JP2001105762A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JP2001105762A
JP2001105762A JP29265799A JP29265799A JP2001105762A JP 2001105762 A JP2001105762 A JP 2001105762A JP 29265799 A JP29265799 A JP 29265799A JP 29265799 A JP29265799 A JP 29265799A JP 2001105762 A JP2001105762 A JP 2001105762A
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porous layer
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porous
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JP29265799A
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English (en)
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Saori Kubota
小織 窪田
Isato Momotake
勇人 百武
Kazumi Aoba
和巳 青葉
Koji Kitamura
孝司 北村
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Iwatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低出力、現像処理不要の高画質レーザー出力
平版印刷版を提供する。 【解決手段】 撥油性または親水性の表面層とその下の
多孔層及び支持体とから構成される平版印刷版におい
て、レーザー照射にて発生する光または熱により溶融し
た表面層を吸収する多孔層を機能別に多層化させること
により高画質の画像を形成する、低出力かつ現像処理不
要の平版印刷版を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像不要なレーザ
ー出力平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの普及につれ、版材構成と
ともに種々の平版の製版方法が提案されている。実用面
からは、版下からポジ若しくはネガフィルムを作成して
平版印刷原版に焼き付ける方法が一般に行われている
が、該フィルムを介することなく版下から直接製版する
電子写真版や銀塩写真版、あるいは、電子組版、DTP
で編集・作成された印刷画像情報を可視画像化すること
なく、直接版材にレーザー若しくはサーマルヘッド等で
印字し製版する、所謂コンピューター・ツー・プレート
(CTP)タイプの平版材が登場するに至っている。
【0003】これらはまだ普及初期の段階であるが、特
にCTPタイプは製版工程の合理化と短縮化、材料費節
減が可能となることから大いに期待されている。かかる
CTP版材としては、感光性、感熱性あるいは電気エネ
ルギーで製版する版材が知られている。感光性タイプの
版材は、有機半導体、銀塩+感光性樹脂系、高感度感光
性樹脂等の材料を塗布しArレーザー、半導体レーザー
等で光照射による印字を行い、引き続き現像して製版さ
れる。
【0004】しかしながら、これらの版材および製版工
程は、市場が要求するコスト削減を十分満足するには至
っていない上に、明室での作業が困難であるため普及に
は至っていない。さらに、これらは現像液の廃棄処理の
問題も有する。明室作業を可能にし、現像処理不要の技
術としては支持体上に感光性層、シリコーンゴム層をこ
の順に塗布し、感光性層の露光部で生ずる熱に応答して
シリコーンゴム層をアブレーションにより除去する方法
があり、例としては特開昭50−158405号、特許
公報第2735508号が挙げられる。しかしながら、
上記の版材は感度が低いため、実用レベルのスピードで
出力するには大出力の半導体レーザーを多数必要とし、
高価格な装置が必要となるとともに、アブレーションに
より発生する露光部のシリコーンゴムのくずのため、露
光後に露光部シリコーン層を除去する工程が必要とな
り、より安価で取り扱いの容易な高画質の印刷版材が強
く望まれている。
【0005】そこで、本願発明者らは先きに特願平11
−124224号の発明を提案した。この発明の平版印
刷版では光熱変換剤を含む光熱変換層を単層のみとして
存在させる構成とした。しかしIR染料等の光熱変換剤
は高価なものが多く、版製造にあたってはかかるコスト
の中で大きな割合を占めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、レーザー記録が可能で光熱変換剤等にかかるコスト
も低く、高感度で取り扱いが容易で現像処理の不要な高
画質の平版印刷版を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、機能別に多層化した多孔層を設け、光熱変換剤の
発熱効果で表面層及び光熱変換剤を含有した多孔層を溶
融浸透させることを特徴とする平版印刷版を実現するこ
とによって前記の目的を達成するに至った。本発明にお
いては、製版即ち記録に用いられるレーザー光エネルギ
ーが、本発明の平版原版中に存する光熱変換剤によって
変換された熱エネルギーによって、光熱変換剤を含んだ
多孔層が表面層と共に溶融し多孔層に浸透することによ
り露光部における表面層の融除が容易となる。光熱変換
剤を含有しない多孔層は、溶融した表面層及び光熱変換
剤を含有した多孔層を吸収するとともに、断熱効果で支
持体へのダメージを防ぐ。
【0008】さらに本発明では光熱変換剤を含有してい
る多孔層を光熱変換剤の含有量を変化させた複数の層に
分けることによって、従来よりも少ない光熱変換剤の量
で同等の感度を実現できるため、大幅なコスト削減が可
能である。また、光熱変換剤を含有している多孔層の下
に光熱変換剤を含有していない多孔層を設けることによ
り、書き込み深さが浅くなり、インキの着肉性が上がる
ことから画像性が向上する。さらに、書き込み深さが浅
くなるため、書き込みに必要なエネルギーが従来の方法
に比べ少なくなる。
【0009】光熱変換剤を含まない多孔層を複数に分け
る効能としては、例えば支持体側の多孔層の樹脂分を上
げ、その上の多孔層は従来と同じものを使用すること
で、従来の断熱効果を保ちつつ、支持体との結着性を向
上させられることが挙げられる。次に、それぞれの層の
役割についてより具体的に述べると、例えば光熱変換剤
を含む多孔層を2層にした場合、表面層側の層に含まれ
る光熱変換剤の量を従来の量にし、その下の多孔層に含
まれる光熱変換剤量を半減しても、従来と同等の感度で
書き込めるため、高価な光熱変換剤の使用量を押さえる
ことが可能である。また、光熱変換剤を含まない多孔層
を2層にした場合、支持体側の多孔層のバインダー樹脂
量を多くして支持体との結着性を高め、その上の多孔層
はバインダー樹脂量を少なくすることにより、浸透のし
やすさ及び断熱効果を高めることが可能である。
【0010】本発明はレーザーで直接書き込むため現像
処理は不要であり、アブレーションで表面層と支持体間
の密着性を低下させるかまたは表面層を気化させるのに
比べ、表面層を融かす程度のエネルギーしか必要でない
ことから、短時間出力を低出力レーザー書き込みで達成
することができる。低出力レーザーでの書き込みが可能
になれば書き込み装置の価格はより安価になり、さらに
消費電力も少なくなることから大幅なコスト低減につな
がる。また、表面層を下の層に浸透させるためアブレー
ションでは発生する表面層のくずもなく、くずを擦り除
く作業も不要となるために取り扱いが容易となる。多孔
層に光熱変換剤を入れることにより熱の横方向への伝導
を押さえながら表面層が光熱変換剤を含んだ多孔層ごと
溶融し多孔層に吸収されるため、リムのないキレの良い
画像を形成することができることから前記の目的を達成
できた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳しく説明す
る。本発明に於いて、多孔層は光熱変換剤を含有させ
る、水及びインキに対する親和力の異なる材料を用い
る、組成物の種類及び/あるいは濃度を変化させる、断
熱効果を高める及びレーザー光効率使用のため反射率を
高める等の目的によって機能別に多層化させたものとす
る。多孔層には粒子状または粉末状物質を比較的少量の
バインダーポリマーで分散し、塗布したものを用いるこ
とができる。多孔層の材質は表面層溶融液体に対してぬ
れ性の良いものであることが好ましい。多層化している
多孔層のうち一部は溶融浸透した表面層を保持するよう
な空間を持った不織布や紙、プラスチックフィルムなど
でもよい。この場合、不織布や紙、プラスチックフィル
ムなどを支持体と多孔層両方の機能を持つものとして使
うこともできる。
【0012】粒子状または粉末状物質の粒径は0.01
〜10μmの範囲にあることが好ましく、より好ましく
は0.1〜5μmの範囲である。粒径が小さすぎると多
孔層中の空隙が少なくなり、表面層の浸透が不十分にな
るが、粒径が大きすぎると画像性の低下の原因になる。
多孔層を粒子状または粉末状物質をバインダーポリマー
で分散して作製する場合、粒子または粉末状物質:バイ
ンダーポリマーの比率は0.5〜50:1が好ましく、
より好ましくは1〜30:1である。バインダー量が少
なすぎると多孔層の強度が低下し印刷に耐えられなくな
り、粒子または粉末状物質の量が少なすぎると表面層の
多孔層への浸透が不十分になる。
【0013】粒子状または粉末状物質の素材としては金
属酸化物、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、ゼオライト、
セラミック等の無機顔料、中空粒子等の高分子粒状体を
用いることができるが、多孔層を表面層とともに溶融す
る点では中空粒子は特に有効で、表面層は中空粒子とと
もに溶融し、中空粒子内部に浸透する。また、素材はこ
れらに限定されるものではなく、これらは単独で使用し
ても、2種以上組み合わせて使用してもよい。このよう
な粒子状または粉末状物質としては、「中空ポリマー」
(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)等の
商品名で販売されているものを用いることができる。粒
子状または粉末状物質を分散する方法としては、顔料の
分散で一般的に用いられる公知の分散技術が使用でき
る。分散機または攪拌機としては、超音波分散機、サン
ドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ダ
イノーミル、ボールミル、インペラー、マグネティック
スターラー等が使用できる。詳細は、「コーティング方
式」(槇書店)、「サスペンション(固/液分散系)を
中心とした分散技術と工業的応用の実際総合資料集」
(経営開発センター出版部)に記載されている。
【0014】多孔層を形成するバインダーポリマーは粒
子状または粉末状物質を分散する公知のバインダーが使
用され、その例としては、セルロース、ニトロセルロー
ス及びエチルセルロース等のセルロース誘導体類、アク
リル酸エステルの単独重合体および共重合体、ポリメチ
ルメタクリレート及びポリブチルメタクリレート等のメ
タクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体、アクリ
ル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリス
チレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーの
単独重合体及び共重合体、ポリイソプレン及びスチレン
−ブタジエン共重合体等の各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類の単独重合体、酢酸ビニル−
塩化ビニル共重合体等のビニルエステル含有の共重合
体、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル及びポリ
カーボネート等の縮合系各種ポリマー等が挙げられる。
使用できるバインダーはこの限りではなく、単独又は混
合して使用される。
【0015】多孔層の分散に用いる溶媒はバインダー樹
脂に対し溶解性が良いものが好ましく、樹脂に応じて選
択することができる。例えばメチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸アミル、
プロピオン酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素類、メチルセロソルブ、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、さらにはプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ベントキノン、
ジメチルホルムアミド等常用しているものを用いること
ができ、バインダー樹脂が水系の場合、水を溶媒として
使うこともできる。使用できる溶媒はこの限りではな
く、単独又は混合して使用される。
【0016】多孔層のうち光熱変換剤を含む層に関し
て、光熱変換剤としては、光吸収領域が書き込みに使用
されるレーザー光の波長に合った各種の有機色素、有
機、無機の顔料、金属及び金属酸化物等が使用可能であ
ることが従来より知られている。レーザーが近赤外線レ
ーザー光源である場合、具体的には、特開平9−292
703号等に記載されているカーボンブラックや「特殊
機能色素」(池森・住谷編集、1986年(株)シーエ
ムシー発行)、「機能性色素の化学」(檜垣編集、19
81年(株)シーエムシー発行)、「色素ハンドブッ
ク」(大河、平嶋、松岡、北尾編集、講談社発行)、
(株)日本感光色素研究所が1995年に発行したカタ
ログ及びExcition Inc.が1989年に発
行したレーザー色素カタログ等に記載されている近赤外
領域に吸収を有する色素を使用することができる。ま
た、光熱変換剤の量は該光熱変換剤含有多孔層中の粒子
状または粉末状物質及びバインダー樹脂の総量に対して
1〜60wt%であることが望ましい。
【0017】光熱変換剤を含有している多孔層の下層に
白色度の高い中空粒子等の反射率の高い材料で形成した
多孔層を設けると、光熱変換剤を含んだ多孔層を透過し
たレーザー光が反射し、再度光熱変換剤に吸収され、高
感度化を図ることができる。多孔層各層を形成する場
合、機械的強度を向上させたり、レーザー記録感度を向
上させたり、光熱変換剤等の分散性を向上させたり、隣
接する層に対する密着性を向上させる等種々の目的に応
じて多孔層中の任意の層に各種の添加剤を添加するのが
良い。書き込みによって溶けた表面層構成要素は基本的
にはその書き込み部の下に存在する多孔層に保持されな
ければならない。従って、各多孔層の厚さの合計は2〜
100μm、好ましくは3〜30μmであるが、用いる
支持体や表面層の種類や厚さにより最適な厚さは変動す
る。一般には3〜20μmが最も好ましい。
【0018】多孔層を塗布する方法としては、種々の方
法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗
布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ
塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等
を挙げることができ、乾燥して層を形成することができ
る。多孔層各層の空隙は表面層を溶融浸透させる以外に
断熱効果による感度向上の効果もある。高感度化の例と
しては空洞含有プラスチックフィルム上に光熱変換層と
上層を設けるアブレーションの例(特開平9−3147
94)が挙げられるが、アブレーションでは表面層と支
持体間の密着性を低下させ、または表面層を気化させた
後、画像部に残った表面層を洗浄等によって擦り取る後
処理が必要である。本発明では表面層を多孔層に溶融浸
透させるために、画像部の表面層は印刷に不都合となる
形で版上に残らず、後処理は不要となる。
【0019】本発明に用いられる支持体は通常の平版印
刷機にセットできるたわみ性を有し、印刷時にかかる荷
重に耐えうるものであればいかなるものも用いることが
でき、層構成も含めて特に限定されない。例えば、コー
ト紙などの紙類、ポリエチレンテレフタレート等のプラ
スチックフィルム類、アルミニウム板等の金属板を例と
して挙げることができる。紙類は、典型的には高分子で
コーティング又は浸漬がなされ、耐水性、寸法安定性及
び強度を付与されたものである。またプラスチックフィ
ルム類の場合、表面の密着性向上、帯電防止性向上等の
ため、該支持体に、コロナ放電処理、マット化易接着処
理、帯電防止処理等の各種表面処理を施してもよい。支
持体の膜厚は25μm〜3mm、好ましくは75〜500
μmが適当であるが、用いる支持体の種類と多孔層の種
類、印刷条件等により最適な厚さは変動する。一般には
100〜300μmが最も好ましい。
【0020】多孔層の上部に存在する表面層は印刷の方
式によって水無印刷では撥油性、湿し水を用いる印刷で
は親水性又は親油性が必要となる。ここで親水性が必要
となるのはレーザー書き込み部にインクが着肉し画像部
を形成する場合であり、親油性が必要となるのはレーザ
ー書き込み部を親水性とし、非書き込み部を画像部とす
る場合である。該撥油性層は、インク反発性表面を有す
る任意の材質が使用できる。インク反発性表面を有する
材質としては、公知のインキ反発性シリコーン樹脂を使
用することができ、例えば「KNS320A」(信越化
学工業株式会社製)等の商品名で販売されているものを
用いることもできる。該親水性層は、親水性表面を有す
る任意の材質が使用でき、湿し水を用いた印刷用版材の
親水層として用いられている公知の材料を使用すること
ができるが、例えばポリビニルアルコールや硬膜化させ
たゼラチンなどが挙げられる。
【0021】また、表面層を親油性層とする場合はバイ
ンダーポリマー中に疎水性基を有する公知の各種添加剤
を添加する。添加剤としては例えばp−オクチルフェノ
ール・ホルマリンノボラック樹脂、p−ブチルフェノー
ル・ホルマリンノボラック樹脂、p−t−ブチルフェノ
ール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジン変性ノボラック樹
脂等の変性ノボラック樹脂等が挙げられる。これらの添
加剤は表面層を親水性とする場合の光熱変換層兼多孔層
及び/または多孔層に添加することもできる。表面層を
親油性層とする場合は多孔層表面を親水性にする必要が
あり、多孔層のうち少なくとも表面層と接する層におい
ては親水性の粒子状、または粉末状物質で層を形成す
る。表面層の膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.
2〜5μm、さらに好ましくは1〜2μmである。あま
り厚すぎると表面層を溶融させる効率が落ち、薄すぎる
と印刷時の耐刷性が無くなる。表面層には上記材料に対
し必要に応じて溶媒やバインダーを加え溶液となし、光
熱変換剤を含有している多孔層上に塗布した後、乾燥し
て層を形成できる。
【0022】本発明では、形成する各層の下側に接着性
向上などの観点から、各々適切なプライマー層を設ける
ことができる。
【0023】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 (光熱変換剤を含有しない多孔層の作製)下記の混合液
を30分間マグネティックスターラーで攪拌後、分散液
を厚さ188μmのコロナ放電処理を施した透明なポリ
エチレンテレフタレートフィルム東洋紡エステルフィル
ム(東洋紡(株)製)上に乾燥膜厚4μmとなるように
ワイヤーバーで塗布し、光熱変換剤を含まない多孔層を
形成した。 中空粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 7g 水系ウレタン分散体(スーパーフレックス750 第一工業製薬(株)製) 3g 水 5g (光熱変換剤を含有している多孔層Aの作製)下記の混
合液を48時間ガラスボールミルで分散後、分散液を前
記光熱変換剤を含有しない多孔層上にワイヤーバー塗布
し、乾燥膜厚2μmの光熱変換剤を含んだ多孔層Aを形
成した。 中空粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 7g 水系ウレタン分散体(スーパーフレックス750 第一工業製薬(株)製) 3g フタロシアニン系IR吸収染料 0.1g 水 5g (光熱変換剤を含有している多孔層Bの作製)下記の混
合液を48時間ガラスボールミルで分散後、分散液を前
記光熱変換剤を含有している多孔層A上にワイヤーバー
塗布し、乾燥膜厚2μmの光熱変換剤を含んだ多孔層B
を形成した。 中空粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 7g 水系ウレタン分散体(スーパーフレックス750 第一工業製薬(株)製) 3g フタロシアニン系IR吸収染料 0.2g 水 5g (親水性表面層の作製) ポリビニルアルコール(ポバール126H クラレ(株)製) 5g 架橋剤(F−8879D 第一工業製薬(株)製) 0.5g 水 50g 上記の混合溶液を前記光熱変換剤を含んだ多孔層B上に
ワイヤーバーで塗布し、乾燥膜厚2μmの親水性の表面
層を形成し、平版印刷版を得た。得られた本発明の平版
印刷版に、波長830nm、50mWの半導体レーザーをビ
ーム径20μmに集光させ書き込みを行った。
【0024】実施例2 実施例2の平版印刷版は、下記の光熱変換剤を含有しな
い多孔層a,b上に光熱変換剤を含有している多孔層と
して実施例1の光熱変換剤を含有している多孔層Bを乾
燥膜厚4μmとなるように形成し、さらにその上に実施
例1と同様に親水性表面層を形成し、作製した。 (光熱変換剤を含有しない多孔層aの作製)下記の混合
液を30分間マグネティックスターラーで攪拌後、分散
液を厚さ188μmのコロナ放電処理を施した透明なポ
リエチレンテレフタレートフィルム東洋紡エステルフィ
ルム(東洋紡(株)製)上に乾燥膜厚2μmとなるよう
にワイヤーバーで塗布し、光熱変換剤を含まない多孔層
aを形成した。 中空粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 6g 水系ウレタン分散体(スーパーフレックス750 第一工業製薬(株)製) 4g 水 6g (光熱変換剤を含有しない多孔層bの作製)下記の混合
液を30分間マグネティックスターラーで攪拌後、前記
光熱変換剤を含有しない多孔層a上に乾燥膜厚2μmと
なるようにワイヤーバーで塗布し、光熱変換剤を含まな
い多孔層bを形成した。 中空粒子(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製) 7g 水系ウレタン分散体(スーパーフレックス750 第一工業製薬(株)製) 3g 水 5g 得られた平版印刷版に、実施例1と同様に書き込みを行
った。
【0025】実施例3 実施例3の平版印刷版は、実施例2と同様に光熱変換剤
を含有しない多孔層a及びbを形成し、その上に実施例
1と同様に光熱変換剤を含有している多孔層A,B及び
親水性表面層を形成し、作製した。得られた平版印刷版
に、実施例1と同様に書き込みを行った。
【0026】比較例1 比較例1の平版印刷版は、光熱変換剤を含まない多孔層
を設けずに実施例1の光熱変換剤を含有している多孔層
Bと同様の層を膜厚8μmで直接ポリエチレンテレフタ
レート上に塗布し、その上に実施例1と同様に親水性表
面層を形成して作製した。得られた平版印刷版に、実施
例1と同様に書き込みを行った。書き込みを行った結
果、20μmの幅で線が書き込み可能な版面エネルギー
は本発明の実施例1,2及び3の平版印刷版が78mJ/
cm2 であり、光熱変換剤を含有しない多孔層を有しない
比較例1の平版印刷版は88mJ/cm2 であった。実施例
1及び3の平版印刷版は光熱変換剤の全体含有量が少な
いにも関わらず実施例2と同じエネルギーで書き込みが
可能であった。また、実施例2及び3の平版印刷版では
引っ掻き等に対する版の強度が実施例1及び比較例1の
平版印刷版に比べて向上していた。本発明の実施例1,
2及び3の平版印刷版では書き込み部の比較的上部の多
孔層及び親水性表面層が多孔層に溶融浸透して書き込み
部は光熱変換剤を含まない多孔層上部を上辺とした台形
状のキレのよいへこみを形成し、多孔層が露出した。比
較例1では書き込み部の多孔層及び親水性表面層が放物
線状に大きなへこみを形成し、多孔層が露出し、支持体
であるPETフィルムが部分的にダメージを受けてい
た。実施例1,2,3及び比較例1の平版印刷版は書き
込み時に表面層がドーム状になることもなく、リムも形
成しないため、こすって洗うなどの後処理なしにそのま
まオフセット印刷機にて印刷することができ、1000
0枚の良好な画像を得ることができた。特に実施例1,
2及び3の平版印刷版においてはキレのよい画像が得ら
れた。
【0027】
【発明の効果】本発明により、レーザー記録が可能で光
熱変換剤等にかかるコストも低く、高感度で取り扱いが
容易で現像処理の不要な高画像かつ製造上の制約の少な
い平版印刷版を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、表面層と、光熱変換剤を含有している
多孔層Aと、光熱変換剤を含有している多孔層Bと、光
熱変換剤を含有しない多孔層と、支持体とを有する平版
印刷版の拡大図である。
【図2】図2は、表面層と、光熱変換剤を含有している
多孔層と、光熱変換剤を含有しない多孔層aと、光熱変
換剤を含有しない多孔層bと、支持体とを有する平版印
刷版の拡大図である。
【図3】図3は、表面層と、光熱変換剤を含有している
多孔層Aと、光熱変換剤を含有している多孔層Bと、光
熱変換剤を含有しない多孔層aと、光熱変換剤を含有し
ない多孔層bと、支持体とを有する平版印刷版の拡大図
である。
【符号の説明】
1…支持体 2…光熱変換剤を含有しない多孔層 3…光熱変換剤を含有している多孔層A 4…光熱変換剤を含有している多孔層B 5…表面層 6…光熱変換剤を含有しない多孔層a 7…光熱変換剤を含有しない多孔層b 8…光熱変換剤を含有している多孔層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百武 勇人 東京都杉並区久我山1丁目7番41号 岩崎 通信機株式会社内 (72)発明者 青葉 和巳 東京都杉並区久我山1丁目7番41号 岩崎 通信機株式会社内 (72)発明者 北村 孝司 千葉県市川市原木2丁目18番36号 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AB03 AC08 AD01 AD03 CC20 DA01 DA11 DA13 DA18 DA40 FA03 2H096 AA07 AA08 BA16 CA05 CA20 EA04 LA16 2H114 AA04 AA22 AA24 AA27 AA28 BA01 DA25 DA56 DA60 DA73 DA78 EA01 EA04 FA16 GA02 GA34 GA38

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体(1)、光熱変換剤を含有しない
    多孔層(2)、光熱変換剤を含有している層を含む複数
    の層で形成される多孔層(3)及び(4)並びに表面層
    (5)からなる平版印刷版。
  2. 【請求項2】 光熱変換剤を含有している多孔層(3)
    及び(4)がさらに異なる材料及び/あるいは異なる濃
    度分布の複数にわたる層で形成されている請求項1記載
    の平版印刷版。
  3. 【請求項3】 支持体(1)、その上に光熱変換剤を含
    有していない層を含む複数の層で形成される多孔層
    (6)及び(7)、更にその上に光熱変換剤を含有して
    いる多孔層(8)並びに表面層(5)からなる平版印刷
    版。
  4. 【請求項4】 光熱変換剤を含有していない多孔層
    (6)及び(7)が更に異なる材料及び/あるいは異な
    る濃度分布の複数の層にわたる層で形成されている請求
    項3記載の平版印刷版。
  5. 【請求項5】 多孔層(2)、(3)及び(4)の空隙
    率が10〜70%である請求項1及び2記載のいづれか
    の平版印刷版。
  6. 【請求項6】 多層化された光熱変換剤を含有しない多
    孔層(6)及び(7)のうち少なくとも光熱変換層を含
    有している多孔層(3)の直下に存する層の空隙率が1
    0〜70%である請求項3及び4記載のいづれかの平版
    印刷版。
  7. 【請求項7】 多層化された多孔層(2)、(3)及び
    (4)あるいは(6)、(7)及び(8)の合計膜厚が
    2〜100μmである請求項5及び6記載のいづれかの
    平版印刷版。
  8. 【請求項8】 多層化された多孔層のうち少なくとも多
    孔層(3)及び(4)あるいは(8)が粒子状物質また
    は粉末状物質及びバインダー樹脂から成る請求項7記載
    の平版印刷版。
  9. 【請求項9】 多層化された多孔層のうち少なくとも多
    孔層(3)及び(4)あるいは(8)に含まれる粒子状
    物質または粉末状物質が熱可塑性である請求項8記載の
    平版印刷版。
  10. 【請求項10】 多層化された多孔層のうち少なくとも
    多孔層(3)、(4)あるいは(8)に含まれる粒子状
    又は粉末状物質の粒径が0.01〜10μmである請求
    項8及び9記載のいづれかの平版印刷版。
  11. 【請求項11】 多層化された多孔層のうち少なくとも
    多孔層(3)及び(4)あるいは(8)に含まれるバイ
    ンダー樹脂量が粒子状又は粉末状物質100部に対し2
    〜200部である請求項10記載の平版印刷版。
  12. 【請求項12】 多孔層(3)及び(4)あるいは
    (8)に含まれる光熱変換剤が該層中に含まれる粒子状
    物質または粉末状物質及びバインダー樹脂の総量に対し
    1〜60wt%である請求項11記載の平版印刷版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019084797A (ja) * 2017-11-10 2019-06-06 コニカミノルタ株式会社 インク膜形成用原版、凹凸パターン形成方法、パターン膜形成方法、パターン膜形成装置

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