字を構成する外側最外辺と連結しており、当該モジュール(M6)を含めた8個のモジュール(M6〜M15)が各一辺をもってジグザグになって略直線状に連結され、つぎの5個のモジュール(M16〜M20)が各一辺をもって逆C字形状に連結され、前記直線状に連結したモジュール(M6〜M15)のうち、端に位置するモジュール(M15)が、前記逆C字先端に位置するモジュール(M16)の逆C字を構成する外側最外辺と連結する複数の回転連結手段と、上記回転連結手段をもって各モジュールを展開したとき、その辺で接触するモジュール同士を連結する複数の連結固定手段とを備えた。このため、前記最初のモジュール(M1)から最後のモジュール(M20)を順次積層した状態から、例えば、各モジュール間にある回転連結手段を、J1、J2…J18、J19で表した場合、まず、J1、J2、J3、J5、J4、J7、J6の順で一つずつ、つぎに、J8およびJ9、J10およびJ11、J12およびJ13、J14およびJ15、J16およびJ17の順で二つずつ、そして、J18、J19の順で一つずつ、前記モジュールを展開することで、モジュールを干渉させることなく、展開することができる。なお、当該例示の展開方法によれば、さらに、宇宙構造体の展開前と展開後の移動を小さく抑えることが可能になる。
【0100】
また、この発明の宇宙構造体の展開システムでは、上記宇宙構造体と、モジュールが折り畳まれた状態を保持すると共に解除命令に基づいて前記保持を解除する一時保持手段と、展開命令に基づいて前記回転連結手段を中心としてモジュールを展開させる展開手段と、宇宙構造体に設置され且つ保持手段および展開手段に対して解除命令および展開命令を出す制御手段とを備えたので、宇宙構造体を宇宙空間において展開することができる。
【0101】
また、この発明の宇宙構造体の展開システムでは、宇宙構造体と地上との間で通信を行う通信手段と、地上に設置され、通信手段を介して前記制御手段に解除命令または展開命令を出すよう指令する指令手段とを備えたので、地上から遠隔操作により宇宙構造体を展開できる。
【0102】
また、この発明の宇宙構造体では、宇宙構造体に、利用可能な内部空間を有するインフレータブル膜構造の与圧ブロックを内設することで、当該宇宙構造体を与圧ブロックの保護構造として用いることができる。例えばモジュールに防護壁を設けることで、スペースデブリなどの衝突から与圧ブロックを保護することが可能になる。また、放射線の遮蔽板を設けることにより、与圧ブロック内の被爆を抑制することができるようになる。
【0103】
また、この発明の太陽発電モジュールでは、上記宇宙構造体のモジュールに太陽電池パネルを設置したので、姿勢制御をすることなく、太陽光発電を行うことができる。
【0104】
また、この発明の太陽発電モジュールでは、上記宇宙構造体のモジュールに複数の反射鏡を設けると共に、これら反射鏡の角度を制御するサーボモーターを設け、当該宇宙構造体の内部に太陽電池パネルを設置したので、太陽電池パネルに対してより大きな宇宙構造体を用いて集光することができる。
【0105】
また、この発明の太陽発電モジュールでは、前記太陽電池パネルを、前記宇宙構造体の内部に設置した小型の宇宙構造体のモジュールに設置したので、反射鏡で集光した太陽光線が小型の宇宙構造体に設置した太陽電池パネルで光電変換されることになるから、集光効率が向上する。
【0106】
また、この発明の太陽発電衛星では、複数の太陽発電モジュールと、当該太陽発電衛星を支持する主構造体と、この太陽発電衛星により発電した電力を高周波マイクロ波に変換してアンテナから送電する送電手段とを備えたので、太陽発電モジュールによって発電した電力を、高周波マイクロ波の形態で地上に送電することができる。
【0107】
また、この発明の宇宙船は、上記宇宙航行用の母船と、この母船に取り付けた上記太陽発電モジュールと、同じく母船に取り付けられ、前記太陽発電モジュールにより発電した電力により推進力を得る電気推進器とを備えたので、故障によりエネルギーの供給が不能になるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる宇宙構造体を示す斜視図である。
【図2】図1に示した宇宙構造体を示す平面展開図である。
【図3】図1に示したモジュールの一例を示す説明図である。
【図4】補強部材の取付形態の変形例を示す説明図である。
【図5】図1に示したジョイント構造を示す説明図である。
【図6】図1に示したカプラーの構造を示す斜視図である。
【図7】モジュールを折り畳んだ状態を示す説明図である。
【図8】ノッチ・ピン式の仮固定装置を示す説明図である。
【図9】モジュールの構造の変形例を示す説明図である。
【図10】宇宙構造体の収納形態を示す説明図である。
【図11】宇宙構造体の展開システムを示す構成図である。
【図12】図11に示した展開システムの機能ブロック図である。
【図13】この展開システムの動作を示すフローチャートである。
【図14】宇宙構造体の展開過程(展開前)を示す説明図である。
【図15】宇宙構造体の展開過程(ステップ1)を示す説明図である。
【図16】宇宙構造体の展開過程(ステップ2)を示す説明図である。
【図17】宇宙構造体の展開過程(ステップ3)を示す説明図である。
【図18】宇宙構造体の展開過程(ステップ4)を示す説明図である。
【図19】宇宙構造体の展開過程(ステップ5)を示す説明図である。
【図20】宇宙構造体の展開過程(ステップ6)を示す説明図である。
【図21】宇宙構造体の展開過程(ステップ7)を示す説明図である。
【図22】宇宙構造体の展開過程(ステップ8)を示す説明図である。
【図23】宇宙構造体の展開過程(ステップ9)を示す説明図である。
【図24】宇宙構造体の展開過程(ステップ10)を示す説明図である。
【図25】宇宙構造体の展開過程(ステップ11)を示す説明図である。
【図26】宇宙構造体の展開過程(ステップ12)を示す説明図である。
【図27】宇宙構造体の展開過程(ステップ13)を示す説明図である。
【図28】宇宙構造体の展開過程(ステップ14、展開後)を示す説明図である。
【図29】宇宙構造体の応用例を示す説明図である。
【図30】太陽発電衛星を示す構成図である。
【図31】太陽発電衛星の変形例を示す斜視図である。
【図32】太陽発電衛星の別の変形例を示す斜視図である。
【図33】太陽発電衛星の別の変形例を示す斜視図である。
【図34】発電モジュールの変形例を示す構成図である。
【図35】図34に示した発電モジュールの集光装置を示す説明図である。
【図36】図34に示した発電モジュールの変形例を示す斜視図である。
【図37】宇宙構造体を用いた宇宙基地を示す説明図である。
【図38】宇宙構造体を惑星探査船に用いた場合を示す構成図である。
【図39】別形態の宇宙構造体を示す説明図である。
【図40】120面を有する宇宙構造体を示す斜視図である。
【図41】ドーナッツ形状の宇宙構造体を示す斜視図である。
【図42】従来の太陽発電衛星の一例を示す構成図である。
【図43】図42に示した発電モジュールを示す構成図であり、(a)が正面図、(b)が断面図である。
【符号の説明】
100 宇宙構造体
101 梁
102 結合部
103 ワイヤ
M1〜M20 モジュール
J1〜J19 ジョイント
C1〜C11 カプラー
200 展開システム
201 記憶装置
204 処理装置
205 電源
206 通信システム
207 通信アンテナ
208 電気回路
209 地上指令基地
210 遠隔操作システム
211 通信アンテナ
212 通信システム
213 遠隔操作プログラム
214 コンピューター
217 インターネット
218 太陽電池パネル
300 発電モジュール
301 太陽電池パネル
350 太陽発電衛星
351 アーム
352 主構造体
353 送電装置
354 送電アンテナ

Claims (11)

  1. 断面に円形部分を持ち、中空殻状構造の構成要素である6角形をした複数のモジュールと、モジュールの辺同士を回転可能に連結する回転連結手段と、モジュールの展開に応じてモジュールの辺同士が接したとき、当該辺同士を連結して固定し得る連結固定手段とを備え、
    更に、前記モジュールを6本の梁からなる枠体構造にし、この枠体構造の節同士を接続するワイヤーその他の補強部材を設けると共に、
    前記モジュールの面内で折り畳み可能なように前記枠体の節に関節を設け、
    且つ、前記6本の梁からなる枠体構造のうち、対向する二対の梁の中央に中央関節を設けると共に、当該二対の梁が共用する関節部分の間にアクチュエータによって伸縮する伸縮手段を渡したことを特徴とする宇宙構造体。
  2. 球殻形状を形成し得る20個の6角形モジュールを有し、かつ、そのうちの5個のモジュール(M1〜M5)が各一辺をもってC字形状に連結され、つぎのモジュール(M6)が、前記C字後端に位置するモジュール(M5)のC字を構成する外側最外辺と連結しており、当該モジュール(M6)を含めた10個のモジュール(M6〜M15)が各一辺をもってジグザグになって略直線状に連結され、つぎの5個のモジュール(M16〜M20)が各一辺をもって逆C字形状に連結され、前記直線状に連結したモジュール(M6〜M15)のうち、端に位置するモジュール(M15)が、前記逆C字先端に
    位置するモジュール(M16)の逆C字を構成する外側最外辺と連結する複数の回転連結手段と、
    上記回転連結手段をもって各モジュールを展開したとき、その辺で接触するモジュール同士を連結する複数の連結固定手段と、
    前記最初のモジュール(M1)から最後のモジュール(M20)を順次積層した状態から、各モジュール間にある回転連結手段を、J1、J2...J18、J19で表した場合、まず、J1、J2、J3、J5、J4、J7、J6の順で一つずつ、つぎに、J8及びJ9、J10及びJ11、J12及びJ13、J14及びJ15、J16及びJ17の順で二つずつ、そして、J1、J1の順で一つずつ、前記モジュールを展開するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする宇宙構造体。
  3. 前記宇宙構造体に、利用可能な内部空間を有するインフレータブル膜構造の与圧ブロックを内設した請求項1または2に記載の宇宙構造体。
  4. 上記請求項1〜3のいずれか1項に記載した宇宙構造体と、モジュールが折り畳まれた状態を保持すると共に解除命令に基づいて前記保持を解除する一時保持手段と、展開命令に基づいて前記回転連結手段を中心としてモジュールを展開させる展開手段と、宇宙構造体に設置され、保持手段及び展開手段に対して解除命令及び展開命令を出す制御手段とを備え、
    前記一時保持手段は、爆発ボルトであることを特徴とする宇宙構造体の展開システム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した宇宙構造体のモジュールに複数の反射鏡を設けると共に、これら反射鏡の角度を制御するサーボモーターを設け、当該宇宙構造体の内部に太陽電池パネルを設置したことを特徴とする太陽発電モジュール。
  6. 前記宇宙構造体の内部に更に宇宙構造体を設け、内側の宇宙構造体のモジュールに前記太陽電池パネルを設置したことを特徴とする請求項5に記載の太陽発電モジュール。
  7. 宇宙航行用の母船と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の宇宙構造体のモジュールに太陽電池パネルを取り付けた構造の、前記母船に取り付けた太陽発電モジュールと、同じく母船に取り付けられ、前記太陽発電モジュールにより発電した電力により推進力を得る電気推進器とを備えたことを特徴とする宇宙船。
  8. 請求項3に記載の宇宙構造体の特定モジュールに太陽電池パネルを取り付けたことを特徴とする宇宙基地。
  9. 20個の6角形モジュールを、複数の回転連結手段により、そのうちの5個のモジュール(M1〜M5)を各一辺をもってC字形状に連結し、つぎのモジュール(M6)を、前記C字後端に位置するモジュール(M5)のC字を構成する外側最外辺に連結し、当該モジュール(M6)を含めた10個のモジュール(M6〜M15)を各一辺をもってジグザグになって略直線状に連結し、つぎの5個のモジュール(M16〜M20)を各一辺をもって逆C字形状に連結し、前記直線状に連結したモジュール(M6〜M15)のうち、端に位置するモジュール(M15)を、前記逆C字先端に位置するモジュール
    (M16)の逆C字を構成する外側最外辺と連結し、前記最初のモジュール(M1)から最後のモジュール(M20)を順次積層した状態から、各モジュール間にある回転連結手段を、J1、J2...J18、J19で表した場合、まず、J1、J2、J3、J5、J4、J7、J6の順で一つずつ、つぎに、J8及びJ9、J10及びJ11、J12及びJ13、J14及びJ15、J16及びJ17の順で二つずつ、そして、J1、J1の順で一つずつ、前記モジュールを展開することを特徴とする宇宙構造体の展開方法。
  10. 球殻形状を形成し得る20個の6角形モジュールを有し、かつ、半球の北側(符号「N」)と南側(符号「S」)に別れ、中心となるモジュールMに符号「A」を冠し、このモジュールMAの周囲3辺に均等に符号「B」と連番1〜3を冠したモジュールMBを連結し、当該符号「B」を冠したモジュールMBの隣接していない1辺おきの2辺に符号「C」と各連番1〜3に更に連番1,2を冠したモジュールMCを連結し、隣接する最外周のモジュールMC同士の、モジュールMBに連結されておらず、かつモジュールMBに連結されている辺とは隣接しない一辺同士を連結すると共に、
    前記モジュールを順次積層した状態から、CS11,CN11が1番目に、BS1,BN1が2番目に、CS12,CN12が3番目に、AS,ANが4番目に、BS2,BN2が5番目に、CS21,CN21が6番目に、CS22,CN22が7番目に、BS3,BN3が8番目に、CS31,CN31が9番目に、CS32,CN32が10番目に展開されるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする宇宙構造体。
  11. 20個の6角形モジュールを、半球の北側(符号「N」)と南側(符号「S」)に別れ、中心となるモジュールMに符号「A」を冠し、このモジュールMAの周囲3辺に均等に符号「B」と連番1〜3を冠したモジュールMBを連結し、当該符号「B」を冠したモジュールMBの隣接していない1辺おきの2辺に符号「C」と各連番1〜3に更に連番1,2を冠したモジュールMCを連結し、隣接する最外周のモジュールMC同士の、モジュールMBに連結されておらず、かつモジュールMBに連結されている辺とは隣接しない一辺同士を連結すると共に、
    前記モジュールを順次積層した状態から、CS11,CN11が1番目に、BS1,BN1が2番目に、CS12,CN12が3番目に、AS,ANが4番目に、BS2,BN2が5番目に、CS21,CN21が6番目に、CS22,CN22が7番目に、BS3,BN3が8番目に、CS31,CN31が9番目に、CS32,CN32が10番目に展開されることを特徴とする宇宙構造体の展開方法。
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