JP2001102506A - ヒートシンク及びその製造方法 - Google Patents

ヒートシンク及びその製造方法

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JP2001102506A
JP2001102506A JP27870799A JP27870799A JP2001102506A JP 2001102506 A JP2001102506 A JP 2001102506A JP 27870799 A JP27870799 A JP 27870799A JP 27870799 A JP27870799 A JP 27870799A JP 2001102506 A JP2001102506 A JP 2001102506A
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heat sink
fin
heat
plate
high thermal
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JP27870799A
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Yasuhiro Fujiwara
康弘 藤原
Shinobu Uezuru
忍 上鶴
Iku Sato
郁 佐藤
Sumio Tate
純生 楯
Kazuhiko Sugimoto
和彦 杉本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波数で動作する半導体装置からの発熱を
効率よく放熱でき、半導体装置の動作の安定性を確保で
き、かつ機械的強度も高いヒートシンクとそのヒートシ
ンクを生産効率よく製造方法を提供する事を目的とす
る。 【解決手段】 ベース部およびフィン部を具備したフィ
ンプレートとベース部のみからなるスペーサプレートの
少なくとも2種類以上の複数の金属板を厚み方向に所定
の枚数毎に積層してベース11aとフィン11bを構成
した積層体の、複数の前記金属板を横断するように高熱
伝導体13を配置することにより半導体装置で発生した
熱をヒートシンク11のベース11aのほぼ全体に拡散
でき、放熱効果を向上させる事ができるとともに前記金
属板間の結合が補強され機械的強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体であるI
C,CPUおよびMPU等の半導体装置や電子部品に用
いられる冷却用ヒートシンク及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器部品の高集積化、動作ク
ロックの高周波数化等に伴う発熱量の増大に対して、電
子機器部品の正常動作の為に、電子機器部品の接点温度
を動作温度範囲内に如何に保つかが大きな問題となって
きている。特に、マイクロプロセッサユニット(これを
MPUと略す)の高集積化、高周波数化はめざましく、
動作の安定性、また動作寿命の確保などの点から放熱対
策が重要な問題となってきている。
【0003】一般に、電子機器からの放熱は、放熱面積
を広げ、空気等の冷媒と効率よく熱を交換させるための
ヒートシンクと、ヒートシンクに空気などの冷媒を強制
的に送り込むためのファンと、ファンを駆動するための
モータとを組み合わせたヒートシンク部によりなされ
る。
【0004】ヒートシンクは、ベースプレート上に、多
数の薄板を配列したプレートタイプのヒートシンクと、
ベースプレート上に、多数のピンを配列したピンフィン
タイプが主流である。これらのヒートシンクは、主にア
ルミニウムや、銅などの高い熱伝導率を示す材料を主成
分としてなり、引き抜き成形、冷間鍛造、ダイキャスト
あるいは、マルチワイヤーソーやワイヤーカット、マル
チカッターなどにより研削、放電、切削加工等の機械加
工を利用した方法で製造されている。
【0005】従来、このような高放熱量の放熱器とし
て、特開平11−17078号に開示される放熱器が知
られている。図13に従来の技術を示す斜視図を示すよ
うに、この放熱器101は、打抜き成形した、基部及び
該基部より延出したフィン部を備えてなる第1の薄板部
材102,106と、基部のみからなる第2の薄板部材
110とをその厚さ方向に複数混在させて積層し、相互
に隣接する薄板部材102,106,110同士をかし
め結合により連結して、積層した薄板部材102,10
6,110を一体化する。フィン部を備えた第1の薄板
部材102,106とフィン部の無い第2の薄板部材1
10とを混在させて積層しているので、積層体の第2の
薄板部材110のところにフィン部の存在しない空間が
形成され、この空間部分において冷却媒体と接触するフ
ィン部の表面が確保される。
【0006】以上説明したように、この放熱器101
は、基部及び該基部より延出したフィン部を備えてなる
第1の薄板部材102,106と、基部のみからなる第
2の薄板部材110とをプレス加工により成形するとと
もに、これを積層,連結して得られるものであり、その
生産効率は高いものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】発熱部よりの熱をヒー
トシンクにより効率よく放熱するためには、ヒートシン
ク全体の熱抵抗を下げ、フィン全体に熱を拡散させて冷
却媒体(例えば空気)に広く接することが必要である。
【0008】しかしながら前述の従来の構成では、積層
構造であるが故に構成要素の層間に熱抵抗が存在してお
り、ヒートシンク全体の熱抵抗を下げる障害となってい
た。また、半導体の小型化によりヒートシンクの放熱効
率を上げるためには、半導体からの熱をヒートシンクの
ベース部に拡散させフィン全体に熱を伝えることが重要
であるが、層間の熱抵抗によりベース部での熱の拡散効
率が上げられずヒートシンクの放熱効率を充分上げるこ
とができないという課題があった。そのため、更なる半
導体装置の高速化等によって半導体装置自体やその半導
体装置の周りなどに設けられる電子部品の発熱が大きく
なる傾向にあって、従来のヒートシンクなどを用いた場
合では、十分な冷却等を行うことはできず、半導体装置
などの性能を十分に発揮することができなかったり、あ
るいは、半導体装置が熱暴走などをおこし、半導体装置
が搭載された電子機器に異常が生じるなどの問題点があ
った。
【0009】また、積層構造によるヒートシンクを製造
する場合、隣接した構成要素をかしめにより接合するこ
とが多いが、かしめ部がはずれやすく機械的強度が弱い
という問題点もある。
【0010】本発明は上記の課題を解決するもので、半
導体装置や電子部品などから発生した熱を効率よく放熱
させることができかつ、機械的強度を高くできるヒート
シンクを提供すること、さらにこのヒートシンクを生産
効率よく製造できる製造方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のヒートシンク
は、ベース部およびフィン部を具備したフィンプレート
と、ベース部のみからなるスペーサプレートと、の少な
くとも2種類以上の金属板により構成され、複数の前記
金属板が厚み方向に所定の枚数毎に積層され、複数の前
記金属板を横断するように高熱伝導体を配置したヒート
シンクとしたものである。
【0012】この本発明によれば、半導体装置や電子部
品などから発生した熱を効率よく放熱させることができ
かつ、機械的強度も高いヒートシンクを得ることができ
る。
【0013】また、本発明のヒートシンクの製造方法
は、金属板を、ベース部およびフィン部を具備したフィ
ンプレートと、ベース部のみからなるスペーサプレート
と、の少なくとも2種類以上に成形する第1の工程と、
複数の前記金属板を厚み方向に所定の枚数毎に積層する
第2の工程と、複数枚が積層された前記金属板を横断す
るように結合部材として高熱伝導体を貫通させて結合一
体化せしめる第3の工程と、によりなるヒートシンクの
製造方法としたものである。
【0014】この本発明によれば、半導体装置や電子部
品などから発生した熱を効率よく放熱させることができ
かつ、機械的強度も高いヒートシンクを生産効率よく製
造できる製造方法を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、ベース部
およびフィン部を具備したフィンプレートと、ベース部
のみからなるスペーサプレートと、の少なくとも2種類
以上の金属板により構成され、複数の前記金属板が厚み
方向に所定の枚数毎に積層され、複数の前記金属板を横
断するように高熱伝導体を配置したヒートシンクとした
ものであり、半導体装置で発生した熱をヒートシンクの
ベース部のほぼ全体に拡散でき、しかもベース部の熱を
効率よくフィン部に伝えることができるので、放熱効率
を向上させる事ができるという作用を有する。また、装
置の小型化などのために、ヒートシンクの厚さを薄くし
ても高熱伝導体を設けることによって、確実に半導体装
置からの熱を放熱する事ができるという作用も有する。
さらに、高熱伝導体が構成要素を横断するように配置さ
れているので、構成要素間の結合が補強されるという作
用も有する。
【0016】請求項2記載の発明は、金属板が略同等の
厚みを有し、フィンプレートの積層枚数(A)に対する
スペーサプレートの積層枚数(B)の比(A/B)が1
/3以上で1以下の範囲にある請求項1に記載のヒート
シンクとしたものであり、非常に効率よく熱交換を行え
るので、冷却性能を向上させることができるという作用
を有する。
【0017】請求項3記載の発明は、金属板よりなるフ
ィンプレートのフィン部の正面形状が、異なる大きさの
長方形状もしくは長方形状ではなく空気との接触面積を
増やすような略三角形状や凹凸形状であるものが同一プ
レート内に少なくとも一カ所以上有する請求項1もしく
は請求項2に記載のヒートシンクとしたものであり、放
熱に寄与する放熱面積を効率よく拡大することができる
ので、放熱効率を向上させることができるという作用を
有する。
【0018】請求項4記載の発明は、高熱伝導体をフィ
ン部と反対面に配置した請求項1から請求項3に記載の
ヒートシンクとしたものであり、フィン部のフィン表面
積を減少させることなく、確実に半導体装置からの熱を
放熱する事ができるとともに放熱効率を下げることなく
ヒートシンクの機械的強度を向上させることができると
いう作用を有する。
【0019】請求項5記載の発明は、高熱伝導体をフィ
ン部と反対面に設けられた凹部に埋め込み配置した請求
項1から請求項3に記載のヒートシンクとしたものであ
り、ヒートシンクの全高をあまり高くすることなくさら
に、フィン部のフィン表面積を減少させることなしに確
実に半導体装置からの熱を効率よく放熱する事ができる
とともに放熱効率を下げることなくヒートシンクの機械
的強度を向上させることができるという作用を有する。
【0020】請求項6記載の発明は、ベース部およびフ
ィン部を具備したフィンプレートと、ベース部のみから
なるスペーサプレートと、の少なくとも2種類以上の金
属板により構成され、複数の前記金属板が厚み方向に所
定の枚数毎に積層され、複数の前記金属板を貫通して横
断するように高熱伝導体を配置したヒートシンクとした
ものであり、高熱伝導体の突出させることなく、半導体
装置で発生した熱をヒートシンクのベース部のほぼ全体
に拡散でき、しかもベース部の熱を効率よくフィン部に
伝えることができるので、放熱効率を向上させる事がで
きるという作用を有する。また、装置の小型化などのた
めに、ヒートシンクの厚さを薄くしても高熱伝導体を設
けることによって、確実に半導体装置からの熱を放熱す
る事ができるという作用も有する。さらに、高熱伝導体
が構成要素を貫通して横断するように配置されているの
で、構成要素間の結合が補強されるという作用も有す
る。
【0021】請求項7記載の発明は、金属板よりも高熱
伝導体の熱伝導率が1.2倍以上高いことを特徴とする
請求項1から請求項6に記載のヒートシンクとしたもの
であり、確実かつ簡単に半導体装置で発生した熱をヒー
トシンクのベース部のほぼ全体に拡散でき、しかもベー
ス部の熱を効率よくフィン部に伝えることができるの
で、放熱効率を向上させる事ができるという作用を有す
る。
【0022】請求項8記載の発明は、高熱伝導体の形状
が略角柱状である請求項6もしくは請求項7に記載のヒ
ートシンクとしたものであり、高熱伝導体を簡単に成形
でき生産性を向上させることができるという作用を有す
る。
【0023】請求項9記載の発明は、金属板がアルミニ
ウムを主成分とし、高熱伝導体が銅を主成分とする請求
項1から請求項8に記載のヒートシンクとしたものであ
り、確実かつ簡単に半導体装置で発生した熱をヒートシ
ンクのベース部のほぼ全体に拡散でき、しかもベース部
の熱を効率よくフィン部に伝えることができるので、放
熱効率を向上させる事ができるという作用を有する。
【0024】請求項10記載の発明は、金属板がアルミ
ニウムを主成分とし、高熱伝導体がヒートパイプである
請求項1から請求項7に記載のヒートシンクとしたもの
であり、確実かつ簡単に半導体装置で発生した熱をヒー
トシンクのベース部のほぼ全体に拡散でき、しかもベー
ス部の熱を効率よくフィン部に伝えることができるの
で、放熱効率を向上させる事ができるという作用を有す
る。
【0025】請求項11記載の発明は、高熱伝導体を放
熱すべき発熱部近傍に配置した請求項1から請求項10
に記載のヒートシンクとしたものであり、さらに確実か
つ簡単に半導体装置で発生した熱をヒートシンクのベー
ス部のほぼ全体に拡散でき、しかもベース部の熱を効率
よくフィン部に伝えることができるので、放熱効率を向
上させる事ができるという作用を有する。
【0026】請求項12記載の発明は、金属板を、ベー
ス部およびフィン部を具備したフィンプレートと、ベー
ス部のみからなるスペーサプレートと、の少なくとも2
種類以上に成形する第1の工程と、複数の前記金属板を
厚み方向に所定の枚数毎に積層する第2の工程と、複数
枚が積層された前記金属板を横断するように結合部材と
して高熱伝導体をフィン部と反対面に接合させて結合一
体化せしめる第3の工程と、によりなるヒートシンクの
製造方法としたものであり、金属板と結合部材の接合と
いう簡易な工程を用いることにより、半導体装置や電子
部品などから発生した熱を効率よく放熱させることがで
きかつ、機械的強度も高い高性能なヒートシンクを生産
効率よく製造できる製造方法を得ることができるという
作用を有する。
【0027】請求項13記載の発明は、金属板を、ベー
ス部およびフィン部を具備したフィンプレートと、ベー
ス部のみからなるスペーサプレートと、の少なくとも2
種類以上に成形する第1の工程と、複数の前記金属板を
厚み方向に所定の枚数毎に積層する第2の工程と、複数
枚が積層された前記金属板を横断するように結合部材と
して高熱伝導体をフィン部と反対面に設けられた凹部に
埋め込み接合させて結合一体化せしめる第3の工程と、
によりなるヒートシンクの製造方法としたものであり、
結合部材を凹部に埋め込み接合という位置決めの簡単な
工程を用いることにより、半導体装置や電子部品などか
ら発生した熱を効率よく放熱させることができかつ、機
械的強度も高い高性能なヒートシンクを生産効率よく製
造できる製造方法を得ることができるという作用を有す
る。
【0028】請求項14記載の発明は、金属板を、ベー
ス部およびフィン部を具備したフィンプレートと、ベー
ス部のみからなるスペーサプレートと、の少なくとも2
種類以上に成形する第1の工程と、複数の前記金属板を
厚み方向に所定の枚数毎に積層する第2の工程と、複数
枚が積層された前記金属板を横断するように結合部材と
して高熱伝導体を貫通させて結合一体化せしめる第3の
工程と、によりなるヒートシンクの製造方法としたもの
であり、結合部材の貫通という簡易な工程を用いること
により、半導体装置や電子部品などから発生した熱を効
率よく放熱させることができかつ、機械的強度も高い高
性能なヒートシンクを生産効率よく製造できる製造方法
を得ることができるという作用を有する。
【0029】請求項15記載の発明は、第3の工程とし
て、複数枚が積層された前記金属板を横断するように結
合部材として高熱伝導体を貫通させ、前記金属板と前記
高熱伝導体の空隙を低融点金属で充填することにより結
合一体化せしめる第3の工程を用いた請求項12に記載
のヒートシンクの製造方法としたものであり、低融点金
属の充填という簡易な工程を用いることにより、前記金
属板と前記高熱伝導体を強固に密着させることができ
る。これにより半導体装置や電子部品などから発生した
熱を効率よく放熱させることができかつ、機械的強度も
高い高性能なヒートシンクを生産効率よく製造できる製
造方法を得ることができるという作用を有する。
【0030】請求項16記載の発明は、第3の工程とし
て、複数枚が積層された前記金属板を横断するように結
合部材として高熱伝導体を貫通させ、前記金属板と前記
高熱伝導体の空隙を、熱伝導率が高い粒子が含有された
樹脂を充填して硬化することにより結合一体化せしめる
第3の工程を用いた請求項12に記載のヒートシンクの
製造方法により、樹脂を用いて互いの金属板を接合する
ことによって、接着工程での取り扱いが簡単になり、生
産性が向上する。
【0031】請求項17記載の発明は、複数の伝熱板を
積層して構成され、発熱体が取付可能な取付面と、前記
取付面と反対側の面に設けられたフィンと、前記複数の
伝熱板の積層方向に沿って、しかも前記複数の伝熱板に
熱的に接触する高熱伝導体とを備えたヒートシンクとし
たものであり、確実に半導体装置からの熱を放熱する事
ができるという作用も有する。さらに、高熱伝導体が構
成要素を横断するように配置されているので、構成要素
間の結合が補強されるという作用も有する。
【0032】請求項18記載の発明は、伝熱板よりも高
熱伝導体の熱伝導率が1.2倍以上高いことを特徴とす
る請求項17記載のヒートシンクによって、確実かつ簡
単に半導体装置で発生した熱をヒートシンクのベース部
のほぼ全体に拡散でき、しかもベース部の熱を効率よく
フィン部に伝えることができるので、放熱効率を向上さ
せる事ができるという作用を有する。
【0033】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態について、図1から図7を用いて説明する。
【0034】図1は本発明の第一の実施の形態における
ヒートシンクを示す斜視図、図2は同ヒートシンクの構
成を示す斜視図、図3は同ヒートシンクの構成部品を示
す正面図、図4は同図1のヒートシンクにおける矢視A
−A方向の断面図、図5は本発明の第一の実施の形態に
おけるヒートシンクを示す斜視図、図6は本発明の第一
の形態における図1のヒートシンクのフィン部と反対面
方向からの矢視図である。また、図7は本発明の一実施
の形態におけるヒートシンクを示す斜視図である。
【0035】図1から図7において、11はヒートシン
ク、11aはヒートシンク11のベース、11bはヒー
トシンク11のフィン、11cはヒートシンク11の熱
源と対向する面、12はフィンプレート、13は高熱伝
導体、14はフィンプレート12におけるベース部、1
5はフィンプレート12におけるフィン部、16はスペ
ーサプレート、17はスペーサプレート16におけるベ
ース部である。
【0036】以上の様に構成されたヒートシンクについ
て詳細に説明する。
【0037】まず、ヒートシンク11について説明す
る。
【0038】ヒートシンク11は基本的には、プレス加
工による打ち抜き成形あるいはエッチングやワイヤーカ
ットなどにより成形されたフィンプレート12、スペー
サプレート16の積層構造体からなるベース11aとフ
ィン11b及び高熱伝導体13により構成されている。
【0039】図3(a)に示すように、前記フィンプレ
ート12の形状は、矩形をしたベース部14とベース部
14から所定の間隔で延出した複数のフィン部15とを
備えた櫛歯状の形状とする事が好ましい。また、図3
(b)〜(d)に示すように、前記フィンプレート12
のフィン部15の形状は、その長方形状の大きさが異な
るもの、あるいは長方形状ではなく空気との接触面積を
増やすような略三角形状や凹凸形状であるものを同一プ
レート内に少なくとも一カ所以上有しても良い。また、
図3(e)に示すように、前記スペーサプレート16の
形状は、矩形をしたベース部17からなる板状の形状と
する事が好ましい。
【0040】図1、図2に示すように、前記高熱伝導体
13の形状は四角板状等の多角板形状や円板状とする事
が好ましい、特に高熱伝導体13を四角板形状とする事
によって、位置合わせ等が行いやすく、しかも材料等に
無駄が出ないようにすることができる。特に、高熱伝導
体13形状は、長方形板形状とすることが、実装性や放
熱性の面でよい。また、高熱伝導体13の角部には図4
(a)に示すように面取りを施す事が好ましい。これ
は、高熱伝導体13が鋭い角を有していると、ヒートシ
ンク11を実装する際に他の部品などに接触して他の部
品などを破壊してしまう確率が高くなる。更に、角部の
欠け等により屑が発生すると、配線などの上に落ちる事
によって、短絡などを起こしてしまうことになり、電子
機器などの動作不良等の原因になる可能性がある。しか
し、面取りを施す事により他の部品などに接触して他の
部品などを破壊してしまう確率を低くでき、欠け等によ
る屑の発生も防止できる。さらに、図4(b)に示すよ
うに面取りを拡大してテーパ形状を有する事により、欠
け等による屑の発生を防止でき、電子機器内に屑が落ち
ないようにすることができるとともに、発熱部からの熱
をスムーズにヒートシンク11に拡散することができ
る。
【0041】次に、前記高熱伝導体13、前記フィンプ
レート12、前記スペーサプレート16の材料として
は、100℃における熱伝導率が80kW/m・K以上
の材料で構成することが好ましい。具体的材料として
は、亜鉛,アルミニウム,黄銅,金,銀,タングステ
ン,銅,ベリリウム,マグネシウム,モリブデン(以下
材料グループと略す)から選ばれる材料単体か、あるい
は前記材料グループから選ばれた複数の材料の合金や、
また、前記材料グループから選ばれる少なくとも一つの
材料と、前記材料グループ以外の少なくとも一つの材料
との合金などを用いることができる。本実施の形態で
は、加工性やコスト面を考慮して、アルミニウム単体
か、アルミニウムと他の前記材料グループから選ばれる
少なくとも一つとの合金か、アルミニウムと前記材料グ
ループから選ばれる少なくとも一つの合金等から構成し
た。ただし、高熱伝導体13の材料の熱伝導率は、フィ
ンプレート12、スペーサプレート16の熱伝導率より
も高いことが好ましい。なお、高熱伝導体13、フィン
プレート12、スペーサプレート1の構成材料として
は、熱伝導性の良い樹脂材料やセラミック材料及び炭素
等を有する複合材料で構成しても良い。
【0042】次に図1、図2に示すように、フィンプレ
ート12、スペーサプレート16を積層した後、高熱伝
導体13を接合してヒートシンク11を形成する方法に
ついて説明する。
【0043】図2に示すように、櫛歯状のフィンプレー
ト12と板状のスペーサプレート16を積層して、互い
にかしめ等によって接合して構成することで、非常に生
産性がよく、しかも放熱性がよいヒートシンク11を作
製できる。更に、所定の枚数のフィンプレート12、ス
ペーサプレート16を周期的に積層する事でヒートシン
ク11の幅方向の厚さを放熱すべき対象熱源、例えば半
導体装置などの大きさを勘案して自由に設定できるの
で、非常に生産工程が簡単になり、様々な大きさのヒー
トシンク11を容易に作製でき、生産性が向上する。こ
こで、フィンプレート12の突出部はフィン部15とな
る部分である。しかもフィンプレート12、スペーサプ
レート16には全部にかしめ用の穴18が設けられてい
る。例えば、図2に示すように、スペーサプレート16
を2枚連続して積層し、その積層体の上に更にフィンプ
レート12を2枚連続して積層し、これを所定回数繰り
返すことによって、所定の大きさのヒートシンク11を
容易に作製できる。図1に示す実施の形態の場合には、
フィン11bは2枚のフィンプレート12を積層する事
によって、構成される。なお、図1に示すヒートシンク
11は、2枚のフィンプレート12を積層してフィン1
1bを構成したか、3枚以上のフィンプレート12を積
層して構成しても良い。
【0044】また、図5に示すように、フィンプレート
12とスペーサプレート16を一枚おきに積層する事
で、ヒートシンク11を構成し、しかも一枚のフィンプ
レート12のフィン部15でフィン11bを構成してい
る。
【0045】なお、図5に示される実施の形態では、フ
ィンプレート12とフィンプレート12の間には、一枚
のスペーサプレート16を設けたが、冷却効率やヒート
シンクなどの仕様等によって、複数枚のスペーサプレー
ト16を設けても良く、あるいは、フィンプレート12
とフィンプレート12の間には、2枚のスペーサプレー
ト16を設け、他のフィンプレート12とフィンプレー
ト12の間に3枚のスペーサプレート16を設けるとい
うように、フィンプレート12とフィンプレート12の
間に設けるスペーサプレート16の枚数を異ならせても
良い。この構成は当然の事ながら、図1に示される構成
にも同様に適応できる。
【0046】ここでフィンプレート12とスペーサプレ
ート16それぞれの枚数の比率について説明する。ヒー
トシンク11の冷却効率を向上させるためには、放熱に
寄与するフィン11bの表面積を大きくし多くの空気な
どの冷却媒体に接触させることが必要であるが、所定の
大きさのヒートシンク11においては、フィン11bの
表面積を大きくする目的でフィンプレート12を多数積
層しても、冷却の対象となるものの大きさによりヒート
シンクの寸法にも制約があるため、スペーサプレート1
6の枚数を減少させる必要が生じてしまう。ところが、
スペーサプレート16はフィン11bにおける冷却媒体
の流路を形成するものであるため、スペーサプレート1
6の枚数減少は冷却媒体の流路を減少させることにな
る。冷却媒体の流路が減少すると冷却媒体の通過の際に
圧力損失が生じフィン11bに接触する冷却媒体の流量
が減少してしまいヒートシンク11の冷却能力が落ちて
しまう。そのため、所定の流路を確保しつつフィン表面
積を拡大するためには、実験の結果、フィンプレート1
2の積層枚数(A)とスペーサプレート16の積層枚数
(B)の比(A/B)が1/3以上1以下の範囲にある
場合が最もヒートシンク11の冷却効率が良いことがわ
かった。よって、冷却効率の高いヒートシンク11を得
るには、構成するフィンプレート12の積層枚数(A)
とスペーサプレート16の積層枚数(B)の比(A/
B)を1/3以上1以下の範囲にすることが好ましい。
【0047】又、図1、図5に示すヒートシンク11
は、フィンプレート12とスペーサプレート16の間を
生産性の面やプレート間の密着度を向上させるために、
かしめによって互いに接合しているが、これは接着剤を
用いて接合しても良く、また、プレートにネジ孔を設
け、ネジ止めなどによって複数枚のプレートを固定して
も良い。
【0048】次に、高熱伝導体13の接合について説明
する。
【0049】高熱伝導体13とフィンプレート12とス
ペーサプレート16によって積層構成されたヒートシン
ク11は、ヒートシンク11のベース部を基準とした場
合、フィン部と反対面の熱源と対向する面11cにて接
合されることが好ましい。接合方法は、密着させて取り
付けることができれば、溶接、ろう付け、接着などが好
ましい。なお、樹脂による接着を行う場合は、可能な限
り熱伝導率が高い粒子が含有された樹脂(例えば、スリ
ーボンド2270(株)スリーボンド製)を用いること
が好ましい。さらに、密着性よく接合するために予め接
合面に機械加工を施し面性状を向上させておけばより好
ましい。次に、高熱伝導体13の配置は図6(a)に示
されるように、フィンプレート12とスペーサプレート
16を横断するように配置されることが好ましい。これ
は、ヒートシンク11の下面と高熱伝導体13を同一の
大きさにし、全面に渡るように配置してもなんら問題は
ない。また、高熱伝導体13を複数用い図6(b)に示
されるように、全面に渡っても配置しても良い。さらに
は、フィンプレート12とスペーサプレート16を横断
する配置であれば、直交せずに図6(c)に示されるよ
うに斜めに横断する配置でも良い。可能な限りのフィン
プレート12とスペーサプレート16を横断し、かつ全
面に渡るよう配置することが、熱源の熱を効率よく拡散
してヒートシンク11に伝えることができ、ヒートシン
ク11の冷却能力を高めることになる。さらに、フィン
プレート12とスペーサプレート16の接合強度を高め
ヒートシンク11の機械的強度を高めることができる。
【0050】なお、図1、図5、図6ではヒートシンク
11と高熱伝導体13を平面同士で接合した場合を説明
したが、図7に示されるように、ヒートシンク11に凹
部を設けその中に高熱伝導体13を埋め込み接合しても
良い。ヒートシンク11に凹部を設けるためには、フィ
ンプレート12とスペーサプレート16の形状を形成す
る際に凹部となる切り欠きをそれぞれのプレートに形成
すればよい。
【0051】次に、上述の実施の形態1で説明したヒー
トシンク11を実際に製作し、それについて行った実験
結果について、説明する。
【0052】まず、フィンプレート12、スペーサプレ
ート16の材料としてアルミニウム合金A1050の薄
板材厚み1.0mmのものを使用した。また、フィンプ
レート12、スペーサプレート16の各部寸法は図3
(a)においてW=122mm,W1=1mm,W2=
2mm,P=4mm,H=30mm,H1=6.5mm
である。これらの成形は、フィンプレート12の一部連
結部を残して打ち抜く打ち抜き金型と前記フィンプレー
ト12のフィン部15を切り落としベース部14だけを
残しスペーサプレート16を成形する打ち抜き金型をそ
れぞれの配置すると共に、前記連結部を打ち抜いて各部
材毎に切り落とす打ち抜き金型を配設した順送タイプの
プレス装置を用いた。まず、アルミニウム合金A105
0の薄板材厚み0.5mmを前記プレス装置に供給し、
前記連結部を残した状態でフィンプレート12、スペー
サプレート16が積層順に必要枚数分前記薄板材に形成
されるようにプレス加工を行う。この時同時にかしめ用
の穴18を形成する。次に、前記連結部を金型により打
ち抜き、各部材を金型内に積層しつつ加圧してかしめ部
を勘合させる。本実施の形態では、フィンプレート12
を2枚、次にスペーサプレート16を4枚の順番で積層
を繰り返し、さらにフィンプレート12を16枚、スペ
ーサプレート16を開始点と終了点に2枚づつ追加した
計32枚を用いて積層厚み48mmの積層体を製作し
た。これは、積層部品金型内固着工法等を用いることに
よりさらに高効率に製作できる。次に、銅を用い厚み5
mm,幅30mm,全長48mmの高熱伝導体13をフ
ライス加工等機械加工により製作した。なお、全長は積
層体の厚み方向全域に渡るように決定した。つづいて、
積層体の下面をフライス加工により平坦に加工した後に
この面において積層体長手方向の中心線と高熱伝導体1
3の幅方向中心線が一致しかつ、積層体の積層厚みと高
熱伝導体13の全長が一致するように位置決めを行い、
高熱伝導性エポキシ樹脂(スリーボンド2270
(株)スリーボンド製)により接着した。その後、双方
を密着するように加圧しつつ、120℃の炉内に30分
間静置し樹脂を完全硬化させ、接着硬化した。次に比較
例を作製した。比較例においては、上記実施の形態と異
なる点は高熱伝導体13を設けていない点で異なってい
る。
【0053】次に、実施の形態1と比較例の放熱特性に
ついて測定した。
【0054】測定は、発熱源からの熱の制御がしやすい
平面型のセラミックスヒーター30を用いた測定装置で
行った。測定装置の概略図を図8に示す。測定装置は、
熱源としての平面型のセラミックスヒーター30、温度
測定の為の熱電対、温度計測器、制御器からなる。平面
型のセラミックスヒーター30の周囲は断熱材で覆われ
ており、平面型のセラミックスヒーター30からの熱は
その殆どが、ヒートシンク11を取り付ける側の面から
放熱される事になる。平面型のセラミックスヒーター3
0上には、平面型のセラミックスヒーター30の温度を
測定するための熱電対が埋設されている。ヒートシンク
11の放熱特性の測定は、ヒートシンク11の熱抵抗を
算出することにより行った。ヒートシンク11の周囲の
温度をTa、平面型のセラミックスヒーター30上の温
度をTh、平面型のセラミックスヒーター30への入力
電力をPとした場合、ヒートシンク11の熱抵抗Rは、
R=(Th−Ta)/Pにより求められる。熱抵抗が小
さい値の方が、放熱され易い事を示し、放熱特性が優れ
る事を表すものである。
【0055】この測定装置に実施の形態1のヒートシン
ク11をセラミックヒーター30上に搭載し、各温度、
及び平面型のセラミックスヒーター30への入力電力を
測定することでヒートシンク11の熱抵抗を算出した。
なお、平面型のセラミックスヒーター30と高熱伝導体
13とは、熱の移動に対する接触部の影響を避けるため
に、高伝熱性のグリースを用いて接触させた。また、冷
却媒体として空気を利用するため、ヒートシンク11の
上面にファンを配置した。比較例についても同様に測定
装置にセットして放熱特性を測定した。
【0056】図9に高熱伝導部13を有する実施の形態
1の熱抵抗と高熱伝導部13を持たない比較例の熱抵抗
の時間変化を示した。図から判るように、熱抵抗が安定
した後、実施の形態1の熱抵抗は小さく、比較例と比べ
優れた放熱特性を有していることが判る。
【0057】これは、熱抵抗は電気抵抗と同様に扱うこ
とができるのであるが、そのため積層体の場合その層間
で熱が伝搬する場合の熱抵抗は、それぞれの層間の熱抵
抗が直列合成されてしまい、発熱源からヒートシンクへ
の熱が伝搬する際の大きな障壁となりヒートシンクの放
熱表面積を十分に活用できないのに対し、高熱伝導体を
積層体を横断するように配置することにより、層間の熱
抵抗を直列合成したものに加えて、それより小さい熱抵
抗を並列に接続する事になり総熱抵抗が小さくなる。す
なわち熱の伝搬に際して高熱伝導体がバイパスとして機
能するため、ヒートシンク全体の熱抵抗が下がり発熱源
からヒートシンクへの熱の伝搬がスムーズに行われるた
めにヒートシンクの放熱表面積が十分に活用されるため
と考えられる。
【0058】(実施の形態2)以下、本発明の第2の実
施の形態について、図10から図12を用いて説明す
る。
【0059】図10は本発明の第2の実施の形態におけ
るヒートシンクの構成を示す斜視図、図11は本発明の
第2の実施の形態におけるヒートシンクを示す斜視図で
ある。また、図12は同ヒートシンクの構成要素を示す
正面図である。
【0060】図10、図11に示すように、この第2の
実施形態のヒートシンク21は、第一の実施の形態にお
けるヒートシンク11の高熱伝導体13が、ヒートシン
ク11を構成するフィンプレート12とスペーサプレー
ト16を横断するように貫通した構成としたものであ
り、他の構成は、実施の形態1におけるヒートシンク1
1と同一である。従って、ヒートシンク11同じ構成に
かかる部材については、同一の符号を付してその詳しい
説明を省略する。
【0061】また、図10に示すように、このヒートシ
ンク21はフィンプレート22のベース部24とスペー
サプレート26のベース部24を高熱伝導体23が横断
しかつ、貫通するように配置されている。
【0062】この高熱伝導体23について説明する。高
熱伝導体23の形状としては、四角柱状等の柱状とする
事が好ましい。特に高熱伝導体23を四角柱形状の平板
とする事によって、位置合わせ等が行いやすく、しかも
加工が容易で材料等に無駄が出ないようにすることがで
き、実装性や放熱性の面でよい。また、その長さは、ヒ
ートシンク21のフィンプレート22とスペーサプレー
ト26の積層枚数に応じた厚さと同じ長さあるいは、そ
れよりも長くすることが好ましい。
【0063】次に、前記高熱伝導体23の材料として
は、100℃における熱伝導率が80kW/m・K以上
の材料で構成することが好ましい。具体的材料として
は、亜鉛,アルミニウム,黄銅,金,銀,タングステ
ン,銅,ベリリウム,マグネシウム,モリブデン(以下
材料グループと略す)から選ばれる材料単体か、あるい
は前記材料グループから選ばれた複数の材料の合金や、
また、前記材料グループから選ばれる少なくとも一つの
材料と、前記材料グループ以外の少なくとも一つの材料
との合金などを用いることができる。ただし、高熱伝導
体23の材料の熱伝導率は、フィンプレート22、スペ
ーサプレート26の熱伝導率よりも1.2倍以上高いこ
とが好ましく、1.5倍以上であればさらに好ましい。
本実施の形態では、加工性やコスト面もあわせて考慮し
て、銅単体か、銅と他の前記材料グループから選ばれる
少なくとも一つとの合金か、銅と前記材料グループから
選ばれる少なくとも一つの合金等から構成した。また、
高熱伝導体23は金属等の単一あるいは合金材料以外に
ヒートパイプをしようしてもかまわない。ヒートパイプ
は金属材料以上の熱輸送能力を有しており、より好まし
い。その断面形状としては、円柱状あるいは、扁平状が
好ましが、ヒートシンクの小型化を考慮すると、厚みを
薄くできる扁平形状がさらに好ましい。
【0064】次に図10、図11、図12に示すよう
に、フィンプレート22、スペーサプレート26を積層
し、高熱伝導体23を貫通配置してヒートシンク21を
形成する方法について説明する。
【0065】図12に示すように、フィンプレート22
と板状のスペーサプレート26をプレス加工による打ち
抜き成形あるいはエッチングやワイヤーカットなどによ
り成形する。この時、高熱伝導体23を配置する貫通穴
27を同時に成形する。高熱伝導体23の配置は少なく
とも放熱すべき発熱部28の近傍に配置する事が好まし
い。よって、貫通穴27も同様に図に示すように少なく
とも放熱すべき発熱部28の近傍に配置されることが好
ましい。また、高熱伝導体23は発熱部28の近傍に集
中的に配置することが、さらに好ましい。
【0066】この様に成形された櫛歯状のフィンプレー
ト22と板状のスペーサプレート26を積層して、互い
にかしめ等によって接合して構成する。ここで、それぞ
れのプレートに成形された貫通穴27は、積層により連
続した穴となっており、ここに切削等の機械加工により
四角柱状に成形された高熱伝導体23を配置する。な
お、貫通穴27の穴寸法と高熱伝導体23の寸法の関係
は、貫通穴27に高熱伝導体23を挿入した場合に各方
向で、しまりばめの関係となるように成形する。フィン
プレート22、スペーサプレート26の積層体の貫通穴
27に高熱伝導体23をプレス等により加圧しながら挿
入する、すなわち圧入することにより、積層体と高熱伝
導体23は強固に接合される。この様に構成すること
で、非常に生産性がよく、しかも放熱性がよいヒートシ
ンク22を作製できる。また、本実施の形態では、積層
体を構成した後に高熱伝導体23を圧入配置する方法を
説明したが、予め高熱伝導体23を固定しそこにフィン
プレート22、スペーサプレート26を圧入して積層体
の構成と高熱伝導体23の接合を同時に行っても良い。
また、積層体と高熱伝導体23の接合をしまりばめとな
るように勘合固定する方法の他に、貫通穴27の穴寸法
と高熱伝導体23の寸法の関係を、すきまばめの関係と
なるように成形し、その空隙に高熱伝導体の金属あるい
は樹脂を充填し硬化させることにより結合させてもよ
い。この様にすれば、高熱伝導体23の圧入のためのプ
レス等加圧機器が不要になる。
【0067】また、上述した内容に加えて高熱伝導体2
3の長さを、ヒートシンク21のフィンプレート22と
スペーサプレート26の積層枚数分の厚みよりも長くし
た場合、ヒートシンク21厚みの両端に高熱伝導体23
が突出するように配置し、突出した部分の外形寸法が貫
通穴27の内寸法よりも大きくなるように、プレス等の
押圧によるかしめ加工を施すことにより積層体と高熱伝
導体23はさらに信頼性よく安定して強固に接すること
ができる。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、半導体装
置や電子部品などから発生した熱を効率よく放熱させる
ことができかつ、機械的強度も高いヒートシンクを得る
ことができ、さらにこのヒートシンクを生産効率よく製
造できる製造方法を得ることができるという有利な効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態におけるヒートシン
クを示す斜視図
【図2】本発明の第一の形態におけるヒートシンクの構
成を示す斜視図
【図3】本発明の第一の形態におけるヒートシンクの構
成部品を示す正面図
【図4】本発明の第一の形態における図1のヒートシン
クの矢視A−A方向の断面図
【図5】本発明の第一の形態におけるヒートシンクを示
す斜視図
【図6】本発明の第一の形態における図1のヒートシン
クのフィン部と反対面方向からの矢視図
【図7】本発明の第一の形態におけるヒートシンクを示
す斜視図
【図8】測定装置の概略構成図
【図9】熱抵抗の時間変化を示すグラフ
【図10】本発明の第2の形態におけるヒートシンクの
構成を示す斜視図
【図11】本発明の第2の形態におけるヒートシンクを
示す斜視図
【図12】本発明の第2の形態におけるヒートシンクの
構成部品を示す正面図
【図13】従来例を示す斜視図
【符号の説明】
11 ヒートシンク 11a ヒートシンクのベース 11b ヒートシンクのフィン 11c ヒートシンクの熱源と対向する面 12 フィンプレート 13 高熱伝導体 14 フィンプレートにおけるベース部 15 フィンプレートにおけるフィン部 16 スペーサプレート 17 スペーサプレートにおけるベース部 21 ヒートシンク 22 フィンプレート 23 高熱伝導体 24 フィンプレートにおけるベース部 25 フィンプレートにおけるフィン部 26 スペーサプレート 27 貫通穴 28 放熱すべき発熱部 30 セラミックスヒーター 101 放熱器 102 第一の薄板部材 106 第一の薄板部材 110 第2の薄板部材
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 郁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 楯 純生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉本 和彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E322 AA01 AA11 AB11 FA04 5F036 AA01 BA04 BA26 BB05 BB60 BD03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース部およびフィン部を具備したフィン
    プレートと、スペーサプレートと、の少なくとも2種類
    以上の金属板により構成され、複数の前記金属板が厚み
    方向に所定の枚数毎に積層され、複数の前記金属板を横
    断するように高熱伝導体を配置したことを特徴とするヒ
    ートシンク。
  2. 【請求項2】金属板が略同等の厚みを有し、フィンプレ
    ートの積層枚数(A)に対するスペーサプレートの積層
    枚数(B)の比(A/B)が1/3以上で1以下の範囲
    にあることを特徴とする請求項1に記載のヒートシン
    ク。
  3. 【請求項3】金属板よりなるフィンプレートのフィン部
    の正面形状が、異なる大きさの長方形状もしくは略三角
    形状や凹凸形状であるものが同一プレート内に少なくと
    も一カ所以上有することを特徴とする請求項1もしくは
    請求項2いずれか1記載の記載のヒートシンク。
  4. 【請求項4】高熱伝導体をフィン部と反対面に配置した
    ことを特徴とする請求項1から請求項3に記載のヒート
    シンク。
  5. 【請求項5】高熱伝導体をフィン部と反対面に設けられ
    た凹部に埋め込み配置したことを特徴とする請求項1か
    ら請求項3いずれか1記載の記載のヒートシンク。
  6. 【請求項6】ベース部およびフィン部を具備したフィン
    プレートと、ベース部のみからなるスペーサプレート
    と、の少なくとも2種類以上の金属板により構成され、
    複数の前記金属板が厚み方向に所定の枚数毎に積層さ
    れ、複数の前記金属板を貫通して横断するように高熱伝
    導体を配置したことを特徴とするヒートシンク。
  7. 【請求項7】金属板よりも高熱伝導体の熱伝導率が1.
    2倍以上高いことを特徴とする請求項1から請求項6い
    ずれか1記載のヒートシンク。
  8. 【請求項8】高熱伝導体の形状が略角柱状であることを
    特徴とする請求項6もしくは請求項7いずれか1記載の
    ヒートシンク。
  9. 【請求項9】金属板がアルミニウムを主成分とし、高熱
    伝導体が銅を主成分とすることを特徴とする請求項1か
    ら請求項8いずれか1記載のヒートシンク。
  10. 【請求項10】金属板がアルミニウムを主成分とし、高
    熱伝導体がヒートパイプであることを特徴とする請求項
    1から請求項7いずれか1記載のヒートシンク。
  11. 【請求項11】高熱伝導体を放熱すべき発熱部近傍に配
    置したことを特徴とする請求項1から請求項10に記載
    のヒートシンク。
  12. 【請求項12】金属板を、ベース部およびフィン部を具
    備したフィンプレートと、ベース部のみからなるスペー
    サプレートと、の少なくとも2種類以上に成形する第1
    の工程と、複数の前記金属板を厚み方向に所定の枚数毎
    に積層する第2の工程と、複数枚が積層された前記金属
    板を横断するように結合部材として高熱伝導体をフィン
    部と反対面に接合させて結合一体化せしめる第3の工程
    と、によりなることを特徴とするヒートシンクの製造方
    法。
  13. 【請求項13】金属板を、ベース部およびフィン部を具
    備したフィンプレートと、ベース部のみからなるスペー
    サプレートと、の少なくとも2種類以上に成形する第1
    の工程と、複数の前記金属板を厚み方向に所定の枚数毎
    に積層する第2の工程と、複数枚が積層された前記金属
    板を横断するように結合部材として高熱伝導体をフィン
    部と反対面に設けられた凹部に埋め込み接合させて結合
    一体化せしめる第3の工程と、によりなることを特徴と
    するヒートシンクの製造方法。
  14. 【請求項14】金属板を、ベース部およびフィン部を具
    備したフィンプレートと、ベース部のみからなるスペー
    サプレートと、の少なくとも2種類以上に成形する第1
    の工程と、複数の前記金属板を厚み方向に所定の枚数毎
    に積層する第2の工程と、複数枚が積層された前記金属
    板を横断するように結合部材として高熱伝導体を貫通さ
    せて結合一体化せしめる第3の工程と、によりなること
    を特徴とするヒートシンクの製造方法。
  15. 【請求項15】第3の工程として、複数枚が積層された
    前記金属板を横断するように結合部材として高熱伝導体
    を貫通させ、前記金属板と前記高熱伝導体の空隙を低融
    点金属で充填することにより結合一体化せしめる第3の
    工程を用いたことを特徴とする請求項12に記載のヒー
    トシンクの製造方法。
  16. 【請求項16】第3の工程として、複数枚が積層された
    前記金属板を横断するように結合部材として高熱伝導体
    を貫通させ、前記金属板と前記高熱伝導体の空隙を、熱
    伝導率が高い粒子が含有された樹脂を充填して硬化する
    ことにより結合一体化せしめる第3の工程を用いたこと
    を特徴とする請求項12に記載のヒートシンクの製造方
    法。
  17. 【請求項17】複数の伝熱板を積層して構成され、発熱
    体が取付可能な取付面と、前記取付面と反対側の面に設
    けられたフィンと、前記複数の伝熱板の積層方向に沿っ
    て、しかも前記複数の伝熱板に熱的に接触する高熱伝導
    体とを備えたことを特徴とするヒートシンク。
  18. 【請求項18】伝熱板よりも高熱伝導体の熱伝導率が
    1.2倍以上高いことを特徴とする請求項17記載のヒ
    ートシンク。
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