JP2001102872A - フィードフォワード増幅器 - Google Patents

フィードフォワード増幅器

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JP2001102872A
JP2001102872A JP27995399A JP27995399A JP2001102872A JP 2001102872 A JP2001102872 A JP 2001102872A JP 27995399 A JP27995399 A JP 27995399A JP 27995399 A JP27995399 A JP 27995399A JP 2001102872 A JP2001102872 A JP 2001102872A
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transmission line
line
delay circuit
auxiliary
length
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JP27995399A
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Koichi Mizuno
紘一 水野
Toru Matsuura
松浦  徹
Kaoru Ishida
石田  薫
Hiroaki Kosugi
裕昭 小杉
Shinichi Kugo
伸一 久郷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遅延時間調整が容易に行えるフィードフォワ
ード増幅器を提供する。 【解決手段】 フィードフォワード増幅器の構成におい
て、ベクトル調整器5および11と遅延回路7および9
に加え、別途遅延時間調整可能な補助遅延回路12およ
び13を加え、この補助遅延回路12および13とベク
トル調整器5および11により遅延時間制御を行う構成
をとる。補助遅延回路12および13は伝送線路をその
構成要素として含み、回路調整時に個々の回路に合わせ
て伝送線路長を変更することで遅延時間調整を実現す
る。さらに詳細な遅延時間調整をベクトル調整器5およ
び11によりおこなう。この構成により遅延時間調整が
容易に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として移動体通信
機器の基地局装置に用いられるフィードフォワード増幅
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年移動体通信機器の基地局にはフィー
ドフォワード方式による歪み補償を行った高出力線形増
幅器が用いられている。図14に従来のフィードフォワ
ード増幅器構成の一例を示す。図14において1は入力
端子、2は出力端子、3は電力分配器、4は歪み除去用
電力合成器、5は第1のベクトル調整器、10は第2の
ベクトル調整器、6は主増幅器、7、9はそれぞれ第1
の遅延回路、第2の遅延回路である。8は歪み検出用電
力合成器、11は補助増幅器である。また、電力分配器
3、歪み除去用電力合成器4および歪み検出用電力合成
器8につけられた記号aからjは各ポートを表してい
る。
【0003】以上のように構成されたフィードフォワー
ド増幅器について、以下、その動作を述べる。
【0004】まず入力端子1から入力された多チャンネ
ル信号成分を含んだ入力信号は電力分配器3で2分配さ
れる。2分配された一方の信号はベクトル調整器5を経
由して主増幅器6で増幅され、歪み検出用電力合成器8
のポートdに入力される。このとき、主増幅器6の非線
形性のために入力信号成分の他に相互変調による歪み成
分を含んだ信号も同時に入力される。一方、2分配され
たもう一方の信号は遅延回路7を経由して歪み検出用電
力合成器8のポートeに入力される。この信号には歪み
成分は含まれていない。
【0005】この時ポートdおよびポートeに入力され
た信号の入力信号成分が等振幅で逆位相になるようにベ
クトル調整器5および遅延回路7を調整することによ
り、ポートfからは歪み成分を含む主増幅器6よりの信
号が出力されるが、ポートgからは入力信号成分が相殺
された歪み成分のみの信号が出力される。
【0006】次にポートfから出力された入力信号成分
と歪み成分を含んだ信号は、遅延回路9を経由して歪み
除去用電力合成器4のポートhに入力される。また、ポ
ートgから出力された歪み成分の信号は、ベクトル調整
器10を経由して補助増幅器11で増幅され、歪み除去
用電力合成器4のポートiに入力される。ここで、ポー
トhおよびポートiに入力された信号の歪み成分が等振
幅で逆位相になるように、ベクトル調整器10および遅
延回路9を調整することにより、出力端子2から歪み成
分が相殺された入力信号成分のみが出力される。
【0007】以上の動作において、歪み検出用電力合成
器8および歪み除去用電力合成器4の各入力(入力ポー
トd、eおよび入力ポートh、i)の位相を逆位相にす
ることが、回路動作上必要不可欠の条件となる。
【0008】従来のフィードフォワード増幅器において
は、各信号経路において生じる位相差、すなわち遅延時
間の差は、各信号経路に含まれる遅延回路の固定遅延量
とベクトル調整器の可変遅延量を調節することにより、
ちょうど逆位相になるよう合わせられている。
【0009】フィードフォワード増幅器動作時における
精密な位相制御はベクトル調整器によりなされている
が、このベクトル調整器の性能を十分引き出すためには
遅延回路における遅延時間を調整し、ベクトル調整器の
最適動作点に設定する必要がある。従来、この遅延回路
の調整は、遅延フィルタの場合フィルタ特性調整により
行われ、また同軸線路型遅延回路の場合、同軸線路の線
路長を変更することで行われていた。なお、これら遅延
素子の遅延時間調整は各回路ごとに行われており、多く
の時間を費やしていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】フィードフォワード増
幅器においては、伝送線路部分や接続部分のばらつき、
さらに使用する増幅器における遅延時間のばらつきが遅
延時間に反映してしまうため、遅延回路における遅延量
の調整は避けられないものである。この場合、遅延素子
である遅延フィルタの特性や、伝送線路型遅延線の線路
長を、一つ一つ多くの時間を費やして調整しなくてはな
らないということは量産工程を考慮した場合大きな問題
点である。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、回路基板上において半自動もしくは
自動で、しかも制御性よく遅延時間を調整する回路構
成、あるいは調整方法を見いだすとともに、特に回路調
整時間を短縮する調整方法や量産工程に適用できる調整
可能な遅延回路構成を有するフィードフォワード増幅器
を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、入力信号を
2分配する第1の電力分配器と、前記第1の電力分配器
の一方の出力信号の振幅および位相を調整する第1のベ
クトル調整器と、前記第1のベクトル調整器の出力信号
を増幅する主増幅器と、前記第1の電力分配器の他方の
出力信号を遅延する第1の遅延回路と、前記主増幅器の
出力信号と前記第1の遅延回路の出力信号とを入力し、
前記主増幅器の出力信号を出力する第1の出力ポート、
および前記主増幅器の出力信号と前記第1の遅延回路の
出力信号との合成信号を出力する第2の出力ポートを有
する歪検出用電力合成器と、前記歪検出用電力合成器の
第1の出力ポートの出力信号を遅延する第2の遅延回路
と、前記歪検出用電力合成器の第2の出力ポートの出力
信号の振幅および位相を調整する第2のベクトル調整器
と、前記第2のベクトル調整器の出力信号を増幅する補
助増幅器と、前記第2の遅延回路の出力信号と前記補助
増幅器の出力信号との合成信号を出力する歪除去用電力
合成器とを備えたフィードフォワード増幅器において、
少なくとも前記第1の遅延回路、前記第2の遅延回路、
前記第1のベクトル調整器もしくは前記第2のベクトル
調整器の全部または一部の前段または後段に配置され
る、伝送線路長を変化させることにより遅延時間を調整
可能とした補助遅延回路をさらに備えたことを特徴とす
るフィードフォワード増幅器である。
【0013】このような構成をとることで、フィードフ
ォワード増幅器の調整時間を短縮でき、量産性が向上す
ることを見いだした。すなわち補助遅延回路含まれる伝
送線路の線路形状を任意に削ったり、また線路間を結合
することで伝送線路長を調整でき、この方法により個々
の回路の遅延時間をある程度の範囲内に調整できること
を見いだした。この補助遅延回路とベクトル調整器を組
み合わせ用いることで、より広い範囲で遅延時間調整が
可能となり、フィードフォワード増幅器の遅延時間調整
が簡易になることを見いだした。
【0014】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、前記補助遅延回路の有する伝送線路の線路長は、少
なくとも機械的加工方法またはサンドブラスト方法もし
くはレーザ光照射方法のいずれかの方法を用いて変化す
るようにしたことを特徴とする上記本発明である。
【0015】このような構成をとることにより、伝送線
路形状を精密に加工でき、伝送損失の増加を低減できる
ことを見いだした。例えば、各加工方法の中で機械的切
削加工方法は自動化が可能であり生産設備として導入し
易い。また化学的エッチング方法は、伝送線路が誘電体
基板上に形成されたマイクロストリップ線路の場合、基
板に対してダメージをほとんど与えないため、信号伝送
特性に対する影響が少ない。一方、レーザ光照射により
伝送線路形状を加工する方法は、補助遅延線路をフィー
ドフォワード増幅器にとりつけたまま加工が可能である
ため、調整時間が短くできると共に、回路を動作させな
がら調整でき、調整結果を容易に確認できる。また、電
気的配線を用いる場合、自動化可能なワイヤボンディン
グ法を用いることができ量産性に優れた方法となり、さ
らにチップ抵抗と同様の形状を有する良導体を用いて電
気的配線を行う方法も自動化が可能であり、さらにすで
に加工済みの伝送線路間(基板上に形成した伝送線路パ
ターンや一度切削加工した伝送線路間)に配置すること
で線路長を短縮出来る。
【0016】また、第3の本発明(請求項3に対応)
は、前記補助遅延回路は、あらかじめ電気的に接続され
た伝送線路パターンを有するものであり、前記伝送線路
パターン上の所定の箇所を削除するように加工すること
により、前記伝送線路長を変化するようにしたことを特
徴とする上記本発明である。
【0017】このような構成としたことにより、例えば
補助遅延回路内にリング状あるいは網目状に形成された
伝送線路パターンを形成し、その一部分を削除する方法
によると、線路の一部を切断する方法のみで線路長を変
更でき、広い面積の削除行程が省略できる。
【0018】また、第4の本発明(請求項4に対応)
は、前記補助遅延回路は、少なくとも2つの互いに電気
的に隔絶した伝送線路パターンを有するものであり、前
記少なくとも2つの伝送線路パターンを互いに電気的に
接続することにより、単一の伝送線路経路を形成すると
ともに、前記伝送線路長を変化するようにしたことを特
徴とする上記本発明である。
【0019】このような構成としたことにより、量産行
程に組み込みやすく、伝送ロスを小さく抑えた遅延回路
を構成できる。
【0020】また、第5の本発明(請求項5に対応)
は、前記補助遅延回路は、前記少なくとも2つの伝送線
路パターンを互いに電気的に接続するための切り換えス
イッチをさらに備え、前記切り換えスイッチの切り換え
により、単一の伝送線路経路を形成するとともに、前記
伝送線路長を変化するようにしたことを特徴とする上記
本発明である。
【0021】このような構成としたことにより、スイッ
チよる切り換えで、機械的にまた電気的に制御性よく、
また簡便に遅延時間を調整できる。
【0022】また、第6の本発明(請求項6に対応)
は、前記補助遅延回路は、少なくとも、入力端子および
出力端子を有するサーキュレータと、先端開放の伝送線
路とを備え、前記伝送線路は、前記入力端子および出力
端子間に形成されるとともに、前記先端開放の伝送線路
の長さを調節することにより、前記伝送線路長を変化す
るようにしたことを特徴とする上記本発明である。
【0023】このような構成とすることにより、伝送線
路の先端で反射し出力端子に伝搬するまでの距離が線路
長となる。したがって伝送線路長を短くしたり、異なる
線路長の伝送線路を切り替えることで伝送線路長を調節
できる。このとき線路を短くする方法は線路端を切断す
るだけで良く簡略な方法である。
【0024】また、第7の本発明(請求項7に対応)
は、前記補助遅延回路は、少なくとも、入力端子および
出力端子を有するサーキュレータと、長さの異なる先端
開放または先端短絡の伝送線路と、前記サーキュレータ
と前記伝送線路とを接続する切り換えスイッチとを備
え、前記伝送線路は、前記入力端子および出力端子間に
形成されるとともに、前記切り換えスイッチを切り換え
ることにより、前記伝送線路から所定のものを選択する
ことにより、前記伝送線路長を変化するようにしたこと
を特徴とする上記本発明である。
【0025】このような構成とすることにより、線路切
り替えで大まかな遅延時間調整を行い、さらに先端を加
工することで、より高精度の遅延時間調整が可能である
ことを見出した。なお、切断に限らず伸ばすことにより
線路長を長くすることも遅延時間調整に効果がある。
【0026】また、第8の本発明(請求項8に対応)
は、前記補助遅延回路の前記切り換えスイッチは、電気
的スイッチまたは機械的スイッチであることを特徴とす
る上記本発明である。
【0027】このような構成としたことにより、第5の
本発明と同様、スイッチよる切り換えで、機械的にまた
電気的に制御性よく、また簡便に遅延時間を調整でき
る。
【0028】また、第9の本発明(請求項9に対応)
は、前記補助遅延回路は、マイクロストリップ線路また
はコプレーナ線路、もしくはスロット線路のいずれかに
より形成されたことを特徴とする上記本発明である。
【0029】また、第10の本発明(請求項10に対
応)は、前記補助遅延回路は、入力端子および出力端子
と接続したマイクロストリップ線路またはコプレーナ線
路により形成されたものであり、前記マイクロストリッ
プ線路または前記コプレーナ線路上の信号線路の一部を
機械的方法またはレーザ光照射方法により削除すること
により、前記入力端子および前記出力端子間の線路長を
変化するようにしたことを特徴とする上記本発明であ
る。
【0030】上記第9および第10の本発明のような構
成とすることにより、各種加工方法が有効に採用でき
る。また同一形状の外形を持つ基板上に、異なる線路長
の伝送線路を形成し、回路構成変更に応じて変更する
(取り替える)ことで、汎用部品に準じた扱いができる
と共に、遅延時間の制御量を大きくとれるため、多くの
回路構成に対応できる。
【0031】また、第11の本発明(請求項11に対
応)は、前記補助遅延回路は、入力端子および出力端子
と接続したマイクロストリップ線路またはコプレーナ線
路により形成されたものであり、前記マイクロストリッ
プ線路または前記コプレーナ線路上の信号線路の一部に
金属薄膜または導電性材料を接触させることにより、前
記入力端子および前記出力端子間の線路長を短くするよ
うにしたことを特徴とする上記本発明である。
【0032】このような構成としたことにより、等価的
に線路長を短くでき、柔軟に遅延時間を調整可能であ
る。
【0033】また、第12の本発明(請求項12に対
応)は、前記補助遅延回路は、入力端子および出力端子
と接続したスロット線路により形成されたものであり、
前記スロット線路の接地面の一部を機械的方法またはレ
ーザ光照射方法により削除することにより、前記入力端
子および前記出力端子間の線路長を長くするようにした
ことを特徴とする上記本発明である。
【0034】このような構成とすることにより、任意の
経路でスロットラインをひけるため加工の自由度が大き
い。また数値制御の切削機械や、レーザ照射装置におい
て、加工部分をスキャンする形で線路形成できるため、
量産時に有効な手法である。なお、補助遅延回路と外部
回路の接続は同軸線路、マイクロストリップ線路、コプ
レーナ線路とストリップ線路の変換を用い、極力変換損
失を小さくすることが必要である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1によるフ
ィードフォワード増幅器のブロック図である。本実施の
形態は、図14の従来の構成に対して、第1のベクトル
調整器5の前段に第1の補助遅延回路12が配置されて
おり、この第1の補助遅延回路12と第1のベクトル調
整器5により歪み検出用電力合成器8の入力ポートd、
e間の位相差をちょうど逆位相になるように調整する。
さらに第2のベクトル調整器10の前段に第2の補助遅
延回路13を配置し、この第2の補助遅延回路13と第
2のベクトル調整器10により、電力合成器4の入力ポ
ートh、i間の入力信号の位相差をちょうど逆位相とな
るように調整する構成をとっている。
【0036】補助遅延回路12、13は同一の外形を持
つ基板上にマイクロストリップ線路形状で形成してお
り、回路ごと適宜線路形状を加工することで各信号伝送
系路の遅延時間を設定した範囲内(ベクトル調整器で調
整可能な範囲)に調整した。なお、遅延回路7および遅
延回路9については、あらかじめ設定した遅延時間特性
を満たすものを取り付けており、回路調整時の調整はし
ていない。
【0037】図2は本発明の他の一例を示すフィードフ
ォワード増幅器のブロック図である。図14の従来の構
成に対して第1の遅延回路7の前段に第1の補助遅延回
路12が配置されており、この第1の補助遅延回路12
と第1のベクトル調整器5により歪み検出用電力合成器
8の入力ポートd、e間の位相差をちょうど逆位相にな
るように調整する。さらに第2のベクトル調整器10の
前段に第2の補助遅延回路13を配置し、この第2の補
助遅延回路13と第2のベクトル調整器10により、電
力合成器4の入力ポートh、i間の入力信号の位相差を
ちょうど逆位相となるように調整する構成をとってい
る。
【0038】なお図1、図2において各補助遅延回路は
ベクトル調整器や遅延回路の前段に配置したが、後段に
配置しても効果は変わらない。
【0039】また、各補助遅延回路の配置は、図1およ
び図2に示した箇所に限らず、例えば第2の遅延回路9
の前段または後段に設けてもよく、つまり各ベクトル調
整器および遅延回路の前段または後段であるならば、任
意の箇所に設けるようにしてよい。
【0040】またベクトル調整器や遅延回路を形成した
基板上に形成しても同様な効果が得られることを確認し
ている。
【0041】続いて、以下の実施の形態に、本実施の形
態のフィードフォワード増幅器の補助遅延回路につい
て、具体的な構成の一例を上げて、本発明をより詳細に
説明する。 (実施の形態2)図3および図4は、本発明の実施の形
態2によるフィードフォワード増幅器の補助遅延装置の
構成の一例を示す平面図である。図において21は基
板、22は伝送線路パターン、23は削除部分、30は
入力端子、31は出力端子である。基板21は比誘電率
2.6、厚み0.8mmのテフロン(登録商標)基板を
用い裏面全面、および伝送線路パターン22は、半田レ
ベラ処理を施している。図3(a)は遅延時間調整前の
基板パターンである。所望の遅延時間を得るために、図
3(a)のパターンより、特定の線路幅を持つ伝送線路
を機械的方法あるいは炭酸ガスレーザにより切削加工し
て形成した。この加工により入力端子30と出力端子3
1間の伝送線路長を110mmから260mmまでの間
で変化させることができた。
【0042】図3(b)は最も線路長が長い場合、また
図4(d)が最も短い場合である。この時両パターン間
で遅延時間として0.7ns変化させることができた。
またこの間の値設定は任意であり、自由に伝送線路長を
選択することができた。なお、図3および図4において
斜線で示した削除部分23が伝送線路パターン22を削
除した部分である。また、おおよその調整すべき線路長
が分かっている場合、化学的エッチング法により、一度
おおよその加工を施した基板を用いることができる。こ
の場合、機械的方法やレーザ光による加工面積を小さく
することができ短時間での加工調整が可能であった。 (実施の形態3)図5は本発明の実施の形態3によるフ
ィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例を
示す平面図である。図において図3と同一符号は同一部
である。また24は金属薄片である。
【0043】本実施の形態は、実施の形態2と同様、伝
送線路パターン22を削除するもの(図5(a))と他
の金属薄片24を加えるもの(図5(b))との二つの
線路パターンを用いた。切削にはレーザ加工方法、接続
にはワイヤボンディングや金属薄片を貼り付ける方法が
共に有効であった。
【0044】ところで、切削により線路長を長くするこ
とは実施の形態2で記述したが、回路調整を行う上で場
合によっては逆に線路長を短くする必要が生じることが
ある。この時は図5(c)に示すように、伝送線路にま
たがるように、金属薄片24を貼り付ける、もしくは何
点かをワイヤボンディングで接続するなどして、等価的
に線路長を短縮した。これらの方法は回路調整におい
て、スタブ長を調整する際に通常用いられる方法である
が、遅延時間の調整においても有効であった。
【0045】なお、金属薄片24を配置することに限ら
ず、溶融した金属を吹き付ける溶射法により金属薄片パ
ターンを線路間に形成する方法によっても同様の効果が
得られることを確認した。 (実施の形態4)図6は本発明の実施の形態4によるフ
ィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例を
示す平面図である。図において図3と同一符号は同一部
である。また25、26、27は伝送線路パターン、2
8は配線である。
【0046】本実施の形態は、あらかじめ予想される遅
延時間、およびその前後の適当な遅延時間となるような
伝送線路長を考慮し、同一基板上にいくつかの伝送線路
パターン(図中伝送線路パターン22、25、26、2
7)を設けておき、これら伝送線路パターンを組み合わ
せることにより異なる長さの伝送線路を形成するように
したものである。
【0047】本実施の形態において、図6に示す例の場
合、伝送線路パターン22の切断には高出力レーザによ
るレーザ加工方法を、また伝送線路パターン22と25
との接続には金、アルミ、銅、さらにはこれらを含む合
金のリボン状またはワイヤ状の配線を用いた。これによ
り入力端子30と出力端子31間で遅延時間調整が可能
であることを確認した。 (実施の形態5)図7は本発明の実施の形態5によるフ
ィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例を
示す平面図である。図において図3、図4および図5と
同一符号は同一部である。
【0048】本実施の形態は、あらかじめ予想される遅
延時間、およびその前後の適当な遅延時間となるような
伝送線路長を考慮し、同一基板上にいくつかの伝送線路
パターン(図中伝送線路パターン25、26、27)を
設けておき、これら伝送線路パターンを組み合わせて適
宜電気的に接続することにより異なる長さの伝送線路を
形成するようにしたものである。
【0049】本実施の形態において、図7に示す例の場
合、伝送線路パターンを組み合わせることにより3種類
(伝送線路パターン22と25、22と26および22
と27)の異なる長さの伝送線路を形成できる。
【0050】また、この場合の伝送線路パターン同士の
接続には金属薄片を半田付けしたり、金、アルミ、銅、
さらにはこれらを含む合金のリボン状またはワイヤ状の
配線を用いた。図7(b)は図7(a)の回路基板を用
いた際の実施形態の一例であり、線路長が最も長くなる
ように金属薄片24とである、AuSnリボン、あるい
はAlリボンで接続した構成としている。なお、リボン
やワイヤは自動機により配線可能であり量産においても
効果が得られる。
【0051】この構成により、入力端子30と出力端子
31間で遅延時間調整が可能であることを確認した。 (実施の形態6)図8は本発明の実施の形態6によるフ
ィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例を
示す平面図である。図において図3と同一符号は同一部
である。また80は伝送線路である。
【0052】本実施の形態は、基板21上に閉じたリン
グ状の伝送線路パターン80とそれに接続する入出力用
の端子(入力端子30、出力端子31)を形成してお
り、適宜リング状の伝送線路パターン80を切断して削
除部分23を生成することで、入力端子30および出力
端子31間の伝送線路長を変化させるようにしたもので
ある。
【0053】本実施の形態において、図8に示す例の場
合、伝送線路長は2種類の内どちらかを選択することに
なる。切断にはレーザ光照射によるレーザ加工法やサン
ドブラスト法を用いたが、機械的加工法でも同様な加工
は可能である。図8(b)は実施の形態の一例であり、
線路長が長くなるように加工した例であり、一方図7
(c)は短くなるように加工した例である。この加工に
より入力端子30と出力端子31間で遅延時間調整が可
能であることを確認した。 (実施の形態7)図9は本発明の実施の形態7によるフ
ィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例を
示す平面図である。図において図3と同一符号は同一部
である。
【0054】本実施の形態は、基板21上に網目状の伝
送線路パターン90を形成し、そこに入出力線路(入力
端子30、出力端子31)を接続した形状をもち、網目
状の伝送線路パターン90の複数の箇所を適宜切断して
削除部分23を生成することで入力端子30および出力
端子31間の伝送線路長を制御するようにしたものであ
る。
【0055】本実施の形態において、図9に示す例の場
合、伝送線路長は切断箇所の組み合わせにより複数の線
路長の中より選択できる。この実施の形態においても、
切断にはレーザ光照射によるレーザ加工法やサンドブラ
スト法を用いたが、機械的加工法でも同様な加工は可能
である。図9(b)は実施の形態の一例であり、最も線
路長が長くなるように形成したため、削除部分23の配
置が入出力端子に対して対称な加工結果になっている。
【0056】なお、本実施の形態における任意の伝送線
路長に対して、構成方法は複数可能であり、対称な構成
にするか非対称な構成にするかは選択できる。構成法は
回路の特性を考慮しながら、例えば線路間の干渉が少な
くなる構成や逆に干渉を有効に利用する構成を検討し、
網目状の伝送線路パターン90の形状や切断箇所を決定
した。この加工によっても入力端子30と出力端子31
間で遅延時間調整が可能であることを確認した。 (実施の形態8)図10は本発明の実施の形態8による
フィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例
を示す平面図である。図において図3と同一符号は同一
部である。また29は切り換えスイッチである。
【0057】本実施の形態は、基板21上に3種類の異
なる線路長の伝送線路パターン(伝送パターン25、2
6、27)を形成し、そこにスイッチ回路(切り換えス
イッチ29)を介して入出力線路(入力端子30、出力
端子31)を接続した構成を有するものであり、切り換
えスイッチ29を操作することにより入力端子30およ
び出力端子31間の伝送線路長を変更するようにしたも
のである。この場合、スイッチは電気的スイッチを用い
たが、機械的スイッチを用いても効果は同様であった。
【0058】本実施の形態において、図10に示す例の
場合、伝送線路長の選択肢は3種類であったが、多数の
入出力を切り換え可能なスイッチを用いたり、回路構成
を考慮することでより多くの線路長を切り換えられる補
助遅延線路を構成できる。 (実施の形態9)図11は本発明の実施の形態9による
フィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一例
を示す平面図である。図において図3と同一符号は同一
部である。また32はサーキュレータ、33は伝送線
路、34および35は切断面である。
【0059】本実施の形態は、入出力線路(入力端子3
0、出力端子31)と先端開放の伝送線路33をサーキ
ュレータ32で接続した構成を有するものであり、動作
は以下のようなものである。すなわち、入力端子30よ
り入力された信号はサーキュレータ32の働きにより伝
送線路33に信号を送り出す。伝送線路33は先端開放
の伝送線路なので、信号は開放端で反射しサーキュレー
タ32に戻ってくる。この反射信号は再びサーキュレー
タ32の働きにより出力端子31に対して信号を送り出
す。
【0060】上記の動作において、切断面の設定により
伝送線路33の長さを変化させる(例えば切断面を図中
34とするか35とする)ことで、入力端子30と出力
端子31間の伝送線路長が変化し、信号伝搬の遅延時間
を調節できる。
【0061】本実施例では同軸線路で伝送線路を形成し
た場合、さらにトリプレート型伝送線路、マイクロスト
リップ線路、コプレーナ線路、ストリップ線路、非放射
性誘電体線路、誘電体線路、導波管において、先端開放
部分を切除し、遅延時間の調節が可能であることを確認
した。なお、同軸線路や導波管、非放射性誘電体線路、
誘電体線路、さらにトリプレート型伝送線路においては
機械的加工方法が実用的であり、かつ調整時間も短くで
きることを確認した。
【0062】一方、薄膜型の伝送線路(マイクロストリ
ップ線路やコプレーナ線路)ではレーザ加工方法が加工
精度が高く加工スピードも早くできる点で有効であるこ
とを確認した。 (実施の形態10)図12は本発明の実施の形態9によ
るフィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の一
例を示す平面図である。図において図3、図10および
図11と同一符号は同一部である。また36、37、3
8、39は伝送線路である。
【0063】本実施の形態は、入出力線路(入力端子3
0、出力端子31)と先端開放もしくは先端短絡の伝送
線路36〜39をサーキュレータ32と切り換えスイッ
チ29により接続した構成を有するものである。
【0064】本実施の形態の動作は実施の形態9と同様
であるが、切り換えスイッチ29の操作により、複数の
伝送線路より適当な長さの伝送線路を選択することで遅
延時間の制御を行った。このとき伝送線路は全反射すれ
ばよいので、先端開放もしくは先端短絡の伝送線路いず
れのもの共に利用できる。
【0065】さらに、実施の形態9と同様に、伝送線路
の形状は立体的、薄膜型問わず利用できた。
【0066】また、本実施の形態においてスイッチは電
気的スイッチを用いたが、機械的スイッチを用いても効
果は同様であった。この実施例において、線路長の選択
肢は4種類であったが、多数の入出力を切り換え可能な
スイッチを用いたり、回路構成を考慮することでより多
くの線路長を切り換えられる補助遅延線路を構成でき
た。
【0067】さらに先端開放型の伝送線路を用いた場合
には、実施の形態9と同様に先端を加工して短くするこ
とで、より精密な遅延時間制御が可能であることを確認
した。すなわち、本実施の形態によれば、大まかな遅延
時間制御をスイッチにより行い、さらに細かな合わせ込
み伝送線路の先端を加工することで実現できた。 (実施の形態11)図13は本発明の実施の形態11に
よるフィードフォワード増幅器の補助遅延回路の構成の
一例を示す平面図である。図において、40はスロット
線路型入力端子、41はスロット線路型出力端子、また
42は接地導体である。
【0068】本実施の形態は、基板上にスロット線路型
の入力端子41と出力端子42を設けたもの(図13
(a))を基本とし、機械的加工やレーザ加工によりス
ロット線路を形成するようにしたものである。このと
き、この補助遅延回路に求められる遅延量となるように
スロット線路長を決定し、スロット部分を削除する(図
13(b)の削除部分23)。
【0069】これにより、スロット線路型入力端子40
とスロット線路型出力端子41間に所定の遅延時間をも
つ伝送線路が形成できる。
【0070】本実施の形態の場合、伝送線路長はスロッ
ト線路の長さ、すなわち削除部分23の長さそのもので
あり、線路パターンを工夫することで様々な値に調節で
きる。この実施の形態において、スロット線路加工には
レーザ光照射によるレーザ加工法やサンドブラスト法を
用いた。
【0071】なお、機械的加工法でも同様な加工は可能
である。これらの加工方法は数値制御の切削機械や、レ
ーザ照射装置において、加工部分をスキャンする形で形
成できるため、量産時に効果的な調整方法であった。
【0072】以上各実施の形態にて述べたように、本発
明は、従来のフィードフォワード増幅器の構成におい
て、遅延時間固定の遅延回路に加えて、簡易な方法で遅
延時間を調整可能な補助遅延回路を加え、この補助遅延
回路とベクトル調整器により位相制御を行う構成をとる
ものである。このとき補助遅延回路は伝送線路をその構
成要素として含み、回路調整時に個々の回路に合わせて
伝送線路長を大まかに調整し、全体の遅延時間の差をベ
クトル調整器における最適動作点近くに設定するもので
ある。この補助遅延回路による遅延時間の調整と、ベク
トル調整器による遅延時間の調整により従来のフィード
フォワード増幅器における課題を解決した。
【0073】また、補助遅延回路に含まれる伝送線路の
線路長を、機械的切削加工方法、サンドブラスト方法、
レーザ光照射方法による切削方法を用いる、あるいは、
電気的配線を用いることで伝送線路長を変化させること
で遅延回路を取り外すことなく調整可能な方法を提供し
て、伝送線路形状を精密に加工でき、伝送損失の増加を
低減できる効果がある。また、各加工方法の中で機械的
切削加工方法は自動化が可能であり生産設備として導入
した際、生産性の向上という効果が得られる。また化学
的エッチング方法は、伝送線路が誘電体基板上に形成さ
れたマイクロストリップ線路の場合、基板に対してダメ
ージをほとんど与えないため、信号伝送特性に対する影
響が少ないことも有効な効果である。また事前に化学的
エッチング方法で伝送線路形状を加工することで、さら
に精密な形状加工の際の加工面積を小さくでき、加工時
間を短縮できる効果がある。
【0074】一方、レーザ光照射により伝送線路形状を
加工する方法は、補助遅延線路をフィードフォワード増
幅器にとりつけたまま加工が可能であるため、調整時間
が短くできると共に、回路を動作させながら調整でき、
調整結果を容易に確認できる効果がある。
【0075】さらに補助遅延回路内にリング状あるいは
網目状に形成された伝送線路パターンを形成し、その一
部分を削除する方法を提供したことにより、線路の切断
行程のみを用いるため、量産行程に取り入れやすく短時
間で線路長を設定できる。さらにこの方法では広い面積
の削除行程が省略でき加工時間が短縮できる効果があ
る。
【0076】また、補助遅延回路内に複数の互いに分離
した伝送線路パターンを形成し、これらのうち適当な伝
送線路パターンと入力端子、出力端子を電気的配線を用
い接続することにより、量産行程に組み込みやすく、伝
送ロスを小さく抑えた遅延回路を構成できる効果があ
る。この場合、電気的配線を用いる場合、自動化可能な
ワイヤボンディング法を用いることができ量産性に優れ
た方法となる、またチップ抵抗と同様の形状を有する良
導体を用いて電気的配線を行う方法も自動化が可能であ
り、さらにすでに加工済みの伝送線路間(基板上に形成
した伝送線路パターンや一度切削加工した伝送線路間)
に配置することで線路長を短縮出来るという、切削加工
とは逆の効果が得られる。
【0077】また、適当な伝送線路パターンと入力端
子、出力端子間を、機械的あるいは電気的スイッチ回路
により切り換えることで、入出力間の線路長を変化させ
遅延時間を調整する方法を提供したことにより、制御性
よく、また簡便に遅延時間を調整できる効果がある。
【0078】さらに補助遅延回路をマイクロストリップ
線路、コプレーナ線路、あるいはスロット線路で形成す
ることにより、制御性よく遅延時間を調整できるととも
に、これら伝送線路は薄膜導体を用い構成されるため、
各種加工方法が有効に採用できる(加工時間が短くてす
む)効果がある。また同一の外形を持つ基板上に異なる
線路長の伝送線路を形成し、回路構成変更に応じて変更
する(取り替える)ことで、汎用部品に準じた扱いがで
きると共に、遅延時間の制御量を大きくとれるため、多
くの回路構成に対応できるという量産工程上格別の効果
がある。さらに、この構成では線路に金属薄膜や導電ペ
ーストなど導電性材料を接触させることで等価的に線路
長を短くできる。すなわち線路長を長くもでき短くもで
きることより、遅延時間を大きくすることもまた小さく
することも可能であるという、非常に柔軟な遅延時間調
整ができる効果がある。
【0079】また、補助遅延回路をサーキュレータの各
端子に入力端子、出力端子、および先端開放または先端
短絡の伝送線路を接続する構造で形成し、さらに伝送線
路の長さを変える、あるいは長さの異なる伝送線路をス
イッチなどで切り替えて接続することで、前記入力端子
および前記出力端子間の信号伝搬経路長を調節すること
ができる。この構成では、入力端子から伝送線路に伝搬
し、さらに伝送線路の先端で反射し出力端子に伝搬する
までの距離が線路長となるため、伝送線路長を短くした
り、異なる線路長の伝送線路を切り替えることで伝送線
路長を調節できる効果がある。このとき線路を短くする
方法は線路端を切断するだけで良く簡略な方法であり、
また数値制御の工作機械や計算機制御のレーザ光スキャ
ン装置などで容易に実現できるという量産行程において
格別の効果を示す。さらに、サーキュレータに接続され
たスイッチでいくつかの線路を切り替えるという方法
は、電気的スイッチや機械的スイッチを用いて制御可能
であり、製造工程に限らず増幅器動作時においても補助
的な遅延時間調整が可能となる効果を有する。また、線
路切り替えで大まかな遅延時間調整を行い、さらに先端
を加工することで、より高精度の遅延時間調整が可能で
あるという効果も併せ持つ。なお、切断に限らず伸ばす
ことにより線路長を長くすることも遅延時間調整に効果
がある。
【0080】さらに、入力端子および出力端子間に接続
したマイクロストリップ線路あるいはコプレーナ線路を
補助遅延回路として用い、マイクロストリップ線路ある
いはコプレーナ線路の信号線路の一部を機械的方法ある
いはレーザ光照射方法により削ることで、入出力端子間
の線路長を長くできるという効果がある。
【0081】また、入力端子および出力端子間に接続し
たマイクロストリップ線路あるいはコプレーナ線路を補
助遅延回路として用い、マイクロストリップ線路あるい
はコプレーナ線路の信号線路の一部に金属薄膜あるいは
導電性材料を張り付ける方法では、入力出力端子間の線
路長を短くすることができる効果がある。
【0082】また、入力端子および出力端子間に接続し
たスロット線路を補助遅延回路として用い、スロット線
路の接地面の一部を機械的方法あるいはレーザ光照射方
法により削除し、入力出力端子間のスロット線路長を形
成する方法では、任意の経路でスロットラインをひける
ため任意の線路長を形成できるとともに、加工パターン
の自由度が大きくとれるという効果がある。また数値制
御の切削機械や、レーザ照射装置において、加工部分を
スキャンする形で線路形成できるため、効果的な量産が
可能となる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明によれば、従来のフィードフォワード増幅器
の構成に加えて線路長を加工できる補助遅延回路を導入
することで、フィードフォワード増幅器の調整時間を短
縮でき、量産性が向上するという効果が得られる。すな
わち補助遅延回路に含まれる伝送線路の線路形状を任意
に削ったり、また線路間を結合することで伝送線路長を
調整できるため、従来行っていた、個々の回路に合わ
せ、遅延回路を取り外して遅延時間を調整する行程が省
略できる。また、補助遅延回路とベクトル調整器を組み
合わせ用いることで、回路上において従来方法に比べよ
り広い範囲で遅延時間調整が可能となり、フィードフォ
ワード増幅器の遅延時間調整が簡易になる効果がある。
【図面の詳細な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるフィードフォワー
ド増幅器の一例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1によるフィードフォワー
ド増幅器の他の一例を示すブロック図
【図3】(a)は本発明の実施の形態2によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の平面図 (b)は本発明の実施の形態1によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の一例を示す平面図 (c)は本発明の実施の形態2によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の他の一例を示す平面図
【図4】(d)は本発明の実施の形態2によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の他の一例を示す平面
【図5】(a)は本発明の実施の形態3によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の平面図 (b)は本発明の実施の形態3によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の一例を示す平面図 (c)は本発明の実施の形態3によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の他の一例を示す平面図
【図6】(a)は本発明の実施の形態4によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の平面図 (b)は本発明の実施の形態4によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の一例を示す平面図
【図7】(a)は本発明の実施の形態5によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の平面図 (b)は本発明の実施の形態5によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の一例を示す平面図
【図8】(a)は本発明の実施の形態6によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の平面図 (b)は本発明の実施の形態6によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の一例を示す平面図 (c)は本発明の実施の形態6によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の他の一例を示す平面図
【図9】(a)は本発明の実施の形態7によるフィード
フォワード増幅器の補助遅延回路の平面図 (b)は本発明の実施の形態7によるフィードフォワー
ド増幅器の補助遅延回路の一例を示す平面図
【図10】本発明の実施の形態8によるフィードフォワ
ード増幅器の補助遅延回路の平面図
【図11】本発明の実施の形態9によるフィードフォワ
ード増幅器の補助遅延回路の構成例を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態10によるフィードフォ
ワード増幅器の補助遅延回路の構成例を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態11によるフィードフォ
ワード増幅器の補助遅延回路の構成例を示すブロック図
【図14】従来の技術によるフィードフォワード増幅器
の構成を示したブロック図
【符号の説明】
1 入力端子 2 出力端子 3 電力分配器 4 電力合成器 5 第1のベクトル調整器 6 主増幅器 7 第1の遅延回路 8 歪み検出用電力合成器 9 第2の遅延回路 10 第2のベクトル調整器 11 補助増幅器 12 第1の補助遅延回路 13 第2の補助遅延回路 21 基板 22 第1の伝送線路パターン 23 削除部分 24 金属薄片 25 第2の伝送線路パターン 26 第3の伝送線路パターン 27 第4の伝送線路パターン 28 ワイヤ 29 スイッチ 30 入力端子 31 出力端子 32 サーキュレータ 33 伝送線路 34 第1の切断面 35 第2の切断面 36 第1の伝送線路 37 第2の伝送線路 38 第3の伝送線路 39 第4の伝送線路 40 スロット線路型入力端子 41 スロット線路型出力端子 42 接地導体 80 リング状の伝送線路パターン 90 網目状の伝送線路パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 薫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小杉 裕昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 久郷 伸一 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5J090 AA01 AA04 AA41 CA98 FA16 GN01 GN07 HA38 KA15 KA66 KA68 MA14 QA04 SA13 TA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を2分配する第1の電力分配器
    と、 前記第1の電力分配器の一方の出力信号の振幅および位
    相を調整する第1のベクトル調整器と、 前記第1のベクトル調整器の出力信号を増幅する主増幅
    器と、 前記第1の電力分配器の他方の出力信号を遅延する第1
    の遅延回路と、 前記主増幅器の出力信号と前記第1の遅延回路の出力信
    号とを入力し、前記主増幅器の出力信号を出力する第1
    の出力ポート、および前記主増幅器の出力信号と前記第
    1の遅延回路の出力信号との合成信号を出力する第2の
    出力ポートを有する歪検出用電力合成器と、 前記歪検出用電力合成器の第1の出力ポートの出力信号
    を遅延する第2の遅延回路と、 前記歪検出用電力合成器の第2の出力ポートの出力信号
    の振幅および位相を調整する第2のベクトル調整器と、 前記第2のベクトル調整器の出力信号を増幅する補助増
    幅器と、 前記第2の遅延回路の出力信号と前記補助増幅器の出力
    信号との合成信号を出力する歪除去用電力合成器とを備
    えたフィードフォワード増幅器において、 少なくとも前記第1の遅延回路、前記第2の遅延回路、
    前記第1のベクトル調整器もしくは前記第2のベクトル
    調整器の全部または一部の前段または後段に配置され
    る、伝送線路長を変化させることにより遅延時間を調整
    可能とした補助遅延回路をさらに備えたことを特徴とす
    るフィードフォワード増幅器。
  2. 【請求項2】 前記補助遅延回路の有する伝送線路の線
    路長は、少なくとも機械的加工方法またはサンドブラス
    ト方法もしくはレーザ光照射方法のいずれかの方法を用
    いて変化するようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載のフィードフォワード増幅器。
  3. 【請求項3】 前記補助遅延回路は、あらかじめ電気的
    に接続された伝送線路パターンを有するものであり、 前記伝送線路パターン上の所定の箇所を削除するように
    加工することにより、前記伝送線路長を変化するように
    したことを特徴とする請求項1または2に記載のフィー
    ドフォワード増幅器。
  4. 【請求項4】 前記補助遅延回路は、少なくとも2つの
    互いに電気的に隔絶した伝送線路パターンを有するもの
    であり、 前記少なくとも2つの伝送線路パターンを互いに電気的
    に接続することにより、単一の伝送線路経路を形成する
    とともに、前記伝送線路長を変化するようにしたことを
    特徴とする請求項1または2に記載のフィードフォワー
    ド増幅器。
  5. 【請求項5】 前記補助遅延回路は、前記少なくとも2
    つの伝送線路パターンを互いに電気的に接続するための
    切り換えスイッチをさらに備え、 前記切り換えスイッチの切り換えにより、単一の伝送線
    路経路を形成するとともに、前記伝送線路長を変化する
    ようにしたことを特徴とする請求項4に記載のフィード
    フォワード増幅器。
  6. 【請求項6】 前記補助遅延回路は、 少なくとも、入力端子および出力端子を有するサーキュ
    レータと、 先端開放の伝送線路とを備え、 前記伝送線路は、前記入力端子および出力端子間に形成
    されるとともに、 前記先端開放の伝送線路の長さを調節することにより、
    前記伝送線路長を変化するようにしたことを特徴とする
    請求項1または2に記載のフィードフォワード増幅器。
  7. 【請求項7】 前記補助遅延回路は、 少なくとも、入力端子および出力端子を有するサーキュ
    レータと、 長さの異なる先端開放または先端短絡の伝送線路と、 前記サーキュレータと前記伝送線路とを接続する切り換
    えスイッチとを備え、 前記伝送線路は、前記入力端子および出力端子間に形成
    されるとともに、 前記切り換えスイッチを切り換えることにより、前記伝
    送線路から所定のものを選択することにより、前記伝送
    線路長を変化するようにしたことを特徴とする請求項1
    または2に記載のフィードフォワード増幅器。
  8. 【請求項8】 前記補助遅延回路の前記切り換えスイッ
    チは、電気的スイッチまたは機械的スイッチであること
    を特徴とする請求項5または7に記載のフィードフォワ
    ード増幅器。
  9. 【請求項9】 前記補助遅延回路は、 マイクロストリップ線路またはコプレーナ線路、もしく
    はスロット線路のいずれかにより形成されたことを特徴
    とする請求項1または2に記載のフィードフォワード増
    幅器。
  10. 【請求項10】 前記補助遅延回路は、 入力端子および出力端子と接続したマイクロストリップ
    線路またはコプレーナ線路により形成されたものであ
    り、 前記マイクロストリップ線路または前記コプレーナ線路
    上の信号線路の一部を機械的方法またはレーザ光照射方
    法により削除することにより、前記入力端子および前記
    出力端子間の線路長を変化するようにしたことを特徴と
    する請求項9に記載のフィードフォワード増幅器。
  11. 【請求項11】 前記補助遅延回路は、 入力端子および出力端子と接続したマイクロストリップ
    線路またはコプレーナ線路により形成されたものであ
    り、 前記マイクロストリップ線路または前記コプレーナ線路
    上の信号線路の一部に金属薄膜または導電性材料を接触
    させることにより、前記入力端子および前記出力端子間
    の線路長を短くするようにしたことを特徴とする請求項
    9に記載のフィードフォワード増幅器。
  12. 【請求項12】 前記補助遅延回路は、 入力端子および出力端子と接続したスロット線路により
    形成されたものであり、 前記スロット線路の接地面の一部を機械的方法またはレ
    ーザ光照射方法により削除することにより、前記入力端
    子および前記出力端子間の線路長を長くするようにした
    ことを特徴とする請求項9に記載のフィードフォワード
    増幅器。
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